JP4543396B2 - 磁気式エンコーダー、レンズ鏡筒及びオートフォーカスカメラ - Google Patents

磁気式エンコーダー、レンズ鏡筒及びオートフォーカスカメラ Download PDF

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Description

本願発明は、磁気媒体から出ている磁気を磁気センサーで検出し、可動部材の変位あるいは速度を得ることができる磁気式エンコーダー、その磁気式エンコーダーを備えたレンズ鏡筒、及びそのレンズ鏡筒を搭載したオートフォーカスカメラに関するものである。
可動部材の変位や速度を精密に検出し帰還制御を行う機械装置は多い。一例として、オ
ートフォーカスカメラ用のレンズ鏡筒がある。レンズ鏡筒内には、電動モーターや超音波
モーターで合焦用レンズを進退させるフォーカス機構が設けられている。フォーカス機構
を構成する回転筒の回転変位を検出するのに、磁気式エンコーダーが使われている。特許
文献1に、フォーカス機構に用いられている磁気式エンコーダーが開示されており、その
外観斜視図を図10a)に示す。鏡筒10に沿って設けられた曲率を有する磁気媒体15
に、磁気センサー5が押し当てられている。磁気センサー5は、磁気センサー素子1と加
ばね2から構成されている。図10a)を見ても判るように、磁気センサー5は磁気媒体
対向面の寸法に比べ、厚み方向の寸法は非常に薄くなっている。鏡筒内の限られたスペー
スでは、磁気センサーに薄さが求められるため、薄肉化が難しい光学式エンコーダーより
磁気式エンコーダーが多用されている。磁気センサー素子1の出力を帰還させ、モーター
11を駆動し焦点を合わすものである。
特開2000−205808号 公報
高精度に回転量を制御するため、磁気式エンコーダーには高い分解能が要求される。分
解能は磁気媒体の着磁ピッチで表すこともでき、その着磁ピッチは従来30〜50μmで
あったのが、10〜20μmさらに10μm以下が求められて来ている。高分解能化を進
めるに従い磁気媒体と磁気センサー素子の間隔であるギャップの影響が大きくなり、ギャ
ップ変動をなくすことが必要となってくる。そのため、磁気媒体と磁気センサー素子を接
触させて摺動させる方式が有利であり、多く採用されている。
図10b)に、摺動時の磁気センサーの姿勢を保つため、組立時に磁気媒体15に磁気
センサー素子1を均一に押し当てる加圧ばね2の構造が開示されている。磁気センサー素
子1はホルダ6に取り付けられ、ホルダ6の背面の揺動中心軸を支点として、ホルダは加
圧ばね2に対し揺動する。揺動することで、加圧ばねの傾きに関係なく磁気センサー素子
1は、スペーサー7を介して磁気媒体15と密着させることができる。磁気センサー素子
が磁気媒体の変位方向と略並行する揺動中心をもって揺動するため、磁気センサー素子と
磁気媒体とが間隔規制部材等を挟んで密着し、磁気媒体の移動量(すなわち、合焦用レン
ズ群の進退量)を高精度に検出することができるものである。前述、揺動中心が揺動時の
支点となり、磁気センサー素子1を磁気媒体15に押付ける荷重点8となる。
しかし、より高精度化の要求が進むにつれ、磁気媒体15と磁気センサー素子1の摩擦
による磁気センサー素子1の摺動方向位置ずれが大きな問題となってきた。特許文献2に
は、磁気センサー素子1の摺動方向位置ずれを低減する方法が開示されている。図11に
示す様に、磁気センサー素子1の摺動方向の幅wが、着磁ピッチの2〜15倍で、0.0
4〜0.3mmと非常に狭い磁気センサー素子を提案している。磁気媒体15と接する磁
気センサー素子1の摺動方向幅を0.3mm以下と小さくすることで、磁気媒体と磁気セ
ンサー素子の摩擦抵抗を減らし、磁気センサー素子の摺動方向位置ずれを小さくして、出
力信号の安定化を図っている。
特開2006−064381 号 公報
磁気センサー素子の摺動方向位置ずれを小さくすることが、出力信号の安定化につなが
る点ついて述べる。本願では、特に断りのない限り磁気センサー素子の摺動方向位置ずれ
による出力信号の安定化は中点電圧ずれを言う。特許文献3にMR素子の配置と中点電圧
が記載されているので、これを用いてMR素子20の配置と中点電圧の増幅器21で説明
する。図12と図13を参照しながら、磁気センサー素子の位置ずれと中点電圧ずれにつ
いて簡単に説明する。図12a)は、磁気センサー素子のMR素子20の配列状態、図1
2b)は、中点電圧の測定回路である。図13は、磁気センサー素子が位置ずれを起こし
た時のMR素子と磁気媒体の間隔(ギャップギャップ)の関係を示している。図12a)
は、MR素子80の接続パターンでありMR素子20はブリッジを形成している。図12
b)に示す様に、例えばMR素子20のRAとRA’は直列に接続され、その両端は+V
とGNDに接続されている。RAとRA’の接続点から中点電圧VAが得られる。RAと
RA’が同じ抵抗値であれば、中点電圧はV/2となるが、RAとRA’の抵抗値が異な
ると中点電圧は変動する。中点電圧が変動すると位置検出誤差(ジッター)が大きくなる
と言う問題が発生する。
中点電圧の変動の一つに、磁気センサー素子の摺動方向位置ずれによるギャップ変動が
ある。図13a)は、磁気媒体15の中心と磁気センサー素子1の中心が一致している状
態である。RBとRB’のMR素子と磁気媒体とのギャップを見てみる。図13a)では
、RBのg2とRB’のg1が異なるため、中点電圧はV/2より少しずれた値となる。
しかし、この少しずれた状態を基準として調整しているので、この中点電圧のずれは問題
とならない。図13b)は、磁気媒体が時計方向に回転することで、磁気センサー素子1
は摺動方向の右方向に連れ回され、g1はより大きくg2は小さくなり、g1とg2で非
常に大きな差が生じる。図13c)は、磁気媒体が反時計方向に回転したときで、磁気セ
ンサー素子は左方向に連れ回され、図13b)に比べg2は大きくg1は小さくなる。磁
気センサー素子が摺動方向に連れ回されることで、g1とg2に差が生じて中点電圧が変
動するものである。逆に、連れ廻りによる磁気センサー素子の摺動方向位置ずれが小さけ
れば中点電圧の変動も少ないと言えるので、中点電圧の変動で摺動方向の位置ずれを評価
することができる。
特許第3610420号 公報
特許文献2の様に摺動方向の幅を0.3mm以下と小さくすることで、磁気媒体15と磁気センサー素子1間の摩擦力は減るので、磁気センサー素子の摺動方向位置ずれを抑えることはできるが、実装する上で次の様な問題が発生している。特許文献2には、磁気センサー素子1の厚みh’に関して具体的な数値の記載はないが、磁気センサー素子61の周囲にFPC12が設けられていることから、FPC12の厚みより厚くする必要があることからh’は少なくとも0.5mm以上あると推測される。また、図11から見ても厚みh’は少なくとも摺動方向の幅wの数倍はあると見られる。このような幅wより厚みh’の厚い素子をサスペンション13上に、垂直に固着することが難しいのと、磁気センサー素子1の摺動方向の幅wの中央部に荷重点が位置するように固着するのも非常に難しい。荷重点を支点として磁気センサー素子は磁気媒体移動方向に引き連れられる様に力を受ける。加重点がずれると磁気センサー素子は傾き易くなり、摺動方向の幅を小さくして摩擦抵抗を下げた効果が減じられる。また、摺動面積を小さくしたため、従来通りの磁気センサーを磁気媒体に押付ける荷重値では、単位面積当りの押付け力が大きくなり過ぎ、耐摩耗性の低下を招く。そのため、荷重を小さくする必要が出て来るが、荷重を小さくすると衝撃等で外部から磁気エンコーダーに力が加わった時に、磁気センサー素子1が傾き易くなることも考えられる。
摺動方向の幅wが小さいため、磁気センサー素子1の摺動方向の両端の稜部14が磁気
媒体と接触し易くなるので、稜部14に曲面を形成する必要がある。従来の磁気センサー
素子は、ウェファー上に素子を形成した後、砥石でウェファーを切断して得られた。しか
し、稜部に曲面形成を行うには磁気センサー素子単体にしてから行う必要があり、製造コ
スト低減が難しい。
本願発明は、磁気センサー素子の摺動方向位置ずれが小さく中点電圧の変動が少なく、磁気センサー素子と加圧ばねの組立が容易で、耐摺動性が高く、衝撃等の外力に対しても安定した磁気エンコーダー、その磁気式エンコーダーを備えたレンズ鏡筒、及びそのレンズ鏡筒を搭載したオートフォーカスカメラの提供を目的にする。また、磁気センサー素子はウェファーから砥石で切断した状態で使用できるので、安価な磁気エンコーダー提供が可能になる
本願発明の磁気式エンコーダーは、磁気媒体と対向して配された磁気センサーは往復摺
動相対移動し、磁気媒体から発生する磁界を磁気センサーに設けた磁気抵抗効果素子で検
出する磁気式エンコーダーであって、磁気センサーは少なくとも磁気抵抗効果素子を有す
る磁気センサー素子と、磁気センサー素子を保持し磁気媒体に荷重Fで押付ける保持機構
部、および磁気センサー素子より信号を外部に取り出す配線部からなり、センサー素子は
略直方体形状であり、媒体の曲率が半径4mm以上35mm以下で、荷重Fが50mN以
上800mN以下、摺動速度が0.01m/s以上0.5m/s以下の条件下で、センサ
ー素子の幅wが1.1mm以上4.0mm以下で、センサー素子の媒体摺動面と荷重点と
の距離hが0.25mm以上1.10mm以下であり、w/hが3以上20以下であるこ
とが好ましい。
テープ状のプラスチックフィルム上に磁性体をコーティングしたものを、所定の曲率を
有する非磁性面に接着材で固定することで、磁気媒体を形成することができる。曲率を有
する磁気媒体の外周面側に磁気センサーを配する構造が良い。内周面側に磁気センサーを
配すると、磁気媒体の曲率と磁気センサー素子の大きさによっては、磁気センサー素子の
摺動方向側の端部(稜部)と磁気媒体の摺動面が擦れ合うこととなり、耐摺動性を著しく
損なう。そのため、磁気センサー素子の摺動方向側の端部に曲面加工を施すことが必要と
なり、製造コストの上昇を招くことになる。
磁気センサー素子には、加圧ばねにより保持と磁気媒体への押し付け力(荷重)が与え
られる。加圧ばねは、少なくとも磁気センサー素子を保持する板ばねと、押し付け力を与
える荷重ばねから構成する。板ばねと荷重ばねを組合わせることで、磁気媒体のうねりに
も磁気センサー素子が追従し、磁気媒体と磁気センサー素子の位置関係を保つことができ
る。そのため、摺動方向(ロール方向)や、摺動方向と直角の方向(ピッチ方向)の動き
には鈍く、磁気媒体押し付け方向の動きには敏感に対応できる構造とすることが好ましい
。ロール方向の動きを鈍くするには、ロール方向の剛性を上げることで対応できる。板ば
ねの磁気センサー素子取付部と板ばねの取付台の取付部とを繋ぐ板ばね部に、磁気媒体移
動方向と平行に折り曲げ部を形成することで、ピッチ方向の剛性は変えずにロール方向の
剛性を大きくすることができる。また、板ばねの部位によって厚みを変える方法も取るこ
とができる。
加圧ばねの荷重は、50mN以上800mN以下とすることが好ましい。50mN未満
では、磁気媒体への磁気センサー素子の押付け力が小さ過ぎるため、摺動時に磁気センサ
ー素子面が磁気媒体面から離れ、出力電圧が変動する問題が発生する。これは、磁気媒体
の表面の僅かなうねりや凸部での飛び跳ね、摩擦による磁気センサー素子の連れ廻りと戻
り現象(スリップスティック現象)時の飛び跳ね、外力による離れ等で起こる。800m
Nを超えると磁気センサー素子の飛び跳ねや、外力による離れは押させることできるが、
耐磨耗性の問題が発生する。プラスチックフィルム上に磁性体をコーティングした磁気媒
体では、荷重を上げると磁気媒体表面が変形し磁気センサー素子の幅が小さい場合、磁気
センサー素子の摺動方向側の端部(稜部)で、磁性体を削る現象が起こり、耐摩耗性が急
激に悪化する。
磁気媒体表面が変形する荷重値は次のようにして求めた。半径25mmの曲率を有する
磁気媒体表面に透明ガラス板を押し当て、透明ガラスと磁気媒体の接触幅が0.5mmに
なる荷重を求めた。接触幅が0.5mmで、磁気媒体表面が変形したとした。磁気媒体の
幅方向は3mmとした。また、磁気媒体の表面は平均面粗さRaで約1μmである。磁気
媒体のプラスチックフィルムはPETで200μm厚、磁性体は平均粒径1μmから10
μmのストロンチュームフェライト粉末を、30μm厚に塗布したものである。変形が始
まる荷重は1136mN(116gf)であり、接触している面積から磁気媒体が変形を
起こす単位当たりの荷重は、757mN/mmである。安全率を考え荷重は800mN
(約82gf)以下とし、約530mN/mm以下とすることが好ましい。単位当たり
の荷重値を530mN/mm以下とすることで、磁気センサー素子による磁気媒体表面
の変形が起こらないため、磁気センサー素子の幅を小さくしても、磁気センサー素子の摺
動方向側の稜部で磁気媒体表面を削ることはない。言い換えると、単位当たりの荷重値を
530mN/mmとした場合、磁気センサー素子の摺動方向の幅は0.5mm以上とす
る必要がある。
摺動速度は、0.01m/sから0.5m/sの範囲であることが好ましい。プリンタ
ー用やカメラ用、FAロボット用、工作機械用等用途によって、磁気媒体の径や回転数が
異なるため移動速度は、0.01m/sから0.5m/sと範囲が広くなってくる。オー
トフォーカスカメラ用の磁気式エンコーダーでは、磁気媒体が半径20mmから30mm
で、磁気媒体の回転数が40rpmから80rpmであるので、磁気媒体と磁気センサー
の摺動速度は、0.084m/s〜0.25m/sとなる。摺動速度とは、加速もしくは
減速状態にない定速時の摺動速度を言う。
摺動方向の磁気センサー素子の幅wが1.1mm以上4.0mmであることが好ましい
。磁気センサー素子幅wは、小さい程ウェファー基板からの取れ数が多くなるので有利で
ある。しかし、小さくすることで、加圧ばねと磁気センサー素子との組立が難しくなる等
の問題も出てくる。特に加圧ばねと磁気センサー素子の媒体対向面との平行度である。摺
動方向と直角方向の長さを2.5mmから4.0mm程度とした場合、磁気センサー素子
のMR素子側を平坦な板上に置き背面に加圧ばねを樹脂固着するだけで、平行度1度以内
が得られるセンサー素子幅wの最小値が1.1mmであった。1.1mm未満の磁気セン
サー素子を用いて組立てるには、磁気センサー素子と加圧ばねを保持する治具が必要とな
った。ウェファー基板からの取れ数と組立時の取り扱い易さから決まるものであり、本願
では4.0mmとした。
磁気センサー素子の磁気媒体対向部分の形状は方形でなくとも、略台形でも良いもので
ある。台形とすると摺動方向の磁気センサー素子の幅wは、磁気媒体の上下端部で異なる
ので、磁気媒体中心部での磁気センサー素子の長さを持って幅wとする。略台形の上辺側
にMR素子を底辺側に端子を配することで、端子の大きさを変えずにウェファー基板から
取れる磁気センサー素子の数を増やすことができる。
加圧ばねと磁気センサー素子の媒体対向面間で数度の傾きがあっても、加圧ばねの柔軟
性から磁気媒体と磁気センサー素子は密着する。しかし、磁気媒体の中心に対して数度の
傾きを持って荷重が加わっている状態であるので、磁気媒体の移動で磁気センサー素子が
連れ回されることで、より磁気媒体の中心に対して角度が付くこととなり、磁気センサー
素子が傾きギャップが変化し中点電圧の変動を更に大きくしてしまう。また、逆方向に磁
気媒体が動き始めたときは、今までと逆方向に磁気センサー素子が連れ回されるため、磁
気媒体を強く押す方向に力が加わり、耐磨耗性に悪影響を及ぼす。そのため、磁気センサ
ー素子の摺動方向中心に荷重点があり、荷重が磁気媒体中心方向に加わるように、磁気セ
ンサー素子と加圧ばねを組立てる必要がある。同様に、磁気センサー素子の荷重方向と磁
気媒体中心方向を一致させて組立てることが重要である。
加圧ばねのロール方向の剛性と、磁気媒体と磁気センサー素子の摩擦力が同じであれば
、荷重点と磁気センサー素子の磁気媒体接触面までの距離hが小さいほど、摺動による磁
気センサー素子を連れ回る力が小さくなる。そのためhは、0.25mm以上1.05m
m以下とすることが好ましい。hは、磁気センサー素子の厚みh’と板ばねの厚さt、接
着材厚みの合計値である。接着材の厚みは数μm程度であるので、無視して考えることが
できる。板ばねの厚さtは50μmから100μmである。
磁気センサー素子はウェファー基板上にMR素子パターンや配線、絶縁層等を、フォト
リソと製膜、エッチング技術等を用いて形成した後、ダイヤモンド砥石等を用いてウェフ
ァー基板を切断して磁気センサー素子を得る。MR素子パターンや配線、絶縁層等の工程
で安全に取り扱いが出来るウェファー基板の厚みの下限は0.20mmであった。中点電
圧ずれが3mV以下で、位置検出誤差(ジッター)を7%以下に収めるには、hは1.1
mm以下とすることが必要であり、板ばねの厚みtを除くと、h’は0.2mmから1.
05mmとする必要がある。hが1.1mmを超えるようになる厚みのウェファー基板を
使用した場合は、加圧ばね貼付け面側を全面研削加工行いウェファー基板厚を薄くするか
、加圧ばねを貼り付ける部位を研削して、h’を小さくすることができる。しかし、機械
加工を行うことは製造コストの上昇を招くことになるので、出来得る限り薄い厚みのウェ
ファー基板を使用することが好ましい。
よりhを小さくする方策として、板ばねの磁気センサー素子接着部に孔を形成し、孔部
に荷重ばねの突起部(荷重点)を設けることができる。荷重ばねの突起部が磁気センサー
素子に直接接触するので、h=h’とすることができる。板ばねに一部に孔を形成するこ
とで、板ばねの厚みの影響をなくすことができる。
磁気センサー素子の摺動方向の幅wは1.1mm以上4.0mm以下が好ましく、荷重
点と磁気センサー素子の磁気媒体接触面までの距離hは0.2mm以上1mm以下が好ま
しいことを述べてきたが、これらのwとhの範囲でより好ましいwとhの関係は、w/h
が3以上20以下である。磁気媒体に摺動させる磁気センサー素子は、平べったい形状が
良いものである。w/hを3以上20以下の範囲に入れることで、加圧ばねとの組立で特
別な組立治具を用いずとも、高精度な磁気センサー素子と加圧ばねの組立体が得られる。
また、摺動する磁気媒体との摩擦で起こる磁気センサー素子の連れ回りを小さくすること
ができ、中点電圧の変動を3mV以下に抑えることができ、位置検出誤差(ジッター)を
7%以下にすることが可能となる。
磁気センサー素子の摺動方向の幅wは1.1mm以上で、平べったい形状とすることで
、外力が加わっても安定した摺動が得られる。例えば従来技術で述べたように、wが0.
04mmから0.3mmで厚み方向が厚い縦長形状の磁気センサー素子を用いた場合は、
磁気センサー素子が摺動方向に0.02mm瞬間的にでもずれる様な外力を受けた場合、
磁気媒体の中心線から磁気センサー端部が外れ、磁気センサーが足払いを受けた様になり
、最悪、復帰できない状態に陥り電気信号が得られなくなる。この様な状態になれば、磁
気媒体には傷が発生し耐磨耗性は著しく低下する。本願発明のように、w/hが3以上2
0以下と平べったい磁気センサー素子を用いることで、この様な足払い現象は完全に防ぐ
ことができる。
磁気センサー素子の幅wを1.1mm以上4.0mm以下、センサー素子の媒体摺動面と荷重点との距離hを0.2mm以上1.0mm以下とし、w/hが3以上20以下の平べったい形状とすることで、磁気センサー素子の摺動方向位置ずれが小さく中点電圧の変動が少なく、磁気センサー素子と加圧ばねの組立が容易で、耐摺動性が高く、衝撃等の外力に対しても安定した磁気エンコーダーを得ることができた。また、磁気センサー素子はウェファーから砥石で切断した状態で使用できる、安価な磁気エンコーダーを得ることができた。このような磁気式エンコーダーは、オートフォーカスカメラのレンズ鏡筒用途に好適なものであり、レンズ鏡筒の回転量を高精度に制御することを可能にするものである。
以下本発明を図面を参照しながら実施例に基づいて詳細に説明する。説明を判り易くす
るため、同一の部品、部位には同じ符号を用いている。
図1に、本実施例の磁気センサーの分解斜視図を示す。加圧ばね2の板ばね3の接着部
9に、MR素子20を有する磁気センサー素子1が樹脂(図示せず)で固着されている。
板ばね3の磁気センサー素子1を接着した背面の接着部9の略中央部に荷重を加えるため
荷重ばね4を配した。荷重ばね4と板ばね3はネジ62で取付台23に固定した。加圧ば
ね2を取付台23に固定することで、磁気媒体15に磁気センサー素子1を所定の位置に
所定の荷重で押付けるものである。磁気センサー素子の電気信号を外部に取り出すのに、
FPC(Flexible Print Circuit)12を用いた。板ばね3の接
着部9の略中央部と複数のMR素子20からなる感磁部の略中央部を合わせて接着固定し
た。磁気センサー素子1の磁気媒体移動方向の幅がwで、厚みがh’である。
板ばね3は50μm厚で荷重ばね4は75μm厚のステンレス材で、金型を用いて打抜
きプレス成型した。荷重ばねの荷重点8の突起の形成や荷重を与えるための曲げ等は、打
抜きと同時にプレス加工した。磁気センサー素子1は、h’の板厚のガラスウェファー上
に、フォトリソ技術と真空製膜技術、エッチング技術を用いMR素子20と配線を形成し
た。MR素子20上には約3μm厚でアルミナ膜を形成した。MR素子等の形成が終了し
たウェファーを、ダイヤモンド砥石で幅w2.5mm長さ3.8mmに切断し、磁気セン
サー素子1を得た。MR素子や配線、MR素子上のアルミナ膜の厚みは、各々数μmであ
るので無視し、ガラスウェファー厚=磁気センサー素子厚=h’としている。MR素子上
のアルミナ膜厚が、MR素子と磁気媒体表面とのギャップとなっている。磁気センサー素
子の配線とFPC12は無鉛はんだで接合した。
図2に、磁気センサー素子幅wと板ばねとの組立精度の関係を示す。磁気センサー素子
の厚みh’は0.7mm、長さを3.8mmとして、幅wを0.2mmから4.3mmま
で9種類の試料を各15個作製した。接着精度の測定であるので、MR素子の位置等は無
視して試料を作製している。板ばね3を平らな板上に設置し、接着部に数μm厚でエポキ
シ樹脂17を塗布した後、磁気センサー素子を加圧接着し120℃x20分加熱硬化した
。板ばね1の接着面と磁気センサー素子の板ばね対向面側の平行度を、顕微鏡を用い測定
した。平行度は、板ばねの面を基準として磁気センサー素子の面の傾きΘ(度)で求めた
図2に、磁気センサー素子幅wと平行度Θ(度)の関係を、15個の試料の分布幅で表
している。wが大きくなるに従い、角度Θは急激に小さくなっている。wが0.8mmで
はΘは約1度以下となり、0.95mmではΘは1度以下を確保することができた。wが
0.55mm以下ではΘのばらつきは大きく、使用できるレベルではない。wが0.55
mm以下の磁気センサー素子を組立てる場合、例えば磁気センサー素子の厚み方向の壁面
(側面)を利用することが考えられる。壁面を利用する場合は、壁面と磁気センサー素子
厚み方向の直角度が重要となってくる。板ばねに平行に接着できても直角度分がΘとなっ
てくる。このことからも、wを1mm以上とすることで、磁気センサー素子の機械加工が
容易で、組立精度が高い磁気センサーが得られることが確認できた。
荷重点と中点電圧ずれの説明の前に、中点電圧と中点電圧ずれ、ジッターについて図3
を用いて説明する。図3a)で、MR素子RAとRA’直列接続し、その接続点の電圧を
中点電圧と称している。MR素子RAはr1(Ω)、RA’もr1(Ω)の電気抵抗であ
ると中点電圧はV1となる。このとき、V1=V/2であり、MR素子RAとRA’は磁
気媒体から加わる磁界が同じで同じ抵抗変化をした状態である。この状態での中点電圧を
時間変化で現したのが、図4b)である。波形の最大値a,e,i点と最小値c,g点の
中間値b、d、f、h点が中間電圧V1となる。磁気センサー素子が磁気媒体に対して位
置ずれを起こすと、MR素子と磁気媒体間の間隔(ギャップ)が変わるため、MR素子R
Aの電気抵抗値はr2(Ω)に、MR素子RA’の電気抵抗値はr3(Ω)に変化し、中
点電圧はV2となる。図2c)に、中点電圧V2の時間変化を示す。MR素子RAとRA
’の電気抵抗値が異なるため、中点電圧V1の値に対して中点電圧b’、d’、f’、h
’点は、ずれた状態となる。中点電圧V1とV2の差を中点電圧ずれとして、中点電圧ず
れを3(mV)以下に抑えることにしている。通常の磁気エンコーダーの出力は60(m
P−P)以上である。最小出力値の60mVでジッターを7%以下にするには、中点電
圧ずれは3(mV)以下とする必要がある。
中点電圧の例えばdとd’の時間ずれ量をジッターと称し、パルス波形に変換した時の
基準信号(クロックパルス)からの時間ずれ量となる。この時間ずれが大きくなると位置
検出誤差が大きくなり、エンコーダーとしての機能が得られなくなる。中点電圧ずれ3(
mV)は、ジッター7%(パルス幅の7%のずれと言い換えられる)になり、使用できる
限度である。そのため、中点電圧ずれが3(mV)以下となるように、荷重値や磁気セン
サー素子の幅w、磁気センサー素子の厚みh’を求めることが重要である。なお、本願で
は、中点電圧ずれを3(mV)として説明をするが、この値に限られるものではない。信
号処理回路によっては、より小さな値にする必要があるし、逆にもっと大きな値を閾値と
できることもある。
図4に、荷重Fと中点電圧ずれの関係を示す。磁気センサー素子を磁気媒体に押付ける
荷重Fを、30(mN)から1450(mN)まで変化させ、中点電圧ずれを測定した。
図4a)に示すように測定は、磁気媒体15の半径rは25mmとし、磁気センサー素子
1の厚みh’は0.5mm、板ばね3の厚みtは0.05mmとしたので、荷重点から磁
気媒体15間の距離hは0.55mmである。磁気センサー素子1の幅wは3.0mmと
した。摺動速度は、0.25(m/s)とした。図4b)に、荷重Fと中点電圧ずれの関
係を示す。中点電圧ずれが3(mV)以下となる荷重は、50(mN)から800(mN
)の範囲であった。荷重が50(mN)小さいと磁気媒体の表面の僅かなうねりや凸部で
の飛び跳ねによる、出力変動が起こり中点電圧ずれが大きくなったと考えられる。800
(mN)以下では、摩擦による磁気センサー素子の連れ廻りと戻り現象(スリップスティ
ック現象)時の飛び跳ねによる、中点電圧ずれも抑えられ、中点電圧ずれも3(mV)以
下となっている。800(mN)を超えると、中点電圧ずれのばらつきが大きくなり、3
(mV)を超えるものも発生している。この原因は不詳である。本実施例では、詳細に述
べないが800(mN)を超えるような大きな荷重では、耐磨耗性が著しく低下する結果
であるので、荷重値は800(mN)以下とすることが望ましい。
図5に、磁気センサー素子幅wと中点電圧との関係を示す。磁気センサー素子1の幅w
を、0.3mmから4.9mmまで変化させて、中点電圧ずれを評価した。図5a)に示
すように測定は、磁気媒体15の半径rは25mmとし、磁気センサー素子1の厚みh’
は0.5mm、板ばね3の厚みtは0.05mmとしたので、荷重点から磁気媒体15間
の距離hは0.55mmである。磁気媒体の幅mは3.0mm、荷重は400(mN)と
した。摺動速度は0.25m/sとした。磁気センサー素子幅wが大きくなるに従い中点
電圧ずれは小さくなり、約1.0mmで中点電圧ずれが3(mV)以下となった。磁気セ
ンサー幅wが1.0mm以下で中点電圧ずれが大きいのは、荷重が一定で磁気センサー素
子と磁気媒体との接触面積が同じで荷重も同じであることから、単位当たりの荷重値が大
きくなり過ぎたため、摩擦力が大きくなりスリップスティック現象による飛び跳ねが起こ
ったためと考えられる。安全率を考慮し、磁気センサー素子の幅wは1.1mm以上が良
いと言える。
中点電圧ずれの値から、wは大きい分には構わない結果であるが、wが大きいとウェフ
ァー基板からの取れ数が少なくなるのと、板ばねの外形も大きくする必要がでてくる。図
5a)に示す様に、板ばねは磁気センサー素子を接着する部位と、ピッチ方向の剛性を下
げるための梁状の部位、梁状の部位を支える枠状の部位から成っている。磁気センサー素
子の幅wが大きくなると、梁状の部位や梁状の部位に磁気センサー素子が接触することに
なる。梁状の部位や梁状の部位に磁気センサー素子が接触すると、板ばねの機能が失われ
ることになる。そのため、磁気センサー素子の幅wに比例して、板ばねの幅も大きくする
必要があり、結果的に磁気センサーの小型化を妨げることになる。これらから、磁気セン
サー素子の幅wは、4.0mm以下が良いものである。
図6に、荷重点と磁気センサー素子の磁気媒体接触面までの距離hと中点電圧ずれとの
関係を示す。距離hを0.25mmから1.95mmまで変化させて、中点電圧ずれを評
価した。測定は、磁気媒体の半径は25.0mmとし、板ばねの厚みtは0.05mmと
した。磁気媒体の幅mは3.0mm、磁気センサー素子幅wは2.5mm、荷重Fは40
0(mN)とした。摺動速度は0.25m/sとした。板ばね3と磁気センサー素子1は
樹脂で数μm厚の接着層で固着しているので、接着層厚は無視できる。磁気センサー厚h
’=h―tと考えて良い。hが0.25mmから1.1mmの範囲で中点電圧ずれは3(
mV)以下が得られている。1.1mmを超えると中点電圧ずれのばらつきが大きくなっ
ているので、荷重点と磁気センサー素子の磁気媒体接触面までの距離hは0.25mm以
上1.10mmが良いと言える。このhの最適値から板ばねの厚みtを除いた0.2mm
から1.05mmが、磁気センサー素子の最適厚みh’となる。h’は0.2mm以下で
も良いと思われるが、ウェファー基板にMR素子や配線等を形成する工程で、安全に取扱
える厚みの下限が0.2mmであるのと、板ばねの厚みが0.05mm以上であるので、
hの下限値を0.25mmと規定することが良いと言える。
図7に、磁気センサー幅wと荷重点と磁気センサー素子の磁気媒体接触面までの距離h
のw/hと中点電圧ずれの関係を示す。実施例3から実施例5で荷重F、磁気センサー幅
w、荷重点からの距離hと中点電圧の関係を述べ、センサー素子の幅wが1.1mm以上
4.0mm以下で、センサー素子の媒体摺動面と荷重点との距離hが0.25mm以上1
.10mm以下とすることで、中点電圧ずれを3(mV)以下に出来ることを示してきた
。磁気媒体の径や荷重、摺動速度の組み合わせにおいても、3(mV)以下の中点電圧ず
れが安定に得られる様に、これらのwとhの範囲でより好ましいwとhの関係をW/hで
求めた。実施例1から5のデーターを基にして求めた値である。w/hは多くの値となる
ので、個別のデーターでは表示せず、中点電圧ずれの最大値を繋いだ線と最小値を繋いだ
線で表している。
図7から判るように、中点電圧ずれ3(mV)以下の範囲は、w/hが2.5以上で2
3以下であることが判る。安全率を考え、w/hを3.0以上20以下とすることで、中
点電圧ずれを、確実に3(mV)以下とすることができる。w/hが3.0以上20以下
とは、摺動方向に長く平べったい磁気センサー構造を表しているものである。摺動方向に
長く平べったい形状とすることで、磁気センサー素子が摩擦力により足払いを受けるよう
な状態にはならず、また、外力によっても足払いを受けた状態になることも防ぐ事ができ
る。よって、磁気センサー素子の摺動方向側の両端部(両稜部)に曲面加工を施す必要は
ない。このことから、磁気媒体の曲率が半径4mm以上35mm以下で、荷重wが50m
N以上800mN以下、摺動速度が0.01m/s以上0.5m/s以下の条件下で、セ
ンサー素子の幅wが1.1mm以上4.0mm以下で、センサー素子の媒体摺動面と荷重
点との距離hが0.25mm以上1.10mm以下であり、かつ、w/hが3以上20以
下が好ましいものである。
w/hが3.0以上20以下の、摺動方向に長く平べったい磁気センサー構造が良いこ
とを示してきた。これまでに示した実施例では、略方形状の磁気センサー素子であったが
、図8a)から図8c)に示すような形状とすることで、wおよびh’をより小さくする
ことができる。図8a)と図8c)は、磁気センサー素子1の幅wを小さく、図8b)は
磁気センサー素子1の厚みh’を小さくできる例である。FPC12の大きさを同じとし
て図示している。図8a)は、磁気センサー素子を略台形に切断したもので、MR素子部
の幅をwとしている。ウェファー基板にMR素子部と端子部を交互に配して形成した後、
切断をすることで略台形の磁気センサー素子を得ることができる。略台形とすることでウ
ェファー基板から、方形に比べて10%〜20%取れ数を多くすることができ、磁気セン
サー素子の製造コストを下げることができた。
図8b)と図8c)は、従来の方形の磁気センサー素子に研削工程を追加したものであ
る。図8b)は、磁気センサー素子の少なくとも板ばねとの接着部を研削して薄くしたも
のである。厚いウェファー基板を用いる事で、フォトリソや製膜工程でウェファー基板の
取り扱いが容易となり、ウェファー基板割れ等の不具合発生率を下げることができた。方
形の磁気センサー素子の一部を研削し、薄くするのは比較的容易で割れが発生することも
殆んどなかった。図8c)は、方形の磁気センサー素子の一部を研削し、磁気センサー素
子幅を狭くしたものである。図8a)と図8b)の組み合わせ、図8b)と図8c)を組
み合わせることも可能である。FPC12を用いず、超音波を用いたワイヤーボンディン
グを行えば、接続部の幅を小さくすることができるので、図8a)や図8c)の様な形状
とせず、従来の様に方形として、機械加工工数を減らしたり、ウェファー基板からの取れ
数を上げることが良い。接続部をワイヤーボンディング方式に変更しても、図8b)の磁
気センサー素子の厚みを減らす方法は有効な手段であった。
図9a)に、板ばねの厚みの影響をなくして、荷重点と磁気センサー素子の磁気媒体接
触面までの距離hを小さくする方法を示す。図9a)に分解斜視図を示す。従来と異なる
のは、板ばねの磁気センサー素子接着部の荷重ばねの突起部18が当る部分に、孔19を
設けたことである。図9b)に図9a)のn−n’断面を示す。孔19を通して突起部1
8が磁気センサー素子1に直接当り、荷重を与える。この様な板ばね構造とすることで、
板ばねの厚さtが変わっても、磁気センサー素子の厚みh’=荷重点と磁気センサー素子
の磁気媒体接触面までの距離hとすることができた。
図9c)は、wとhには直接関係しないが、磁気センサー素子のロール方向の剛性を上
げ、中点電圧ずれを下げるものである。板ばねの根元部分に折り曲げ部24を形成し、ロ
ール方向の剛性を上げたものである。折り曲げ部のない板ばねに比べ、ピッチ方向の剛性
は変わらず、ロール方向の剛性を約1.6倍とすることができた。
実施例1の磁気センサーの分解斜視図である。 実施例2の磁気センサー素子幅wと板ばねとの組立精度の関係を示す図である。 実施例3の中点電圧と中点電圧ずれ、ジッターを説明する図である。 実施例3の荷重Fと中点電圧ずれの関係を示す 実施例4の磁気センサー素子幅wと中点電圧との関係を示す図である。 実施例5の荷重点と磁気センサー素子の磁気媒体接触面までの距離hと中点電圧ずれとの関係を示す図である。 実施例6の磁気センサー幅wと荷重点と磁気センサー素子の磁気媒体接触面までの距離hのw/hと中点電圧ずれの関係を示す図である。 実施例7の磁気センサー素子の他の形状を示す図である。 実施例8の加圧ばねの他の形状を示す図である。 従来例のオートフォーカスカメラ用のレンズ鏡筒と磁気センサーの図である。 従来例の摺動方向位置ずれを低減する磁気センサーの図である。 MR素子の配置と中点電圧を説明する図である。 磁気センサー素子が位置ずれを起こした時のMR素子と磁気媒体の間隔の関係を示す図である。
符号の説明
1磁気センサー素子、2 加圧ばね、
3 板ばね、4 荷重ばね、
5 磁気センサー、6 ホルダ、
7 スペーサー、8 荷重点、
9 接着部、10 鏡筒、
11 モーター、12 FPC、
13 サスペンション、14 稜部、
15 磁気媒体、17 エポキシ樹脂、
18 突起部、19 孔、
20 MR素子、21 増幅器、
22 ねじ、23 取付台、
24 折り曲げ部。

Claims (4)

  1. 磁気媒体と対向して配された磁気センサーは往復摺動相対移動し、磁気媒体から発生する磁界を磁気センサーに設けた磁気抵抗効果素子で検出する磁気式エンコーダーであって、磁気センサーは少なくとも磁気抵抗効果素子を有する磁気センサー素子と、磁気センサー素子を保持し磁気媒体に荷重Fで押付ける保持機構部、および磁気センサー素子より信号を外部に取り出す配線部からなり、センサー素子は略直方体形状であり、媒体の曲率が半径4mm以上35mm以下で、荷重Fが50mN以上800mN以下、摺動速度が0.01m/s以上0.5m/s以下の条件下で、摺動方向のセンサー素子の幅wが1.1mm以上4.0mm以下で、センサー素子の媒体摺動面と荷重点との距離hが0.25mm以上1.10mm以下であり、w/hが3以上20以下であることを特徴とする磁気式エンコーダー。
  2. 請求項1の磁気式エンコーダーと合焦用レンズをモーターで進退させるフォーカス機構とを備え、該磁気式エンコーダーの出力により該合焦用レンズの進退を帰還制御するレンズ鏡筒。
  3. 磁気媒体の曲率が半径20mm以上30mm以下で、磁気媒体と磁気センサーの摺動速度が0.084m/s以上0.25m/s以下である請求項2のレンズ鏡筒。
  4. 請求項2または請求項3のレンズ鏡筒を搭載したオートフォーカスカメラ。
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