JP4537471B2 - 乳タンパク質含有容器詰野菜飲料 - Google Patents
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Description
1. 乳タンパク質を0.13〜0.6重量%、プロビタミンAを1000〜2500μg/100gの範囲で含有することを特徴とする容器詰野菜飲料、
2. 前記容器詰野菜飲料がさらに食物繊維を0.05〜0.55重量%の範囲で含有することを特徴とする上記1記載の容器詰野菜飲料、
3. 前記乳タンパク質が発酵乳由来であることを特徴とする、上記1又は2記載の容器詰野菜飲料、
4. 前記プロビタミンAが野菜由来であることを特徴とする、上記1〜3のいずれか記載の容器詰野菜飲料、
5. 前記容器詰野菜飲料が果実汁を含むことを特徴とする、上記1〜4のいずれか記載の容器詰野菜飲料、
6. 前記野菜飲料がリコペン、アントシアニン及びクロロフィルからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上の成分を含有することを特徴とする、上記1〜5のいずれか記載の容器詰野菜飲料、
7. 前記リコペン、アントシアニン及びクロロフィルが野菜及び/又は果実由来であることを特徴とする、上記6記載の容器詰野菜飲料、
8. 乳タンパク質を0.13〜0.6重量%、プロビタミンAを1000〜2500μg/100gの範囲にそれぞれ調整することを特徴とする容器詰野菜飲料の劣化抑制方法、
9. 前記乳タンパク質が発酵乳由来であることを特徴とする、上記8記載の容器詰野菜飲料の劣化抑制方法、
10. 前記容器詰野菜飲料が果実汁を含むことを特徴とする、上記8又は9記載の容器詰野菜飲料の劣化抑制方法、
11. 前記容器詰野菜飲料がリコペン、アントシアニン及びクロロフィルからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上の成分を含むことを特徴とする、上記8〜10のいずれか記載の容器詰野菜飲料の劣化抑制方法、
12. 乳タンパク質を0.13〜0.6重量%、プロビタミンAを1000〜2500μg/100gの範囲にそれぞれ調整することを特徴とする容器詰野菜飲料の呈味改善方法、
13. 前記乳タンパク質が発酵乳由来であることを特徴とする、上記12記載の容器詰野菜飲料の呈味改善方法、
14. 前記容器詰野菜飲料が果実汁を含むことを特徴とする、上記12又は13記載の容器詰野菜飲料の呈味改善方法、
15. 前記容器詰野菜飲料がリコペン、アントシアニン及びクロロフィルからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上の成分を含むことを特徴とする、上記12〜14のいずれか記載の容器詰野菜飲料の呈味改善方法、
に関する。
β−カロテンの臭気が、原料由来で異なるか否かを調べた。具体的には、ニンジン濃縮汁、カボチャ濃縮汁、β−カロテン製剤水溶液の3種類について比較した。さらに、サンプル飲料全体に対するβ−カロテン含有量が臭気に影響を与えるか否か確認した。
(サンプルの調製)
サンプル1:ニンジン濃縮汁含有サンプル
β−カロテン量が、280μg/100g、840μg/100g、1400μg/100g、1960μg/100g、2520μg/100gとなるように、ニンジン濃縮汁(ヌーガン社製、Bx42)をそれぞれ調製した。レモン果汁を加えてpH4.19以下に調整し、加水して容器に充填(ホットパック充填)してから巻締めし、これを常温になるまで冷却してニンジン濃縮汁含有サンプルとした。
β−カロテン量が、675μg/100g、1350μg/100gとなるように、かぼちゃペースト(ダンフーズ社製)を用いてそれぞれ調製した。加水して容器に充填(ホットパック充填)してから巻締めし、これを常温になるまで冷却してカボチャ濃縮汁含有サンプルとした。
β−カロテン量が、600μg/100g、1200μg/100g、2400μg/100gとなるように、β−カロテン製剤(三菱化学フーズ社製、品名:MFC β−カロテンクリア、βカロテン含量1%)を用いてそれぞれ調製した。レモン果汁を加えてpH4.19以下に調整し、加水して容器に充填(ホットパック充填)してから巻締めし、これを常温になるまで冷却してβ−カロテン製剤配合サンプルとした。
β−カロテンが有する臭気が、原料由来で異なるか否かを調べた。専門パネリスト6名が、上記サンプルを常温にて風味評価した。各サンプルにおけるβ−カロテン臭気の評価方法として、3:β−カロテン臭気が全くない、2:β−カロテン臭気が僅かにある、1:β−カロテン臭気がある、の3段階で評価した。
ニンジン汁由来のβ−カロテン臭気評価の結果として、β−カロテン1000μg/100g程度含量からβ−カロテン臭気が若干感じられ、さらには、1800μg/100g程度含量するとさらにβ−カロテン臭気が出てくるという結果が得られた。表1にニンジン由来のβ−カロテン臭気の確認試験結果を示す。
(サンプル調整)
サンプル1:ニンジン濃縮汁含有サンプル
ニンジン汁由来のβ−カロテンを1400μg/100g含有するニンジン飲料サンプルに、発酵乳(くじらい乳業社製、無脂固形分8%以上)を用いて乳タンパク質含有量が0%、0.063%、0.189%、0.315%、0.441%、0.567%、0.693%、0.819%、0.945%、1.071%(いずれも重量%)となるようにそれぞれ調整した。次にレモン果汁を加えてpH4.19以下に調整、加水し、これを容器にホットパック充填、巻締め、常温になるまで冷却して乳タンパク質含有ニンジン飲料を調整した。
サンプル1と同様の方法でのβ−カロテン量を調整したカボチャ飲料サンプルに、発酵乳(くじらい乳業社製、無脂固形分8%以上)を用いて乳タンパク質含有量が0%、0.189%(いずれも重量%)となるようにそれぞれ調整した。次にこれらに加水し、容器にホットパック充填、巻締めし、常温になるまで冷却して乳タンパク質含有カボチャ飲料を調整した。
サンプル1と同様の方法でのβ−カロテン量を調整したβ−カロテン製剤調整品に、発酵乳(くじらい乳業社製、無脂固形分8%以上)を用いて乳タンパク質含有量が0%、0.189%(いずれも重量%)となるようにそれぞれ調整した。次にレモン果汁を加えてpH4.19以下に調整、加水し、これを容器にホットパック充填、巻締め、常温になるまで冷却して発酵乳入りβ−カロテン製剤配合飲料とした。
上記配合にて調製したサンプルを、専門パネリスト6名が風味評価した。β−カロテン臭の抑制効果についての評価方法は、3:β−カロテン臭が全くない、2:β−カロテン臭が僅かにある、1:β−カロテン臭がある、の3段階とした。各サンプルにについて合計点から平均値を求め、平均値が2.4以上であれば○、平均値が1.7〜2.3であれば△、平均値が1.6以下であれば×とした。
乳タンパク質を0.189重量%以上加えることで、β−カロテン臭の抑制効果がみられた。しかし、乳タンパク質とニンジン汁との呈味バランスの観点からは、0.189〜0.567重量%、好ましくは0.315〜0.441重量%であるのが好ましいという結果が得られた(表4)。
上記配合にて調整した試料飲料を容器詰して冷却した直後、25℃の恒温層内、5℃蛍光灯下(5000lux)にて2週間静置後、試験飲料を全て20℃の一定条件に調整した。該試験飲料を、分光色差計(SE2000 日本電色工業社製)を用いて測定して色差を求め、乳固形量の添加によるβ−カロテン由来の色の差について確認した。
ニンジン汁由来のβ−カロテンの違いによる色差と乳タンパク質含有量による色差の抑制効果
β−カロテン含有量が1100μg/100gである場合を基準として、β−カロテン含有量が1400μg/100gのサンプル(左欄)と、2500μg/100gのサンプル(右欄)とを比較した(図2)。各欄の左側の棒グラフが乳タンパク質含有(発酵乳なし)を、各欄の右側の棒グラフが乳タンパク質含有(発酵乳あり)をそれぞれ示す。
β−カロテン製剤容液のβ−カロテン含有量の違いによる色差及び、乳タンパク質を加えることによる色差抑制効果について調べた。
ニンジン汁由来のβ−カロテン含量が1120μg/100g、1400μg/100g、2500μg/100gであるものをそれぞれ準備し、これらに発酵乳3%を加えたサンプル(右)と、発酵乳を加えないサンプル(左)とを作製した。さらに各サンプルにつき、25℃で暗所にて2週間保管した場合と、25℃で光照射状態にて2週間保管した場合とにおける、色調変化(色差)を調べた。その結果、β−カロテン含量が1400μg/100gや、2500μg/100gである野菜飲料の場合、発酵乳を添加したサンプルの色調変化は、発酵乳を添加しないサンプルの色調変化と比較して小さかった。このことから、発酵乳を添加することによりβ−カロテン含有野菜飲料の色調変化が抑制されることが明らかとなった。
(試験方法)
ニンジン由来のβ−カロテン量が1400μg/100gになるように調整してニンジン汁を作製した。該ニンジン汁に発酵乳を加えることにより、乳タンパク含有量をそれぞれ0%、0.063%、0.189%、0.315%(いずれも重量%)に調整したサンプルを作製した。これらを充填直後および25℃の恒温層内、5℃蛍光灯下(5000lux)にて2週間静置した時点でのβ−カロテンを測定した。充填直後のβ−カロテン含有量を基準値(100)として、2週間経過後のβ−カロテンの減少量を調べた(図5)。
25℃での保管では、いずれのサンプル間において殆ど違いは見られなかった。一方、光照射によるサンプルにおいては、発酵乳を添加したサンプルの方が、発酵乳を加えない又は含有量が少ない(1%)のサンプルと比較してより多くのβ−カロテンが残存していた。
ニンジン濃縮汁(Bx42)を50重量%と、リンゴ果汁、白ブドウ、マンゴー果汁(ピューレ)を合計して47.5重量%と、ヨーグルト2.5重量%を混合し、加水して容器に充填(ホットパック充填)してから巻締めし、これを常温になるまで冷却してマンゴー配合容器詰発酵乳含有野菜飲料のサンプル(サンプル1)とした。また、比較サンプルとしてニンジン濃縮汁(Bx42)を50重量%と、リンゴ果汁及び白ブドウを合計して47.5重量%と、ヨーグルト2.5重量%を混合し、加水して容器に充填(ホットパック充填)してから巻締めし、これを常温になるまで冷却してマンゴー非配合容器詰発酵乳含有野菜飲料のサンプル(サンプル2)とした。
上記サンプル1と同様の処方でさらにサンプルを用意し、経時劣化による呈味性と色調との変化を調べた。試験区分としては、5℃(暗所)、25℃(暗所)、37℃(暗所)、45℃(暗所)及び25℃(光照射)で行った。この結果から、マンゴー配合容器詰発酵乳含有野菜飲料は、45℃で3週間の暗所保管サンプルと1週間の光劣化試験サンプルとで僅かに呈味性の劣化が観察された以外には、いずれの温度においても呈味性及び色調において変化は見られなかった。これにより、乳タンパク質の量とβ−カロテンの量とを本願発明の範囲内に調整すれば、マンゴー果汁を添加しても本願発明の効果を享受できることがわかった。
Claims (5)
- 1100〜2500μg/100gの範囲でβ−カロテンを含有する容器詰野菜果汁飲料(但し、トマト加工食品素材を含む容器詰野菜果汁飲料を除く)において、容器詰野菜果汁飲料における乳タンパク質の含有量が0.3〜0.6重量%となるように発酵乳を含有することを特徴とする容器詰野菜果汁飲料。
- 前記β−カロテンが、野菜由来であることを特徴とする、請求項1に記載の容器詰野菜果汁飲料。
- 前記野菜飲料が、リコペン、アントシアニン及びクロロフィルからなる群から選ばれるいずれか1種又は2種以上の成分を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の容器詰野菜果汁飲料。
- 前記リコペン、アントシアニン及びクロロフィルが、野菜及び/又は果実由来であることを特徴とする、請求項3に記載の容器詰野菜果汁飲料。
- β−カロテンを1100〜2500μg/100gの範囲で含有する容器詰野菜果汁飲料(但し、トマト加工食品素材を含む容器詰野菜果汁飲料を除く)において、乳タンパク質の含有量が0.315〜0.6重量%となるように発酵乳を配合することを特徴とする、容器詰野菜果汁飲料におけるβ−カロテンの臭気抑制方法。
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