JP4548075B2 - 換気システム - Google Patents
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Description
[換気システム]
ここでは、図1から図16までの図面を参照しながら本発明の第1実施形態に係る換気システムについて説明する。
本実施の形態に係る空気調和装置の室内ユニット70は、図1、図2、および図3に示されるように、天井埋設カセット型の室内ユニットであって、居室R1の天井裏に埋設されている。この室内ユニット70は、設置時に天井に埋設される本体71、および設置時に居室側に露出する化粧パネル72から構成される。
本体71は、図3および図4に示されるように、本体ケーシング711、遠心送風機712、熱交換器713、ドレンパン714、ベルマウス715、給気管接続ポート716、および図示しない膨張弁や温度センサ等を備える。
化粧パネル72は、図2および図3に示されるように、略四角形状の板状体であり、主として、その略中央に室内空気を本体ケーシング711内に吸入するための吸入口724と、本体ケーシング711内から居室R1に向かって空調空気を吹き出す複数個(本実施形態では、4個)の吹出口722とを有している。吹出口722には、風向を調節するためのルーバ721が設けられている。吸入口724には、吸入グリル723と、吸入口724から吸入された室内空気中の比較的大きな塵埃を除去するためのプレフィルタ725とが設けられている。
ファンモータ712aにより遠心送風機712を回転させると、室内空気が図1および図3の矢印F1に示されるように室内ユニット70の吸込口724に吸い込まれる。吸い込まれた室内空気は、本体71のベルマウス715を通じて遠心送風機712に到達した後、遠心送風機712の外周側に吹き出される(図3の矢印F1a参照)。遠心送風機712の外周側に吹き出された室内空気は、遠心送風機712の外周側に配置された熱交換器713によって熱交換された後、吹出口722から室内に吹き出される(図1および図3の矢印F2参照)。なお、この際、熱交換後に吹出口722に向かう室内空気は、全熱交換器10a,10bを介して供給される屋外の空気(以下、外気という)とともに吹出口722から吹き出される。
本実施の形態に係る全熱交換器10a,10bは、図1に示されるように、居室R1、廊下P1、およびトイレ室B1等(以下、これらの空間を総じて屋内という)の天井裏に設置されている。そして、この全熱交換器10a,10bには、外壁W1,W2を貫通して設けられる屋外側排気管54a,54bおよび屋外側給気管51a,51b、ならびに廊下P1やトイレ室B1等の天井裏に設けられる排気グリル80a,80bから延びる屋内側排気管53a,53bおよび室内ユニット70から延びる屋内側給気管52a,52bが配管接続されている。なお、本実施の形態では、外壁W1が南側に面しており、外壁W2が北側に面している。また、以下、屋外側排気管54a,54bおよび屋外側給気管51a,51bが貫通することによって外壁W1,W2に形成された開口をそれぞれ、排気口56a,56bおよび給気口55a,55bと称する。以下、図1、図5、図6、図7、図8、図9、図10、および図11を用いて全熱交換器10a,10bの詳細を説明する。ここで、図5は、本実施の形態に係る全熱交換器の内部構造を示す斜視図である。図6は、本実施の形態に係る全熱交換器の上面図である。図7は、本実施の形態に係る全熱交換器の側面図である。図8は、本実施の形態に係る全熱交換器の分解斜視図である。図9および図10は、本実施の形態に係る全熱交換器の仕切板の斜視図である。図11は、本実施の形態に係る全熱交換器の熱交換エレメントの構造を示す斜視図である。なお、この全熱交換器10a,10bは、図5に示されるように、屋外からの給気F4(白抜矢印)と屋内P1,B1からの排気F7(ハッチング矢印)との間で熱交換エレメント12を介して熱交換させつつ換気するための装置である。また、全熱交換器10a,10bは、全く同じものであるため、ここでは、符号10aの全熱交換器についてのみ説明する。
ケーシング11は、図5および図8に示されるように、箱体111と、この箱体111の上面を覆う蓋体112とから構成される。そして、このケーシング11には、熱交換エレメント室28、排気用ファンモータ収容室41、排気用ファン収容室22、給気用ファンモータ収容室43、給気用ファン収容室24、給気連通室45、排気連通室46、屋外側吸込室26、屋内側吸込室27、およびバイパス室31が設けられる。
熱交換エレメント12は、図5および図8に示されるように、略直方体の形状をしており、排気通路48と給気通路49との交差部に設けられている。この熱交換エレメント12は、図11に示されるように、プリーツ状の特殊クラフト紙(以下、スペーサ紙という)122と平膜状の特殊クラフト紙(以下、仕切紙という)121とを交互に方向を変えながら積層した構造を有している。この熱交換エレメント12がこのような構造をとっているため、この熱交換エレメント12では、排気の流路と給気の流路とが一段ごとに交互に配置されるかたちになる。なお、この熱交換エレメント12では、給気および排気の顕熱および潜熱は、この仕切紙121を介して交換される。
エアフィルタ13は、図8に示されるように、熱交換エレメント12の第3空間S3に接する面と第4空間S4に接する面とを覆うように熱交換エレメント12に取り付けられる。このエアフィルタ13は、ポリプロピレン繊維から成る不織布である。
排気用ファン15および給気用ファン16は、図6および図7に示されるように、それぞれシロッコファン(ロータ)からなり、発泡樹脂(例えば発泡スチロール)製の渦巻き状をしたファンケーシング(図示せず)内に収容されている。なお、各ファン15,16の回転軸線Lは、熱交換エレメント12の抜取り方向Kと平行である。
ダンパ14は、屋内側吸込室27内に配置されている。このダンパ14は、例えば電動モータ(図示せず)などによって回動し、開口30と開口33とのいずれか一方を開放し他方を閉塞する。
電装品ボックス19aは、メンテナンス面Mの排気用ファン15と対向する部分M1に配置されている。この電装品ボックス19aには、電装品として、図示しない制御基板などが収容されている。なお、この制御基板は、第2通信線58aを介してシステム制御装置90に通信接続されており、このシステム制御装置90から送信されてくる信号に基づいてファン15,16およびダンパ14の動作(ファンモータ15M,16Mの稼働停止およびダンパ用モータの稼働停止)を制御する。
この全熱交換器10aでは、熱交換エレメント12を用いた全熱交換換気を行う場合、ダンパ14によって開口30が開放される。なお、上述したように、このとき、開口33は閉塞される。そして、この状態で各ファン15,16が運転されると、屋内P1,B1の空気(以下、屋内空気という)が屋内側排気管53aを介して屋内側吸込口35から屋内側吸込室27に吸い込まれ(図1の破線矢印F6aおよびF7a参照)、開口30→排気連通室46→第4空間S4→エアフィルタ13→熱交換エレメント12→第1空間S1→開口23→排気用ファンモータ収容室41→排気用ファン収容室22に至る排気通路48を通り、屋外側吹出口38から吹き出され、屋外側排気管54aを介して屋外に排出される(図1の破線矢印F8aおよびF9a参照)と同時に、外気が屋外側給気管51aを介して屋外側吸込口36から屋外側吸込室26に吸い込まれ(図1の破線矢印F3aおよびF4a参照)、給気連通室45→第3空間S3→エアフィルタ13→熱交換エレメント12→第2空間S2→開口25→給気用ファンモータ収容室43→開口44→給気用ファン収容室24に至る給気通路49を通り、屋内側吹出口37から吹き出され、屋内側給気管52aを介して居室R1に給気される(図1の破線矢印F5a参照)。
春秋などの冷暖房を必要としない中間期には、熱交換を行わない通常換気が行われる。
排気グリル80a,80bは、廊下P1およびトイレ室B1の天井裏に埋設されている。この排気グリル80a,80bは、設置時に天井に埋設される本体81a,81b、および設置時に廊下側あるいはトイレ室側に露出する化粧パネル82a,82bから構成されている。本体81a,81bは、主に、直方体のケーシング、およびケーシングに内蔵されるプロペラファン(図示せず)から構成されている。化粧パネル82a,82bは、略四角形状の板状体であり、主に、廊下P1あるいはトイレ室B1の空気から屋内空気を吸い込むための吸込口(図示せず)(図1の破線矢印F6aおよびF6b参照)、およびその吸込口を覆う吸込グリル(図示せず)を有する。
温湿度センサ60a,60bは、給気口55a,55b近傍に配置されており、第3通信線61a,61bを介してシステム制御装置90に通信接続されている。そして、この温湿度センサ60a,60bは、給気口55a,55b付近の温度および絶対湿度を同時に検知することが可能である。
システム制御装置90は、屋内の天井裏に配置されている。このシステム制御装置90は、図12に示されるように、主に、中央処理部91、RAM(Random Access Memory)92、ROM(Read Only Memory)93、I/O制御部94、タイマー100、温湿度センサ用インターフェイス95、全熱交換器用インターフェイス96、および空気調和装置用インターフェイス97から構成されている。ここで、中央処理部91、RAM92、ROM93、およびI/O制御部94は、例えば、マイクロコンピュータであって、相互に第1バス線98によって接続されており、1つの集積回路を構成している。また、タイマー100は、年月日データおよび時刻データを出力可能な装置であって、第2バス線99dを介してI/O制御部94に接続されている。また、温湿度センサ用インターフェイス95、全熱交換器用インターフェイス96、および空気調和装置用インターフェイス97は、例えば、プリント回路基板等であって、第2バス線99a,99b,99cを介してI/O制御部94に接続されている。
ここでは、図14および図15に示されるフローチャートに従って、システム制御装置による換気システムの制御について説明する。ここで、図14は、システム制御装置による換気制御の流れを表すフローチャートである。図15は、給気口選択サブルーチンの流れを表すフローチャートである。
t:温度、x:絶対湿度
[換気システムの特徴]
(1)
第1実施形態に係る換気システム1では、システム制御装置90が、複数の温湿度センサ60a,60bから取得された複数の外気の温度および絶対湿度を利用して外気のエンタルピーを求め、その外気のエンタルピーに基づいて複数の全熱交換器10a,10bのうちいずれの全熱交換器10a,10bを稼働させるかを決定する。第1実施形態では、給気口55a,55bが南北に配置されているため、特に日中では給気口55aの付近の外気が暖かく給気口55bの付近の外気が冷たい傾向がある。そして、この換気システム1では、空気調和装置の室内ユニット70が居室R1を冷房あるいは除湿している場合、エンタルピーhが小さい方の外気を選択的に居室に供給する。また、逆に、この換気システム1では、空気調和装置の室内ユニット70が居室R1を暖房している場合、エンタルピーhが大きい方の外気を選択的に居室R1に供給する。したがって、この換気システム1では、空気調和装置の消費エネルギー量を低減することができる。この結果、この換気システム1では、省エネルギー化の促進を実現することができる。
第1実施形態に係る換気システム1では、屋内側給気管52a,52bが、室外ユニット70において合流している。このため、この換気システム1では、居室R1の内装を損なうおそれが生じにくい。
第1実施形態に係る換気システム1では、12月から3月までの期間あるいは6月から9月までの期間、全熱交換器10a,10bが全熱交換換気モードに設定される。このため、この換気システム1では、さらに省エネルギー化の促進を実現することができる。
第1実施形態に係る換気システム1では、システム制御装置90が、一定周期で給気必要量Qrを算出し、給気必要量Qrと給気可能最大量Qmaxとの大小を比較した結果、給気必要量Qrが給気可能最大量Qmaxよりも小さい場合に限って、稼働させる全熱交換器10a,10bを選択する。このため、この換気システム1では、法定基準などを遵守することができる。
(A)
第1実施形態に係る換気システム1では、給気口55a,55bが南北に2つ設けられていたが、給気口は、あらゆる方角の外壁に対して3つ以上設けられていてもよい。かかる場合、各給気口に対して温湿度センサを配置し、全熱交換器用インターフェイス96のチャネル数を増加させる必要がある。また、図14のフローチャートのステップS85において、演算部912が外気のエンタルピーhのうち最小のエンタルピーhを示す温湿度センサ60a,60bに該当するチャネル特定符号を特定する必要があり、また、ステップS86において、演算部912が外気のエンタルピーhのうち最大のエンタルピーhを示す温湿度センサ60a,60bに該当するチャネル特定符号を特定する必要がある。
第1実施形態に係る換気システム1では、システム制御装置90がいずれの全熱交換器10a,10bを稼働させるかを決定するのにエンタルピーhを利用した。しかし、単純に、温度tだけを利用して全熱交換器10a,10bの稼働停止を決定してもかまわない。
第1実施形態に係る換気システム1では、システム制御装置90がいずれの全熱交換器10a,10bを稼働させるかを決定するのにエンタルピーhを利用したが、不快指数を利用して全熱交換器10a,10bの稼働停止を決定してもかまわない。なお、不快指数は、以下の算出式(2)によって求めることが可能である。
t:温度、w:相対湿度
(D)
第1実施形態に係る換気システム1では、システム制御装置90がいずれの全熱交換器10a,10bを稼働させるかを決定するのにエンタルピーhを利用した。しかし、単純に、絶対湿度(あるいは相対湿度)だけを利用して全熱交換器10a,10bの稼働停止を決定してもかまわない。かかる場合、空気調和装置の除湿運転や加湿運転に要する消費エネルギー量を低減することができる。
第1実施形態に係る換気システム1では、システム制御装置90の制御対象が全熱交換器10a,10bであったが、図17に示されるように、給気ファン110a,110bをシステム制御装置90の制御対象としてもかまわない。以下、給気ファン110a,110bの構造と本変形例に係る換気システム101の概要構成とについて説明する。なお、給気ファン110a,110bは、全く同じものであるため、ここでは、符号110aの給気ファンについてのみ説明する。また、ここで、図17は、本変形例に係る換気システムのシステム構成図である。図18は、給気ファンの正面図である。また、図19(a)は、給気ファンのダンパが閉状態にある場合のA−A断面図である。また、図19(b)は、給気ファンのダンパが開状態にある場合のA−A断面図である。
第1実施形態に係る換気システム1では、システム制御装置90に空気調和装置の室内ユニット70が通信接続されたが、空気調和装置の室内ユニット70がシステム制御装置90に通信接続されていなくてもかまわない。ただし、この場合、システム制御装置90に空気調和装置の運転モードデータを入力するデータ入力装置を通信接続して適宜空気調和装置の運転モードを入力したり装置90内のタイマー100の月データに基づいて全熱交換器10a,10bの運転モードを決定したり必要がある。
第1実施形態に係る室内ユニット70はいわゆるマルチフロー式の天井埋設型の室内ユニットであったが、室内ユニットは、ラウンドフロー式の天井埋設型の室内ユニットや、天井吊下型の室内ユニット、壁掛け型の室内ユニット等であってもかまわない。また、除湿器や加湿器などであってもかまわない。
第1実施形態に係る全熱交換ユニット10aでは、熱交換エレメント12が、透湿性を有するスペーサ紙122と仕切紙121とから構成される全熱交換型の熱交換エレメント12であったが、熱交換エレメントは、透湿性を有さないスペーサ板と仕切板とから構成される顕熱交換型の熱交換エレメント(いわゆるヒートパイプ型の熱交換エレメント)であってもよい。なお、この顕熱交換型の熱交換エレメントでは、給気と排気との間で顕熱のみが交換される。
第1実施形態に係る換気システム1では、固定式の熱交換エレメント12を備えた全熱交換器10a,10bを採用したが、全熱交換器は、回転式の熱交換エレメントを備えた全熱交換器であってもよい。
[換気システム]
ここでは、図20から図28までの図面を参照しながら本発明の第2実施形態に係る換気システムについて説明する。
換気用給気ダクト251a,251bは、居室R1の側壁から外壁W1,W2に向かって延びており、外壁W1,W2および居室R1の側壁を貫通して設けられている。なお、本実施の形態では、外壁W1が南南東を向いており、外壁W2が北西に向いている。また、以下、換気用給気ダクト251a,251bが貫通することによって外壁W1,W2に形成された開口をそれぞれ、給気口255a,255bと称する。
給気ファン210a,210bは、第1実施形態の変形例(E)に係る給気ファン110a,110bと同一の構成を有しており、給気口255a,255bに配置されている。
セントラル空気調和システム270は、主に、図示しないエアハンドリングユニット、
VAVユニット273、空調用給気ダクト271、および空調用還気ダクト272等から構成される。エアハンドリングユニットは、図示しない熱源機から冷水や温水を得てVAVユニット273に供給する空気を冷却したり暖めたりする主機能を有するとともに、加湿機能も有する空調機ユニットである。VAVユニット273は、エアハンドリングユニットから空調用給気ダクト271を通じて送られてくる空気調和された空気を、その量を調整して居室R1に吹き出す設備機器である(図20の破線矢印F1参照)。空調用還気ダクト272は、VAVユニット273から居室R1に吹き出された空気を再びエアハンドリングユニットに戻すためのダクトである(図20の破線矢印F2参照)。
システム制御装置290は、屋内の天井裏に配置されている。このシステム制御装置290は、図21に示されるように、主に、中央処理部291、RAM(Random Access Memory)292、ROM(Read Only Memory)293、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)297、I/O制御部294、タイマー200、給気ファン用インターフェイス295、および設定端末用インターフェイス296から構成されている。ここで、中央処理部291、RAM292、ROM293、EEPROM297、およびI/O制御部294は、例えば、マイクロコンピュータであって、相互に第3バス線298によって接続されており、1つの集積回路を構成している。また、タイマー200は、年月日データおよび時刻データを出力可能な装置であって、第4バス線299dを介してI/O制御部294に接続されている。また、給気ファン用インターフェイス295および設定端末用インターフェイス296は、例えば、プリント回路基板等であって、第4バス線299a,299bを介してI/O制御部294に接続されている。
設定端末261は、第6通信線260を介してシステム制御装置290の設定端末用インターフェイス296に通信接続されており、図23に示されるように、主に、ケーシング269、表示部262、および入力部263等から構成される。
ここでは、設定端末261におけるデータ入力作業について説明する。
ここでは、図24に示されるフローチャートに従って、システム制御装置による制御テーブル作成について説明する。ここで、図24は、システム制御装置による制御テーブル作成の流れを表すフローチャートである。
ここでは、図27および図28に示されるフローチャートに従って、システム制御装置による換気システムの制御を説明する。ここで、図27は、システム制御装置による換気制御の流れを表すフローチャートである。図28は、給気口選択サブルーチンの流れを表すフローチャートである。
(1)
第2実施形態に係る換気システム201では、システム制御装置290が、時刻データを制御テーブルTB3に照合して、複数の換気用給気ダクト251a,251bのうちいずれの換気用給気ダクト251a,251bを通じて外気を給気として居室R1に供給するかを決定する。第2実施形態では、給気口255a,255bが北西および南南東に配置されているため、特に日中では給気口255aの付近の外気が暖かく給気口255bの付近の外気が冷たい傾向がある。そして、この換気システム201では、その月が6月から9月のいずれかの月である場合(すなわち、セントラル空気調和システム270が居室R1を冷房していると想定される場合)、日の当たらない外壁W1,W2に設けられる給気口255a,255bから外気を居室R1に供給する。また、逆に、この換気システム201では、その月が12月から3月のいずれかの月である場合(すなわち、セントラル空気調和システム270が居室R1を暖房していると想定される場合)、日の当たる外壁W1,W2に設けられる給気口255a,255bから外気を居室R1に供給する。したがって、この換気システム201では、セントラル空気調和システム270の消費エネルギー量を低減することができる。この結果、この換気システム201では、省エネルギー化の促進を実現することができる。
第2実施形態に係る換気システム201では、設定端末261において給気口255a,255bの方位と給気ファン210a,210bが接続されている給気ファン用インターフェイス295のチャネル番号とが関連づけられる。また、EEPROM297が、各時間帯において方位を重み付けした方位重み付けテーブルTB2を保持する。そして、システム制御装置290では、給気口255a,255bの方位と給気ファン210a,210bが接続されている給気ファン用インターフェイス295のチャネル番号との関係および各時間帯における方位の重み付けから制御テーブルTB3が導出される。このため、この換気システム201では、給気口255a,255bに対して給気ファン用インターフェイス295のチャネル番号と方位とが登録されれば、自動的に制御テーブルTB3が作製され、自動的に最適な給気口255a,255bから給気されるようにすることができる。
第2実施形態に係る換気システム201では、設定端末261において給気口255a,255bの登録、再設定、あるいは削除が可能である。このため、この換気システム201では、例えば、いずれかの換気用給気ダクト251a,251bを閉鎖した場合などに容易に換気システム201を再構築することができたり、交通量の多い道路に面する給気口255a,255bに対応する換気用給気ダクト251a,251b等を対象から除外することができたりする。
第2実施形態に係る換気システム201では、夏季用の方位重み付けテーブルTB2と冬季用の方位重み付けテーブルTB2とが、用意されている。このため、この換気システム201では、より適切な換気制御が可能となり、省エネルギー化の促進を実現することができる。
第2実施形態に係る換気システム201では、換気用給気ダクト251a,251bそれぞれにダンパが設けられており、システム制御装置290がそのダンパの開閉状態を決定する。このため、この換気システム201では、容易に適切な給気口255a,255bから外気を取り入れを行うことができる。
第2実施形態に係る換気システム201では、システム制御装置290が、一定周期で給気必要量Qrを算出し、給気必要量Qrと給気可能最大量Qmaxとの大小を比較した結果、給気必要量Qrが給気可能最大量Qmaxよりも小さい場合に限って、稼働させる給気ファン210a,210bを選択する。このため、この換気システム201では、法定基準などを遵守することができる。
(A)
第2実施形態に係る換気システム201では、給気口255a,255bの配置場所の方位とは、給気口255a,255bが設けられる外壁W1,W2が向いている方位を意味していた。しかし、給気口255a,255bの配置場所の方位は、居室R1が設けられている建造物内部の所定の位置から見た場合の方位であってもかまわない。
第2実施形態に係る換気システム201では、夏季用の方位重み付けテーブルTB2と冬季用の方位重み付けテーブルTB2とが別々に用意されていたが、例えば、夏季用の方位重み付けテーブルTB2を用意しておいて冬季(12月から3月)にも対応できるようにしてもよい。この場合、冬季では、重み付けの低い方位に設けられる給気口255a,255bが選択されるようにしておく。
第2実施形態に係る換気システム201では、2つの換気用給気ダクト251a,251bがそれぞれ独立して居室R1に導かれており、それらの換気用給気ダクト251a,251bそれぞれに給気ファン210a,210bが設けられていた。
第2実施形態に係る換気システム201では、2つの換気用給気ダクト251a,251bがそれぞれ独立して居室R1に導かれており、それらの換気用給気ダクト251a,251bそれぞれに給気ファン210a,210bが設けられていた。
第2実施形態に係る換気システム201では、ダンパ付きの給気ファンが設けられたが、屋外の気圧が居室S1の気圧よりも高い場合はダンパのみを設けてもよい。
第2実施形態に係る換気システム201では、天井裏の外壁W1,W2に給気口255a,255bが設けられたが、居室S1が角部屋などである場合は、居室S1の外壁に給気口が設けられてもよい。この場合は、その給気口にダンパや給気ファンが設置されることになる。
12 熱交換エレメント(熱交換部材)
16,110a,110b,210a,210b,312,412 給気ファン(送風装置)
48 排出通路(排出路)
49 給気通路(給気路)
51a,51b 屋外側給気管(給気路)
52a,52b 屋内側給気管(給気路)
55a,55b,155a,155b 給気口(屋外側の端口)
60a,60b 温湿度センサ(外気状態情報取得手段)
90,290,390,490 システム制御装置(給気方法決定手段,給気必要量決定手段,比較手段,給気方法決定手段選択実行手段)
115,315a,315b ダンパ(開閉装置)
151a,151b 給気管(給気路)
200 タイマー(時刻情報取得手段)
251a,251b,351a,351b,451a,451b 換気用給気ダクト(給気路)
290,390,490 システム制御装置(第1関連テーブル導出手段)
297 EEPROM(第1関連テーブル保持手段,第3関連テーブル保持手段)
415 ダンパ(開放遮断装置)
S1 居室
TB2 方位重み付けテーブル(第3関連テーブル)
TB3 制御テーブル(第1関連テーブル)
Qr 給気必要量
Qmax 給気可能最大量
Claims (13)
- 建造物の屋外の空気である外気を給気として前記建造物に設けられる居室(S1)に供給するための複数の給気路(49,51a,51b,52a,52b,151a,151b)と、
前記給気路それぞれの屋外側の端口(55a,55b,155a,155b)またはその近傍に設けられ、前記外気の状態情報を取得する複数の外気状態情報取得手段(60a,60b)と、
前記複数の外気状態情報取得手段において取得された複数の前記外気の状態情報を利用して前記複数の給気路のうちいずれの前記給気路を通じて前記外気を前記給気として前記居室に供給するかを決定する給気方法決定手段(90)と、
所定期間毎に前記居室に必要な前記給気の量である給気必要量を決定する給気必要量決定手段(90)と、
前記給気必要量(Qr)と給気可能最大量(Qmax)との大小を比較する比較手段(90)と、
前記給気必要量が前記給気可能最大量よりも小さい場合に限って、前記給気方法決定手段を実行させる給気方法決定手段選択実行手段(90)と、
を備える、換気システム(1,101)。 - 建造物の屋外の空気である外気を給気として前記建造物に設けられる居室(S1)に供給するための複数の給気路(251a,251b,351a,351b,451a,451b)と、
時刻情報を取得する時刻情報取得手段(200)と、
前記時刻情報に基づいて前記複数の給気路のうちいずれの前記給気路を通じて前記外気を前記給気として前記居室に供給するかを決定する給気方法決定手段(290,390,490)と、
所定期間毎に前記居室に必要な前記給気の量である給気必要量を決定する給気必要量決定手段(290,390,490)と、
前記給気必要量(Qr)と給気可能最大量(Qmax)との大小を比較する比較手段(290,390,490)と、
前記給気必要量が前記給気可能最大量よりも小さい場合に限って、前記給気方法決定手段を実行させる給気方法決定手段選択実行手段(290,390,490)と、
を備える、換気システム(201,301,401)。 - 前記給気路と前記時刻情報とを関連づけるテーブルである第1関連テーブル(TB3)を保持する第1関連テーブル保持手段(297)をさらに備え、
前記給気方法決定手段は、前記時刻情報を前記第1関連テーブルに照合して前記複数の給気路のうちいずれの前記給気路を通じて前記外気を前記給気として前記居室に供給するかを決定する、
請求項2に記載の換気システム(201,301,401)。 - 前記給気路と前記給気路の屋外側の端口である屋外端口が設けられる方位情報とを関連づけるテーブルである第2関連テーブルを保持する第2関連テーブル保持手段と、
前記時刻情報に対して方位情報を重み付けしたテーブルである第3関連テーブル(TB2)を保持する第3関連テーブル保持手段(297)と、
前記第2関連テーブルと前記第3関連テーブルとを利用して前記第1関連テーブルを導出する第1関連テーブル導出手段(290,390,490)と、
をさらに備える、請求項3に記載の換気システム(201,301,401)。 - 前記関連テーブルの給気路は、取捨選択可能である、
請求項3または4に記載の換気システム(290,390,490)。 - 前記関連テーブルは、1年を所定の数で分割した期間のうち特定の期間に対して用意される、
請求項3から5のいずれかに記載の換気システム(201,301,401)。 - 前記関連テーブルは、1年を所定の数で分割した期間毎に用意される、
請求項3から5のいずれかに記載の換気システム(201,301,401)。 - 前記複数の給気路それぞれには、前記給気路の開閉を行う開閉装置(115,315a,315b)が設けられ、
前記給気方法決定手段は、複数の前記開閉装置それぞれについて開閉状態を決定する、
請求項1から7のいずれかに記載の換気システム(101,201,301)。 - 前記複数の給気路それぞれには、送風装置(16,110a,110b,210a,210b)が設けられ、
前記給気方法決定手段は、複数の前記送風装置それぞれについて稼働停止を決定する、
請求項1から8のいずれかに記載の換気システム(1,101,201)。 - 前記複数の給気路は、居室側に向かって合流している、
請求項1から9のいずれかに記載の換気システム(1,101,301,401)。 - 前記複数の給気路は、居室側に向かって合流しており、
前記給気路の合流点には、いずれかの前記給気路を開放し残りの前記給気路を遮断する開放遮断装置(415)が設けられ、
前記給気方法決定手段は、前記開放遮断装置の状態を決定する、
請求項1から7のいずれかに記載の換気システム(401)。 - 前記給気路の前記合流点の居室側には、送風装置(312,412)が設けられる、
請求項11に記載の換気システム。 - 前記居室の空気である居室空気を排気として前記屋外へ排出するための排出路(48)と、
前記給気に含まれる熱と前記排気に含まれる熱とを交換可能である熱交換部材(12)と、
をさらに備える、請求項1から12のいずれかに記載の換気システム(1)。
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