JP4542950B2 - ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置 - Google Patents

ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4542950B2
JP4542950B2 JP2005168119A JP2005168119A JP4542950B2 JP 4542950 B2 JP4542950 B2 JP 4542950B2 JP 2005168119 A JP2005168119 A JP 2005168119A JP 2005168119 A JP2005168119 A JP 2005168119A JP 4542950 B2 JP4542950 B2 JP 4542950B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
gas sensor
sensor element
metal particles
protective layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005168119A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006343183A (ja
Inventor
徹 古市
和宏 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2005168119A priority Critical patent/JP4542950B2/ja
Publication of JP2006343183A publication Critical patent/JP2006343183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4542950B2 publication Critical patent/JP4542950B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ガスセンサの評価方法及び評価装置に関するものである。
一般に、内燃機関の燃焼制御のために、排気ガス中の酸素濃度を検出するガスセンサが用いられている。このガスセンサは、酸素イオン伝導性を有するジルコニア等のセラミックよりなる固体電解質体と、その固体電解質体の一方の表面に設けられ、被測定ガスに曝される白金等からなる測定電極と、固体電解質体の他方の表面に設けられ、基準ガスに接する白金等からなる基準電極とから構成されている。さらに、排気ガス中には、リン等の被毒物質が含まれており、被毒物質が測定電極に吸着すると安定した出力を得ることができない。そこで、測定電極の表面には、測定電極の被毒を防止するためのアルミナマグネシアスピネル等のセラミックからなる多孔質の電極保護層が形成されている。
そして、このガスセンサは、被測定ガス中の酸素濃度に応じて固体電解質体に発生する起電力を、基準電極と測定電極とから取り出し、この起電力の値(以下、「出力値」とも言う。)を用いて酸素濃度を検出するものである。
ところで、近年の排気ガス規制の強化に対応するため、より精密な内燃機関の燃焼制御が要求されている。このため、上記ガスセンサにもより高度な測定精度が求められている。そして、ガスセンサがいかに精度よくその出力を行ないうるかを評価するための評価装置も要望されることとなる。このようなガスセンサの評価装置としては、例えば、特許文献1に記載のように、流量の等しい還元性ガスと酸化性ガスを交互に切替えたガスを被測定ガスとみなしてガスセンサに供給し、これに対するガスセンサの出力によりガスセンサの応答性を評価するものがある。
特開2003−185621号公報
しかしながら、上記のガスセンサの評価装置では、ガスセンサの出力自体である応答性を評価するものであり、ガスセンサの良否を判断できるものの、応答性が悪かった場合にガスセンサのどの部分に不具合があるのかを特定することができなかった。特に、ガスセンサ素子の測定電極に施された保護層には、反応を促進するために白金等の触媒金属粒子を担持させることがあり、この触媒金属粒子の担持量がガスセンサの応答性を変化させる一つの要因となるが、ガスセンサの応答性から保護層に担持された触媒金属粒子の量を直接評価することは困難であった。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、ガスセンサ素子の測定電極を被覆する保護層に担持された触媒金属粒子の量を評価するガスセンサの評価方法及び評価装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のガスセンサの評価方法は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体に、被測定ガスに曝される測定電極と該測定電極に対向する基準電極とを配設し、少なくとも当該測定電極をセラミックの保護層により被覆し、当該保護層に触媒金属粒子を担持させたガスセンサ素子の特性を評価するガスセンサの評価方法であって、少なくともメタンガス及び酸化性ガスを用い、これらのいずれか一方の流量を固定し、他方を変化させて作成する雰囲気に前記ガスセンサ素子を曝したとき、前記ガスセンサが出力する出力値により前記保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量を評価することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載のガスセンサの評価方法は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記ガスセンサ素子の温度を280℃乃至900℃としたことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載のガスセンサの評価装置は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体に、被測定ガスに曝される測定電極と該測定電極に対向する基準電極とを配設し、少なくとも当該測定電極をセラミックの保護層により被覆し、当該保護層に触媒金属粒子を担持させたガスセンサ素子に、少なくともメタンガス及び酸化性ガスから構成される雰囲気を供給するガス供給手段と、当該ガス供給手段により供給される前記メタンガス又は前記酸化性ガスのいずれか一方の流量を固定し、他方を変化させる流量調整手段と、当該流量調整手段により調整された前記雰囲気にガスセンサ素子を曝すことで該ガスセンサ素子を備えるガスセンサが出力する出力値を測定する出力測定手段と、当該出力測定手段により測定された出力値に基づき前記保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量を評価する評価手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載のガスセンサの評価装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記ガスセンサ素子の温度を280℃乃至900℃としたことを特徴とする。
本発明の請求項1に記載のガスセンサの評価方法は、測定電極を多孔質のセラミック保護層により被覆したガスセンサを、少なくともメタンガス及び酸化性ガスを用い、これらのいずれか一方の流量を固定し、他方を変化させて作成する雰囲気に曝すため、この雰囲気に対してガスセンサが出力する出力値により、保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量を評価することができる。具体的には、メタンガスは、安定ガスであるため、そのままでは酸素と反応しない。従って、保護層に触媒金属粒子が担持されていない場合には、酸素がそのまま測定電極に到達するため、酸素が存在するリーン雰囲気における出力値となる。一方、保護層に触媒金属粒子が微量でも担持されていれば、その働きにより、メタンガスが酸化性ガス中の酸素と反応する。このため、測定電極に到達する前に酸素がメタンガスと反応して消費されてしまうため、測定電極に到達する酸素の量が少なくなり、少なくなった酸素量に応じたリッチ雰囲気での出力値となる。このように、触媒金属粒子の量が多ければ、メタンガスと反応する酸素の量が増えるので、測定電極に達する酸素の量が少なくなるため、出力値に応じて保護層に担持された触媒金属量子の量を評価することができる。従って、ガスセンサの静特性からの評価のみで、他の要因に左右されずに保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量を直接評価できる。また、ガスセンサを破壊検査しなくても、保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量を評価できるので、評価対象のガスセンサを再使用したい場合にも有効である。なお、触媒金属粒子としては、Pt、Pd、Rh、Ru等を挙げることができる。また、保護層すべてに触媒金属粒子が担持されていてもよいし、測定電極上に保護層を2層設け、表層にのみ触媒金属粒子を担持させてもよい。
また、本発明の請求項2に記載のガスセンサの評価方法は、請求項1に記載の発明の効果に加え、ガスセンサ素子の温度を280℃乃至900℃として評価を行なう。ガスセンサ素子の温度が高くなるにつれて、保護層に担持された触媒金属粒子の活性が上がるため、温度が低すぎる場合にはメタンガスと酸素と反応を十分に起こすことができず、触媒金属粒子がない場合と同様の出力値になってしまう。また、温度が高すぎる場合には、酸化ガス中のほとんど全ての酸素とメタンガスが反応してしまい、出力値がリッチに高止まりしてしまうため、触媒金属粒子の量を評価することが難しい。従って、ガスセンサ素子の温度を280℃乃至900℃に保って評価を行なうことにより、保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量をさらに適切に評価できる。
また、本発明の請求項3に記載のガスセンサの評価装置は、測定電極を多孔質のセラミック保護層により被覆したガスセンサを、少なくともメタンガス及び酸化性ガスを用い、これらのいずれか一方の流量を固定し、他方を変化させて作成する雰囲気に曝すため、この雰囲気に対してガスセンサが出力する出力値により、保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量を評価することができる。具体的には、メタンガスは、安定ガスであるため、そのままでは酸素と反応しない。従って、保護層に触媒金属粒子が担持されていない場合には、酸素がそのまま測定電極に到達するため、酸素が存在するリーン雰囲気における出力値となる。一方、保護層に触媒金属粒子が微量でも担持されていれば、その働きにより、メタンガスが酸化性ガス中の酸素と反応する。このため、測定電極に到達する前に酸素がメタンガスと反応して消費されてしまうため、測定電極に到達する酸素の量が少なくなり、少なくなった酸素量に応じたリッチ雰囲気での出力値となる。このように、触媒金属粒子の量が多ければ、メタンガスと反応する酸素の量が増えるので、測定電極に達する酸素の量が少なくなるため、出力値に応じて保護層に担持された触媒金属量子の量を評価することができる。従って、ガスセンサの静特性からの評価のみで、他の要因に左右されずに保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量を直接評価できる。また、ガスセンサを破壊検査しなくても、保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量を評価できるので、評価対象のガスセンサを再使用したい場合にも有効である。なお、触媒金属粒子としては、Pt、Pd、Rh、Ru等を挙げることができる。また、保護層すべてに触媒金属粒子が担持されていてもよいし、測定電極上に保護層を2層設け、表層にのみ触媒金属粒子を担持させてもよい。
また、本発明の請求項4に記載のガスセンサの評価装置は、請求項3に記載の発明の効果に加え、ガスセンサ素子の温度を280℃乃至900℃として評価を行なう。ガスセンサ素子の温度が高くなるにつれて、保護層に担持された触媒金属粒子の活性が上がるため、温度が低すぎる場合にはメタンガスと酸素と反応を十分に起こすことができず、触媒金属粒子がない場合と同様の出力値になってしまう。また、温度が高すぎる場合には、酸化ガス中のほとんど全ての酸素とメタンガスが反応してしまい、出力値がリッチに高止まりしてしまうため、触媒金属粒子の量を評価することが難しい。従って、ガスセンサ素子の温度を280℃乃至900℃に保って評価を行なうことにより、保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量をさらに適切に評価できる。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。図1は、ガスセンサの評価装置100全体のシステム構成を概略的に示すブロック図である。図2は、ガスセンサ1の全体構成を示す断面図である。評価装置100は、ガスを供給するガス供給部110と、評価対象となるガスセンサ1を設置する反応炉部120とから構成されている。
ガス供給部110には、メタンガスが充填されたメタンガスボンベ102、酸素ガスが充填された酸素ガスボンベ103、及び窒素ガスが充填された窒素ガスボンベ104の3つのガスボンベが設けられている。メタンガスボンベ102には、ここから供給されるメタンガスの流量を調整するためのマスフロー・コントローラ(MFC)112が接続されている。また、酸素ガスボンベ103には、ここから供給される酸素ガスの流量を調整するためのマスフロー・コントローラ113が接続されている。さらに、窒素ガスボンベ104には、ここから供給される窒素ガスの流量を調整するためのマスフロー・コントローラ114が接続されている。なお、酸素ガスボンベ103から供給される酸素ガスが本発明の酸化性ガスであるが、酸素ガスの他、NOガスやNO2ガスも酸化性ガスとして用いることができる。
ガス供給部110は、配管115に接続されており、各マスフロー・コントローラ112,113,114により流量を調整されたメタンガス、酸素ガス、窒素ガスからなる混合ガスが被測定ガスとして配管115に供給される。本実施形態では、メタンガスボンベ102から供給されるメタンガスの流量を一定とし、酸素ガスボンベ103から供給される酸素ガスの流量を増減させ、窒素ガスボンベ104から供給される窒素ガスの量を酸素ガスの量に応じて増減するようにマスフロー・コントローラ114により調整し、ガス供給部110から配管115に供給される混合ガスの全体の流量を一定としている。なお、流量を一定にするガスを酸素ガスとし、メタンガスの流量を増減させ、その流量に応じて窒素ガスの流量を調整するようにしてもよい。
反応炉部120は、ガス供給部110から各ガスが供給される配管115に接続された配管121内に、ガスセンサ1、空燃比センサ125、ヒータ124を設けている。ガスセンサ1からの出力は、反応炉部120の外に設けられたコンピュータからなる計測部123により測定される。電気式のヒータ124は、配管115に供給される混合ガスを加熱するためのものであり、ヒータ124の通電を制御することにより、ガスセンサ1に供給されるガスの温度がほぼ一定に保たれるようになっている。また、配管121には、モニタ用の空燃比センサ125が設けられ、この空燃比センサ125の出力は空燃比(A/F)計126に測定され、計測部123に入力される。なお、配管121に供給される混合ガスの割合は、ガスアナライザ127により分析され、適正割合が担保されるようになっている。
ここで、評価装置100において評価される対象となるガスセンサ1について説明する。図2に示すように、ガスセンサ1は、先端部が閉じた有底筒状をなすセンサ素子2、センサ素子2の有底孔25に挿入されるセラミックヒータ3と、センサ素子2を自身の内側にて保持する主体金具5を備える。なお、本実施形態において、図2に示すセンサ素子2の軸に沿う方向のうち、測定対象ガス(排気ガス)に曝される先端部に向かう側(閉じている側、図中の下側)を「先端側」とし、これと反対方向(図中上側)に向かう側を「後端側」として説明する。
このセンサ素子2は、イットリアを安定化剤として固溶させた部分安定化ジルコニアを主成分とする酸素イオン伝導性を有する固体電解質体28と、その固体電解質体28の有底孔25の内面に、そのほぼ全面を覆うようにPtまたはPt合金により多孔質状に形成された内部電極層27(本発明の基準電極に相当する)と、固体電解質体28の外面に、内部電極層27と同様に多孔質状に形成された外部電極層26(本発明の測定電極に相当する)を有している。また、センサ素子2には、外部電極層26を被覆する多孔質状の電極保護層99がさらに設けられている。この保護層は、アルミナマグネシアスピネル等の耐熱性セラミックよりなり、触媒金属粒子を担持している。また、このセンサ素子2の軸線方向の略中間位置には、径方向外側に向かって突出する係合フランジ部92が設けられている。また、セラミックヒータ3は、棒状に形成されると共に、内部に発熱抵抗体を有する発熱部42を備えている。このセラミックヒータ3は、後述するヒータ用リード線19,22を介して通電されることにより発熱部42が発熱することになり、センサ素子2を活性化させるべく当該センサ素子2を加熱する機能を果たす。尚、セラミックヒータ3により加熱されたセンサ素子2の温度は、センサ素子2表面に設けられた熱電対により計測され、計測部123に出力される。
主体金具5は、ガスセンサ1を排気管の取り付け部に取り付けるためのネジ部66と、排気管の取付部への取り付け時に取付工具をあてがう六角部93を有している。また、主体金具5は、センサ素子2を先端側から支持するアルミナ製の支持部材51と、支持部材51の後端側に充填される滑石粉末からなる充填部材52と、充填部材52を後端側から先端側に向けて押圧するアルミナ製のスリーブ53とを内部に収納可能に構成されている。
主体金具5には、先端側内周に径方向内側に向かって突出した金具側段部54が設けられており、この金具側段部54にパッキン55を介して支持部材51を係止させている。なお、センサ素子2は、係合フランジ部92が支持部材51上に支持されることにより、主体金具5に支持される。支持部材51の後端側における主体金具5の内面とセンサ素子2の外面との間には、充填部材52が配設され、さらにこの充填部材52の後端側にスリーブ53及び環状リング15が順次同軸状に内挿された状態で配置される。
また、主体金具5の後端側内側にはSUS304Lからなる内筒部材14の先端側が挿入されている。この内筒部材14は、先端側の拡径した開口端部(先端開口端部59)を環状リング15に当接させた状態で、主体金具5の金具側後端部60を内側先端方向に加締めることで、主体金具5に固定されている。なお、ガスセンサ1においては、主体金具5の金具側後端部60を加締めることを通じて、充填部材52がスリーブ53を介して圧縮充填される構造になっており、これによりセンサ素子2が筒状の主体金具5の内側に気密状に保持されている。
内筒部材14は、軸線方向における略中間位置に内筒段付き部83が形成されており、内筒段付き部83よりも先端側が内筒先端側胴部61として形成され、内筒段付き部83よりも後端側が内筒後端側胴部62として形成される。内筒後端側胴部62は、内筒先端側胴部61よりも内径、外径がともに小さく形成され、その内径は後述するセパレータ7のセパレータ本体部85の外径よりも若干大きく形成されている。また、内筒後端側胴部62には、周方向に沿って所定の間隔で複数の大気導入孔67が形成されている。
外筒部材16は、SUS304Lの板材を深絞り加工することにより筒状に成型されており、後端側に外部から内部に通じる開口を含む外筒後端側部63、先端側に内筒部材14に対して後端側から同軸状に連結される外筒先端側部64、外筒後端側部63と外筒先端側部64とを繋ぐ外筒段部35が形成される。なお、外筒後端側部63には、弾性シール部材11を気密状に固定するための加締め部88が形成されている。
また、主体金具5の先端側外周には、センサ素子2の主体金具5の先端から突出する先端部を覆うとともに、複数のガス取入れ孔を有する金属製の二重のプロテクタ81,82が溶接によって取り付けられている。
さらに、内筒部材14の内筒後端側胴部62の外側には、大気導入孔67から水が侵入するのを防止するための筒状のフィルタ68が配置されている。なお、フィルタ68は、例えばポリテトラフルオロエチレンの多孔質繊維構造体(商品名:ゴアテックス(ジャパンゴアテックス(株))のように、水を主体とする液体の透過は阻止する一方、空気などの気体の透過は許容する撥水性フィルタとして構成される。
外筒部材16の外筒先端側部64は、フィルタ68が配置された内筒部材14(詳細には内筒後端側胴部62)を外側から覆う形状に形成されており、外筒先端側部64のうち、フィルタ68に対応する位置には周方向に沿って所定の間隔で複数の大気導入孔84が形成されている。
なお、外筒部材16と内筒部材14とは、外筒部材16の外筒先端側部64のうちで大気導入孔84よりも後端側の少なくとも一部を、フィルタ68を介して径方向内側に加締めることで形成した第1加締め部56と、大気導入孔84よりも先端側の少なくとも一部を、同じくフィルタ68を介して径方向内側に加締めることで形成した第2加締め部57とによって固定されている。このとき、フィルタ68は、外筒部材16と内筒部材14との間で気密状に保持されることになる。また、外筒部材16の外筒先端側部64は内筒先端側胴部61に対し外側から重なりを生じるように配置されており、その重なり部の少なくとも一部が周方向の内側に向けて加締められることで、連結加締め部75が形成されている。
これにより、基準ガスとしての大気は、大気導入孔84,フィルタ68および大気導入孔67、内筒部材14の内部に導入され、センサ素子2の有底孔25に導入される。一方、水滴はフィルタ68を通過することができないため、内筒部材14の内側への侵入が阻止される。
外筒部材16の後端内側(外筒後端側部63)に配置される弾性シール部材11は、センサ素子2に電気的に接続される2本の素子用リード線20、21と、セラミックヒータ3に電気的に接続される2本のヒータ用リード線19、22とを挿通するための4つのリード線挿通孔17が、先端側から後端側にかけて貫通するように形成されている。
また、内筒部材14の内筒後端側胴部62に自身の先端側が挿入配置されるセパレータ7は、素子用リード線20、21と、ヒータ用リード線19、22とを挿通するためのセパレータリード線挿通孔71が先端側から後端側にかけて貫通するように形成されている。また、セパレータ7には、先端面に開口する有底状の保持孔95が軸線方向に形成されている。この保持孔95内には、セラミックヒータ3の後端部が挿入され、セラミックヒータ3の後端面が保持孔95の底面に当接することでセパレータ7に対するセラミックヒータ3の軸線方向の位置決めがなされる。
このセパレータ7は、内筒部材14の後端内側に挿入されるセパレータ本体部85を有するとともに、セパレータ本体部85の後端部から周方向外側に延設されたセパレータフランジ部86を有している。つまり、セパレータ7は、セパレータ本体部85が内筒部材14に挿入されるとともに、セパレータフランジ部86が内筒部材14の後端面にフッ素ゴムからなる環状シール部材40を介して支持される状態で、外筒部材16の内側に配置される。
また、素子用リード線20、21及びヒータ用リード線19、22は、セパレータ7のセパレータリード線挿通孔71、弾性シール部材11のリード線挿通孔17を通じて、内筒部材14及び外筒部材16の内部から外部に向かって引き出されている。なお、これら4本のリード線19、20、21、22は外部において、図示しないコネクタに接続される。そして、このコネクタを介してECU等の外部機器と各リード線19、20、21、22とは電気信号の入出力が行なわれることになる。
また、各リード線19、20、21、22は、詳細は図示しないが、導線を樹脂からなる絶縁皮膜にて被覆した構造を有しており、導線の後端側がコネクタに設けられるコネクタ端子に接続される。そして、素子用リード線20の導線の先端側は、センサ素子2の外面に対して外嵌される端子金具43の後端部と加締められ、素子用リード線21の導線の先端側は、センサ素子2の内面に対して圧入される端子金具44の後端部と加締められる。これにより、素子用リード線20は、センサ素子2の外部電極層26と電気的に接続され、素子用リード線21は、内部電極層27と電気的に接続される。他方、ヒータ用リード線19、22の導線の先端部は、セラミックヒータ3の発熱抵抗体と接合された一対のヒータ用端子金具と各々接続される。
そして、セパレータ7の後端側には、耐熱性に優れるフッ素ゴム等からなる弾性シール部材11が、外筒部材16を加締め、加締め部88を形成することにより、外筒部材16に固定されている。この弾性シール部材11は、本体部31、本体部31の先端側の側周面から径方向外側に向けて延びるシール部材鍔部32を有している。そして、この本体部31を軸線方向に貫くように4つのリード線挿通孔17が形成されている。
次に、評価装置100により、ガスセンサ1の保護層99に担持された触媒金属粒子の量を評価する方法について以下の実施例により説明する。
[実施例]
ガスセンサ1について、保護層99に担持させた触媒金属粒子の担持量の異なる2種類を用意して、ガスセンサ1の出力値を測定した。触媒金属粒子は白金とし、担持量は、0mg及び0.05mgとした。また、センサ素子2の温度は400℃に調整した。ガス供給部110から供給される被測定ガスの全体流量は毎分40L、被測定ガスの温度は450度に設定した。被測定ガスのうち、メタンガスボンベ102から供給されるメタンガスの濃度を1000ppmで固定し、酸素ガスボンベ103から供給される酸素ガスの流量を少量から多量に変化させ、残量を窒素ガスボンベ104から供給される窒素ガスにて調整して全体流量が常に一定になるようにした。以上の条件で、ガスセンサ1が発生する起電力を測定した。その測定結果を図3に示す。図3は、保護層に担持した触媒金属粒子の担持量とガスセンサの出力値の関係を示すグラフである。
図3に示すように、保護層99に触媒となる白金粒子が担持されていない(担持量0mg)場合には、雰囲気が変化してもほぼ出力値が100mV前後で一定し、リーン雰囲気における出力値となっている。一方、担持量が0.05mgの場合は、出力値が400mV前後の出力値を示し、酸素ガスの量がかなり増えたリッチ雰囲気になって出力値が250mV程度に低下する。従って、触媒金属粒子の量が0.05mgという微量であっても出力値に有意な差が出るので、本実施形態の評価装置100を用いて、メタンガス濃度を固定し、酸素ガス濃度を変化させる被測定ガスにガスセンサ1を曝し、その出力値を測定してλの値をみることにより、ガスセンサ1の保護層99に担持された触媒金属粒子の量を把握することができ、適切な量の触媒金属粒子を持つガスセンサ1を選択することができる。
ガスセンサの評価装置100全体のシステム構成を概略的に示すブロック図である。 ガスセンサ1の全体構成を示す断面図である。 保護層に担持した触媒金属粒子の担持量とガスセンサの出力値の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ガスセンサ
100 評価装置
102 メタンガスボンベ
103 酸素ガスボンベ
104 窒素ガスボンベ
110 ガス供給部
112,113,114 マスフロー・コントローラ
123 計測部

Claims (4)

  1. 酸素イオン伝導性を有する固体電解質体に、被測定ガスに曝される測定電極と該測定電極に対向する基準電極とを配設し、少なくとも当該測定電極をセラミックの保護層により被覆し、当該保護層に触媒金属粒子を担持させたガスセンサ素子の特性を評価するガスセンサの評価方法であって、
    少なくともメタンガス及び酸化性ガスを用い、これらのいずれか一方の流量を固定し、他方を変化させて作成する雰囲気に前記ガスセンサ素子を曝したとき、前記ガスセンサが出力する出力値により前記保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量を評価することを特徴とするガスセンサの評価方法。
  2. 前記ガスセンサ素子の温度を280℃乃至900℃としたことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサの評価方法。
  3. 酸素イオン伝導性を有する固体電解質体に、被測定ガスに曝される測定電極と該測定電極に対向する基準電極とを配設し、少なくとも当該測定電極をセラミックの保護層により被覆し、当該保護層に触媒金属粒子を担持させたガスセンサ素子に、少なくともメタンガス及び酸化性ガスから構成される雰囲気を供給するガス供給手段と、
    当該ガス供給手段により供給される前記メタンガス又は前記酸化性ガスのいずれか一方の流量を固定し、他方を変化させる流量調整手段と、
    当該流量調整手段により調整された前記雰囲気にガスセンサ素子を曝すことで該ガスセンサ素子を備えるガスセンサが出力する出力値を測定する出力測定手段と、
    当該出力測定手段により測定された出力値に基づき前記保護層に担持させた触媒金属粒子の担持量を評価する評価手段とを備えたことを特徴とするガスセンサの評価装置。
  4. 前記ガスセンサ素子の温度を280℃乃至900℃としたことを特徴とする請求項3に記載のガスセンサの評価装置。

JP2005168119A 2005-06-08 2005-06-08 ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置 Expired - Fee Related JP4542950B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005168119A JP4542950B2 (ja) 2005-06-08 2005-06-08 ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005168119A JP4542950B2 (ja) 2005-06-08 2005-06-08 ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006343183A JP2006343183A (ja) 2006-12-21
JP4542950B2 true JP4542950B2 (ja) 2010-09-15

Family

ID=37640255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005168119A Expired - Fee Related JP4542950B2 (ja) 2005-06-08 2005-06-08 ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4542950B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003247974A (ja) * 2001-12-18 2003-09-05 Denso Corp ガス検出装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5456891A (en) * 1977-10-15 1979-05-08 Toyoda Chuo Kenkyusho Kk Device for estimating 02 sensor
JP3453899B2 (ja) * 1995-01-25 2003-10-06 株式会社デンソー 空燃比センサの特性評価方法及び評価装置
JP3488818B2 (ja) * 1997-11-25 2004-01-19 日本特殊陶業株式会社 酸素センサ
JPH11174021A (ja) * 1997-12-11 1999-07-02 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 炭化水素ガス検出センサ

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003247974A (ja) * 2001-12-18 2003-09-05 Denso Corp ガス検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006343183A (ja) 2006-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5204160B2 (ja) マルチガスセンサの制御方法及びマルチガスセンサの制御装置
JP5209401B2 (ja) マルチガスセンサ及びガスセンサ制御装置
JP4863960B2 (ja) 酸素センサの検査方法
US7713393B2 (en) Gas sensor and method for manufacturing the same
US20120145543A1 (en) Multigas sensor
JP6857051B2 (ja) ガスセンサ素子およびガスセンサ
JP4981187B2 (ja) NOxセンサの製造方法
JP4520427B2 (ja) ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置
JP4965356B2 (ja) ガスセンサの劣化判定方法
EP1231464A1 (en) Lower protective shield for an exhaust sensor and method for making the same
JP4542951B2 (ja) ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置
JP4496104B2 (ja) ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置
JP4865572B2 (ja) ガスセンサ素子、ガスセンサ及びNOxセンサ
US6889536B2 (en) Air/fuel-ratio detecting apparatus
JP5770773B2 (ja) ガスセンサ
JP2006038496A (ja) ガスセンサ及びその製造方法
JP4542950B2 (ja) ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置
JP4527580B2 (ja) ガスセンサの評価方法及びガスセンサの評価装置
JP6702342B2 (ja) ガスセンサ
US11255812B2 (en) Gas sensor element, heater and gas sensor
JP7252921B2 (ja) ガスセンサ制御装置、ガスセンサ装置及び内燃機関制御装置
JP2019002866A (ja) センサ素子及びガスセンサ
JP3649544B2 (ja) ガス分析装置
WO2018194034A1 (ja) ガスセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070720

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100601

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4542950

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees