JP4542831B2 - アリールアミンの製造方法 - Google Patents

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本発明は有機半導体素子における正電荷輸送材料、又はその中間体として有用なアリールアミン、特にトリアリールアミン又はジアリールアミンを高純度且つ低コストで製造する方法に関するものである。
本発明はアリールアミン化合物を合成する際のウルマン縮合反応として分類される反応の範疇に含まれる。
ウルマン縮合反応は芳香族アミン化合物と芳香族ハロゲン化合物、好ましくは芳香族ヨウ化化合物とを塩基及び銅触媒の存在下に反応させてアリールアミンを合成する方法であり、F.Ullmannによって発見された(非特許文献1参照)。この反応は一般的に反応時間が長く、しかも実用的なアリール化速度を達成するためには通常200℃以上の高温を必要とするため、原料の分解や生成物の酸化、不均化、二量化反応等によって副生成物が多く生成する。
これらの副生成物は目的化合物とイオン化電位やフロンティア軌道の電子密度分布が異なり、有機半導体素子における電気特性の低下を招くため、使用されるアリールアミン化合物は極めて高純度のものが要求される。例えば、正孔輸送材料の移動度に対する不純物の影響について、イオン化電位の小さな不純物の添加によりその正孔移動度が低下することが報告されている(非特許文献2〜4参照)。これは不純物が正孔トラップを形成することが原因と指摘されており、少なくとも生成物の酸化や2量化によって副生するイオン化電位の小さな不純物は可能な限り含まないことが高移動度を得るための条件となる。また、アリールアミン誘導体について中性ならびにカチオンラジカル状態でのフロンティア軌道の電子密度分布に偏りが小さい場合に高い移動度を示すという報告がされており(非特許文献5参照)、酸化によって生成した極性基を有する不純物の存在は電気特性低下の原因となる。そのため電子材料用素材中のこれらの副生成物は出来るだけ排除する必要があるが、その分離精製が非常に困難であり、再結晶やカラムクロマト法で繰り返し精製しなければならずコスト高となる課題があった。
ウルマン反応において、電気特性に悪影響を及ぼす副生成物を抑制する方法は従来報告されている。例えば、ハロゲン化芳香族化合物と大過剰の芳香族アミン化合物とを反応させてスチリル化合物やアリールアミン化合物を合成する方法(特許文献1〜2参照)、ハロゲン化芳香族化合物と芳香族アミン化合物とを反応させてフルオレン骨格を有するアリールアミン化合物を合成する際に、銅触媒の使用量を減量して副生成物を抑制する方法(特許文献3参照)、ハロゲン化芳香族化合物と芳香族アミン化合物とを銅紛触媒及び塩基の存在下で反応させてトリアリールアミン誘導体を合成する際に、不活性気体雰囲気と無機亜硫酸塩の併用により副生成物を抑制する方法(特許文献4参照)等提案されているが、いずれの場合も副生成物は抑制されるものの依然として着色性不純物や酸化物、分解物などが生成し、電子材料用素材又はその中間体として使用するには高度に精製する必要があった。
高純度のアリールアミン化合物を製造するためには、より低温で反応させることが好ましく、芳香族アミン化合物とヨウ素化芳香族化合物とを芳香族溶媒中、銅触媒と水酸化カリウムと第三級アミン化合物の共存下に120℃〜150℃で反応するトリアリールアミン化合物の製造方法が提案されている(特許文献5〜10参照)。しかし、これらの方法は低温においても反応は効率良く進行するが、収率と純度共に満足のいくものではなく、上記の課題は解決されていない。
また、低温でアリールアミン化合物を合成する別法としてはパラジウム触媒、ホスフィン化合物、塩基の共存下に塩素化芳香族化合物や臭素化芳香族化合物と、芳香族アミン化合物とを芳香族溶媒中、20℃〜140℃で反応させる方法(特許文献11〜15、非特許文献6〜9参照)が提案されているが、パラジウム化合物は非常に高価であり、反応後の分離回収にも難点があるため工業的に有利な製造方法とは言えず、また収率や純度も満足のいくものではなかった。
特開平9−258465号公報 特開平11−282180号公報 特開2000−178237号公報 特開2000−239235号公報 特開平9−323958号公報 特開平9−323959号公報 特開平10−212267号公報 特開平10−212268号公報 特開平10−212269号公報 特開平10−312073号公報 特開平10−139742号公報 特開平10−195031号公報 特開平10−310561号公報 特開平11−5769号公報 特開2002−275130号公報 "ヘミシェ べリッヒテ(Chemische Berichte)" 、1920年、36巻 p.2382 "ジャーナル オブ アプライド フィジックス(The Journal of Applied Physics)"、1972年 43巻 p.5033 "フィジカル レビュー レターズ(Physical Review Letters)"1976年 37巻 p.1360 "ジャーナル オブ フィジカル ケミストリー (The Journal of Physical Chemistry)" 、1984年 88巻 p.4714f 電子写真学会誌、1990年 29巻 4号 p.366 "アンゲバンテ ヘミィ インターナショナル イングリッシュ エディション(Angewante Chemie International English Ed.)"、1998年 37巻 p.2046 "ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティ (Journal of The American Chemical Society)"、1998年 120巻、p.9722 "ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)" 、1996年 61巻 p.1133 "テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)" 、1995年 36巻21号 p.3609
本発明の目的はウルマン反応においてアリールアミン化合物を合成する際に電気特性に悪影響を及ぼす不純物を抑制することで、極めて高純度のアリールアミン、特にトリアリールアミン又はジアリールアミンを合成することができ、電子材料用、たとえば有機半導体素子における正電荷輸送材料、又はその中間体としての使用に適する素材を低コストに製造する方法を提供することにある。
すなわち、上記の目的は以下の方法によって達成される。
(1)銅触媒、塩基および有機還元性化合物の共存下で芳香族アミン化合物と芳香族ハロゲン化合物とを反応させるアリールアミンの製造方法であって、前記有機還元性化合物が、下記化合物群Aより選択される化合物であることを特徴とする、アリールアミンの製造方法
下記化合物群A:
Figure 0004542831
Figure 0004542831
Figure 0004542831

L(+)−アスコルビン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸 6−ステアレート、L−アスコルビン酸 2、6−ジブチレート、L−アスコルビン酸2−硫酸エステル二カリウム塩、L−アスコルビン酸2−硫酸エステルバリウム塩、L(+)−アスコルビン酸カルシウム二水和物、L−アスコルビン酸 2−グルコシド、L−アスコルビン酸 2−ホスフェート、アスコルビン酸 テトライソパルミテート、3−O−エチルアスコルビン酸、3−O−デシルアスコルビン酸、3−O−オクタデシルアスコルビン酸、L(+)−5,6−O−イソプロピリデン−3−O−エチルアスコルビン酸、D(−)−5,6−O−シクロヘキシリデンイソアスコルビン酸、5,8−ジメチル−6−クロマノール、2,7,8−トリメチル−2−(β−カルボキシエチル)−6−ヒドロキシクロマン、2,5,7,8−テトラメチル−2−(β−カルボキシエチル)−6−ヒドロキシクロマン、2,5,7,8−テトラメチル−6−ヒドロキシクロマン−2−メチルホスフェート、2,5,7,8−テトラメチル−6−ヒドロキシクロマン−2−ペンチルホスフェート、7−ヒドロキシフラバノン、5,7−ジヒドロキシフラバノン、フラボノール、3,6−ジヒドロキシフラボン、5,7−ジヒドロキシフラボン、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール。
尚、本願発明は特許請求の範囲に記載の構成を有するものであるが、以下、その他についても参考のため記載した。
本発明により、電子材料用素材、たとえば有機半導体素子における正電荷輸送材料、又はその中間体として有用なアリールアミン、特にトリアリールアミン又はジアリールアミン化合物を極めて高純度且つ低コストで製造することができ、高い実用性を有するものである。
本発明を更に詳細に説明する。
本発明はアリールアミン、特に電子材料用素材又はその中間体として有用な一群のトリアリールアミンもしくはジアリールアミンをウルマン縮合反応を用いて製造する際に、銅触媒と塩基、及び有機還元性化合物を共存させて反応を行う新規な製造方法である。本発明者は従来のアリールアミン製造における課題を解決すべく検討を重ねた結果、有機還元性化合物の共存下で反応することによって従来提案されているアリールアミンの合成法と比較し、酸化生成物やニ量化生成物などの副生成物を極めて高度に抑制できることを見出した。また、これらの有機還元性化合物を組み合わせて使用することで不純物抑制に対し顕著な相乗効果が得られることも見出した。これらの有機還元性化合物はウルマン反応中に反応系内で生成し得るスーパーオキシド、ヒドロペルオキシラジカル、ヒドロキシラジカル、過酸化水素、一重項酸素など種々の活性酸素種に対し水素を供与することによって不活性化させる作用をしていると考えられる。ここで合成されたアリールアミン化合物は、酸化反応によって生成する電気特性の低下を招く極性基置換不純物やイオン化電位の低い不純物をほとんど含まないため、極めて容易な精製で電子材料用素材またはその中間体として使用することが出来る。
本発明の有機還元性化合物はその酸化電位が1.5V以下であることが好ましい。酸化電位は、公知の方法(例えば「電気化学測定法(上)」(第1版)藤嶋昭、相澤益男、井上徹共著、技報堂出版刊、1984年 168−208頁;「実験化学講座」(第4版)日本化学会編著、丸善刊 1991年 第9巻 299−302頁等)で測定することができる。一例としては回転ディスクボルタンメトリー法が挙げられ、具体的にはメタノール:ブリトン−ロビンソン緩衝液(pH6.5)=10:90(V:V)の溶液に試料を溶解し、窒素ガスで10分間バブリングした後、作用電極にグラッシーカーボン製回転ディスク電極、対極に白金線、参照電極に飽和カロメル電極をそれぞれ用い、25℃、1000回転/分、スイープ速度20mV/秒の条件で、酸化電位(半波電位)を測定することができる。
更に本発明の有機還元性化合物は、一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物が好ましく、それらの中でも一般式(I)で表わされるヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレタン類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシセミカルバジド類;一般式(II)で表わされるヒドラジン類、ヒドラジド類、フェニドン類;一般式(III)で表わされるレダクトン類;一般式(IV)で表わされるアニリン類、フェノール類が特に好ましい。これらの化合物は単独または2種類以上組合せて使用することができる。
Figure 0004542831
式中、Ra1〜Ra6は各々独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシ基、オキシ基、ホルミル基、カルボニル基、スルホン酸基、スルホニル基、ホスホリル基、ヘテロ環基を表わす。Ra1とRa2、およびRa3〜Ra6の任意の2つの基が結合して環を形成してもよいし、隣接する2つの基で二重結合を形成してもよい。Rb1、Rb2は各々独立してヒドロキシ基、オキシ基、スルファニル基、チオ基、アミノ基を表わす。Rc1、Rc2は各々独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシ基、オキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホン酸基、スルホニル基、ホスホリル基、アミノ基、ヘテロ環基を表わす。Rc1とRc2が結合して環を形成してもよい。Rdは酸素原子、硫黄原子、N(Ra7)を表わす。Ra7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシ基、オキシ基、ホルミル基、カルボニル基、ヘテロ環基を表わす。Reはヒドロキシ基、アミノ基を表わす。Rfはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシ基、オキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホン酸基、スルホニル基、ホスホリル基、アミノ基、ヘテロ環基を表わす。nは0〜5の整数を表わし、nが2以上の場合各々のRfは同じでも異なっても良い。nが2以上の場合、隣接する2つのRfは結合して環を形成してもよい。またReがアミノ基の場合、ReとRfが結合して環を形成してもよい。
一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物において、Ra1〜Ra7、Rc1〜Rc2、Rfが表わすアルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等の直鎖、分岐または環状のアルキル基を表わす。
Ra1〜Ra7、Rc1〜Rc2、Rfが表わすアルケニル基とは、ビニル、アリル、プロペニ、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘキサジエニル、ドデカトリエニル等の直鎖、分岐、または環状のアルケニル基を表わす。
Ra1〜Ra7、Rc1〜Rc2、Rfが表わすアルキニル基とは、エチニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、テトラデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル等の直鎖、分岐または環状のアルキニル基を表わす。
Ra1〜Ra7、Rc1〜Rc2、Rfが表わすアリール基とは、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、フェナントリル、アントリル等の6〜10員の単環式または多環式アリール基を表わす。
Ra1〜Ra7、Rb1〜Rb2、Rc1〜Rc2、Re、Rfが表わすヒドロキシ基とは、ヒドロキシ基とそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を表わす。
Ra1〜Ra7、Rb1〜Rb2、Rc1〜Rc2、Rfが表わすオキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、オクタデシルオキシ等のアルコキシ基;フェノキシ、トリルオキシ、キシリルオキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、バレリルオキシ、オクタノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のカルボニルオキシ基;N−メチルアミノカルボニルオキシ、N−ブチルアミノカルボニルオキシ、N−ヘキシルアミノカルボニルオキシ、N−デシルアミノカルボニルオキシ、N−テトラデシルアミノカルボニルオキシ、N−オクタデシルアミノカルボニルオキシ等のアルキルアミノカルボニルオキシ基;N−フェニルアミノカルボニルオキシ、N−ナフチルアミノカルボニルオキシ等のアリールアミノカルボニルオキシ基;ヒドロキシスルホニルオキシ、メチルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、トリルスルホニルオキシ等のスルホニルオキシ基とそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩;ヒドロキシホスホリルオキシ、ジヒドロキシホスホリルオキシ、メトキシホスホリルオキシ、ジメトキシホスホリルオキシ、ジエトキシホスホリルオキシ、ジプロポキシホスホリルオキシ、フェニルホスホニルオキシ、メチルフェニルホスホリルオキシ、エトキシフェニルホスホリルオキシ、フェノキシホスホリルオキシ、ジフェノキシホスホリルオキシ等のホスホリルオキシ基とそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を表わす。
Rc1〜Rc2、Rfが表わすカルボキシル基とは、カルボキシル基およびそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を表わす。
Ra1〜Ra7、Rc1〜Rc2、Rfが表わすカルボニル基とは、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、バレリル、オクタノイル等のアルキルカルボニル基;ベンゾイル、ナフトイル等のアリールカルボニル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、n−デシルオキシカルボニル、n−ドデシルオキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル等のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等のアリールオキシカルボニル基を表わす。
Ra1〜Ra6、Rc1〜Rc2、Rfが表わすスルホン酸基とは、スルホン酸基およびそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を表わす。
Ra1〜Ra6、Rc1〜Rc2、Rfが表わすスルホニル基とは、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、オクチルスルホニル、ドデシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、トリルスルホニル等のスルホニル基とそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を表わす。
Ra1〜Ra6、Rc1〜Rc2、Rfが表わすホスホリル基とは、ヒドロキシホスホリル、ジヒドロキシホスホリル、メトキシホスホリル、ジメトキシホスホリル、ジエトキシホスホリル、ジプロポキシホスホリル、フェニルホスホニル、メチルフェニルホスホリル、エトキシフェニルホスホリル、フェノキシホスホリル、ジフェノキシホスホリル等のホスホリル基とそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を表わす。
Rb1〜Rb2が表わすスルファニル基とは、スルファニル基とそのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を表わす。
Rb1〜Rb2が表わすチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノニルチオ、デシルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチオ、トリデシルチオ、テトラデシルチオ、ペンタデシルチオ、ヘキサデシルチオ、ヘプタデシルチオ、オクタデシルチオ、ノナデシルチオ、イコシルチオ、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロヘプチルチオ、シクロオクチルチオ、シクロノニルチオ、シクロデシルチオ等の直鎖、分岐または環状のアルキルチオ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基;アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、ペンタノイルチオ、ヘキサノイルチオ、バレリルチオ、オクタノイルチオ、ベンゾイルチオ、ナフトイルチオ等のカルボニルチオ基を表わす
Rb1〜Rb2、Re、Rfが表わすアミノ基とは、アミノ;N−メチルアミノ、N−ブチルアミノ、N−ヘキシルアミノ、N−デシルアミノ、N−テトラデシルアミノ、N−オクタデシルアミノ、N−フェニルアミノ、N−ナフチルアミノ等のモノ置換アミノ基;N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジヘプチルアミノ、N,N−ジオクチルアミノ、N,N−ドデシルアミノ、N,N−オクタデシルアミノ、N,N−ジフェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ等のジ置換アミノ基;アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、ペンタノイルアミノ、ヘキサノイルアミノ、バレリルアミノ、オクタノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、ナフトイルアミノ等のカルボニルアミノ基;メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−ヘキシルオキシカルボニルアミノ、n−デシルオキシカルボニルアミノ、n−ドデシルオキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ等のアルコキシカルボニルアミノ基;メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、トリルスルホニルアミノ等のスルホニルアミノ基;N−メチルウレイド、N−ブチルウレイド、N−ヘキシルウレイド、N−デシルウレイド、N−テトラデシルウレイド、N−オクタデシルウレイド、N−フェニルウレイド、N−ナフチルウレイド等のモノ置換ウレイド基;N,N−ジエチルウレイド、N,N−ジヘプチルウレイド、N,N−ジオクチルウレイド、N,N−ドデシルウレイド、N,N−オクタデシルウレイド、N,N−ジフェニルウレイド、N−メチル−N−フェニルウレイド等のジ置換ウレイド基を表わす。
Ra1〜Ra7、Rc1〜Rc2、Rfが表わすヘテロ環基とはフラン、チオフェン、ピラン、ピリジン、ピロール、ピラジン、アゼピン、アゾシン、アゾニン、アゼシン、オキサゾール、チアゾール、ピリダジン、トリアジン、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、キノキサリン、フタラジン、キノリジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、クロメン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の5〜10員の単環式またはニ環式の窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個の原子を含有するヘテロ環基を表わす。
Ra1とRa2、およびRa3〜Ra6の任意の2つの基が結合して形成する環構造としては、アゼチジン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾリジン、イミダゾール、ピペリジン、ピペラジン、オキサジン、モルホリン、チアジン等が挙げられる。
Rc1とRc2が結合して形成する環構造としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ジヒドロフラン、ジヒドロチオフェン、ピロリン、ジヒドロピラン、ジヒドロチオピラン、ピラゾリン、ジヒドロイソオキサゾール、ジヒドロイソチアゾール、ジヒドロピリジン、ジヒドロピリダジン、ジヒドロピリミジン等が挙げられる。
nが2以上の場合、隣接する2つのRfが結合して形成する環構造としてはナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、フェナレン、ピレン、アセナフテン、アセナフチレン、クマラン、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、クロメン、クロマン、ジベンゾフラン、キサンテン、フェノキサチイン、フェノキサジン等が挙げられる。
Reがアミノ基の場合、ReとRfが結合して形成する環構造とはインドール、インドリン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾリン、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン等を表わす。
なお、これらの形成される環構造は更に置換基を有していてもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。例えばヒドロキシ基、スルファニル基、アルキル基、アルケニル基、チオ基、アリール基、オキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキソ基、チオキソ基、イミノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ハロゲン原子等が挙げられる。また、これらの環構造に更に置換した基が結合して縮合環を形成してもよく、例えばベンゾシクロブテン、ベンゾシクロペンテン、ベンゾシクロヘキセン等が挙げられる。
以下に一般式(a)〜(d)で表わされる化合物の具体例を示すが、化合物はこれらに限定されない。
なお、以下の具体例中、a−1〜a−19はヒドロキシルアミン類、a−20〜a−35はヒドロキサム酸類、a−36〜a−52はヒドロキシウレタン類、a−53〜a−69はヒドロキシウレア類、a−70〜a−84はヒドロキシセミカルバジド類、b−1〜b−16はヒドラジン類、b−17〜b−29はヒドラジド類、b−30〜b−46はフェニドン類、c−1〜c−21はレダクトン類、d−1〜d−15はアニリン類、d−16〜d−33はフェノール類に属する化合物である。
Figure 0004542831
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これらの化合物のなかでも好ましくはヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレタン類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシセミカルバジド類、フェニドン類、レダクトン類、フェノール類であり、更に好ましくはヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、フェニドン類、レダクトン類、フェノール類であり、より好ましくはレダクトン類、フェノール類である。
レダクトン類のなかでも特に好ましい化合物としては例えば、L(+)−アスコルビン酸、D(−)−イソアスコルビン酸、L(+)−アスコルビン酸ナトリウム、D(−)−イソアスコルビン酸ナトリウム、L(+)−アスコルビン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸 6−パルミテート、L−アスコルビン酸 6−ステアレート、L−アスコルビン酸 2、6−ジブチレート、L−アスコルビン酸 2、6−ジパルミテート、L−アスコルビン酸2−硫酸エステル二カリウム塩、L−アスコルビン酸2−硫酸エステルバリウム塩、L(+)−5,6−O−イソプロピリデン−アスコルビン酸、L(+)−アスコルビン酸カルシウム二水和物、L−アスコルビン酸 2−グルコシド、L−アスコルビン酸 2−ホスフェート、アスコルビン酸 テトライソパルミテート、L(+)−5,6−O−シクロヘキシリデンアスコルビン酸、3−O−エチルアスコルビン酸、3−O−デシルアスコルビン酸、3−O−オクタデシルアスコルビン酸、L(+)−5,6−O−イソプロピリデン−3−O−エチルアスコルビン酸、D(−)−5,6−O−シクロヘキシリデンイソアスコルビン酸等のアスコルビン酸誘導体が挙げられる。
フェノール類のなかでも特に好ましい化合物としては例えば、5,8−ジメチル−6−クロマノール、2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−クロマノール、2,7,8−トリメチル−2−(β−カルボキシエチル)−6−ヒドロキシクロマン、2,5,7,8−テトラメチル−2−(β−カルボキシエチル)−6−ヒドロキシクロマン、2,5,7,8−テトラメチル−6−ヒドロキシクロマン−2−メチルホスフェート、2,5,7,8−テトラメチル−6−ヒドロキシクロマン−2−ペンチルホスフェート、6−ヒドロキシフラバノン、7−ヒドロキシフラバノン、5,7−ジヒドロキシフラバノン、フラボノール、3,6−ジヒドロキシフラボン、5,7−ジヒドロキシフラボン、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2−クロマンカルボン酸、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、6,6’−ジヒドロ−4,4,4’,4’,7,7’−ヘキサメチル−2,2’−スピロビクロマン等のクロマノール誘導体が挙げられ、これらのレダクトン類もしくはフェノール類を含む1種類以上の化合物の共存下で反応させることが好ましい。
これらの化合物は公知の方法(例えば、日本化学会誌、28、890(1954);Synthesis,9,709(1981);J.Chem.Soc.,Perkin Trans 1,795(1985);J.Am.Chem.Soc.,61,2615(1939); 同 1382(1938);J.Org.Chem.,4,311(1939)等)により合成可能であり、または購入可能なものはそのまま反応系に添加して使用できる。
これらの有機還元性化合物の使用量は、銅触媒1モルに対して好ましくは0.01〜10モルの範囲であり、より好ましくは0.1〜8モル、さらに好ましくは0.3〜5モルの範囲である。添加剤の使用量を上記範囲とすることで、十分な不純物抑制効果を得つつ収率の低下や新たな着色性不純物の生成をも防ぎ、好ましい。
またこれらの有機還元性化合物を組み合わせて使用することにより、不純物抑制効果を増加させたり、少ない添加量で顕著な効果を発現させることが可能である。その場合、好ましくはレダクトン類とフェノール類若しくはフェノール類同士の組み合わせである。特に好ましくはアスコルビン酸類とトコフェロール類、若しくはトコフェロール類とカテキン類の組み合わせである。組み合わせて用いる場合の使用量は特に制限されないが、各々の有機還元性化合物は銅触媒1モルに対し0.01モル〜10モルの範囲で使用し、好ましくは0.1モル〜8モル、より好ましくは0.3モル〜5モルの範囲で使用する。
本発明で使用する芳香族ハロゲン化合物は下記一般式(1)で表わされる化合物である。
Figure 0004542831
式中、Qは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表わす。q1は0〜5の整数を表わす。Rgは各々独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジ置換アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基、ハロゲン原子、または−L1−Rhで表わされる基を表わす。L1は二価の連結基を表わし、Rhはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジ置換アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基、またはハロゲン原子を表わす。Rg、Rh、L1で表わされる基は各々置換基を有していてもよい。複数のRgによって更に環を形成してもよい。
式(1)で表わされる芳香族ハロゲン化合物は、より好ましくは下記一般式(2)または(3)で表わされる化合物である。
Figure 0004542831
式(2)および(3)中、Qは前記と同じ意味を表わす。Xは二価の連結基を表わす。q2は0〜3の整数を表わし、q2が0の場合には単結合を表わす。q2が2以上の場合にはXは同じでも異なっていてもよい。Xは好ましくは−C(R15)(R16)−、酸素原子、硫黄原子、−N(R17)−、シクロアルキレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環残基、−N=N−、または−C(R15)=C(R16)−であり、更に好ましくは3員〜10員のシクロアルキレン基、6員〜10員の単環式または二環式のアリーレン基、フリレン基、チエニレン基、ピリジレン基である。R1〜R17は各々独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジ置換アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基、またはハロゲン原子を表わす。R1〜R5もしくはR6〜R17における2つの基によって更に環を形成してもよい。
R6〜R17において、二価の連結基を介して式(3)で表わされる構造をもう1つ有していてもよい。この場合、複数の式(3)で表わされる構造において、両者の連結部位は同一でも異なっても良い。
一般式(2)、(3)において、R1〜R17は具体的には水素原子;メチル、エチル
、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなどの直鎖、分岐または環状の炭素数1〜20のアルキル基;ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘキサジエニル、ドデカトリエニル等の直鎖、分岐、または環状の炭素数2〜20のアルケニル基;エチニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル等の直鎖、分岐または環状の炭素数2〜20のアルキニル基;フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリル等の単環式またはニ環〜四環式アリール基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、オクタデシルオキシ等の炭素数1〜20のアルコキシ基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、N−フェニル−N−ナフチルアミノ等のジ置換アミノ基;ニトロ基;フリル、チエニル、ピリジル等のヘテロ環残基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を表わす。好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ジ置換アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ニトロ基である。また、二価の連結基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキレン基(好ましくは3員〜10員)、アリーレン基(好ましくは6員〜10員)、二価のヘテロ環残基が好ましく挙げられ、この中でもシクロアルキレン基、アリーレン基、フリレン基、チエニレン基、ピリジレン基が特に好ましい。
一般式(1)、(2)、(3)において、Rg、Rh、L1、R1〜R17は更に置換基を有してもよく、反応に関与しないものであれば特に制限されない。具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等のアルキル基;ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘキサジエニル、ドデカトリエニル等のアルケニル基;エチニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル等のアルキニル基;フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリル等の単環式またはニ環〜四環式アリール基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;ジメチルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、N−フェニル−N−ナフチルアミノ等のジ置換アミノ基;ニトロ基;フリル、チエニル、ピリジル等のヘテロ環残基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ジ置換アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ニトロ基である。
また、複数のRg、R1〜R5もしくはR6〜R17における2つの基によって更に環を形成してもよい。具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの飽和環;シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンなどの部分飽和環;ベンゼン、ナフタレンなどの芳香環;ピロリジン、ピリジン、ピラン、オキソラン、チオラン、オキサン、チアンなどのヘテロ環が挙げられる。好ましくは飽和環、芳香環が挙げられる。
一般式(3)のXにおけるシクロアルキレン基とは具体的にはシクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン等を表わす。またアリーレン基とは具体的にはフェニレン、ナフチレン、アントリレン、フェナントリレン、ピレニレン等を表わす。
Qは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表わし、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子である。
本発明で使用する芳香族アミン化合物は好ましくは下記一般式(4)で表わされる化合物である。
Figure 0004542831
式(4)中、q3は0〜5の整数を表わす。Riは複数ある場合は各々独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジ置換アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基、ハロゲン原子または−L2−Rkで表わされる基を表わす。Rjは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジ置換アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基、ハロゲン原子または−L2−Rkで表わされる基を表わす。L2は二価の連結基を表わす。Rkはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ジ置換アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基、ハロゲン原子を表わす。Ri、Rj、Rk、L2で表わされる基は各々置換基を有していてもよい。複数のRiによって更に環を形成してもよい。
本発明において使用される芳香族アミン化合物は、より好ましくは下記一般式(5)もしくは(6)で表わされる化合物である。
Figure 0004542831
式(5)および(6)中、Yは二価の連結基を表わす。q4は0〜3の整数を表わし、q4が0の場合は単結合を表わす。q4が2以上の場合はYは同じでも異なっても良い。Yは好ましくは−C(R34)(R35)−、酸素原子、硫黄原子、−N(R36)−、シクロアルキレン基、アリーレン基、二価のヘテロ環残基、−N=N−、または−C(R34)=C(R35)−であり、更に好ましくは3員〜10員のシクロアルキレン基、6員〜10員の単環式または二環式のアリーレン基、フリレン基、チエニレン基、ピリジレン基である。R18〜R36は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基、またはハロゲン原子を表わす。また、R18〜R23もしくはR24〜R36において2つの基によって飽和環、不飽和環、複素環を形成してもよい。
R24〜R36において、二価の連結基を介して式(6)で表わされる構造をもう1つ有していてもよい。この場合、複数の式(6)で表わされる構造において、両者の連結部位は同一でも異なっても良い。
一般式(5)、(6)において、R18〜R36は具体的には水素原子;メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなどの直鎖、分岐または環状の炭素数1〜20のアルキル基;ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘキサジエニル、ドデカトリエニル等の直鎖、分岐、または環状の炭素数2〜20のアルケニル基;エチニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル等の直鎖、分岐または環状の炭素数2〜20のアルキニル基;フェニル、ナフチル等の単環式またはニ環式アリール基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、オクタデシルオキシ等の炭素数1〜20のアルコキシ基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;アミノ基;メチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、フェニルアミノ、ジメチルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、N−フェニル−N−ナフチルアミノ等の置換アミノ基;ニトロ基;フリル、チエニル、ピリジル等のヘテロ環残基を表わす。好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、置換アミノ基である。
一般式(4)、(5)、(6)において、Ri、Rj、Rk、L2、R18〜R36は更に置換基を有してもよく、反応に関与しないものであれば特に制限されない。具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等のアルキル基;ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘキサジエニル、ドデカトリエニル等のアルケニル基;エチニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル等のアルキニル基;フェニル、ナフチル、フェナントレン、アントラセン等の単環式またはニ環〜四環式アリール基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;アミノ基;メチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、フェニルアミノ、ジメチルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、N−フェニル−N−ナフチルアミノ等の置換アミノ基;ニトロ基;フリル、チエニル、ピリジル等のヘテロ環残基が挙げられる。好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環残基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、置換アミノ基である。また、二価の連結基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキレン基(好ましくは3員〜10員)、アリーレン基(好ましくは6員〜10員)、二価のヘテロ環残基が好ましく挙げられ、この中でもシクロアルキレン基、アリーレン基、フリレン基、チエニレン基、ピリジレン基が特に好ましい。
また、複数のRi、R18〜R23もしくはR24〜R36における2つの基によって更に環を形成してもよい。具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの飽和環;シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンなどの部分飽和環;ベンゼン、ナフタレンなどの芳香環;ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アザシクロヘプタン、アザシクロヘプテン、アザシクロヘプタトリエン等、オキソラン、チオラン、オキサン、チアンなどのヘテロ環が挙げられる。好ましくは飽和環、芳香環が挙げられる。
一般式(6)のYにおけるシクロアルキレン基とは具体的にはシクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン等を表わす。またアリーレン基とは具体的にはフェニレン、ナフチレン、アントリレン、フェナントリレン、ピレニレン等を表わす。
芳香族アミン化合物の使用量は、芳香族アミン化合物および芳香族ハロゲン化合物の反応部位の数、反応温度、また芳香族ハロゲン化合物を基質兼溶媒として用いる場合等、個々の反応によって異なるが、芳香族ハロゲン化合物1モルに対し、通常0.1倍モル〜20倍モル、好ましくは0.3倍モル〜10倍モルである。
本発明で使用される銅触媒としては、特に制限されるものではなく、ウルマン縮合反応で通常使用される触媒を用いることができる。例えば銅粉、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、沃化銅、酸化第一銅、酸化第二銅、硫酸銅、硝酸銅、炭酸銅、水酸化第二銅等が挙げられ、好ましくは塩化銅、臭化銅、沃化銅である。これらの銅触媒の使用量は芳香族ハロゲン化合物1モルに対して通常0.001モル〜0.4モル、好ましくは0.005モル〜0.3モル、更に好ましくは0.01モル〜0.2モルである。
また必要に応じてヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化セシウム等の助触媒を添加することもできる。これらの助触媒を添加する場合、その使用量は芳香族ハロゲン化合物1モルに対して0.001モル〜0.4モル、好ましくは0.005モル〜0.3モル、更に好ましくは0.01モル〜0.2モルである。
本発明において使用される塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸化物、燐酸三リチウム、燐酸三ナトリウム、燐酸三カリウム等のアルカリ金属燐酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。上記中アルカリ金属アルコキシドは反応系にそのまま添加するか、またはアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属等とアルコールから調製して使用してもよい。これらの塩基のなかで好ましくはアルカリ金属炭酸化物、アルカリ金属アルコキシドである。
これらの塩基は芳香族アミンに対して1.0モル等量〜4.0モル等量、好ましくは1.1モル等量〜3.0モル等量、更に好ましくは1.2モル等量〜2.0モル等量使用される。
本発明の製造方法においては、反応溶媒を使用しなくても良いが、必要に応じて芳香族化合物もしくは脂肪族化合物を反応溶媒として用いることができる。具体的には1気圧において100℃以上の沸点を有する以下の溶媒が挙げられる。
(i)ハロゲン化されてもよい芳香族炭化水素化合物:トルエン、キシレン、メシチレン、デュレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、ジフェニルメタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等。
(ii)環骨格がジヒドロ化、テトラヒドロ化、ヘキサヒドロ化、オクタヒドロ化、デカヒドロ化等、部分的に水素添加された水素化芳香族炭化水素化合物:1,4−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、9,10−ジヒドロアントラセン、9,10−ジヒドロフェナントレン、4,5,9,10−テトラヒドロピレン、1,2,3,6,7,8−ヘキサヒドロピレン、ドデカヒドロトリフェニレン等。
(iii)飽和脂肪族化合物:オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、2−メチルドデカン、4−エチルウンデカン、テトラデカン、ペンタデカン、3,3−ジメチルトリデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、2−メチル−4−エチルテトラデカン等。
(iv)不飽和脂肪族化合物:2−ヘプチン、3−ヘプチン、2−オクテン、3−ノネン、1−デシン、1−ウンデセン、4−ドデセン、3,3−ジメチル−1−デセン、1,3,5−ドデカトリエン、5−トリデセン、3−メチル−4−エチル−2−デセン、1−ドデシン、3−ドデセン−1−イン、1−トリデシン、5,5−ジメチル−3−ウンデセン−1−イン、5−エチニル−1,3−ドデカジエン等や、オシメン、ミルセン、スクアレン等。
(v)飽和脂環式化合物:ジシクロヘキシル、デカヒドロナフタレン、ドデカヒドロフルオレン等。
(vi)不飽和脂環式化合物:α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、(+)−α−フェランドレン、(−)−β−フェランドレン、(−)−1−p−メンテン、(+)−3−メンテン、ジペンテン、(+)−リモネン、(+)−サビネン、(+)−α−ピネン、(+)−β−ピネン、(−)−β−カジネン、(−)−β−カリオフィレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−セドレン、(+)−β−セリネン、(−)−β−ビサボレン、α−フムレン等。
上記の溶媒のなかでも、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等のアルキルベンゼンや、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、フェランドレン、テルピノレン等のテルペンが好ましい。これらの溶媒を用いた場合は不純物生成の抑制効果が向上し、高収率で高純度なアリールアミンを製造することができる。
これら芳香族化合物及び脂肪族化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて溶媒として使用することができる。これらの反応溶媒を使用する場合は、通常原料の芳香族ハロゲン化合物1モルに対して100ml〜1000mlの割合で使用される。
本発明における反応温度は80℃〜250℃の範囲である。使用する芳香族ハロゲン化物が塩素化合物、臭素化合物の場合には、反応時間は反応条件より異なるが、通常1時間〜12時間程度である。使用する芳香族ハロゲン化物がヨウ素化合物の場合には、80℃〜130℃の反応温度で非常に効率良く反応が進行し、その場合の反応時間は使用する原料と添加する有機塩により異なるが、通常1時間〜3時間程度である。
本発明で合成され得るアリールアミン類の具体例を下記に示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 0004542831
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次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお純度の評価は高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略記する)によった。尚、実施例9〜24は参考例である。
実施例1
N,N’−ジフェニル− N,N’ −ビス(4−エトキシフェニル)−(9,9’−ビアントラセン)−10,10’−ジアミン(例示化合物I−12)の合成
N−(4−エトキシフェニル)−N−フェニルアミン14.6g(73.9mmol)、9,9’−ジヨード−10,10’−ビアントラセン14.9g(24.6mmol)、炭酸カリウム27.2g(197.0mmol)、硫酸銅五水和物1.0g(4.0mmol)、L(+)−アスコルビン酸3.5g(20.0mmol)を混合し、窒素雰囲気下235℃〜245℃で3時間反応した。反応後、トルエン75mlと水50mlを添加し分液後、水洗して有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、トルエンを減圧濃縮して酢酸エチル42mlを添加し、冷却晶析後濾別して、白色粗結晶として目的化合物を16.8g(収率91.8%)得た。HPLC含量(カラム:GL Science Inertsil ODS−3、溶離液:アセトニトリル/水(V/V=70/30)、検出UV:300nm、流量:1.0ml/min)は99.0%だった。また不純物は、極性基を有する酸化生成物Aが0.010%、及び酸化生成物Bが0.016%、イオン化電位の小さなニ量化生成物C及びDは共に0%であった。
実施例2〜8
実施例1において、銅触媒に対するL(+)−アスコルビン酸のモル比を変えた以外は実施例1と同様の方法で合成を行った。
比較例1
実施例1においてL(+)−アスコルビン酸を使用しない以外は実施例1と同様の方法で合成を行った。
実施例1〜8および比較例1の結果を表1に示す。
Figure 0004542831
実施例9
4,4’,4’’−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(例示化合物I−35)の合成
4,4’,4’’−トリヨードトリフェニルアミン10.6g(17.0mmol)、N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミン18.7g(102mmol)、水酸化カリウム8.6g(153.0mmol)、臭化第一銅0.37g(2.6mmol)、D(−)−イソアスコルビン酸1.8g(10.2mmol)、テルピノレン10mlを混合し、窒素雰囲気下115℃〜125℃で6時間反応した。反応後、減圧濃縮して反応溶媒を留去しトルエン70ml、水40mlを添加して分液した。有機層にメタノール70mlを添加して冷却晶析し、淡黄色粗結晶として目的物を11.5g(収率85.8%)得た。HPLC含量(カラム:ODS−80TM、溶離液:メタノール/テトラヒドロフラン(V/V=95/5)、緩衝剤:トリエチルアミン、リン酸各0.2%、検出UV:254nm、流量:1.0ml/min)は99.6%であった。また不純物は、極性基を有する酸化生成物Eが0.003%、及び酸化生成物Fが0.001%、イオン化電位の小さなニ量化生成物G及びニ量化生成物Hはともに0%であった。
実施例10〜37
実施例9の有機還元性化合物を変えた以外は実施例9と同様の方法で合成を行った。
比較例2
実施例9において有機還元性化合物を使用しない以外は実施例9と同様の方法で合成を行った。実施例9〜39および比較例2の結果を表2に示す。
Figure 0004542831
Figure 0004542831
実施例40
9−フェニルカルバゾール(例示化合物II−1)の合成
カルバゾール16.5g(98.5mmol)、ブロモベンゼン31.0g(197.0mmol)、水酸化カリウム5.5g(98.5mmol)、塩化第一銅0.4g(8.0mmol)、L(+)−アスコルビン酸7.0g(40.0mmol)、α−トコフェロール17.2g(40.0mmol)を混合し、窒素雰囲気下、115℃〜125℃で留出してくるブロモベンゼンを反応系内に戻しながら6時間反応した。反応後、トルエン50mlと水100mlを添加して分液し、水洗して有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、トルエンを減圧濃縮してメタノール352mlを添加して晶析し、白色粗結晶として目的物を22.7g(収率94.9%)得た。HPLC含量(カラム:ODS−80TM、溶離液:アセトニトリル/水(V/V=65/35)、緩衝剤:トリエチルアミン、酢酸各0.1%、検出UV:254nm、流量:1.0ml/min)は99.7%であった。また含有する不純物は、イオン化電位の小さなニ量化生成物I及びニ量化生成物Jがともに0%であった。
実施例41〜49
実施例40のα−トコフェロールおよびL(+)−アスコルビン酸の使用量を変えた以外は実施例40と同様の方法で合成を行った。
比較例3
実施例40において有機還元性化合物を用いない以外は実施例40と同様の方法で合成を行った。実施例40〜49および比較例3の結果を表3に示す。
Figure 0004542831
実施例50〜61
実施例40の有機還元性化合物の組み合わせを変えた以外は実施例40と同様の方法で合成を行った。実施例50〜61の結果を表4に示す。
Figure 0004542831
表1〜表4の結果より、添加剤の共存下で反応を行った場合には電気特性の低下を招く電子密度分布の異なる副生成物やイオン化電位の小さな副生成物が高度に抑制され、極めて高純度なアリールアミンを合成できることが判る。また、表1・3から添加剤の使用量が多いほど不純物の抑制効果は高く、不純物抑制効果は添加剤の作用と密接に関係していることが判る。表3、4から添加剤を組み合わせることで不純物抑制に対する相乗効果が得られ、ごく少量の添加で極めて優れた効果が得られることが判る。

Claims (1)

  1. 銅触媒、塩基および有機還元性化合物の共存下で芳香族アミン化合物と芳香族ハロゲン化合物とを反応させるアリールアミンの製造方法であって、前記有機還元性化合物が、下記化合物群Aより選択される化合物であることを特徴とする、アリールアミンの製造方法。
    化合物群A:
    Figure 0004542831
    Figure 0004542831
    Figure 0004542831

    L(+)−アスコルビン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸 6−ステアレート、L−アスコルビン酸 2、6−ジブチレート、L−アスコルビン酸2−硫酸エステル二カリウム塩、L−アスコルビン酸2−硫酸エステルバリウム塩、L(+)−アスコルビン酸カルシウム二水和物、L−アスコルビン酸 2−グルコシド、L−アスコルビン酸 2−ホスフェート、アスコルビン酸 テトライソパルミテート、3−O−エチルアスコルビン酸、3−O−デシルアスコルビン酸、3−O−オクタデシルアスコルビン酸、L(+)−5,6−O−イソプロピリデン−3−O−エチルアスコルビン酸、D(−)−5,6−O−シクロヘキシリデンイソアスコルビン酸、5,8−ジメチル−6−クロマノール、2,7,8−トリメチル−2−(β−カルボキシエチル)−6−ヒドロキシクロマン、2,5,7,8−テトラメチル−2−(β−カルボキシエチル)−6−ヒドロキシクロマン、2,5,7,8−テトラメチル−6−ヒドロキシクロマン−2−メチルホスフェート、2,5,7,8−テトラメチル−6−ヒドロキシクロマン−2−ペンチルホスフェート、7−ヒドロキシフラバノン、5,7−ジヒドロキシフラバノン、フラボノール、3,6−ジヒドロキシフラボン、5,7−ジヒドロキシフラボン、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール。
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