JP4554748B2 - ろう付け方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、適切にろう付け可能なろう付け方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のろう付け装置としては、国際公開第WO97/47422号公報に記載の構成が知られている。
【0003】
この国際公開第WO97/47422号公報に記載の構成は、ワークとなる基板の先端をやや高くした基板の種類毎に最適な上昇傾斜角で斜め上方に向けて搬送する搬送コンベアを有し、このコンベアの下方にワークの下面に向けてはんだを噴流する噴流ノズルを設けている。
【0004】
そして、搬送コンベアで基板を搬送し、基板の下面から噴流ノズルではんだを噴流して基板の下面全面にはんだ付けをしている。
【0005】
また、このはんだ付けの際に、噴流ノズルは、基板の先端が噴流ノズルの噴流先に位置する際にはんだが基板の上面にかからずに、また、基板の先端から後端の前面に確実にはんだ付けができるようにし、さらに、はんだ付けの際にはブリッジが生じないようにする必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、噴流するはんだの波形は一定であるため、噴流する高さが高すぎたり噴流して流れ落ちるはんだの角度が大きいと、はんだの先端が噴流ノズルの上方にかかる際に、基板の上面にはんだがかかってしまったり、基板の下面にはんだが十分に付かなかったり、ブリッジが生じたりする。
【0007】
特に、基板の種類の変更に伴ない搬送コンベアの上昇傾斜角を変更する場合に、基板の種類毎に発生しやすい問題を有している。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、基板の上面にろう材がかかることなく、基板の全面に確実にろう付けできるろう付け方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のろう付け方法は、ワークを水平方向成分を有する状態で搬送し、この搬送されているワークにこのワークの移動に従ってこのワークより下方から異なる高さで上方に向けてろう材を噴流してワークにろう付けし、噴流して流れ落ちるろう材の角度をワークの搬送状態に合わせて変化させるろう付け方法であって、ろう材が噴流する上方にワークが搬送されるまでの第1の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を大きな状態とするとともにろう材の噴流する高さを低い状態とし、ろう材が噴流する上方にワークが達する第2の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を前記第1の状態より小さい状態とするとともにろう材の噴流する高さを前記第1の状態より高い状態とし、ワークの先端にろう材が達した後の第3の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を前記第1の状態より小さい状態で前記第2の状態より大きい状態とするとともにろう材の噴流する高さを前記第1の状態より高い状態で前記第2の状態より低い状態とするろう付け方法である。
【0010】
請求項2記載のろう付け方法は、請求項1記載のろう付け方法において、噴流するろう材の表面に不活性ガスを供給するものである。
【0011】
請求項3記載のろう付け方法は、請求項2記載のろう付け方法において、ろう材の噴流状態に合わせて不活性ガスの供給状態を変化させるものである。
【0012】
請求項4記載のろう付け装置は、ワークを水平方向成分の移動を含む状態で搬送する搬送手段と、ろう材を圧送する圧送手段と、前記搬送手段で搬送されるワークの下方に位置し前記圧送手段で圧送されたろう材を前記ワークに噴流させるノズルと、このノズルから噴流されたろう材の高さを変化させるとともにノズルから噴流して流れ落ちるろう材の角度を変化させる可変手段と、この可変手段を制御してノズルから噴流されるろう材の高さを変化させるとともにノズルから噴流して流れ落ちるろう材の角度を変化させる制御手段とを具備し、圧送手段は、ろう材の圧送量を可変で、制御手段は、圧送手段および可変手段を制御し、ろう材が噴流する上方にワークが搬送されるまでの第1の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を大きな状態とするとともにろう材の噴流する高さを低い状態とし、ろう材が噴流する上方にワークが達する第2の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を前記第1の状態より小さい状態とするとともにろう材の噴流する高さを前記第1の状態より高い状態とし、ワークの先端にろう材が達した後の第3の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を前記第1の状態より小さい状態で前記第2の状態より大きい状態とするとともにろう材の噴流する高さを前記第1の状態より高い状態で前記第2の状態より低い状態とするものである。
【0013】
請求項5記載のろう付け装置は、請求項4記載のろう付け装置において、可変手段は、角度可変の案内板を有し、この案内板の角度の変化に従いろう材の流れを変化させるものである。
【0014】
請求項6記載のろう付け装置は、請求項5記載のろう付け装置において、案内板の角度を変化させる回転カムを有するものである。
【0015】
請求項7記載のろう付け装置は、請求項4ないし6いずれか記載のろう付け装置において、噴流されるろう材の表面に沿って不活性ガスを供給するガス供給手段を具備したものである。
【0016】
請求項8記載のろう付け装置は、請求項7記載のろう付け装置において、ガス供給手段から供給される不活性ガスの供給状態を変化させる調整手段を具備したものである。
【0017】
請求項9記載のろう付け装置は、請求項4ないし8いずれか記載のろう付け装置において、制御手段は、搬送手段で搬送されるワークの種類に従い制御するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態のろう付け装置としてのはんだ付け装置を図面を参照して説明する。
【0019】
図1ないし図3に示すように、はんだ付け装置1は、たとえば内部を不活性ガスとして窒素ガス(N2 )雰囲気とした図示しない筐体を有し、この筐体内に上面を開口した装置本体2を収容し、この装置本体2の内部に、導電性のろう材としてのいわゆる鉛フリーはんだといわれる錫、銀およびインジウムなどを主成分とするはんだSを収容する一つの槽体3を備えている。
【0020】
また、装置本体2の上部には上流から下流に向けてやや上昇するように傾斜された搬送手段としてのコンベア4が設けられ、このコンベア4によりワークとしての基板Wが搬送される。
【0021】
そして、一つの槽体3に、はんだSを圧送する圧送手段としての第1の電磁誘導ポンプ5と第2の電磁誘導ポンプ6とが設けられ、これら第1の電磁誘導ポンプ5および第2の電磁誘導ポンプ6は、それぞれ上端部にノズル取付台部7,8が取り付けられ、これらノズル取付台部7,8には吐出口11,12が形成されている。
【0022】
また、一つの槽体3内には、第1の電磁誘導ポンプ5のノズル取付台部7と第2の電磁誘導ポンプ6のノズル取付台部8とを挟むように、はんだSを溶融するたとえば長尺のシーズヒータで構成される複数のヒータ14が、第1の電磁誘導ポンプ5と第2の電磁誘導ポンプ6の長手方向に平行に上下方向に配置されている。
【0023】
さらに、第1の電磁誘導ポンプ5および第2の電磁誘導ポンプ6のノズル取付台部7,8に、はんだSを噴流させる第1のノズル15および第2のノズル16がそれぞれ着脱可能に取り付けられる。
【0024】
まず、第1のノズル15は、第1の電磁誘導ポンプ5のノズル取付台部7と嵌合する嵌合部21を有し、この嵌合部21の内面側にはノズル取付台部7を押圧挟持する板ばね22を有している。また、第1の電磁誘導ポンプ5の吐出口11の上方には、たとえばパンチングメタルなどで形成された複数毎の整流板23が配設されている。さらに、この整流板23の上部には、コンベア4とほぼ平行でワークWの搬送される下流に向けてやや上向きに傾斜された噴流板24が設けられ、この噴流板24には多数の噴流孔25が穿設されて、この噴流孔25からはんだSが突起状に噴流して不規則に運動する多数の一次噴流波を形成する。また、噴流板24から連続して噴流されたはんだSを下方に落下して流す傾斜板26,27が形成され、これら傾斜板26,27にそれぞれ対向してこれら傾斜板26,27とほぼ平行の整流板28,29が一体に形成され、これら整流板28,29の上面にはこれら整流板28,29から連続しコンベア4の傾斜とほぼ平行の上縁板31,32が形成され、これら整流板28,29および上縁板31,32の背面側には窒素ガスを充満させるガス室33,34が形成されている。
【0025】
また、第2のノズル16は、第2の電磁誘導ポンプ6のノズル取付台部9を嵌合する嵌合部41を有し、この嵌合部41の内面側にはノズル取付台部8を押圧挟持する板ばね42を有している。また、第2の電磁誘導ポンプ6の吐出口12の上方には、たとえばパンチングメタルなどで形成された整流板43が配設されている。さらに、この整流板43の上部には、はんだSを噴流する細長開口状の噴出孔44が形成され、この噴出孔44のコンベア4の上流側には噴流するはんだSを搬送される基板Wの下流側に向ける湾曲された方向付板45を有し、この方向付板45の上部にはコンベア4とほぼ平行でワークWの搬送される下流に向けてやや上向きに傾斜された上縁板46が設けられ、この上縁板46の搬送方向上流側には噴流されたはんだSを下方に落下させて流す傾斜板47が形成され、この傾斜板47に対向してこの傾斜板47と平行な整流板48が第1のノズル15の上縁板32に連続して形成されている。一方、噴出孔44のコンベア4の下流側には、噴出孔44の長手方向に沿って回動可能な回動軸51が設けられ、この回動軸51には可変手段である案内板52の一端が取りつけられ、この案内板52は回動軸51に沿った案内面53を有し、この案内面53の回動軸51と反対側に設けられ下方に向けて傾斜され噴流されたはんだSが落下して流れる第1の傾斜面54が形成され、この第1の傾斜面54にはさらに傾斜が急な第2の傾斜面55が形成されている。
【0026】
そして、案内板52の下面には回転カム56の周面が摺動自在に当接され、この回転カム56のカム軸57は両端が第2のノズル16の両側を貫通して外部に突出され、カム軸57の両端には案内溝58を有する角度調整板59が一体に固着され、案内溝58に挿入して第2のノズル16の側面に螺合したボルト60により角度調整板59が固定され、ボルト60を緩めることにより角度調整板59を回動可能にし、回転カム56の回転により回動軸51を中心に案内板52を回動して案内板52の傾斜角度を可変する。さらに、角度調整板59には「0」から「5」までの6段階のダイヤル目盛が記載され、ボルト60に対するダイヤル目盛により回転カム56の回転角がわかる。また、回動軸51には、ばね性を有する接触板61の先端が押圧当接されて回動軸51の周囲からはんだSが漏出することを防止し、この接触板61は取付板62に取り付けられ、第2のノズル16は基板Wの搬送方向および搬送方向と対向する方向の滑らかな二次噴流波を形成する。
【0027】
また、回転カム56の回動を自動化する場合は、図4に示すように、一対のユニバーサルジョイント63を有するシャフト64を介してパルスモータあるいはサーボモータなどのモータ65に回転カム56のカム軸57が接続されて駆動され、このモータ65はマイクロコンピュータなどの制御手段として制御部66に接続され、この制御部66はたとえば図5に示す位置センサ67に接続されて制御する。
【0028】
さらに、案内板52に対向して可変手段としての断面ほぼL字状の調整手段としての整流板68が、整流板68の上下方向に掲載された長孔69に挿入されたボルト70により固定され、上下動可能に設けられている。
【0029】
また、窒素ガスを供給するガス供給手段としてのガス管71が配設され、このガス管71はガス供給孔72,73,74を有し、ガス供給孔72はガス室33内に、ガス供給孔73はガス室34内に、ガス供給孔74は整流板68の下部に設けられている。
【0030】
次に、上記実施の形態の動作について説明する。
【0031】
まず、槽体3のヒータ14により加熱すると、はんだSが溶融し、第1の電磁誘導ポンプ5および第2の電磁誘導ポンプ6を動作させることにより、はんだSが上方に向けて圧送される。
【0032】
そして、第1のノズル15では、第1の電磁誘導ポンプ5からはんだSが圧送されると、吐出口11からはんだSが吐出され、整流板23ではんだSが整流されて噴出孔25からはんだが噴流される。この噴出孔25からは突起状の不規則に運動する一次噴流波が噴流され、基板Wの高密度実装基板の微小部品間隙にも確実に浸入して、全てのろう付け部にて良好な濡れ性を確保する。また、噴流された余分なはんだSは、傾斜板26,27を介して流れ落ち、槽体3に再び収容され、ヒータ14にて再度暖められて循環する。さらに、ガス管71から供給された窒素ガスは、ガス供給孔72およびガス供給孔73からそれぞれガス室33およびガス室34に充満し、整流板28および整流板29に沿って流れ傾斜板26および傾斜板27を流れ落ちるはんだSの表面の酸化を防止するととともに、噴流板24の噴流孔25から噴流されるはんだSの表面の酸化を防止する。
【0033】
また、第2のノズル16では、第2の電磁誘導ポンプ6からはんだSが圧送されると、吐出口12からはんだSが吐出され、整流板43ではんだSが整流されて噴出孔44からはんだSが噴流される。この基板Wの搬送方向に対向する円弧状に成形された滑らかな二次噴流波は、過剰なろう付けを整形して、いわゆるブリッジやつららなどのろう付け不良を防止する。
【0034】
そして、この二次噴流波の高さ、速度、流れ落ちる角度などの波形は、基板Wの搬送状態に従って案内板52の傾斜角度を変化させることにより変化する。
【0035】
まず、回転カム56の角度調整板59に設けられたダイヤル目盛と、案内板52の傾斜角と、二次噴流波の搬送下流側への流速と、波高との関係について表1を参照して説明する。
【0036】
【表1】
すなわち、コンベア4で基板Wが搬送され、図5に示すように、基板Wが第2のノズル16の噴出孔44の上方に位置する第1の状態では、位置センサ67で検出されるまでは、はんだSが基板Wの上面にかぶることを防止するために、制御部66により、第2の電磁誘導ポンプ6の出力を最低の状態にし、回転カム56のダイヤルも0にして、二次噴流波の波高が低く、速度が大きく、流れ落ちる角度も大きい状態にしておく。
【0037】
次に、コンベア4でさらに基板Wが搬送され、図6に示すように、基板Wが第2のノズル16の噴出孔44の上方に位置する第2の状態では、位置センサ67で検出されると、基板Wの下面の先端にまではんだSを確実に接触させるために、制御部66により、第2の電磁誘導ポンプ6の出力を最高の状態にし、モータ65を駆動して回転カム56のダイヤルを5にして、二次噴流波の波高が高く、速度が小さく、流れ落ちる角度も小さい状態にする。
【0038】
そして、コンベア4で基板Wが搬送され、図7に示すように、基板Wの下面の先端にまではんだSが接触する第3の状態では、後方のはんだの濡れは確実に進行するため、先端からはんだが離脱した後は、第2の電磁誘導ポンプ6の出力はそのままの状態で、制御部66により、モータ65を駆動して回転カム56のダイヤルを2ないし4程度に戻して、はんだSの切れの良い状態にし、第1の状態および第2の状態の間の高さで、流れ落ちる角度を大きく設定する。
【0039】
なお、センサ67で基板Wを検出した後は、コンベア4の速度によりこれらの位置を演算で求めればよく、センサ67を用いない場合には基板Wが第2のノズル16の噴出孔44の上方に位置することも、演算により時間を求めてもよい。
【0040】
さらに、ガス管71から供給された窒素ガスは、ガス供給孔74から供給されるが、整流板68の高さを案内板52の角度、すなわち案内板52の先端側の高さに従い上下させることにより、常に適切な状態で案内板52を落下して流れるはんだSの表面に沿って流れ、はんだSの表面の酸化を防止するととともに、噴出孔44から噴流されるはんだSの表面の酸化を防止する。
【0041】
このように、案内板52の傾斜角を変化させることにより、従来のように、固定されている二次噴流波とは異なり、高さ、速度の微調整が不要になり、基板Wの上面のはんだSのかぶりをなくして、基板Wの下面全体にはんだSが接触し、はんだの切れも良くできるために、ブリッジの発生も抑制できる。
【0042】
次に、他の実施の形態を図8ないし図11を参照して説明する。
【0043】
この図8ないし図11に示す実施の形態は、基本的には図1ないし図7に示す実施の形態と同様であるが、案内板52に代えて案内板81を用いており、この案内板81は案内面82を有しこの案内面82の先端にこの案内面82より傾斜の急な傾斜面83が形成されているものである。また、案内板52に対向して、可変手段および堰止手段としての機能を有する堰止装置91が配設されている。この堰止装置91は案内板81の傾斜面83に対向して進退する堰板92を有し、この堰板92は上端部材93を有し、この上端部材93は支軸94により揺動可能に取り付けられ、支軸94より下方に配置されたボルト取付板95に螺合された作動ボルト96の先端で係止されている。
【0044】
そして、たとえば図12に示すように、回転カム56を表1のダイヤル目盛「5」に設定し、堰板92を後退させている場合には、案内板81の傾斜角は小さいため、噴流されたはんだSの落下して流れる角度および流速も小さくなる。
【0045】
一方、この回転カム56をダイヤル目盛「5」に設定した状態で堰板92を進出させ、堰板92の下端を案内板81の傾斜面83に当接して堰き止めると、図13に示すように、堰板92の上部からオーバフローする高さまではんだSの高さが上昇するとともに、図12に示す堰板92が後退している場合に比べて十分に、噴流されたはんだSの流れ落ちる角度を小さくできる。
【0046】
また、図14に示すように、回転カム56を表1のダイヤル目盛「3」に設定し、堰板92を後退させている場合には、図12に示す場合に比べて、案内板81の傾斜角がやや大きくなり、噴流されたはんだSの落下して流れる角度および流速はやや大きくなる。
【0047】
さらに、図15に示すように、回転カム56を表1のダイヤル目盛「0」に設定し、堰板92を後退させている場合には、案内板81の傾斜角は大きいため、噴流されたはんだSの落下して流れる角度および流速は大きくなる。
【0048】
そして、この回転カム56のダイヤルを「0」に設定した状態で堰板92を進出させ、堰板92の下端を案内板81の傾斜面83に当接して堰き止めると、図16に示すように、噴出孔44の近傍の部分では噴流されたはんだSの流れ落ちる角度は大きいものの堰板92の上部からオーバフローする高さまではんだSの高さが上昇するため、図15に示す堰板92が後退している場合に比べて、基板Wの搬送方向下流側のはんだSの高さを高くできる。
【0049】
このように、堰止装置91を用いることにより、単に案内板52の傾斜角を変化させる場合に比べて、噴流されるはんだSの流れ落ちる角度および高さのバリエーションを多くすることができる。
【0050】
さらに、この場合第2の電磁誘導ポンプ6の圧送量を変化させるとより多くの状態に対応できる。
【0051】
なお、可変手段としての案内板52,81は、基板Wの搬送中に搬送位置に従い変化させるのみならず、基板Wの非搬送時に可動調整するようにしてもよい。たとえば、基板Wを他の種類に設定する際にコンベア4の上昇角を調整することがあるが、案内板52,81あるいは堰板92を可動調整して、基板Wに応じた最適な波形が得られるようにすればよい。
【0052】
また、多品種混合生産の場合は、あらかじめ基板Wの流す順序を設定したり、あるいは、バーコードその他のもので基板Wの種類を読み取り、自動的に基板Wに最適に設定するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
請求項1記載のろう付け方法によれば、ワークの移動に従って噴流するろう材の高さを異ならせるとともに、ワークの搬送状態に合わせて噴流して流れ落ちるろう材の角度を変化させることにより、ワークの搬送方向先端の上面にろう材がかかったり、ろう付けする面にブリッジが生じたりすることなく、全面に確実にろう付けできる。すなわち、ろう材が噴流する上方にワークが搬送されるまでの第1の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を大きな状態とするとともにろう材の噴流する高さを低い状態として、ろう材がワークの搬送方向先端の上面にかかることを防止し、ろう材が噴流する上方にワークが達する第2の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を第1の状態より小さい状態とするとともにろう材の噴流する高さを第1の状態より高い状態として、ろう材がワークの先端まで確実に接触するようにし、ワークの先端にろう材が達した後の第3の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を第1の状態より小さい状態で第2の状態より大きい状態とするとともにろう材の噴流する高さを第1の状態より高い状態で第2の状態より低い状態として、ろう付けの際にブリッジが生ずることを防止できる。
【0054】
請求項2記載のろう付け方法によれば、請求項1記載のろう付け方法に加え、噴流するろう材の表面に不活性ガスを供給するので、噴流するろう材の表面が酸化することを防止できる。
【0055】
請求項3記載のろう付け方法によれば、請求項2記載のろう付け方法に加え、ろう材の噴流状態に合わせて不活性ガスの供給状態を変化させるので、より適切に不活性ガスを供給することにより、噴流するろう材の表面が酸化することを防止できる。
【0056】
請求項4記載のろう付け装置によれば、制御手段は可変手段を制御してノズルから噴流されるろう材の高さをワークの移動に従って変化させるとともに、ノズルから噴流して流れ落ちるろう材の角度をワークの搬送状態に合わせて変化させることにより、ワークの搬送方向先端の上面にろう材がかかったり、ろう付けする面にブリッジが生じたりすることなく、全面に確実にろう付けできる。すなわち、ろう材が噴流する上方にワークが搬送されるまでの第1の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を大きな状態とするとともにろう材の噴流する高さを低い状態として、ろう材がワークの搬送方向先端の上面にかかることを防止し、ろう材が噴流する上方にワークが達する第2の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を第1の状態より小さい状態とするとともにろう材の噴流する高さを第1の状態より高い状態として、ろう材がワークの先端まで確実に接触するようにし、ワークの先端にろう材が達した後の第3の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を第1の状態より小さい状態で第2の状態より大きい状態とするとともにろう材の噴流する高さを第1の状態より高い状態で第2の状態より低い状態として、ろう付けの際にブリッジが生ずることを防止できる。
【0057】
請求項5記載のろう付け装置によれば、請求項4記載のろう付け装置に加え、案内板の角度を可変することによりろう材のたとえば流れ落ちる角度あるいは波形などを簡単な構成で変化させることができる。
【0058】
請求項6記載のろう付け装置によれば、請求項5記載のろう付け装置に加え、案内板の角度を変化させる回転カムを有するので、回転カムの変化により案内板の角度を容易に変化させることができる。
【0059】
請求項7記載のろう付け装置によれば、請求項4ないし6いずれか記載のろう付け装置に加え、噴流するろう材の表面が酸化することを防止できる。
【0060】
請求項8記載のろう付け装置によれば、請求項7記載のろう付け装置に加え、調整手段により不活性ガスの供給状態を変化させて噴流するろう材の表面に沿ってより適切に不活性ガスを供給することにより、噴流するろう材の表面が酸化することを防止できる。
【0061】
請求項9記載のろう付け装置によれば、請求項4ないし8いずれか記載のろう付け装置に加え、制御手段は、搬送手段で搬送されるワークの種類に従い制御するもので、ワークの搬送位置に従い制御することにより、ワークの搬送方向先端の上面にろう材がかかったり、ろう付けする面にブリッジが生じたりすることなく、全面に確実にろう付けできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態のはんだ付け装置の一部を示す縦断面図である。
【図2】 同上図1に示す第1のノズルの周辺を拡大して示す縦断面図である。
【図3】 同上図1に示す第2のノズルの周辺を拡大して示す縦断面図である。
【図4】 同上回転カムの制御を示す説明図である。
【図5】 同上ろう材が噴流する上方にワークが搬送されるまでの第1の状態を示す説明図である。
【図6】 同上ろう材が噴流する上方にワークが達する第2の状態を示す説明図である。
【図7】 同上ワークの先端にろう材が達した後の第3の状態を示す説明図である。
【図8】 同上他の実施の形態の第2のノズルを示す側面図である。
【図9】 同上第2のノズルを示す断面図である。
【図10】 同上第2のノズルを示す平面図である。
【図11】 同上第2のノズルを示す正面図である。
【図12】 同上第2のノズルの案内板の傾斜を小さくし堰板を後退させた状態を示す説明図である。
【図13】 同上第2のノズルの案内板の傾斜を小さくし堰板を進出させた状態を示す説明図である。
【図14】 同上第2のノズルの案内板の傾斜を中間にし堰板を後退させた状態を示す説明図である。
【図15】 同上第2のノズルの案内板の傾斜を大きくし堰板を後退させた状態を示す説明図である。
【図16】 同上第2のノズルの案内板の傾斜を大きくし堰板を進出させた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ろう付け装置としてのはんだ付け装置
4 搬送手段としてのコンベア
6 圧送手段としての第2の電磁誘導ポンプ
16 ノズル
52 可変手段としての案内板
56 回転カム
66 制御手段としての制御部
68 調整手段としての整流板
71 ガス供給手段としてのガス管
S ろう材としてのはんだ
W ワークとしての基板
Claims (9)
- ワークを水平方向成分を有する状態で搬送し、
この搬送されているワークにこのワークの移動に従ってこのワークより下方から異なる高さで上方に向けてろう材を噴流してワークにろう付けし、
噴流して流れ落ちるろう材の角度をワークの搬送状態に合わせて変化させるろう付け方法であって、
ろう材が噴流する上方にワークが搬送されるまでの第1の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を大きな状態とするとともにろう材の噴流する高さを低い状態とし、ろう材が噴流する上方にワークが達する第2の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を前記第1の状態より小さい状態とするとともにろう材の噴流する高さを前記第1の状態より高い状態とし、ワークの先端にろう材が達した後の第3の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を前記第1の状態より小さい状態で前記第2の状態より大きい状態とするとともにろう材の噴流する高さを前記第1の状態より高い状態で前記第2の状態より低い状態とする
ことを特徴とするろう付け方法。 - 噴流するろう材の表面に不活性ガスを供給する
ことを特徴とする請求項1記載のろう付け方法。 - ろう材の噴流状態に合わせて不活性ガスの供給状態を変化させる
ことを特徴とする請求項2記載のろう付け方法。 - ワークを水平方向成分の移動を含む状態で搬送する搬送手段と、
ろう材を圧送する圧送手段と、
前記搬送手段で搬送されるワークの下方に位置し前記圧送手段で圧送されたろう材を前記ワークに噴流させるノズルと、
このノズルから噴流されたろう材の高さを変化させるとともにノズルから噴流して流れ落ちるろう材の角度を変化させる可変手段と、
この可変手段を制御してノズルから噴流されるろう材の高さを変化させるとともにノズルから噴流して流れ落ちるろう材の角度を変化させる制御手段とを具備し、
圧送手段は、ろう材の圧送量を可変で、
制御手段は、圧送手段および可変手段を制御し、ろう材が噴流する上方にワークが搬送されるまでの第1の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を大きな状態とするとともにろう材の噴流する高さを低い状態とし、ろう材が噴流する上方にワークが達する第2の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を前記第1の状態より小さい状態とするとともにろう材の噴流する高さを前記第1の状態より高い状態とし、ワークの先端にろう材が達した後の第3の状態では噴流して流れ落ちるろう材の角度を前記第1の状態より小さい状態で前記第2の状態より大きい状態とするとともにろう材の噴流する高さを前記第1の状態より高い状態で前記第2の状態より低い状態とする
ことを特徴とするろう付け装置。 - 可変手段は、角度可変の案内板を有し、この案内板の角度の変化に従いろう材の流れを変化させる
ことを特徴とする請求項4記載のろう付け装置。 - 案内板の角度を変化させる回転カムを有する
ことを特徴とする請求項5記載のろう付け装置。 - 噴流されるろう材の表面に沿って不活性ガスを供給するガス供給手段
を具備したことを特徴とする請求項4ないし6いずれか記載のろう付け装置。 - ガス供給手段から供給される不活性ガスの供給状態を変化させる調整手段
を具備したことを特徴とする請求項7記載のろう付け装置。 - 制御手段は、搬送手段で搬送されるワークの種類に従い制御する
ことを特徴とする請求項4ないし8いずれか記載のろう付け装置。
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