JP2022060629A - 違法電波送信源特定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自律飛行するドローンによって、あるエリアにおける違法電波の送信源の位置と、その電波の影響範囲を容易に知ることが可能になる。従来はランダムに隈無く飛行して電界強度測定をしていたが、短時間で効率的に測定することが可能となる装置の提供。【解決手段】空中を飛行することが出来るドローンと、前記ドローンに積載した受信機203と、前記ドローンに積載したGNSS装置209と、前記ドローン積載した高度計211と、前記ドローンに積載した復調機205と、前記ドローンに積載した受信電界強度測定器207と前記GNSS装置209と前記高度計211と前記復調機205と前記受信電界強度測定器207の測定結果を送信する送信機213と、前記ドローンに積載した飛行ルート策定装置215と、前記ドローンに積載したドローン飛行制御装置217と、からなる違法電波送信源特定装置とする。【選択図】図2
Description
本発明は、飛行体に電界強度測定器を載せて飛行させ、空中において機動性と安定性のある違法電波送信源の位置の特定をするための技術に関する。
違法電波は各種電子機器に悪影響を及ぼす原因となる。例えばテレビ等放送波の妨害や、携帯電話機の通信の妨害、医療機器への悪影響や、警察や緊急車両などで使用する無線通信を妨害して社会生活に悪影響を及ぼすなど影響は甚大である。また、航空・鉄道などの分野における連絡を阻害し人命に関わることもある。
このような悪影響を発生させないようにするために、電波の伝搬状態を調べる必要性が増大している。
この際、違法電波を調査するために、車に電界強度測定器を積んで当該車を走らせ、測定予定箇所で個々に人手で電波を測定する手段が従来のやり方であった。
つまりアンテナを、複数個組み合わせた支持棒で支え、人間がこれを手で持ち、所望の高さのところで電界強度を測定する方法である。この場合、測定点の高さの調整は支持棒の組み合わせ数や、これを持つ手の高さで行わねばならなかった。
また、当該アンテナで受信した電波の確認は、前記車に搭載した電波解析装置等で解析するなど、測定車を用いる方法を取らざるを得なかった。
違法電波の送信源を特定するための、改善された手段として、建物の屋上などにセンサ局を設置し、複数のセンサ局の受信状態から電波の方位を解析する方法が提案されている。この方法により特定した位置の周辺に測定者が向かい、人力で違法電波送信源を調べる手段である。
一方で近年のドローン技術の進歩により、ドローンに電界強度測定器を搭載して空中を飛行し、当該ドローンが測定データを蓄積、あるいは遠隔の測定者に再送信することで遠隔で測定データを分析する手段が提案されている。
前記屋上にセンサ局を設置する手段では、任意の位置にセンサ局を設置するのが難しく、また、人手によるところも大きいため費用がかかり、また効率も悪かった。
また、ドローンで違法電波の電界強度を測定する手段については、操縦者がリモコンを使って当該ドローンを遠隔で飛行操作させる手段がとられていたため、結果的にはドローン操縦の熟練者が必要になるという欠点があった。
このような欠点があるため、従来はドローンを使った違法電波の監視や発信源の特定はほとんど為されていなかった
本発明は、これらの新たな課題を解決するために、自律的に飛行するドローンを用い、既知であるところの送信アンテナや中継基地局以外からの違法電波の送信源を調査することを目的とするドローンの飛行ルートの決定を自動化させるものである。
空中を飛行することが出来るドローンと、前記ドローンに積載した受信機と、前記ドローンに積載したGNSS装置と、前記ドローンに積載した高度計と、前記ドローンに積載した復調機と、前記ドローンに積載した受信電界強度測定器と、前記ドローンに積載した飛行ルート策定装置と、前記ドローンに積載したドローン飛行制御装置と、
前記GNSS装置と前記高度計と前記復調機と前記受信電界強度測定器の測定結果を送信する送信機と、からなる違法電波送信源特定装置とする。
前記GNSS装置と前記高度計と前記復調機と前記受信電界強度測定器の測定結果を送信する送信機と、からなる違法電波送信源特定装置とする。
前記ドローンは飛行ルートを自律的に決定する飛行ルート策定装置を持つことを特徴とする違法電波送信源特定装置とする。
前記ドローンは、任意の位置z1を起点とし、高度を保った状態で電界強度の閾値Kまで距離y1を飛行し、これを一定の角度a度の間隔でz1の周囲を回転し、繰り返し回数をpとした時にy1(p)が最小となる位置z1’にあたるpを用いて最も電界強度が減衰する方角apを知ることができ、
次に前記z1と同一高度における任意の新たな起点z2についても同様に繰り返し回数をqとした時にy2(q)が最小となる位置z2’にあたるqを用いて最も電界強度が減衰する方角aqを知ることができ、
起点z1とz1’を結ぶ直線と起点z2とz2’を結ぶ直線の交点Rが送信アンテナの位置であると推定することを特徴とする違法電波送信源特定装置とする。
次に前記z1と同一高度における任意の新たな起点z2についても同様に繰り返し回数をqとした時にy2(q)が最小となる位置z2’にあたるqを用いて最も電界強度が減衰する方角aqを知ることができ、
起点z1とz1’を結ぶ直線と起点z2とz2’を結ぶ直線の交点Rが送信アンテナの位置であると推定することを特徴とする違法電波送信源特定装置とする。
前記ドローンは、前記交点Rから見て高度一定の同一半径上であって前記z1’と前記z2’を通る曲線上を一定の距離間隔で飛行し、
当該曲線上の任意の位置z3’の電界強度が前記閾値Kと異なる場合に前記交点Rと前記z3’を結ぶ直線上を前記閾値Kまで飛行し、当該地点を新しい位置z3’とすることを特徴とし、
同様に前記曲線上を飛行することでz4’、z5’、・・・、zn’を得ることを特徴とする違法電波送信源特定装置とする。
当該曲線上の任意の位置z3’の電界強度が前記閾値Kと異なる場合に前記交点Rと前記z3’を結ぶ直線上を前記閾値Kまで飛行し、当該地点を新しい位置z3’とすることを特徴とし、
同様に前記曲線上を飛行することでz4’、z5’、・・・、zn’を得ることを特徴とする違法電波送信源特定装置とする。
前記の位置z1’からzn’までの位置をプロットすることにより、同一電界強度曲線を得ることを特徴とする違法電波送信源特定装置とする。
本発明の請求項1によれば、違法電波送信源の調査方法としてドローンを測定地域で飛行させるのみでよいため、準備が容易であり、測定時間を短縮出来る。またドローンのホバリング機能により、安定した高度で測定することが可能になる。
本発明の請求項2によれば、ドローンの最適な飛行ルートを自律的に決定出来るため、事前の準備が容易になる。
本発明の請求項3によれば、電波の送信源の位置を推定することが可能になる。
本発明の請求項4によれば、ドローンの飛行距離を最短にし、効率的に違法電波送信源からの影響範囲を特定することが可能になる。本効果によれば、違法電波地帯を避けて飛行する必要がある他のドローンや、その他飛行物体への警告を発することも可能になり、上空における安全飛行にも寄与することができる。
本発明の請求項5によれば、ドローンの飛行距離を最短にし、同一電界強度曲線を作成することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明を適用した違法電波送信源特定装置における電界強度測定装置を含む全体構成を示している。当該全体構成201はある特定の場所における電波の強度を測定し、遠隔の測定者に当該強度情報を送信したり、あるいは受信信号そのものの再送信をしたり、ドローンの自律飛行を制御する装置を含むものである。前記電波を受信機203で受信し復調機205で復調し、送信機213で送信する。
復調機205で復調した信号の振幅から受信電界強度測定器207で電界強度を求め、また、全体構成201に搭載したGNSS装置209により電波を受信した位置情報を得て、また、高度計211によって電波を受信した高度を得る。
送信機213からは復調機205の出力と、前記受信電界強度と水平位置に関する前記GNSS情報と前記高度計の情報を多重化または並行して送信する。送信先は遠隔地の測定者が有する受信機であり、当該測定者は当該信号を分析して電波の状態を確認するものである。
また、前記信号強度と前記GNSS装置209の情報と前記高度計211の情報は飛行ルート策定装置215にも入力され、当該飛行ルート策定装置の結果を受けてドローン飛行制御装置217により当該ドローンは自律飛行をすることが可能になる。
以下、飛行ルート策定装置215について説明する。
図3においてZ1は任意の位置であり、GNSS装置209から得られるドローンの座標である。ドローンはこのZ1を起点として電界強度を測定し、高度を維持した状態でy1(1)方向に飛行する。この際、ドローンを飛ばす者は予め違法電波が影響を及ぼす値等であるところの電界強度の閾値Kと飛行する角度間隔aと飛行する高度を飛行ルート策定装置215に設定しておく。
Z1から当該方向y1(1)に飛行し、電界強度が閾値Kになった時にZ1からの飛行距離をY1(1)とする。引き続き、角度をaだけ回転してZ1からy1(2)方向に飛行し、電界強度が閾値Kになった時にZ1からの飛行距離をY1(2)とする。
同様に角度をaだけ回転してZ1からy1(3)方向に飛行し、電界強度が閾値Kになった時にZ1からの飛行距離をY1(3)とする。このような処理を、高度を維持した状態でZ1の周囲360度について行い、Y1の数列から最小値を検索し、それがY1(2)である場合に、y1(2)方向に閾値となった地点をZ1’とする。
Z1についてのY1の最小値の位置Z1’が決定したら、次にドローンを、高度を維持した状態で任意の方向に飛行させ地点Z2で停止させる。ここでもZ1において行った処理を継続する。つまり、y2(1)において閾値Kまで飛行させ、距離Y2(1)を得る。次に角度aだけ回転させY2(2)を得る。さらに角度aだけ回転させY2(3)を得る。
このような処理をZ2の周囲360度について行い、Y2の数列から最小値を検索し、それがY2(3)であり、閾値Kになる地点をZ2’とする。
2点Z1とZ2について閾値までの距離が最も小さくなる地点Z1’とZ2’が求まったら、次にZ1とZ1’を結ぶ直線を延長させ、さらにZ2とZ2’を結ぶ直線を延長させる。この2つの直線の交点をRとすると、Rは電波の送信源であると推定できる。
このRの位置は遠隔の測定者も受信データから知ることが出来るが、既知の送信アンテナや中継基地局の位置であればなんら問題は無い。しかるにRの位置が当該既知の位置ではない場合、違法な電波である可能性があり、この情報は遠隔の測定者が知ることとなる。
次に違法な電波である可能性がある場合に、当該電波の影響範囲を調査する手段について説明する。Z1’、Z2’、Rの関係を図4に示す。つまり、Rを中心とした高度が一定で同一半径の曲線を作ることができる。この曲線の意味するところは、上空における同一電界強度曲線の推定位置がこの曲線上にあるということである。
しかし、建物による反射や妨害等の影響により必ずしもこの曲線上が同一電界強度であるとは確定出来ないため、ドローンは図5に示すように当該曲線上を、同一電界強度点を補正するように飛行する。
図5では同一半径上の3カ所目の測定位置における電界強度が前記閾値Kではないため、当該測定位置とRを結んだ直線上をドローンが電界強度を測定しながら飛行し、閾値Kとなる位置の座標を得て、これをZ3’とするのである。
同様な処理を、前記Z1’とZ2’を含むRを中心とした同一半径の曲線上において、一定の間隔、あるいは任意の間隔で実施することでnを任意の整数とした場合にZ4’、Z5’、・・・、Zn’を得ることが出来、これらを結ぶことで同一電界強度曲線を作成することが出来る。
さらに、ここまでと同様な処理をKとは異なる閾値で実施することにより、また新たな電界強度に対する電界強度曲線を作成することが出来る。以上のことを繰り返すことで、あたかも一般的な地図における等高線のような電界強度曲線群を、ドローンが自律飛行をして作成することが出来る。
また、本実施例の手段を、高度計211から得られる複数の高度について実施すれば立体的な電界強度曲線群を作成することが可能である。
上空を隈無くランダムに飛行することでも電界強度曲線を作成することが出来るが、本発明によれば、一旦同一電界強度曲線を推定し、それを補正するように飛行するため、短時間で効率的に実施することが可能になるのである。
本実施例において、Z1、Z2の電界強度は閾値Kより大きな値である場合について述べた。この場合、Z1、Z2の周囲を角度a間隔でドローンが飛行するにあたって、電界強度が増加する方向については除外する。
しかるにZ1、Z2が既に閾値を下回っていた場合は、電界強度が減少する方向を除外して閾値までの距離が最短となる距離を探す手順となる。
また、本実施例では閾値までの距離が最短となる方向を探る手順を示したが、閾値までの距離が最長となる方向を探る手順も考えられる。図6に示すように、閾値までの距離が最長となる方向がわかれば、その方向に直行する直線を引き、本実施例と同様に送信アンテナ位置を推定することが出来る。
本実施例においては、違法電波の発信源の推定位置Rが既知のものであるかどうかの判断手段として、遠隔の測定者が解析する方法について述べたが、予めドローンに搭載した記憶装置に無線局免許情報を記憶させておき、当該情報との差異を調べることによっても可能である。
Claims (5)
- 空中を飛行することが出来るドローンと、
前記ドローンに積載した受信機と、
前記ドローンに積載したGNSS装置と、
前記ドローンに積載した高度計と、
前記ドローンに積載した復調機と、
前記ドローンに積載した受信電界強度測定器と、
前記ドローンに積載した飛行ルート策定装置と、
前記ドローンに積載したドローン飛行制御装置と、
前記GNSS装置と前記高度計と前記復調機と前記受信電界強度測定器の測定結果を送信する送信機と、
からなる違法電波送信源特定装置 - 前記ドローンは飛行ルートを自律的に決定する飛行ルート策定装置を持つことを特徴とする請求項1に記載の違法電波送信源特定装置
- 前記ドローンは、任意の位置z1を起点とし、高度を保った状態で電界強度の閾値Kまで距離y1を飛行し、これを一定の角度a度の間隔でz1の周囲を回転し、繰り返し回数をpとした時にy1(p)が最小となる位置z1’にあたるpを用いて最も電界強度が減衰する方角apを知ることができ、
次に前記z1と同一高度における任意の新たな起点z2についても同様に繰り返し回数をqとした時にy2(q)が最小となる位置z2’にあたるqを用いて最も電界強度が減衰する方角aqを知ることができ、
起点z1とz1’を結ぶ直線と起点z2とz2’を結ぶ直線の交点Rが送信アンテナの位置であると推定することを特徴とする請求項1に記載の違法電波送信源特定装置
- 前記ドローンは、前記交点Rから見て高度一定の同一半径上であって前記z1’と前記z2’を通る曲線上を一定の距離間隔で飛行し、
当該曲線上の任意の位置z3’の電界強度が前記閾値Kと異なる場合に前記交点Rと前記z3’を結ぶ直線上を前記閾値Kまで飛行し、当該地点を新しい位置z3’とすることを特徴とし、
同様に前記曲線上を飛行することでz4’、z5’、・・・、zn’を得ることを特徴とする請求項3に記載の違法電波送信源特定装置 - 前記の位置z1’からzn’までの位置をプロットすることにより、同一電界強度曲線を得ることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の違法電波送信源特定装置
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JP2020168185A JP2022060629A (ja) | 2020-10-05 | 2020-10-05 | 違法電波送信源特定装置 |
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WO2024014459A1 (ja) * | 2022-07-15 | 2024-01-18 | 株式会社Flight PILOT | 飛行移動体、飛行位置推定方法、コンピュータプログラム及び飛行位置推定システム |
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2020
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WO2024014459A1 (ja) * | 2022-07-15 | 2024-01-18 | 株式会社Flight PILOT | 飛行移動体、飛行位置推定方法、コンピュータプログラム及び飛行位置推定システム |
JP2024011777A (ja) * | 2022-07-15 | 2024-01-25 | 株式会社Flight PILOT | 飛行移動体、飛行位置推定方法、コンピュータプログラム及び飛行位置推定システム |
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