本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、第1構造体と、第2構造体と、上記第1構造体と上記第2構造体を接続する回転関節と、上記回転関節の回転軸と同軸かつ上記回転軸回りに回転可能なように配設された回転ガイドプーリーと、上記第1構造体に配設され、かつ円弧部分を有する固定ガイドと、上記第2構造体に相対的に可動なように配設された可動回転ガイドプーリーと、上記回転ガイドプーリー、上記可動回転ガイドプーリー、上記固定ガイドの順番で掛け渡されたワイヤと、上記第1構造体に備えられて、上記回転ガイドプーリーに対する上記可動回転ガイドプーリーの距離を変更することなく、上記第2構造体を上記回転関節回りに回転駆動可能な第1駆動装置と、上記第1構造体に備えられて上記ワイヤを駆動可能で、かつ、上記ワイヤを駆動することにより、上記回転ガイドプーリーに対する距離を変更するように上記可動回転ガイドプーリーを移動させる第2駆動装置とを備えて、上記回転ガイドプーリーに対する上記可動回転ガイドプーリーの距離を変更することなく、上記第1駆動装置の駆動により上記第2構造体を上記回転関節回りに回転駆動させることを特徴とする関節構造体を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記固定ガイドは上記第1構造体に固定された部材の一部として構成されたことを特徴とする第1の態様に記載の関節構造体を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記可動回転ガイドプーリーは、上記回転ガイドプーリーのガイド溝を含む平面と同一面内にガイド溝が位置する第1可動回転ガイドプーリーと、上記固定ガイドのガイド溝を含む平面と同一面内にガイド溝が位置する第2可動回転ガイドプーリーとが一体として構成された構造であることを特徴とする第1の態様に記載の関節構造体を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記可動回転ガイドプーリーは、上記回転ガイドプーリーのガイド溝を含む平面と同一面内に位置する第1ガイド溝と、上記固定ガイドのガイド溝を含む平面と同一面内に位置する第2ガイド溝を有することを特徴とする第1の態様に記載の関節構造体を提供する。
本発明の第5態様によれば、第1構造体と、第2構造体と、上記第1構造体と上記第2構造体を接続する回転関節と、上記回転関節の回転軸と同軸かつ上記回転軸回りに回転可能なように上記第1構造体又は第2構造体にそれぞれ配設されかつ互いに相対的に回転可能な第1回転ガイドプーリーと第2回転ガイドプーリーと、上記第2構造体に相対的に可動なように配設された可動回転ガイドプーリーと、上記第1構造体に回転自在に配設される補助回転ガイドプーリーと、上記第1回転ガイドプーリー、上記可動回転ガイドプーリー、上記第2回転ガイドプーリー、上記補助回転ガイドプーリーの順番で掛け渡され、かつ、両端部が上記第2駆動装置に固定されるワイヤと、上記第1構造体に備えられて、上記第1及び第2回転ガイドプーリーに対する上記可動回転ガイドプーリーの距離を変更することなく、上記第2構造体を上記回転関節回りに回転駆動可能な第1駆動装置と、上記第1構造体に備えられて上記ワイヤを駆動可能で、かつ、上記ワイヤを駆動することにより、上記第1及び第2回転ガイドプーリーに対する距離を変更するように上記可動回転ガイドプーリーを移動させる第2駆動装置とを備えて、上記第1及び第2回転ガイドプーリーに対する上記可動回転ガイドプーリーの距離を変更することなく、上記第1駆動装置の駆動により上記第2構造体を上記回転関節回りに回転駆動させることを特徴とする関節構造体を提供する。
本発明の第6態様によれば、第1構造体と、第2構造体と、上記第1構造体と上記第2構造体を接続する回転関節と、上記回転関節の回転軸と同軸かつ上記回転軸回りに回転可能なように配設された第3回転ガイドプーリーと、上記第2構造体に回転自在に配設された第4回転ガイドプーリーと、上記第2構造体に相対的に可動なように配設された可動回転ガイドプーリーと、上記第1構造体に備えられて、上記回転ガイドプーリーに対する上記可動回転ガイドプーリーの距離を変更することなく、上記第2構造体を上記回転関節回りに回転駆動可能な第1駆動装置と、上記第1構造体に備えられて上記ワイヤを駆動可能で、かつ、上記ワイヤを駆動することにより、上記回転ガイドプーリーに対する距離を変更するように上記可動回転ガイドプーリーを移動させる第2駆動装置と、上記第3回転ガイドプーリー、上記可動回転ガイドプーリー、上記第4回転ガイドプーリーの順番で掛け渡されかつ一端部が上記第2駆動装置に固定され他端部が上記第4回転ガイドプーリーに固定されたワイヤとを備えるとともに、一端部が上記第1構造体に回転自在に支持された第1平行リンクと、一端部が上記第1平行リンクの他端部に回転自在に連結され他端部が上記第4回転ガイドプーリーに固定された第2平行リンクとを備えて、上記第1平行リンクの上記一端部が上記第1構造体に対して支持された部分と、上記第1平行リンクの上記他端部と上記第2平行リンクの上記一端部との連結された部分と、上記第2平行リンクの上記他端部と上記第4回転ガイドプーリーとの固定された部分と、上記第4回転ガイドプーリーの上記第2構造体に回転自在に配設された部分とを4支点とする4節の平行リンク構造を構成して、上記第3回転ガイドプーリーに対する上記可動回転ガイドプーリーの距離を変更することなく、上記第1駆動装置の駆動により上記第2構造体を上記回転関節回りに回転駆動させることを特徴とする関節構造体を提供する。
本発明の第7態様によれば、第1構造体と、第2構造体と、上記回転関節の回転軸と同軸かつ上記回転軸回りに回転可能なように配設された回転ガイドプーリーと、上記第2構造体に相対的に可動なように配設された可動回転ガイドプーリーと、上記第1構造体に備えられて、上記回転ガイドプーリーに対する上記可動回転ガイドプーリーの距離を変更することなく、上記第2構造体を上記回転関節回りに回転駆動可能な第1駆動装置と、上記第1構造体に備えられて上記ワイヤを駆動可能で、かつ、上記ワイヤを駆動することにより、上記回転ガイドプーリーに対する距離を変更するように上記可動回転ガイドプーリーを移動させる第2駆動装置と、上記回転ガイドプーリー、上記可動回転ガイドプーリーの順番で掛け渡されかつ一端部が上記第2駆動装置に固定され他端部が上記可動回転ガイドプーリーに固定されたワイヤとを備えるとともに、一端部が上記第1構造体に回転自在に支持された第1平行リンクと、一端部が上記第1平行リンクの他端部に回転自在かつ摺動自在に連結され他端部が上記可動回転ガイドプーリーに固定された第2平行リンクとを備えて、上記第1平行リンクの上記一端部が上記第1構造体に対して支持された部分と、上記第1平行リンクの上記他端部と上記第2平行リンクの上記一端部との連結された部分と、上記第2平行リンクの上記他端部と上記可動回転ガイドプーリーとの固定された部分と、上記回転ガイドプーリーの上記第2構造体に回転自在に配設された部分とを4支点とする4節の平行リンク構造を構成して、上記回転ガイドプーリーに対する上記可動回転ガイドプーリーの距離を変更することなく、上記第1駆動装置の駆動により上記第2構造体を上記回転関節回りに回転駆動させることを特徴とする関節構造体を提供する。
本発明の第8態様によれば、第1〜7のいずれか1つの態様に記載の関節構造体と、
上記第2構造体の上記回転関節側とは反対側の先端に配置されたハンドと、上記可動回転ガイドプーリーと上記ハンドとを連結するハンド駆動用ワイヤとを備えて、上記可動回転ガイドプーリーが上記第2構造体に相対的に可動することにより、上記ハンド駆動用ワイヤにより上記ハンドを上記第2構造体に対して回転駆動するようにしたことを特徴とするロボットアームを提供する。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1A及び図1Bは本発明の第1実施形態にかかる関節構造体を示す全体図である。図1A及び図1Bでは、第1実施形態にかかる関節構造体をロボットアーム100に応用した場合を例に構造を示している。
図1A及び図1Bにおいては、1はロッド状の第1構造体であり、ロボットアーム100の上腕部を形成している。2はロッド状の第2構造体であり、ロボットアーム100の前腕部を形成している。第1構造体1と第2構造体2は第1回転関節3により接続されており、第1回転関節3の関節軸3aを中心として第1構造体1と第2構造体2は相対的に正逆回転可能である。一例として、図1Bに示すように、第2構造体2の第1回転関節側端部が二股に分岐した分岐部2aに形成されており、この分岐部2a内に第1構造体1の下端部が挟み込まれて、関節軸3aに対して相対回転自在に接続されるようにしている。
4−1、4−2は、それぞれ第1駆動装置の一例として第1直動アクチュエータを構成可能な、例えば空気圧人工筋等の2本の第1直動アクチュエータであり、第1構造体1の上端部に固定された支持板1aに2本の第1直動アクチュエータ4−1、4−2の上端部がそれぞれ固定されている。2本の第1直動アクチュエータ4−1、4−2の下端部が、第2構造体2にそれぞれの基端部が固定された回転ジョイント5−1、5−2の回動端にそれぞれ回転自在に連結されることにより、2本の第1直動アクチュエータ4−1、4−2が第1構造体1と第2構造体2に接続され、第1構造体1と第2構造体2の第1回転関節3における正逆回転運動を駆動する。すなわち、第2構造体2にロッド状の回転ジョイント5−1、5−2の基端部が固定され、当該ジョイント5−1、5−2の先端部に第1直動アクチュエータ4−1、4−2の下端部が回転自在に連結されている。回転ジョイント5−1とジョイント5−2とは、第1回転関節3の回転軸3aに対して対称に配置されている結果、第1直動アクチュエータ4−1の下端部が上昇しかつ第1直動アクチュエータ4−2の下端部が下降すると、第2構造体2は第1回転関節3の回転軸3a回りに時計回りに回動する。一方、逆に、第1直動アクチュエータ4−1の下端部が下降しかつ第1直動アクチュエータ4−2の下端部が上昇すると、第2構造体2は第1回転関節3の回転軸3a回りに反時計回りに回動する。
6−1、6−2(図1Aでは重なって図示されているが、手前側の第2直動アクチュエータを6−1、奥側の第2直動アクチュエータを6−2とする。)は、それぞれ第2駆動装置の一例として第2直動アクチュエータを構成可能な、例えば空気圧人工筋やモータやシリンダ等の2本の第2直動アクチュエータであり、2本の第2直動アクチュエータ6−1、6−2により、第2直動アクチュエータ6−1、6−2の下端にそれぞれの端部が固定されたアーム屈曲用ワイヤ7−1、7−2を引張り駆動する。
上記直動アクチュエータ4−1、4−2、6−1、6−2を構成するそれぞれの空気圧人工筋は、図3に示すように、ゴム材料で構成された管状弾性体15の外表面に繊維コードで構成された拘束部材16が配設され、管状弾性体15の両端部を封止部材17でそれぞれ気密封止する構造となっている。管状弾性体15の一方の端部の封止部材17に設けられた流体注入出部材18を通じて空気等の圧縮性流体を管状弾性体15内に供給することにより内圧を管状弾性体15の内部空間に与えると、管状弾性体15が主に半径方向に膨張しようとするが、拘束部材16の作用により、管状弾性体15の中心軸方向の運動に変換され、管状弾性体15の全長が収縮する。逆に、流体注入出部材18を通じて空気等の圧縮性流体を管状弾性体15内から排出することにより管状弾性体15の内部空間の圧力を下げると、管状弾性体15が主に半径方向に収縮しようとするが、拘束部材16の作用により、管状弾性体15の中心軸方向の運動に変換され、管状弾性体15の全長が伸張する。この空気圧人工筋は主に弾性体で構成されるため、柔軟性があり、安全で軽量なアクチュエータであるという特徴を有する。
8−1、8−2はガイド溝8a付き回転ガイドプーリーであり、第2構造体2を挟んで対向するそれぞれの位置において、第1回転関節3の回転軸3aと同軸となりかつ、回転軸3aに対して、軸受けなどを介在させて回転自在に第2構造体2に配設されており、第2構造体2に対して回転軸3a回りに自在に回転運動可能である。図1Aにおいては、奥側の回転ガイドプーリー8−2は手前側の回転ガイドプーリー8−1の影となるため図示されていないが、図1Bには図示されている。
9−1、9−2は固定ガイドの一例であるガイド溝9a付き固定ガイドプーリーであり、回転ガイドプーリー8−1、8−2と半径が等しく、第2構造体2を挟んで対向するそれぞれの位置において、第1回転関節3の回転軸3aと同軸となるように、かつ、回転ガイドプーリー8−1、8−2のそれぞれ外側に配設されている。この固定ガイドプーリー9−1、9−2は第1構造体1に回転軸3aで固定されており、固定ガイドプーリー9−1、9−2と第1構造体1の間に相対的な回転運動は生じない。図1Aにおいては、奥側の固定ガイドプーリー9−2は手前側の固定ガイドプーリー9−1の影となるため図示されていないが、図1Bには図示されている。なお、回転軸3aはそれぞれ第2構造体2に固定されている。
10−1、10−2は第2構造体2の中間部分に配置されたガイド溝10a付き可動回転プーリーであり、レバー11−1の上端部とレバーの下端部11−2に配設され、回転軸10−1a、10−2a回りに回転可能である。レバー11−1の下端部及びレバー11−2の上端部は、第2構造体2を挟んで対向するそれぞれの位置に配設されており、レバー11−1の下端部及びレバー11−2の上端部が支点11−1a、11−2aを中心として揺動運動可能である。
12は物品等を把持するためのハンドであり、第2回転関節13により第2構造体2と接続されており、第2構造体2に対して関節軸13aまわりに相対的に揺動運動可能である。
14−1、14−2はハンド駆動用ワイヤであり、端部が、それぞれ可動回転プーリー10−1、10−2の回転軸10−1a、10−2aに固定されており、もう一方の端部がハンド12の関節軸13aを中心として対称的な位置に固定されている。
次に、図2を使用して回転ガイドプーリー8−1、固定ガイドプーリー9−1、可動回転プーリー10−1に対するアーム屈曲用ワイヤ7−1の経路について説明する。なお、それぞれのプーリーに対しては、それぞれのガイド溝内にワイヤが収納されるように掛け回されているが(図1B参照)、以下の説明では、ガイド溝については説明を省略する。
第1直動アクチュエータ6−1の下端に一端を固定されたアーム屈曲用ワイヤ7−1は回転ガイドプーリー8−1へと導かれ、回転ガイドプーリー8−1により経路を曲げられた後(矢印(1)参照)、図2の紙面上で第1回転関節3の関節軸3aより下方から可動回転プーリー10−1へと可動回転プーリー10−1の図2の紙面上で下方側へと導かれる(矢印(2)参照)。その後、アーム屈曲用ワイヤ7−1は可動回転プーリー10−1により方向を転換するように曲げられ(矢印(3)参照)、可動回転プーリー10−1の図2の紙面上で上方側より固定ガイドプーリー9−1の図2の紙面上で上方側へと導かれる(矢印(4)参照)。その後、アーム屈曲用ワイヤ7−1は固定ガイドプーリー9−1の外周に沿った後(矢印(5)参照)、ワイヤ固定ピン7pによりアーム屈曲用ワイヤ7−1の端部が固定ガイドプーリー9−1に固定される。
回転ガイドプーリー8−2、固定ガイドプーリー9−2、可動回転プーリー10−2に対するアーム屈曲用ワイヤ7−2の経路も上記のアーム屈曲用ワイヤ7−1の経路と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図4は空気圧人工筋を駆動するための空気圧供給駆動系の構成を示す図である。図4において、19は例えばコンプレッサー等の空気圧源、20は空気圧フィルタ20a、空気圧減圧弁20b、及び空気圧用ルブリケータ20cが1組になった空気圧調整ユニットである。21は例えば電磁石の力でスプール弁などを駆動することで流量を制御する5ポート流量制御電磁弁である。22は例えば一般的なパーソナルコンピュータにより構成された制御コンピュータであり、D/Aボード22aが搭載されており、5ポート流量制御電磁弁21に電圧指令値を出力することにより、それぞれの流体注入出部材18を流れるそれぞれの空気の流量を制御可能とする。
図4に示す空気圧供給駆動系によれば、空気圧源19により生成された高圧空気は、空気圧調整ユニット20により減圧され、例えば600kPaといった一定圧力に調整され、5ポート流量制御電磁弁23に供給される。5ポート流量制御電磁弁21の開度は、制御コンピュータ22よりD/Aボード22aを介して出力される電圧指令値に比例して制御される。5ポート流量制御電磁弁21には、一対の空気圧人工筋201−1,201−2の管状弾性体15の流体注入出部材18がそれぞれ接続されている。一対の空気圧人工筋201−1,201−2は支持棒203沿いに大略平行に配置され、それぞれの管状弾性体15の流体注入出部材18側の端部が、支持棒203の端部に固定された支持板202に固定されている。一対の空気圧人工筋201−1,201−2の管状弾性体15の他方の端部側には、支持棒203に回転関節軸200で回転自在に支持されたT字状の回動部材204が支持され、この回動部材204に一対の空気圧人工筋201−1,201−2のそれぞれの管状弾性体15の他方の端部が回転自在に支持されている。したがって、以下に述べるように、一対の空気圧人工筋201−1,201−2のそれぞれの管状弾性体15が伸縮することにより、回動部材204が回転関節軸200回りに正逆回転駆動される。
制御コンピュータ22より、正の電圧指令値がD/Aボード22aから5ポート流量制御電磁弁21に入力された場合には、図4に示すように空気圧回路記号のAで示した状態になり、空気圧源21側から空気圧人工筋201−1の管状弾性体15の流体注入出部材18側への流路が5ポート流量制御電磁弁21を介して開通し、電圧指令値の絶対値に比例した流量の空気が空気圧人工筋201−1側に供給される。また、空気圧人工筋201−2側は、管状弾性体15の流体注入出部材18から大気圧側への流路が5ポート流量制御電磁弁21を介して開通し、電圧指令値の絶対値に比例した流量の空気流が空気圧人工筋201−2側から大気中へ排気される。したがって、図4に示すように、空気圧人工筋201−1の全長が縮み、空気圧人工筋201−2の全長が伸びることにより、電圧指令値の絶対値に比例した速度で関節軸200は矢印で示されるように右回転運動を行う。
一方、制御コンピュータ22より、負の電圧指令値がD/Aボード22aから5ポート流量制御電磁弁21に入力された場合には、5ポート流量制御電磁弁21が切り替えられて、空気圧回路記号のBで示した状態になり、空気圧人工筋201−2の動作は逆となり、関節軸200は左回転運動を行う。すなわち、空気圧源19側から空気圧人工筋201−2の管状弾性体15の流体注入出部材18側への流路が5ポート流量制御電磁弁21を介して開通し、電圧指令値の絶対値に比例した流量の空気が空気圧人工筋201−2側に供給される。また、空気圧人工筋201−1側は、管状弾性体15の流体注入出部材18から大気圧側への流路が5ポート流量制御電磁弁21を介して開通し、電圧指令値の絶対値に比例した流量の空気流が空気圧人工筋201−1側から大気中へ排気される。したがって、空気圧人工筋201−2の全長が縮み、空気圧人工筋201−1の全長が伸びることにより、電圧指令値の絶対値に比例した速度で関節軸200は矢印とは逆方向で示される左回転運動を行う。
以上の構成のワイヤ誘導機構を有する関節構造体の動作について説明する。
図5A,図5Bは本発明の第1実施形態における関節構造体をロボットアームに応用した場合のロボットアームの動作をそれぞれ示す図である。
上記したように、第1直動アクチュエータ4の2本の第1直動アクチュエータ4−1、4−2は、図1Aの左側の第1直動アクチュエータ4−1と図1Aの右側の別の第1直動アクチュエータ4−2が第1構造体1を挟んで第1回転関節3に関して対向するように回転ジョイント5−1、5−2により第2構造体2に接続されている。したがって、図1Aの左側の第1直動アクチュエータ4−1が伸張し、図1Aの右側の別の第1直動アクチュエータ4−2が収縮すれば、図5Aに示されるように、第1回転関節3の回転軸3a回りの反時計方向の回転運動が発生する。逆に、図1Aの左側の第1直動アクチュエータ4−1が収縮し、図1Aの右側の別の第1直動アクチュエータ4−2が伸張すれば、第1回転関節3の回転軸3a回りの時計方向の回転運動が発生する。
ここで、本発明の第1実施形態の特徴は、回転ガイドプーリー8−1、8−2、固定ガイドプーリー9−1、9−2、可動回転プーリー10−1、10−2によりアーム屈曲用ワイヤ7−1、7−2が誘導されている点にある。その作用を図6A及び図6Bを用いて説明する。
上記したように、第1直動アクチュエータ4−1,4−2の動作により、図5Aに示すように第2構造体2の第1回転関節3の回転軸3a回りの反時計方向の回転運動が発生した場合、図6Aの矢印Aで示すように、回転ガイドプーリー8−1、固定ガイドプーリー9−1に対する、可動回転プーリー10−1の、第1回転関節3の回転軸3a回りの相対的な回転運動が発生する。この時、アーム屈曲用ワイヤ7−1が回転ガイドプーリー8−1の円周部にかかる量は角度αに相当する円周分だけ増加し、角度βに相当する円周分だけ減少するが、矢印Bで示す、可動回転プーリー10−1の回転軸10−1a回りの時計回りの回転運動によりアーム屈曲用ワイヤ7−1が誘導され、角度αに相当する円周分である増加分と角度βに相当する円周分である減少分はお互いに打ち消しあう。さらに、角度α=角度βであることから、結局、回転ガイドプーリー8−1と可動回転プーリー10−1の距離Lは変化しない。したがって、レバー11−1の支点11−1a回りの第2構造体2に対する相対的な回転運動は発生しない。
以上のワイヤ誘導動作は、回転ガイドプーリー8−2、固定ガイドプーリー9−2、可動回転プーリー10−2によるアーム屈曲用ワイヤ7−2の誘導でも同様である。
従って、ハンド駆動用ワイヤ14−1、ハンド駆動用ワイヤ14−2によりレバー11−1、11−2に接続されたハンド12の第2構造体2に対する第2回転関節13回りの相対的な回転運動は、第1直動アクチュエータ4の動作による第2構造体2の第1回転関節3の回転軸3a回りの回転運動によって発生しない。
一方、第2直動アクチュエータ6−1を収縮させ、第2直動アクチュエータ6−2を伸張させた場合、アーム屈曲用ワイヤ7−1は、図6Bの矢印Cで示すように引っ張られ、回転ガイドプーリー8−1は、矢印Dで示すように、第1回転関節3の回転軸3a回りに時計方向の回転運動を行い、アーム屈曲用ワイヤ7−1を第2直動アクチュエータ6−1側へと送り出す。ところが、アーム屈曲用ワイヤ7−1は固定ガイドプーリー9−1に固定されているため(図2参照)、可動回転プーリー10−1は、矢印Eで示すように、回転軸10−1a回りに時計方向の回転運動を行いながら、矢印Fで示すように、回転ガイドプーリー8−1の方へと近づく運動を行い、回転ガイドプーリー8−1と可動回転プーリー10−1の距離Lは、例えば、運動前の距離L1から距離L2(ただし、L1>L2)というように短縮される。したがって、図5Bに示すように、レバー11−1は、支点11−1a回りの第2構造体2に対する反時計回りの相対的な回転運動を行う。逆に、回転ガイドプーリー8−2、固定ガイドプーリー9−2、可動回転プーリー10−2によるアーム屈曲用ワイヤ7−2の誘導では、図5Bに示すように、レバー11−2は、支点11−2a回りの第2構造体2に対する時計回りの相対的な回転運動を行う。
したがって、図5Bに示すように、ハンド駆動用ワイヤ14−1、ハンド駆動用ワイヤ14−2によりレバー11−1、11−2に接続されたハンド12は、第2構造体2に対する第2回転関節13回りの反時計回りの相対的な回転運動を行う。
以上のように、本発明の第1実施形態の関節構造体によれば、回転ガイドプーリー8−1、8−2、固定ガイドプーリー9−1、9−2、可動回転プーリー10−1、10−2によりアーム屈曲用ワイヤ7−1、7−2が誘導される構成とすることにより、第1回転関節3の回転軸3a回りの回転運動に影響を受けることなく、第1構造体1に配設された第2直動アクチュエータ6の駆動力を、第1回転関節3を越えて、ロボットアーム100の先端側に伝達することが可能となる。
したがって、第2回転関節13回りの運動を駆動するアクチュエータを、第2直動アクチュエータ6のように、ロボットアーム100の根元側に配設することができ、ロボットアーム100の先端側の慣性が小さくなり、位置制御や力制御に関する制御性能が向上するとともに、高速に動作させることも可能となる。また、慣性が小さいことから運動エネルギーも小さくなり、衝突時の安全性も向上する。
なお、この第1実施形態では、一例として、第1構造体1に対して第2構造体2は、図1Aの姿勢から、回転軸3aまわりに時計方向及び反時計方向に60度程度ずつ回転可能であり、第2構造体2に対してハンド12も、図1Aの姿勢から、回転軸3aまわりに時計方向及び反時計方向に60度程度ずつ回転可能となっている。
(第2実施形態)
図7は本発明の第2実施形態における関節構造体の構造を示す斜視図である。図7では主要な部分のみ記載し、その他の構成は図1A及び図1Bの第1実施形態と同様であるので省略する。なお、それぞれのプーリーに対しては、それぞれのガイド溝内にワイヤが収納されるように(図1Bと同様に)掛け回されているが、以下の説明及び対応の図では、簡略化のため、ガイド溝については省略している。
図7において、23−1は第1可動回転ガイドプーリーであり、24−1は第2可動回転ガイドプーリーである。第1可動回転ガイドプーリー23−1と第2可動回転ガイドプーリー24−1は同一半径で、かつ、お互いに固定されており一体で回転軸10−1aまわりに回転運動するものであり、第1実施形態の可動回転プーリー10−1に代わるものである。また、第1可動回転ガイドプーリー23−1は回転ガイドプーリー8−1と同一平面上に配設され、第2可動回転ガイドプーリー24−1は固定ガイドプーリー9−1と同一平面上に配設されている。
次に、第2実施形態における関節構造体のワイヤの経路について説明する。ここでは、第1実施形態のアーム屈曲用ワイヤ7−1が、アーム屈曲用第1ワイヤ27A−1とアーム屈曲用第2ワイヤ27B−1とに分かれて構成されている。すなわち、アーム屈曲用第1ワイヤ27A−1は、回転ガイドプーリー8−1に掛けられ(矢印(1)参照)、方向を曲げられた後(矢印(2)参照)、第1可動回転ガイドプーリー23−1に掛けられ(矢印(3A)参照)、第1可動回転ガイドプーリー23−1の円周上のワイヤ固定点25−1で端部が固定されている。
また、第2可動回転ガイドプーリー24−1の円周上のワイヤ固定点26−1には、アーム屈曲用第2ワイヤ27B−1の端部が固定され、アーム屈曲用第2ワイヤ27B−1を第2可動回転ガイドプーリー24−1に掛け回したのち(矢印(3B)参照)、固定ガイドプーリー9−1側に導かれたのち(矢印(4)参照)、固定ガイドプーリー9−1に掛け回されて(矢印(5)参照)、アーム屈曲用第2ワイヤ27B−1のもう一方の端部は固定ガイドプーリー9−1のワイヤ固定点28−1に固定されている。
以上の構成と同様な構成が、第2構造体2を挟んで反対側の位置に、第1可動回転ガイドプーリー23−2と第2可動回転ガイドプーリー24−2とアーム屈曲用第1ワイヤ27A−2とアーム屈曲用第2ワイヤ27B−2とによって構成されており、第1実施形態の可動回転プーリー10−2に代わるものである。
以上説明した本発明の第2実施形態の関節構造体によれば、第1可動回転ガイドプーリー23−1、23−2と第2可動回転ガイドプーリー24−1、24−2が配設されていることにより、アーム屈曲用第1ワイヤ27A−1、27A−2及びアーム屈曲用第2ワイヤ27B−1、27B−2の経路はそれぞれ1つの平面内に収まり、プーリー間でアーム屈曲用ワイヤが斜めに掛け渡される箇所が存在せず、アーム屈曲用ワイヤがプーリーより脱落する危険性を少なくすることができ、より確実にロボットアーム100を動作させることが可能となる。
(第3実施形態)
図8は本発明の第3実施形態における関節構造体の構造を示す斜視図である。図8では主要な部分のみ記載し、その他の構成は図1A及び図1Bの第1実施形態と同様であるので省略する。なお、それぞれのプーリーに対しては、それぞれのガイド溝内にワイヤが収納されるように(図1Bと同様に)掛け回されているが、以下の説明及び対応の図では、簡略化のため、ガイド溝については省略している。
第3実施形態における関節構造体は、第1実施形態における関節構造体と比べると固定ガイド29−1の部分の構成が異なる。固定ガイド29−1は第1実施形態における関節構造体の固定ガイドプーリー9−1,9−2のように円板形状ではなく、アーム屈曲用ワイヤ7−1が接触する部分付近のみを円弧状に形成し、アーム屈曲用ワイヤ7−1を誘導する溝を形成した構造となっている。この固定ガイド29−1の円弧状の部分に対しては、図2と同様に、例えば矢印(1)〜(5)の順にアーム屈曲用ワイヤ7−1が掛け回されている。
以上のような構成によれば、例えば、第1構造体1の一部分や、第1構造体1に固定された他の部品の一部分を円弧状に形成することにより固定ガイド29−1が構成できるので、固定ガイド29−1のための専用の部品が不要となり、部品点数の削減や、小型化が可能となる。
(第4実施形態)
図9A及び図9Bは本発明の第4実施形態にかかる関節機構における関節構造体をロボットアームに応用した場合のロボットアームを示す全体図である。
図9A及び図9Bにおいて、30−1、30−2は第1回転ガイドプーリーであり、第2構造体2を挟んで対向するそれぞれの位置において、第1回転関節3の回転軸3aと同軸となるように回転自在に第1構造体1又は第2構造体2に配設されており、軸受けなどを介して回転軸3a回りに自在に回転運動可能である。図9A及び図9Bにおいて、奥側の第1回転ガイドプーリー30−2は手前側の第1回転ガイドプーリー30−1の影となるため図示されていない。
31−1、31−2は第2回転ガイドプーリーであり、半径が第1回転ガイドプーリー30−1、30−2と等しく、第2構造体2を挟んで対向するそれぞれの位置において、第1回転関節3の回転軸3a及び第1回転ガイドプーリー30−1、30−2の回転軸と同軸となるように回転自在に配設されており、軸受けなどを介して回転軸3a回りに自在に回転運動可能であり、また、第1回転ガイドプーリー30−1、30−2に対しても相対的に回転運動可能である。図9A及び図9Bにおいて、奥側の第2回転ガイドプーリー31−1、31−2は手前側の第2回転ガイドプーリー31−1の影となるため図示されていない。
32−1、32−2は、回転軸32−1a、32−2aに対して、軸受けなどを介在させて回転自在に第1構造体1に配設される補助回転ガイドプーリーであり、第2直動アクチュエータ6−1、6−2の下端と第2回転ガイドプーリー31−1、31−2との略中間部における、第2構造体2を挟んで対向するそれぞれの位置に、第1構造体1に対して、回転自在に配設されており、自在に回転運動可能である。図9A及び図9Bにおいて、奥側の補助回転ガイドプーリー32−2は手前側の補助回転ガイドプーリー32−1の影となるため図示されていない。
次に、図10を用いて第4実施形態における関節構造体のワイヤの経路について説明する。図10は本発明の第4実施形態における関節構造体の構造の詳細を示す斜視図である。なお、それぞれのプーリーに対しては、それぞれのガイド溝内にワイヤが収納されるように(図1Bと同様に)掛け回されているが、以下の説明及び対応の図では、簡略化のため、ガイド溝については省略している。
第2直動アクチュエータ6−1の下端部に一端部が固定されたアーム屈曲用ワイヤ7−1は、第1回転ガイドプーリー30−1へと導かれ、第1回転ガイドプーリー30−1により経路を曲げられた後(矢印(11)参照)、図10の紙面上で第1回転関節3の関節軸3aより下方から可動回転プーリー10−1へと導かれ(矢印(12)参照)、さらに、可動回転プーリー10−1の図10の紙面上で下方側へと導かれる。その後、アーム屈曲用ワイヤ7−1は、可動回転プーリー10−1により、方向を転換するように曲げられ(矢印(13)参照)、可動回転プーリー10−1の図10の紙面上で上方側より第2回転ガイドプーリー31−1の図10の紙面上で上方側へと導かれる(矢印(14)参照)。その後、アーム屈曲用ワイヤ7−1は、第2回転ガイドプーリー31−1の外周に沿って略一周し(矢印(15)参照)、図10の紙面上で上方側より補助回転ガイドプーリー32−1の紙面上で下方側へと導かれる(矢印(16)参照)。補助回転ガイドプーリー32−1に導かれたアーム屈曲用ワイヤ7−1は、補助回転ガイドプーリー32−1の外周に沿うことにより、向きを変えられ(矢印(17)参照)、紙面上の上方へと導かれ、最後に、そのアーム屈曲用ワイヤ7−1の他端部が、アーム屈曲用ワイヤ7−1の上記一端部が固定された第2直動アクチュエータ6−1の下端部と略同一の箇所に固定されている。
以上の構成と同様な構成が、第2構造体2を挟んで反対側の位置に、第1回転ガイドプーリー30−2と第2回転ガイドプーリー31−2と補助回転ガイドプーリー32−2とアーム屈曲用ワイヤ7−2とによって構成されている。
以上説明した本発明の第4実施形態の関節構造体の動作について、図11を用いて説明する。
第1回転関節3の回転軸3a周りの第1構造体1と第2構造体2の相対的な揺動運動に関しては、図6Aと同様の原理により、第1構造体1と第2構造体2の相対的な揺動運動によってレバー11−1、11−2の運動は影響を受けない。
一方、第2直動アクチュエータ6−1が収縮するとアーム屈曲用ワイヤ7−1は矢印A、Bで示す方向に両端部が引っ張られる。これに対応するため、第1回転ガイドプーリー30−1は矢印Cに示すように時計方向の回転を行い、アーム屈曲用ワイヤ7−1を上向きに送り出す。また、補助回転ガイドプーリー32−1が矢印Dで示すように時計方向の回転を行い、第2回転ガイドプーリー31−1が矢印Eで示すように反時計方向の回転を行い、それぞれ、アーム屈曲用ワイヤ7−1を送り出す。結局、可動回転プーリー10−1は矢印Fで示すように引き寄せられ、第1回転関節3の回転軸3aから可動回転プーリー10−1の回転軸10−1aまでの距離Lは、運動前の距離L1から距離L3へと変化する。なお、図11において、点線で示された可動回転プーリー10−1は、第1実施形態の図6Bでの可動回転プーリー10−1の位置を示しており、この位置での距離L2よりも、図11での距離L3の方が小さくなり、その差(L2−L3)の分だけ、可動回転プーリー10−1の移動距離が大きくなっている。
本発明の第4実施形態の関節構造体によれば、第2回転ガイドプーリー31−1、31−2と補助回転ガイドプーリー32−1、32−2が配設されていることにより、アーム屈曲用ワイヤ7−1、7−2が第2直動アクチュエータ6−1、6−2によって、それぞれ両端を引っ張られるため、可動回転プーリー10−1、10−2の移動量である(L1−L2)の値は、第1実施形態の場合と比べ、第2直動アクチュエータ6−1、6−2の同じ収縮量に対し、移動量である(L1−L2)の値は2倍となる。したがって、ロボットアームの関節の可動範囲を大きくすることが可能となる。
(第5実施形態)
図12は本発明の第5実施形態にかかる関節構造体をロボットアームに応用した場合のロボットアームを示す全体図である。
図12において、33−1、33−2は第3回転ガイドプーリーであり、第2構造体2を挟んで対向するそれぞれの位置において、第1回転関節3の回転軸3aと同軸となるように回転自在に配設されており、軸受けなどを介して回転軸3a回りに自在に回転運動可能である。図12において、奥側の第3回転ガイドプーリー33−2は手前側の第3回転ガイドプーリー33−1の影となるため図示されていない。
34−1、34−2は第4回転ガイドプーリーであり、第3回転ガイドプーリー33−1、33−2と半径が等しく、第2構造体2の上側突出部2cに固定された回転軸34−1a、34−2aに対して、軸受けなどを介して、第2構造体2を挟んで対向するそれぞれの位置において第2構造体2に回転自在に配設されており、回転軸34−1a、34−2aを中心として第2構造体2に対して相対的に回転運動可能となっている。
また、35−1、35−2は第1平行リンクであり、それぞれの一端部が支点35−1a、35−2aにおいて第1構造体1と接続されており、支点35−1a、35−2aを中心として第1構造体1に対して相対的に揺動運動可能である。
36−1、36−2は第2平行リンクであり、それぞれの一端部が、支点36−1a、36−2aにおいて第1平行リンク35−1、35−2の他端部と接続されており、支点36−1a、36−2aを中心として第1平行リンク35−1、35−2に対して相対的に揺動運動可能である。また、第2平行リンク35−1、35−2の他端部は、それぞれ、第4回転ガイドプーリー34−1、34−2に固定されており、第2平行リンク35−1、35−2と第4回転ガイドプーリー34−1、34−2は、それぞれ、相対的に運動不可となっている。
第1平行リンク35−1、35−2、第2平行リンク36−1、36−2、第1構造体1、及び、第2構造体2は、支点35−1a、35−2a、支点36−1a、36−2a、第1回転関節3の回転軸3a、及び、第4回転ガイドプーリー34−1、34−2の回転軸34−1a、34−2aを4支点とする4節リンク構造(平行リンク構造)を構成している。
次に、図13を用いて第5実施形態における関節構造体のワイヤ誘導機構のワイヤの経路について説明する。図13は本発明の第5実施形態における関節構造体の構造の詳細を示す斜視図である。なお、それぞれのプーリーに対しては、それぞれのガイド溝内にワイヤが収納されるように(図1Bと同様に)掛け回されているが、以下の説明及び対応の図では、簡略化のため、ガイド溝については省略している。
第2直動アクチュエータ6−1に一端を固定されたアーム屈曲用ワイヤ7−1は、第3回転ガイドプーリー33−1へと導かれ、第3回転ガイドプーリー33−1により経路を曲げられた後(矢印(21)参照)、図13の紙面上で第1回転関節3の関節軸3aより下方から可動回転プーリー10−1へと可動回転プーリー10−1の図13の紙面上で下方側へと導かれる(矢印(22)参照)。その後、アーム屈曲用ワイヤ7−1は可動回転プーリー10−1により方向を転換するように曲げられ(矢印(23)参照)、可動回転プーリー10−1の図13の紙面上で上方側より第2回転ガイドプーリー34−1の図13の紙面上で上方側へと導かれる(矢印(24)参照)。その後、アーム屈曲用ワイヤ7−1は第4回転ガイドプーリー34−1の外周に沿った後(矢印(25)参照)、ワイヤ固定ピン34pにより端部が第2回転ガイドプーリー34−1に固定される。
第3回転ガイドプーリー33−2、第4回転ガイドプーリー34−2、可動回転プーリー10−2に対するアーム屈曲用ワイヤ7−2の経路も上記のアーム屈曲用ワイヤ7−1の経路と同様であるので、詳細な説明は省略する。
以上説明した本発明の第5実施形態の関節構造体の動作について、図14を用いて説明する。
第1直動アクチュエータ4−1、4−2の動作により、第2構造体2の第1回転関節3の回転軸3a回りの反時計方向の回転運動が発生した場合、図14の矢印Aで示すように、第3回転ガイドプーリー33−1に対する、可動回転プーリー10−1及び第4回転ガイドプーリー34−1の、第1回転関節3の回転軸3a回りの相対的な回転運動が発生する。この時、アーム屈曲用ワイヤ7−1が第3回転ガイドプーリー33−1の円周部にかかる量は角度αに相当する円周分だけ増加する。
一方、可動回転プーリー10−1がPの位置にある場合の、可動回転プーリー10−1と第4回転ガイドプーリー34−1との間に掛け渡されたアーム屈曲用ワイヤ7−1の垂線Xと平行な補助線Yと、可動回転プーリー10−1がQの位置にある場合の、可動回転プーリー10−1と第4回転ガイドプーリー34−1との間に掛け渡されたアーム屈曲用ワイヤ7−1の垂線Zが為す角度をβとすると、第4回転ガイドプーリー34−1は、上記平行リンク構造により第1構造体1と接続されているため、矢印Cで示す回転運動が発生しない(ただし、第4回転ガイドプーリー34−1と第2構造体2の相対的な回転運動は発生する。)ことから、第2構造体2の第1回転関節3の回転軸3a回りの反時計方向の回転運動により、アーム屈曲用ワイヤ7−1が第4回転ガイドプーリー34−1の円周部にかかる量は角度βに相当する円周分だけ減少する。
ここで、幾何学的な関係を考えれば、角度α=角度βであることから、角度αに相当する円周分である増加分と角度βに相当する円周分である減少分はお互いに打ち消しあい、結局、第1回転ガイドプーリー33−1と可動回転プーリー10−1の距離Lは変化しない。したがって、レバー11−1の支点11−1a回りの第2構造体2に対する相対的な回転運動は発生しない。
また、第2直動アクチュエータ6−1が収縮すると、図6Bと同様の原理により、第1回転関節3の回転軸3aから可動回転プーリー10−1の回転軸10−1aまでの距離は変化する。
本発明の第5実施形態の関節構造体によれば、平行リンク構造が接続された第4回転ガイドプーリー34−1、34−2を、第3回転ガイドプーリー33−1、33−2と可動回転プーリー10−1、10−2と同一平面内に配設することが可能となるため、第1実施形態の場合と比べて、第1回転関節3の回転軸3aの軸方向沿いの厚みを小さくすることが可能となる。したがって、コンパクトな関節構造のロボットアームとすることが可能となる。また、第4回転ガイドプーリー34−1、34−2を、第3回転ガイドプーリー33−1、33−2と可動回転プーリー10−1、10−2と同一平面内に配設することが可能であるため、アーム屈曲用ワイヤ7−1、7−2がそれぞれのプーリーのガイド溝から外れにくくなり、ロボットアームの高速移動に好適なものとなる。
(第6実施形態)
図15は本発明の第6実施形態にかかる関節構造体をロボットアームに応用した場合のロボットアームを示す全体図である。
図15において、37−1、37−2は回転ガイドプーリーであり、第2構造体2を挟んで対向するそれぞれの位置において、第1回転関節3の回転軸3aと同軸となるように軸受けなどを介して回転軸3aに対して回転自在に配設されており、回転軸3a回りに自在に回転運動可能である。図15において、奥側の回転ガイドプーリー37−2は手前側の回転ガイドプーリー37−1の影となるため図示されていない。
38−1、38−2は可動ガイドプーリーであり、回転ガイドプーリー37−1、37−2と半径が等しく、レバー11−1の上端部とレバーの下端部11−2に回転自在に配設されており、回転軸38−1a、38−2aを中心としてレバー11−1、11−2に対して相対的に回転運動可能となっている。
39−1、39−2は第1平行リンクであり、それぞれの一端部が支点35−1a、35−2aにおいて第1構造体1と回転自在に接続されており、支点35−1a、35−2aを中心として第1構造体1に対して相対的に揺動運動可能である。
40−1、40−2はそれぞれの一端が並進・回転ジョイント41−1、41−2に回転自在に連結され、それぞれの他端が可動ガイドプーリー38−1、38−2に固定された第2平行リンクであり、並進・回転ジョイント41−1、41−2によって第1平行リンク39−1、39−2と並進・回転可能に接続されている。並進・回転ジョイント41−1は、図15中に矢印A及び矢印Bで示す方向に第1平行リンク39−1に対して摺動自在でかつ相対的に回転自在に嵌合又は挟持されて並進自由度及び回転自由度を有し、並進・回転ジョイント41−2も第1平行リンク39−2に対して同様な構造となっている。したがって、第1平行リンク39−1、39−2と第2平行リンク40−1、40−2は、並進・回転ジョイント41−1、41−2により、相対的に並進運動可能であり、揺動運動可能である。また、第2平行リンク40−1、40−2のそれぞれの他端は、それぞれ、可動ガイドプーリー38−1、38−2に固定されており、第2平行リンク40−1、40−2と可動ガイドプーリー38−1、38−2は、それぞれ、相対的に運動不可となっているため、第2平行リンク40−1と可動ガイドプーリー38−1、第2平行リンク40−2と可動ガイドプーリー38−2は、それぞれ、一体的に回転するようになっている。
よって、第1平行リンク39−1、39−2、第2平行リンク40−1、40−2、第1構造体1、及び、第2構造体2は、支点35−1a、35−2a、並進・回転ジョイント41−1、41−2、第1回転関節3の回転軸3a、及び、可動ガイドプーリーの回転軸38−1a、38−2aを4支点とする4節リンク構造(平行リンク構造)を構成している。
次に、図16を用いて第6実施形態における関節構造体のワイヤの経路について説明する。図16は本発明の第6実施形態における関節構造体の構造の詳細を示す斜視図である。なお、それぞれのプーリーに対しては、それぞれのガイド溝内にワイヤが収納されるように(図1Bと同様に)掛け回されているが、以下の説明及び対応の図では、簡略化のため、ガイド溝については省略している。
第2直動アクチュエータ6−1に一端を固定されたアーム屈曲用ワイヤ7−1は回転ガイドプーリー37−1へと導かれ、回転ガイドプーリー37−1により経路を曲げられた後、図16の紙面上で第1回転関節3の関節軸3aより下方から可動回転プーリー38−1へと可動回転プーリー38−1の図13の紙面上で下方側へと導かれる。その後、アーム屈曲用ワイヤ7−1は回転プーリー38−1の外周に沿った後、ワイヤ固定ピン38pにより端部が可動プーリー38−1に固定される。
回転ガイドプーリー37−2、可動プーリー38−2に対するアーム屈曲用ワイヤ7−2の経路も上記のアーム屈曲用ワイヤ7−1の経路と同様であるので、詳細な説明は省略する。
以上説明した本発明の第6実施形態の関節構造体の動作について、図17を用いて説明する。
第1直動アクチュエータ4−1、4−2の動作により、第2構造体2の第1回転関節3の回転軸3a回りの反時計方向の回転運動が発生した場合、図17の矢印Aで示すように、回転ガイドプーリー37−1に対する、可動プーリー38−1の、第1回転関節3の回転軸3a回りの相対的な回転運動が発生する。この時、アーム屈曲用ワイヤ7−1が第1回転ガイドプーリー37−1の円周部にかかる量は角度αに相当する円周分だけ増加する。
一方、可動プーリー38−1がPの位置にある場合の、第1回転ガイドプーリー37−1と可動プーリー38−1との間に掛け渡されたアーム屈曲用ワイヤ7−1の垂線Xと平行な補助線Yと、可動プーリー38−1がQの位置にある場合の、第1回転ガイドプーリー37−1と可動プーリー38−1との間に掛け渡されたアーム屈曲用ワイヤ7−1の垂線Zが為す角度をβとすると、可動プーリー38−1は、上記平行リンク構造により第1構造体1と接続されているため、矢印Bで示す回転運動が発生しない(ただし、可動プーリー38−1とレバー11−1の相対的な回転運動は発生する。)ことから、第2構造体2の第1回転関節3の回転軸3a回りの反時計方向の回転運動により、アーム屈曲用ワイヤ7−1が可動プーリー38−1の円周部にかかる量は角度βに相当する円周分だけ減少する。
ここで、幾何学的な関係を考えれば、角度α=角度βであることから、角度αに相当する円周分である増加分と角度βに相当する円周分である減少分はお互いに打ち消しあい、結局、回転ガイドプーリー37−1と可動プーリー38−1の距離Lは変化しない。したがって、レバー11−1の支点11−1a回りの第2構造体2に対する相対的な回転運動は発生しない。
また、第2直動アクチュエータ6−1が収縮すると、アーム屈曲用ワイヤ7−1が引っ張られるが、ワイヤ7−1は可動プーリー38−1に端部が固定されているため、可動プーリー38−1は回転ガイドプーリー37−1の方へ引き寄せられ、第1回転関節3の回転軸3aから可動プーリー38−1の回転軸38−1aまでの距離Lは変化する。その際に、並進・回転ジョイント41−1は、第2直動アクチュエータ6−1の収縮により距離Lが短縮される場合には、第1平行リンク39−1に沿って支点35−1aに近づく方向へ並進運動し、平行リンク構造を維持する。
本発明の第6実施形態の関節構造体は、第5実施形態の第2回転ガイドプーリー34−1、34−2と可動ガイドプーリー10−1、10−2を一体にした場合の構造に相当する。
本発明の第6実施形態の関節構造体によれば、ガイドプーリーとして回転ガイドプーリー37−1、37−2と可動プーリー38−1、38−2のみがあれば動作することができ、部品点数を少なくすることが可能となる。したがって、部品点数の少ない簡潔な関節構造のロボットアームとすることが可能となる。
(第7実施形態)
図19A、図19B、図19Cは、本発明の第7実施形態にかかる関節機構におけるワイヤ誘導機構の構造を示す全体図である。図19A、図19B、図19Cに示す本発明の第7実施形態は、2つの可動回転プーリーを備えた場合の例である。
図19A、図19B、図19Cにおいては、401はロッド状の第1構造体、402はロッド状の第2構造体であり、第1構造体401と第2構造体402は回転関節403により接続されており、第1構造体401と第2構造体402は、回転関節403の関節軸403aを中心として相対的に回転可能である。
404はガイド溝404a付き回転ガイドプーリーであり、回転関節403の回転軸403aと同軸となりかつ、回転軸403aに対して、軸受けなどを介在させて回転自在に第2構造体2に配設されており、回転軸403a回りに自在に回転運動可能である。
405は固定ガイドの一例であるガイド溝405a付き固定ガイドプーリーであり、回転ガイドプーリー404と半径が等しく、回転関節403の回転軸403aと同軸となるように配設されている。また、固定ガイドプーリー405は第1構造体401に固定されており、固定ガイドプーリー405と第1構造体401の間に相対的な回転運動は生じない。
406はグリッパーであり、第1フィンガ406a、第2フィンガ406b及びヒンジ406cから構成されている。第1フィンガ406a及び第2フィンガ406bはヒンジ406cにより開閉動作可能となっており、また、ヒンジ406cは第2構造体402の端部(第1構造体401と接続する端部とは異なる端部)に固定されている。
407はガイド溝407b付き第1可動回転プーリーであり、第1フィンガ406aの基端部に配設され、回転軸407a回りに回転可能である。
408はガイド溝408b付き第2可動回転プーリーであり、第2フィンガ406bの基端部に配設され、回転軸408a回りに回転可能である。
409はねじりコイルバネであり、コイル部分がヒンジ406cに掛けられ、両端部が第1可動回転プーリー407の回転軸407a及び第2可動回転プーリー408の回転軸408aにそれぞれ掛けられ、コイルバネ409の反発力により、グリッパー406を図19Aに示すように開状態に保持しようとする。
410はグリッパー駆動ワイヤであり、グリッパー駆動ワイヤ410の一方の端部が第1駆動アクチュエータ(例えば、図1Aの空気圧人工筋等の2本の第1直動アクチュエータ4−1、4−2)に固定され、回転ガイドプーリー404のガイド溝404a、第2可動回転プーリー408のガイド溝408b、第1可動回転プーリー407のガイド溝407bの順にグリッパー駆動ワイヤ410が掛けられ、グリッパー駆動ワイヤ410の他方の端部が固定ガイドプーリー405にワイヤ固定ピン410pにより固定されている。
411はガイド溝411a付き回転関節駆動プーリーであり、回転関節403の回転軸403aと同軸となるように配設されている。また、回転関節駆動プーリー411は第2構造体402に固定されており、回転関節駆動プーリー411と第2構造体402の間に相対的な回転運動は生じない。
412は回転関節駆動ワイヤであり、回転関節駆動プーリー411のガイド溝411aに掛け回され、両端部を第2駆動アクチュエータ及び第3駆動アクチュエータ(ともに図示しないが、アクチュエータを構成可能な、例えば空気圧人工筋やモータやシリンダ等)にそれぞれ固定されている。
次に、図20を使用して、回転ガイドプーリー404、固定ガイドプーリー405、第1可動回転プーリー407、第2可動回転プーリー408に対するグリッパー駆動ワイヤ410の経路について説明する。なお、上記したように、それぞれのプーリーに対しては、それぞれのガイド溝内にワイヤが収納されるように掛け回されているが、以下の説明では、ガイド溝については説明を省略する。
第1駆動アクチュエータに一端を固定されたグリッパー駆動ワイヤ410は、回転ガイドプーリー404へと導かれ、回転ガイドプーリー404を略1周周回した後、図20の紙面上で回転関節403の関節軸403aより下方から第2可動回転プーリー408へと第2可動回転プーリー408の図20の紙面上で下方側へと導かれる。その後、グリッパー駆動ワイヤ410は、第2可動回転プーリー408により方向を上向きに転換するように曲げられ、第1可動回転プーリー407へと図20の紙面上で第1可動回転プーリー407の右側へと導かれる。その後、グリッパー駆動ワイヤ410は、第1可動回転プーリー407により方向を左向きに転換するように曲げられ、第1可動回転プーリー407の図20の紙面上で上方側より固定ガイドプーリー405の図20の紙面上で上方側へと導かれる。その後、グリッパー駆動ワイヤ410は、固定ガイドプーリー405の外周に沿った後、ワイヤ固定ピン410pにより、端部が固定ガイドプーリー405に固定される。
以上の構成のワイヤ誘導機構の動作について説明する。
図19Bの矢印Xのようにグリッパー駆動ワイヤ410が駆動された場合、上記第1実施形態において図6Bで説明したのと同様の原理により、回転ガイドプーリー404と第1可動回転プーリー7、第2可動回転プーリー408の回転軸間の距離を縮めるような動作となり、図19Aの状態から図19Bの状態へとグリッパー406が閉じる動作となる。一方、矢印Xと逆の方向にグリッパー駆動ワイヤ410を緩める方向に駆動されると、ねじりコイルバネ409の反発力により、図19Bの状態から図19Aの状態へとグリッパー406が開かれる動作となる。
次に、図19Cの矢印Yのように回転関節駆動ワイヤ412が駆動されると、回転関節駆動ワイヤ412は回転関節駆動プーリー411に掛け回され、回転関節駆動プーリー411は第2構造体402に固定されているため、回転関節403の回転運動が発生し、グリッパー406は図19Aの状態から図19Cの状態へと左回りの揺動運動を行う。一方、矢印Yと逆の方向に回転関節駆動ワイヤ412が駆動される場合、グリッパー406は右回りの揺動運動を行う。
この揺動運動の際、上記第1実施形態において図6Aで説明したのと同様の原理により、回転ガイドプーリー404と第1可動回転プーリー407、第2可動回転プーリー408の回転軸間の距離を保持するような動作となり、グリッパー406は動作しない。
以上のように、本発明の第7実施形態のワイヤ誘導機構によれば、回転ガイドプーリー404、固定ガイドプーリー405、第1可動回転プーリー407、第2可動回転プーリー408によりグリッパー駆動ワイヤ410が誘導される構成とすることにより、回転関節403の回転軸403a回りの回転運動に影響を受けることなく、独立して、グリッパー駆動ワイヤ410によりグリッパー406の開閉動作を駆動することができる。
以上のようなグリッパー駆動機構を応用すれば、腹腔鏡下手術や遠隔手術のためのロボット鉗子システム等を実現することが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
例えば、図18A及び図18Bに示すように、揺動するレバーに代えて、第2構造体2の長手方向沿いにリニアガイド300−1、300−2を設けて、これらのリニアガイド300−1、300−2に沿って可動回転プーリー10−1、10−2がアーム屈曲用ワイヤ7−1、7−2により第2構造体2の長手方向沿いに自在に移動するような構造としても、レバーと同様な作用効果を奏することができる。
また、上記種々の実施形態では、ロボットアームを駆動するアクチュエータを直動アクチュエータとしたが、これに限られるわけではなく、回転型の電動モータであっても、例えば、モータの回転軸にプーリーを固定し、モータの回転によりワイヤを巻き取る構造等でも同様の効果を発揮する。
また、上記種々の実施形態では、直動アクチュエータを空気圧人工筋としたが、これに限られるわけではなく、空圧シリンダ、油圧シリンダや電動リニアアクチュエータ等、その他の直動アクチュエータでも同様の効果を発揮する。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。