JP4538591B2 - 電子放出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子放出装置に係り、特に、宇宙空間や真空中等で用いられる電子放出装置に関する。
軌道上にある使用済み人工衛星等からなるスペースデブリは、それ自体が使用中の人工衛星に衝突して破壊する危険性があるだけでなく、スペースデブリ同士の衝突によってさらに多数の微小スペースデブリを宇宙空間に撒き散らす危険性がある。衝突によって生じたスペースデブリがさらに衝突を繰り返すことによって、スペースデブリの数が指数関数的に増加し、もはや宇宙空間は危険で使用できない、という事態にならないため早急な対策が必要とされている。
このため、例えば非特許文献1等に開示されるように、使用済み或いは故障した人工衛星やロケット等を除去する“デブリ除去システム”の研究、開発が進められている。“デブリ除去システム”は、混雑した軌道(例えば高度800kmから1400km)にあるデブリを捕獲し、投棄軌道(例えば高度650km)に強制的に移動させ、最終的には大気圏に再突入させることによって消滅させる等によって軌道上からデブリを除去しようとするシステムである。混雑した軌道から投棄軌道に移動させるためには大きなエネルギーが必要となり、高効率な推進系としてエレクトロダイナミックテザーの研究が進められている。
以下、エレクトロダイナミックテザー装置の概要を説明する。テザーとは、導電性のテザー(ひも)のことである。エレクトロダイナミックテザー方式の“デブリ除去システム”は、例えば親衛星、子衛星、およびテザーを備えて構成されている。テザーは、最初は衛星の中に収納されている。まず、子衛星とデブリとを結合させ、次にテザーを伸張させる。この後、親衛星或いは子衛星に搭載した電子源から宇宙空間のプラズマに対して電子を放出させることによって、テザーに電流を流す。
エレクトロダイナミックテザーは、地球磁場中を移動しており、テザーを流れる電流と地球磁場との間で生じるローレンツ力を受ける。このローレンツ力によって、テザーおよびそれに連結されている親衛星、子衛星、およびデブリを減速させることが可能となる。減速によって軌道の高度は低下しデブリを投棄軌道まで移動させることが可能となる。デブリを投棄軌道まで移動させた後、デブリを切り離す。
このような“デブリ除去システム”において、テザーの一端から電子を宇宙のプラズマ中に放出させる装置として電子放出装置がある。なお、電子放出装置自体は、上記の“デブリ除去システム”に用いられる他、例えば、イオンエンジン中和器等の電子源(特許文献1等参照)にも用いることができる。また、より一般的には、電界放出によって放出させた電子を蛍光体に衝突させることによって発光させるディスプレイ装置用の電子放出器としても広く開発が進められている。
特開平11−280640号公報 "デブリ除去システム"、[online]、宇宙航空研究開発機構、[平成17年8月5日検索]、インターネット<URL:http://www.ista.jaxa.jp/res/d03/a03_01.html>
電子放出装置は種々の形態をとり得るが、例えば、電子の放出源としてのカソードを電界放出型カソードとする形態は、カソードを加熱するための電源が不要となる。このため、消費電力が厳しく制約される宇宙空間での使用を前提とするエレクトロダイナミックテザー用の電子放出器として有力視されている。
また、カーボンナノチューブを電界放出型カソードの表面に用いる形態は、カーボンナノチューブが有する高い電子放出能力、残留ガスに対する耐性、長寿命性等といった優れた特性から、エレクトロダイナミックテザーへの適用技術として注目されている。
一般に、電界放出型の電子放出装置は、電子を放出するカソード、多数の電子通過孔を有するグリッド、およびカソードとグリッド間に高電圧を印加する高電圧電源を主要な構成として具備している。
高電圧電源によってカソード・グリッド間に強い電界を発生させ、この強電界によってカソード面から電子を放出させる。放出された電子はグリッドに向かって流れ、グリッドが有する電子通過孔を抜けてグリッド外部へ放出される。
他方、カソードから放出された電子の一部は、電子通過孔を通り抜けずに電子通過孔の周辺部に衝突する。この結果、衝突した電子のエネルギーは熱エネルギーとなってグリッドを加熱することになる。
一般に、ディスプレイ装置用に用いられる電界放出型の電子放出装置においては、カソード・グリッド間を流れる電流は極めて少なく、例えば、100μA程度であり、一部の放出電子が電子通過孔の周辺部に衝突したとしてもその影響は比較的少ない。
しかしながら、エレクトロダイナミックテザー等への適用を目的とする電子放出装置では、カソード・グリッド間を流れる電流密度は、例えば、数mA/cm以上が必要とされ、ディスプレイ装置用のものと比べると遥かに大きな電流が流れることになる。このため、たとえ一部の電子が電子通過孔の周辺部に衝突したとしてもその発熱量は非常に大きなものとなる。
さらに、エレクトロダイナミックテザーへ適用する場合には、宇宙空間での使用環境となるため、熱伝導による放熱は殆どなく放射冷却が主体となる。このため、十分な冷却効果を期待できない。
この結果、グリッド自体が高温となり熱変形を生じることになる。熱変形によるグリッドのたわみによってグリッド・カソード間の距離が接近し、場合によっては放電、或いは短絡の虞も生じてくる。逆に、熱変形によってグリッド・カソード間の距離がたわみによって離れた場合には電界が弱まり所望の電子放出量が得られなくなる。
このように、電子が電子通過孔の周辺部に衝突することによって生じるグリッドの発熱は種々の問題を引き起こす。
また、電子通過孔の周辺部に衝突する電子はグリッド外部には放出されないため、システム損失となる。特に、宇宙空間で使用されるエレクトロダイナミックテザー用の電子放出装置においては、太陽電池等を電力源とするため消費電力に対する制約は大きく、システム損失を低減し高効率化を図ることは最重要課題のひとつである。この観点からも電子通過孔の周辺部への電子の衝突を排除することが必要となってくる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カソードから放出される電子をグリッド面に衝突させることなく高い効率でグリッドの電子通過孔を通過させ、グリッドの熱変形による問題を排除すると共に、高いシステム効率を確保することができる電子放出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る電子放出装置は、請求項1に記載したように、電子通過孔を有するグリッド電極と、前記グリッド電極と所定の間隙をもって配設されるカソード電極と、前記グリッド電極と前記カソード電極に電圧を印加する電源と、を具備し、前記カソード電極の前記グリッド電極に対向する面には電界放出層が形成され、前記電界放出層の上には電子の放射を阻止する所定の厚みのマスキング層が形成され、前記マスキング層は、前記電子通過孔に対向する位置に前記電子通過孔と略同形状の領域が開口して前記電界放出層を露出させる一方、前記開口以外の領域は前記電界放出層を覆うと共に前記開口の境界に前記厚みの段差をもつように形成され、前記マスキング層および前記電界放出層はいずれも導電性の層であり、前記マスキング層は、前記電界放出層と接触する一方前記グリッド電極とは接触せず、前記グリッド電極と前記カソード電極に前記電圧が印加されても、前記マスキング層と前記電界放出層とは同じ電位に保持される、ことを特徴とする。
本発明に係る電子放出装置によれば、カソードから放出される電子をグリッド面に衝突させることなく高い効率でグリッドの電子通過孔を通過させ、グリッドの熱変形による問題を排除すると共に、高いシステム効率を確保することができる。
本発明に係る電子放出装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。最初に、本発明に係る電子放出装置の比較例として、従来技術に係る電子放出装置について簡単に説明する。
(1)従来技術に係る電子放出装置(比較例)
図12は、従来技術に係る電子放出装置100の構造の一例を示す図である。電子放出装置100は、図12(b)に示すように、複数の電子通過孔201を有するグリッド200と、グリッド200に向けて電子を放出するカソード300と、グリッド200とカソード300の間に高電圧を印加する電源400とを備えて構成されている。
グリッド200は、図12(a)に例示したように複数の円形状の電子通過孔201の領域とその周辺部202の領域とから成り、例えばステンレス鋼のような金属材料で形成されている。
カソード300は、基部301のグリッド200に対向する面に、電子を放出しやすいカーボンナノチューブ層302を電界放出型エミッタとして形成している。
電源400は、数百Vないし数kVの直流電源である。また、グリッド・カソード間の距離は、例えば1mm或いはそれ以下の距離に設定されている。
電源400による高電圧をグリッド・カソード間に印加することによって、カソード表面に高電界を発生させることができる。カソード表面の高電界によって、カソード表面(カーボンナノチューブ層302)から電子が放出する。放出された電子は、グリッド・カソード間の高電界によって加速され、一部の電子はグリッドの周辺部202に衝突し、残りの電子はグリッドの電子通過孔201を通過してグリッド200の外部の宇宙プラズマ中に放出される。
図13は、電子放出装置100における電子の流れEfを説明するために、電子の流れEfを模式的に示した図である。
電子は、いずれの領域においてもカソード表面(カーボンナノチューブ層302)からほぼ垂直に放出される。このうち、グリッド200の周辺部202に対向する領域から放出された電子は、直進してグリッド200の周辺部202にそのまま衝突する。
他方、グリッド200の電子通過孔201に対向する領域から放出された電子は、電子通過孔201を通過して宇宙空間に放出された後は、電子通過孔201のレンズ効果によって発散しながら進んでいく。
図14は、電子放出装置100における電子の流れEfを、より詳細に計算した結果を示す図である。
図14は、カソード表面におけるグリッド孔(電子通過孔201)の中心位置を原点とし、縦軸をグリッド孔中心からのカソード表面に沿った距離、横軸をカソード表面から宇宙空間方向の距離としている。図14中の多数の曲線が電子の流れEf(電子の軌跡)を計算した結果を表している。
計算条件として、グリッド孔(電子通過孔201)の直径を0.4mm、グリッドの厚みを0.2mm、グリッド・カソード間の距離を1.0mm、グリッド電位を1000Vとしている。
また、宇宙空間を模擬するため、宇宙空間のプラズマに相当するアノード電極を配置して計算している。
図14の計算結果においても、グリッド孔(電子通過孔201)に対向する領域から放出された電子はグリッド孔を通過して宇宙空間に放出されるものの、グリッド孔の周辺部202に対向する領域から放出された電子は、周辺部202に衝突する様子がわかる。
周辺部202に衝突した電子のエネルギーは熱エネルギーに変換され、グリッドを加熱する。特に、宇宙空間における冷却機構は、放射冷却を主体としたものであり十分なグリッド冷却は期待できず、グリッド自体が高温となる。例えば、カソードから放出される電子による電流密度は、数mA/cm程度或いはそれ以上となりうるが、この場合、グリッド温度は1000℃以上となる。この結果、グリッドが熱変形し、たわみが発生する。たわみがカソード面側に凸形状となるように発生した場合、グリッド・カソード間の距離が減少することになる。グリッドの直径が数mm程度とすると、たわみによる変位量は0.5mm程度になりうる。
グリッド・カソード間の設定距離は、図14の計算条件に示したように、約1mm程度のものである。したがって、0.5mm程度のたわみによる変位量は到底無視できない大きな量であり、グリッド・カソード間の放電や、場合によってはグリッド・カソード間の短絡を生じる虞が出てくる。
また、電子のグリッド孔周辺部202への衝突は、グリッド200の発熱に起因する諸問題だけでなく、電源400の効率低下の要因ともなる。電子のグリッド周辺部202への衝突は宇宙プラズマ中への電子放出という本来の目的に何ら貢献せず、システム損失となるのみである。特に、宇宙機器の電源は、太陽電池の限られたエネルギーを複数機材でシェアして用いる形態が一般的であるため、システム損失の低減は最重要課題のひとつである。
本発明に係る電子放出装置では、電子のグリッド孔周辺部202への衝突を排除することによって上記の問題の解決を図っている。
(2)第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子放出装置1の構造例を示した図である。図1(a)は、電子放出装置1のグリッド(グリッド電極)2を上側から見た図であり、図1(b)は電子放出装置1の断面構造例を示す図である。
第1の実施形態に係る電子放出装置1は、図1(b)に示すように、複数の電子通過孔21を有するグリッド2と、グリッド2に向けて電子を放出するカソード(カソード電極)3と、グリッド2とカソード3の間に高電圧を印加する電源4とを備えて構成されている。
グリッド2は、図1(a)に例示したように複数の円形状の電子通過孔21の領域とその周辺部22の領域とから成り、例えばステンレス鋼のような金属材料で形成されている。
カソード3は、基部31のグリッド2に対向する面に、電子を放出しやすいカーボンナノチューブ層32を電界放出型エミッタとして形成している。さらに、カーボンナノチューブ層32の上からグリッド2と略同形状のマスキング層33を形成している。
なお、以下の第1の実施形態に係る電子放出装置1の説明では、カソード3からの電子放出の形態は電界放出型とし、電界放出層としてカーボンナノチューブ層32を用いる実施形態について説明するが、カーボンナノチューブ以外の材質を用いて電界放出層を形成する形態であってもよい。
電源4は、数百Vないし数kVの直流電圧を発生する直流電源であり、正極はグリッド2に負極はカソード3に接続されている。グリッド・カソード間の距離は、例えば1mm或いはそれ以下の距離に設定されている。
カソード3のグリッド2に対向する面には、マスキング層33によって、電子通過孔21に対向する位置に電子通過孔21と略同形状の電子を放出する電子放出領域30b(カーボンナノチューブ層32が露出した領域)と、電子放出領域30b以外の領域に電子を放出しない電子非放出領域30a(マスキング層33でマスキングされた領域)とが形成される。マスキング層33の材質は、特に限定するものではないが、金属材料、例えばステンレス鋼等で形成される。
カーボンナノチューブ層32は、カーボンナノチューブを剣山状に敷き詰めて形成されるものである。カーボンナノチューブ自体は、非常に細い先端部を持つことから、金属等の従来の材質に比べて極めて電界放出しやすい物質として知られている。
このため、カーボンナノチューブ層32が露出した電子放出領域30bの表面に適宜の電界を発生させることで、電界放出による電子の放出が可能となる。
マスキング層33でマスキングされた電子非放出領域30aは、金属材料、例えばステンレス鋼等で形成されており、カーボンナノチューブ層32から電界放出する程度の電界強度では電子放出しない。このため、カーボンナノチューブ層32からの電子放出に対してマスキングとして機能させることができる。
電源4による適宜の高電圧をグリッド・カソード間に印加することによって、カソード表面に高電界を発生させることができる。カソード表面の高電界によって、電子放出領域30b(カーボンナノチューブ層32が露出した領域)から電子が放出する。放出された電子は、グリッド・カソード間の高電界によって加速され、グリッドの電子通過孔21を通過してグリッド2の外部の宇宙プラズマ中に放出される。
他方、マスキング層33によってマスキングされた電子非放出領域30aからは、従来技術(図12等参照)と異なり、電子は放出されない。このため、電子放出装置100(従来技術)のようにグリッド孔の周辺部に電子が衝突する現象を回避することが可能となる。
図2は、電子放出装置1における電子の流れEfを説明するために、電子の流れEfを模式的に示した図である。本実施形態に係る電子放出装置1における電子の流れEfは、従来技術の電子放出装置100における電子の流れEf(図13、14参照)とは大きく異なる。
第1に、電子通過孔21の周辺部22に対向するカソード表面は、マスキング層33が形成されているため、この領域(電子非放出領域30a)からは電子が放出されない。後述するように、電子非放出領域30aとその境界近傍ではマスキング層33の効果によって電界がほぼゼロに抑圧されるためである。
第2に、電子放出領域30b(カーボンナノチューブ層32が露出している領域)から放出される電子は、電子通過孔21に向かって垂直に移動するのではなく、電子通過孔21の中心方向に集束するような態様で移動していく。即ち、電子通過孔21の一端の直下近傍から放出された電子は、電子通過孔21の中心方向に向かって大きく傾斜して進み、電子通過孔21の中心近傍で傾斜角度を変えた後、グリッド孔の外縁方向に向かって進み宇宙空間に放出される。電子放出される位置が電子通過孔21の中心に近づくにつれて電子の移動経路の傾斜角度は小さくなり、電子通過孔21の中心近傍ではほぼ垂直に放出される。
電子の流れEfがこのような振る舞いをする理由は、マスキング層33の段差に起因して、電子放出領域30bと電子非放出領域30aとの境界近傍で等電位面Sveに湾曲が生じるためである。
図3は、電子放出装置1における電子の流れEfを、より詳細に計算した結果を示す図である。
図3は、図14と同様に、カソード表面におけるグリッド孔(電子通過孔21)の中心位置を原点とし、縦軸をグリッド孔中心からのカソード表面に沿った距離、横軸をカソード表面から宇宙空間方向の距離としている。図3中の多数の曲線が電子の流れEf(電子の軌跡)を計算した結果を表している。
計算条件も、図14と同様に、グリッド孔(電子通過孔21)の直径を0.4mm、グリッド2の厚みを0.2mm、グリッド・カソード間の距離を1.0mm、グリッド電位を1000Vとしている。
電子非放出領域30aの形状はグリッド孔(電子通過孔21)と同一とし、その直径は0.4mmとしている。また、マスキング層33の厚みはグリッド2の厚みと同じ0.2mmとしている。
また、宇宙空間を模擬するため、図14と同様に宇宙空間のプラズマに相当するアノード電極を配置して計算している。
図3の計算結果が示すように、グリッド2の周辺部22に対向するマスキング層33(電子非放出領域30a)からは電子は放出されていない。また、カーボンナノチューブ層32が露出した電子放出領域30bから放出される電子は、グリッド2の電子通過孔21の中心方向に集束した後、電子通過孔21を通過し宇宙空間に放出されている。
このように、本実施形態に係る電子放出装置1では、マスキング層33によって形成される電子非放出領域30aの効果によって、グリッド2の電子通過孔21の周辺部22に対する電子の衝突現象は排除されている。この結果、グリッドの温度上昇に起因する熱変形が無くなり、放電や短絡といった問題が解消される。また、電子の衝突によるシステム損失も回避することができる。
図4は、カソード面の電界強度の分布を計算した結果を示す図である。図4の縦軸は、カソード面の電界強度を示しており、横軸は、グリッド孔(電子通過孔21)の中心位置に対応するカソード面の位置からのカソード面上の距離を示している。図4の実線がカソード面の電界強度の分布を示すものである。
計算条件は、グリッド孔(電子通過孔21)の直径を0.4mm、グリッド2の厚み及びマスキング層33の厚みを0.2mm、グリッド・カソード間の距離を1.0mm、グリッド電位を1000Vとしている。電子放出領域30b(マスキング開口)の形状はグリッド孔(電子通過孔21)と同一とし、その直径は0.4mm(半径0.2mm)としている。
図4の破線は、マスキング層33が無く、かつグリッド孔(電子通過孔21)が存在しないとした場合の理論上の電界強度を参考として示したものである。この場合の電界強度は、グリッド・カソード間の電位差をグリッド・カソード間の距離で除した値となり、1000(V/mm)となる。
これに対して、マスキング層33を設け、電子放出領域30b(マスキング開口)の形状をグリッド孔(電子通過孔21)と同じとし、かつその半径を0.2mmとすると、実線で示したように、電子放出領域30b(マスキング開口)の中央部においてもその電界強度は大きく低下し、200(V/mm)以下となっている。電子放出領域30b(マスキング開口)の周辺(グリッド孔からの距離が約0.2mm近傍)ではカソード面の電界強度はほぼゼロとなっている。
図4は、電子放出領域30b(マスキング開口)の半径を極端に小さく設定した場合の一例を示すものである。電子放出領域30b(マスキング開口)の径を小さく設定しすぎると、電子放出領域30bの中央においても大きく電界強度が低下し、場合によっては電子放出を停止することもある。
図5は、電子放出領域30b(マスキング開口)の半径を変化させたときのカソード表面の電界強度の分布を計算した結果を示す図である。
電子放出領域30b(マスキング開口)の半径の値以外の計算条件は、図4と同一としている。また、図4と同様に、電子放出領域30b(マスキング開口)の形状はグリッド孔(電子通過孔21)と同一寸法の円形状としている。
グリッド半径(およびマスキング開口の半径)が小さいときは、マスキング層33による遮断効果が大きく、カソード表面の電界強度は小さい。グリッド半径(およびマスキング開口の半径)の増加に伴って電界強度も大きくなり、グリッド半径(およびマスキング開口の半径)が0.8mmないし1.0mmにおいて電界強度分布のピーク値は最も大きくなり、740ないし750(V/mm)に達する。グリッド半径(およびマスキング開口の半径)をさらに増加させると、電界強度分布の幅は広がるものの、中央部分の電界強度は若干低下する傾向にある。
図5に示した計算結果から、適切なグリッド半径(およびマスキング開口の半径)としては、約0.5mmから約2.0mmの範囲が好ましい。この半径は、グリッド・カソード間の距離(1mm)の約0.5倍から約2倍の範囲に相当する値である。
ここまでの説明では、グリッド2の電子通過孔21の半径(グリッド半径)とマスキング開口の半径(電子放出領域30bの半径)とを同じ径として取り扱ってきた。
しかしながら、図5からもわかるように、マスキング開口の外縁部の近傍では電界強度分布は大きく低下している。このことは、実際に電子が放出される領域は、マスキング開口の外縁部を除いたやや内側の領域であることを示唆している。従って、マスキング開口の半径をグリッド半径よりも若干大きくすることによって、実質的な電子放出領域30bを拡大することができ、その結果カソード3からの引き出し電流を大きくすることが可能となる。
図5より、マスキング開口の外縁部の近傍における電界強度分布の減衰領域の幅は凡そマスキング層33の厚み(約0.2mm)程度となっていることがわかる。従って、図6に例示したように、マスキング開口(電子放出領域30b)の半径Rの範囲を、グリッド開口(電子通過孔21)の半径rからその半径にマスキング層33の厚みtを加えたr+tの範囲とすることで、電子のグリッドへの衝突を回避しつつ、カソード3からの引き出し電流を大きくすることができる。
(3)その他の実施形態
図7は、第2の実施形態に係る電子放出装置1aの断面構造例を示す図である。第1の実施形態に係る電子放出装置1は、図1(b)に示したように、基部31に電界放出層(例えば、カーボンナノチューブ層32)を形成し、その上からマスキング層33を形成することでカソード面に電子放出領域30bと電子非放出領域30aとを形成する形態としている。
これに対して、第2の実施形態に係る電子放出装置1aにおけるカソード3aは、基部31に形成する電界放出層(例えば、カーボンナノチューブ層32)の形状によって電子放出領域30bを形成し、基部31を露出させた領域によって電子非放出領域30cを形成する形態としている。
基部31は、例えばステンレス鋼のような金属材料で形成され、カーボンナノチューブ等に比べると遥かに高い電界を印加しない限り電界放出による電子の放出現象は生じない。このため、基部31の露出領域を電子非放出領域30cとして機能させることができる。基部31に形成する電界放出層(例えば、カーボンナノチューブ層32)の形状を、第1の実施形態におけるマスキング層33の形状と同様に、グリッド2の電子通過孔21と略同一とすることで、電子通過孔21に対向する領域のみから電子を放出させ、電子通過孔21の周辺部22に対向する流域からは電子を放出させなくすることが可能となる。
この結果、第1の実施形態と同様に、電子通過孔21の周辺部22に対する電子の衝突を回避することが可能となる。
図8は、第3の実施形態に係る電子放出装置1bの断面構造例を示す図である。第1および第2の実施形態は、カソード3、3aからの電子放出形態としていずれも電界放出型のエミッタを形成する形態である。これに対して、第3の実施形態では、カソード3bからの電子放出形態として熱電子放出型のエミッタを形成する形態としている。
カソード3bは、基部31aと、基部31aのグリッド2に対抗する面に設けられる熱電子放射層32aと、熱電子放射層32aを加熱するヒータ36と、ヒータ36に電力を供給するヒータ電源35を備えて構成されている。
基部31aは、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成される。一方、熱電子放射層32aは、例えば、酸化バリウム等のセラミック材料で形成される。
ヒータ36への通電によって発生する熱は、基部31aを介して熱電子放射層32aに伝えられ熱電子放射層32aを加熱する。加熱した熱電子放射層32aの表面からは電子が放出され、放出された電子は電源4によってカソード3bとグリッド2間に生成される電界によって加速され、グリッド2の電子通過孔21から宇宙空間に放出される。
熱電子放射層32aを形成する酸化バリウム等のセラミック材料は、例えば約1000℃程度の加熱によって熱電子放射が可能である。これに対して、基部31aを形成するステンレス鋼等の金属材料は1000℃程度の加熱では熱電子放射は起こらない。
このため、基部31aの露出領域を電子非放出領域30cとして機能させることができる。基部31aに形成する熱電子放射層32aの形状を、第1の実施形態におけるマスキング層33の形状と同様に、グリッド2の電子通過孔21と略同一とすることで、電子通過孔21に対向する領域のみから電子を放出させ、電子通過孔21の周辺部22に対向する流域からは電子を放出させなくすることが可能となる。
この結果、第1の実施形態と同様に、電子通過孔21の周辺部22に対する電子の衝突を回避することが可能となる。
図9は、第4の実施形態に係る電子放出装置1cの断面構造例を示す図である。第4の実施形態では、グリッドを二重構造とし、第1のグリッド2と第2のグリッド2aを備えた形態としている。また、第1のグリッド2と第2のグリッド2aとの間に第2の電源4aを設け、第2の電源4aの極性を第1の電源4に対して逆極性となるように接続している。ただし、第2の電源4aの電圧は第1の電源4の電圧を超えない設定としている。
カソード3からの電子放出は第1のグリッド2によって生成される電界が支配的であるため、電子の放出自体は殆ど影響を受けない。また、第1のグリッド2を通過した電子は第2のグリッド2aによって若干の速度低下はあるものの、宇宙空間に放出される電流密度としてはそれ程影響を受けない。
他方、宇宙空間から見たときの電位は、第2のグリッド2aの存在によって低減される。この結果、宇宙空間のプラズマとの間に生じる放電現象を懸念することなく第1のグリッド2の電位を高く設定することが可能となり、カソード3からの電子放射を容易にすることができる。
図9の例示では、カソード3の形態を第1の実施形態のものとしているが、第2又は第3の実施形態に係るカソード3a、3bを用いる形態としても良い。
(4)グリッド形状等
グリッド2の形状は、図1(a)に例示した円形状のグリッド2に7つの円形の電子通過孔21を設けた形態に限定されない。
図10(a)に例示したように、比較的大きな径の電子通過孔21を少数設ける形態であっても良いし、図10(b)に例示したように小さな径の電子通過孔21を多数設ける形態であってもよい。また、図示はしていないが、大きな電子通過孔21を1つ設ける形態でもよい。
ただし、いずれの場合であっても、カソード面に形成する電子放出領域30bの形状や大きさはグリッドの電子通過孔21とほぼ一致させる必要があり、電子放出領域30bの中心位置も電子通過孔21の中心位置とほぼ一致させる必要がある。これによってグリッドの電子通過孔21の周辺部22への電子の衝突が回避できる。
また、グリッドの電子通過孔21の形状は円形状に限定されるものでもなく、だ円形であってもよい。また、例えば、図11(a)ないし(c)に例示したように、扇形や多角形等の種々の形状をとり得る。
なお、電子通過孔21の形状を扇形や多角形としたとき、これらの形状の各頂点において局所的に強い電界が生じ、放電現象の誘因となるような場合も考えられる。このような場合には、図11(d)ないし(f)に例示したように、各頂点に丸みを持たせた形状とすることで局所的な強電界の発生を回避することができる。
電子通過孔21の形状を扇形や多角形とした場合であっても、カソード面に形成する電子放出領域30bの形状や大きさはグリッドの電子通過孔21とほぼ一致させる必要があり、また、電子放出領域30bの中心位置も電子通過孔21の中心位置とほぼ一致させる必要がある。
なお、第1の実施形態の説明において、グリッド開口の半径およびマスキング開口の半径とグリッド・カソード間の距離との関係について言及している記載、およびマスキング開口の半径とグリッド開口の半径との関係について言及している記載については、“半径”を“等価半径”と読み替えることで、その記載内容を扇形や多角形のグリッド開口やマスキング開口に適用することできる。ここで、“等価半径”とは、扇形や多角形等の面積と同一面積の円の半径のことを意味している。
以上述べてきたように、本発明に係る電子放出装置によれば、カソードから放出される電子をグリッド面に衝突させることなく、高い効率でグリッドの電子通過孔を通過させることができるため、電子の衝突に起因するグリッドの温度上昇がなく、グリッドの熱変形による諸問題を解決できる他、高いシステム効率を確保することができる。
なお、本発明は上記の各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
本発明の第1の実施形態に係る電子放出装置の構造例を示した図。 本発明の第1の実施形態に係る電子放出装置における電子の流れを模式的に説明する図。 本発明の第1の実施形態に係る電子放出装置における電子の流れの計算結果を示す図。 カソード面の電界強度の分布を計算した結果を示す図。 電子放出領域(マスキング開口)の半径を変化させたときのカソード表面の電界強度の分布を計算した結果を示す図。 マスキング開口(電子放出領域)の半径とグリッド開口(電子通過孔)の半径との関係を示す図。 本発明の第2の実施形態に係る電子放出装置の断面構造例を示す図。 本発明の第3の実施形態に係る電子放出装置の断面構造例を示す図。 本発明の第4の実施形態に係る電子放出装置の断面構造例を示す図。 グリッド開口形状の他の形態を示す第1の図。 グリッド開口形状の他の形態を示す第2の図。 従来技術に係る電子放出装置の構造の一例を示す図。 従来技術に係る電子放出装置における電子の流れを模式的に説明する図。 従来技術に係る電子放出装置における電子の流れの計算結果を示す図。
符号の説明
1、1a、1b、1c 電子放出装置
2、2a グリッド
3、3a、3b カソード
4、4a 電源
21 電子通過孔
22 周辺部
30a 電子非放出領域
30b 電子放出領域
31、31a 基部
32 カーボンナノチューブ層(電界放出層)
32a 熱電子放射層
33 マスキング層
35 ヒータ電源
36 ヒータ

Claims (8)

  1. 電子通過孔を有するグリッド電極と、
    前記グリッド電極と所定の間隙をもって配設されるカソード電極と、
    前記グリッド電極と前記カソード電極に電圧を印加する電源と、
    を具備し、
    前記カソード電極の前記グリッド電極に対向する面には電界放出層が形成され、
    前記電界放出層の上には電子の放射を阻止する所定の厚みのマスキング層が形成され、
    前記マスキング層は、前記電子通過孔に対向する位置に前記電子通過孔と略同形状の領域が開口して前記電界放出層を露出させる一方、前記開口以外の領域は前記電界放出層を覆うと共に前記開口の境界に前記厚みの段差をもつように形成され、
    前記マスキング層および前記電界放出層はいずれも導電性の層であり、前記マスキング層は、前記電界放出層と接触する一方前記グリッド電極とは接触せず、
    前記グリッド電極と前記カソード電極に前記電圧が印加されても、前記マスキング層と前記電界放出層とは同じ電位に保持される、
    ことを特徴とする電子放出装置。
  2. 前記電界放出層はカーボンナノチューブで形成される層であり、
    前記マスキング層は金属材料で形成される層である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
  3. 前記グリッド電極は、複数の前記電子通過孔を有することを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
  4. 前記電子通過孔の形状は、円形、だ円形、多角形、頂点を丸めた多角形、扇形、および頂点を丸めた扇形のうち何れかの形状であることを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
  5. 前記電子通過孔の形状と前記マスキング層の開口形状とは互いに相似形をなすと共に、前記電子通過孔の中心位置と前記マスキング層の開口の中心位置とが略同位置にある、ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
  6. 前記電子通過孔及び前記マスキング層の開口の半径或いは等価半径は、前記間隙の1/2倍ないし2倍である、ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
  7. 前記マスキング層の開口の半径或いは等価半径は、前記電子通過孔の半径或いは等価半径以上であり、前記電子通過孔の半径或いは等価半径と前記マスキング層の厚みとの合計値以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
  8. 圧力10−4Pa以下の雰囲気中で使用されることを特徴とする請求項1に記載の電子放出装置。
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