JP4545178B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

ゴルフクラブヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP4545178B2
JP4545178B2 JP2007195210A JP2007195210A JP4545178B2 JP 4545178 B2 JP4545178 B2 JP 4545178B2 JP 2007195210 A JP2007195210 A JP 2007195210A JP 2007195210 A JP2007195210 A JP 2007195210A JP 4545178 B2 JP4545178 B2 JP 4545178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
club head
groove
golf club
layer
face
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007195210A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008006296A (ja
Inventor
ジェイ ギルバート ピーター
エル ポイナー レイモンド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Acushnet Co
Original Assignee
Acushnet Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US11/475,920 external-priority patent/US7846039B2/en
Application filed by Acushnet Co filed Critical Acushnet Co
Publication of JP2008006296A publication Critical patent/JP2008006296A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4545178B2 publication Critical patent/JP4545178B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ゴルフクラブに関する。特に、本発明は、改良型打撃面(打撃フェース)を備えたゴルフクラブヘッドに関する。
なお、本願は、2004年7月30日に出願され、現在係属中の米国特許出願第10/902,064号の一部継続出願であり、この米国特許出願は、2003年12月12日に出願された米国仮特許出願第60/528,708号の権益主張出願である。本願は、2003年8月13日に出願され、現在係属中の米国特許出願第10/639,632号の一部継続出願でもある。これら特許文献の各々を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
ゴルフクラブヘッドは、多種多様な形態及び作り、例えば、ウッドタイプ又はメタルタイプ、アイアンタイプ(ウェッジタイプのクラブヘッドを含む)、ユーティリティタイプ、ハイブリッドタイプ、特別仕様タイプ及びパタータイプのスタイルで売られている。これらスタイルは各々、規定された機能及び構造を有している。
アイアンタイプ及びユーティリティタイプのゴルフクラブヘッドは一般に、前側フェース又は打撃フェース、トップライン及びソールを有する。前側フェースは、ゴルフボールとインタフェースを取り、これを打つ。複数の溝(「スコアライン」と呼ばれる場合がある)が、スピンをボールに与えるのを助けるためにフェースに設けられる。トップラインは一般に、特定の見た目をゴルファーに与えると共に打撃フェースのための構造的剛性をもたらすよう構成されている。フェースの一部は、部分的にスコアラインの広がりを越えて延びる異なるタイプの表面処理が施された領域を有する場合がある。クラブヘッドの中には、トップラインに施された表面処理ラップ(wrap)を有するものがある。ゴルフクラブのソールは、ゴルフのショットにとって特に重要である。というのは、これはゴルフショット中、地面に接触してこれとインタフェースを取るからである。
従来のアイアンタイプゴルフクラブ一式では、各クラブは、クラブヘッドが一端部に取り付けられ、グリップが他端部に取り付けられたシャフトを有する。クラブヘッドは、ゴルフボールを打つフェースを有する。フェースと鉛直面とのなす角度は、ロフトアングルと呼ばれている。
米国ゴルフ協会(USGA)は、米国におけるゴルフを管理するゴルフ規則を公表し継続している。USGA規則の補遺IIは、ゴルフクラブについて幾つかの制約を課している。例えば、溝の幅は、0.035インチ(0.889mm)を超えることができず、溝の深さは、0.020インチ(0.508mm)を超えることができず、インパクトが行われるようになった領域内の表面粗さは、化粧サンドブラスチング又は精密フライス加工の表面粗さを超えてはならない。米国以外のゴルフのルールの管理機関であるセントアンドリュースのロイヤル・アンド・エンシェント(R&A)ゴルフクラブが、ゴルフクラブの設計に同様な制約を課している。
ゴルフクラブ一式(以下単に「セット」という場合がある)は、一般に、2番〜9番と表示されたアイアン及びピッチングウェッジを含む。他のウェッジ、例えばロブウェッジ、ギャップウェッジ、及びサンドウェッジは、セットに任意的に含まれる場合がある。ハイブリッドクラブとも呼ばれるユーティリティアイアンは、ロングアイアン、例えば2番アイアン又は3番アイアンのうちの1つ又は2つ以上に取って代わる場合があるが、このようにするかどうかは任意である。各アイアンは、各クラブヘッドについてのロフトがロングアイアンからショートアイアンまで増大するにつれてセット中の始めのものから終わりのものまで減少するシャフト長さを有するのが通例である。シャフトの長さは、クラブヘッドヘッドのロフト、慣性モーメント及び重心の位置と一緒になってインパクトの際における種々のパフォーマンス特性をボールの打ち上げ条件に与えると共にボールの飛ぶ距離を決定する。飛距離は、一般に、ロフトアングルの減少につれて増大する。しかしながら、使い方の難しさも又、ロフトアングルの減少につれて増す。
ゴルフクラブは、典型的には、ライアングル、ロフトアングル、フェースオフセット等について標準の値を持つ状態で製作されている。しかしながら、個々のゴルファーは、標準の値とは異なる寸法を有するクラブを必要とするのが通例である。これらクラブをカスタマイズするため、シャフトを挿入するクラブヘッドの受け口であるホーゼル部分は、典型的には、クラブヘッドの標準寸法を変化させるよう曲げられる。クラブに対する操作についてのこれらの必要性により、クラブヘッドを比較的軟質で展性のある材料で作ることが必要とされる。
使用中にゴルフクラブを打つクラブヘッドフェースには、一般に、溝が形成されている。これらの溝は、ゴルフボールをグリップしてこれにスピンをかける。このスピンがけにより、ゴルフボールディンプルの空力的効果が高められると共に空中におけるボールの飛行プロフィール及び着地後のボールの挙動をコントロールすることができる。通常、一般的使用により、溝を含むゴルフクラブフェースは、相当な摩耗を生じる。クラブヘッドフェースのこの摩耗又は侵食は、クラブヘッドのカスタマイゼーションに必要な軟質材料により異常に大きくなると共に促進され、その結果、溝の容積が減少し、溝のエッジが丸くなる。溝の設計は、適切なスピンがゴルフボールにかけられるようにする上で重要なので、溝の幾何学的形状の変化の結果として、性能が劣化する。
ボールにかけるスピンを増大させ又はフェースの耐摩耗性を向上させる従来の試みとしては、被膜をクラブフェースに加えることが挙げられる。これら被膜は、被膜が摩耗しても表面粗さを保持する。しかしながら、被膜は、フェース表面からの材料の摩耗を減少させることはない。被膜の中には、通常の使用により比較的迅速に摩耗する傾向のあるものがあり、後にはクラブヘッド材料がむき出し状態になる。いったんむき出しになると、クラブヘッドフェース材料は、摩耗し、性能が損なわれる。摩耗を減少させる他の試みとしては、クラブヘッド全体を耐摩耗性材料、例えばクロムメッキにより形成することが挙げられる。これらクラブは、フェースの摩耗に抵抗する観点では良好であるが、これらクラブヘッドは、クラブのカスタマイゼーションを効果的に阻止するという望ましくない効果を有する。というのは、耐摩耗性材料は、延性及び展性が非常に低い傾向があるからである。
本発明は、ゴルフクラブに関し、特に、改良型打撃面を有するゴルフクラブヘッドに関する。打撃面は、実質的に互いに異なる材料属性及び特性を備えた2種類の互いに異なる材料を含む。例えば、これら材料は、実質的に互いに異なる硬さのものであるのが良い。単一のクラブフェースにかかる様々な材料を導入することにより、ゴルフクラブ設計者は、結果的に得られるゴルフクラブの所望の特性に基づいて材料を選択する上での大きな自由度を得ることができる。しかしながら、かかる様々な且つ互いに異なる材料は、容易には互いに接合されない。例えば溶接は、オプションとはならない。
本発明は、爆発溶接により互いに異なる種類の材料を接合することによりこの問題を解決する。爆発溶接は、異種材料を表面の分子レベルにおける機械的インターロックにより接合することができる固相接合である。この方法では、爆発の理由により材料のうちの一方を極めて高い速度で他方の材料に向かって加速し、その結果、コンポーネント相互間に連続した表面接合部が得られる。爆発溶接により、追加のコンポーネント又は装置を用いないで異種材料を互いに接合することができる。
本発明のゴルフクラブヘッドの1つは、実質的に互いに異なる硬さを備えた2つの互いに異なる材料で作られた打撃フェースを有する。外側層は、クラブに良好な感触を与えるよう軟らかい。外側材料層には、複数のスロットが貫通して形成され、内側材料層は、これらスロットに対応して複数の突起を有する。結合されると、突起は、スロットを貫通してゴルフクラブの滑らかなボールインパクト面を作る。溝が、突起に形成され、かくして、内側層の材料にのみ形成される。内側層は、溝が向上した耐摩耗性を示すよう硬質材料で作られる。かくして、ゴルフクラブの打撃フェースは、物理的及び機械的性質が実質的に互いに異なる複数種類の材料を含む。したがって、打撃フェースは、漸変した耐摩耗性を有することができ、溝内及び溝の周りの耐摩耗性は、溝から遠い打撃フェースの他の部分のところの耐摩耗性よりも高い。変形例として、溝をこれら溝が異種材料相互間の接合部とオーバーラップするよう形成されていても良い。
本発明の別のゴルフクラブヘッドには、クラブフェースを形成する層にはスロット又は突起は形成されない。フェースは、クラブヘッド本体に取り付けられたインサートの形態で設けられるのが良い。軟質材料がクラブヘッド本体の材料と同一又はほぼ同一であるよう選択された場合、多材質フェースをフェース材料のうちのより軟質の材料を介してクラブヘッド本体に溶接することができる。この設計により、容易に調節可能であり且つカスタマイズ可能な本体を有するクラブヘッドが得られると共にフェースの耐摩耗性が向上し且つ異種材料が互いに分離した状態にはならないようになる。
添付の図面を参照して本発明を説明するが、図中、同一の参照符号は、同一の要素を示している。
実施例の場合以外において又は別段の指定がなければ、数値による範囲、量、値及び百分率の全ては、「約」という用語が値、量、又は範囲に明記して併記されていない場合であっても、あたかも「約」という用語がその前に付けられているものとして読まれるのがよい。従って、相反する指定がなければ、以下の説明及び特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性に応じてばらつきのある近似値である。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に制限しようとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁の数に照らして且つ通常の丸め法を適用することにより解釈されるべきである。
本発明の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、任意特定の例において記載された数値は、できるだけ正確に報告されている。しかしながら、どのような数値であっても、必然的にこれらそれぞれの試験測定に見られる標準偏差に起因した或る程度の誤差を本来的に含む。さらに、変化する範囲の数値範囲が本明細書に記載されている場合、列記した値を含むこれら値の任意の組合せを使用できることが想定されている。
本発明は、改良型打撃面を備えたゴルフクラブヘッドに関する。図1は、本発明のゴルフクラブヘッド1を示している。ゴルフクラブヘッド1は、前面11、ソール13、トップライン14、ヒール15、トウ16、及びホーゼル17を備えた本体10を有する。溝12が形成された前面11の打撃フェース及びソール13は、本体10と一体であっても良く、或いは、これらは、本体10に結合された別々の本体、例えばインサートであっても良い。シャフト(図示せず)が、ホーゼル17内でクラブヘッド1に結合されている。クラブヘッド1を水平面上に配置したときの前面11と地面との間の角度は、ロフトアングルである。ゴルフショットの垂直高さは、主として、ロフトアングルで決まる。ホーゼル17の軸線とソール13の長手方向軸線との間の角度は、ライアングルである。ホーゼル17の軸線とクラブヘッド1の中心軸線との間の水平距離(もしあれば)は、クラブオフセットである。クラブヘッド1は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドとして示されているが、本発明は、ユーティリティタイプのゴルフクラブヘッド又はウッドタイプのクラブヘッド2も利用できる。
図2は、溝12に沿うクラブヘッド1の断面図である。溝12は、打撃フェース11の表面に機械加工により形成され、それにより、抜け勾配(ドラフト角度)を減少させることができる。溝12は、クラブヘッド1のトウ端部からクラブヘッド1のヒール端部まで延びている。溝12は、クラブヘッド1のトウ部分とヒール部分との両方のところで浅く、中央領域において深い。溝12は、打撃フェース11の表面に沿って測定した第1の距離d1及び溝の最も深い部分に沿って測定した第2の距離d2を有し、溝は、深さd3を有している。かくして、第1の距離d1は、全体距離であり、第2の距離d2は、最大深さ距離である。好ましくは、最大深さ距離d2に沿う溝深さは、実質的に一定である。一実施形態では、最大深さ距離d2は、全体距離d1よりも少なくとも0.25インチ(6.35mm)短い。溝の抜け勾配αは、0.5°〜12°、より好ましくは約4°〜6°、最も好ましくは5°である。
溝12は、クラブヘッド1のトウ部分及びヒール部分のところにアールが付けられ、フェース11の幾何学的中心のところでは約0.02インチ(0.508mm)の深さである。溝12は、機械加工により打撃フェース表面11に形成されている。クラブヘッド1は、金型内に保持され、この金型は、好ましくは、クラブヘッド1を損傷させないほど軟らかいが、ゴルフクラブヘッド1をしっかりと保持するのに十分弾性である材料で作られ、カッタ、好ましくは丸形カッタ又はソーカッタが、溝12を形成するために用いられる。好ましいカッタの直径は、3/8インチ(9.525mm)〜3/4インチ(19.05mm)である。溝の半径の好ましい範囲は、0.125インチ(3.175mm)〜5インチ(76.2mm)であり、0.25インチ〜2.5インチ(6.35mm)がより好ましい。溝12に丸みを付けることにより、土、草、砂、及び典型的には通常の使用中にゴルフクラブの溝内に埋め込まれるようになる他の物質の除去は、これら物質を捕捉する場合のあるコーナ部が無いので容易である。図3は、溝12を備えたカッタ20を示す好ましい溝切断設備を示している。
抜け勾配を減少させることに加えて溝12を機械加工により形成することにより、生産速度が向上すると共に鋳造又は鍛造よりも厳しい公差が得られる。生産速度は、所要の製造ステップの数の減少により増大する。公知の溝形成方法により必要とされるようにツールをクラブフェースに挿入し、溝を機械加工し、そしてツールをクラブフェースから取り出すという3つの別々のステップを行うのではなく、本発明では、3つ全てを一ステップの状態に組み合わせることができる。これは、本発明に係るカッタの回転軸線が公知の方法の垂直軸線ではなく、フェースに平行なので可能である。本発明において可能な厳しい公差により、除去されるべき材料を少なくすることができ、しかも製造時間が短縮される。図4は、本発明の溝12と公知のゴルフクラブヘッドの典型的な溝22の比較を示している。溝12は、好ましくは、USGA限度である0.02インチの深さを有している。甘い公差に起因して、公知の溝22は、この限度を十分に下回って設計されていた。同様に、公知の製造方法では、大きな抜け勾配β、典型的には約16°が必要であった。溝12の抜け勾配αは、非常に小さく、溝の容積が増大している。
上述したように、ゴルフ当局は、溝12の幾何学的形状に制限を課している。本発明の溝12の機械加工により得られる公差の制御の向上により、実際の溝の幾何学的形状を従来達成可能であったレベルよりも限度に一層近づけることができる。かくして、本発明の溝12は、溝の容積を最大にし、使用中における溝の性能を高める。本発明の改良型溝では、溝は、ボールを良好にグリップし、それにより、ゴルファーは、より強いスピンをボールにかけることができる。ボールの飛行中と飛行の次の時期、例えば、ゴルフグリーン上へのランディングと止まりの際の両方においてボールに対するゴルファーのコントロール性が高められる。また、本発明の溝12の結果として、ゴルフクラブヘッドは、見栄えが良くなり、しかも良好なボールコントロールを可能にする。
図5は、本発明の溝12と公知のゴルフクラブヘッドの典型的な溝22の比較を示している。公知の溝22は、極めて丸くなっている。しかしながら、本発明の溝12は、非常に急である。エッジが一段と特定され、深さが深く、寸法は、より首尾一貫していて且つ限度に近い。これら要因の全てにより、ゴルフクラブヘッド1は、ゴルフボールを良好にグリップし、ボールに対するユーザのコントロール性を高める。
本発明のクラブヘッド1のフェース11も又、追加のボールコントロール性をもたらすと共に性能を向上させるよう改良されている。打撃面11は、粗くされた表面模様(テキスチャ)を備えている。表面仕上げにおける一般的な粗さの尺度は、平均粗さRaである。Raは、算術平均(AA)及び中心線平均(CLA)とも呼ばれており、かかるRaは、山及び谷から中心線又は平均までの距離の尺度である。Raは、評価長さにわたる粗さプロフィール高さの絶対値の整数として計算される。
Figure 0004545178
フェース11は、機械加工により、好ましくは、計算機数値制御(CNC)ミルにより粗くされる。公知のゴルフクラブは、せいぜい40Raのフェース粗さを有する。溝の近くのフェース11の少なくとも一部分、より好ましくはフェース11全体が、これが40Raよりも大きな粗さを持つ実質的に一様な模様付き(テキスチャード)表面を有するように機械加工されている。好ましくは、粗さは、75Ra〜300Ra、より好ましくは100Ra〜200Ra、最も好ましくは120Ra〜180Raである。
模様付き打撃フェースを設けることにより、ゴルファーは、使用中、より強い摩擦をボールに及ぼすことができ、それにより、ゴルファーは、より強いスピンをボールにかけてボールのコントロールを高めることができる。従来、ゴルファーは、ゴルフグリーン上におけるボールの運動をコントロールするに足るほどのゴルフボールスピンを生じさせるのにフルスイングしなければならない。本発明のゴルフクラブヘッドでは、ゴルファーは、ゴルフボールスピンを「部分的な」ショット、即ち、ゴルファーがフルスイングをしない場合のショットで生じさせることができる。また、本発明の模様付き打撃面は又、ゴルフスイングに起因して生じる剪断力をゴルフボールの広い面積にわたって分散させる。これにより、被覆層の損傷が減少してゴルフボールの寿命が延びる。
ゴルフクラブヘッド1は、好ましくは、軟質地金(ベースメタル)、例えば軟質炭素鋼で作られ、8620炭素鋼が、一例である。クロム仕上げを地金に施して地金の摩耗及び腐食を阻止するのが良い。クロム仕上げは、施される場合、好ましくは反射防止層を含む。クロム仕上げ層は、好ましくは、厚さが12マイクロインチ(0.3048mm)〜0.005マイクロインチ(0.000127mm)であり、80マイクロインチ(2.032mm)が、好ましい厚さである。変形例として、ニッケル仕上げを地金に施しても良い。ニッケル仕上げは、施される場合、好ましくは、厚さが500マイクロインチ(12.7mm)〜1000マイクロインチ(25.4mm)であり、800マイクロインチ(20.32mm)が、好ましい厚さである。
使用にあたり、本発明の溝12及び打撃フェース11は、特に悪条件において性能を向上させる。ゴルフクラブヘッド1により可能な高い摩擦により、「ウェット」条件又は「ラフ」条件の際において、従来可能であったレベルよりもしっかりとしたゴルフボールに対するグリップが可能である。本発明のクラブヘッドを試験し、以下の表1に示されているように、打たれたゴルフボールについて生じる1分当たりの回転数は、ドライなフルショットについて従来型クラブで生じた回転数と実質的に同一であったが、ハーフドライショット及びフルウェットショットとハーフウェットショットの両方において増大していた。「ドライ」ショットは、クラブフェース及びボール上に実質的に水分を含んでいない。「ウェット」ショットの場合、クラブフェース及び(又は)ゴルフボール表面には露に濡れ又は雨降り条件におけるラウンド中に行われるショットについて代表的である量の水を吹き付けた。60°のウェッジをこれら試験において用いた。表1は、標準型クラブ又は本発明のスピンフライス加工クラブで打撃した後のゴルフボールの毎分の回転数を示すと共に標準型溝と比べた場合のスピンフライス加工溝の利点を示している。
表1
ショット条件 標 準 スピンフライス加工
ドライ−フル 12250 12000
ドライ−ハーフ 6500 7750
ウェット−フル 8000 12000
ウェット−ハーフ 4000 8000
クラブヘッド1を製造する好ましい方法は、まず最初にクラブヘッド本体を製造するステップを含む。これは、鋳造、鍛造、又は任意他の製造方法により実施できる。次に、フェースを機械加工してこれが実質的に滑らかであって且つ平らであり、好ましくは、±0.002インチ(0.0508mm)内で平らであるようにする。これは、好ましくは、フェースをフライカッティングすることにより実施でき、このフライカッティングは、垂直フライス加工シャフトから突き出たアームの端部に固定された一本バイトによる切断である。平らなフェースを設けることにより、ゴルファーは、使用中、首尾一貫した結果を達成することができる。本体は、好ましくは、フェース平坦化プロセス中に入れ子にされる。即ち、本体をこれが実質的に動かないようにハウジング内に保持する。フェースを露出状態のままにしてこれを加工できるようにする。ハウジングがクラブヘッドを損傷しないようにハウジングにクッション材を入れ又はハウジングを違ったやり方で設計するのが良い。
所要のフェース平坦度がいったん達成されると、溝を形成し、表面を上述したように粗くする。表面を粗くする前に溝をスピンフライス加工することが望ましいが、これらステップの順序は、必須要件ではない。事実、これらステップを実質的に同時に又は少なくとも幾分かオーバーラップした状態で実施することが可能である。
スピンフライス加工された溝は、使用中、ゴルフボールに悪影響を及ぼす場合のある非常に鋭利なエッジを有する場合がある。かくして、溝をバリ取りして溝とフェースの接合部のところの鋭利なエッジを除去するのが良い。これにより、接合部のところにアールが作られ、アールは、好ましくは0.01インチ(0.254mm)未満である。このバリ取りは、種々の仕方で実施できる。接合部を例えばワイヤブラシ又はやすり、例えばカーバイドやすりでやすり仕上げするのが良い。やすり仕上げと関連して又は別の方法として、接合部をブラスチングによりバリ取りしても良い。これは、小さなビーズを高速で接合部のところに衝突させるステップを含むのが良い。既に40Raを超える粗さにされている場合のあるクラブヘッドのフェースを保護するため、フェースをマスキングするのが良い。マスキングは、物理的バリヤを溝に隣接してフェース上に配置して発射された粒子がフェースに衝突することができないようにするステップを含む。変形例として又はマスキングと関連して、ノズルを用いて発射物質を接合部にのみ正確に差し向けるためにノズルを用いるのが良い。
ゴルフクラブヘッドは、通常、ロフトアングル、ライアングル、オフセット、及び他の寸法について標準値を有する状態で製造されるが、個々のゴルファーは、自分に特有のスイングに合うようにクラブヘッドの改造を必要とする場合が多い。例えば、ゴルファーのスイングでは、その人のクラブが標準値よりも2度以上大きなライアングルことが必要な場合がある。個々のゴルファーにとって必要なクラブ寸法を得るため、クラブヘッド1は、標準寸法を変更することによりカスタマイズされる。これには、代表的には、クラブヘッド1を万力又はこれと同様な器具でロックし、ホーゼル17を曲げてロフトアングル、ライアングル、オフセット等について所望の値を得るようにする。この操作を容易にするため、クラブヘッド1は、第1の比較的軟質で且つ展性のある材料で作られる。
前面又は打撃フェース11は、通常の使用中、ゴルフボールに接触するために用いられる。打撃フェース11は、溝1を有し、これら溝は、ゴルフボールをグリップしてスピンをこれにかける。このスピンがけにより、ゴルフボールディンプルの空力的効果が高められると共に空中におけるボールの飛行プロフィール及び着地後のボールの挙動をコントロールすることができる。通常の使用中における打撃フェース11の接触の繰り返しにより、打撃フェース及び溝12が摩耗する。打撃フェース11の摩耗を遅らせると共に溝12の幾何学的形状が不変状態のままであるようにするのを助けるため、打撃フェース11は、耐摩耗性の第2の材料で作られる。材料が耐摩耗性である場合、その材料の延性は、低い傾向がある。延性は、本体10の構成材料にとって望ましいので、打撃フェース11は、好ましくは、本体10に結合されるインサートである。
第1の材料は、比較的軟質で延性のある材料であり、代表的には、ゴルフクラブを形成するために用いられる材料であるのが良い。アイアンタイプのゴルフクラブは、代表的には、炭素鋼又は比較的軟質のステンレス鋼で作られる。好ましい炭素鋼としては、1025、8620、及びS20Cが挙げられ、好ましいステンレス鋼としては、431、303、及び329が挙げられる。本体10をこれら材料のうちの1つで形成することにより、ユーザの個々のスイングにとって所要の寸法を得るようクラブヘッド1をカスタマイズできる。これら材料は、代表的には、通常の企画に従って試験した場合、約13%以上、好ましくは約15%〜約21%の伸び率を有する。
第2の材料は、耐摩耗性材料である。材料の耐摩耗性を分類して格付けする従来方法は、ASTM G65によってであり、このASTM G65は、「Standard Test Method for Measuring Abrasion Using the Dry Sand/Rubber Wheel Apparatus」という表題がついている。金属材料にとって比較的過酷な試験である手順Aは、好ましい手順である。この試験は、制御された1組の実験室条件下における重量の減少という観点で材料を特徴付ける。材料サンプルを指定された力の作用下でゴムホイールに当てて保持する。サンプルをホイールに圧接させている間、ホイールを指定された回転速度で回転させ、アグリゲート材料をホイールとサンプルの接触領域のところに指定された流量で導入する。指定された時間の経過後、サンプルを取り出し、測定して体積の減少分を求める。試験結果は、体積の減少を立方ミリメートルの単位で記録する。耐研磨性又は耐摩耗性の高い材料は、体積減少分が少ないであろう。かくして、耐摩耗性の値が低いことは、耐摩耗性が良好であるということになる。代表的な炭素鋼ゴルフクラブは、約80の耐摩耗性を有する。本発明の第2の材料は、好ましくは、40以下の耐摩耗性を有し、より好ましくは、35以下の耐摩耗性を有する。
本発明の開発中、数個のクラブにブラスト試験を行った。図6は、ブラスト試験構成を示している。クラブヘッド100をそのフェース102が実質的に鉛直な又は水平軸線AHに実質的に垂直な状態で位置決めして定位置に保持した。凝集材料を水平軸線AHに対して角度αをなして流路FPに沿ってフェース102に衝突させた。ミズーリ州ワシントン所在のクレムコ・インダストリーズ(Clemco Industries)社製のゼロ・モデル・パルサー(Zero model Pulsar)IIIブラストキャビネットを試験に用いた。この機械を1/4インチ(6.35mm)ノズルを用いる標準動作手順に従って1時間当たり3.12立方フィート(0.088296m3)の凝集体(aggregate)供給速度で動作させた。シリカガラスビーズを凝集体として用い、ブラスト圧力は、60psiであった。ブラスト角度アルファ波、20°であり、フェース102に対して70°の衝突角度をなしていた。ブラスト試験の持続時間は、40分間であった。ブラスチング前及びブラスチング後における溝の幅を測定した。
試験した第1のクラブは、仕上げが未処理状態のボッキー(Vokey)ウェッジであった。ボッキーウェッジは、保護クロム仕上げ無しの状態で8620炭素鋼から作られている。例示目的で、ボッキーウェッジに関するブラスト前及びブラスト後における溝プロフィールを示す図が提供されている。図7は、ブラスト試験前におけるボッキーウェッジの溝50の側面図である。画像は、80倍に拡大されている。溝50は、一様な寸法を有し、全体としてU字形である。クラブフェースの平面に相当する線Fは、例示目的で示されている。溝50の幅は、0.045インチ(1.143mm)である。図8は、ブラスト試験後におけるボッキーウェッジの溝50の側面図である。溝50は、特に溝とフェースの移行部のところでかなり拡大されており、この移行部は、使用中、ゴルフボールに接触してこれをグリップする溝の部分である。溝50のブラスト後の幅は、0.082インチ(2.083mm)であり、82.2%増大している。
試験した第2のクラブは、クロムメッキが施されたボッキーウェッジであった。このクラブは、ブラスト前溝幅が、0.051インチ(1.295mm)であり、ブラスト後溝幅が、0.076インチ(1.930mm)であり、49.0%の変化が生じていた。
試験した第3のクラブは、ピング(Ping)ウェッジであった。ピングウェッジは、代表的な17−4PHステンレス鋼で作られている。このクラブは、ブラスト前溝幅が、0.049インチ(1.245mm)であり、ブラスト後の溝幅は、0.072インチ(1.829mm)であり、56.9%変化していた。
試験した最後のクラブは、本発明のウェッジであった。このクラブは、ブラスト前溝幅が、0.030インチ(0.762mm)であり、ブラスト後の溝幅は、0.036インチ(0.914mm)であり、20.0%の変化が生じていた。
これら試験結果は、以下の表2にまとめられている。
表2
ク ラ ブ ブラスト前幅 ブラスト後幅 パーセント変化
(インチ) (インチ)
ボッキーウェッジ−未処理の仕上げ 0.045 0.082 82.2%
ボッキーウェッジ−クロム仕上げ 0.051 0.076 49.0%
ピングウェッジ 0.049 0.072 56.9%
本発明 0.030 0.036 20.0%
本発明のクラブヘッド1の溝12は、ブラスト試験時においては幅の変化が約40%以下である。より好ましくは、溝12は、ブラスト試験時における幅の変化は、約30%以下である。さらにより好ましくは、溝12は、ブラスト試験時における幅の変化は、約25%以下である。
本発明の開発中、耐摩耗性と材料の硬さとの相関関係を発見した。第2の材料に関する好ましい材料は、ノボトニー等(Novotny et al.)に付与された米国特許第5,370,750号明細書(以下単に「ノボトニー特許明細書」という場合がある)に開示されており、この特許文献を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。ノボトニー特許明細書は、硬さと耐腐食性の好ましい組合せを示す材料を開示している。ノボトニー特許明細書は、そのユニークな硬さ及び耐腐食性は、主として、炭素とクロムの制御された比率に起因して得られることを開示している。炭素は、高い硬さに寄与し、したがって、少なくとも約1.40%、より好ましくは少なくとも約1.50%の炭素が存在する。炭素が多すぎると、耐腐食性に悪影響が生じ、したがって、約1.75%以下、好ましくは約1.65%以下の炭素が存在する。最善の結果を得るために、材料は、約1.58%〜1.63の炭素を含む。少なくとも約13.5%、好ましくは少なくとも約15.5%のクロムが、耐腐食性のためになるように存在する。クロムが多すぎると、硬さに悪影響が生じると共に溶液処理温度が望ましくないほど狭い範囲に制約され、したがって、約18.0%以下、好ましくは約16.5%以下のクロムが存在する。好ましいフェース組成の概要が、表3に提供されており、この表3は、ノボトニー特許明細書の表1からコピーしたものである。
表3
元素 大まかな範囲(%) 好ましい範囲(%)
C 1.40−1.75 1.50−1.65
Mn 0.30−1.0 0.45−0.60
Si 最大0.80 0.30−0.45
P 最大0.020 最大0.020
S 最大0.015 最大0.015
Cr 13.5−18.0 15.5−16.5
Ni 0.15−0.65 0.25−0.45
Mo 0.40−1.50 0.75−0.90
V 最大1.0 0.40−0.50
N 0.02−0.08 0.04−0.06
合金の残部は、通常の不純物とは別に本質的には鉄である。
かくして、第2の材料は、好ましくは、約1.40%〜約1.75%の炭素及び約10.0%〜約18.0%のクロムを含む。より好ましくは、第2の材料は、約1.50%〜約1.65%の炭素及び約15.5%〜約16.5%のクロムを含む。
炭素及びクロムの組成は、比としても表現できる。ノボトニー特許明細書に関し、第2の材料は、好ましくは、百分率クロムと百分率炭素の比が、約10:1〜約11:1である。本明細書にて説明する百分率は全て、重量百分率である。
上述したように、耐摩耗性は、材料の硬さと相関関係がある。かくして、第1の材料と第2の材料を分類する別の手法は、これらの絶対硬さ及び相対硬さによるものである。第1の材料は、第2の材料よりも硬い。この関係は、必要とされるフェースの耐摩耗性をもたらす一方で、クラブヘッドをゴルファーの固有のスイングに適合させるようカスタマイズできる。この関係は、軟らかいフェース及び硬い本体を提供するフェースインサートを備えた大抵のクラブとは対照的である。
試験により、約40以上のロックウェルCスケール硬さを有する第2の材料が適度のフェース耐摩耗性をもたらすことが判定された。好ましくは、フェースインサート20は、約50〜約55のロックウェルCスケール硬さを有する。加工性を考慮に入れるため、第1の材料は、好ましくは、約30以下のロックウェルCスケール硬さを有する。
ソール13が通常の使用中、地面に当たるので、かかるソールも又、摩耗を生じる。クラブヘッド1は、好ましくは、第3の材料で構成されたソールインサートの形態をしたソール13を有するのが良い。第3の材料は、第1の材料よりも硬い。第3の材料は、第2の材料に関して上述したのとほぼ同じ耐摩耗性及び組成を備える。第3の材料は、第2の材料と実質的に同一であっても良く、或いは、これとは異なっていても良い。
本発明のゴルフクラブヘッド1のフェースを作るために用いられる材料は、互いに異なっていて、実質的に互いに異なる硬さを有するので、これら材料は、溶接によっては容易には互いに接合されない。異種金属を接合する公知の方法としては、接着、ろう付け、機械的締結、及び折り曲げが挙げられる。しかしながら、これらの方法では、追加の材料の存在が必要であると共に(或いは)結果的に2つの金属材料の間に一様な連結部は得られない。例えば、機械的締結具は、望ましくない嵩を追加し、材料をほんの僅かな数の場所でしか連結しない。圧着とも呼ばれる折り曲げでは、一方の材料の縁部を第2の材料の周囲上に変形させ、かくして、同様に、材料の縁部しか連結しない。さらに、機械的締結と折り曲げ両方では、制限された数の連結箇所全体について一様な連結圧力を保証するよう綿密な注意を払う必要がある。例えば、機械的締結具が注意深い仕方で噛み合っていない場合、かかる締結具のうちの第1のものは、かかる締結具のうちの第2のものよりも大きな連結圧力を及ぼす場合がある。この結果、結果的に得られるゴルフクラブの性能特性が非一様になる場合がある。さらに、第3の連結材料、例えば接着剤を金属材料相互間に導入することによっても、結果的に得られる加工物の性能特性が変化する場合があり、しかも、時間の経過につれて破断する場合があり、その結果、非一様な性能及び(又は)壊滅的な破損が生じる場合がある。互いに異なる金属材料を取り付ける好ましい方法は、第3の材料の存在無しに、これら材料を互いに一様に結合することである。即ち、材料を接合されるべき金属材料相互間に中間材料を存在させないで互いに直接連結する。爆発溶接は、かかる方法である。「爆発溶接」は、異種材料を表面の分子レベルにおける機械的インターロックにより接合することができる固相接合である。爆発溶接による結合は、接着剤を介して達成可能な連結よりも強固である。縮尺通りではないが、図16は、異種材料相互間の例示の爆発溶接による連結部の一部分を示している。異種材料のそれぞれの2つの層200,201は、爆発溶接接合部202により互いに直接結合されている。当業者に知られている爆薬の巧妙な配置及び爆発により、2つの互いに異なる材料層200,201をこれらの合致面の全体に沿って永続的に接合し、かくして、2つの異種材料相互間に一様な連結接合部が形成される。爆発溶接により、材料を冷間加工法により互いに接合することができ、これら材料をこれらの結合前の特性を失わないで接合することができる。場合によっては、中間層、例えば銅又は銅合金で作られた層が、異種材料の層相互間に設けられる。かかる中間層は、金属が隣接の材料層へのより強い「食い込み」状態を得ることはできるように設けられる場合がある。
爆発溶接の作業は、異種材料のうちの一方をシートの形態で密度の高い動かない表面の上に配置することにより実施できる。異種材料のうちの第2の材料は、この場合も又、シートの形態で第1の材料上に配置される。次に、爆発溶接における当業者又は熟練工は、複数の爆薬を第2の材料シート上に巧妙に位置決めする。爆薬を所望の場所に位置決めした後、熟練工は、爆薬を制御された巧妙な仕方で爆発させ、第2の材料を第1の材料に向かって加速させてこれらシートを互いに永続的に接合する。熟練工は、用いられる爆薬のサイズ及び数、爆薬の位置決め、及び接合されるべき材料の特性に基づいたこれらの爆発の順序及び相対的タイミング、結果的に得られる二材質シートの使用意図、及び他の検討事項を決定する。いったん接合されると、材料は、種々の仕方で使用可能である。例えば、ブランクを二材質シートから切断し又は打ち抜くことができ、ブランクは、更に機械加工を受けて最終的にゴルフクラブヘッドのフェースになる。
図17は、互いに異なる種類の材料の2つの層、即ち、外側層70及び内側層80を示している。外側層70は、外側層70を貫通して延びる複数のスロット71を備えている。内側層80は、複数の突起81を有している。溝82が、例えば上述の機械加工法により各突起81に形成されている。外側層70と内側層80を整列させると、突起81は、スロット71につがい関係をなして対応する。図18に示すように、外側層70と内側層80を結合すると、外側層70の外面と突起81の外面は、協働して、ゴルフクラブヘッドの打撃フェース91を形成する。かくして、クラブヘッドの組立て状態のフェース90では、溝82は、内側層80の材料にのみ形成され、溝82はどの部分も外側層70の材料によっては構成されないことが分かる。同様に、溝82のすぐ周りの材料は、内側層80の材料によってのみ形成される。外側層70の材料は、溝82から遠くに位置する打撃フェース91の部分を形成する。
好ましくは、外側層70と内側層80の材料は、互いに異なっており、爆発溶接によって互いに直接的に結合され、したがって、他の材料又はコンポーネントが連結後形成するために用いられることがないようになっている。換言すると、外側層70と内側層80は、層70,80相互間に中間材料が介在しないで且つ追加の結合要素、例えば機械的締結具が用いられないで、互いに直接結合される。その結果、両方の材料がフェース90の外側のインパクト面91に存在する多材質フェース90が得られる。別の取り付け方法、例えば、接着剤又は圧着による方法も又、利用できる。
好ましい実施形態では、外側層70は、比較的軟質の材料で作られ、内側層80は、比較的硬質の材料で作られる。かくして、打撃フェース91の大部分は、軟質材料で作られるが、溝82及び溝82のすぐ周りの材料は、これよりも硬く、したがって、より高い摩耗性を備えている。かくして、打撃フェース91は、漸変耐摩耗性を有し、この場合、溝82内又はこれらの周りの耐摩耗性は、溝82から遠くに位置する打撃フェース91の他の部分のところの耐摩耗性よりも高い。かくして、使用にあたり、ゴルファーは、ゴルフボールを打つ際にソフトな感触を感じると共に更に、溝82内又はこれらの周りの耐摩耗性が向上しているという利点を実感し、ゴルファーは、従来達成可能であったレベルよりも一層首尾一貫し且つ長時間にわたって有利な結果を得ることができる。
好ましくは、層70,80の硬さは、実質的に互いに異なっている。爆発溶接による連結法を利用することにより、これら異種材料を合致面の全てではないにせよ大部分にわたって互いに連結することができる。外側層70の好ましい材料としては、8620ステンレス鋼、又は他のステンレス鋼、ベリリウム銅等が挙げられる。外側層70の追加の好ましい材料としては、粉末冶金ステンレス鋼、浸炭ステンレス鋼、時効硬化性ステンレス鋼、時効硬化性超合金、及び冷間加工ステンレス鋼が挙げられる。内側層80の好ましい材料としては、これらとほぼ同じ特性を示すマルエージング鋼又は合金が挙げられる。内側層80の追加の好ましい材料としては、低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼が挙げられる。別の特徴として、外側層70の材料は、好ましくは、硬さが約20ロックウェルCスケール硬さ(ロックウェルCスケール硬度約20)〜約100ロックウェルCスケール硬さ(ロックウェルCスケール硬度約100)であり、内側層80の材料は、好ましくは、硬さが約50ロックウェルBスケール硬さ〜約100ロックウェルBスケール硬さである。
外側層70についての好ましい材料は、以下の表4−1に記載され、内側層80についての好ましい材料は、以下の表4−2に記載されている。
表4−1
合金 合金タイプ 最終硬さ
8620 低合金鋼 89HRb
304L オーステナイト系 SSt 85HRb
15−15LC Ni強化オーステナイト系 SSt 89HRb
204Cu Cu含有Ni強化オーステナイト系 SSt 90HRb
ガル−タフ オーステナイト系 SSt 93HRb
(Gall-Tough)

表4−2
合金 合金タイプ 最終硬さ
ホウ酸塩処理 粉末冶金ホウ酸塩処理 24HRc
304L SSt オーステナイト系 SSt
パイロウェア 浸炭 SSt 60HRc表面
(Pyrowear)675 34HRcコア
440XH 粉末冶金マルテンサイト系 SSt 62HRc
440X Mod 粉末冶金マルテンサイト系 SSt 58HRc
カスタム475 時効硬化性 SSt 53HRc
完全焼入れ
カスタム465 時効硬化性 SSt 50HRc
完全焼入れ
カスタム465 時効硬化性 SSt 36HRc
過時効
サーモ−スパン 時効硬化性超合金 38HRc
(Thermo-Span)
ガル−タフ 冷間加工オーステナイト系 SSt 40HRc
(Gall-Tough)
別の設計では、外側層70は、内側層80よりも硬質の材料で作られる。この構成では、溝82の周りの打撃フェース91の領域は、溝82から遠くに位置するフェース91の部分よりも軟質である。したがって、溝82内又はこれらの周りの材料は、溝82から遠くに位置するフェース91の他の部分よりも迅速に摩耗する。
さらに別の設計では、層70,80は、溝82が形成される前に結合される。この実施形態では、層70,80を相互に係止させた後、硬い方の材料が溝82の一部分を形成し、軟らかい方の材料が溝82の別の部分を形成するようにして溝82を形成する。例えば、溝82を、内側層80の材料が溝82の上方部分を形成し、外側層70の材料が溝82の下方部分を形成するように形成しても良い。溝82を例えば上述したスピンフライス加工法により形成するのが良い。
図9は、本発明のゴルフクラブヘッド2の部分断面図である。このゴルフクラブヘッド2は、ハイブリッド又はユーティリティタイプのクラブヘッドとして示されている。クラブヘッド2は、図10に断面図で示されたフェース120を有している。フェース120は、爆発溶接により互いに結合された互いに種類の異なる材料で形成された外側層121と内側層122を有している。爆発溶接により、ボール打撃面を含む外側層121を頑丈な材料、例えばチタン合金で作ると共に内側層122をこれよりも軽量で展性のある材料、例えばステンレス鋼合金で作ることができる。溶接を介してクラブヘッド本体に接合される先行技術のチタンフェースでは、本体も又チタンで形成する必要があり、本体は、相当な程度までは曲げることができず、これについて所要のスイング重量まで研削することは、容易には達成できない。ステンレス鋼本体を変形させることによりステンレス鋼本体にチタンフェースを取り付けることも又、害をもたらし、即ち、通常、より頑丈なステンレス鋼が用いられると、その展性が制限され、フレーム付き/支持領域が大きすぎるので、所望の反発(はね返り)係数又は音響学的特性を達成することができない。内側層122は、フェース120をクラブヘッド10の残部に結合するために用いることができるタング(突出部)又は周辺部隆起部123を備えるのが良い。本体10が内側層122と同等な材料、例えば同一又は類似のステンレス鋼合金で作られている場合、フェース120を本体10に溶接することができる。かくして、内側層122は、タング/隆起部123を除き、外側層121がフェース120の大部分にわたって存在する唯一の材料であるように機械加工により除去できる。また、本体10をフェース120に結合するのに他の取り付け手段を用いても良い。
クラブヘッド本体10にステンレス鋼を用いることにより、製造業者又はプロゴルファーは、クラブヘッドの種々の特性、例えばライアングル及びロフトアングルを操作することができるだけでなくクラブヘッドの重量を減少させることができる。この軽量化により、1つ又は2つ以上の重り部材125を用いることができ、それにより、ゴルフクラブ設計者は、クラブヘッド及びその結果得られるゴルフクラブの或る特性を有利に向上させることができる。例えば、重量及び質量の節約並びに重り部材125を利用することにより、クラブヘッドの全体サイズを増大させ、スイートスポットを拡張し、慣性モーメントを大きくすると共に(或いは)クラブヘッドの重心の場所を最適化することができる。重り部材125を設けると、例えば、クラブヘッドの重心を下げると共に後方に動かすことができ、高いボールの軌道が得られる。また、重り部材125をクラブヘッドのトウ領域及びヒール領域内に配置することが可能であり、それにより、クラブの安定性及び寛容度が高くなる。
爆発溶接を利用することにより、クラブ設計者は、従来利用できる材料の種類よりも広範な材料を自由に用いることができる。これにより、クラブ設計者は、ゴルフクラブの感触及び機械的特徴を操作すると共に使用の際にクラブヘッドの所望の音響的応答を得るよう材料を選択することができる。クラブヘッドがゴルフボールを打った際に生じる音は、ゴルフクラブ、特に、中空(又はフォーム充填)領域を有するゴルフクラブ、例えばハイブリッド及びウッドタイプのクラブヘッドにとって重要な特徴である。
さらに、フェース層121,122のうちの一方として頑丈な材料を選択することにより、フェース120を一層薄く作ることができ、それにより、より多くの重量及び質量をクラブヘッド内のより所望の場所に自由に再配置することができる一方で、依然として、結果的に得られたゴルフクラブの通常の使用中に生じる力に対して適度の抵抗を示すことができる。薄いフェースを用いると、クラブヘッドの反発係数(COR)の増大が可能である。CORは、ゴルフクラブ、特にハイブリッド及びウッドタイプのゴルフクラブの重要な特性である。CORは、2つの衝突した物体、この場合、ゴルフクラブとゴルフボールとの間のエネルギーの伝達効率の尺度である。エネルギー伝達効率が増大すると、COR、初期急速、及びボール飛距離が増大する。薄いクラブフェースを用いることにより、クラブフェースの変形量が増大し、クラブヘッドのCOR及びボールに加えられる力も同様に増大する。
再び図10を参照すると、以下の表5は、外側層121の厚さの尺度である寸法a1、内側層122の取り付け領域における内側層の厚さである寸法b1、及び内側層122の中央領域における内側層の厚さである寸法b2(b1とは違う場合)に関する例示の値を提供している。例示のフェース120の各々を431ステンレス鋼で作られた本体10に取り付けた。

表5
外側層 内側層 a 1 (mm) b 1 (mm) b 2 (mm)
Ti6−4 SS431 2.5 2.5 −
Ti6−4 SS431 2.0 3.0 −
Ti6−4 SS431 2.0 2.5 1
Ti6−4 SS431 2.5 3 −
図11は、本発明のゴルフクラブヘッド3の断面図である。このゴルフクラブヘッド3は、上述のクラブヘッド2とほぼ同じであるが、外側層131が例えばクラブヘッド本体10を形成する材料とほぼ同じステンレス鋼合金で作られている点において異なっている。内側層132が設けられ、この内側層は、爆発溶接により外側層131に結合されている。内側層132は、打撃フェースの支持体となる背板又はバックプレートとして機能する。内側層132の好ましい材料は、チタン合金である。背板132を設けることにより、外側層131を非常に薄く(例えば、厚さ0.11インチ(2.794mm未満)に)することができ、又、二材質フェース(外側層131と内側層132の組合せ)の全体厚さを比較的薄く作ることができ、それにより、上述したように重量及び質量に関して顕著な利点が得られる。
図12は、本発明のゴルフクラブヘッド4の正面図であり、このゴルフクラブヘッドは、この図では、ウェッジの形態をしている。フェース140は、爆発溶接により軟質内側層142に結合された耐久性のある外側層141を有している。好ましくは、外側層141は、約30ロックウェルCスケール硬さ以上、より好ましくは、45ロックウェルCスケール硬さ以上の硬さを有し、内側層142は、約25ロックウェルCスケール硬さ以下の硬さを有している。耐久性のある外側層141は、溝12を含むインパクト面が耐摩耗性であるようにしている。耐久性材料で作られたインパクト面の後ろに軟質材料を設けることは、クラブが所望の感触及び音響応答を維持するようにするのを助ける。また、軟質内側層142により、クラブヘッド本体10を曲げ及び研削によってカスタマイズできる材料で作ることができる。
図13は、図12の13−13線に沿って取ったクラブヘッド4の部分断面図であり、フェース140を本体10に結合する一方法を示している。図示の実施形態では、外側層141の周囲は、内側層142の周囲までは延びておらず、その結果、フェース140を本体10に対して位置決めしたとき、隙間143が生じる。この隙間143は、フェース140の周囲を機械加工してフェース140の周縁部に沿って外側層140の材料を除去することにより生じさせることができる。内側層142及び本体10が相補する材料で作られているので、これらは、溶接により互いに結合できる。隙間143は、溶接ビードを収納できる容積部となる。追加的に又は代替的に、防振材料を隙間143内に配置しても良い。
外側層141の硬さの好ましい範囲は、約20ロックウェルCスケール硬さ〜約100ロックウェルCスケール硬さであり、内側層142の好ましい硬さ範囲は、約50ロックウェルBスケール硬さ〜約100ロックウェルBスケール硬さである。内側層142及び本体10の例示の好ましい材料としては、軟質炭素鋼(例えば、8620、1020、及び1030)及び軟質ステンレス鋼(例えば、410、303、及び304)が挙げられる。内側層142及び本体10を同種の材料又は互いに異なる(しかしながら、溶接可能な)材料で作ることができる。
図14は、図12の14−14線に沿って取ったクラブヘッド4の部分断面図であり、以下の表6は、外側層141の厚さである寸法A及び内側層142の厚さである寸法Bに関する例示の値を記載している。
表6
外側層 A(mm) 内側層 B(mm) 本体
Ti6-4,HRc40 1 SSt410,HRb80 2 SSt410
Ti6-4,HRc40 1 SSt303,HRb75 4 SSt410
Ti6-4,HRc40 2 CuNi,HRb50 2 SSt410
SSt1770,HRc45 2 SSt303,HRb75 2 SSt329
図15は、本発明のゴルフクラブヘッド5の部分断面図である。クラブヘッド5は、上述の他のクラブヘッドとほぼ同じであるが、フェース150の背後でクラブヘッド本体10内に形成されたポケット又は空所155を更に有している。ポケット155は、本体10の鋳造(又は他の製造方法)中に作ることができ、又は、本体10を形成した後に本体10を機械加工することにより形成できる。ポケット155は、空のままであっても良く、或いは、防振材料を本体10へのフェース150の結合前にポケット内に配置しても良い。例示の防振材料としては、ゴム、ウレタン、及び鉛が挙げられる。
本発明のゴルフクラブヘッドは、種々の方法に従って製造できる。例示の一方法は、上述したように爆発溶接による異種材料の結合を含む。結果的に得られた多材質シートから、フェースブランクを切断し又は打ち抜く。追加の機械加工ステップ、例えば、上述した隙間143の形成ステップをブランクに施すのが良い。次に、フェースを周知の仕方で形成された本体に、例えば軟質フェース材料を本体に溶接することにより結合するのが良い。いったん定位置に位置すると、次に、フェースを機械加工して溝を形成し、そして任意的に上述したように表面を粗くする。
上述したように、スピンをボールにかけるのを助けるために溝をフェースに設ける。理想的な条件下においては、打撃フェースとゴルフボールとの間には二次要素は存在しない。しかしながら、現実には、二次要素、例えば草、土、砂、及び水が使用中に存在している場合が多い。これら要素は、ボールをグリップしてこれにスピンをかける溝の性能に悪影響を及ぼす場合がある。これら悪影響を最小限に抑えるために、本発明は、草、土、砂、水及び他のデブリをインパクト箇所から良好に遠ざけることができる溝の幾何学的形状を提供する。これら溝の幾何学的形状は又、クラブヘッドとゴルフボールとの間のトラクションを大きくすることができる。
図19は、本発明のゴルフクラブヘッド6溝の幾何学的形状を示している。打撃フェースは、2組の溝を有する。第1の組をなす溝301は、伝統的な溝パターンで差し向けられた溝を有する。打撃フェースは、第2の組をなす溝302を更に有している。図19の図示の実施形態では、第2の組をなす溝302は、クラブヘッドのスイートスポット303、即ち、使用中、ゴルフボールに最も接触するようになった打撃フェースの部分を中心としている。溝302は、所期のインパクトの領域303周りに放射形パターンに配列され、それにより、デブリが逃げ出てインパクト領域303から遠ざかって除去される複数の角度にチャネルが形成されている。溝302の中心が一致したインパクト領域303は、例えば、動的ロフトの関数として、クラブヘッド6の前縁よりも約0.4〜0.8インチ(10.16〜20.32mm)上のところに位置するのが良い。
図20A〜図20Dは、本発明のゴルフクラブヘッドの第2の組をなす溝302の別の幾何学的形状を示している。図20Aは、渦流パターンに配置された複数の弧状溝を示している。図20Bは、実質的に同心状に配列された複数の弧状溝を示している。図20Bの溝は、同心ではなく、互いに平行に配列されていても良い。即ち、各溝は、他の溝と実質的に同一であって良く、同一の長さ及び曲率を有するが、上方又は下方に平行移動される。図20Cは、水平溝と垂直溝の両方を含むパターンを示している。図20Dは、水平溝と傾斜溝を含むパターンを示している。注目されるべきこととして、本明細書に記載した例示の溝幾何学的形状は、性質上例示に過ぎない。これらとは異なる向き及び異なる数の溝も又使用できる。同様に、溝302は、例示及び区別の目的で「第2の」組と呼ばれている。これら溝302を単独で又は標準的な組をなす溝301と関連して用いても良く、又、任意タイプのゴルフクラブに使用できる。クラブ設計者は、これら溝302について種々の幅及び深さを選択することができるが、一実施形態では、これらの溝302は、第1の組をなす溝301ほど深くはない。溝301,302を機械加工(例えば、フライス加工)、ケミカルミリング(化学的切削加工)、レーザエッチング、打ち抜き加工/鍛造圧延、ウォータエッチング、又は他の製造方法により形成できる。
本発明の好ましい実施形態を上述したが、これら実施形態は例示として与えられているに過ぎず、本発明を限定するものではないことは理解されるべきである。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、これら実施形態の形態及び細部における種々の変更例を想到できる。かくして、本発明は上述の例示の実施形態によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲の本発明の範囲及びこれらの均等範囲によってのみ定められるべきである。さらに、本発明の或る特定の利点を本明細書において説明したが、本発明の任意の特定の実施形態に従ってかかる利点を必ずしも全て達成できるとは限らないことは理解されるべきである。かくして、例えば、当業者であれば、本発明は、本明細書において教示され又は示唆された他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示された1つの利点又は利点の組合せを達成し又は最適化する仕方で具体化でき又は実施できることは認識されよう。加うるに、特定のタイプのゴルフクラブヘッド、例えばアイアンタイプのクラブヘッド又はハイブリッドタイプのクラブヘッドに関して或る特定の利点を上述したが、開示した利点は、かかる利点を説明するために例示目的で上記において用いたクラブヘッドの特定のタイプに依存することはない。
本発明のゴルフクラブヘッドを示す図である。 溝に沿う本発明のクラブヘッドの断面図である。 好ましい溝切断設備を示す図である。 図2の4−4線矢視に沿って見た図1のゴルフクラブヘッドの溝と公知の溝の比較図である。 図1のゴルフクラブの溝と公知の溝の比較図である。 ブラスト試験構成を示す図である。 ブラスト試験前に受ける公知のゴルフクラブの溝の側面図である。 ブラスト試験後における図7の溝を示す図である。 本発明のゴルフクラブヘッドの部分断面図である。 図9のゴルフクラブヘッドのフェースの断面図である。 本発明のゴルフクラブヘッドの断面図である。 本発明のゴルフクラブヘッドの正面図である。 図12の13−13線矢視部分断面図である。 図12の14−14線矢視部分断面図である。 本発明のゴルフクラブヘッドの部分断面図である。 例示の爆発溶接連結部の詳細図である。 協働してゴルフクラブヘッドの打撃フェースを形成するために用いられる互いに種類の異なる材料の2つの層の分解組立て図である。 図17の層で形成された組立て状態の打撃フェースを示す図である。 本発明のゴルフクラブヘッドの溝の幾何学的形状を示す図である。 A−Dは本発明のゴルフクラブヘッドの溝の幾何学的形状を示す図である。
符号の説明
1 ゴルフクラブヘッド
10 本体
11 前面
12 溝
13 ソール
14 トップライン
15 ヒール
16 トウ
17 ホーゼル
20 カッタ
22 溝
70 外側層
71 スロット
80 内側層
81 突起
82 溝
90 組立て状態のフェース
91 打撃フェース
120,140 フェース
131,141 外側層
132,142 内側層
143 隙間
155 ポケット

Claims (11)

  1. ゴルフクラブヘッドであって、
    第1の材料及び第2の材料を有する打撃フェースを有し、前記第1の材料と前記第2の材料とが実質的に互いに異なる硬さを有し、
    前記打撃フェースには溝が形成され、これらの溝は前記第2の材料にのみ形成され、前記第1の材料は、前記溝から遠い前記打撃フェースの部分を形成しており、
    前記第1の材料が第1の層に設けられ、前記第2の材料が第2の層に設けられ、
    複数のスロットが前記第1の層を貫通し、
    前記第2の層が前記スロットに対応する複数の突起を有し、前記溝が前記突起に形成されている、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記第1の層は、前記第1の層と前記第2の層との間の中間材料なしに、前記第2の層に直接連結されている、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記第1の層と前記第2の層が爆発溶接により互いに結合されている、請求項2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記第2の材料は、粉末冶金ステンレス鋼、浸炭ステンレス鋼、時効硬化性ステンレス鋼、時効硬化性超合金、及び、冷間加工ステンレス鋼から成る群から選択され、
    前記第1の材料は、低合金鋼、及び、オーステナイト系ステンレス鋼から成る群から選択される、
    請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記第2の材料がチタン合金であり、前記第1の材料がステンレス鋼合金である、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記第2の材料は、約20ロックウェルCスケール硬さから約100ロックウェルCスケール硬さの硬さ範囲を有し、
    前記第1の材料は、約50ロックウェルBスケール硬さから約100ロックウェルBスケール硬さの硬さ範囲を有する、
    請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記第2の材料は、約30ロックウェルCスケール硬さ以上の硬さを有し、
    前記第1の材料は、約25ロックウェルCスケール硬さ以下の硬さを有する、
    請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  8. 前記第1の層と前記第2の層が爆発溶接により互いに結合されている、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 本体を更に有し、
    前記打撃フェースは、前記本体に結合されたインサートである、
    請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  10. 溝が形成された打撃フェースを有するゴルフクラブヘッドであって、
    第1の材料及び第2の材料を有する打撃フェースを有し、前記第1の材料と前記第2の材料とが実質的に互いに異なる硬さを有し、
    前記打撃フェースには溝が形成され、これらの溝は前記第2の材料にのみ形成され、前記第1の材料は、前記溝から遠い前記打撃フェースの部分を形成しており、
    前記第1の材料が第1の層に設けられ、前記第2の材料が第2の層に設けられ、
    複数のスロットが前記第1の層を貫通し、
    前記第2の層が前記スロットに対応する複数の突起を有し、前記溝が前記突起に形成されており、
    前記打撃フェースが漸変耐摩耗性を有し、
    前記溝の耐摩耗性及び前記溝の周りの耐摩耗性は、前記溝から遠い前記打撃フェースの他の部分の耐摩耗性よりも高い、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  11. 前記打撃フェースが多材質フェースである、請求項10記載のゴルフクラブヘッド。
JP2007195210A 2006-06-28 2007-06-28 ゴルフクラブヘッド Expired - Fee Related JP4545178B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/475,920 US7846039B2 (en) 2003-08-13 2006-06-28 Golf club head

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008006296A JP2008006296A (ja) 2008-01-17
JP4545178B2 true JP4545178B2 (ja) 2010-09-15

Family

ID=39065003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007195210A Expired - Fee Related JP4545178B2 (ja) 2006-06-28 2007-06-28 ゴルフクラブヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4545178B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9174100B2 (en) 2012-06-22 2015-11-03 Bridgestone Sports Co., Ltd. Hollow golf club head and method of manufacturing the same

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4954912B2 (ja) * 2008-01-29 2012-06-20 グローブライド株式会社 ゴルフクラブ
JP5296461B2 (ja) * 2008-09-03 2013-09-25 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフクラブヘッド
US8083612B2 (en) * 2009-08-06 2011-12-27 Nike, Inc. Golf club head or other ball striking device having one or more face channels
JP4977219B2 (ja) 2010-02-17 2012-07-18 株式会社遠藤製作所 アイアンゴルフクラブとその製造方法
US8545343B2 (en) * 2011-10-07 2013-10-01 Nike, Inc. Golf club head or other ball striking device with slotted face mask
JP5101739B2 (ja) * 2012-01-20 2012-12-19 グローブライド株式会社 ゴルフクラブ

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2825022B2 (ja) * 1995-01-17 1998-11-18 株式会社遠藤製作所 ゴルフクラブ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9174100B2 (en) 2012-06-22 2015-11-03 Bridgestone Sports Co., Ltd. Hollow golf club head and method of manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008006296A (ja) 2008-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7846039B2 (en) Golf club head
US7594862B2 (en) Golf club head
USRE49326E1 (en) Golf club head
JP4545178B2 (ja) ゴルフクラブヘッド
US8858364B2 (en) Welded iron-type clubhead with thin high-cor face
US9522312B2 (en) Golf club groove configuration
US7153222B2 (en) Forged iron-type golf clubs
US8342981B2 (en) Golf club head having a grooved face
US7473187B2 (en) Spin milled grooves for a golf club
US7976406B2 (en) Golf club head having a grooved and textured face
US9403068B2 (en) Golf club head having a grooved and textured face
US8133133B2 (en) Forged iron-type golf clubs
US20090291774A1 (en) Golf club with vibration dampening pocket
US8128512B2 (en) Golf club groove configuration
JP2013255779A (ja) アイアン型式ゴルフクラブヘッド
US8240021B2 (en) Golf club groove configuration
US20050202900A1 (en) Forged iron-type golf clubs
JP4400900B2 (ja) アイアンゴルフクラブヘッド及びその製造方法
US8210966B2 (en) Golf club groove configuration
US7166042B2 (en) Forged iron-type golf clubs
JP2006110348A (ja) 鍛造アイアンゴルフクラブ
KR20060069522A (ko) 마찰 교반 처리에 의해 성능이 향상된 골프 클럽

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090525

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090825

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100430

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100629

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4545178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees