JP4549987B2 - アクセス方式、及び基地局装置 - Google Patents
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Description
例えば、再送パケットも新規のパケットと同一の衝突回避制御期間を用いるユニフオーム・ポリシーや、再送回数に応じて衝突回避制御期間を指数的に増加させるエクスポネンシヤル・ポリシーなどがある。
用いるポリシーによってパケットの遅延特性には違いが生じるが、最大スループットが1/e(=0.368)を上回ることはない。
CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式においては、端末局装置は送信前に送信するチヤネルをキヤリアセンスして他の端末局装置が送信していないか判断し、他の端末局装置が送信中の場合はその送信を待って送信することで衝突を回避してスループットを改善している。
このCSMA方式は、IEEE802.11(無線LAN)で用いられている(非特許文献1参照)。
上記隠れ端末が存在すると、隠れ端末に対してキャリアセンスが有効に機能しないため、CSMA方式では衝突の頻度が増し、特性を悪化させる。
BTMA(Busy Tone Multiple Access)方式においては、基地局装置がチャネルの使用状況を監視し、フレーム伝送がある場合はビジートーンを報知する。各端末局装置は、基地局装置からの報知信号に基づきアイドル回線にアクセスすることができる。しかし、メッセージ用チャネルのほかにビジートーン用チャネルを利用可能な周波数帯域に用意する必要があるため、周波数の利用効率が悪くなる(例えば、非特許文献2参照)。
reservation−ALOHAにおいては、まずランダムアクセスによってリクエストフレームを送出し、その予約が成功してからデータフレームを伝送する。予約方式はリクエストフレーム長とデータフレーム長の関係に大きく依存する。リクエストフレームがデータフレームに対して十分に短いとき、最大スループットは1に近づくが、これが長くなるにつれてその最大スループットは低下する(例えば、非特許文献4参照)。
衝突を解決する手法としては、各端末局が保持しているユニークな番号(例えばID)を基にツリー状に絞り込むツリーアルゴリズム(例えば、非特許文献5参照)やトラヒックの発生時刻に基づいて絞り込むFCFS(First come first served)アルゴリズム(例えば、非特許文献6参照)などがあるが、どのアルゴリズムも大きなトラヒックがアクセスすると衝突解決の効率が下がるため、高いスループットを得ることが出来ない。
IEEE Std. 802.11-1999, Part11: Wirless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer(PHY) spesifications. IEEE Std. 802.11, 1999 edition. F. Tobagi and L. Kleinrock: "Packet switching in radio channels: Part II- the hidden terminal problem in CSMA and busy-tone solution", IEEE Trans. Commun., COM-23, pp. 1417-1433 (1975). A. Murase and K. Imamura: "Idle-signal casting multiple access with collision detection (ICMA-CD) for land mobile radio" , IEEE Trans. Vehic. Technol., VT-36, 2, pp. 45-50 (1987). S. S. Lam: "Packet broadcast networks - a performance analysis of the R-ALOHA protocol" , IEEE Trans. Computers, 29, 7, pp. 596-603 (1980). J. I. Capetanakis: "Tree algorithms for packet broadcast channels" , IEEE Trans. Inform. Theory, IT-25, 5, pp. 505-515 (1979). R. G. Gallager: "A perspective on multiaccess channels" , IEEE Trans. Inform. Theory, IT-31, 25, pp. 124-142 (1985).
このような端末に対して経済的に対応するため、大きなカバーエリアを有する、基地局の基地局装置によって収容することが考えられる。
この場合、端末局装置と基地局装置との間においては、送信電力やアンテナ特性が、大きく異なる。このため、端末局装置間においては、互いの送信信号の到達しない隠れ端末が多数存在すると考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、既存の方式が前提としている条件を満たさないシステムにおいて、スロッテッド・アロハ方式以上の最大スループットが得られるアクセス方式及び基地局装置を提供することを目的とする。
また、本発明によれば、端末局装置の数、アクセスの統計情報、直前の衝突回避制御期間に基づき、算出した最適な衝突回避制御期間を用いてアクセスすることができ、さらに高いスループットを得ることができる。
また、ランダムアクセスフェーズと衝突解決フェーズとの切替は、基地局装置がパケット衝突の有無に基づいて判定し、各端末局装置に対して報知する。
さらに、基地局装置は、端末局装置の数、アクセスの統計情報、直前の衝突回避制御期間に応じて、衝突回避制御期間を更新し、各端末局装置に報知する。
また、ランダムアクセス送信によって送信パケットが衝突した端末局の送信を基地局装置からのフィードバックによって調整する場合、そのフィードバック・データの伝送中の損失を考慮しないといけない。
さらに、その衝突を解決するまでに必要なスロット数を低く抑えることが出来れば更に最大スループットを改善できる。
以下、上述した特徴の構成及び動作について説明する。
このバックオフフェーズにおいては、送信待機時間が「0」になった端末局の端末局装置が送信し、衝突が発生すると衝突解決フェーズに移行する。この衝突解 決フェーズに移行すると、基地局の基地局装置は衝突を解決するためアクセス情報をフィードバックし、送信待ちの端末局の端末局装置は送信待機時間の減算を 停止する。基地局が衝突は解決したと判断した場合は、バックオフフェーズに移行する。
但し、nは端末局数、Wは衝突回避制御期間、λは各端末局で同一のパケット生起確率を表している。
もちろん、上記(1)〜(4)式における関係式以外にも、各端末局の端末局装置におけるパケットの生起確率の違いから端末局間で重み付けを行なったり、上記関係式から導かれる別の指標を用いたりして最適な衝突回避制御期間を算出する手法も含む。
さらに、上記のような再送信ができなかった端末局の存在により、再送信タイミングを決定するアルゴリズムが暴走するのを防ぐため、請求項1で示した絞込み手法を連続して行なわない(請求項2)。
以下の実施形態の説明において、簡略化のために、基地局の基地局装置を単に基地局と示し、端末局の端末局装置を単に端末局として説明を行う。
以下、第1の実施形態によるランダムアクセス方式を図面(図2〜図7)を参照して説明する。図2は同実施形態のネットワークの構成例を示すブロック図である。また、図3はフレーム構成を示すブロック図であり、図4は本実施形態の基地局の基地局装置におけるランダムアクセススロットの受信結果判定ロジック図である。図5は、本実施形態の基地局の基地局装置における動作フロ−を示すブロック図である。図6は、衝突解決のためのアルゴリズムとして本実施形態ではツリーアルゴジズムを用い、ツリーアルゴリズムの動作フローを示すブロック図である。図7は端末数に伴うスル−プットが最大となる最適な衝突回避制御期間の変化を表したグラフである。
この場合、例え端末局N2〜N5がAPに対してランダムアクセスしていたとしても端末局N1では受信できないため、端末局N1からの送信を回避することはできない。このように互いの送信信号が受信できない隠れ端末(端末局)が多く存在するネットワークでは、キャリアセンスが有効に機能しないため、CSMA方式では特性を悪化させる。
まず、スロットタイミング毎に(S1)、CRCなどの誤り検出符号によって(S2のエラー検出)誤りが検出されない場合は“成功”とみなす。一方、誤りが検出された場合は、受信電力の平均値などをRSSI測定器で測定し、受信電力(受信強度)が一定閾値より大きいか否かの判定を行い(S3)、閾値以上の場合は“衝突”と判断する。また、受信電力が閾値未満の場合は“空き”と判断する。
ランダムアクセスフェーズにおいて、パケットの衝突が発生しないか否かの判定を行っており(S11)、衝突が発生しない限りはランダムアクセスフェーズを続け(S10)、衝突が発生したならば、次のRAスロットで衝突解決フェーズに切り替わる(S12,S13)。
衝突解決フェーズにおいては、衝突解決のためRAスロットのアクセス結果が基地局から端末局にフィードバックされる。
そして、基地局で各端末局間のパケットの衝突がすべて解決したと判断したならば、ランダムアクセスフェーズに切り替え、その情報を端末局にフィードバックする。
まず、枝T1,0に属する端末局がパケットの再送を試み、端末局N0とN2が再送したパケットが衝突する。再度、パケットが衝突したため更に階層を深くして、枝T2,0に属する端末局がパケットの再送を試み、端末局N0が成功する。
そして、枝T2,1に属する端末局がパケットの再送を試み、端末局N2が成功する。
次に、枝T2,1に属する各端末局がパケットの再送を試み、端末局N6と端末局N7の送信するパケットが衝突する。衝突したため更に階層を深くしてT3,0に属する端末局がパケットの再送を試み、端末局N6が成功する。最後に、枝T3,1に属する端末局N7が再送を試み、成功する。
次に、端末局数に基づき衝突回避制御期間を制御するアルゴリズムの一例を示す。基地局は、下記(6)式及び(7)式に示すアクセスの統計情報(空きスロットの割合E、成功スロットの割合Tなど)または端末局の認証サーバなどとの通信を介して、当該基地局に属する端末局数nを把握することは可能である。ここで、τは各端末局の送信確率を表す。
E=(1−τ)n …(6)
T=nτ(1−τ)n−1 …(7)
衝突ウィンドウ=β×n …(8)
スループットは、単位時間当たりの実質的な情報伝送量とし、伝送速度にて規格化している。
・伝搬:伝送エラーフリー、伝送遅延なし、基地局装置における端末局装置送信パケットの受信電力は同一。
・トラフィック:パケット生起確率及び生起トラフィック量は前端末局装置で同一。
・その他:基地局装置において、端末局装置からのアクセス状況(“成功”“衝突”、“空き”)を的確に把握できる。
・はじめ、端末局装置N0,N2,N3,N5,N6,N7がパケットの送信待ち状態にあるとする。
・端末局装置N3の送信待機時間が「0」となったため、ランダムアクセス送信によるパケット送信を行い、送信が成功。
・次に、端末局装置N0,N2,N6,N7の送信待機時間がともに「0」となったため、それぞれがランダムアクセス通信を行い、パケットが衝突。
・該当する端末局装置は衝突アルゴリズムに従い、衝突パケットを再送信する(上述した衝突解決フェーズの処理に記載)。
・上記衝突解決フェーズ中に、端末局装置N4が送信パケットを生成し、直近の衝突回避制御期間W3に基づき、送信待機時間を選択。
・衝突解決フェーズのため、端末局装置N4,N5はバックオフ・プロトコルを停止し、送信待機時間の減算やパケットの送信を行わない。
・その後、基地局装置は衝突が全て解決したと判断し、ランダムアクセスフェーズに処理を切り替え、その情報を各端末局装置に対して報知する。
・端末局装置N5は、送信待機時間が「0」となったため、パケットをランダムアクセス送信し、成功。
次に、図11を参照して、第2の実施形態の説明を行う。図11は、衝突解決のためのアルゴリズムとして、本実施形態ではツリーアルゴリズムを用い、ツリーアルゴリズムの動作フローを示す概念図である。
すでに説明した第1の実施形態における図6で示したツリーアルゴリズムでは、4個の端末局の衝突を解決するため、衝突解決フェーズが8スロット続いている。そのため、本衝突解決フェーズでのスループットは(4/8)*100=50%となる。
こうすることにより、端末局N6と端末局N7との送信するパケットの二度目の衝突を回避し、衝突フェーズに要するスロット数を1スロット少なくすることができる。
そのため、本衝突解決フェーズでのスループットは(4/7)*100=57%と向上することとなる。
第1の実施形態においては、端末局と基地局との間の伝送路が有線路などのように伝送路上の障害物や距離などによる減衰がほとんどない場合を想定して説明した。
しかしながら、基地局と端末局との間の伝送路が比較的長く、見通しが得られない無線路の場合、伝送路上の障害物や距離などによる減衰(フェージング)が著しい伝送路を想定する必要がある。
この場合、端末局においてランダムアクセスの成功または失敗の判断ができない。この場合には、衝突回避制御時間に基づき再度送信待機時間を設定して、ランダムアクセスする。
図12には、端末局N1から送信された信号が基地局で正常に受信されたにも関わらず、基地局からのフィードバック信号が端末局N1において正常に受信されず、再度送信待機時間を設定して、送信待ち状態に遷移した状態を示している。
図13には、端末局N3のみが基地局に対してランダムアクセスしたにも関わらず、基地局で正常に受信されず、また、その送信の存在さえ検出されず、端末局N3は再度送信待機時間を設定して、送信待ち状態に遷移した状態を示している。
または、基地局における各端末局が送信した信号が失われるということはなく、電界強度の強い信号が破壊されずに受信されることがある。
この場合、基地局においては電界強度の弱い信号は雑音として捉えるため、衝突の有無を検出することは難しい。そのため、送信の存在を基地局で検出されなかった場合、基地局は、衝突回避制御時間に基づき再度送信待機時間を設定して、ランダムアクセスする。
この場合、端末局N3は再度送信待機時間を設定して、送信待ち状態に遷移した状態を示している。
いずれの場合も、送信待機時間を設定せずにランダムアクセスすると、フィードバック信号の欠損による再ランダムアクセスの呼量が増してシステムの特性(スループット)が低下してしまう。
第4の実施形態を、図15及び図16を参照して説明する。図15は、本実施形態の基地局と端末局との間の送信のシーケンスチャートである。図16はツリーアルゴリズムの動作フローを示す概念図である。
第3の実施形態において示した通り、無線伝送路では、例え衝突がなかったとしてもフェージングなどによって信号の欠損が発生する。端末局からランダムアク セスの受信結果が含まれている基地局から端末局へのフィードバック信号が欠損した場合、端末局でランダムアクセスの成功または失敗が判断できない。このた め、端末局は衝突回遊制御時間に基づき再度送信待機時間を設定して、ランダムアクセスする必要がある。
そのため、基地局において正しくパケットの衝突を検出したとしても、その衝突パケットを送信した端末局が基地局からのアクセス状況の情報に基づいて衝突パケットの再送信タイミングを計っているとは限らない。
枝T1,1に属する端末局(N4とN6)がパケットの再送を試み、端末局N4と端末局N6との送信したパケットが衝突する。
このランダムアクセスのフィードバック信号を、端末局N4が欠損したため、次の再送タイミング(枝T2,2に属する端末局に送信許可)にて送信を行なわない。
基地局は“空き”と判断して、第2の実施形態の方式に基づいて、2分岐のもう一方で更に階層が深い枝T3,6に属する端末局に再送を容認する。
そこで、基地局は第2の実施形態に基づき、図16に示す2分岐のもう一方で更に階層が深い枝T4,14に属する端末局にパケットの再送を容認すると、枝T3,7にはパケットの再送を控えている端末局が存在しないため、永久に第2の実施形態の方式に基づくツリー検索が行なわれてしまう。
このように、衝突に関与した複数の端末局が再度送信待機時間を設定した場合(基地局主導による再送から離脱した場合)、第3の実施形態だけでは、ツリーアルゴリズムから抜け出せなくなってしまう。
枝T3,7には再送する端末局が存在しないため、基地局は“空き”と判断して、ツリーアルゴリズムを終了することができる。
すわわち、第4の実施形態は、第3の実施形態において、基地局装置が、条件を絞り込んだもう一方の分岐において、再度端末局装置からパケットの送信がなされなかった(パケットの再送を行う端末局がない)場合に、もう一方の分岐に対して更に条件を絞り込むことは行なわない。
N0,N2,N3,N4,N5,N6,N7…端末局(端末局の端末局装置)
Claims (4)
- 端末局装置が基地局装置に対してアクセスするアクセス方式において、
前記端末局装置から前記基地局装置へのパケットの衝突を解決するために、前記基地局装置は、ツリーアルゴリズムの2分岐において、一方の分岐に属する前記端末局装置から送信がなかった場合、もう一方の分岐の1階層深い2分岐の一方の分岐に属する前記端末局装置の再送を容認することで、パケットの衝突を解決する
ことを特徴とするツリーアルゴリズムを用いたアクセス方式。 - 請求項1に記載のアクセス方式において、
前記基地局装置は、前記1階層深い2分岐の一方の分岐に属する前記端末局装置の再送を容認した際に、
前記端末局装置から送信がなかった場合に、前記1階層深い2分岐のもう一方の分岐に属する前記端末局装置の再送を容認する
ことを特徴とするツリーアルゴリズムを用いたアクセス方式。 - 端末局装置がアクセスする基地局装置において、
前記端末局装置から送信されるパケットの衝突を解決するために、
ツリーアルゴリズムの2分岐において、一方の分岐に属する前記端末局装置から送信がなかった場合、もう一方の分岐の1階層深い2分岐の一方の分岐に属する前記端末局装置の再送を容認することで、パケットの衝突を解決する
ことを特徴とするツリーアルゴリズムを用いた基地局装置。 - 請求項3に記載の基地局装置において、
前記1階層深い2分岐の一方の分岐に属する前記端末局装置の再送を容認した際に、前記端末局装置から送信がなかった場合に、前記1階層深い2分岐のもう一方に属する前記端末局装置の再送を容認する
ことを特徴とするツリーアルゴリズムを用いた基地局装置。
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