JP4545850B2 - シャープペンシル等の替芯収納容器 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャープペンシルやプロッターなどに使用する替芯（交換用の予備の芯）を収納する容器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
シャープペンシル等の替芯収納容器には、芯を収納する容器本体の開口部を開閉するキャップが容器本体から完全に分離するキャップ脱着式のものと、キャップがヒンジ等を介してキャップ本体に繋がっているキャップ一体式のものとがあるが、特に前者のキャップ脱着式のものは、容器本体から取り外したキャップを学童等が誤って飲み込んで喉に詰まらせ窒息するという危険がある。
【０００３】
そこで、この危険を回避するために脱着式のキャップに通気孔を設けることが行なわれているが、必要な通気量を確保するために通気孔の内径を大きくすると、芯がその通気孔から抜け落ちるという弊害がある。
【０００４】
そこで、さらに、この弊害を解消するために、キャップの通気孔を容器本体の開口部の真上に位置させずに外側へずらして、芯の先端がキャップの通気孔に入っても芯が傾斜して通気孔を通過できないようにしたもの（特開平９−２９０５９３号公報参照）や、キャップの通気孔を深さ方向において屈曲させることにより芯を通過できないようにしたもの（特開平９−２０７４８９号公報参照）などが考案されている。しかしながら、前者は芯が短い場合に通気孔から抜け落ちるのを防止できないという欠点が残っており、又、後者は短い芯でも抜け落ちを防止できる利点がある反面、通気孔が屈曲しているので通気が阻害されて必要な通気量を確保しにくいことや、成形用金型の構造が複雑になって通気孔の内部に通気を妨げるバリを発生しやすくなる等の欠点がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、キャップに設けた通気孔から芯が抜け落ちる心配がなく、かつ、その通気孔によって必要な通気量を確実に確保することができるシャープペンシル等の替芯収納容器の提供を課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のシャープペンシル等の替芯収納容器は、シャープペンシル等の芯を収納する容器本体１の開口部７を開閉可能で、容器本体１に対し脱着自在なキャップ３の天板６に、細長い平面形状を呈して、その幅が容器本体１に収納する芯の外径より小さく、かつ、その幅との関係で、安全上要求される所定の通気量を確保するために必要な開口面積を得られる長さを有する通気孔を設け、側面に螺旋状の溝５を設けたことを特徴とする、という構成を採るものである。
【０００７】
【実施例】
図は本発明の一実施例を示したものである。まず、この替芯収納容器は、芯を収納する中空の容器本体１と、芯の硬度、色及び芯径等の表示リング２と、容器本体１に対し脱着自在なキャップ３とから構成されていて、これら構成部品はプラスチックで形成されている。
【０００８】
容器本体１は横断面が円形の筒状を呈して上端に開口部７を有し、又、キャップ３や表示リング２の横断面も円形を呈しているが、形状はこれらに限定するものではなく自由であり、例えば、横断面を楕円形や四角形等にすることも可能である。
【０００９】
キャップ３は、図２に示すように、天板６の３箇所に平面形状がそれぞれ円弧状を呈して幅Ｗや長さＬが等しい通気孔４ａ，４ｂ，４ｃを穿設している。これら通気孔４ａ，４ｂ，４ｃは全体として輪状に配置している。これら通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの平面形状における幅Ｗは容器本体１に収納する芯の外形ｄより小さくなるように、すなわちｗ＜ｄの関係を満たすように設定している。例えば、この実施例では、容器本体１に収納する芯を外径が０．５７ｍｍ（呼び径０．５ｍｍ）のものとしたので、通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの幅Ｗを０．５２ｍｍに設定している。
【００１０】
また、通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの平面形状における全体の長さ３Ｌ（３箇所の各通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの長さＬを加算した長さ）は全体の開口面積Ｓとの関係，すなわちＳ≒３Ｌ×ｗという関係式から決定される。また、その開口面積Ｓは通気孔４ａ，４ｂ，４ｃを通過する通気量Ｖとの関係、すなわちＶ≒Ｓ×Ｕ（Ｕは流速）という関係式から決定される。この通気量Ｖは安全性を考慮して定められた所定の通気量以上に設定する必要があり、例えば、この実施例では、英国ペンキャップ安全規格に定められている通気式キャップの通気量である毎分８リットルより大きい毎分９．５リットルに設定している。したがって、開口面積もこの毎分９．５リットルの通気量を確保できるように５．６ｍｍ２に設定している。なお、毎分８リットルの通気量を確保するには少なくとも約４．７ｍｍ２以上の開口面積が必要となる。そして、通気孔４ａ，４ｂ，４ｃ全体の長さ３Ｌは、この開口面積Ｓ（５．６ｍｍ２）と上記の通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの幅Ｗ（０．５２ｍｍ）との関係から１０．８ｍｍに設定している。
【００１１】
なお、この実施例では、通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの数を３つにしたが、通気孔の数は自由でありこれに限定するものではない。ただし、通気孔の幅や長さは上記の所定の通気量を確保できるように設定する。なお、通気孔はこの実施例のように複数に分けてもよいが、一連でもよく、請求項１に記載した通気孔の長さとは、通気孔が複数の場合は各通気孔の長さを加算した全体の長さをいうものとし、一連の場合は全長をいうものとする。
【００１２】
また、この実施例では通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの平面形状における幅を一定にしているが、図４に示すように、通気孔４ｄの幅を変化させても構わない。ただし、その場合、最大幅Ｗ１を芯の外径より小さくする。
【００１３】
また、この実施例では通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの縦断面形状における深さ方向の幅も一定にしているが、図５に示すように、通気孔４ｅの深さ方向の幅を変化させてもよい。ただし、この場合は最小幅Ｗ２を芯の外径より小さくする。
【００１４】
ところで、キャップ３を容器本体１から取り外す場合に指が滑らないように、キャップ３の側面に滑り止めとして螺旋状の溝５を設けている。なお、滑り止めとしてキャップ側面にシボ加工やローレット加工を施すという方法もあるが、これらの方法に比べて螺旋状の溝５を形成する方が加工が容易であり且つ滑り止め効果が高いという利点がある。また、キャップ外面にラバーやエラストマーなどの素材を取り付けても滑り止め効果を得られるが、この方法は螺旋状の溝５を形成するよりもコストアップになるという不利がある。また、螺旋状の溝５はキャップ３の外面においてキャップ３の上下両端間を通気する効果もあるので、滑り止めとしては螺旋状の溝５を形成するのが好ましい。
【００１５】
【発明の効果】
本発明のシャープペンシル等の替芯収納容器は、キャップ３に設ける通気孔の幅を芯の外径より小さくしたので、通気孔からの芯の抜け落ちを確実に防止することができ、かつ、その通気孔は必要な通気量を確実に確保できる長さを有するので、学童等が誤って飲み込んで喉に詰まらせても窒息を防止できるという効果がある。
【００１６】
また、上記効果に加えて、螺旋状の溝５を設けることによりキャップ３を握った指が滑りにくくてキャップ３の取り外しが容易であるという効果、及び、キャップ３の外面においてキャップ３の上下両端間を通気できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】側面図である。
【図２】拡大平面図である。
【図３】図２のＡ−Ａ線における縦断面図である。
【図４】通気孔の平面図である。
【図５】キャップ天板の一部縦断面図である。
【符号の説明】
１ 容器本体
２ 表示リング
３ キャップ
４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ，４ｅ 通気孔
５ 溝
６ キャップの天板
７ 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャープペンシルやプロッターなどに使用する替芯（交換用の予備の芯）を収納する容器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
シャープペンシル等の替芯収納容器には、芯を収納する容器本体の開口部を開閉するキャップが容器本体から完全に分離するキャップ脱着式のものと、キャップがヒンジ等を介してキャップ本体に繋がっているキャップ一体式のものとがあるが、特に前者のキャップ脱着式のものは、容器本体から取り外したキャップを学童等が誤って飲み込んで喉に詰まらせ窒息するという危険がある。
【０００３】
そこで、この危険を回避するために脱着式のキャップに通気孔を設けることが行なわれているが、必要な通気量を確保するために通気孔の内径を大きくすると、芯がその通気孔から抜け落ちるという弊害がある。
【０００４】
そこで、さらに、この弊害を解消するために、キャップの通気孔を容器本体の開口部の真上に位置させずに外側へずらして、芯の先端がキャップの通気孔に入っても芯が傾斜して通気孔を通過できないようにしたもの（特開平９−２９０５９３号公報参照）や、キャップの通気孔を深さ方向において屈曲させることにより芯を通過できないようにしたもの（特開平９−２０７４８９号公報参照）などが考案されている。しかしながら、前者は芯が短い場合に通気孔から抜け落ちるのを防止できないという欠点が残っており、又、後者は短い芯でも抜け落ちを防止できる利点がある反面、通気孔が屈曲しているので通気が阻害されて必要な通気量を確保しにくいことや、成形用金型の構造が複雑になって通気孔の内部に通気を妨げるバリを発生しやすくなる等の欠点がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、キャップに設けた通気孔から芯が抜け落ちる心配がなく、かつ、その通気孔によって必要な通気量を確実に確保することができるシャープペンシル等の替芯収納容器の提供を課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のシャープペンシル等の替芯収納容器は、シャープペンシル等の芯を収納する容器本体１の開口部７を開閉可能で、容器本体１に対し脱着自在なキャップ３の天板６に、細長い平面形状を呈して、その幅が容器本体１に収納する芯の外径より小さく、かつ、その幅との関係で、安全上要求される所定の通気量を確保するために必要な開口面積を得られる長さを有する通気孔を設け、側面に螺旋状の溝５を設けたことを特徴とする、という構成を採るものである。
【０００７】
【実施例】
図は本発明の一実施例を示したものである。まず、この替芯収納容器は、芯を収納する中空の容器本体１と、芯の硬度、色及び芯径等の表示リング２と、容器本体１に対し脱着自在なキャップ３とから構成されていて、これら構成部品はプラスチックで形成されている。
【０００８】
容器本体１は横断面が円形の筒状を呈して上端に開口部７を有し、又、キャップ３や表示リング２の横断面も円形を呈しているが、形状はこれらに限定するものではなく自由であり、例えば、横断面を楕円形や四角形等にすることも可能である。
【０００９】
キャップ３は、図２に示すように、天板６の３箇所に平面形状がそれぞれ円弧状を呈して幅Ｗや長さＬが等しい通気孔４ａ，４ｂ，４ｃを穿設している。これら通気孔４ａ，４ｂ，４ｃは全体として輪状に配置している。これら通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの平面形状における幅Ｗは容器本体１に収納する芯の外形ｄより小さくなるように、すなわちｗ＜ｄの関係を満たすように設定している。例えば、この実施例では、容器本体１に収納する芯を外径が０．５７ｍｍ（呼び径０．５ｍｍ）のものとしたので、通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの幅Ｗを０．５２ｍｍに設定している。
【００１０】
また、通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの平面形状における全体の長さ３Ｌ（３箇所の各通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの長さＬを加算した長さ）は全体の開口面積Ｓとの関係，すなわちＳ≒３Ｌ×ｗという関係式から決定される。また、その開口面積Ｓは通気孔４ａ，４ｂ，４ｃを通過する通気量Ｖとの関係、すなわちＶ≒Ｓ×Ｕ（Ｕは流速）という関係式から決定される。この通気量Ｖは安全性を考慮して定められた所定の通気量以上に設定する必要があり、例えば、この実施例では、英国ペンキャップ安全規格に定められている通気式キャップの通気量である毎分８リットルより大きい毎分９．５リットルに設定している。したがって、開口面積もこの毎分９．５リットルの通気量を確保できるように５．６ｍｍ２に設定している。なお、毎分８リットルの通気量を確保するには少なくとも約４．７ｍｍ２以上の開口面積が必要となる。そして、通気孔４ａ，４ｂ，４ｃ全体の長さ３Ｌは、この開口面積Ｓ（５．６ｍｍ２）と上記の通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの幅Ｗ（０．５２ｍｍ）との関係から１０．８ｍｍに設定している。
【００１１】
なお、この実施例では、通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの数を３つにしたが、通気孔の数は自由でありこれに限定するものではない。ただし、通気孔の幅や長さは上記の所定の通気量を確保できるように設定する。なお、通気孔はこの実施例のように複数に分けてもよいが、一連でもよく、請求項１に記載した通気孔の長さとは、通気孔が複数の場合は各通気孔の長さを加算した全体の長さをいうものとし、一連の場合は全長をいうものとする。
【００１２】
また、この実施例では通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの平面形状における幅を一定にしているが、図４に示すように、通気孔４ｄの幅を変化させても構わない。ただし、その場合、最大幅Ｗ１を芯の外径より小さくする。
【００１３】
また、この実施例では通気孔４ａ，４ｂ，４ｃの縦断面形状における深さ方向の幅も一定にしているが、図５に示すように、通気孔４ｅの深さ方向の幅を変化させてもよい。ただし、この場合は最小幅Ｗ２を芯の外径より小さくする。
【００１４】
ところで、キャップ３を容器本体１から取り外す場合に指が滑らないように、キャップ３の側面に滑り止めとして螺旋状の溝５を設けている。なお、滑り止めとしてキャップ側面にシボ加工やローレット加工を施すという方法もあるが、これらの方法に比べて螺旋状の溝５を形成する方が加工が容易であり且つ滑り止め効果が高いという利点がある。また、キャップ外面にラバーやエラストマーなどの素材を取り付けても滑り止め効果を得られるが、この方法は螺旋状の溝５を形成するよりもコストアップになるという不利がある。また、螺旋状の溝５はキャップ３の外面においてキャップ３の上下両端間を通気する効果もあるので、滑り止めとしては螺旋状の溝５を形成するのが好ましい。
【００１５】
【発明の効果】
本発明のシャープペンシル等の替芯収納容器は、キャップ３に設ける通気孔の幅を芯の外径より小さくしたので、通気孔からの芯の抜け落ちを確実に防止することができ、かつ、その通気孔は必要な通気量を確実に確保できる長さを有するので、学童等が誤って飲み込んで喉に詰まらせても窒息を防止できるという効果がある。
【００１６】
また、上記効果に加えて、螺旋状の溝５を設けることによりキャップ３を握った指が滑りにくくてキャップ３の取り外しが容易であるという効果、及び、キャップ３の外面においてキャップ３の上下両端間を通気できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】側面図である。
【図２】拡大平面図である。
【図３】図２のＡ−Ａ線における縦断面図である。
【図４】通気孔の平面図である。
【図５】キャップ天板の一部縦断面図である。
【符号の説明】
１ 容器本体
２ 表示リング
３ キャップ
４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ，４ｅ 通気孔
５ 溝
６ キャップの天板
７ 開口部
Claims (1)
- シャープペンシル等の芯を収納する容器本体１の開口部７を開閉可能で、容器本体１に対し脱着自在なキャップ３の天板６に、細長い平面形状を呈して、その幅が容器本体１に収納する芯の外径より小さく、かつ、その幅との関係で、安全上要求される所定の通気量を確保するために必要な開口面積を得られる長さを有する通気孔を設け、側面に螺旋状の溝５を設けたことを特徴とするシャープペンシル等の替芯収納容器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26286699A JP4545850B2 (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | シャープペンシル等の替芯収納容器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26286699A JP4545850B2 (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | シャープペンシル等の替芯収納容器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001080280A JP2001080280A (ja) | 2001-03-27 |
| JP4545850B2 true JP4545850B2 (ja) | 2010-09-15 |
Family
ID=17381727
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26286699A Expired - Fee Related JP4545850B2 (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | シャープペンシル等の替芯収納容器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4545850B2 (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0381789U (ja) * | 1989-12-08 | 1991-08-21 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11227383A (ja) * | 1998-02-16 | 1999-08-24 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 替芯ケース |
-
1999
- 1999-09-17 JP JP26286699A patent/JP4545850B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0381789U (ja) * | 1989-12-08 | 1991-08-21 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2001080280A (ja) | 2001-03-27 |
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