JP4544878B2 - 山岳遭難者探索システム - Google Patents
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Description
また、アンテナを雪中に差し込み、電波強度の測定・解析から遭難位置を推定する方法なども提案されている。
一般に、電波の周波数が高くなるほど波長が短くなるために送受信装置の小型化には有利となり、電波も飛びやすくなるが、電波が積雪を透過中に減衰を受けやすいという問題がある。
すなわち地形が複雑な山岳地帯では、遠方から地上探索隊が到来電波の方向計測及び強度測定の手段を用いて遭難現場へ近づく方法は、原理的に少なからず困難を伴うことが予想される。
本発明は、積雪時の山岳地帯において雪崩などで雪中に埋もれた遭難者の位置を早期に特定し、救出に役立てるための山岳遭難者探索システム及びその探索方法を提供することを目的とする。
地上や雪に埋もれた発信器から飛び出る電波は、地上と比較して、真上方向には遮蔽物体が少なく周囲の影響を受けにくいため、遠くまで届きやすい。そこで、遭難探索エリアが非常に広範囲にわたる場合、第一次探索を上空から電波方位探知機を搭載したヘリコプター、飛行船等の探索機によって行なう方が有利となる。
この結果、周波数が3GHzを超えると雪中透過損失が20dB/m以上となり、発信器が雪に深く埋もれた場合には電波は大きな減衰を被ることになる。
一方で、周波数が30MHz以下では電波の波長が10m以上となり、送受信装置の小型化には不利であることから、山岳遭難救助支援システムに使用する遠距離到達用の電波としてVHF〜UHF帯の周波数範囲(30MHz〜3GHz)が望ましいことが判明した。
特に、この周波数範囲には電波法で特定小電力無線局として認可されている430MHz帯があり、雪による減衰、電波到達距離、波長の長さ、さらには一般登山者が無線従事者の資格が無くても利用できる点から、上空から探索するための電波として最も有効である。
前記VHF〜UHF帯の波長は0.1m〜10mと比較的波長が短いために、近在する山岳地帯からの反射波や雪面反射波などによる干渉を受けやすい。
その結果、山岳地形によっては電波強度が発信源からの距離に応じて周期的な変動を示し、誤差が混入しやすくなる。
それに対して、MF帯の周波数の波長は100m〜1kmと長く、干渉の影響を受けにくいために電波強度による探索方法に適しており、特に、遭難位置を狭い範囲に絞り込む時に有効である。
また、MF帯の周波数範囲には、最近、冬山登山者の間で急速に普及している「雪崩ビーコン」と呼ばれる小型発信器が利用している国際標準周波数の457kHzがある。
さらに具体的には、上空から第一次探索を行なう探索機には、到来電波方位データと機体の位置・方位・姿勢データを同時に収集する装置及びこの装置で収集したデータを地上の遭難救援センターへ送るためのデータ伝送手段を備え、および、遭難エリアを山岳地図情報に重ねて表示する簡易解析機能を備え、地上の遭難救援センターには、探索機から受信したデータをコンピューターによって演算解析し、遭難場所を山岳地図情報に重ねて推定して得られた遭難地図情報を地上の第二次探索隊に伝える機能を備えたことを特徴とする。
登山者が所持する小型発信器は、VHF〜UHF帯の周波数範囲の中から選ばれた少なくとも1種類以上の電波、および、MF帯の周波数範囲の中から選ばれた少なくとも1種類以上の電波を発信する。
探索範囲が非常に広範囲な場合、遠方まで到達するVHF〜UHF帯の電波を上空から電波方位探知機を搭載したヘリコプター等の探索機によって探索を行い、電波がキャッチできれば、その周辺部を飛行することで遭難場所を大まかに特定し、この情報を受けた遭難救援センターでは更に検討を加えて地上の探索隊に連絡する(第一次探索)。
そこで、地上の捜索隊が遭難現場に近づき、まず、携帯する小型電波方位探知機で前記VHF〜UHF帯の電波を探索し、電波がキャッチできれば、交会法により遭難エリアを絞り込み、さらにはMF帯の電波の最大強度を見つけることにより、2〜3m四方程度までに遭難位置を特定する(第二次探索)。
いずれの小型発信器40も、2つの周波数の電波をそれぞれ断続的に放射し、そのうちの1波は、VHF〜UHF帯の周波数範囲の中で特定小電力無線局として認可されている430MHz帯(A波)22であり、もう1波は雪崩用トランシーバのための国際標準周波数である457kHz(B波)23である。
B波は、登山者同士の初期探索用にも使用できる。
また、小型発信器(a)は、方位、時刻、温度、気圧、高度などを表示する付加機能25があるが、受信探索機能が備わってないために小型で携帯性が良い。
また、無雪時などではA波のみ放射することも選択でき、さらに、遭難救助センターに遭難電波がキャッチされるとランプが青色に変わる機能を付加することも可能である。
小型発信器(b)は、市販の「雪崩ビーコン」と呼ばれるB波の発信23及び受信機能24に、A波の発信機能22を付け加えたものである。
そこで、発信器が内蔵する電池27の寿命を延ばすために、最初1週間は、通常の発信間隔、それ以降は発信周期を長くする、また、普段はセーブモードになっていて捜索電波を受信したとき発信パワーを大きくする方法などがある。
ヘリコプターには、図3に示すように飛行位置を取得する高性能GPS受信装置(位置センサ)31、飛行方位を取得するジャイロコンパス(方位センサ)32、飛行姿勢を取得する加速度センサ(姿勢センサ)33が取り付けてあり、機体の位置・方位・姿勢情報から、電波方向計測点の空間座標と基準方位のデータが得られる。
探索中にA波11をキャッチした場合、ヘリコプターの移動とともに連続的に多地点での電波の強度および到来方位の計測を行なう。
また機上では、簡易遭難解析装置36により、随時、発信源の推定分布図を地図情報に重ねて作成することで遭難場所を大まかに特定し、適切な計測飛行経路の選択に役立てる。 一方、計測飛行中は、A波11の到来方位、電波強度データが、測定座標(緯度、経度、高度)31、機体の方位センサ32、姿勢センサ33のデータと共にリアルタイムで遭難救援センター70へ無線伝送13される。データを受け取った警察、消防署等の遭難救援センター70では、図4に示すように遭難電波到来方位と電波強度データを機体の位置・方位・姿勢データと同時に収集し、必要ならば飛行ルートを追加要求することで十分なデータを得る。そこでまずコンピューター解析により、到来方向の多重交会点及び電波強度分布から2次元存在確率密度分布図を作成することにより電波発信源の位置を直接推定し、推定箇所が2箇所以上になった場合は、前述の方法によって推定された位置周辺の実際の山岳地形に電波の反射・回折伝搬特性を考慮したFDTD(Finite Difference Time Domain method:時間領域差分法)計算機シミュレーション(41〜46)を行ない、前述の結果と照合する。このようなフィードバックプロセスを導入することにより、多重交会法で生じる偽の発信源を消去することで遭難推定場所を100m四方程度の範囲までに絞り、山岳地図情報画面(42)の中で遭難場所を重ね合わせて表示させる。この遭難位置情報を地上探索隊20に連絡する。
11 遭難電波A波(430MHz)
12 遭難電波B波(457kHz)
13 データ-伝送
14 無線連絡およびデータ-伝送
20 地上探索隊
30 ヘリコプター
40 携帯型ビーコン
50 電波方位探知機
60 携帯型電波方位探知機
70 遭難救援センター
80 GPS衛星
Claims (2)
- 430MHz帯の周波数範囲の中から選ばれた1種類以上の電波、および、MF帯の周波数範囲の中から選ばれた1種類以上の電波を発信する機能を有する発信器であって、且つ、発信時間が長くなるにつれて発信の発信周期が長くなるか、捜索電波を受信した時に発信出力が大きくなる発信器を登山者に所持させ、登山者が遭難した場合に、
前記登山者が所持する発信器から発信している430MHz帯の電波を上空から探知する広範囲の第一次探索を実施し、その情報に基づいて次に地上捜索隊が遭難現地に近づき前記430MHz帯の電波での交会法による遭難エリアの絞り込みと、前記登山者が所持する発信器から発信しているMF帯の電波により遭難位置を特定する第二次探索を行なうことを特徴とする山岳遭難者探索システム。 - 上空から第一次探索を行なう探索機には、到来電波方位データと機体の位置・方位・姿勢データを同時に収集する装置及びこの装置で収集したデータを地上の遭難救援センターへ送るためのデータ伝送手段を備えるとともに、遭難エリアを山岳地図情報に重ねて表示する簡易解析機能を備え、地上の遭難救援センターには、探索機から受信したデータをコンピューターによって演算解析し、遭難場所を山岳地図情報に重ねて推定して得られた遭難地図情報を地上の第二次探索隊に伝える機能を備えたことを特徴とする請求項1記載の山岳遭難者探索システム。
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