JP4554366B2 - データウィンドウを使用してデータを復号化するための方法 - Google Patents

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Description

本発明はデータを復号化するための方法に関し、前記方法は、入力データの複数のウィンドウを使用するいくつかのステップを有する反復を備える。
このような方法は、特にいずれかのシステムで、UMTS規格またはある衛星通信を使用して使用することができる。
標準3GPP(3GPP TS 25.212)で定義されたUMTS規格を使用したシステムでは、データはこのようなシステムの受信器で受信されるときに復号化される。このような受信器は、集積回路内に復号器を備える。現在はターボ復号器とも呼ばれる前記復号器は、相互依存するSISOとも呼ばれる2つの軟入力軟出力ステップを備える。SISOステップは、二者択一的に、インタリーブされたデータ・ストリームを有する(SISO2と呼ばれる)か、または非インタリーブされたデータ・ストリームを有する(SISO1と呼ばれる)、入力データの復号化を示す。
復号化処理中に、符号化の可能性のある状態のトレリスが定義される。
参照文献「Implementation issues of 3rd generation mobile communication turbo decoding」(j.DielissenおよびJ.Huisken)、21st Symposium on Information Theory in Benelux、9〜16頁、2000年5月、Wassenaar、オランダにおいて、データ・ブロックBの復号化は以下の方法で行われる。
SISOステップは、前方状態計量ベクトル(forward state metric vectors)αを処理するある前方回帰(forward recursion)、状態計量ベクトルβを処理するある後方回帰(backward recursion)を管理し、これらの状態計量ベクトルは、符号化の可能性のある状態のトレリス内で、ある確率係数λを出力する外部計算において使用される。
復号化を実行するために、スライディング・ウィンドウのシステムが使用される。これは、受信器によって受信された入力データを複数のデータウィンドウに分割することに基づく。
スライディング・ウィンドウの原理を図1に示す。
復号器によって受信されたデータ・ブロックBは、サイズWのウィンドウに分割され、1つの一意の計算ユニットが2つのSISOステップを実行中である。前記ユニットは、順次的な方法で、ウィンドウからウィンドウへと、各SISOステップの状態計量および確率係数を計算する。確率の正しい係数を収束させるために、複数の反復が実行される。単一の反復は、第1および第2のSISOステップを備える。
第1の反復ITER_Nで、計算ユニットは第1のSISOステップSISO1の計算を実行する。
第1のウィンドウ0−Wでは、計算ユニットは第1の前方回帰を行い、第1のセットの前方状態計量αを処理する。第2のウィンドウW−2W中に、計算ユニットは第2の前方回帰を実行し、第2のセットの前方状態計量αを処理する。この第2の前方回帰と並行して、計算ユニットは第1のセットの後方状態計量βを処理する第1の後方回帰を実行する。確率係数λの計算は、対応する後方状態計量ベクトルβが計算された直後に開始することに留意されたい。
第3のウィンドウ2W−3W中に、計算ユニットは、第1の反復ITER_Nの最後のウィンドウ(B−W)−Bまで、第3の前方回帰および第2の後方回帰を実行する。
次いで、計算ユニットは、第2のSISOステップSISO2についてまったく同じ種類の計算を実行する。
後方回帰中に、新しい各ウィンドウで、最後の後方状態計量ベクトルβが保存されることに留意されたい。これは、同じSISOステップ(SISO1の場合はSISO1、SISO2の場合はSISO2)で次の反復の以前のウィンドウを初期化するために使用されるようになる。このように、1つのウィンドウは別のウィンドウに依存している。
従来技術の1つの主要な問題は、データ処理量が大きい場合に従来技術の解決策で時間がかかり過ぎることである。
したがって、本発明の目的は、SISO計算の時間消費を改善することによって効率的な復号化を達成する、入力データウィンドウを使用してデータを復号化するための方法および復号器を提供することである。
このために、1つの方法が提供され、この方法は、反復内のステップの現在のウィンドウについて、
−前方回帰を実行するステップであって、前記前方回帰は、以前の反復の同じステップの以前のウィンドウの上位ステーク(upper stake)からの前方状態計量ベクトルにより初期化され、ウィンドウは下位および上位ステークを備えるステップと、
−後方回帰を実行するステップであって、前記後方回帰は、以前の反復の同じステップの次のウィンドウの下位ステーク(lower stake)からの後方状態計量ベクトルにより初期化されるステップとを備える。
加えて、復号器が提供され、この復号器は、反復内のステップの現在のウィンドウについて、
−前方回帰であって、前記前方回帰は、以前の反復の同じステップの以前のウィンドウの上位ステークからの前方状態計量ベクトルにより初期化され、ウィンドウは下位および上位ステークを備え、
−後方回帰であって、前記後方回帰は、以前の反復の同じ状態の次のウィンドウの下位ステークからの後方状態計量ベクトルにより初期化される後方回帰とを実行するための計算ユニットを備える。
さらに詳細に見るように、このような方法は、取られる時間を短縮することができる。それが属する反復ではなく、以前の反復の同じ種類のステップからのウィンドウのために行われた初期化を介して、ステップのすべてのウィンドウ計算が並行して実行されることが可能となる。
本発明の追加の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明を読んだ上で、また、添付の図面を参照した上で明らかになるであろう。
以下の説明では、当業者に周知の機能または構成を詳しく説明することはしないが、それはそうすることで本発明が不必要に曖昧になるからである。
本発明は、スライディング・ウィンドウを使用してデータを復号化するための方法に関する。前記方法は特に集積回路内のターボ復号器において使用され、前記集積回路は、送信器および受信器を備えるUMTS通信システム内、より詳細には、前記受信器、例えば、基地局の受信器内に埋め込まれる。
受信器はある入力データを受信し、この入力データは、当業者に周知の一般の汎用符号化スキームによって符号化される。受信器は、送信器によって送信された信号を回復するために、そのターボ復号器を通じて、符号化された入力データを復号化しなければならない。
このために、復号化中に、符号化の可能性のある状態のトレリスが定義され、復号化処理は2つのSISOステップ(軟入力軟出力)を備え、SISOステップは、データウィンドウWID(以下で詳細に定義する)または完全信号の復号化であり、前記復号化は、それぞれインタリーブされたデータによる(SISO2と呼ばれる)、および、非インタリーブされたデータによる(SISO1と呼ばれる)、前方回帰、後方回帰および外部計算を備える。
図2に例示するように、トレリスは8個の可能な状態STATEから構成される。組織的(systematic)とも呼ばれる入力データ、パリティ入力データとも呼ばれる対応する符号化された入力データ、および先験的情報(以前のSISOステップからのもの)が与えられると、ある状態から別の状態への各移行は、分岐計量ベクトル(branch metric vector)γによって特徴付けられる。各トレリス・ステップで、前方状態計量ベクトルαは以前の状態計量ベクトルαおよび関連付けられた分岐計量ベクトルγから計算され、後方状態計量ベクトルβは次の状態計量ベクトルβおよび関連付けられた分岐計量ベクトルγから計算される。所与のトレリス・ステップで、両方の状態計量ベクトル(αおよびβ)が計算されているとき、外部値、すなわち確率係数λをこれらの状態計量および分岐計量ベクトルから処理することができる。
各SISOステップは、他のSISOから来る情報を使用することによって、他のSISOステップと相互に作用する。SISOステップは外部計算λを出力し、これは次のSISOステップによって先験的情報として使用される。
この外部情報は、0または1信号が送信された確率を評価する。
正しい確率の係数λへ、したがって正しく符号化された信号へ漸進的に収束するために、SISOステップの複数の反復が実行される。単一の反復は、第1のSISO1および第2のSISO2ステップを備える。
受信された入力データを復号化するために、ターボ復号器は、入力データに適用されるデータのスライディング・ウィンドウのシステムを使用する。スライディング・ウィンドウのシステムは、入力データ・ブロックBをデータウィンドウに分割することに基づき、データウィンドウWIDは、他のウィンドウWIDとは異なる可能性のあるサイズを有する。
データのブロックBと共に、いくつかの後部ビットが送信器によって受信器へ、したがって復号器に送信されることに留意されたい。
入力データ・ブロックBの復号化は以下のように行われる。
データ・ブロックBの全体は優先的に等しいサイズのウィンドウWIDに分割される。計算ユニットCOMPは、復号化のレーテンシーを短縮するために、データ・ブロックBの各ウィンドウWIDに割り振られる。ウィンドウは、ステークSTKと呼ばれるいくつかの初期化点を備える。
2つのステークSTKである下位ステークおよび上方ステークは、ウィンドウWIDを特徴付ける。実際には、図3を見るとわかるように、下位ステークはまたウィンドウの下限をも、上位ステークはウィンドウの上限をも表す。
以前の反復SISOステップの以前のウィンドウWID計算によって初期化された上位ステークは、現在の反復の各SISOステップの現在のウィンドウWIDの前方状態計量ベクトルαを計算するために使用される。
以前の反復SISOステップの次のウィンドウWID計算によって初期化された下位ステークは、現在の反復の各SISOステップの現在のウィンドウWIDの後方状態計量ベクトルβを計算するために使用される。
復号化されるデータのブロックBと共に送信された後部ビットは、最後のウィンドウWIDの後方回帰を初期化するために使用されることに留意されたい。最後の状態計量ベクトルβは、前記後部ビットを使用して既知の初期状態0 STATE0からトレース・バックを行うことによって得られる。これは、復号化処理の開始で、終了生成器と呼ばれるユニットによって行われる。
復号化の開始で、ステークSTKを、一様の任意の状態計量ベクトル(例えば0)により初期化することができる。当然ながら、効率的な実装−BCJR初期化技術(トレーニング前方および後方回帰は、任意の値ではなく最初の反復を初期化するために行われる)は、当業者には周知であり、これもまた使用することができるが、これは実際には時間がかかるので、全体の性能に影響を及ぼす可能性がある。
ターボ復号器の各計算ユニットCOMPは次いで、以下のように、SISOステップ中にその関連付けられたウィンドウWIDを独立して処理することができる。
−前方回帰は、以前の各SISOステップ内の以前のウィンドウ、すなわち、以前の反復における同じSISOステップ(SISO1またはSISO2)の以前のウィンドウの、上位ステークからの前方状態計量α値により初期化される。
−前方回帰が終了し、最後に計算された前方状態計量αが現在のウィンドウの上位ステーク内に格納される。
−後方回帰は、以前の各SISOステップ内の次のウィンドウ、すなわち、以前の反復における同じSISOステップ(SISO1またはSISO2)の次のウィンドウの、下位ステークからの後方状態計量β値により初期化される。
−後方回帰が終了し、最後に計算された後方状態計量βが現在のウィンドウの下位ステーク内に格納される。
好ましくは、以前の反復における同じSISOステップの以前のウィンドウは、直前の反復における同じタイプのSISOステップ(タイプSISO1またはタイプSISO2のいずれか)の直前のウィンドウであり、以前の反復における同じSISOステップの次のウィンドウは、直前の反復における同じ種類のSISOステップの連続したウィンドウである。
このような復号化の一実施例を図3に例示する。図3の図では、X軸は時間を表し、Y軸は、処理されるウィンドウWIDを表す。この実施例では、2つの反復ITER_0およびITER_1がある。ウィンドウWIDは、計算される4つの入力データを有すると仮定する。
第1の反復ITER_0中に、以下のステップが実行される。
第1のステップ1)で、第1のSISOステップSISO1が、そのウィンドウWIDに関連付けられた異なる計算ユニットCOMPによって実行される。
第1の計算ユニットCOMP1は、入力データ・ブロックBのサイズWの第1のウィンドウWID1(0−W)を処理する。
前方回帰計算があり、これは前記第1のウィンドウWID1の前方状態計量ベクトルαを計算し、前記前方回帰は、任意の値、例えば0により初期化され、すなわち、最初の前方状態計量ベクトルα0は0の値を有する。
この前方回帰が終了し、最後に計算された前方状態計量ベクトルαは、このウィンドウWID1の上位ステークSTK_WSISO1内に格納される。
次いで、後方回帰があり、これはこの第1のウィンドウWID1の後方状態計量ベクトルβを計算し、前記後方回帰は例えば0により初期化され、すなわち、最後の後方状態計量ベクトルβ3は0の値を有する。
後方回帰が終了し、最後に計算された後方状態計量ベクトルβ、ここではβ0は、いかなるSISOステップ内でも使用されないので、ステークSTK内に格納されない。
この第1のウィンドウWID1処理と並行して、他のウィンドウWID2、WID3、...は第2、第3...の計算ユニットCOMP2、COMP3...によってそれぞれ処理される。それらの処理は、上述の第1のウィンドウWID1の場合と同じであるが、ただし、それらの最後の後方状態計量ベクトルβは、下位ステークSTKSISO1内に格納される。
最後のウィンドウWIDBでは、前方回帰が終了し、このウィンドウWIDBの最後の前方計算された状態計量ベクトルαは、その後使用されないので、ステーク内に格納されない。
次いで、後方回帰が、終了生成器によって計算された計量ベクトルにより初期化され、このベクトルは後部ビットの関数であり、処理される。後方回帰が終了し、最後に計算された後方状態計量β0は、次の反復のSISO1ステップのための下位ステークSTK_B−WSISO1内に格納される。
図3で、すべての無地の灰色の円は、0により初期化された現在の回帰を定義し、すべての透明の円は、終了生成器からのベクトルにより初期化された現在の回帰を定義したことに留意されたい。
第2のステップ2)で、第2のSISOステップSISO2が、そのウィンドウWIDに関連付けられた異なる計算ユニットCOMPによって実行される。これらの計算ユニットCOMPは、ウィンドウが同じであるので、第1のSISOステップSISO1のものと同じであることに留意されたい。
第1の計算ユニットCOMP1は、入力データ・ブロックBのサイズWの第1のウィンドウWID1を処理する。
前方回帰計算があり、これは前記第1のウィンドウWID1の前方状態計量ベクトルαを計算し、前記前方回帰は0により初期化され、すなわち、最初の前方状態計量ベクトルα0は0の値を有する。
この前方回帰が終了し、最後に計算された前方状態計量ベクトルα3は、このウィンドウWID1の上位ステークSTK_WSISO2内に格納される。
次いで、後方回帰があり、これは第1のウィンドウWID1の後方状態計量ベクトルβを計算する。前記後方回帰は例えば0により初期化され、すなわち、最後の後方状態計量ベクトルβ3は0の値を有する。
後方回帰が終了し、最後に計算された後方状態計量ベクトルβは、いかなるSISOステップ内でも使用されないので、ステーク内に格納されない。
この第1のウィンドウWID1処理と並行して、他のウィンドウWID2、WID3、...は第2、第3...の計算ユニットCOMP2、COMP3...によってそれぞれ処理される。
それらの処理は、上述の第1のウィンドウWID1の場合と同じであるが、ただし、それらの最後の後方状態計量ベクトルβは、下位ステークSTKSISO2内に格納される。
第2の反復ITER_1中に、以下のステップが実行される。
第1のステップ1)で、第1のSISOステップSISO1が、そのウィンドウWIDに関連付けられた異なる計算ユニットCOMPによって実行される。
前方回帰計算があり、これは前記第1のウィンドウWID1の前方状態計量ベクトルαを計算し、前記前方回帰は、任意の値、例えば0により初期化され、すなわち、最初の前方状態計量ベクトルα0は0の値を有する。
この前方回帰が終了し、最後に計算された前方状態計量ベクトルαは、このウィンドウWID1の上位ステークSTK_WSISO1内に格納される。
次いで、後方回帰があり、これはこの第1のウィンドウWID1の後方状態計量ベクトルβを計算し、前記後方回帰は、以前の各SISO1ステップの次のウィンドウWID2の下位ステークにより初期化される。
後方回帰が終了し、最後に計算された後方状態計量ベクトルβ、ここではβ0は、いかなるSISOステップ内でも使用されないので、ステークSTK内に格納されない。
この第1のウィンドウWID1処理と並行して、他のウィンドウWID2、WID3、...は第2、第3...の計算ユニットCOMP2、COMP3...によってそれぞれ処理される。
これらの各ウィンドウでは、以下の通りである。
−前方回帰は、以前の反復SISO1ステップの以前のウィンドウの上位ステークSTKSISO1からの前方状態計量ベクトルαにより初期化される。
−前方回帰が終了し、最後に計算された前方状態計量ベクトルαは、現在のウィンドウの上位ステークSTK_SISO1内に格納される。
−後方回帰は、以前の反復SISO1ステップの次のウィンドウの下位ステークSTKSISO1からの後方状態計量ベクトルβにより初期化される。
−後方回帰が終了し、最後に計算された後方状態計量ベクトルβは、現在のウィンドウの下位ステークSTKSISO1内に格納される。
例えば、第2のウィンドウWID(W−2W)では、前方回帰は、以前の反復SISO1ステップのウィンドウWID1の上位ステークSTK_WSISO1の前方状態計量ベクトルα3により初期化され、最後に計算された前方状態計量ベクトルα7は、この現在のウィンドウの上位ステークSTK_2WSISO1内に格納される。後方回帰は、以前の反復SISO1ステップのウィンドウWID3の下位ステークSTK_3WSISO1の後方状態計量ベクトルβ8により初期化され、最後に計算された後方状態計量ベクトルβ4は、この現在のウィンドウの下位ステークSTK_2WSISO1内に格納される。
最後のウィンドウWIDBでは、前方回帰は、下位ステークSTK_B−WSISO1からの最後の前方状態計量ベクトルα(b−W−1)により初期化される。前方回帰が終了し、このウィンドウWIDBの最後に計算された状態計量ベクトルα(B−1)は、その後使用されないので、ステークSTK内に格納されない。
次いで、後方回帰は、終了生成器によって計算された状態計量ベクトルにより初期化され、前記ベクトルは後部ビットの関数であり、処理される。後方回帰が終了し、最後に計算された後方状態計量ベクトルβ(B−W)は、次の反復ITER_2のための、およびしたがって次のSISO1ステップのための、下位ステークSTK_BWSISO1内に格納される。
第2のステップ2)で、第2のSISOステップSISO2が、そのウィンドウWIDに関連付けられた異なる計算ユニットCOMPによって実行される。これらの計算ユニットCOMPは、ウィンドウが同じであるので、第1のSISOステップSISO1のものと同じであることに留意されたい。
第1の計算ユニットCOMP1は、入力データ・ブロックBのサイズWの第1のウィンドウWID1を処理する。
前方回帰計算があり、これは前記第1のウィンドウWID1の前方状態計量ベクトルαを計算し、前記前方回帰は、任意の値、例えば0により初期化され、すなわち、最初の前方状態計量ベクトルα0は0の値を有する。
この前方回帰が終了し、最後に計算された前方状態計量αがこのウィンドウWID1の上位ステークSTK_WSISO2内に格納される。
次いで、後方回帰があり、これは第1のウィンドウWID1の後方状態計量ベクトルβを計算し、前記後方回帰は、以前の各SISO2ステップの次のウィンドウWID2の下位ステークにより初期化される。
後方回帰が終了し、最後に計算された後方状態計量ベクトルβ、ここではβ0は、いかなるSISOステップ内でも使用されないので、ステークSTK内に格納されない。
この第1のウィンドウWID1処理と並行して、他のウィンドウWID2、WID3、...は第2、第3...の計算ユニットCOMP2、COMP3...によってそれぞれ処理される。
これらの各ウィンドウでは、以下の通りである。
−前方回帰は、以前の反復SISO2ステップの以前のウィンドウの上位ステークSTKSISO2からの前方状態計量ベクトルαにより初期化される。
−前方回帰が終了し、最後に計算された前方状態計量ベクトルαは、現在のウィンドウの上位ステークSTKSISO2内に格納される。
−後方回帰は、以前の反復SISO2ステップの次のウィンドウの下位ステークSTKSISO2からの後方状態計量ベクトルβにより初期化される。
−後方回帰が終了し、最後に計算された後方状態計量ベクトルβが現在のウィンドウの下位ステークSTKSISO2内に格納される。
例えば、第2のウィンドウWID2(W−2W)では、前方回帰は、以前の反復SISO2ステップのウィンドウWID1の上位ステークSTK_WSISO2の前方状態計量ベクトルα3により初期化され、最後に計算された前方状態計量ベクトルαは、この現在のウィンドウの上位ステークSTK_2WSISO2内に格納される。後方回帰は、以前の反復SISO2ステップのウィンドウWID3の下位ステークSTK_3WSISO2の後方状態計量ベクトルβ8により初期化され、最後に計算された後方状態計量ベクトルβ4は、この現在のウィンドウの下位ステークSTK_2WSISO2内に格納される。
最後のウィンドウWIDBでは、前方回帰は、下位ステークSTK_B−WSISO2からの最後の前方状態計量ベクトルα(B−W−1)により初期化される。前方回帰が終了し、このウィンドウWIDBの最後に計算された状態計量ベクトルα(B−1)は、その後使用されないので、ステークSTK内に格納されない。
次いで、後方回帰は、終了生成器によって計算された計量ベクトルにより初期化され、前記ベクトルは後部ビットの関数であり、処理される。後方回帰が終了し、最後に計算された後方状態計量ベクトルβ(B−W)は、次の反復ITER_3のための、およびしたがって次のSISO2ステップのための、下位ステークSTK_BWSISO2内に格納される。
理解できるように、本発明による方法によれば、1つのSISOステップ中のウィンドウのための計算のすべてが、以前のステップから発行された初期化状態計量のシステムにより、並行して行われるので、多くの時間が得られる。実際に、SISOステップでは、すべてのウィンドウがこのとき互いに独立しており、これは、すべてのウィンドウが、処理されるために、このSISOステップの別のウィンドウの結果をもはや必要としないからである。
図3に例示したこの実施例は、理想的なデータ・ブロックBについてのものであった。しかし、しばしば我々は理想的なデータ・ブロックBを受信せず、従来のデータ・ブロックBを受信する。従来のデータ・ブロックBは、他のものよりも小さい、すなわちより少数のデータを含む、最終ウィンドウWIDを有する。すなわち、最終ウィンドウのサイズは他のウィンドウのサイズとは異なる。
本発明による方法は、理想的なデータ・ブロック・シーケンスならびに従来のデータ・ブロックにもうまく適用することに留意されたい。
本発明は前述の実施形態に限定されず、変形形態および修正を、付属の特許請求の範囲において定義された本発明の精神および範囲から逸脱することなく作成することができることを理解されたい。この点において、以下の結びの言葉が作成される。
本発明は、前方および後方回帰が並行して処理される他のSISO構造、すなわち、図4に示すような「X」または「D」構造にも適用することができることを理解されたい。実際には、これらの構造では、前方および後方回帰を以前のSISOステップからのステークにより初期化することもできる。
本発明は前述のUMTS応用例に限定されないことを理解されたい。データウィンドウを使用してデータを復号化するためにターボ復号器を使用するいかなる応用例においても、本発明を使用することができる。
本発明による方法は前述の実施態様に限定されないことを理解されたい。
ハードウェアまたはソフトウェアの単一のアイテムがいくつかの機能を実行することができるならば、ハードウェアもしくはソフトウェアまたはその両方のアイテムを用いて、本発明による方法の機能を実施する多数の方法がある。これは、ハードウェアもしくはソフトウェアまたはその両方のアイテムのアセンブリが1つの機能を実行することを除外せず、したがって、本発明によるソース復号化の方法を修正することなく、単一の機能を形成する。
前記ハードウェアまたはソフトウェア・アイテムを、有線の電子回路を用いて、または適切にプログラムされる集積回路を用いて、それぞれいくつかの方法で実装することができる。集積回路をコンピュータ内に、または復号器内に含めることができる。第2の場合、復号器は、前述のように前方および後方回帰を実行するように適合された計算ユニットを備え、前記ユニットは、上述のハードウェアまたはソフトウェア・アイテムである。
集積回路は命令のセットを備える。したがって、例えばコンピュータ・プログラミング・メモリ内または復号器メモリ内に含まれた前記命令のセットは、コンピュータまたは復号器に、復号化の方法の異なるステップを実行させることができる。
命令のセットをプログラミング・メモリに、例えばディスクなどのデータ・キャリアを読み取ることによってロードすることができる。サービス・プロバイダもまた、命令のセットを、例えばインターネットなどの通信ネットワークを介して使用可能にすることができる。
特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「備える」およびその活用の使用は、いかなる請求項で定義されたものにも加えていかなる他のステップまたは要素の存在をも除外しないことは明らかであろう。要素またはステップに先行する冠詞「a」または「an」は、複数のこのような要素またはステップの存在を除外しない。
従来技術による、スライディング・ウィンドウ原理を使用したデータの流れの時間的ビューを例示する図である。 本発明の方法によって使用される、符号化の可能性のある状態のトレリスを例示する図である。 本発明の方法による、スライディング・ウィンドウ原理を使用したデータの流れの時間的ビューを例示する図である。 本発明の方法が適用可能であるスライディング・ウィンドウ原理を使用した復号化の2つの他の構造を例示する図である。

Claims (6)

  1. データを復号化するための方法であって、入力データの複数のウィンドウを使用する、いくつかのステップを有する複数の反復を備え、各ウィンドウは該ウィンドウの下位および上位の制限をそれぞれ表す下位ステークおよび上位ステークを備える方法において、
    1つの反復内の1つのステップの現在のウィンドウについて、
    前方回帰を実行するステップであって、前記前方回帰は以前の反復の同じステップの以前のウィンドウの上位ステークからの前方状態計量ベクトルにより初期化されるステップと、
    前記前方回帰が完了すると、前記現在のウィンドウの上位ステークで最後に計算された前記前方状態計量ベクトルを格納するステップと、
    後方回帰を実行するステップであって、前記後方回帰は、以前の反復の同じステップの次のウィンドウの前記下位ステークからの後方状態計量ベクトルにより初期化されるステップと、
    前記後方回帰が完了すると、前記現在のウィンドウの下位ステークで最後に計算された前記後方状態計量ベクトルを格納するステップと、を備えることを特徴とする方法。
  2. 1つのステップのすべての前記ウィンドウは並行して処理されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. データを復号化するための復号器であって、前記復号化は、入力データの複数のウィンドウを使用する、いくつかのステップを有する複数の反復を備え、各ウィンドウは該ウィンドウの下位および上位の制限をそれぞれ表す下位ステークおよび上位ステークを備える復号器において
    前方回帰であって、前記前方回帰は以前の反復の同じステップの以前のウィンドウの上位ステークからの前方状態計量ベクトルにより初期化され、前記前方回帰が完了すると、前記現在のウィンドウの上位ステークで最後に計算された前記前方状態計量ベクトルを格納する前方回帰と、
    後方回帰であって、前記後方回帰は、以前の反復の同じステップの次のウィンドウの前記下位ステークからの後方状態計量ベクトルにより初期化され、前記後方回帰が完了すると、前記現在のウィンドウの下位ステークで最後に計算された前記後方状態計量ベクトルを格納する計算ユニットを備えることを特徴とする復号器。
  4. 入力データを受信するように適合された受信器であって、前記入力データは請求項に記載の復号器によって処理される受信器。
  5. 受信器のためのコンピュータ・プログラムであって、前記受信器にロードされるとき、請求項1または2に記載の方法を実行させる命令のセットを前記受信機に実行させるコンピュータ・プログラム。
  6. コンピュータのためのコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータに実行させるとき、請求項1または2に記載の方法を実行させる命令のセットを前記コンピュータに実行させるコンピュータ・プログラム。
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