JP4538083B2 - 情報処理装置および経路処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報処理装置および経路処理方法に関する。
近年、温室効果ガスによる地球温暖化問題に対して、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出を相殺するための方策として、カーボンオフセットと言われる手法が始まっている。カーボンオフセットの基本は、二酸化炭素の排出量に対し排出権を購入し、その排出権に相当する資金が自然エネルギー開発や植林等に投資され、二酸化炭素の排出量を相殺するものである。
ここで、温室効果ガスの排出権に関する売買システムの一例を以下に示す。
例えば、特許文献1には、国家間で排出権そのものの売買を行うシステムが記載されている。具体的には、特許文献1のシステムは、個人利用者向けではなく、取引量が巨大な国家間での排出権取引を意図しており、交通機関の経路探索と連動させて排出権の量を算出せず、排出権自体のみを取引している。
また、特許文献2には、高速道路利用者に二酸化炭素排出権を与えて、ETCの利用促進を図るシステムが記載されている。具体的には、特許文献2のシステムは、一般道と高速道路の排出量の差分を排出権に相当するものとしており、高速道路で排出される二酸化炭素のカーボンオフセットを行うものではなく、高速道路の料金所渋滞により自動車から不必要に生じる二酸化炭素の排出量を軽減するために、ETCの利用促進の効果をねらったものである。
ここで、何らかの交通手段を利用すると二酸化炭素が排出されるため、経路探索を行うナビゲーションシステムにおいては、経路探索と同時にその経路を利用する場合に生じる二酸化炭素の排出量を算出することが望ましい。
そこで、交通機関を対象とした個人レベルでのカーボンオフセットを実現するためには、個人が各交通機関にて排出権を決済するよりも、個人が利用する情報処理端末と経路探索装置とから構成されるナビゲーションシステムにおいて、ある経路を利用した場合に生じる温室効果ガスの排出量を算出し、この排出量を相殺する排出権を決済するほうが、多様な交通手段に対応でき、また課金システムも利用可能であるという点に着目し、交通機関を利用する個人レベルで、カーボンオフセットを希望する利用者が、煩雑な処理を行うことなく、カーボンオフセットに参加することができるナビシステムが考えられる。
特開2002−149978号公報 特開2006−209228号公報
しかしながら、カーボンオフセットについては、現在各方面から様々なアプローチがなされており、上記ナビシステムのように、経路探索結果に相当する二酸化炭素排出権を購入する場合に、カーボンオフセットに関係する施策が共存する可能性があるという問題点を有する。
例えば、カーボンオフセット方法の一例として、交通機関の運賃等に二酸化炭素排出権を含んで、カーボンオフセットを実施する方法が考えられる。この方法では、鉄道会社または路線ごとでも実施可能である。また、温暖化防止のために、現在炭素税の導入が検討されており、税金として二酸化炭素排出権に相当する課税を行う方法も考えられる。この方法では、鉄道の営業キロや、航空路毎に課税することも考えられる。また、自動車の燃料や発電所の燃料に炭素税を課して、燃料の段階でカーボンオフセットを実施することも考えられる。
このように、カーボンオフセットを希望する利用者が、例えば、上述のように、交通費に排出権を含む方法や、炭素税として課税する方法等で、カーボンオフセットを実施することが予見できるので、カーボンオフセットを、経路探索結果に相当する二酸化炭素排出権を購入する方法によって一律実施してしまうと、カーボンオフセットを希望する利用者にとって、排出権の二重課金になってしまうという問題点を有している。これにより、カーボンオフセットを希望する利用者の賛同が得られない可能性があるという問題点を有している。さらに、現在、交通機関毎に二酸化炭素の削減の努力が続けられているため、ある経路を利用した場合に生じる温室効果ガスの排出量を算出する際に用いる算定基準の精度を高め、各交通機関の二酸化炭素排出量データに対し、実際の排出量と算出された排出量との乖離を小さくする必要がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、カーボンオフセットに関する今後の施策や技術革新に対応可能であり、排出権の二重課金を防止し、ある経路を利用した場合に生じる温室効果ガスの排出量を高精度に算出することで、カーボンオフセットを希望する利用者の賛同が得られる経路探索装置および経路探索方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、カーボンオフセットを希望する利用者が所持する入力部と表示部と位置検出部とを少なくとも備える情報処理端末に、ネットワークを介して通信可能に接続された制御部と記憶部とを少なくとも備え、交通機関を用いた出発地から目的地までの経路を処理する情報処理装置および当該情報処理装置において実行される経路処理方法であって、上記記憶部は、上記交通機関または上記交通機関の運行区間ごとに、一定距離あたりの温室効果ガスの排出量の算定基準を記憶した排出量算定基準記憶手段と、上記交通機関または上記交通機関の上記運行区間ごとに、他のシステムでカーボンオフセットが実施済みであるか否かを示す属性データを記憶する属性データ記憶手段と、を備え、上記制御部は、上記経路について、上記交通機関または上記交通機関の上記運行区間ごとに、上記他のシステムでカーボンオフセット済みであるか否かを、上記属性データ記憶手段に記憶された上記属性データに基づいて判定するカーボンオフセット判定手段(カーボンオフセット判定ステップ)と、上記カーボンオフセット判定手段(上記カーボンオフセット判定ステップ)にてカーボンオフセット済みであると判定された場合、上記経路のうちカーボンオフセット済みの上記経路を除いた上で、上記排出量算定基準記憶手段に記憶された上記算定基準を用いて、上記経路を利用した場合に排出される上記排出量を当該経路ごとに算出し、上記カーボンオフセット判定手段(上記カーボンオフセット判定ステップ)にてカーボンオフセット済みでないと判定された場合、上記排出量算定基準記憶手段に記憶された上記算定基準を用いて、上記経路を利用した場合に排出される上記排出量を当該経路ごとに算出する排出量算出手段(排出量算出ステップ)と、上記排出量算出手段(上記排出量算出ステップ)にて算出された上記排出量を償却するのに必要な排出権購入金額を計算する排出権購入金額計算手段(排出権購入金額計算ステップ)と、上記経路と、上記排出権購入金額計算手段(上記排出権購入金額計算ステップ)にて計算された上記排出権購入金額とを少なくとも含む経路探索結果を、上記情報処理端末に送信することにより上記表示部に表示させる経路探索結果表示手段(経路探索結果表示ステップ)と、上記経路探索結果表示手段(上記経路探索結果表示ステップ)にて表示された上記経路探索結果の上記経路、および、上記情報処理端末から送信される上記位置検出部により検出された上記利用者の現在位置を示す位置情報に基づいて、上記利用者に対し上記表示部を介してナビゲーションを行うナビゲーション手段(ナビゲーションステップ)と、上記ナビゲーション手段(上記ナビゲーションステップ)にて上記ナビゲーションを行う場合に、上記排出権購入金額計算手段(上記排出権購入金額計算ステップ)にて計算された上記排出権購入金額を上記利用者に対し課金する課金手段(課金ステップ)と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の情報処理装置および経路処理方法は、上記記載の情報処理装置および経路処理方法において、上記属性データは、使用燃料、および/または、温室効果ガス関連の課税の有無によって決定されることを特徴とする。
また、本発明の情報処理装置および経路処理方法は、上記記載の情報処理装置および経路処理方法において、上記課金手段(上記課金ステップ)は、上記ナビゲーションの上記出発地側または上記目的地側にて課金することを特徴とする。
また、本発明の情報処理装置および経路処理方法は、上記記載の情報処理装置および経路処理方法において、上記課金手段(上記課金ステップ)は、上記ナビゲーション手段(上記ナビゲーションステップ)にて上記ナビゲーションの終了案内が実行された時点で、課金することを特徴とする。
また、本発明の情報処理装置および経路処理方法は、上記記載の情報処理装置および経路処理方法において、上記情報処理端末は、出力部を更に備え、上記ナビゲーション手段(上記ナビゲーションステップ)は、上記出力部を介して音声案内を実行することにより上記ナビゲーションを行うことを特徴とする。
また、本発明の経路探索装置および経路探索方法は、カーボンオフセットを希望する利用者が所持する入力部と表示部とを少なくとも備える情報処理端末に、ネットワークを介して通信可能に接続された制御部と記憶部とを少なくとも備える経路探索装置および当該経路探索装置において実行される経路探索方法であって、上記記憶部は、交通機関の時刻表データと道路網データと利用料金データとを含む経路探索情報を記憶する経路探索情報記憶手段と、上記交通機関または上記交通機関の運行区間ごとに、一定距離あたりの温室効果ガスの排出量の算定基準を記憶した排出量算定基準記憶手段と、上記利用者ごとに上記温室効果ガスの排出権量を記憶する排出権量記憶手段と、上記交通機関または上記交通機関の上記運行区間ごとに、他のシステムでカーボンオフセットが実施済みであるか否かを示す属性データを記憶する属性データ記憶手段と、を備え、上記制御部は、上記利用者により上記入力部を介して入力された経路探索条件を上記情報処理端末から受信し、受信した当該経路探索条件を満たす少なくとも1つの経路を、上記経路探索情報記憶手段に記憶された上記経路探索情報を用いて作成する経路作成手段(経路作成ステップ)と、上記経路作成手段(上記経路作成ステップ)にて作成された少なくとも1つの上記経路について、上記交通機関または上記交通機関の上記運行区間ごとに、上記他のシステムでカーボンオフセット済みであるか否かを、上記属性データ記憶手段に記憶された上記属性データに基づいて判定するカーボンオフセット判定手段(カーボンオフセット判定ステップ)と、上記カーボンオフセット判定手段(上記カーボンオフセット判定ステップ)にてカーボンオフセット済みであると判定された場合、上記経路作成手段(上記経路作成ステップ)にて作成された少なくとも1つの上記経路のうちカーボンオフセット済みの上記経路を除いた上で、上記排出量算定基準記憶手段に記憶された上記算定基準を用いて、上記経路作成手段にて作成された少なくとも1つの上記経路を利用した場合に排出される上記排出量を当該経路ごとに算出する排出量算出手段(排出量算出ステップ)と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の経路探索装置および経路探索方法は、上記記載の経路探索装置および経路探索方法において、上記属性データは、使用燃料、および/または、温室効果ガス関連の課税の有無によって決定されることを特徴とする。
また、本発明の経路探索装置および経路探索方法は、上記記載の経路探索装置および経路探索方法において、上記排出量算出手段(上記排出量算出ステップ)は、上記カーボンオフセット判定手段(上記カーボンオフセット判定ステップ)にてカーボンオフセット済みでないと判定された場合、上記排出量算定基準記憶手段に記憶された上記算定基準を用いて、上記経路作成手段(上記経路作成ステップ)にて作成された少なくとも1つの上記経路を利用した場合に排出される上記排出量を当該経路ごとに算出し、上記制御部は、上記排出量算出手段(上記排出量算出ステップ)にて算出された上記排出量を償却するのに必要な排出権購入金額を計算する排出権購入金額計算手段(排出権購入金額計算ステップ)と、上記経路作成手段(上記経路作成ステップ)にて作成された少なくとも1つの上記経路と、上記排出量算出手段(上記排出量算出ステップ)にて算出された上記排出量と、上記排出権購入金額計算手段(上記排出権購入金額計算ステップ)にて計算された上記排出権購入金額とを含む経路探索結果を、上記情報処理端末に送信することにより上記表示部に表示させる経路探索結果表示手段(経路探索結果表示ステップ)と、上記経路探索結果表示手段(上記経路探索結果表示ステップ)にて表示された上記経路探索結果に基づいて、上記利用者により上記入力部を介して選択された上記経路に対応する上記排出権購入金額に対する排出権購入要求を上記情報処理端末から受信し、受信した当該排出権購入金額に相当する上記排出量分を、上記排出権量記憶手段に記憶された上記排出権量から差し引くことにより、上記排出量の償却を行う排出量償却手段(排出量償却ステップ)と、上記排出量償却手段(上記排出量償却ステップ)にて償却された上記排出量と、当該排出量に相当する上記排出権購入金額とを少なくとも含む償却結果を、上記情報処理端末に送信することにより上記表示部に表示させる償却結果表示手段(償却結果表示ステップ)と、を更に備えたことを特徴とする。
また、本発明の経路探索装置および経路探索方法は、上記記載の経路探索装置および経路探索方法において、上記制御部は、上記排出権購入金額計算手段(上記排出権購入金額計算ステップ)にて計算された上記排出権購入金額を上記利用者に対し課金する課金手段(課金ステップ)を更に備えたことを特徴とする。
また、本発明の経路探索装置および経路探索方法は、上記記載の経路探索装置および経路探索方法において、上記記憶部は、上記利用者ごとに、上記経路探索結果および上記償却結果の少なくとも一部を関連付けた履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段を更に備え、上記経路探索結果表示手段(上記経路探索結果表示ステップ)は、上記経路探索結果の少なくとも一部を上記利用者ごとに上記履歴情報記憶手段に格納し、上記償却結果表示手段(上記償却結果表示ステップ)は、上記償却結果の少なくとも一部を上記利用者ごとに上記履歴情報記憶手段に格納することを特徴とする。
この発明によれば、カーボンオフセットに関する今後の施策や技術革新に対応でき、排出権の二重課金を防止でき、ある経路を利用した場合に生じる温室効果ガスの排出量を高精度に算出することができるので、カーボンオフセットを希望する利用者の賛同が得ることができる経路探索装置および経路探索方法を提供できるという効果を奏する。具体的には、カーボンオフセットを希望する利用者が、経路探索結果に相当する二酸化炭素排出権を購入する方法以外の他の方法で、カーボンオフセットを実施していた場合であっても、本発明は、既にカーボンオフセットの実施済みの経路を除いた上で、温室効果ガスの排出量を算出することができるので、利用者が経路探索結果に相当する二酸化炭素排出権の購入によってカーボンオフセットを実施する際に発生し得る、排出権の二重課金を防止することができるという効果を奏する。また、本発明は、交通機関または交通機関の運行区間ごとに、一定距離あたりの温室効果ガスの排出量の算定基準を記憶しており、この算定基準として、交通機関毎の二酸化炭素削減の努力により変化している最新の情報を用いているため、各交通機関の実際の排出量と算出された排出量との乖離を小さくすることができるという効果を奏する。
また、この発明によれば、他のシステムでカーボンオフセットが実施済みであるか否かを示す属性データが、使用燃料や温室効果ガス関連の課税の有無によって決定されるので、例えば、経路探索結果に相当する二酸化炭素排出権を購入する方法以外のカーボンオフセットの実施方法として、交通機関の運賃等に二酸化炭素排出権を含んでカーボンオフセットを実施する方法や、炭素税として二酸化炭素排出権に相当する課税を行う方法や、自動車の燃料や発電所の燃料に炭素税を課して燃料の段階でカーボンオフセットを実施する方法等が、実施済みであるか否かを判定することができるという効果を奏する。
また、この発明によれば、交通機関を利用する個人レベルで、カーボンオフセットを希望する利用者が、煩雑な処理を行うことなく、カーボンオフセットに参加することができるという効果を奏する。具体的には、この発明によれば、利用者がナビゲーションシステムを用いて経路探索をする場合に、経路と共に温室効果ガスの排出権量を把握することができ、カーボンオフセットを考慮した経路選択をすることができるという効果を奏する。また、この発明によれば、カーボンオフセットを希望する利用者からの経路検索要求に対して求めた経路に基づく二酸化炭素排出量を、利用者の排出権から償却することができる。これにより、本発明は、利用者が排出権市場での大規模な排出権取引に直接参加しなくとも、経路探索装置が提供する経路に従って行った移動によって発生した二酸化炭素に対して、個人が簡単にカーボンオフセットを実行できるという効果を奏する。
また、この発明によれば、既存の会員制ナビゲーションシステムや携帯キャリア等が提供する課金システムを用いて排出権購入金額を利用者に対し課金することができるので、利用者は簡易に排出権の購入を行うことができ、さらに、排出権を事前購入するか、事後購入するか等を必要に応じて選択することもできる。これにより、本発明は、利用者の資金力や事業計画に従って排出権の購入を選択できるという効果を奏する。
また、この発明によれば、利用者ごとに、経路探索結果および償却結果の少なくとも一部を関連付けた履歴情報を記憶することができるので、カーボンオフセットを希望する利用者の履歴情報から二酸化炭素排出量や排出権量や排出権購入金額の積算などを容易に行うことができる。これにより、本発明は、利用者がカーボンオフセットする排出量やこの排出量を相殺するのに必要な排出権の量や金額等を容易に把握できるので、排出権の管理をしやすくなるという効果を奏する。
図1は、本発明の経路探索装置100の論理構成の一例を示すブロック図である。 図2は、本発明の属性データの構造の一例を示す図である。 図3は、本発明の属性データの構成の別の一例を示す図である。 図4は、本発明の経路探索装置100の基本処理の一例を示す図である。 図5は、経路探索結果および償却結果を表示する情報処理端末10の表示画面の一例を示す図である。 図6は、カーボンオフセット判定処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、排出権購入金額計算処理の一例を示すフローチャートである。 図9は、排出権量差引処理の一例を示すフローチャートである。 図10は、課金処理の一例を示すフローチャートである。 図11は、本発明の他の実施形態において複数のサーバ装置から構成される経路探索装置100の一例を示す図である。
以下に、本発明にかかる経路探索装置および経路探索方法並びにプログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[本発明の概要]
以下、本発明の概要において、本発明の経路探索装置の構成および基本処理ついて図1〜図5を参照して説明し、その後、本発明の経路探索装置の各処理について詳細に説明する。ここで、図1は、本発明の経路探索装置100の論理構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。また、図2は、本発明の属性データの構造の一例を示す図である。また、図3は、本発明の属性データの構造の別の一例を示す図である。また、図4は、本発明の経路探索装置100の基本処理の一例を示す図である。また、図5は、経路探索結果および償却結果を表示する情報処理端末10の表示画面の一例を示す図である。
[経路探索装置100の構成]
まず、本経路探索装置100の構成について図1を参照して説明する。
図1に示すように、本経路探索装置100は、概略的に、カーボンオフセットを希望する利用者が所持する入力部と表示部とを備える情報処理端末10−1〜3に、通信制御インターフェース部104を介してネットワーク300を通じて通信可能に接続され、記憶部106と制御部102とを備えて構成される。これら経路探索装置100の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続される。
ここで、図1において、情報処理端末10−1〜3は、経路探索装置100にアクセスし経路探索や周辺情報の検索等を行う機能を有し、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、携帯電話やPHSやPDA等の携帯端末装置などである。また、情報処理端末10−1〜3は、経路探索装置100から受信した経路探索結果や償却結果を表示する表示部(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイやモニタ等)と、経路探索装置100へ送信する経路探索条件の入力や購入金額要求の選択を行う入力部(例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等)とを備えている。また、情報処置端末10−1〜3は、例えば、GPS機能を有する位置検出部(図示せず)を備えていてもよく、経路探索装置100からリアルタイムにナビゲーション案内を行えるよう、位置検出部により検出された現在位置を示す位置情報を経路探索装置100へ送信してもよい。
また、図1において、通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、経路探索装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、情報処理端末10−1〜3や他のサーバ等の外部機器(図示せず)と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。また、ネットワーク300は、経路探索装置100と情報処理端末10−1〜3や他のサーバ等の外部機器とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網、一般電話回線網を含む。)、イントラネット等であってもよい。
また、図1において、記憶部106は、固定ディスク装置や外付けハードディスク等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(経路探索情報ファイル106a〜履歴情報ファイル106f等)を格納する。例えば、記憶部106は、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベースやウェブページ等を格納する。
これら記憶部106の各構成要素のうち、経路探索情報ファイル106aは、制御部102が、情報処理端末10−1〜3から受信した経路探索条件(例えば、出発地、目的地、出発時刻、到着時刻、利用交通機関等)を満たす少なくとも1つの経路を作成する際に用いる、交通機関の時刻表データと道路網データと利用料金データとを含む経路探索情報を記憶する経路探索情報記憶手段である。ここで、経路探索情報ファイル106aに記憶される時刻表データは、例えば、電車、飛行機、バス、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、船等の各交通機関の時刻表を表す数値情報等である。また、経路探索情報ファイル106aに記憶される道路網データは、徒歩、自転車、自動車、オートバイ等で移動する場合の経路作成に用いる各種の道路等のマップの緯度経度情報や位置情報等である。また、経路探索情報ファイル106aに記憶される利用料金データは、例えば、電車、飛行機、バス、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、船等の各交通機関を利用した場合に生じる利用料金や、自動車、オートバイ等で移動する場合に消費する燃料料金等を表す数値情報等であり、制御部102が交通費を計算する際に用いてもよい。ここで、利用料金データの利用料金や燃料料金は、上述の炭素税を含んだ料金であってもよい。これら時刻表データと道路網データと利用料金データは、経路探索情報ファイル106aに予め記憶されており、経路探索装置100の制御部102は、定期的にネットワークを介して最新のデータをダウンロードして経路探索情報ファイル106aに記憶された経路探索情報をアップデートしてもよい。
また、排出量算定基準ファイル106bは、制御部102が、作成された少なくとも1つの経路を利用した場合に排出される温室効果ガスの排出量を経路ごとに算出する際に用いる、交通機関(特定の交通機関を含む)または交通機関の運行区間ごとに、一定距離あたりの温室効果ガスの排出量の算定基準を記憶した排出量算定基準記憶手段である。ここで、排出量算定基準ファイル106bに記憶される排出量の算定基準は、移動距離に乗じて交通機関(例えば、電車、乗用車、飛行機等)や特定の交通機関(例えば、電車の場合、新幹線、特急、リニアモーターカー等)ごとに算出される1人あたりの二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量の標準的な数値である。これらの算定基準は、排出量算定基準ファイル106bに予め記憶されており、経路探索装置100の制御部102は、定期的にネットワークを介して最新のデータをダウンロードして排出量算定基準ファイル106bに記憶された算定基準をアップデートしてもよい。
ここで、交通機関または交通機関の運行区間ごとの算定基準の一例として、「運用・交通と環境2007年版」([監修]国土交通省総合政策局環境・海洋課[発行]交通エコロジー・モビリティ財団)によると、各交通機関の二酸化炭素排出量は、1人あたり、例えば、自家用自動車の場合、173(g/km)であり、飛行機の場合、111(g/km)であり、バスの場合、51(g/km)であり、鉄道の場合、19(g/km)である。なお、徒歩については二酸化炭素の排出量はないものとしている。また、実際に利用する交通機関と差異があるとしても、多くの利用者が様々な経路を利用すると、総合的にはこの数値を用いて計算したものに近づくものとしている。
また、特定の交通機関または特定の交通機関の運行区間ごとの算定基準の一例として、電車でも路線や車両タイプ(普通または新幹線等)によって詳細な分類を行ってもよく、この分類に従って最適な数値を用いて修正して算出してもよい。また、例えば、過疎路線では乗客1人あたりのCO2排出量が高くなることもあるため、過疎路線に対して最適な数値を用いて修正して算出してもよい。
例えば、JR東日本旅客鉄道株式会社(会社名)の環境報告書2007(48P)によれば、JR東日本(会社名)の二酸化炭素排出量は、15(g/km)であり、電車の温室効果ガスの排出量の算定基準としていた「運用・交通と環境2007年版」よりも、21%も改善されている。また、将来、リニアモーターカーが実現した場合は、非常に高速で走行するためCO2の排出量が高く、温室効果ガスの排出量の算定基準は、40(g/km)以上になると予測されている。リニアモーターカーの場合は、予め運賃に排出量分を課金してカーボンオフセットを実施してもよい。
また、例えば、今後の施策として、政府が都営地下鉄等のすべて運賃に排出量分を相殺するよう課金してカーボンオフセットを実施させるという政治的な判断がなされる可能性も考えられる。この場合、当然コストダウン等の努力によってカーボンオフセット分の排出権購入資金を捻出するということも考えられる。
このように、一定距離あたりの温室効果ガスの排出量の算定基準は、政治的、技術的に変化し得るものであり、排出量の算出の際には、今後の施策や技術革新に対応した算定基準を用いることが望ましい。
そこで、本経路探索装置100の記憶部106は、後述の属性データファイル106d中に、交通機関または交通機関の運行区間ごとに、温室効果ガスの排出量の算定基準を判断できる属性データを用意する。なお、属性データの詳細については、後述の属性データファイル106dにて説明する。
また、排出権量ファイル106cは、制御部102が、利用者により入力部を介して選択された経路に対応する排出権購入金額に対する排出権購入要求を情報処理端末10−1〜3から受信し、受信した当該排出権購入金額に相当する排出量分を、排出権量ファイル106cに記憶された排出権量から差し引くことにより、排出量の償却を行う際に用いる、利用者ごとに温室効果ガスの排出権量を記憶する排出権量記憶手段である。ここで、排出権量ファイル106cに記憶される排出権量は、利用者(情報処理端末10−1〜3のエンドユーザ、および、経路探索装置100のナビゲーション事業者等を含む)の購入済または購入予定(利用者の排出量がまとまってから排出権を購入する場合)の排出権の量を表す数値情報である。また、排出権量ファイル106cは、排出権が、その出所や時期によっても単価が異なるので、排出権の識別コード、総排出量、排出権の単価などを記憶してもよい。なお、本実施形態において、この排出権の識別コードや単価等の情報は、制御部102が、算出された排出量を償却するのに必要な排出権購入金額を計算する際に用いる。
また、属性データファイル106dは、制御部102が、作成された少なくとも1つの経路について他のシステムでカーボンオフセット済みであるか否かを判定する際に用いる、交通機関または交通機関の運行区間ごとに、他のシステムでカーボンオフセットが実施済みであるか否かを示す属性データを記憶する属性データ記憶手段である。
例えば、属性データファイル106dに記憶される属性データは、図2に示すように、運行区間毎に2ビットの属性部と1バイトのデータ部から構成されてもよい。
具体的には、図2において、属性データは、例えば、以下に示す2ビットの属性部(11,10,01,00)ごとに1バイトのデータ部(その交通機関の基準値を用いる等)から構成されてもよい。
11:他でカーボンオフセットが実施されているので排出量を加算しない
10:(空き)
01:付属のデータを基準値として使う(g/km)
00:その交通機関の基準値を用いる(g/km)
ここで、一例として、属性部(11)「他でカーボンオフセットが実施されているので排出量を加算しない」は、ある交通機関または交通機関の運行区間において、カーボンオフセットを希望する利用者が、経路探索結果に相当する二酸化炭素排出権を購入する方法以外の他の方法(例えば、上述のように、交通費に排出権を含む方法や、炭素税として課税する方法等)で、カーボンオフセットを実施済みであることを示す属性データである。また、属性部(10)「(空き)」は、将来考えら得る属性データを格納するための空きデータである。また、属性部(01)「付属のデータを基準値として使う(g/km)」は、ある特定の交通機関または特定の交通機関の運行区間において、付属のデータの基準値、すなわち、特定の交通機関または特定の交通機関の運行区間ごとに記憶された算定基準(JR東日本(会社名)の鉄道の場合、15(g/km)等)を用いて温室効果ガスの排出量を算出することを示す属性データである。また、属性部(00)「その交通機関の基準値を用いる(g/km)」は、ある交通機関または交通機関の運行区間において、その交通機関の基準値、すなわち、交通機関または交通機関の運行区間ごとに記憶された算定基準(一般的な電車の場合、19(g/km)等)を用いて温室効果ガスの排出量を算出することを示す属性データである。
また、カーボンオフセットを希望する利用者が、他でカーボンオフセットを実施している場合は、属性部(01)を用いて、図3に示すように演算してもよい。これは、実質的に属性部(11)と同様である。
なお、本実施形態において、属性データファイル106dに記憶された属性データは、制御部102が各交通機関の区間ごとに上述の属性データを参照しながら、経路探索結果から他でカーボンオフセットが実施されていることを考慮した排出量の演算を行うために用いられる。すなわち、属性データは、制御部102が当該属性データを参照することにより、他のシステムでカーボンオフセット済みであると判定された場合、作成された少なくとも1つの経路のうちカーボンオフセット済みの経路を除いた上で、排出量の演算を行うために用いられる。
また、例えば、カーボンオフセットの対象経路が自動車経路であり、ガソリンなどに炭素税が課税されてカーボンオフセットが実施されていた場合は、上記のようにカーボンオフセット済みの自動車経路に関しては、カーボンオフセット済みの経路として除いた上で、排出量の演算を行うので、排出量を加算しないことになる。
また、例えば、カーボンオフセットの対象経路が航空路線であり、飛行機の飛行方向によって偏西風や貿易風の影響を強く受けることに起因して燃費が異なる場合は、属性データファイル106dに、例えばノードとリンク等を用いて方向毎に属性データを記憶してもよい。また、例えば、カーボンオフセットの対象経路が航空路線である場合、飛行機の出発地によってカーボンオフセットの実施状況が異なっている可能性も考えられる。具体的には、日本発のチケットにおいては、チケット代に含まれる排出権購入金額の支払いによりカーボンオフセットは実施済みであるが、外国発のチケットではチケット代に排出権購入金額が含まれていないためカーボンオフセットが未実施であり、この場合は、利用者に帰りの分の温室効果ガスの排出量を利用者に知らせる等というような方法も考えられる。
また、課金情報ファイル106eは、制御部102が、計算された排出権購入金額をカーボンオフセットを希望した利用者に対し課金する際に用いる、排出権購入金額の課金状況等に関する課金情報を利用者ごとに記憶する課金情報記憶手段である。本実施形態において、一例として、制御部102は、課金情報ファイル106eに予め記憶された、利用者の購入済または購入予定の排出権(例えば、排出権に相当する金額を示す数値情報等)に関する課金情報を、例えば、携帯電話キャリア(例えば、携帯電話の通信サービス提供会社や携帯電話のメーカー等)に送信し、代行課金させることにより決済してもよい。
また、履歴情報ファイル106fは、制御部102が、情報処理端末10−1〜3へ送信する経路探索結果や償却結果等を利用者ごとに格納することで、利用者と、経路探索結果(経路と排出量と排出権購入金額等)と、償却結果(償却された排出量とその排出量に相当する排出権購入金額等)と、を関連付けた履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段である。一例として、履歴情報ファイル106fは、予め取得した排出権(購入済みまたは購入予定を含む)ごとに少なくとも利用者の情報処理端末10−1〜3のIDと償却された排出量とを関連付けて記憶してもよく、また、上記IDごとに少なくとも経路と排出権購入金額とを関連付けて記憶してもよい。
また、図1において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、経路作成部102a、カーボンオフセット判定部102b、排出量算出部102c、排出権購入金額計算部102d、経路探索結果表示部102e、排出量償却部102f、償却結果表示部102g、および、課金部102hを備えて構成される。
このうち、経路作成部102aは、利用者により入力部を介して入力された経路探索条件を情報処理端末10−1〜3から受信し、受信した当該経路探索条件を満たす少なくとも1つの経路を、経路探索情報ファイル106aに記憶された経路探索情報を用いて作成する経路作成手段である。
また、カーボンオフセット判定部102bは、経路作成部102aにて作成された少なくとも1つの経路について、交通機関または交通機関の運行区間ごとに、他のシステムでカーボンオフセット済みであるか否かを、属性データファイル106dに記憶された属性データに基づいて判定するカーボンオフセット判定手段である。
また、排出量算出部102cは、排出量算定基準ファイル106bに記憶された算定基準を用いて、経路作成部102aにて作成された少なくとも1つの経路を利用した場合に排出される排出量を当該経路ごとに算出する排出量算出手段である。本実施形態において、排出量算出部102cは、カーボンオフセット判定部102bにてカーボンオフセット済みであると判定された場合、経路作成部102aにて作成された少なくとも1つの経路のうちカーボンオフセット済みの経路を除いた上で、排出量算定基準ファイル106bに記憶された算定基準を用いて、経路作成部102aにて作成された少なくとも1つの経路を利用した場合に排出される排出量を当該経路ごとに算出する。一方、排出量算出部102cは、カーボンオフセット判定部102bにてカーボンオフセット済みでないと判定された場合、カーボンオフセット済みの経路が存在しないので、全ての経路について、排出量算定基準ファイル106bに記憶された算定基準を用いて、経路作成部102aにて作成された少なくとも1つの経路を利用した場合に排出される排出量を当該経路ごとに算出する。
また、排出権購入金額計算部102dは、排出権量ファイル106cに記憶された排出権の識別コードや単価等に基づいて、排出量算出部102cにて算出された排出量を償却するのに必要な排出権購入金額を計算する排出権購入金額計算手段である。例えば、排出権の購入金額は、もともと排出権プロバイダー等が発行した排出権証書毎になる場合があるので、排出権購入金額計算部102dは、排出権量ファイル106c(または、ネットワークを介して通信可能に接続された外部の排出権管理サーバ等)に償却可能な排出権の単価を問い合わせて、排出権購入金額を見積もってもよい。
具体的には、一例として、償却可能な単価が「¥4200/トン」である場合は、排出権購入金額計算部102dは、例えば「182g」の排出量を償却するのに必要な排出権を、「4200/1000000*182=0.7644(¥)」であると見積もる。なお、1円未満は処理の都合上切り上げるものとする。このように、排出権購入金額計算部102cは、排出量「182g」をカーボンオフセット(償却)するのに必要な排出権購入金額を「¥1」と計算する。このように、電車を利用する場合は、排出量が少ないので、このカーボンオフセットは、1円の購入費用で実現することになる。また、後述する経路探索結果表示部102eにより、排出量とこの排出量に相当する排出権購入金額とが表示されるので、利用者は容易にカーボンオフセットを実現する費用を把握することができる。
続いて、別の一例として、「羽田−長崎(片道)」間を、航空機を利用して移動する場合は、排出量算出部102cにより排出量が「175779g」と算出され、排出権購入金額計算部102cは、上記単価に基づき、この排出量をカーボンオフセット(償却)するために必要な排出権購入金額を「¥739」と計算する。このように、航空機を利用すると膨大な二酸化炭素を消費することになるが、個人レベルでは十分にカーボンオフセットに参加できる金額となる。
また、経路探索結果表示部102eは、経路作成部102aにて作成された少なくとも1つの経路と、排出量算出部102cにて算出された排出量と、排出権購入金額計算部102dにて計算された排出権購入金額とを含む経路探索結果を、情報処理端末10−1〜3に送信することにより表示部に表示させる経路探索結果表示手段である。ここで、経路探索結果表示部102eは、経路探索結果の少なくとも一部を利用者ごとに履歴情報ファイル106fに格納してもよい。
また、排出量償却部102fは、経路探索結果表示部102eにて表示された経路探索結果に基づいて、利用者により入力部を介して選択された排出権購入金額に対する排出権購入要求を情報処理端末10−1〜3から受信し、受信した当該排出権購入金額に相当する排出量分を、排出権量ファイル106cに記憶された排出権量から差し引くことにより、排出量の償却を行う排出量償却手段である。
また、償却結果表示部102gは、排出量償却部102fにて償却された排出量と、当該排出量に相当する排出権購入金額とを含む償却結果を、情報処理端末10−1〜3に送信することにより表示部に表示させる償却結果表示手段である。ここで、償却結果表示部102gは、償却結果の少なくとも一部を利用者ごとに履歴情報ファイル106fに格納してもよい。
また、課金部102hは、排出権購入金額計算部102dにて計算された排出権購入金額を利用者に対し課金する課金手段である。本実施形態において、一例として、課金部102hは、課金情報ファイル106eに予め記憶された、利用者の購入済または購入予定の排出権(例えば、排出権に相当する金額を示す数値情報等)に関する課金情報を、例えば、携帯電話キャリア(例えば、携帯電話の通信サービス提供会社や携帯電話のメーカー等)に送信し、代行課金させることにより決済してもよい。
以上で、本経路探索装置100の構成の説明を終える。
[経路探索装置100の基本処理]
続いて、図4および図5を参照し、本発明の基本処理について以下に説明する。
本発明において、情報処理端末10は、経路探索装置100にログイン可能なID(例えば、携帯電話やPHSやPDA等の機体識別番号などの情報処理端末識別IDや、ナビゲーションシステムの利用者識別ID等を含む)を有しており、経路探索を必要とする場合に、経路探索装置100へログインして、経路探索条件を付けて経路探索要求を送信する。
そして、図4に示すように、経路作成部102aは、カーボンオフセットを希望する利用者により情報処理端末10の入力部を介して入力された経路探索条件を情報処理端末10から受信する(ステップSA−1)。
ここで、経路探索条件とは、出発地および目的地を少なくとも含み、日付、時刻、表示順序(所用時間順、運賃順、乗換回数順、CO2排出量順など)、徒歩速度(標準、ゆっくり、急ぎなど)、使用路線(飛行機、新幹線、特急線、路線バス、その他有料路線など)等に関する条件を含んでもよい。
そして、経路作成部102aは、情報処理端末10から受信した当該経路探索条件を満たす少なくとも1つの経路を、経路探索情報ファイル106aに記憶された経路探索情報を用いて作成する。そして、カーボンオフセット判定部102bは、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路について、交通機関または交通機関の運行区間ごとに、他のシステムでカーボンオフセット済みであるか否かを、属性データファイル106dに記憶された属性データに基づいて判定する。そして、排出量算出部102cは、カーボンオフセット判定部102bの処理によりカーボンオフセット済みであると判定された場合、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路のうちカーボンオフセット済みの経路を除いた上で、排出量算定基準ファイル106bに記憶された算定基準を用いて、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路を利用した場合に排出される排出量を当該経路ごとに算出する。一方、排出量算出部102cは、カーボンオフセット判定部102bの処理によりカーボンオフセット済みでないと判定された場合、排出量算定基準ファイル106bに記憶された算定基準を用いて、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路を利用した場合に排出される排出量を当該経路ごとに算出する。そして、排出権購入金額計算部102dは、排出量算出部102cの処理により算出された排出量を償却するのに必要な排出権購入金額を計算する(ステップSA−2)。なお、ステップSA−2において実行される各処理(カーボンオフセット判定処理、排出量算出処理、および、排出権購入金額計算処理)の詳細については後述する。
そして、経路探索結果表示部102eは、ステップSA−2において、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路と、排出量算出部102cの処理により算出された排出量と、排出権購入金額計算部102dの処理により計算された排出権購入金額とを含む経路探索結果を、情報処理端末10に送信することにより情報処理端末10の表示部に表示させる(ステップSA−3)。ここで、経路探索結果表示部102eは、経路探索結果の少なくとも一部を利用者ごとに履歴情報ファイル106fに格納してもよい。
ここで、図5(a)および(b)を参照し、ステップSA−3において、経路探索結果表示部102eの処理により情報処理端末10の表示部に表示された経路探索結果の一例について以下に説明する。
図5(a)および(b)に示すように、経路探索結果表示部102eは、利用者により入力された経路探索条件を満たす経路と、その経路を利用した場合に生じる温室効果ガスの排出量と、その排出量を償却するのに必要な排出権購入金額とを含む経路探索結果を表示させている。
一例として、図5(a)の表示画面には、経路探索結果のうち「経路」(例えば、乗換回数、運賃、所要時間、徒歩距離、乗換駅、最適乗車車両、最適改札口等に関する情報を含む)と、「排出量」(CO2排出量(g))とが表示される。具体的には、図5(a)の表示画面には、経路探索結果の経路として、「第1経路」が表示されており、この第1経路(電車ルート)は、現在地から目的地までが「徒歩→電車→電車→徒歩」となっている。なお、図5(a)において、画面上端に、1)電車マークM1、2)自動車マークM2、3)電車マークM3が表示されており、これらのマークM1〜M3は、第1経路および第3経路が「電車ルート」であり、第2経路が「自動車ルート」であることを意味している。また、図5(a)の表示画面の下方に、経路探索結果の「排出量」として、CO2排出量が「約182g」であることと、この排出量を「カーボンオフセットする(購入する)」ボタンB1が表示される。そして、利用者がこのボタンB1をクリックすると、右の図5(b)のページに移行する。
続いて、図5(b)の表示画面には、経路の探索日時や経路の情報を表示した上で、画面下方に、さらに二酸化炭素の排出量とそれに相当する排出権の購入金額とが表示される。すなわち、図5(b)の表示画面には、経路探索結果の「排出権購入金額」(CO2排出権(¥))として、CO2排出権購入金額が「¥1」であることとが表示される。そして、利用者が排出権購入金額を確認した上で、画面下方にある「排出権を購入してカーボンオフセットする」ボタンB2を選択してクリックすると、「第1経路」を利用した場合に生じる「排出量」を償却するのに必要な「排出権購入金額(¥1)」に対する「排出権購入要求」が経路探索装置100へ送信される。一方、利用者が、画面の下方にある「排出権を購入しない」ボタンB3を選択してクリックした場合、左の図5(a)のページに戻る。
図4に戻り、排出量償却部102fは、情報処理端末10の表示部に表示された経路探索結果に基づいて、カーボンオフセットを希望する利用者により入力部を介して選択(ステップSA−4)された経路に対応する排出権購入金額に対する排出権購入要求を情報処理端末10から受信する(ステップSA−5)。
そして、排出量償却部102fは、受信した当該排出権購入金額に相当する排出量分を、排出権量ファイル106cに記憶された排出権量から差し引くことにより、排出量の償却を行う(ステップSA−6)。ここで、課金部102hは、排出権購入金額計算部102dの処理により計算された排出権購入金額を利用者に対し課金してもよい。なお、ステップSA−6において実行される各処理(排出権量差引処理および課金処理)の詳細については後述する。
ここで、図5(a)および(c)を参照し、ステップSA−6において、課金部102hの処理より実行される課金処理の一例について以下に説明する。
一例として、図5(a)に示した「カーボンオフセットする」ボタンB1を利用者がクリックするだけでなく、実際に経路探索装置100の制御部102がナビゲーションを行った場合に、課金部102hが、課金処理を行うようにしてもよい。具体的には、図5(a)および(c)に示すように、「音声ナビ開始」リンクL1を利用者がクリックしたときに、課金部102hは、その情報処理端末10の利用者を課金対象として認識し、課金処理を行ってもよい。このタイミングは、「音声ナビ開始」により開始されるナビゲーションの出発地側でも目的地側でもよい。また、経路探索装置100によるナビゲーションが目的地周辺まで到達し、スピーカ等の出力部(図示せず)により、例えば、「おつかれさまでした!」等の終了案内が出力された時点で、課金を行ってもよい。
図4に戻り、償却結果表示部102gは、排出量償却部102fの処理により償却された排出量と、当該排出量に相当する排出権購入金額とを少なくとも含む償却結果を、情報処理端末10に送信することにより情報処理端末10の表示部に表示させる(ステップSA−7)。ここで、償却結果表示部102gは、償却結果の少なくとも一部を利用者ごとに履歴情報ファイル106fに格納してもよい。
ここで、図5(c)および(d)を参照し、ステップSA−7において、償却結果表示部102gの処理により情報処理端末10の表示部に表示された償却結果の一例について以下に説明する。
図5(c)および(d)に示すように、償却結果表示部102gは、償却された排出量と、当該排出量に相当する償却された排出権購入金額とともに、経路や排出量も表示させている。
一例として、図5(c)の表示画面には、図5(a)の経路探索結果に加えて、画面下方に、「償却された排出量」と「償却された排出権購入金額」とが表示される。すなわち、図5(b)の表画面にてボタンB2がクリックされると、償却結果表示部102gは、受信した排出権購入要求に従って、「第1経路」に対し、図5(a)の「カーボンオフセットする」ボタンB1を非表示にした上で、例えば、この利用者の「今月のカーボンオフセット」を表示する。具体的には、図5(c)の表示画面の「今月のカーボンオフセット」には、排出量償却部102fの処理により償却された排出量の今月の合計として「5896g」と、この償却された排出量に相当する排出権購入金額の今月の合計として「¥25」とが表示される。この表示は、経路探索装置100が履歴情報ファイル106fに、利用者と経路探索結果と償却結果とを関連付けた履歴情報を記憶しているため、具体的には、予め取得した排出権(購入済みまたは購入予定を含む)ごとに少なくとも利用者の情報処理端末10のIDと償却された排出量(償却量)とを関連付けて記憶しているため、例えば、図5(c)に示した「今月のカーボンオフセット」のように、月単位で集計して償却結果を表示することができる。
続いて、図5(d)の表示画面は、図5(c)の表示画面上のカーボンオフセットを象徴する「ロゴマーク(eco)」ボタンB4が利用者によりクリックされると表示される。図5(d)の表示画面には、一例として、今月の実績の詳細が、例えば、利用日、出発地、目的地、交通機関種別、排出量、排出権金額などが表示される。具体的には、図5(d)の表示画面には、利用日時が2008年4月3日の過去の履歴情報(例えば、自動車ルートで、排出量が「約5714g」、排出権が「¥24」など)と、図5(b)に示した4月17日の情報(例えば、電車ルートで、排出量が「約182g」、排出権が「¥1」など)とを表示しており、償却された排出量の今月の合計「5896g」と、この償却された排出量に相当する排出権購入金額の今月の合計「¥25」の内訳が表示されている。この表示は、経路探索装置100が履歴情報ファイル106fに、利用者と経路探索結果と償却結果とを関連付けた履歴情報を関連付けて記憶しているため、具体的には、上記IDごとに少なくとも経路と排出権購入金額とを関連付けて記憶しているため、例えば、図5(d)に示した「今月のカーボンオフセット」の詳細のように内訳とともに償却結果を表示することができる。
以上で、本経路探索装置100の基本処理の説明を終える。
これにて、本発明の概要の説明を終える。
[経路探索装置100の各処理]
次に、このように構成された本実施の形態における本経路探索装置100の各処理(カーボンオフセット判定処理〜課金処理)の一例について、以下に図6〜図10を参照して詳細に説明する。ここで、図6は、カーボンオフセット判定処理の一例を示すフローチャートである。また、図7は、排出量算出処理の一例を示すフローチャートである。また、図8は、排出権購入金額計算処理の一例を示すフローチャートである。また、図9は、排出権量差引処理の一例を示すフローチャートである。また、図10は、課金処理の一例を示すフローチャートである。
[カーボンオフセット判定処理]
まず、上記図4のステップSA−2において実行されるカーボンオフセット判定処理の一例について、図6を参照して以下に説明する。
図6に示すように、カーボンオフセット判定部102bは、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路から、その経路を利用する際に用いる交通機関(例えば、自家用自動車、飛行機、バス、鉄道や、鉄道の場合、新幹線、急行、リニアモーターカー等)と、その経路を利用した場合の移動距離(km)と、を抽出する(ステップSB−1)。
そして、カーボンオフセット判定部102bは、抽出された交通機関または交通機関の運行区間(移動距離)ごとに、他のシステムでカーボンオフセットが実施済みであるか否かを示す属性データ(例えば、11:他でカーボンオフセットが実施されているので排出量を加算しない、00:その交通機関の基準値を用いる等)を、属性データファイル106dに問い合わせる(ステップSB−2)。
そして、カーボンオフセット判定部102bは、ステップSB−1において抽出された交通機関または交通機関の運行区間ごとに、問合せた属性データと照合することにより、カーボンオフセット済みの経路と、カーボンオフセット未実施の経路とを区別し、カーボンオフセットの実施状況を判定する(ステップSB−3)。すなわち、カーボンオフセット判定部102bは、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路について、交通機関または交通機関の運行区間ごとに、他のシステムでカーボンオフセット済みであるか否かを、属性データファイル106dに記憶された属性データに基づいて判定する。
そして、排出量算出部102cは、カーボンオフセット判定部102bの処理によりカーボンオフセット済みであると判定された場合(ステップSB−3:Yes)、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路のうちカーボンオフセット済みの経路を除く(ステップSB−4)。その後、カーボンオフセット判定処理を終了し、後述の排出量算出処理へと進む。
一方、排出量算出部102cは、カーボンオフセット判定部102bの処理によりカーボンオフセット済みでないと判定された場合(ステップSB−3:No)、そのままカーボンオフセット判定処理を終了し、後述の排出量算出処理へと進む。
[排出量算出処理]
続いて、上記図4のステップSA−2において実行される排出量算出処理の一例について、図7を参照して以下に説明する。
図7に示すように、排出量算出部102cは、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路から、その経路を利用する際に用いる交通機関と、その経路を利用した場合の移動距離(km)と、を抽出する(ステップSC−1)。
そして、排出量算出部102cは、抽出された交通機関または交通機関の運行区間ごとに異なる排出量の算定基準(例えば、自家用自動車の場合、173(g/km)であり、飛行機の場合、111(g/km)であり、バスの場合、51(g/km)であり、鉄道の場合、19(g/km)であり、JR東日本(会社名)の鉄道の場合、15(g/km)等)を、排出量算定基準ファイル106bに問い合わせる(ステップSC−2)。
そして、排出量算出部102cは、問合せた算定基準に、ステップSC−1において抽出された、交通機関(例えば、JR東日本(会社名)の鉄道)と移動距離(例えば、約9.6km)を当てはめて計算することにより、排出量(例えば、約144g)を算出する(ステップSC−3)。
このように、本実施形態において、排出量算出部102cは、カーボンオフセット判定部102bにてカーボンオフセット済みであると判定された場合(図6のステップSB−3:Yes)、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路のうちカーボンオフセット済みの経路を除いた上で、排出量算定基準ファイル106bに記憶された算定基準を用いて、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路を利用した場合に排出される排出量を当該経路ごとに算出する。一方、排出量算出部102cは、カーボンオフセット判定部102bの処理によりカーボンオフセット済みでないと判定された場合(図6のステップSB−3:No)、カーボンオフセット済みの経路が存在しないので、全ての経路について、排出量算定基準ファイル106bに記憶された算定基準を用いて、経路作成部102aの処理により作成された少なくとも1つの経路を利用した場合に排出される排出量を当該経路ごとに算出する。
[排出権購入金額計算処理]
続いて、上記図4のステップSA−2において実行される排出権購入金額計算処理について、図8を参照して以下に説明する。
図8に示すように、排出権購入金額計算部102dは、排出権の単価(例えば、¥4200/トン)を、排出権量ファイル106cに問い合わせる(ステップSD−1)。
そして、排出権購入金額計算部102dは、問い合わせた排出権の単価に基づいて、排出量算出部102cの処理により算出された排出量分(例えば、約182g)の排出権購入金額(例えば、1円)を計算する(ステップSD−2)。
[排出権差引処理]
続いて、上記図4のステップSA−6において実行される排出権量差引処理の一例について、図9を参照して以下に説明する。
図9に示すように、排出量償却部102fは、情報処理端末10から送信した排出権購入金額に対する排出権購入要求(例えば、1円分排出権の購入要求)を受信する(ステップSE−1)。
そして、排出量償却部102fは、排出権購入要求された排出権購入金額分(例えば、1円)を、排出権量ファイル106cに利用者ごとに記憶された排出権量の合計(例えば、1000円)から差し引くよう排出権量ファイル106cに指示する(例えば、1000円−1円)(ステップSE−2)。
そして、排出量償却部102fは、差し引かれた排出権量の残量等(例えば、1000円−1円=999円)を示す排出権量ファイル106cの更新データを受信する(ステップSE−3)。
[課金処理]
続いて、上記図4のステップSA−6において実行される課金処理の一例について、図10を参照して以下に説明する。
図10に示すように、課金部102hは、排出権購入金額計算部102dの処理により計算され、利用者により排出権購入要求され、排出権償却部102fの処理により排出権量ファイル106cより差し引かれた分(例えば、1円)の数値情報を課金情報ファイル106eに送信する(ステップSF−1)。すなわち、課金部102hは、予め利用者により委託された代行課金用の仮想口座に相当する課金情報を記憶する課金情報ファイル106eから排出権に相当する金額分(例えば、1円)を差し引くよう指示するとともに、例えば、携帯電話キャリア(例えば、携帯電話の通信サービス提供会社や携帯電話のメーカー等)にこの課金情報を送信し、代行課金させることにより決済してもよい。
ここで、課金部102hは、課金処理(決済)を、排出量償却部102fの処理により排出量の償却を行った際にその都度行ってもよく、定期的に(例えば、週単位や月単位ごと等)排出権購入金額の合計を集計してから行ってもよく、所定金額に達したところで行ってもよく、別途購入手続きがあるプリペイド方式にて行ってもよい。なお、プリペイド方式の場合は、残高表示を交通機関ごとの利用可能距離で表示してもよい。
そして、課金部102hは、課金処理(決済)された利用者の預金金額等の残高等(例えば、5000円−1円=4999円)を示す課金情報ファイル106eの更新データを受信する(ステップSF−2)。
以上で、本経路探索装置100の各処理の説明を終える。
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
例えば、経路探索装置100は、本実施形態において、単一のサーバ装置として構成した一例について説明したが、複数のサーバ装置を連動して構成してもよい。ここで、図11は、本発明の他の実施形態において複数のサーバ装置から構成される経路探索装置100の一例を示す図である。具体的には、図11に示すように、経路探索サーバ100−1は、経路探索情報ファイル106aと履歴情報ファイル106fとを備えており、上述の制御部102のうち経路作成部102a、経路探索結果表示部102e、および、償却結果表示部102gに対応する機能を有する。また、排出権管理サーバ100−2は、排出量算定基準ファイル106bと排出権量ファイル106cと属性データファイル106dを備えており、上述の制御部102のうちカーボンオフセット判定部102b、排出量算出部102c、排出権購入金額計算部102d、および、排出量償却部102fに対応する機能を有する。また、課金処理サーバ100−3は、課金情報ファイル106eを備えており、上述の制御部102のうち課金部102hに対応する機能を有する。ここで、経路探索サーバ100−1と、排出権管理サーバ100−2と、課金処理サーバ100−3は、ネットワークを介して通信可能に接続されており、データ連携を行っているため、これら複数のサーバ100−1〜3を本発明の経路探索装置100として機能させることができる。なお、本発明の経路探索装置100は、クライアント・サーバ型に限定されないが、属性データファイル106dを参照してカーボンオフセットが実施済みであるか否かの判定を行うことや、排出量算定基準ファイル106bに記憶される一定距離あたりの温室効果ガスの排出量の算定基準が更新されることを考慮すると、サーバにて各種パラメータを変更する形態(クライアント・サーバ型)が望ましい。
このほか、文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、経路探索装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、経路探索装置100の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて経路探索装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106などは、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、経路探索装置100に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等(経路探索情報ファイル106a〜履歴情報ファイル106f等)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
また、経路探索装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置を接続し、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上詳述に説明したように、本発明は、カーボンオフセットを実行する場合に、他の施策と重複しないカーボンオフセットを提供するので、社会に受け入れられやすい。そして、本発明によれば、交通機関を利用する個人レベルで、煩雑な処理を行うことなく、カーボンオフセットに参加可能にすることができる経路探索装置および経路探索方法を提供することができるので、人間が移動する際に複数の交通機関を利用しても、本発明のナビゲーションシステムは、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量を算出でき、個人レベルでもカーボンオフセットに参加できるようになる。また多くのカーボンオフセット参加者が排出権を購入することから、自然エネルギーの利用や植林事業に潤沢に資金が流れて、その方面の産業も活性化され、地球温暖化に貢献できるので、カーボンオフセットや経路探索などを支援する情報機器や情報処理分野、また、植林事業分野などの様々な分野において極めて有用である。
なお、本出願人においては、2007年5月よりナビゲーションサービスの提供に使用する全てのサーバ機器の使用電力を、グリーン電力証書を購入して自然エネルギー発電に相当する電力に切り替えており、本発明の実施により総合的に環境保全に取り組むことができるようになる。
100 経路探索装置
102 制御部
102a 経路作成部
102b カーボンオフセット判定部
102c 排出量算出部
102d 排出権購入金額計算部
102e 経路探索結果表示部
102f 排出量償却部
102g 償却結果表示部
102h 課金部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
106a 経路探索情報ファイル
106b 排出量算定基準ファイル
106c 排出権量ファイル
106d 属性データファイル
106e 課金情報ファイル
106f 履歴情報ファイル
10−1〜3 情報処理端末
300 ネットワーク

Claims (10)

  1. カーボンオフセットを希望する利用者が所持する入力部と表示部と位置検出部とを少なくとも備える情報処理端末に、ネットワークを介して通信可能に接続された制御部と記憶部とを少なくとも備え情報処理装置であって、
    上記記憶部は、
    交通機関の時刻表データと道路網データとを含む経路探索情報を記憶する経路探索情報記憶手段と、
    上記交通機関または上記交通機関の運行区間ごとに、一定距離あたりの温室効果ガスの排出量の算定基準を記憶した排出量算定基準記憶手段と、
    上記交通機関または上記交通機関の上記運行区間ごとに、他のシステムでカーボンオフセットが実施済みであるか否かを示す属性データを記憶する属性データ記憶手段と、
    上記利用者ごとに課金情報を記憶する課金情報記憶手段と、
    を備え、
    上記制御部は、
    上記利用者により上記入力部を介して入力された出発地および目的地を上記情報処理端末から受信し、受信した上記出発地から上記目的地までの経路の経路情報を、上記経路探索情報記憶手段に記憶された上記経路探索情報を用いて作成する経路作成手段と、
    上記経路作成手段にて作成された上記経路情報の上記経路について、上記交通機関または上記交通機関の上記運行区間ごとに、上記他のシステムでカーボンオフセット済みであるか否かを、上記属性データ記憶手段に記憶された上記属性データに基づいて判定するカーボンオフセット判定手段と、
    上記カーボンオフセット判定手段にてカーボンオフセット済みであると判定された場合、上記経路作成手段にて作成された上記経路情報の上記経路のうちカーボンオフセット済みであると判定された上記経路情報の上記経路を除、上記排出量算定基準記憶手段に記憶された上記算定基準を用いて、当該経路を除いた上記経路情報の上記経路を利用した場合に排出される上記排出量を算出し、上記カーボンオフセット判定手段にてカーボンオフセット済みでないと判定された場合、上記排出量算定基準記憶手段に記憶された上記算定基準を用いて、上記経路作成手段にて作成された上記経路情報の上記経路を利用した場合に排出される上記排出量を算出する排出量算出手段と、
    上記排出量算出手段にて算出された上記排出量に相当する排出権購入金額を計算する排出権購入金額計算手段と、
    上記経路作成手段にて作成された上記経路情報と、上記排出権購入金額計算手段にて計算された上記排出権購入金額とを、上記情報処理端末に送信することにより上記表示部に表示させる経路探索結果表示手段と、
    上記経路探索結果表示手段にて表示された上記経路情報、および、上記情報処理端末から送信される上記位置検出部により検出された上記利用者の現在位置を示す位置情報に基づいて、上記利用者に対し上記表示部を介してナビゲーションを行うナビゲーション手段と、
    上記ナビゲーション手段にて上記ナビゲーションを行う場合に、上記排出権購入金額計算手段にて計算された上記排出権購入金額を上記課金情報記憶手段に記憶された上記課金情報から差し引く課金手段と、
    を備えたことを特徴とする、情報処理装置。
  2. 請求項1に記載の情報処理装置において、
    上記属性データは、上記交通機関または上記交通機関の上記運行区間の使用燃料、および/または、温室効果ガス関連の課税が有る場合に、カーボンオフセットが実施済みであることを示すことを特徴とする、情報処理装置。
  3. 請求項1に記載の情報処理装置において、
    上記課金手段は、
    上記ナビゲーション手段にて上記経路情報の上記経路の上記ナビゲーションが開始されたときに、上記排出権購入金額計算手段にて計算された上記排出権購入金額を上記課金情報記憶手段に記憶された上記課金情報から差し引くことを特徴とする、情報処理装置。
  4. 請求項3に記載の情報処理装置において、
    上記課金手段は、
    上記ナビゲーション手段にて上記経路情報の上記経路の上記目的地周辺まで到達したことを示す上記ナビゲーションの終了案内が実行された時点で、上記排出権購入金額計算手段にて計算された上記排出権購入金額を上記課金情報記憶手段に記憶された上記課金情報から差し引くことを特徴とする、情報処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の情報処理装置において、
    上記情報処理端末は、出力部を更に備え、
    上記ナビゲーション手段は、
    上記出力部を介して音声案内を実行することにより上記ナビゲーションを行うことを特徴とする、情報処理装置。
  6. カーボンオフセットを希望する利用者が所持する入力部と表示部と位置検出部とを少なくとも備える情報処理端末に、ネットワークを介して通信可能に接続された制御部と記憶部とを少なくとも備え情報処理装置において実行される経路処理方法であって、
    上記記憶部は、
    交通機関の時刻表データと道路網データとを含む経路探索情報を記憶する経路探索情報記憶手段と、
    上記交通機関または上記交通機関の運行区間ごとに、一定距離あたりの温室効果ガスの排出量の算定基準を記憶した排出量算定基準記憶手段と、
    上記交通機関または上記交通機関の上記運行区間ごとに、他のシステムでカーボンオフセットが実施済みであるか否かを示す属性データを記憶する属性データ記憶手段と、
    上記利用者ごとに課金情報を記憶する課金情報記憶手段と、
    を備えており、
    上記制御部において実行される、
    上記利用者により上記入力部を介して入力された出発地および目的地を上記情報処理端末から受信し、受信した上記出発地から上記目的地までの経路の経路情報を、上記経路探索情報記憶手段に記憶された上記経路探索情報を用いて作成する経路作成ステップと、
    上記経路作成ステップにて作成された上記経路情報の上記経路について、上記交通機関または上記交通機関の上記運行区間ごとに、上記他のシステムでカーボンオフセット済みであるか否かを、上記属性データ記憶手段に記憶された上記属性データに基づいて判定するカーボンオフセット判定ステップと、
    上記カーボンオフセット判定ステップにてカーボンオフセット済みであると判定された場合、上記経路作成ステップにて作成された上記経路情報の上記経路のうちカーボンオフセット済みであると判定された上記経路情報の上記経路を除、上記排出量算定基準記憶手段に記憶された上記算定基準を用いて、当該経路を除いた上記経路情報の上記経路を利用した場合に排出される上記排出量を算出し、上記カーボンオフセット判定ステップにてカーボンオフセット済みでないと判定された場合、上記排出量算定基準記憶手段に記憶された上記算定基準を用いて、上記経路作成手段にて作成された上記経路情報の上記経路を利用した場合に排出される上記排出量を算出する排出量算出ステップと、
    上記排出量算出ステップにて算出された上記排出量に相当する排出権購入金額を計算する排出権購入金額計算ステップと、
    上記経路作成ステップにて作成された上記経路情報と、上記排出権購入金額計算ステップにて計算された上記排出権購入金額とを、上記情報処理端末に送信することにより上記表示部に表示させる経路探索結果表示ステップと、
    上記経路探索結果表示ステップにて表示された上記経路情報、および、上記情報処理端末から送信される上記位置検出部により検出された上記利用者の現在位置を示す位置情報に基づいて、上記利用者に対し上記表示部を介してナビゲーションを行うナビゲーションステップと、
    上記ナビゲーションステップにて上記ナビゲーションを行う場合に、上記排出権購入金額計算ステップにて計算された上記排出権購入金額を上記課金情報記憶手段に記憶された上記課金情報から差し引く課金ステップと、
    を含むことを特徴とする、経路処理方法。
  7. 請求項6に記載の経路処理方法において、
    上記属性データは、上記交通機関または上記交通機関の上記運行区間の使用燃料、および/または、温室効果ガス関連の課税が有る場合に、カーボンオフセットが実施済みであることを示すことを特徴とする、経路処理方法。
  8. 請求項6に記載の経路処理方法において、
    上記課金ステップにおいて、
    上記ナビゲーションステップにて上記経路情報の上記経路の上記ナビゲーションが開始されたときに、上記排出権購入金額計算ステップにて計算された上記排出権購入金額を上記課金情報記憶手段に記憶された上記課金情報から差し引くことを特徴とする、経路処理方法。
  9. 請求項8に記載の経路処理方法において、
    上記課金ステップにおいて、
    上記ナビゲーションステップにて上記経路情報の上記経路の上記目的地周辺まで到達したことを示す上記ナビゲーションの終了案内が実行された時点で、上記排出権購入金額計算ステップにて計算された上記排出権購入金額を上記課金情報記憶手段に記憶された上記課金情報から差し引くことを特徴とする、経路処理方法。
  10. 請求項6から9のいずれか一つに記載の経路処理方法において、
    上記情報処理端末は、出力部を更に備え、
    上記ナビゲーションステップにおいて、
    上記出力部を介して音声案内を実行することにより上記ナビゲーションを行うことを特徴とする、経路処理方法。
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