以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係るカラー画像形成装置10が示されている。カラー画像形成装置10は、プラテンガラス14上の所定位置に載置された原稿16を露光走査しCCDセンサ13により原稿16の画像R,G,B各色成分に分解して読み取ってR,G,Bの画像信号を出力する原稿読取装置12と、原稿読取装置12が原稿16の画像を読み取ることで得られた画像信号に基づいて、用紙50上にカラー画像を形成する画像形成装置18を備えている。なお、カラー画像形成装置10は請求項8に記載の画像形成装置に対応している。
画像形成装置18は、CCDセンサ13による読み取りによって得られたR,G,Bの画像信号を、Y,M,C,Kの各色材色毎の多値の画像データ(個々の画素のY,M,C,Kの各色材色毎の濃度を各々複数ビット(例えば8ビット)の多値データで表す画像データ)に変換して蓄積する画像蓄積部82と、CPU、ROM、ワークメモリとして使用されるRAM、EEPROMやフラッシュメモリ等から成る不揮発性記億手段を含んで構成されカラー画像形成装置10における処理全般を制御する制御部80を備えている。不揮発性記憶手段には、後述するレジずれ補正パラメータ設定処理を行うためのレジずれ補正パラメータ設定プログラムや印刷用画像データ生成処理を行うための印刷用画像データ生成プログラムを含む画像処理プログラム(請求項12に記載の画像処理プログラムに相当)が予め記憶されており、制御部80はCPUが上記の画像処理プログラムを実行することで本発明に係る画像処理装置として機能する。また、カラー画像形成装置10の上面には、メッセージ等を表示するディスプレイ84Aと、オペレータが各種コマンド等を入力するためのキーボード84Bとを含んで構成された操作部84が設けられており、操作部84は制御部80と接続されている(図示省略)。
また、画像形成装置18は駆動ローラ32、34、36、38に巻き掛けられた無端の中間転写ベルト30を備えている。中間転写ベルト30はトナー像を静電転写するためにカーボンにより体積抵抗が調整された誘電体であり、駆動ローラ32、34、36、38によって所定方向(駆動ローラ32、38間では図1の矢印B方向)に周回搬送される。中間転写ベルト30の上側には、図1の矢印B方向に沿って、中間転写ベルト30上にY色のトナー像を形成する画像形成部20、中間転写ベルト30上にM色のトナー像を形成する画像形成部22、中間転写ベルト30上にC色のトナー像を形成する画像形成部24、中間転写ベルト30上にK色のトナー像を形成する画像形成部26、及び、中間転写ベルト30上に形成されたレジずれ検出用パターンを検出するためのパターン検出部28が順に設けられている。なおパターン検出部28は、発光素子及び受光素子を備え中間転写ベルト30上に形成されたレジずれ検出用パターンを光学的に検出するための検出ユニットが、中間転写ベルト30の幅方向(主走査方向)に沿った複数箇所(後述するレジずれ検出用パターン画像中の各パターンに対応する箇所)に各々配設されて構成されている。
画像形成部20は、略円筒状で軸線を中心に図1の矢印A方向へ回転可能とされ中間転写ベルト30に外周面が接するように配置された感光体20Cを備えており、感光体20Cの外周には、感光体20Cの外周面を所定の電位に帯電させる帯電器20Dが設けられており、図1の矢印A方向に沿って帯電器20Dよりも下流側には走査露光部20Aが設けられている。図示は省略するが、走査露光部20Aは光源としてのレーザダイオード(LD)、LDから射出されたレーザビームを平行光束とするコリメータレンズ、コリメータレンズで平行光束とされたレーザビームを所定方向に沿って偏向させるポリゴンミラー等の偏向手段、該偏向手段のレーザビーム射出側に配置されたfθレンズを備えており、fθレンズを透過したレーザビームは、ミラー20Hで反射されて感光体20Cの周面上に照射され、感光体20Cの軸線に平行な方向に沿って感光体20Cの周面上を走査(主走査)される。走査露光部20Aには色材色Yの印刷用画像データ(二値の画像データ)が制御部80から供給され、LDから射出されるレーザビームは制御部80から供給された印刷用画像データに応じて変調され、また感光体20Cが回転することによって副走査が成されることで、感光体20Cの周面上の帯電された部分には色材色Yの画像の静電潜像が形成される。
一方、感光体20Cの外周面へのレーザビーム照射位置よりも図1の矢印A方向に沿って下流側には、現像装置20B、転写装置20F及びクリーニング装置20Eが順に設けられている。現像装置20Bは、トナー供給部20GよりY色のトナーが供給され、走査露光部20Aにより形成された静電潜像をY色のトナーによって現像しY色のトナー像を形成させる。また、転写装置20Fは中間転写ベルト30を挟んで感光体20Cの外周面と対向するように配置されており、感光体20Cの外周面に形成されたY色のトナー像を中間転写ベルト30の外周面に転写する。また、トナー像転写後に感光体20Cの外周面に残存しているトナーはクリーニング装置20Eによって除去される。
なお、図1より明らかなように、画像形成部22、24、26の構成は画像形成部20の構成と同一である(但し、形成するトナー像の色材色は互いに異なる)ので説明を省略する。画像形成部20、22、24、26は、各々が形成した各色のトナー像が中間転写ベルト30の外周面上で互いに重なり合うようにトナー像を転写させる。これにより、中間転写ベルト30の外周面上にフルカラーのトナー像が形成される。また、中間転写ベルト30の周回路に沿って、画像形成部20よりも中間転写ベルト30の周回方向上流側には、中間転写ベルト30のトナーの吸着性を良好にするために中間転写ベルト30の表面電位を所定電位に維持する吸着ローラ40、中間転写ベルト30からトナーを除去するクリーニング装置42、中間転写ベルト30上の予め定められた基準位置(例えば光反射率の高いシール等から成るマークが付されている)を検出する基準位置検出センサ44が順に設けられている。
一方、中間転写ベルト30配設位置の下方には、多数枚の用紙50を積層状態で収容するトレイ54が設けられている。トレイ54に収容されている用紙50は、引出しローラ52の回転に伴ってトレイ54から引出され、搬送ローラ対55、56、58によって転写位置(駆動ローラ36及び転写ローラ60が配設されている位置)へ搬送される。転写ローラ60は中間転写ベルト30を挟んで駆動ローラ36と対向するように配置されており、転写位置へ搬送された用紙50は、転写ローラ60と中間転写ベルト30とに挟持されることにより、中間転写ベルト30の外周面上に形成されたフルカラーのトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙50は、搬送ローラ対62により定着装置46へ搬送され、定着装置46によって定着処理が施された後、用紙トレイ64へ排出される。
次に本実施形態の作用を説明する。制御部80は、レジずれ補正を行うために、CPUがレジずれ補正パラメータ設定プログラムを定期的に実行することで、図2に示すレジずれ補正パラメータ設定処理を定期的に行う。なお、このレジずれ補正パラメータ設定処理は請求項8に記載の演算手段に対応しており、レジずれ補正パラメータ設定処理を行う制御部80は請求項8に記載の演算手段として機能する。
レジずれ補正パラメータ設定処理では、まずステップ100において、ROM等に予め記憶されているレジずれ検出用パターン画像の画像データ(Y,M,C,Kの各色材色毎の二値画像データ)を読み出し、読み出した各色材色の画像データを画像形成部20,22,24,26の走査露光部20Aへ各々出力し、レジずれ検出用パターン画像の各色材色のトナー像が画像形成部20,22,24,26の感光体20Cの周面上に各々形成された後に、中間転写ベルト30の外周面上に各々転写・形成されるように画像形成部20,22,24,26を制御する。なお、レジずれ検出用パターン画像としては、例えば特開2001−309139号公報等に記載されているような略山型(略L字状)のシェブロンパターンが、主走査方向に沿って主走査方向両端部を含む複数箇所に各々設けられていると共に、副走査方向についても副走査方向両端部を含む複数箇所に各々設けられたパターン画像を適用することができる。
ステップ102では、中間転写ベルト30の外周面上に形成されたレジずれ検出用パターン画像中の各色材色のパターンをパターン検出部28によって読み取る。ここで、中間転写ベルト30の外周面上に形成されたレジずれ検出用パターン画像中の各色材色のパターンは、レジずれ(主走査方向に沿った画像の全体倍率のずれ、副走査方向に沿った画像の全体倍率のずれ、主走査方向に沿った画像の全体倍率の副走査方向に沿った変動、主走査方向に沿った画像の部分倍率のばらつき、及び、副走査方向に沿った画像の部分倍率のばらつきの少なくとも1つ)により相対位置にずれが生ずる。このため、次のステップ104では、パターン検出部28による各色材色のパターンの検出結果から、レジずれ検出用パターン画像中の各部分における各色材色のパターンの位置ずれ量及び位置ずれの方向を検出し、何れか1つの色材色を基準として他の色材色のレジずれを補正するためのレジずれ補正量を演算する。
また、本実施形態に係るカラー画像形成装置10は、各色材色の画像に対して画素の追加又は削除を行うことでレジずれを補正するので、次のステップ106では、ステップ104で演算したレジずれ補正量を、各色材色の画像の各部分毎の追加/削除画素数へ換算することで、レジずれを補正するためのレジずれ補正パラメータとして、各色材色の画像の各部分毎の追加/削除画素数を設定する。
具体的には、例えばレジずれ検出用パターン画像中の各色材色のパターンの検出結果に基づき、図3(A)に「無補正時出力画像」として示すように、特定色材色の画像の主走査方向に沿った全体倍率が他の色材色の画像よりも小さいことが判明した場合、特定色材色の画像の主走査方向全体倍率のレジ補正量として、特定色材色の画像と他の色材色の画像との画像領域の主走査方向長さの差が算出される。この場合、ステップ106では、まず算出されたレジ補正量を、特定色材色の画像の各主走査ラインに対して追加すべき画素数に換算した後に、例として図3(A)に「補正パラメータ」として示すように、主走査方向に或る幅を持ち副走査方向に沿って両端迄伸びる画素追加領域を、換算によって得られた画素数と同数の前記画素追加領域が間隔を空けてストライプ状に並ぶように設定する。
なお、この画素追加領域は、当該画素追加領域の伸びる方向と直交する方向に沿って伸びかつ当該画素追加領域と交差している全ての画素列(この場合は全ての主走査ライン)に対し、画素追加領域の全幅の範囲内で各々1画素を追加する領域であることを意味している。特定色材色の画像データの各主走査ラインに対し、上記で設定した個々の画素追加領域と交差する箇所で1画素が各々追加されることで、特定色材色の画像は、図3(A)に補正後画像データとして示すように、画像データ上では画像領域の主走査方向長さが追加画素分だけ長くされることになり、この画像データを用いて特定色材色の画像を形成することで、特定色材色の画像の主走査方向全体倍率のずれが相殺され、主走査方向全体倍率のずれを補正することができる。
また、特定色材色の画像の主走査方向全体倍率が他の色材色の画像よりも大きいことが判明した場合には、上記の画素追加領域に代えて画素削除領域(当該画素削除領域の伸びる方向と直交する方向に沿って伸びかつ当該画素削除領域と交差している全ての画素列(この場合は全ての主走査ライン)に対し、画素削除領域の全幅の範囲内で各々1画素を削除することを意味する領域)が設定される(図示省略)。この場合、特定色材色の画像データの各主走査ラインに対し、個々の画素削除領域と交差する箇所で1画素が各々削除されることで、特定色材色の画像が、画像データ上では画像領域の主走査方向長さが削除画素分だけ短くされることになり、上記と同様に主走査方向全体倍率のずれを補正することができる。
また、例えばレジずれ検出用パターン画像中の各色材色のパターンの検出結果に基づき、図3(B)に「無補正時出力画像」として示すように、特定色材色の画像の副走査方向に沿った全体倍率が他の色材色の画像よりも小さいことが判明した場合、特定色材色の画像の副走査方向全体倍率のレジ補正量として、特定色材色の画像と他の色材色の画像との画像領域の副走査方向長さの差が算出される。この場合、ステップ106では、まず算出されたレジ補正量を、特定色材色の画像の各副走査ラインに対して追加すべき画素数に換算した後に、例として図3(B)に「補正パラメータ」として示すように、主走査方向に或る幅を持ち副走査方向に沿って伸びる画素追加領域を、換算によって得られた画素数と同数の前記画素追加領域が間隔を空けてストライプ状に並ぶように設定する。
特定色材色の画像データの各主走査ラインに対し、上記で設定した個々の画素追加領域と交差する箇所で1画素が各々追加されることで、特定色材色の画像は、図3(B)に補正後画像データとして示すように、画像データ上では画像領域の副走査方向長さが追加画素分だけ長くされることになり、この画像データを用いて特定色材色の画像を形成することで、特定色材色の画像の副走査方向全体倍率のずれが相殺され、副走査方向全体倍率のずれを補正することができる。また、特定色材色の画像の副走査方向全体倍率が他の色材色の画像よりも大きいことが判明した場合には、上記の画素追加領域に代えて画素削除領域が設定される(図示省略)。この場合、特定色材色の画像データの各主走査ラインに対し、個々の画素削除領域と交差する箇所で1画素が各々削除されることで、特定色材色の画像が、画像データ上では画像領域の副走査方向長さが削除画素分だけ短くされることになり、上記と同様に副走査方向全体倍率のずれを補正することができる。
また、他のレジずれが検知された場合にも、図3(C)〜(E)に示すように、検知されたレジずれが相殺されるように、補正対象の色材色の画像データに対して各部分毎に画素追加領域又は画素削除領域(以下、これらを「画素操作領域」と総称する)が設定される。例えば主走査方向の部分倍率のばらつきにより、図3(D)に示すように、主走査方向に沿った画像の中央が左側へ偏倚している場合には、主走査方向に沿った画像の中央よりも左側に偏倚量に応じた画素追加領域が設定されると共に、主走査方向に沿った画像の中央よりも右側に左側と同数の画素削除領域が設定される。これにより、画像領域の主走査方向長さを変化させることなく主走査方向に沿った画像中央の位置を右側へ移動させることができる。そして、上記のようにして各色材色の画像の各部分毎の追加/削除画素数を設定すると、設定した追加/削除画素数を不揮発性記憶手段に記憶させてレジずれ補正パラメータ設定処理を終了する。
なお、画素操作領域の設定に際し、所定方向(主走査方向又は副走査方向)に沿って複数の画素操作領域を配列する場合は、個々の画素操作領域の間隔(又は周期)が均一であることが好ましく、所定方向に沿って単一の画素操作領域を設ける場合(追加又は削除する画素数が1個の場合)は、所定方向に沿った画像の中央に画素操作領域を配置することが好ましい。所定方向に沿って複数の画素操作領域を配列する場合、画像補正のための操作画素数を考慮した最小の画素操作領域の間隔は、画像データが表す画像を2400dpiの記録密度で記録するとすると数十〜100画素程度である(画像幅が297mmで全体倍率の補正量が3mm、部分倍率の補正量が0.8mm程度の場合)。例えば最小の画素操作領域の間隔を50画素とした場合、異なる画素操作領域内で同一ラインに対して追加又は削除が行われる各画素の操作位置(追加又は削除が行われる位置)が、50画素間隔で均等に設定されることが理想的である。操作位置の間隔の不均一の度合いが大きくなると、画像内の各位置の印刷画像上での変化が明確に非線形的に変化することになるので、各画素の操作位置の間隔はなるべく均一とすることが望ましい。
また、カラー画像形成装置で画像の形成を行う場合、制御部80は、レジずれ補正を行った印刷用画像データを得るために、CPUで印刷用画像データ生成プログラムを実行することで、図4に示す印刷用画像データ生成処理を行う。
この印刷用画像データ生成処理では、まずステップ120において、画像蓄積部82から印刷対象の画像の画像データ(Y,M,C,Kの各色材色毎の多値の画像データ)を取り込み、次のステップ122において、ステップ120で取り込んだ印刷対象の画像データに対してスクリーン処理を行って印刷用の画像データ(Y,M,C,K各色材色毎の二値の画像データ)へ変換する。ステップ124では、各色材色の中から次のステップ126以降の処理を未実行の単一の色材色を処理対象の色材色jとして選択し、色材色jの画像に対して先のレジずれ補正パラメータ設定処理で設定・記憶されたレジずれ補正パラメータ(色材色jの画像の各部分毎に設定された追加/削除画素数(画素追加領域/画素削除領域))を不揮発性記憶手段から取得する。なお、このステップ124は本発明に係る取得手段に対応している。
次のステップ126では、ステップ124で取得した情報に基づき、色材色jの印刷用画像データに対して追加又は削除(以下、これらを「操作」と総称する)を行う各画素の画素操作領域内における操作位置を決定する。例えば、或る画素操作領域と交差する各ラインに対し、各ライン上の同一の位置で画素の操作(追加又は削除)を行った場合、操作後の画像に筋状の視認可能な画像欠陥が生ずるという問題がある。このためステップ126では、同一の画素操作領域内で操作を行う各画素の操作位置を表す操作画素配列を、各画素の操作を行う位置近傍におけるスクリーンパターンのスクリーン特性(スクリーン角度、スクリーン周期、スクリーン線数又はスクリーンの種類)に応じて、視認可能な画像欠陥が生じないように決定することを、個々の画素操作領域毎に各々行う。なお、ステップ126で決定される操作画素配列が表す個々の画素の操作位置は、後述する処理によって変更される可能性があるので、操作画素配列が表す個々の画素の操作位置は、以下、必要に応じて「操作画素の初期操作候補位置」と称する。なお、ステップ126は本発明に係る決定手段(より詳しくは請求項4に記載の設定手段)に対応している。
上記のように、視認可能な画像欠陥が生じないように操作画素配列を決定することは、各画素の操作を行う位置近傍におけるスクリーンパターンのスクリーン角度及びスクリーン周期と、操作画素配列の角度及び周期を所定値以上相違させる、より詳しくは、1次から3次のスクリーン角度(後述)と操作画素配列の角度が一致せず、かつ、印刷画像上で基準値以下の範囲(例えば、印刷画像上で0.5mm以下の範囲)で主走査方向及び副走査方向のスクリーン周期と操作画素配列の主走査方向及び副走査方向の周期が一致しないように操作画素配列の角度及び周期を決定することにより実現できる。
以下、まずスクリーン特性に応じた操作画素配列の角度の決定方法を説明する。図5に画素の操作を行っていないスクリーンパターンの一例を示す(図中の斜線でハッチングした部分がスクリーンパターンに相当する)。図5に示すベクトルは、1つのスクリーンパターンを基準パターンとした場合に、この基準パターンから隣り合うスクリーンパターン迄の位置ベクトルを示し、距離が最も短い1組のベクトルを1次ベクトルという。この1次ベクトルは基底ベクトルに相当する。また、2次ベクトル及び3次ベクトル等は、基底ベクトル(1次ベクトル)の線形結合により表現され、隣り合うスクリーンパターンまでの距離が2次ベクトル、3次ベクトルの順に長くなる。
また、図6に示す黒い正方形の配列は、図5に示すスクリーンパターンに対して設定した操作画素配列の一例を表しており(個々の正方形は個々の画素の操作位置(詳しくは初期操作候補位置)を表す)、図6は個々の操作位置で画素操作(追加)を行った場合の画像(スクリーンパターン)も示している。なお、図6では追加した画素の画素値として、追加位置に存在していた元の画素の画素値をそのまま適用した例を示している。図6に示すように、個々の操作位置で画素を追加したことに伴って、スクリーンパターンの変形が生じている。
このスクリーンパターンの変形により、スクリーンパターンの角度と操作画素配列の角度が一致すると視認可能な画像欠陥が発生する。特に操作画素配列の角度がスクリーンパターンの1次ベクトル又は2次ベクトルと一致した場合には、画像欠陥が目立ちやすい。これは、スクリーンの単位セル領域(各スクリーンパターンが配置される領域)の同じ位置に同じ画素操作が入り、同じスクリーンパターンの変形が周期的に発生することで、マクロな視点でスジ状の画像欠陥として目立ってくるためである。ここで「スクリーン角度と操作画素配列の角度の一致」には、完全一致以外に、視認可能な画像欠陥が発生し得る程度に角度差が小さい場合も含む。従って、画像欠陥の発生を防止するためには、操作画素配列の角度としてスクリーン角度と一致しない(すなわち角度差が大きい)角度を選択する必要がある。
図5に示すように、スクリーン処理により形成されるスクリーンパターンは、2次元平面上の規則的な位置に配置される。このため、スクリーンパターンは様々な方向に周期性を有する。例えば、スクリーンパターンの周期(スクリーンパターン同士の間隔)が最も短い方向である「1次ベクトルa」ではスクリーンパターン群の角度が45度、「1次ベクトルb」ではスクリーンパターン群の角度が135度である。また、「2次ベクトルa」ではスクリーンパターン群の角度が0度、「2次ベクトルb」ではスクリーンパターン群の角度が90度である。そして「3次ベクトルa」ではスクリーンパターン群の角度が18.4度である。このように、周期的に並んだスクリーンパターン群の角度(以下、配列角度という)は無数に存在するため、これら全ての配列角度と一致しないように操作画素配列の角度を選択することは困難である。
このため、スクリーンパターン同士の間隔が短い配列角度(例えば1次ベクトルaや1次ベクトルb、更には2次ベクトルa、2次ベクトルb等)を優先的に操作画素配列の角度と一致させないようにする。具体的には、少なくとも上記1次ベクトル及び2次ベクトルの配列角度と一致しないように操作画素配列の角度を選択する。また、スクリーンの線数や角度によっては、1次ベクトル及び2次ベクトルに加えて、3次ベクトルと操作画素配列の角度が一致した場合にも画像欠陥が目立つことがある。このため、より好ましくは、少なくとも1次ベクトル、2次ベクトル及び3次ベクトルの配列角度と一致しないように操作画素の配列の角度を選択する(すなわち、スクリーンパターン同士の間隔が基準値以下(例えば、3次ベクトルに相当する距離以下)となる配列角度に対して、異なる角度となるように操作画素配列の角度を選択する)。例えば図5、6に示す例では、操作画素配列の角度が2次ベクトルa(0度)と3次ベクトルa(18.4度)との間に位置するように、操作画素配列の角度を11.3度とすることができる(図6参照)。
次に、まずスクリーン特性に応じた操作画素配列の周期の決定方法を説明する。主走査方向又は副走査方向において、スクリーンパターンの周期と操作画素配列の周期とが同期すると、その周期で同形状に変化したドットが連なってしまうことで、視認可能な画像欠陥が発生する。
例えば図6に示すスクリーンパターンは、主走査方向に16画素、副走査方向に16画素の周期を有すると共に、この16画素の倍数に相当する周期(32画素周期、48画素周期等)も有することになる。同様に、図6に示す操作画素配列の周期も、主走査方向に、5画素の倍数に相当する周期(5画素周期、10画素周期等)を有し、副走査方向に7画素の倍数に相当する周期(7画素周期、14画素周期等)を有する。従って、スクリーンパターンの周期と操作画素配列の周期は、少なくともそれぞれの周期の最小公倍数で必ず同期する。しかしながら、スクリーンパターンと操作画素配列の周期とが同期する周期が、比較的長ければ人間の目には目立たなくなる。
そこで、主走査方向及び副走査方向のそれぞれについて、基準値よりも狭い範囲でスクリーンパターンの周期と一致しないように操作画素配列の周期を選択する。より具体的には、主走査方向及び副走査方向について、印刷された画像上で0.5mm以下(より好ましくは0.7mm以下)の範囲でスクリーンパターンの周期と一致しないように操作画素配列の周期を選択する。例えば、図6に例示するように、主走査方向のスクリーンパターンの周期(間隔)が16画素である場合に、この16画素に対して互いに素となる5画素を操作画素配列の主走査方向についての周期として選択している。
この場合、主走査方向についてのスクリーンパターンの周期と操作画素配列の周期とが同期する周期は、最小公倍数である80画素となり、2400dpiで印刷された画像上では0.85mm周期となる(0.7mmを超えている)ので、視認可能な画像欠陥として目立つことを防止できる。更に、図6に例示するように、主走査方向に沿った画素走査領域の幅が31画素となっており、80画素周期でのスクリーンパターンの周期と操作画素配列の周期との同期が視認されることをより確実に防止することができる。
また、副走査方向において、スクリーンパターン(16画素周期)と操作画素(7画素周期)とが同期する周期は、16と7が互いに素であることから112画素(112ライン)となる。112ラインは、2400dpiで印刷された画像上で1.19mmに相当し、0.7mmを超えているため視認可能な画像欠陥として目立つことを防止できる。このように、スクリーンパターンの周期に相当する画素数に対し互いに素となる操作画素配列の周期を選択することで、スクリーンパターンの周期と操作画素配列の周期とが同期する周期を長くすることができる。
なお、図6に例す画素操作は、主走査方向に沿って伸びる各ラインに画素を追加して主走査方向の画像幅又は画像位置を変更する場合(副走査方向に沿って伸びる画素操作領域内で画素操作を行う場合)であるが、副走査方向に沿って画像幅又は画像位置を変更する画素操作を行う場合(主走査方向に沿って伸びる画素操作領域内で画素操作を行う場合)には、図6に示した操作画素配列を90度回転させて適用することにより同様の効果が得られる。
また、図7(A)には図5及び図6と異なるスクリーンパターンを示し、図7(B)には、このスクリーンパターンの角度成分(1次ベクトル、2次ベクトル及び3次ベクトル)を示す。図7(A)に示すように、このスクリーンパターンは、ベクトル1(V1)からベクトル8(V8)までの8つのベクトルを、1次ベクトル〜3次ベクトル(すなわち、操作画素配列の角度と一致させることが望ましくない角度成分)として有している。これらの角度成分の中では、図7(B)に示すように、ベクトル2(V2)とベクトル8(V8)の角度差が最も大きい。このような場合には、ベクトル2(V2)とベクトル8(V8)の略中間の角度を操作画素配列の角度として選択すればよい。すなわち、スクリーンパターンの1次ベクトル、2次ベクトル及び3次ベクトル(スクリーンパターン同士の間隔が基準値よりも狭い配列角度)のうち、角度差が最大の2つの配列角度の略中間の角度を操作画素配列の角度として選択すればよい。これにより、操作画素配列の角度と配列角度との相対差も大きくなり、画像欠陥が発生しにくくなる。
また、図8(A)には他のスクリーンパターンを示し、図8(B)にはこのスクリーンパターンの角度成分の表を示す。このスクリーンパターンも、図8(A)に示すように、ベクトル1(V1)からベクトル8(V8)までの8つのベクトルを、1次ベクトル、2次ベクトル及び3次ベクトルとして有している。これらの角度成分の中では、図8(B)に示すように、ベクトル1(V1)とベクトル5(V5)との角度差が最も大きい。この場合も、ベクトル1(V1)とベクトル5(V5)との略中間の角度61.8度を操作画素配列の角度として選択すればよい。
なお、上記のように角度及び周期によって規定される操作画素配列(図9(A)も参照)における角度及び周期を決定することで、個々の操作画素の初期操作候補位置を決定することに限られるものではなく、個々の操作画素の初期操作候補位置を任意の関数や乱数等を用いて決定するようにしてもよいし、図9(B)に示すように、予め設定した複数の角度の中から関数や乱数等によって適宜選択した角度に従って個々の操作画素の初期操作候補位置を順次決定するようにしてもよく、個々の操作画素の初期操作候補位置をマトリクスで決定するようにしてもよい。
ところで、色材色jの印刷用画像データに対し、ステップ126で決定した操作画素配列が表す個々の操作位置(詳しくは操作画素の初期操作候補位置)で画素の操作(追加又は削除)を行った場合、上記で説明したように操作画素配列の規則性がモアレ等の画像欠陥を引き起こすことは防止できるものの、操作位置に存在している画素と同一の画素値を操作位置に追加するか、操作位置に存在している画素を削除する操作を行った場合、この画素操作に伴い、色材色jの画像のうち画素操作を行った箇所における濃度が変化するという問題がある。
例えば図10(A)には、或るスクリーンパターンの画像に対して設定された操作画素配列(操作画素の初期操作候補位置の配列)を示すが、個々の初期操作候補位置に対し、元々存在している画素と同一の画素値の画素を追加した場合、画素追加後の画像は図10(B)に示すように変化する。ここで、図10(A)に示す画像のスクリーンパターンは、図11にも示すように単位セル領域が32画素から成るクラスタドット形状で角度は45度、2400dpiの線数が424lpi(line per inch)のスクリーンパターンであり、図10(A)では個々の単位セル領域が8/32階調に相当する濃度値を各々表現している。このため、図10(A)に示す画像の濃度を変化させずに画素を追加することは、追加画素に占める画素値が「オン」の画素(オン画素)の割合を1/4にすることで実現できる。しかしながら、図10(B)からも明らかなように、画像に実際に追加される画素に占めるオン画素の割合は21/72であり、(21/72)>(1/4)であるので、この場合は画素の追加に伴って画像の濃度が増大することになる。
また、特に本実施形態では画素操作領域内で画素の操作を行うが、レジずれ補正を目的とした画素の操作では、図3に示すように画素操作領域がストライプ状に配列されることが多く、この場合、画素操作に伴って濃度が変化した領域(画素操作領域)と濃度が変化していない領域が交互に並ぶことになり、画素操作に伴う濃度変化が濃度のばらつきとしてより明瞭に視認されることになる。このため、次のステップ128以降では、濃度変化が抑制されるように操作画素の画素値を決定すると共に、必要に応じて操作位置を初期操作候補位置から移動させる処理を行う。
すなわちステップ128では、色材色jの画像データに対して操作(追加又は削除)を行う各画素のうち、ステップ128以降の処理を未実行の単一の画素(処理対象の操作画素)について、操作種別(追加又は削除)及び初期操作候補位置を取り込む。またステップ130では、色材色jの画像データから、処理対象の操作画素の初期操作候補位置を含む参照領域内の濃度として、参照領域内の各画素のうちオン画素と画素値が「オフ」の画素(オフ画素)の比率(又は参照領域内の全画素に占めるオン画素(又はオフ画素)の割合)を取得する。
また、上記の参照領域としては、最小サイズの領域として、例えば操作画素の初期操作候補位置を中心とし、かつスクリーンパターンの単位セル領域と同形状・同サイズの領域を適用することができるが、単位セル領域複数個分の領域であってもよく、30×30〜50×50画素程度の領域であってもよい。また、参照領域は操作画素の操作位置における画像の濃度を評価する領域であるので、例えば操作画素の初期操作候補位置付近における濃度変化が大きい場合には参照領域のサイズを小さくし、操作画素の初期操作候補位置付近における濃度変化が小さい又は濃度が一定の場合には参照領域のサイズを大きくする(例えば同一の画素操作領域に属する複数の操作画素の初期操作候補位置を含む領域にする)等、画像に応じて参照領域のサイズを動的に変更してもよい。また、参照領域は操作画素の初期操作候補位置を中心とする領域に限られるものでもない。
次のステップ132では、ステップ130で取得した参照領域内の濃度に基づき、処理対象の操作画素の操作に伴う参照領域内の濃度変化又は参照領域よりも広い領域の濃度変化が最小となるように、処理対象の操作画素の目標画素値(処理対象の操作画素をオン画素とするかオフ画素とするか)を決定する。なお、ステップ130,132は本発明に係る画素値決定手段に対応している。この目標画素値の決定には、参照領域のサイズ等に応じて幾つかの方法がある。
例えば参照領域が、同一の画素操作領域に属する複数の操作画素の初期操作候補位置を含む領域である場合には、前記複数の操作画素の操作に伴う参照領域内の濃度変化が最小となるように、前記複数の操作画素の画素値のオンオフのパターンを設定した後に、前記複数の操作画素の画素値を前記設定したオンオフのパターンに従って決定する方法(第1の方法)を適用することができる。具体的には、例えば参照領域内が、図10(A)に示すように8/32階調に相当する濃度値を表現するスクリーンパターンで埋められていた場合、操作画素に占めるオン画素の割合を1/4にすれば、初期操作候補位置が参照領域内に位置している複数の操作画素について追加又は削除の操作を各々行った場合の参照領域内の濃度変化を0とすることができる。このため、前記複数の操作画素の画素値のオンオフのパターンとして「オンオフオフオフ」「オフオンオフオフ」「オフオフオンオフ」「オフオフオフオン」の何れかのパターンを設定し、前記複数の操作画素の各々の画素値を決定するためにステップ132の処理を行う毎に、先に設定したオンオフのパターンに従って画素値を決定する。なお、上記第1の方法は請求項2記載の発明に対応している。
また、例えば参照領域が単一の操作画素の初期操作候補位置のみを含む領域である場合や、参照領域が複数の操作画素の初期操作候補位置を含んでいるものの、初期操作候補位置が参照領域内に含まれている操作画素の数が、参照領域内と同一濃度を表すには少なすぎる場合(例えば参照領域が11/32階調に相当する濃度であった等の場合、同一の濃度を表すには32個の画素が必要となる)には、第1の参照領域内に初期操作候補位置が含まれている単一又は複数の操作画素の画素値を、第1の参照領域内の濃度に基づいて濃度変化が最小となるように決定すると共に、決定した単一又は複数の操作画素の画素値が表す濃度と第1の参照領域内の濃度との偏差を残留濃度偏差として記憶しておき、第1の参照領域と隣り合うか一部重複する第2の参照領域内に初期操作候補位置が含まれている単一又は複数の操作画素の画素値の決定に際し、第2の参照領域内の濃度に加え、第1の参照領域における濃度偏差も考慮して決定する方法(第2の方法)を適用することができる。
具体的には、例えば個々の参照領域内に各々4個の操作画素の初期操作候補位置が存在しており、隣り合う第1の参照領域内及び第2の参照領域内が各々11/32階調に相当する濃度値を表現するスクリーンパターンで埋められていた場合、まず第1の参照領域内の4個の操作画素に占めるオン画素の割合は、第1の参照領域内の濃度変化が最小となるように1/4に決定されるが、第1の参照領域内の濃度と4個の操作画素が表現する濃度には3/32の偏差が生じている。この偏差を残留濃度偏差として記憶する。そして、第2の参照領域内の濃度11/32に加えて残留濃度偏差3/32が考慮されることで、第2の参照領域内の4個の操作画素に占めるオン画素の割合は2/4に決定される。これにより、第1及び第2の参照領域内に初期操作候補位置が存在している8個の操作画素に占めるオン画素の割合は3/8になり、第1及び第2の参照領域内の濃度との偏差は1/32に減少する。従って、操作画素の操作に伴う第1及び第2の参照領域内の濃度がより小さくされることになる。なお、第2の方法は請求項3記載の発明に対応しており、本発明に係る「参照領域よりも広い領域の濃度変化が抑制されるように」画素値を決定することにも対応している。
また、上述した第1の方法と第2の方法を併用し、濃度の偏差が生じるか否かによって第1の方法と第2の方法を適宜切り替えて用いるようにしてもよい。
ステップ132で処理対象の操作画素の目標画素値を決定すると、次のステップ134で処理対象の操作画素の操作候補位置として初期操作候補位置を設定した後にステップ136へ移行し、処理対象の操作画素の現在の操作候補位置に存在している画素がステップ132で決定した目標画素値か否か判定する。判定が肯定された場合はステップ142へ移行し、処理対象の操作画素の操作位置として現在の操作候補位置を設定し、設定した操作位置を、先のステップ128で取り込んだ操作種別、先のステップ132で決定した目標画素値と共に、処理対象の操作画素の画素操作情報としてメモリ等に記憶させる。
また、初期操作候補位置に存在している画素がステップ132で決定した目標画素値と相違していることで、ステップ136の判定が否定されることも多々生ずる。この場合はステップ138へ移行し、操作候補位置を所定方向(画素操作領域の伸びる方向と直交する方向)へ1画素シフトさせる。次のステップ140では、初期操作候補位置からの操作候補位置のシフト量が許容範囲内か否か判定する。なお、この許容範囲は、画素操作領域の間隔や画素操作領域の幅、画素操作後の画像の濃度変化の抑制を考慮して設定することができ、実際の操作位置が先のステップ126で決定した操作画素配列が表す初期操作候補位置に近い位置となるように、例えば画像中のスクリーンパターンにおける単位セル領域の最大幅に相当する値とすることができるが、より広い範囲に設定してもよい。
ステップ140の判定が肯定された場合はステップ136へ戻り、ステップ136の判定が肯定されるか、又はステップ140の判定が否定される迄、ステップ136〜ステップ140を繰り返す。なお、ステップ136〜ステップ140は、ステップ142における現在の操作候補位置を操作位置として設定する処理、及び、後述するステップ146で初期操作候補位置を操作位置として設定する処理と共に、本発明に係る位置決定手段に対応している。初期操作候補位置からの操作候補位置のシフト量が許容範囲から逸脱する前に目標画素値の画素を発見した場合には、ステップ136の判定が肯定されて前述のステップ142へ移行し、先にも説明したように、処理対象の操作画素の操作位置として現在の操作候補位置を設定し、操作種別及び目標画素値と共に処理対象の操作画素の画素操作情報としてメモリ等に記憶させる。
また、操作候補位置を繰り返しシフトしても目標画素値の画素を発見できない場合もある(実例は後述)。この場合は、ステップ140の判定が肯定されてステップ144へ移行し、先のステップ132で決定した処理対象の操作画素の目標画素値を、現在の目標画素値がオンであればオフへ、オフであればオンへ変更する。このステップ144は請求項5に記載の画素値決定手段に対応している。そして次のステップ146において、処理対象の操作画素の操作位置として初期操作候補位置を設定し、設定した操作位置を、先のステップ128で取り込んだ操作種別、先のステップ144で変更した目標画素値と共に、処理対象の操作画素の画素操作情報としてメモリ等に記憶させる。このステップ146のうち初期操作候補位置を操作位置として設定する処理は、より詳しくは請求項5に記載の位置決定手段に対応している。
なお、ステップ144で処理対象の操作画素の目標画素値を変更した場合には、画素値を変更したことが情報として記憶され、次に処理対象として選択された操作画素(処理対象の操作画素の操作が行われるラインと隣り合うラインに対して操作(追加又は削除)が行われる操作画素)に対しては、上記情報に基づき、前回の処理対象の操作画素に対して画素値が変更されたことを考慮して目標画素値が決定される。この処理は請求項6記載の発明に対応している。
ステップ142又はステップ146の処理を行うことで、処理対象の操作画素の画素操作情報をメモリに記憶すると、次のステップ148では、色材色jの画像データに対して追加又は削除を行うべき全ての操作画素に対してステップ128以降の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合はステップ128へ戻り、ステップ148の判定が肯定される迄、ステップ128〜ステップ148を繰り返す。なお、ステップ128における処理対象の操作画素の選択では、前回の処理対象の操作画素と同一の画素操作領域に属し、かつ前回の処理対象の操作画素の追加又は削除が行われたラインと隣り合うラインに対して追加又は削除を予定している操作画素が選択され、該当する操作画素が存在しない場合に、別の画素操作領域に対応する操作画素が選択される。
色材色jの画像データに対して追加又は削除を予定している全ての操作画素について画素操作情報をメモリに記憶すると、ステップ148の判定が肯定されてステップ150へ移行し、メモリに記憶した各操作画素の画素操作情報に基づき、画素操作情報として記憶されている操作種別が「追加」であれば、色材色jの画像データのうち画素操作情報として記憶されている操作位置に、画素操作情報として記憶されている目標画素値の画素を追加し、画素操作情報として記憶されている操作種別が「削除」であれば、色材色jの画像データのうち画素操作情報として記憶されている操作位置に存在している画素(画素操作情報として記憶されている目標画素値の画素)を削除する画素操作処理を、メモリに画素操作情報が記憶されている各操作画素について順次行う。このステップ150は本発明に係る補正手段に対応している。
上述したステップ128〜ステップ150のアルゴリズムについて、実例を挙げて更に説明する。図12(A)には図10(A)と同一の画像(8/32階調に相当する濃度値の単位セル領域で埋められたスクリーンパターンの画像)に対して図10(A)と同一の操作画素配列が設定された状態が示されており、図13(A)には図12(A)の主走査ラインの1〜12ライン目の一部が拡大して示されている。先にも説明したように、この画像に対して画素操作後の画像濃度が変化しないように画素操作を行うことは、操作画素の画素値に占めるオン画素の割合を1/4にすることで実現できる。
ここで、先のステップ132で操作画素の画素値の決定方法として前述の第1の方法が適用され、操作画素の画素値のオンオフのパターンとして「オンオフオフオフ」が選択されたとすると、1ライン目の主走査ラインに対する操作画素の目標画素値は「オン」となる。図13(A)に示すように、主走査ラインの1ライン目において操作画素の初期操作候補位置(図の最上方に破線で示す丸記号の位置)に存在している画素はオフ画素であるので、ステップ136の判定が否定され、ステップ136の判定が肯定されるかステップ140の判定が否定される迄、操作候補位置がシフトされる。図13(A)に示す例では、操作画素の初期操作候補位置から3画素シフトした位置(「×」記号を示した位置)にオン画素が存在しており、操作候補位置がこのオン画素の位置に達すると、ステップ136の判定が肯定されることで当該オン画素の位置が実際の操作位置とされ、ステップ150では主走査ラインの1ライン目に対し、操作種別が「追加」であればこの位置にオン画素を新たに追加し、操作種別が「削除」であれば前記オン画素を削除する画素操作処理が行われる。
続いて、主走査ラインの2ライン目では操作画素の目標画素値は「オフ」となるが、この2ライン目における操作画素の初期操作候補位置に存在している画素はオン画素であるので、ステップ136の判定が否定され、ステップ136の判定が肯定されるかステップ140の判定が否定される迄、操作候補位置がシフトされる。図13(A)に示す例では、操作画素の初期操作候補位置から3画素シフトした位置にオフ画素が存在しており、操作候補位置がこのオフ画素の位置に達するとステップ136の判定が肯定され、ステップ150では主走査ラインの2ライン目に対し、操作種別が「追加」であれば前記オフ画素の位置にオフ画素を新たに追加し、操作種別が「削除」であれば前記オフ画素を削除する画素操作処理が行われる。
この例では図12(A)に示す範囲の全面が一定濃度(8/32階調に相当する濃度)とされているので、操作画素の画素値のオンオフのパターンは当初の「オンオフオフオフ」のまま維持され、操作画素の目標画素値は、3ライン目はオフ、4ライン目もオフ、5ライン目はオンとされ、各ライン中の「×」記号を示した位置で画素操作が行われる。この例では、操作画素の画素値に占めるオン画素の割合が1/4のまま維持されるので、画素操作後の画像の濃度も元の画像と同一の濃度に維持される。なお、図12(A)及び図13(A)において、各ラインに対する操作種別が「追加」の場合の画素操作処理後の画像を図12(B)及び図13(B)に示す。
次に、先のステップ132で操作画素の画素値のオンオフのパターンとして、上記と異なる「オフオフオフオン」が選択された場合について、図13(C)を参照して説明する。この例では、主走査ラインの1ライン目〜3ライン目における操作画素の目標画素値が何れも「オフ」であり、各ライン中の「×」記号を示した位置で操作画素の追加又は削除が行われる。一方、主走査ラインの4ライン目は、操作画素の目標画素値「オン」となるのに対し、少なくとも図13(C)に示す範囲では主走査ラインの4ライン目が全てオフ画素となっている。例えばステップ140の判定における許容範囲が、画像中のスクリーンパターンにおける単位セル領域の最大幅、すなわち8画素(図11参照)であるとすると、操作候補位置を8画素シフトさせるとステップ140の判定が否定され、ステップ144で目標画素値が「オフ」へ変更される。従って、ステップ150では主走査ラインの4ライン目に対し、初期操作候補位置にオフ画素を新たに追加するか、又は初期操作候補位置に存在しているオフ画素を削除する処理が行われる。
この場合、4ライン目の操作画素の画素値が変更したことが情報として記憶され、5ライン目の操作画素の目標画素値は、上記情報に基づき、4ライン目の操作画素の画素値が変更されたことを考慮して「オン」へ変更される。また、以降のラインでは当初のオンオフのパターンに従い、6ライン目はオフ、7ライン目はオフ、8ライン目はオンに設定される(但し、図13(C)からも明らかなように8ライン目も全てオフ画素であるので、8ライン目の操作画素の画素値も4ライン目と同様にオフへ変更され、代わりに9ライン目の目標画素値がオンへ変更されることになる)。なお、図13(C)において、各ラインに対する操作種別が「追加」の場合の画素操作処理後の画像を図13(D)に示す。
ステップ150の画素操作処理が完了するとステップ152へ移行し、全ての色材色の画像データに対して上記の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合はステップ124へ戻り、ステップ152の判定が肯定される迄ステップ124〜ステップ152を繰り返す。そして、ステップ152の判定が肯定されると印刷用画像データ生成処理を終了する。なお、上述した印刷用画像データ生成処理において、ステップ124〜ステップ150は本発明に係る画像処理手段に対応する処理(本発明に係る画像処理方法が適用された処理)であり、上記のステップ152は請求項8に記載の制御手段に対応している。
これにより、全ての色材色の印刷用画像データに対し、レジずれを補正するための画素操作が行われることになり、カラー画像形成装置10が、上述した印刷用画像データ生成処理を経た印刷用画像データを用いてカラー画像の形成(印刷)を行うことで、色ずれ等のないカラー画像が得られる。また、上述した印刷用画像データ生成処理では、画素操作を行うにあたり、個々の操作画素の操作を行う位置近傍におけるスクリーンパターンのスクリーン特性に応じて、個々の操作画素の初期操作候補位置を表す操作画素配列の角度及び周期を決定しているので、出力カラー画像上にモアレ等の視認可能な画像欠陥が生じることが防止される。
更に、上述した印刷用画像データ生成処理では、画素操作を行うにあたり、画素操作に伴う濃度変化が最小となるように操作画素の目標画素値を決定し、初期操作候補位置から操作候補位置を順にシフトしながら目標画素値の画素を探索し、該当する画素が存在していれば当該画素位置で目標画素値の画素の操作(追加又は削除)を行い、許容範囲内に目標画素値の画素が存在していなければ初期操作候補位置で目標画素値と異なる画素の操作を行うと共に、操作画素の画素値を変更したことを考慮して以降の操作画素の目標画素値を決定するので、画素操作に伴う画像の濃度変動を抑制することができる。
なお、図4に示す印刷用画像データ生成処理では、画素操作処理を予定している画像データの画素操作処理前の濃度(ステップ130で取得した濃度)に基づいて、個々の操作画素の目標画素値を決定していたが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、印刷用画像データ生成処理の他の例を図14を参照して説明する。なお、図14において、図4と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、図4に示す印刷用画像データ生成処理と異なる部分についてのみ説明する。
図14に示す印刷用画像データ生成処理では、ステップ122で印刷対象の多値画像データを印刷用の二値画像データへ変換すると、次のステップ123において、処理対象として選択した色材色jの印刷用画像データをメモリにコピーする。なお、以下ではコピー元の画像データを元画像データ、コピーした画像データを操作対象画像データと称する。また、図14に示す印刷用画像データ生成処理では、初期操作候補位置から許容範囲内に目標画素値の画素が存在しているか探索することを操作対象画像データに対して行い、該当する画素を発見することでステップ136の判定が肯定された場合に、ステップ142において、操作対象画像データに対し、操作種別が「追加」であれば現在の操作候補位置に目標画素値の画素を新たに追加し、操作種別が「削除」であれば現在の操作候補位置に存在している目標画素値の画素を削除する画素操作処理を行う。
更に、図14に示す印刷用画像データ生成処理では、操作対象画像データ上で初期操作候補位置から許容範囲内に目標画素値の画素が存在していなかったためにステップ140の判定が否定された場合、ステップ144で処理対象の操作画素の目標画素値を変更した後に、次のステップ146において、操作対象画像データに対し、操作種別が「追加」であれば処理対象の操作画素の初期操作候補位置に変更後の目標画素値の画素を新たに追加し、操作種別が「削除」であれば処理対象の操作画素の初期操作候補位置に存在している変更後の目標画素値の画素を削除する画素操作処理を行う。このように、図14に示す印刷用画像データ生成処理では、元画像データと別に記憶された操作対象画像データに対し、処理対象として選択した操作画素の操作(追加又は削除)が順次行われる。
そして、先に説明した図4に示す印刷用画像データ生成処理では、元画像データ上での参照領域の濃度に基づいて処理対象の操作画素の目標画素値を決定していたが、これに代えて図14に示す印刷用画像データ生成処理では、元画像データ上及び操作対象画像データ上での参照領域の濃度に基づいて処理対象の操作画素の目標濃度値を決定する。すなわち、ステップ128で処理対象の操作画素の操作種別・初期操作候補位置を取り込むと、次のステップ160で色材色jの元画像データから処理対象の操作画素の初期操作候補位置を含む参照領域内の濃度を取得し、次のステップ162では操作対象画像データから同一の参照領域内の濃度を取得する。そしてステップ164では、元画像データ上での参照領域内の濃度と操作対象画像データ上での参照領域内の濃度の偏差に基づき、処理対象の操作画素の操作を行うことで操作対象画像データ上での参照領域内の濃度が元画像データ上での参照領域内の濃度との偏差が小さくなる方向へ変化するように、処理対象の操作画素の目標画素値を決定する。
具体例を説明する。図15に示すスクリーンパターンは、単位セル領域が272画素から成るクラスタドット形状で角度は76度、2400dpiで線数が145.5lpi、表現可能な階調数が272のスクリーンパターンであり、図15(A)〜(E)に太線で各々示す単位セル領域内におけるオン画素とオフ画素の比率で濃度を表現する。例えば (A)は12%相当の濃度(階調32/272)を、(B)は21%相当の濃度(階調56/272)を、(C)は30%相当の濃度(階調82/272)を、(D)は41%相当の濃度(階調112/272)を、(E)は50%相当の濃度(階調136/272)を各々表現している。また、図15(B)に示すスクリーンパターンで埋められた画像を図16(A)に示し、図16(A)に示す画像の一部を拡大して図16(B)に示す。
ここで、図16(A)及び(B)に示すように、参照領域をスクリーンパターンの単位セル領域と同サイズ・同形状の領域とし、処理対象の操作画素の初期操作候補位置を中心とする参照領域内の濃度を元画像データ及び操作対象画像データから各々取得した結果、元の画像データ上で参照領域内の濃度が56/272であるのに対し、操作対象画像データ上での参照領域内の濃度が、現在の処理対象の操作画素よりも前に操作対象画像データに対して行われた画素操作処理の影響で55/272であった場合、濃度偏差は-1/272であるので、ステップ160では、操作対象画像データ上での参照領域内の濃度が濃度偏差(オン画素とオフ画素の比率の差)が小さくなる方向へ変化するように(この場合は濃度が増大するように)、操作種別が「追加」であれば処理対象の操作画素の目標濃度値を「オン」に、操作種別が「削除」であれば処理対象の操作画素の目標濃度値を「オフ」に設定する。この例では処理対象の操作画素の初期操作候補位置にオン画素が存在しているので、操作種別が「追加」であれば当該初期操作候補位置に新たにオン画素を追加する画素操作処理が行われることで、操作対象画像データ上での参照領域内の濃度が56/272へ変化し、操作対象画像データ上での参照領域内の濃度が元画像データの参照領域内の濃度に一致されることになる。
なお、操作種別が「削除」であればオフ画素が出現する迄操作候補位置がシフトされた後に、出現したオフ画素を削除する画素操作処理が行われるが、図16(B)に示す例では、上記のオフ画素の削除に伴って操作対象画像データ上の参照領域内にシフトしてくる画素もオフ画素であるので、上記の画素操作処理に拘わらず操作対象画像データ上の参照領域内の濃度は変化しないが、参照領域及びその周辺領域を含むより広い領域で見れば、オフ画素が1画素少なくなることで、操作対象画像データ上での濃度が元画像データ上での濃度との偏差が小さくなる方向へ変化しているので、画素操作処理に伴って画像に視認可能な濃度変化が生ずることを抑制することができる。
続いて、本発明に係る印刷用画像データ生成処理の更に他の例について図17を参照して説明する。図17に示す印刷用画像データ生成処理は、処理対象の操作画素の現在の操作候補位置に存在している画素がステップ164で決定した目標画素値でなかったためにステップ136の判定が否定された場合に、ステップ139において、操作候補位置に加えて画像データ上の参照領域を所定方向へ1画素シフトさせる点、及び、シフト量が許容範囲内であったことでステップ140の判定が肯定された場合にステップ162に戻り、操作対象画像データからシフト後の参照領域内の濃度を再取得し、次のステップ164において、先にステップ160で取得した元画像データ上での参照領域内の濃度と、再取得した操作対象画像データ上でのシフト後の参照領域内の濃度の偏差に基づいて、処理対象の操作画素の目標画素値を再度決定する点が図14の印刷用画像データ生成処理と相違している。なお、図17に示す印刷用画像データ生成処理は、請求項7に記載の発明に対応している。
これにより、図18に矢印で示すように処理対象の操作画素の操作候補位置がシフトしていった場合に、これに伴って操作対象画像データ上での参照領域の位置もシフトしていくと共に、シフト後の参照領域内の濃度に基づいて目標画素値が毎回決定されることになるので、操作候補位置で画素操作を行った場合の画像の濃度変化がより正確に抑制されるように、処理対象の操作画素の目標濃度値を決定することができる。なお、図18は一例として同一の濃度を表すスクリーンパターンで埋められた画像を示しているが、元の画像データ上で各スクリーンパターンの濃度が細かく変化している等の場合には、処理対象の操作画素の操作候補位置をシフトさせる毎に、操作対象画像データ上での参照領域の濃度の再取得に加え、元画像データ上での参照領域の濃度の再取得も行って、処理対象の操作画素の目標濃度値を再度決定するようにしてもよい。
なお、図14,17の印刷用画像データ生成処理において、処理対象の操作画素の操作候補位置が画像データの端部付近となり、例として図18に示すように、操作候補位置に応じて定まる参照領域の一部が画像データから逸脱する場合(参照領域内にデータが存在しない画素が含まれる場合)には、データが存在しない画素はオフ画素とみなして濃度を取得するようにしてもよいし、データが存在しない画素を除外した濃度を取得するようにしてもよい。
なお、図4に示す印刷用画像データ生成処理では、画素操作処理を行う前の画像の濃度に基づいて個々の操作画素の目標画素値を決定することを目的として、操作位置及び画素値を決定して画素操作情報としてメモリに記憶させることを全ての操作画素に対して行った後に、メモリに記憶させた画素操作情報に従って画素操作処理を行っているが、これに限定されるものではなく、図14、17の印刷用画像データ生成処理と同様に、画像データをメモリにコピーし、一方を元画像データ、他方を操作対象画像データとし、個々の操作画素の目標画素値の決定にあたっては元画像データを参照すると共に、或る操作画素の操作位置及び画素値を決定する毎に、当該操作画素の操作を操作対象画像データに対して行うようにしてもよい。
また、上記では本発明をカラー画像の形成におけるカラーレジずれ(色ずれ)の補正に適用した態様を説明したが、これに限定されるものではなく、用紙上にモノクロの画像を形成する場合の用紙と画像とのレジずれを補正する場合や、用紙の表面上及び裏面上に各々画像を形成する場合の表面上に形成される画像と裏面上に形成される画像とのレジずれを補正する場合にも適用可能であることは言うまでもない。これらの態様は請求項9,10記載の発明に対応している。特に、製本後に左右の頁となる第1の用紙の表面と第2の用紙の裏面に、両頁に跨る枠線等を含む画像を各々形成する場合、用紙の表面上に形成される画像と用紙の裏面上に形成される画像とのレジずれは、左右の頁の枠線等の繋ぎ目における位置ずれとして視認されるが、多くの場合、用紙の走行方向が異なり用紙の裁断誤差(エッジ形状差やサイズ差)によるずれや、表面の定着時の温度による用紙の伸び縮みによるずれが発生し、枠線等の繋ぎ目における位置ずれがより顕著に視認されるという問題がある。これに対し、本発明を適用して用紙の表面上に形成される画像と用紙の裏面上に形成される画像とのレジずれを補正すれば、左右の頁の枠線等の繋ぎ目における位置ずれが視認されることを防止することができる。