JP4545511B2 - 蒸気調理器 - Google Patents

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Description

この発明は、蒸気調理器に関する。
従来、蒸気を用いて食品などの被加熱物の加熱調理を行う蒸気調理器として、オーブン庫内に過熱蒸気を送り込むものがある(特開平8‐49854号公報(特許文献1)参照)。この蒸気調理器は、ポット内に垂直平面に沿ってヒータを設けて蒸気を発生させる蒸気発生装置と、その蒸気発生装置により発生させた蒸気を加熱することにより過熱蒸気を生成する蒸気過熱器とを備え、蒸気過熱器で生成された過熱蒸気を循環風路によってオーブン庫内に送り込んで食品を調理する。
ところで、上述のようにして食品を調理している際に、余剰となった蒸気は上記循環風路およびオーブン庫の外部に放出される。その場合における余剰蒸気の排出は、例えば、図7に示すような蒸気排出装置によって行われる。
図7において、201はオーブン庫であり、202はキャビネットを構成する後板である。後板202の内面には排気ダクト203の開口端が取り付けられており、排気ダクト203の底板203aに設けられた供給口203bとオーブン庫201の放出口204とが放出通路205によって連結されている。さらに、後板202における排気ダクト203の開口端内には、排気ダクト203を上記キャビネットの外部に連通するための蒸気放出口206が設けられており、この蒸気放出口206には排出される蒸気を下側に向けるためのルーバー207が設けられている。
上記構成において、上記過熱蒸気によってオーブン庫201内で食品を加熱調理している際に、余剰となった蒸気は、放出口204から放出通路205を通って排気ダクト203内に導かれる。そして、蒸気放出口206から斜め下方に向かって放出される。尚、図8はキャビネットの後板202上における蒸気放出口206の箇所を示す斜視図である。
しかしながら、上記従来の蒸気調理器における蒸気排出装置には、以下のような問題がある。すなわち、排出される蒸気は上方に上ろうとするため、排気ダクト203の天板203cにおけるキャビネットの後板202への取付箇所や、ルーバー207の内面で、結露が生ずる。そして、生じた結露水は、排気ダクト203の底板203a上に落下することになる。
ところで、排気ダクト203の開口端には外側に向かって開いたフランジ208が設けられており、このフランジ208の外面が後板202の内面に取り付け固定されている。このフランジ208の外面の後板202の内面への取り付け部は、間にパッキン(図示せず)を挟んでも僅かな隙間が生ずる場合が多々ある。その場合には、排気ダクト203の底板203a上に落下した結露水は、フランジ208の外面と後板202の内面との間の凹部に溜まり、上記隙間からキャビネット内に漏れることになる。
オーブン庫201の後側には電気部品等が配置されており、オーブン庫201の後側におけるキャビネット内に水が漏れることは、極力避け無ければならない。
特開平8‐49854号公報
そこで、この発明の課題は、排気蒸気の結露水がキャビネット内に漏れることのない蒸気排出装置を備えた蒸気調理器を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の蒸気調理器は、
本体ケーシングと、
上記本体ケーシング内に配置され、蒸気を発生する蒸気発生装置と、
上記本体ケーシング内に配置され、上記蒸気発生装置から供給される蒸気によって被加熱物を加熱するための加熱室と、
上記本体ケーシングの内側に接続されると共に、上記加熱室からの蒸気を上記本体ケーシング外に排出する蒸気排出装置と
を備えて、
上記本体ケーシングには排気口が設けられており、
上記蒸気排出装置は、
開口部を有すると共に、上記本体ケーシングの排気口の位置に上記開口部の位置を合わせて接続されたチャンバと、
上記加熱室からの蒸気を上記チャンバの供給口に導く排気流路と、
上記本体ケーシングの排気口と上記チャンバの開口部とを貫通して上記本体ケーシングに取り付けられると共に、先端の位置が上記本体ケーシングと上記チャンバとの接続箇所よりも上記チャンバの内側に位置している吹出方向変更部材
を含むことを特徴としている。
上記構成によれば、蒸気によって被加熱物を加熱している際に余剰蒸気が発生した場合や、蒸気による加熱調理が終了した場合に、上記加熱室内の蒸気が上記排気流路によって上記チャンバの供給口に導かれる。そして、上記チャンバの開口部を介して上記本体ケーシングに設けられた排気口から排気される際に、上記チャンバの開口部近傍で生じた結露水は、上記本体ケーシングの排気口の位置に開口部の位置を合わせて取り付けられている上記チャンバ内に総て回収される。
したがって、上記チャンバの開口部近傍で生じた結露水は、上記チャンバと本体ケーシングとの接続箇所から漏れることがなく、上記加熱室の後側に配置された電気部品等が結露水で濡れることを防止できる。
また、1実施の形態の蒸気調理器では、
上記吹出方向変更部材は、上記チャンバの外側に位置し、かつ、上記排気口に面する部分を有している。
また、この発明の蒸気調理器は、
本体ケーシングと、
上記本体ケーシング内に配置され、蒸気を発生する蒸気発生装置と、
上記本体ケーシング内に配置され、上記蒸気発生装置から供給される蒸気によって被加熱物を加熱するための加熱室と、
上記本体ケーシングの後面内側に接続されると共に、上記加熱室からの蒸気を上記本体ケーシング外に排出する蒸気排出装置と
を備えて、
上記本体ケーシングの後面には排気口が設けられており、
上記蒸気排出装置は、
後面に開口部を有すると共に、底面には上記加熱室からの蒸気が供給される供給口が設けられており、上記本体ケーシングの後面内側に、上記本体ケーシングの排気口の位置に上記開口部の位置を合わせてフランジで接続されたチャンバと、
上記加熱室からの蒸気を上記チャンバの供給口に導く排気流路と、
上記チャンバの後面における上記開口部の下側に設けられた上記フランジは上方に折りまげられており、
上記本体ケーシングの排気口と上記チャンバの開口部とを貫通して上記本体ケーシングの後面に取り付けられると共に、先端の位置が上記チャンバのフランジにおける内面よりも上記チャンバの内側に位置している筒体と
を含むことを特徴としている。
上記構成によれば、蒸気によって被加熱物を加熱している際に余剰蒸気が発生した場合や、蒸気による加熱調理が終了した場合に、上記加熱室内の蒸気が上記排気流路によって上記チャンバの供給口に導かれる。そして、上記チャンバの開口部を介して上記本体ケーシングの後面に設けられた排気口から排気される際に、上記チャンバの開口部近傍や上記筒体の先端部で生じた結露水は上記筒体の先端から滴下する。その際に、上記チャンバの後面における上記開口部の下側に設けられたフランジは上方に折りまげられており、上記筒体の先端は上記チャンバのフランジにおける内面よりも突出している。したがって、上記筒体の先端から滴下する凝縮水は上記チャンバ内に総て回収される。
上述の結果、上記チャンバの開口部近傍や上記筒体の先端部で生じた結露水は、上記チャンバと本体ケーシングとの接続箇所から漏れることがなく、上記加熱室の後側に配置された電気部品等が結露水で濡れることを防止できる。
以上より明らかなように、この発明の蒸気調理によれば、蒸気によって被加熱物を加熱している際に余剰蒸気が発生した場合や、蒸気による加熱調理が終了した場合に、加熱室からの排気すべき蒸気が供給されるチャンバは、本体ケーシングの排気口の位置に開口部の位置を合わせて取り付けられている。また、上記本体ケーシングの排気口とチャンバの開口部とを吹出方向変更部材が貫通し、吹出方向変更部材の先端の位置がチャンバの内面よりもチャンバの内側に位置している。したがって、上記チャンバの開口部を介して上記本体ケーシングの排気口から蒸気が排気される際に、上記チャンバの開口部近傍で生じた結露水を上記チャンバ内に総て回収することができる。
また、この発明の蒸気調理によれば、蒸気によって被加熱物を加熱している際に余剰蒸気が発生した場合や、蒸気による加熱調理が終了した場合に、加熱室からの排気すべき蒸気が供給されるチャンバは、開口部を後に向けて上記本体ケーシングの後面内側に取り付けられている。そして、上記チャンバの後面に設けられた上記開口部の下側のフランジは上方に折りまげられており、上記本体ケーシングの排気口と上記チャンバの開口部とを貫通すると共に、先端が上記チャンバのフランジにおける内面よりも突出して上記本体ケーシングの後面に取り付けられた筒体を設けている。したがって、上記チャンバの開口部を介して上記本体ケーシングの後面の排気口から蒸気が排気される際に、上記チャンバの開口部近傍や上記筒体の先端部で生じた結露水を上記チャンバ内に総て回収することができる。
すなわち、この発明によれば、上記チャンバの開口部近傍等で生じた結露水が、上記チャンバと本体ケーシングとの接続箇所から漏れることを防止して、上記加熱室の後側に配置された電気部品等が結露水で濡れることを防止できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態の蒸気調理器における外観斜視図である。本蒸気調理器1は、直方体形状の上記本体ケーシングとしてのキャビネット10の正面の上部に操作パネル11を設け、キャビネット10の正面における操作パネル11の下側には、下端側の辺を中心に回動する扉12を設けて概略構成されている。そして、扉12の上部にはハンドル13が設けられ、扉12には耐熱ガラス製の窓14が嵌め込まれている。
図2は、蒸気調理器1の扉12を開いた状態の外観斜視図である。キャビネット10内に、直方体形状の加熱室20が設けられている。加熱室20は、扉12に面する正面側に開口部20aを有し、加熱室20の側面,底面および天面がステンレス鋼板で形成されている。また、扉12は、加熱室20に面する側がステンレス鋼板で形成されている。加熱室20の周囲および扉12の内側に断熱材(図示せず)が載置されており、加熱室20内と外部とが断熱されている。
また、加熱室20の底面には、ステンレス製の受皿21が設置され、受皿21上には、被加熱物を載置するためのステンレス鋼線製のラック24(図3参照)が設置される。さらに、加熱室20の両側面下部には、略水平に延在する略長方形の側面蒸気吹出口22(図2では一方のみが見えている)が設けられている。
図3は、蒸気調理器1の基本構成を示す概略構成図である。図3に示すように、本蒸気調理器1は、加熱室20と、蒸気用の水を貯める水タンク30と、水タンク30から供給された水を蒸発させて蒸気を発生させる蒸気発生装置40と、蒸気発生装置40からの蒸気を加熱する蒸気昇温装置50と、蒸気発生装置40や蒸気昇温装置50等の動作を制御する制御装置80とを備えている。
加熱室20内に設置された受皿21上には格子状のラック24が載置され、そのラック24の略中央に被加熱物90が置かれる。
また、水タンク30の下側に設けられた接続部30aは、第1給水パイプ31の一端に設けられた漏斗形状の受入口31aに接続可能になっている。そして、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる第2給水パイプ32の端部にはポンプ35の吸込側が接続され、そのポンプ35の吐出側には第3給水パイプ33の一端が接続されている。さらに、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる水位センサ用パイプ38の上端には、水タンク用水位センサ36が配設されている。さらに、第1給水パイプ31から分岐して上方に延びる大気開放用パイプ37の上端には、後述する排気ダクト65に接続されている。
そして、第3給水パイプ33は、垂直に配置された部分から略水平に屈曲するL字形状をしており、第3給水パイプ33の他端には補助タンク39が接続されている。さらに、補助タンク39の下端には第4給水パイプ34の一端が接続され、その第4給水パイプ34の他端には蒸気発生装置40の下端が接続されている。また、蒸気発生装置40における第4給水パイプ34の接続点よりも下側には、上記排水バルブ70の一端が接続されている。そして、排水バルブ70の他端には排水パイプ71の一端が接続され、排水パイプ71の他端には排水タンク72が接続されている。尚、補助タンク39の上部は、大気開放用パイプ37と排気ダクト65を介して大気に連通されている。
水タンク30が第1給水パイプ31の受入口31aに接続されると、水タンク30内の水は、水タンク30と同水位になるまで大気開放用パイプ37内に上昇する。その際に、水タンク用水位センサ36につながる水位センサ用パイプ38は先端が密閉されているため水位は上がらないが、水タンク30の水位に応じて水位センサ用パイプ38の密閉された空間の圧力は大気圧から上昇する。この圧力変化を、水タンク用水位センサ36内の圧力検出素子(図示せず)で検出することによって、水タンク30内の水位が検出されるようになっている。ポンプ35が静止中である際の水位測定では、大気開放用パイプ37は不要であるが、ポンプ35の吸引圧力が直接上記圧力検出素子に働いて水タンク30の水位検出の精度が低下するのを防止するために、開放端を有する大気開放用パイプ37を設けている。
また、蒸気発生装置40は、下側に第4給水パイプ34の他端が接続されたポット41と、ポット41内の底面近傍に配置された蒸気発生ヒータ42と、ポット41内の蒸気発生ヒータ42の上側近傍に配置された水位センサ43と、ポット41の上側に取り付けられた蒸気吸引エジェクタ44とを有している。また、加熱室20の側面上部に設けられた吸込口25の外側には、ファンケーシング26を配置している。そして、ファンケーシング26に設置された送風ファン28によって、加熱室20内の蒸気は、吸込口25から吸い込まれて、第1パイプ61および第2パイプ62を介して蒸気発生装置40の蒸気吸引エジェクタ44の入口側に送り込まれる。第1パイプ61は、略水平に配置されており、一端がファンケーシング26に接続されている。また、第2パイプ62は、略垂直に配置されており、一端が第1パイプ61の他端に接続される一方、他端が蒸気吸引エジェクタ44のインナーノズル45の入口側に接続されている。
蒸気吸引エジェクタ44は、インナーノズル45の外側を包み込むアウターノズル46を備えており、インナーノズル45の吐出側がポット41の内部空間と連通するようになっている。そして、蒸気吸引エジェクタ44のアウターノズル46の吐出側には第3パイプ63の一端が接続され、その第3パイプ63の他端には蒸気昇温装置50が接続されている。
ファンケーシング26,第1パイプ61,第2パイプ62,蒸気吸引エジェクタ44,第3パイプ63および蒸気昇温装置50で外部循環路60を形成している。また、加熱室20の側面の下側に設けられた放出口27には放出通路64の一端が接続され、放出通路64の他端には排気ダクト65の一端が接続されている。さらに、排気ダクト65の他端には排気口66が設けられている。蒸気放出通路64の排気ダクト65側には、ラジエータ69が外嵌して取り付けられている。そして、外部循環路60を形成する第1パイプ61,第2パイプ62との接続部には、上記排気通路67を介して排気ダクト65が接続されている。さらに、排気通路67における第1,第2パイプ61,62の接続側には、排気通路67を開閉するダンパ68が配置されている。
また、蒸気昇温装置50は、加熱室20の天井側であって且つ略中央に、開口を下側にして配置された皿型ケース51と、この皿型ケース51内に配置された第1蒸気加熱ヒータ52と、皿型ケース51内に配置された第2蒸気加熱ヒータ53とを有している。皿型ケース51の底面は、加熱室20の天井面に設けられた金属製の天井パネル54で形成されている。天井パネル54には、複数の天井蒸気吹出口55が形成されている。ここで、天井パネル54は、上下両面が塗装等によって暗色に仕上げられている。尚、使用を重ねることにより暗色に変色する金属素材や暗色のセラミック成型品によって、天井パネル54を形成してもよい。
さらに、蒸気昇温装置50は、加熱室20の上部に、左右両側に向かって延在する上記過熱蒸気供給路としての蒸気供給通路23(図3においては一方のみが見えている)の一端が夫々接続されている。そして、蒸気供給通路23は加熱室20の両側面に沿って下方向かって延在しており、その他端には、加熱室20の両側面下側に設けられた側面蒸気吹出口22に接続されている。
次に、本蒸気調理器1の制御系について説明する。
制御装置80は、マイクロコンピュータおよび入出力回路等から構成され、図4に示すように、送風ファン28と、第1蒸気加熱ヒータ52と、第2蒸気加熱ヒータ53と、ダンパ68と、排水バルブ70と、蒸気発生ヒータ42と、操作パネル11と、水タンク用水位センサ36と、水位センサ43と、加熱室20(図3に示す)内の温度を検出する温度センサ81と、加熱室20内の湿度を検出する湿度センサ82と、ポンプ35とが、接続されている。そして、水タンク用水位センサ36,水位センサ43,温度センサ81および湿度センサ82からの検出信号に基づいて、送風ファン28, 第1蒸気加熱ヒータ52,第2蒸気加熱ヒータ53,ダンパ68,排水バルブ70,蒸気発生ヒータ42,操作パネル11およびポンプ35を所定のプログラムに従って制御する。
以下、上記構成を有する蒸気調理器1の動作について、図3および図4に従って説明する。操作パネル11の電源スイッチ(図示せず)が押圧されると電源がオンし、操作パネル11の操作によって加熱調理の運転が開始される。そうすると、先ず、制御装置80は、排水バルブ70を閉鎖し、ダンパ68によって排気通路67を閉じた状態でポンプ35の運転を開始する。そして、ポンプ35によって、水タンク30から蒸気発生装置40のポット41内に第1〜第4給水パイプ31〜34を介して給水される。その後、ポット41内の水位が所定水位に達したことを水位センサ43が検出すると、ポンプ35を停止して給水を止める。
次に、蒸気発生ヒータ42に通電し、ポット41内に溜まった所定量の水を蒸気発生ヒータ42によって加熱する。
そして、蒸気発生ヒータ42の通電と同時に、あるいは、ポット41内の水の温度が所定温度に達すると、送風ファン28をオンすると共に、蒸気昇温装置50の第1,第2蒸気加熱ヒータ52,53に通電する。そうすると、送風ファン28は、加熱室20内の空気(蒸気を含む)を吸込口25から吸い込み、外部循環路60に空気(蒸気を含む)を送り出す。その際に、送風ファン28に遠心ファンを用いているので、プロペラファンを用いる場合に比べて高圧を発生させることができる。さらに、送風ファン28に用いる遠心ファンを直流モータで高速回転させることによって、循環気流の流速を極めて速くすることができる。
次に、蒸気発生装置40のポット41内の水が沸騰すると飽和蒸気が発生し、発生した飽和蒸気は蒸気吸引エジェクタ44の箇所で外部循環路60を通る循環気流に合流する。そして、蒸気吸引エジェクタ44から出た蒸気は、第3パイプ63を介して高速で蒸気昇温装置50に流入する。
そして、蒸気昇温装置50に流入した蒸気は、第1,第2蒸気加熱ヒータ52,53によって加熱されて、略300℃(調理内容により異なる)の過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の天井パネル54に設けられた複数の天井蒸気吹出口55から加熱室20内の下方に向かって噴出される。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気昇温装置50の左右両側に設けられた蒸気供給通路23を介して、加熱室20の両側面の側面蒸気吹出口22から噴出される。
こうして、加熱室20の天井側から噴出した過熱蒸気が中央の被加熱物90側に向かって勢いよく供給されると共に、加熱室20の左右の側面側から噴出した過熱蒸気は、受皿21に衝突した後、被加熱物90の下方から被加熱物90を包むように上昇しながら供給される。その結果、加熱室20内において、中央部では吹き下ろし、その外側では上昇するという形の対流が生じる。そして、対流する蒸気は、順次吸込口25に吸い込まれて、外部循環路60を通って再び加熱室20内に戻るという循環を繰り返す。
このようにして、加熱室20内で過熱蒸気の対流を形成することにより、加熱室20内の温度・湿度分布を均一に維持しつつ、蒸気昇温装置50からの過熱蒸気を天井蒸気吹出口55と側面吹出口22とから噴出して、ラック24上に載置された被加熱物90に効率よく衝突させることが可能になる。こうして、過熱蒸気の衝突によって被加熱物90を加熱する。その場合、被加熱物90の表面に接触した過熱蒸気は、被加熱物90の表面で結露する際に潜熱を放出することによっても被加熱物90を加熱する。これにより、過熱蒸気の大量の熱を確実に且つ速やかに被加熱物90全面に均等に与えることができる。したがって、斑がなくて仕上がりのよい加熱調理を実現することができるのである。
また、加熱調理運転時において、時間が経過すると、加熱室20内の蒸気量が増加し、量的に余剰となった分の蒸気は、放出口27から放出通路64および排気ダクト65を介して排気口66から外部に放出される。その際に、放出通路64に設けたラジエータ69によって放出通路64を通過する蒸気を冷却して結露させることにより、外部に蒸気がそのまま放出されるのを防止している。尚、ラジエータ69によって放出通路64内で結露した水は、放出通路64内を流れ落ちて受皿21に導かれ、調理によって発生した水と共に調理終了後に処理される。
調理終了後、上記制御装置80によって操作パネル11に調理終了のメッセージが表示され、さらに操作パネル11に設けられたブザー(図示せず)によって合図の音を鳴らす。これらのメッセージやブザーによって調理終了を知った使用者が扉12を開けると、制御装置80は、センサ(図示せず)によって扉12が開いたことを検知して、排気通路67のダンパ68を瞬時に開く。そうすると、外部循環路60の第1パイプ61が排気通路67を介して排気ダクト65に連通し、加熱室20内の蒸気は、送風ファン28によって、吸込口25,第1パイプ61,排気通路67および排気ダクト65を介して排気口66から排出される。このダンパ動作は、調理中に使用者が扉12を開いても同様に機能する。したがって、使用者は、蒸気にさらされることなく、安全に被加熱物90を加熱室20内から取り出すことができるのである。
以下、放出口27,放出通路64,排気ダクト65および排気口66を含む蒸気排出装置の具体的構成および動作について詳細に説明する。図5は、本蒸気調理器1における上記蒸気排出装置の箇所を示す部分断面図である。
図5において、10aはキャビネット10を構成する天板であり、10bはキャビネット10を構成する後板である。天板10aの内面には上記チャンバとしての排気ダクト65の開口端がフランジ91によって取り付けられており、排気ダクト65の底板65aに設けられた供給口65bと加熱室20の放出口27とが放出通路64によって連通されている。さらに、上記天板10aにおける排気ダクト65の開口端内には、排気ダクト65をキャビネット10の外部に連通するための排気口66が設けられている。尚、上述したように、放出通路64にはラジエータ69が設けられているが、図5においては省略している。また、排気ダクト65には、外部循環路60の第1パイプ61に連通する排気通路67が接続されているが、図5においては省略している。
また、キャビネット10の天板10aにおける排気口66の箇所には、放出される蒸気の方向を前方に変更させるための吹出方向変更部材92を取り付けている。このように、最終的な蒸気の吹き出し方向を天板10aに対して垂直方向ではなく前方にすることによって、本蒸気調理器1の上方に棚等がある場合でも、その棚によって結露が生ずるのを防止できるのである。
上記構成において、上記加熱調理運転時に余剰となった蒸気は、加熱室20の放出口27から放出通路64を通って排気ダクト65内に導かれる。そして、吹出方向変更部材92によって放出方向が前方に変更されて、排気口66から前方に向かって放出されるのである。
その際に、排気ダクト65の開口端の内部にあるキャビネット10の天板10aや吹出方向変更部材92の天板10aへの挿入部において結露が生じ、生じた結露水は総て排気ダクト65内を底板65aに落下する。ところが、本実施の形態においては、排気ダクト65の底板65aには供給口65bが設けられているだけである。したがって、底板65aに落下した結露水は、供給口65bから放出通路64内を流れ落ちて受皿21(図3参照)に導かれ、調理によって発生した水と共に調理終了後に処理されるのである。
尚、上記実施の形態においては、上記加熱調理運転時において、余剰となった蒸気が放出される場合を例に説明している。しかしながら、使用者が扉12を開いて排気通路67のダンパ68が開いた場合も同様にして、吸込口25,第1パイプ61および排気通路67を介して排気ダクト65に供給された蒸気は、吹出方向変更部材92によって吹出方向が前方に変更されて、排気口66から前方に向かって吹き出される。その場合にも、結露水は排気ダクト65の外に漏れることが無い。
以上のごとく、本実施の形態においては、上記排気ダクト65を、その開口端を上に向けて、キャビネット10の天板10aの内面に、フランジ91によって取り付けている。したがって、排気ダクト65の開口端近傍で生じた結露水は、総て排気ダクト65内に回収することができ、放出通路64を介して受皿21に導くことができる。
したがって、放出蒸気が結露して生じた水は、排気ダクト65とキャビネット10との接続箇所からキャビネット10内に漏れることがなく、加熱室20の後側に配置された電気部品等が結露水で濡れることを確実に防止することができるのである。
・第2実施の形態
上記第1実施の形態においては、排気ダクト65をキャビネット10の外部に連通するための排気口66を天板10aに設けている。しかしながら、本蒸気調理器1の設置環境によっては、排気口66を天板10aに設けることができない場合がある。そこで、本実施の形態においては、排気口66をキャビネット10の後板10bに設けた蒸気排出装置について説明する。
図6は、本実施の形態における蒸気排出装置を示す部分断面図である。図6において、第1実施の形態における図5と同じ部材には同じ番号を付して説明は省略する。
本実施の形態においては、キャビネット10における後板10bの内面に排気ダクト95の開口端がフランジ96,97によって取り付けられており、排気ダクト95の底板95aに設けられた供給口95bと加熱室20の放出口27とが放出通路64によって連通されている。さらに、後板10bにおける排気ダクト5の開口端内には、排気ダクト5をキャビネット10の外部に連通するための筒体98がフランジ99によって取り付けられている。そして、筒体98における反フランジ98側の先端98aは、排気ダクト95のフランジ96,97の内面よりも内側に突出している。
また、排気ダクト95のフランジ96,97のうち、上側に位置するフランジ96は排気ダクト95の外側(上側)に延在して設けられている。これに対して、下側に位置するフランジ97は排気ダクト95の内側(上側)に延在して設けられ、先端が筒体98の側面に当接している。このように、排気ダクト95の底板95aに設けられるフランジ97を排気ダクト95の内側(上側)に延在させることによって、排気ダクト95の底板95aに落下した結露水がフランジ97と後板10bとの隙間からキャビネット10内に漏れないようにするのである。
上記構成において、上記加熱調理運転時に余剰となった蒸気は、加熱室20の放出口27から放出通路64を通って排気ダクト95内に導かれる。そして、キャビネット10の後板10bに取り付けられた筒体98から本蒸気調理器1の後方に向かって排気される。
その際に、排気ダクト95の天板95cにおける後板10bへの取付箇所や筒体98の入り口等で結露が生ずる。こうして生じた結露水は、筒体98の反フランジ98側の先端98aから落下する。ここで、筒体98の先端98aは排気ダクト95のフランジ96,97の内面よりも内側に突出している。そのために、落下した結露水は、総て排気ダクト95内を底板95aに落下する。しかも、本実施の形態においては、排気ダクト95の下側のフランジ97は排気ダクト95の内側(上側)に折り曲げて設けられ、先端が筒体98の側面に当接している。したがって、底板5aに落下した結露水は、排気ダクト95の外に漏れることが無く、供給口95bから放出通路64内を流れ落ちて受皿21(図3参照)に導かれ、調理によって発生した水と共に調理終了後に処理されるのである。
尚、上記実施の形態においては、上記加熱調理運転時において、余剰となった蒸気が放出される場合を例に説明している。しかしながら、使用者が扉12を開いて排気通路67のダンパ68が開いた場合も同様にして、筒体98から本蒸気調理器1の後方に向かって排気される。その場合にも、結露水は排気ダクト95の外に漏れることが無い。
以上のごとく、本実施の形態においては、排気ダクト95の開口端を横に設け、その開口端を後板10bの内面にフランジ96,97によって取り付けて、後板10bにおける排気ダクト5の開口端内には筒体98を取り付けている。そして、筒体98の先端98aを排気ダクト95のフランジ96,97の内面よりも内側に突出させると共に、排気ダクト95の底板95aに設けられるフランジ97を排気ダクト95の内側(上側)に延在させている。したがって、排気ダクト95の開口端近傍や筒体98の入り口等で生じた結露水を、総て排気ダクト95内に回収することができ、放出通路64を介して受皿21に導くことができる。
したがって、放出蒸気が結露して生じた水は、排気ダクト95とキャビネット10との接続箇所からキャビネット10内に漏れることがなく、加熱室20の後側に配置された電気部品等が結露水で濡れることを確実に防止することができるのである。
尚、本実施の形態においては、排気ダクト95の下側のフランジ97の先端を筒体98の側面に当接させている。しかしながら、必ずしもその必要はなく、フランジ97と後板10bとの隙間からキャビネット10内に結露水が漏れない高さであれば良いのである。
この発明の蒸気調理器における外観斜視図である。 図1に示す蒸気調理器の扉を開いた状態の外観斜視図である。 図1に示す蒸気調理器の概略構成図である。 図1に示す蒸気調理器の制御ブロック図である。 蒸気排出装置の断面図である。 図5とは異なる蒸気排出装置の断面図である。 従来の蒸気排出装置の断面図である。 図7に示す蒸気排出装置を外から見た斜視図である。
1…蒸気調理器、
10…キャビネット、
10a…キャビネットの天板、
10b…キャビネットの後板、
11…操作パネル、
20…加熱室、
23…蒸気供給通路、
27…加熱室の放出口、
30…水タンク、
35…ポンプ、
40…蒸気発生装置、
44…蒸気吸引エジェクタ、
50…蒸気昇温装置、
51…皿型ケース、
54…天井パネル、
64…放出通路、
65,95…排気ダクト、
65a,95a…排気ダクトの底板、
65b,95b…排気ダクトの供給口、
66…排気口、
80…制御装置、
92…吹出方向変更部材、
96,97…排気ダクトのフランジ、
98…筒体、
98a…筒体の先端。

Claims (3)

  1. 本体ケーシングと、
    上記本体ケーシング内に配置され、蒸気を発生する蒸気発生装置と、
    上記本体ケーシング内に配置され、上記蒸気発生装置から供給される蒸気によって被加熱物を加熱するための加熱室と、
    上記本体ケーシングの内側に接続されると共に、上記加熱室からの蒸気を上記本体ケーシング外に排出する蒸気排出装置と
    を備えて、
    上記本体ケーシングには排気口が設けられており、
    上記蒸気排出装置は、
    開口部を有すると共に、上記本体ケーシングの排気口の位置に上記開口部の位置を合わせて接続されたチャンバと、
    上記加熱室からの蒸気を上記チャンバの供給口に導く排気流路と、
    上記本体ケーシングの排気口と上記チャンバの開口部とを貫通して上記本体ケーシングに取り付けられると共に、先端の位置が上記本体ケーシングと上記チャンバとの接続箇所よりも上記チャンバの内側に位置している吹出方向変更部材
    を含むことを特徴とする蒸気調理器。
  2. 請求項1に記載の蒸気調理器において、
    上記吹出方向変更部材は、上記チャンバの外側に位置し、かつ、上記排気口に面する部分を有していることを特徴とする蒸気調理器。
  3. 本体ケーシングと、
    上記本体ケーシング内に配置され、蒸気を発生する蒸気発生装置と、
    上記本体ケーシング内に配置され、上記蒸気発生装置から供給される蒸気によって被加熱物を加熱するための加熱室と、
    上記本体ケーシングの後面内側に接続されると共に、上記加熱室からの蒸気を上記本体ケーシング外に排出する蒸気排出装置と
    を備えて、
    上記本体ケーシングの後面には排気口が設けられており、
    上記蒸気排出装置は、
    後面に開口部を有すると共に、底面には上記加熱室からの蒸気が供給される供給口が設けられており、上記本体ケーシングの後面内側に、上記本体ケーシングの排気口の位置に上記開口部の位置を合わせてフランジで接続されたチャンバと、
    上記加熱室からの蒸気を上記チャンバの供給口に導く排気流路と、
    上記チャンバの後面における上記開口部の下側に設けられた上記フランジは上方に折りまげられており、
    上記本体ケーシングの排気口と上記チャンバの開口部とを貫通して上記本体ケーシングの後面に取り付けられると共に、先端の位置が上記チャンバのフランジにおける内面よりも上記チャンバの内側に位置している筒体と
    を含むことを特徴とする蒸気調理器。
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