JP4543667B2 - 反射防止膜形成用塗布液の製造方法及び反射防止フィルム - Google Patents
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Description
(請求項1)
シリカ微粒子とマトリックス前駆体を含有する反射防止膜形成用塗布液の製造方法において、該シリカ微粒子が、(1)多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層からなる複合粒子、または(2)内部に空洞を有し、かつ内容物が溶媒、気体または多孔質物質で充填された空洞粒子であり、かつ、該マトリックス前駆体が、アルコキシ珪素化合物を加水分解し縮合させた加水分解液であり、ラマン分光測定において660〜645cm−1に現れるラマン散乱ピーク強度(A1)と加水分解開始20分以内に測定したラマン散乱ピーク強度(A2)との比(A1/A2)が0.2以下であり、重量平均分子量が300〜10000であり、IR測定において1075〜1055cm−1の間にSi−O伸縮振動に帰属される吸収を有し、1172〜1153cm−1の間にショルダーピークが認められ、1075〜1055cm−1の間にSi−O伸縮振動に帰属される吸収ピークにおける極大値の5分の1の高さのピーク幅(W1)と2分の1の高さのピーク幅(W2)の比(W1/W2)が1.8以上であり、該アルコキシ珪素化合物の加水分解において、加水分解触媒として酢酸を用いることを特徴とする反射防止膜形成用塗布液の製造方法。
ただし、IR測定のピーク高さは、1284〜1250cm−1の間の極小値と1007〜985cm−1の間の極小値とを結んだ線をベースラインとして測定する。
(請求項2)
酢酸ナトリウムを含有することを特徴とする請求項1記載の反射防止膜形成用塗布液の製造方法。
(請求項3)
アルコキシ珪素化合物を加水分解する際に、前記シリカ微粒子を混合することを特徴とする請求項1または2記載の反射防止膜形成用塗布液の製造方法。
(請求項4)
請求項1〜3のいずれか1項記載の反射防止膜形成用塗布液の製造方法により得られた反射防止膜形成用塗布液を塗布することによって得られる低屈折率層を有することを特徴とする反射防止フィルム。
本発明に用いられる低屈折率層形成用塗布液は下記シリカ微粒子、マトリックス前駆体、溶剤等よりなる。必要に応じて、シランカップリング剤、硬化剤等を添加してもよい。マトリックス前駆体としては、一般的にアルコキシ珪素化合物の加水分解液が用いられる。
本発明に用いられる多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層を有する複合粒子、或いは内部に溶媒、気体、または多孔質物質で充填された空洞粒子について説明する。
第1工程では、予め、シリカ原料とシリカ以外の無機化合物原料のアルカリ水溶液を個別に調製するか、または、シリカ原料とシリカ以外の無機化合物原料との混合水溶液を調製しておき、この水溶液を目的とする複合酸化物の複合割合に応じて、pH10以上のアルカリ水溶液中に攪拌しながら徐々に添加して多孔質粒子前駆体を調製する。
第2工程では、前記第1工程で得られた多孔質粒子前駆体から、シリカ以外の無機化合物(珪素と酸素以外の元素)の少なくとも一部を選択的に除去する。具体的な除去方法としては、多孔質粒子前駆体中の無機化合物を鉱酸や有機酸を用いて溶解除去したり、或いは、陽イオン交換樹脂と接触させてイオン交換除去する。
第3工程では、第2工程で調製した多孔質粒子分散液(空洞粒子の場合は空洞粒子前駆体分散液)に加水分解性の有機珪素化合物またはケイ酸液等を加えることにより、粒子の表面を加水分解性有機珪素化合物またはケイ酸液等の重合物で被覆してシリカ被覆層を形成する。
本発明においてマトリックス前駆体とは、テトラエトキシシラン等のアルコキシ珪素化合物を加水分解及びそれに続く縮合というように反応させ、所定時間経過した後、該加水分解液のラマン分光法におけるアルコキシ珪素化合物のSiO4全対称伸縮振動に帰属される660〜645cm-1に現れるラマン散乱ピーク強度(A2)が加水分解開始20分以内に測定した前記ラマン散乱ピーク強度(A1)に比べ強度比20%以下となったアルコキシ珪素化合物加水分解液を用いる。マトリックス前駆体と前記無機微粒子を溶剤によって希釈して低屈折率塗布液を作製し、(必要により添加剤を加える)、更に、作製した低屈折率塗布液において、GPCを用いたポリスチレン換算の分子量測定による重量平均分子量が300〜10000の範囲にあり、さらに該低屈折率塗布液のIR測定において1075〜1055cm-1の間にシロキサン結合(−Si−O−Si−)の形成によるSi−O伸縮振動に帰属される最も強い吸収が現れ、かつ、1172〜1153cm-1の間にショルダーピーク(ショルダーピークの帰属は正確にはできていないが、アルコキシ珪素が縮合して格子状に形成された珪素−酸素結合に由来するものと推定している)が所定の程度認められるタイミングで、低屈折率塗布液をフィルム基材上に塗布して得られる低反射層が、前記物性的に優れた低反射層を安定して得るには必要であることを見い出した。
ただし、IR測定のピーク高さは、1284〜1250cm −1 の間の極小値と1007〜985cm −1 の間の極小値とを結んだ線をベースラインとして測定する。
ラマン分光法におけるピーク強度は、照射レーザーの出力、試料への露光時間、試料へのレーザー照射位置、対物レンズの立体角、分光器の明るさ、検出器の感度等により変化するが、同じ測定装置で、測定条件を完全に揃えて測定することにより、相対値、それも相対残存率で規定することにより定量的に、加水分解の程度を見ることができる。
レーザー波長:532nm
出力:50mW
露光時間:100sec
積算回数:6回
トータル測定時間:約20分
(バックグランド(100sec×6回=600sec)、サンプル(100sec×6回=600sec)で合計20分。)
データポイント:0.5cm-1
検出器:電子冷却CCD検出器
顕微鏡:オリンパスBX60、測定時の対物レンズは×20を用いる。
なお、必要に応じてスペクトルの平滑化処理を行う。
(所定時間経過後のラマン散乱強度(A2)/未反応時(または酸と混合後20分以内)のラマン散乱強度(A1))×100
図1において(a)は前記の測定条件で測定した酸添加前(未反応時)のテトラエトキシシラン(TEOS)含有液のラマン散乱スペクトルであり、(b)、(c)が、それぞれ酢酸添加後2時間、20時間後のラマン散乱スペクトルである。前記テトラエトキシシラン(TEOS)に由来するSiO4全対称伸縮振動に帰属されるラマン散乱ピーク(654cm-1)が、加水分解処理開始後、時間を経過する程小さくなり、図1(a)の未反応時のテトラエトキシシラン(TEOS)においてはピーク強度(A1)=12986であるが、酢酸添加後2時間経過で9740、更に20時間経過した後に2078となっている。未反応時のピーク強度A1に対し、所定の時間を経過したときのピーク強度A2の比率を%でとると、(b)ではA2/A1×100=75(%)、酸添加後20時間経過した(c)においてはA2/A1×100=16(%)となり、これにより未反応のテトラエトキシシラン(TEOS)の減少を定量的にモニタできることになる。
GPCによる重量平均分子量測定方法は、試料固形分濃度が0.8%となるようにTHFを用いて希釈し、カラム温度25℃で、以下の条件により測定を行う。
カラム;東ソー社TSKgelG5000HXL−TSKgelG2000H XL
溶離液;THF
ポンプ;L6000(日立製作所(株)製)
流量 :1.0ml/min
検出 ;RI Model 504(GLサイエンス社製)
試料濃度;0.8%
標準試料・校正曲線;標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用する。
分子量測定のほかに、本発明においては、前記低屈折率塗布液としたときの赤外吸収測定を行って、1172〜1153cm-1の間に一定の度合いでショルダーピークが認められる状態になってから用いることも同じく必要である。このショルダーピークの帰属は正確にはしていないが、アルコキシ珪素、またその加水分解物が縮合し格子状に形成された珪素−酸素結によるものと推定している。ある程度の架橋が形成された状態が塗布液として用いるには好ましい。従って、本発明においては、分子量のみでなく、前記低屈折率塗布液とした後、FT−IR−ATR測定を行う。
ショルダーピークの大きさが所定の程度を越える場合、この比率は大きくなってくる。
本発明において低屈折率層塗布液の調製に用いられるアルコキシ珪素化合物(以後アルコキシシランともいう)としては、下記一般式で表されるものが好ましい。
ここにおいて、R、R′は水素原子または1価の置換基を表し、nは3または4である。
また、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アセトキシトリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、さらに、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
加水分解触媒としては、酸、アルカリ、有機金属、金属アルコキシド等を挙げることができるが、硫酸、塩酸、硝酸、次亜塩素酸、ホウ酸等の無機酸或いは有機酸が好ましく、特に硝酸、酢酸等のカルボン酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メチルスルホン酸等が好ましく、これらのうち特に硝酸、酢酸、クエン酸または酒石酸等が好ましく用いられる。上記クエン酸や酒石酸の他に、レブリン酸、ギ酸、プロピオン酸、リンゴ酸、コハク酸、メチルコハク酸、フマル酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、2−オキソグルタル酸、グリコール酸、D−グリセリン酸、D−グルコン酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、イソクエン酸、乳酸等も好ましく用いられる。
本発明の低屈折率層形成用塗布液には必要に応じて、シランカップリング剤、硬化剤等の添加剤を含有させてもよい
シランカップリング剤は下記式(2)で表される化合物である。
式中、Rはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)、または、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニル基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシル基等の反応性基を表し、R′はアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)を表し、m+nは4である。
本発明に係わる低屈折率層を塗設する際の塗布液に使用する溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用することができる。
本発明に係わる低屈折率層を光学干渉層として積層した反射防止フィルム(低反射積層体)は、支持体の少なくとも一方の面に、支持体側から高屈折率層、本発明に係わる前記低屈折率層を順に積層した光学干渉層の積層体(後述のように他の層を追加することもある)であり、波長λの光に対して高屈折率層及び低屈折率層の光学膜厚をλ/4に設定して反射防止積層体を作製する。光学膜厚とは、層の屈折率nと膜厚dとの積により定義される量である。屈折率の高低はそこに含まれる金属または化合物によってほぼ決まり、例えば高屈折率層はTi化合物により、低屈折率層はSi或いは、Fを含有する化合物により形成される。屈折率と膜厚は、分光反射率の測定により計算して算出し得る。
基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/低屈折率層
基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層
基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
帯電防止層/基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
基材フィルム/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
帯電防止層/基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
帯電防止層/基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
光学干渉により反射率を低減できるものであれば、特にこれらの層構成のみに限定されるものではない。また、帯電防止層は導電性ポリマー粒子または金属酸化物微粒子(例えば、SnO2、ITO等)を含む層であることが好ましく、塗布または大気圧プラズマ処理等によって設けることができる。
中屈折率層、高屈折率層は所定の屈折率層が得られれば構成成分に特に制限はないが、屈折率の高い金属酸化物微粒子、バインダ、溶媒等よりなることが好ましい。その他に添加剤を含有してもよい。中屈折率層の屈折率は1.55〜1.75であることが好ましく、高屈折率層の屈折率は1.75〜1.95であることが好ましい。
金属酸化物微粒子は特に限定されないが、例えば、二酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、五酸化アンチモン、酸化インジウム−スズ(ITO)、酸化鉄、等を主成分として用いることができる。また、これらの混合物でもよい。二酸化チタンを用いる場合は二酸化チタンをコアとし、シェルとしてアルミナ、シリカ、ジルコニア、ATO、ITO、五酸化アンチモン等で被覆させたコア/シェル構造を持った金属酸化物粒子を用いることが光触媒活性の抑制の点で好ましい。金属酸化物微粒子にATO、ITO、五酸化アンチモン等の導電性素材を用いると導電性を持たせることができる。
バインダは塗膜の成膜性や物理特性の向上のために添加される。バインダとしては例えば、電離放射線硬化型樹脂、アクリル樹脂またはメタクリル樹脂等を用いることができる。
電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線や電子線のような電離放射線の照射により直接、または光重合開始剤の作用を受けて間接的に重合反応を生じる官能基を2個以上有するモノマーまたはオリゴマーを用いることができる。官能基としては(メタ)アクリロイルオキシ基等のような不飽和二重結合を有する基、エポキシ基、シラノール基等が挙げられる。中でも不飽和二重結合を2個以上有するラジカル重合性のモノマーやオリゴマーを好ましく用いることができる。必要に応じて光重合開始剤を組み合わせてもよい。このような化合物としては、例えば多官能アクリレート化合物等が挙げられる。ここで、多官能アクリレート化合物とは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基またはメタクロイルオキシ基を有する化合物である。
アクリルまたはメタクリル樹脂としては分子量10〜50万のアルコール溶解性アクリル樹脂またはメタクリル樹脂を好ましく用いることができる。具体的には、アルキル(メタ)アクリレート重合体またはアルキル(メタ)アクリレート共重合体、例えばn−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート等の共重合体が好ましく用いられるが、共重合成分としてはこれらに限定されるものではない。市販品としては、ダイヤナールBR−50、BR−51、BR−52、BR−60、BR−64、BR−65、BR−70、BR−73、BR−75、BR−76、BR−77、BR−79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−89、BR−90、BR−93、BR−95、BR−96、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117、BR−118(以上、三菱レーヨン(株)製)等が使用できる。
その他の添加剤として金属化合物、シランカップリング剤等を添加してもよい。金属化合物、シランカップリング剤はバインダとして用いることもできる。
式中、Mは金属原子、Aは加水分解可能な官能基または加水分解可能な官能基を有する炭化水素基、Bは金属原子Mに共有結合またはイオン結合した原子団を表す。xは金属原子Mの原子価、nは2以上でx以下の整数を表す。
式中、Rはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)、または、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スルホニル基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシル基等の反応性基を表し、R′はアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル基)を表し、m+nは4である。
本発明の低反射積層体には、ハードコート層を設けることができる。特に、基材上にハードコート層として活性エネルギー線硬化樹脂層を設けその上に前記光学干渉層を設けることが好ましい。
低屈折率層中屈折率層、高屈折率層、ハードコート層塗布液の塗布方法としては、ディッピング、スピンコート、ナイフコート、バーコート、エアードクターコート、ブレードコート、スクイズコート、リバースロールコート、グラビアロールコート、カーテンコート、スプレイコート、ダイコート等の公知の塗布方法を用いてことができ、連続塗布または薄膜塗布が可能な塗布方法が好ましく用いられる。塗布量はウェット膜厚で0.1〜30μmが適当で、好ましくは0.5〜15μmである。塗布速度は10〜60m/minが好ましい。
本発明の反射防止フィルム(低反射積層体)に用いられる基材フィルムとしては、製造が容易であること、ハードコート層または反射防止層等が接着しやすいこと、光学的に等方性であること、光学的に透明性であることが好ましい。これらの性質を有していれば何れでもよく、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムまたはアクリルフィルム等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。これらのうちセルローストリアセテートフィルム(例えばKC8UX2MW、KC4UX2MW、KC4UY、KC5UN(以上、コニカミノルタオプト(株)製))、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)が好ましく、本発明においては、特にセルローストリアセテートフィルムまたはセルロースアセテートプロピオネートフィルムが、製造上、コスト面、透明性、等方性、接着性等の面から好ましい。
本発明に用いられるセルロースエステルは、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等や、特開平10−45804号、同8−231761号、米国特許第2,319,052号等に記載されているようなセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステルを用いることができる。上記記載の中でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートである。これらのセルロースエステルは単独あるいは混合して用いることができる。
式(II) 0≦X≦2.5
この内特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているのものである。これらは公知の方法で合成することができる。
本発明に用いられる支持体にセルロースエステルフィルムを用いる場合、下記のような可塑剤を含有するのが好ましい。可塑剤としては、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤等を好ましく用いることができる。
本発明に用いる支持体に係る紫外線吸収剤について説明する。低反射積層体の支持体には、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171、Ciba製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN109、Ciba製)
また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式(8)で表される化合物が好ましく用いられる。
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤としては、透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
本発明では、本発明に係わる低屈折率層を含む光学干渉層が設けられている反射防止フィルム(低反射積層体)の裏面が、高さ0.1〜10μmの突起を1〜500個/0.01mm2有することが好ましい。好ましくは10〜400個/0.01mm2、さらに好ましくは15〜300個/0.01mm2である。これによって、各光学干渉層塗設中に一旦ロール状に巻き取りをしてもブロッキングの発生が防止できるだけでなく、次の光学干渉層を塗設する際の塗布むらを著しく低減することができる。塗布むらの原因は完全に明らかにはなっていないが、原因の1つとしてロール状に巻き取ったフィルムを塗布工程に送り出す際の剥離帯電が関係していると推測される。基材フィルム中に微粒子を添加することで、裏面に高さ0.1〜10μmの突起を1〜500個/0.01mm2有するようにすることができる。このとき、基材フィルムを多層構成として、表層のみに微粒子を含ませることもできる。
本発明に係わる反射防止フィルムを偏光板用保護フィルムとして液晶表示装置の最表面に用いる場合、偏光膜の少なくとも一方の面を本発明の反射防止フィルムと貼合し偏光板を作製する。
下記の方法に従って反射防止フィルム1を作製した。
〈ハードコート層組成物1〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 600g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 200g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体 200g
イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 20g
シリコーン系界面活性剤 10g
メチルエチルケトン 500g
酢酸エチル 500g
イソプロピルアルコール 500g
次に下記、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順に反射防止層を塗設し、反射防止フィルム1を作製した。
ハードコート層の上に、下記中屈折率層組成物1を押し出しコーターで塗布し、100℃で30秒間乾燥させた後、80W/cmの高圧水銀灯を12cmの距離から4秒間照射して、中屈折率層1を設けた。中屈折率層1の厚さは95nmであった。
LCOM V−2504(触媒化成工業(株)製、ITOゾル、固形分20%)
100g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 6.4g
イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 1.6g
テトラブトキシチタン 4.0g
10%FZ−2207(日本ユニカー社製、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液) 3.0g
イソプロピルアルコール 530g
メチルエチルケトン 90g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 265g
《反射防止層の作製:高屈折率層》
前記中屈折率層上に、下記高屈折率層組成物1を押し出しコーターで塗布し、100℃で30秒間乾燥させた後、80W/cmの高圧水銀灯を12cmの距離から4秒間照射して、高屈折率層1を設けた。高屈折率層1の厚さは50nmであった。
RTSPNB(シーアイ化成工業(株)製、酸化チタン微粒子分散物、固形分15%)
60g
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM503)
2g
テトラブトキシチタン 5g
10%FZ−2207(日本ユニカー社製、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液) 3g
イソプロピルアルコール 560g
メチルエチルケトン 90g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 280g
《反射防止層の作製:低屈折率層》
前記高屈折率層上に、下記低屈折率層組成物1を押し出しコーターで塗布し、100℃で30秒間乾燥させた後、80W/cmの高圧水銀灯を12cmの距離から4秒間照射して、低屈折率層1を設けた。低屈折率層1の厚さは100nmであった。
テトラエトキシシラン172gとエタノール700gを混合し、これに0.4%硝酸水溶液129gを添加して、加水分解液Aを調製した。
測定装置はKaiser Optical Systems社製Holoprobe532を用いて、加水分解溶液をそのままガラス製サンプルチューブ(長さ4.8mm、内径6mm、直径8mm円筒形)に入れて25℃、湿度50%の条件で測定した。基本測定条件は以下の通りである。
出力:50mW
露光時間:100sec
積算回数:6回
トータル測定時間:約20分(バックグランド、サンプル各10分)
データポイント:0.5cm-1
検出器:電子冷却CCD検出器
顕微鏡:オリンパスBX60、測定時の対物レンズは×20を用いた。
必要に応じてスペクトルの平滑化処理を行った。
〈GPC測定条件〉
試料は固形分濃度が0.8%となるようにTHFを用いて希釈し、カラム温度25℃で測定を行った。
溶離液:THF
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
検出:RI Model 504(GLサイエンス社製)
試料濃度:0.8%
標準試料と校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13標準試料による校正曲線を使用した。13標準試料は、ほぼ等間隔に得ることが好ましい。
FT−IR−ATRの装置及び測定は以下の条件で行った。装置はNicolet社製、Magna 860、ATRアタッチメントはHarrick社製、単反射ATR装置を利用した。プリズムは半円筒で屈折率4.00ゲルマニウムプリズムを用い、入射角は45°とし1回反射で測定した。測定時の分解能は4cm-1で積算回数は64回に設定した。データ補間は0.5cm-1とした。測定は、塗布溶液をゲルマニウムプリズムに液を滴下し、10〜30分室温で乾燥後、23℃、湿度50%の条件で測定を行った。
1284〜1250cm−1の間の極小値と1007〜985cm−1の間の極小値とを結んだ線をベースラインとして、1095〜1060cm−1の間に現れるSi−O伸縮振動に帰属される極大ピークについてピーク高さを測定する。次にこのピーク高さのベースラインからこのピーク高さの2分の1の高さのところで水平に線を引き、この線と吸収ピークが交わる部分の幅(ピーク幅、W2)を測定する。同様にベースラインからこのピーク高さの5分の1の高さのところで水平に線を引き、この線と吸収ピークが交わる部分の幅(ピーク幅、W1)を測定する。この2つのピーク幅の比率(W1/W2)を計算する。
上記作製した加水分解液Aを用いて下記低屈折率層組成物1を調製した。
イソプロピルアルコール 366質量部
加水分解液A(加水分解時間5時間) 232質量部
ELCOM P特殊品4(触媒化成工業製、中空シリカ分散液、固形分20%)
29質量部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM503)
2.1質量部
10%FZ−2207(日本ユニカー社製、プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液) 1.9質量部
下記加水分解液B〜Iを用いた以外は反射防止フィルム1と同様の方法で、反射防止フィルム2〜21を作製した。ただし、加水分解液の反応時間、ELCOM P特殊品4の添加量は表2に記載のように変更した。また、反射防止フィルム19、20については表2記載の量になるように酢酸ナトリウムを添加した。なお、表2に記載の添加量は塗布液中の固形分に対する質量%である。
テトラエトキシシラン289gとエタノール553gを混合し、これに1.6%酢酸水溶液157gを添加して、加水分解液Bを調製した。
テトラエトキシシラン295gとエタノール563gを混合し、これに0.6%塩酸水溶液142gを添加して、加水分解液Cを調製した。
テトラエトキシシラン289gとエタノール553gを混合し、これに1.6%クエン酸水溶液157gを添加して、加水分解液Dを調製した。
硝酸水溶液の濃度をそれぞれ、0.04%、0.2%、2.0%、4.0%とした以外は加水分解液Aと同様の方法で、加水分解液E、F、G、Hをそれぞれ調製した。
テトラエトキシシラン120gとELCOM P特殊品4 75g、エタノール680gを混合し、これに0.4%硝酸水溶液125gを添加して、加水分解液Iを調製した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 70質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
光反応開始剤(イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ(株)製))
4質量部
酢酸エチル 150質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 150質量部
シリコン化合物(防眩性粒子、BYK−307(ビックケミージャパン社製))
0.4質量部
〈ハードコート層組成物3−1〉
アクリルモノマー(KAYARAD DPHA、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬製) 323質量部
光反応開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ製)
36質量部
レべリング剤(FZ2207、日本ユニカー製、10%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液) 7質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 317質量部
酢酸エチル 317質量部
〈ハードコート層組成物3−2〉
アクリルモノマー(KAYARAD DPHA、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、日本化薬製) 226質量部
光反応開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ製)
25質量部
導電性微粒子(ELCOM V2504、ITOゾル、固形分20%、触媒化成製)
540質量部
レべリング剤(FZ2207、日本ユニカー製、10%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液) 7質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 101質量部
酢酸エチル 101質量部
〈ハードコート層組成物4〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 70質量部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 30質量部
光反応開始剤(イルガキュア184、チバスペシャリティケミカルズ製) 5質量部
酢酸エチル 120質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 120質量部
導電性微粒子(ELCOM V2504、ITOゾル、固形分20%、触媒化成製)
540質量部
作製した反射防止フィルムについて下記方法により評価した。評価結果を表3に示す。
反射防止フィルムの反射率を顕微反射分光膜厚計(大塚電子(株)製FE−3000)を用いて測定し、波長400〜700nmの範囲における平均反射率を視感反射率として測定した。視感反射率は1.0%以下であれば実用上問題ないが、0.5%以下であることが好ましく、0.3%以下であることが更に好ましい。
反射防止フィルムに23℃、55%RHの環境下で、#0000のスチールウール(SW)に200g/cm2の荷重をかけ、10往復したときの1cm幅当たりの傷の本数を測定した。なお、傷の本数は荷重をかけた部分の中で最も傷の本数の多い所で測定する。10本/cm以下であれば実用上問題ないが、5本/cm以下が好ましく、3本/cm以下が更に好ましい。
反射防止フィルムを60℃、90%RHのサーモ機に500時間投入して湿熱処理した後、前記の耐傷性・即と同様の方法で測定した。評価基準も耐傷性・即と同様である。
反射防止フィルム及び5mm×5mmに切ったコピー用紙を23℃、20%RHの条件で24時間調湿する。反射防止フィルムを絶縁性のゴムシートの上に置き、反射防止フィルムの表面をネオプレンゴム製のローラーで10往復擦って帯電させる。帯電させたフィルムを30cmの距離から徐々に5mm×5mmに切ったコピー用紙に近づけ、紙が静電気によってフィルムに張り付く時の距離を測定する。5cm以下であれば実用上問題ないが、1cm以下であることが好ましく、0cm(全く張り付かない)であることが更に好ましい。
A2 アルコキシ珪素化合物の加水分解所定時間経過後のラマン散乱強度
L 1095〜1060cm-1の間に現れるSi−O伸縮振動に帰属される極大ピーク高さ
W1 極大ピーク高さLのベースラインからこの極大ピーク高さLの1/5の高さのところで水平に線を引きこの線と吸収ピークが交わる部分のピーク幅
W2 極大ピーク高さLのベースラインからこの極大ピーク高さLの1/2の高さのところで水平に線を引きこの線と吸収ピークが交わる部分のピーク幅
Claims (4)
- シリカ微粒子とマトリックス前駆体を含有する反射防止膜形成用塗布液の製造方法において、該シリカ微粒子が、(1)多孔質粒子と該多孔質粒子表面に設けられた被覆層からなる複合粒子、または(2)内部に空洞を有し、かつ内容物が溶媒、気体または多孔質物質で充填された空洞粒子であり、かつ、該マトリックス前駆体が、アルコキシ珪素化合物を加水分解し縮合させた加水分解液であり、ラマン分光測定において660〜645cm−1に現れるラマン散乱ピーク強度(A1)と加水分解開始20分以内に測定したラマン散乱ピーク強度(A2)との比(A1/A2)が0.2以下であり、重量平均分子量が300〜10000であり、IR測定において1075〜1055cm−1の間にSi−O伸縮振動に帰属される吸収を有し、1172〜1153cm−1の間にショルダーピークが認められ、1075〜1055cm−1の間にSi−O伸縮振動に帰属される吸収ピークにおける極大値の5分の1の高さのピーク幅(W1)と2分の1の高さのピーク幅(W2)の比(W1/W2)が1.8以上であり、該アルコキシ珪素化合物の加水分解において、加水分解触媒として酢酸を用いることを特徴とする反射防止膜形成用塗布液の製造方法。
ただし、IR測定のピーク高さは、1284〜1250cm−1の間の極小値と1007〜985cm−1の間の極小値とを結んだ線をベースラインとして測定する。 - 酢酸ナトリウムを含有することを特徴とする請求項1記載の反射防止膜形成用塗布液の製造方法。
- アルコキシ珪素化合物を加水分解する際に、前記シリカ微粒子を混合することを特徴とする請求項1または2記載の反射防止膜形成用塗布液の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の反射防止膜形成用塗布液の製造方法により得られた反射防止膜形成用塗布液を塗布することによって得られる低屈折率層を有することを特徴とする反射防止フィルム。
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