JP4534492B2 - 無線回線制御装置及びそれを用いた移動通信システム - Google Patents

無線回線制御装置及びそれを用いた移動通信システム Download PDF

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Description

本発明は無線回線制御装置及びそれを用いた移動通信システムに関し、特にW−CDMAセルラ方式の移動通信システムにおける無線回線制御装置(RNC:Radio Network Controller)の改良に関するものである。
移動通信システムであるW−CDMA通信システムのアーキテクチャを図4に示す。無線アクセスネットワーク(RAN)1は、無線回線制御装置(RNC)4,5と、Node B(ノードB)6〜9により構成されており、交換機ネットワークであるコアネットワーク(CN)3とIuインタフェースを介して接続される。Node B6〜9は無線送受信を行う論理的なノードを意味し、具体的には、無線基地局装置である。
Node BとRNC間のインタフェースはIubと称されており、RNC間のインタフェースとしてIurインタフェースも規定されている。各Node Bは1つあるいは複数のセル10をカバーするものであり、Node Bは移動機(UE)2と無線インタフェースを介して接続されている。Node Bは無線回線を終端し、RNCはNode Bの管理と、ソフトハンドオーバ時の無線パスの選択合成を行うものである。なお、図4に示したアーキテクチャの詳細は3GPP(3rd Generation Partnership Projects)に規定されている。
この図4に示したW−CDMA通信システムにおける無線インタフェースのプロトコルアーキテクチャを図5に示している。図5に示す如く、このプロトコルアーキテクチャは、L1として示す物理レイヤ(PHY)11と、L2として示すデータリンクレイヤ12〜14と、L3として示すネットワークレイヤ(RRC:Radio Resource Control)15とからなる3層のプロトコルレイヤにより構成されている。
L2のデータリンクレイヤはMAC(Media Access Control)レイヤ12と、RLC(Radio Link Control)レイヤ13と、BMC(Broadcast/Multicast Control )レイヤ14とによる3つのサブレイヤに分かれている。また、MACレイヤ12はMAC−c/sh(common/shared)121と、MAC−d(dedicated )122とを有しており、RLCレイヤ13は複数のRLC131〜134を有している。
図5中の楕円はレイヤ間、あるいはサブレイヤ間のサービスアクセスポイン(SAP)を示しており、RLCサブレイヤ13とMACサブレイヤ12との間のSAPは論理チャネルを提供する。つまり、論理チャネルは、MACサブレイヤ12からRLCサブレイヤ13へ提供されるチャネルであり、伝送信号の機能や論理的な特性によって分類され、転送される情報の内容により特徴づけられるものである。
この論理チャネルの例としては、CCCH(Common Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、BCCH(Broadcast Control Channel )、CTCH(Common Traffic Channel)等がある。
MACサブレイヤ12と物理レイヤ11との間のSAPはトランスポートチャネルを提供する。つまり、トランスポートチャネルは、物理レイヤ11からMACサブレイヤ12に提供されるチャネルであり、伝送形態によって分類され、無線インタフェースを介してどのような情報がどのように転送されるかで特徴づけられるものである。
このトランスポートチャネルの例としては、PCH(Paging Channel)、RACH(Random Access Channel)、DCH(Dedicated Channel )、BCH(Broadcast Channel )、FACH(Forward Access Channel)等がある。なお、これ等MACサブレイヤ12の詳細とトランスポートチャネルとの関係は、非特許文献1に開示されている。
物理レイヤ11や、データリンクレイヤの各サブレイヤ12〜14は、ネットワークレイヤ(RRC)15により制御チャネルを提供するC−SAPを介して制御されるようになっている。この図5に示したプロトコルアーキテクチャの詳細は3GPPに規定されている。
また、従来技術においては、制御信号を転送するシグナリングのためのC(Control )プレーンとユーザデータを転送するU(User)プレーンとがあり、L2のBMCサブレイヤ14はUプレーンのみに適用されるものである。
3GPP TS25.321 V3.15.0(2003,03)
従来の無線アクセスネットワーク(RAN)1のRNC4,5におては、Cプレーンを制御する機能と、Uプレーンを制御する機能とが、物理的に一体となった装置とされている。
この様なUプレーンとCプレーンとの両制御機能が一体化された従来のRNCを有する移動通信システムにおいては、シグナリングの処理能力を向上させたい場合には、Cプレーンの制御機能のみを追加すれば良いにもかかわらず、RNCそのものを追加することが必要であり、また、ユーザデータの処理能力を向上させたい場合には、Uプレーンの制御機能のみを追加すれば良いにもかかわらず、RNCそのものを追加することが必要である。従って、従来のRNCの構成では、スケラビリティに富んだシステムを構築することが困難である。
そこで、このような無線ネットワークにおいて、Cプレーン制御機能とUプレーン制御機能との分離を行うことが考えられるが、そうすると、Uプレーン制御機能を、処理すべきユーザデータ量に応じて追加することができることになるが、Uプレーン制御機能は、ユーザデータの転送制御に不可欠のMACサブレイヤ12を必ず含むことになる。このMACサブレイヤ12は、図5にも示した様に、また上記の非特許文献1にも示されている様に、MAC−c/sh121とMAC−d122との機能を含むことになり、よって、処理すべきユーザデータ量に応じて、これ等MAC−c/sh121とMAC−d122の両者を含むUプレーン制御機能を追加することが必要になる。
そこで、本発明の目的は、Uプレーン制御機能を必要最小限の機能に分割して、処理すべきユーザデータ量に応じて装置の増減ができるようにして、よりスケラビィリティに富んだシステム構築を可能とした無線回線制御装置及びそれを用いた移動通信システムを提供することである。
本発明による無線回線制御装置は、
移動通信システムにおける無線基地局と交換機ネットワークとの間に設けられた無線回線制御装置であって、
無線回線における個別チャネルを扱う第一の機能部分を、前記個別チャネル以外のチャネルを扱う第二の機能部分から分離して設け、
前記第一の機能部分は、前記個別チャネルにおける転送データの量が所定値以下のとき、前記第二の機能部分が扱うチャネルを用いたデータ転送に切替える要求を生成して上位装置へ出力する手段を有し、
前記上位装置は、シグナリングの制御をなすコントロールプレーン制御装置であり、
前記第一及び第二の機能部分を含む装置は、前記コントロールプレーン制御装置とは分離して設けられ、ユーザデータの制御をなすユーザプレーン制御装置に含まれていることを特徴とする。
本発明による移動通信システムは、
無線基地局と、交換機ネットワークと、これ等無線基地局と交換機ネットワークとの間に設けられた無線回線制御装置とを含む移動通信システムであって、
前記無線回線制御装置において、無線回線における個別チャネルを扱う第一の機能部分を、前記個別チャネル以外のチャネルを扱う第二の機能部分から分離して設け、
前記第一の機能部分は、前記個別チャネルにおける転送データの量が所定値以下のとき、前記第二の機能部分が扱うチャネルを用いたデータ転送に切替える要求を生成して上位装置へ出力する手段を有し、
前記上位装置は、シグナリングの制御をなすコントロールプレーン制御装置であり、
前記第一及び第二の機能部分を含む装置は、前記コントロールプレーン制御装置とは分離して設けられ、ユーザデータの制御をなすユーザプレーン制御装置に含まれていることを特徴とする。
本発明の作用を述べる。W−CDMA通信システムにおける無線回線制御装置(RNC)には、シグナリングの制御をなすコントロールプレーン制御装置(CPE)と、ユーザデータの制御をなすユーザプレーン制御装置(UPE)とが存在するが、後者のUPE内には、個別チャネルを扱うMAC−dエンティティと、それ以外の共通チャネルなどを扱うMAC−c/shエンティティとが設けられている。後者のMAC−c/shエンティティは、Node Bが有するセルに密接に係わっており、呼の発信や着信時に必ず指定される重要な機能を有しており、また前者のMAC−dエンティティは、移動端末毎の個別ユーザデータのみに依存するものであり、これ等両エンティティは機能が異なっている。
そこで、本発明では、個別のユーザデータのみに依存するMAC−dエンティティを、トラフィック量に応じて増減可能な様に、MAC−c/shエンティティから独立して分離するようにしたものである。これにより、増設や減設の単位を、UPE単位ではなく、更に細かい、MAC−d単位とすることができ、システムのスケラビィリティがより向上する。
本発明によれば、個別のユーザデータのみに依存するMAC−dエンティティを、トラフィック量に応じて増減可能な様に、MAC−c/shエンティティから独立して分離するよう構成したので、MAC−d単位での増減ができ、システムのスケラビィリティがより向上するという効果がある。また、従来では、最初の呼を設定したユーザプレーン制御装置(UPE)が呼の終了まで一貫して利用されることになるので、ユーザデータ量の増大によりMAC−c/shエンティティを利用するシグナリングが圧迫される危険があるが、本発明では、データ量の増大に伴い、MAC−c/shエンティティからMAC−dエンティティを利用するよう切替えることができるので、上記の危険性はない。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明するが、それに先立って、前述したように、RNCをCプレーン制御機能とUプレーン制御機能とに分離する場合におけるブロック図を図6に示す。なお、このように、Cプレーン制御機能とUプレーン制御機能とを分離する技術の詳細については、本願出願人により提案されている特願2002−154889号明細書に詳述されている。
図6を参照すると、図5と同等部分は同一符号により示されており、RNC4が、シグナリングを制御するCプレーンに相当するCプレーン制御装置(CPE:Control Plane Equipment )41と、ユーザデータを制御するUプレーンに相当するUプレーン制御装置(UPE:User Plane Equipment)42とに分離される構成である。
全てのシグナリングは、各装置との間で、直接Cプレーン制御装置41内に設けられた中央制御装置(CP:Control Processor )16とやりとりが行われる。しかしながら、移動機(UE)2とRNC4との間のRRCシグナリングに関しては、CプレーンとUプレーンとに明確に分離することができないために、Uプレーン制御装置42内において、RLC131や132を終端した後、Cプレーン制御装置41内のRRC15へ転送するよう構成されている。
こうすることにより、図5に示した既存のRNCのプロトコルレイヤアーキテクチャにおいて、L1として示される物理レイヤ(PHY)11はNode B(無線基地局装置)6に、L2として示されるデータリンクレイヤ12〜14はUプレーン制御装置42に、L3として示されるネットワークレイヤ15以上はCプレーン制御装置41に、それぞれ分離することができる。
Cプレーン制御装置41内のRRC15からは、制御チャネルを提供するC−SAP(Control Service Access Point)を用いて、Node B内の物理レイヤ11、Uプレーン制御装置42内のMACレイヤ12、RLCレイヤ13及びBMCレイヤ14を終端する各装置が制御されるようになっている。また、Node B6とRNC4との間のシグナリングNBAP、RNC4と他のRNC内Cプレーン制御装置(CPE)43との間のシグナリングRNSAP、RNC4とMSC(Mobile Switching Center )31やSGSN(Serving GPRS(Global Packet Radio Service) Switching Node)32との間のシグナリングRANAPは、Cプレーン制御装置41内のCP16により直接終端して処理を行うものとする。
なお、MSC31は回線交換機能を有し、SGSN32はパケット交換機能を有するものであり、図4に示したコアネットワーク(CN)3に含まれる。また、RNC4と移動機2との間で利用されるRRCシグナリングは、移動機2からNode B6、Uプレーン制御装置42内のMACレイヤ12及びRLCレイヤ13を経由して、Cプレーン制御装置41内のRRCレイヤ15で終端される。PCH/FACHに関しては、Uプレーン制御装置42内のMAC−c/shレイヤ121及びRLCレイヤ13で終端され、Cプレーン制御装置41へ送信される。
ユーザデータを送信するDCH(個別チャネル:Dedicated Channel )に関しても、任意のNode BとUプレーン制御装置42とを接続することができ、Uプレーン制御装置42内で、複数のNode B間でパスの選択合成が、選択合成部123で行われた後、MAC−dレイヤ122及びRLCレイヤ13で終端され、Cプレーン制御装置41を介する回線交換機能を有するMSC31や、パケット交換機能を有するSGSN32へ送信される。
なお、この選択合成部123は、ソフトハンドオーバ時において、複数のNode BからのDCHを選択合成し、これ等Node Bのなかから回線品質(受信品質)の最も良い回線を選んで、上位のコアネットワーク(CN)側へ送出するものである。
この様な装置構成とすることにより、スケーラビリティに富んだシステム構成を組むことが可能となる。すなわち、シグナリングの処理能力を向上させる場合には、Cプレーン制御装置41のみを追加し、またユーザデータ転送速度を向上させる場合には、ユーザプレーン制御装置42のみを追加するようにすることができる。また、Uプレーン制御装置42内の各装置は、それぞれの装置間では関係を持たず、Cプレーン制御装置41内のRRC15により制御されるために、独立の装置として実装することも可能である。
この様なCプレーン制御装置とUプレーン制御装置とを分離して構成した場合に、処理すべきユーザデータ量が多い場合には、Uプレーン制御装置42のみを、データ量に応じて増加するようにすることができるが、先述した如く、Uプレーン制御装置42内には、ユーザデータを転送するための個別チャネルであるDCH(Dedicated Channel )を扱うMAC−d122の機能(上記非特許文献1では、エンティティと規定)の他に、PCH,FACH,RACH(Random Access Channel )や、更には、CPCH(Common Packet Channel )、DSCH(Downlink shared channel )、USCH(Uplink shared Channel )を扱うMAC−c/sh121の機能(エンティティ)が存在する。
処理すべきデータ量が多い場合には、DCHを扱うMAC−dの機能部分のみを、それに応じて増加するようにできれば、更なるスケラビリティに富むシステム構築が可能となる。そこで、本発明の実施の形態として、図1に示すRANの構成を提案するものである。図1において、図6と同等部分は同一符号により示している。
図1を参照すると、トランスポートチャネルのうちDCHのみを扱うMAC−dを有する2つの装置42d1、42d2(UPE−dとして示す)と、DCH以外のトランスポートチャネルを扱うMAC−c/shを有する1つの装置42c(UPE−cとして示す)とが設けられている。すなわち、図6に示したUプレーン制御装置(UPE)42を、本例では、1つのUPE−c(42c)と2つのUPE−d(42d1,42d2)とに分離した構成である。
UPE−d 42d1においては、選択合成部123と、MAC−d124と、このMAC−dの上位サブレイヤであるRLC133,134とが設けられている。また、UPE−d 42d2においては、選択合成部125と、MAC−d126と、このMAC−dの上位サブレイヤであるRLC135,136とが設けられている。なお、RRC15がDCHを利用する場合、RLC133や135が利用されるが、このRLC133や135は本発明とは直接関係するものではない。UPE−c 42cにおいては、MAC−c/shの上位サブレイヤであるRLC131と、MAC−d122と、このMAC−dの上位サブレイヤであるRLC132とが設けられている。
MAC−dとRLC及びMAC−c/shとRLCとは、それぞれ一対一の関係にあって、これ等は切り離すことはできないために、各MACサブレイヤとRLCサブレイヤとは対になっている。また、UPE−C 42cにおいて、MAC−c/sh121とMAC−d122との間に回線101が存在するが、この回線101は以下の様に用いられる。
すなわち、上述した非特許文献1にも規定されている如く、PS(Packet Switched )呼では、データ量が少ない場合には、MAC−dを通る個別チャネルの代りに、MAC−c/shを通る共通チャネルが用いられることがあるために、PS交換機能を有するSGSN32からRLC132及びMAC−d122を経て、更に、回線101を介してMAC−c/sh121が扱う共通チャネルを用いて、PS呼に関するデータが、図示せぬUEに転送されるようになっている。PS呼に関するデータ量が多い場合には、UEとSGSN32との間のUPE−d 42d1や42d2が用いられることになるのである。
UPE−c 42cは、Node B6が管理するセル情報(セル識別のための識別子であるセルID)と対になっているMAC−c/sh121を終端するものであり、このMAC−c/sh121はPCH,FACH,RACHなどの呼接続のために重要となるシグナリングを中継する機能を有する。このシグナリングに関しては、全て、この装置UPE−c 42c内のRLCを終端して、上位のCPE41へ送信する。UPE−d 42d1,42d2はユーザデータを転送するための個別チャネル(DCH)のMAC−dを終端するものである。なお、図1においては、図6に示したBMC14は省略している。
PS呼においては、単位時間当りのデータ量に応じて、MAC−c/shが扱う共通チャネルを利用したり、MAC−dが扱う個別チャネルを利用したりすることがある。すなわち、上述した如く、データ量が多い場合には、MAC−dが扱う個別チャネルを利用し、データ量が少くなれば、MAC−c/shが扱う共通チャネルを利用するように、個別チャネルと共通チャネルとの切替えが行われる。そこで、本発明では、データ量に応じて、UPE−c(42c)とUPE−d(42d1、42d2)とを切替え得るようにしたものであり、図2及び図3に、その場合の動作シーケンスを示す。
図2は本発明の実施の形態の動作シーケンス図であり、Node B6が管理するセルに在圏するあるUE(図示せず)が、Node B6及びUPE−d(例えば、図1の42d1とする)を利用してPS呼に関するパス接続中であるものとし(ステップS1)、UEはこのパスを用いてコアネットワーク側のSGSN32とパケットデータの転送を行っているものとする。
この状態において、パケットデータ量が減少して、予め定められた閾値以下になると、RLC134によりそれが検出される(ステップS2)。なお、このデータ量の減少の検出は、MAC−d124で行うように構成しても良い。このデータ量の減少検出に応答して、データ転送切替要求がRLC134より発生される(ステップS3)。すなわち、UPE−dを利用するデータ転送から、UPE−cを利用するデータ転送へと切替えるための要求が発生される。このデータ転送切替要求は上位のCPE41へ送信される。
CPE41は、そのUEが存在するセル情報を検出し、そのセル対になるUPE−cを選択し、このUPE−c(この例では、UPE−c 42c)を切替え先であると決定することになる(ステップS4)。この場合、CPE41のCP16は、セルとUPE−cとの対応関係を有する情報を有しており、システム設計時に、オペレータにより設定されるものとする。ここで、UEが位置登録する際には、Node B6から受け取ったセル情報を元に、現在UEが存在するセル情報をRNC側、すなわちCPE41へ通知するようになっているので、CPE41はこのUEがどのセルに在圏しているかを知ることができる。
CPE41は、この決定されたUPE−cに対して、データ転送切替要求を生成して送信する(ステップS5)。このデータ転送切替要求を受け取ったUPE−c 42cは応答を生成してCPE41へ返送する(ステップS6)。CPE41はこの応答を待って、SGSN32に対してデータの宛先を、UPE−d 42d1からUPE−c 42cへと変更するよう要求する(ステップS7)。
この場合、図1に示したMSC,SGSN,CPE,UPE−c、UPE−d等の各装置がIP(Internet Protocol )網にて接続されているものとすると、各装置にはIPアドレスが予め割り当てられている。よって、PS呼の各データパケットの宛先IPアドレスを、UPE−d 42d1のIPアドレスからUPE−c 42cのIPアドレスへと変更するように、CPE41がSGSN32へ指示することになる。
SGSN32はこの宛先変更要求に対する応答を生成してCPE41へ送信する(ステップS8)。この応答を待って、CPE41はUPE−d 42d1の個別チャネルの解放要求を行う(ステップS9)。UPE−d 42d1はこの開放要求を受けて、その応答を生成しCPE41へ返送する(ステップS10)。そして、UPE−d 42d1では、個別チャネルの開放が行われる。その結果、UEとSGSN32との間のデータパケットの転送は、UPE−c 42cの共通チャネルによるパスを利用して行われる(ステップS11)。この場合、UPE−c 42c内では、MAC−c/sh121、回線101、MAC−d122、RLC132の経路にて、パケット転送が行われることになる。
図3は本発明の実施の形態の動作シーケンス図であり、Node B6が管理するセルに在圏するUE(図示せず)が、Node B6及びUPE−c 42cを利用してPS呼に関するパス接続中であるものとし(ステップS11)、UEはこのパスを用いてSGSN32とパケットデータの転送を行っているものとする。
この状態において、パケットデータ量が増大して、予め定められた閾値を超えると、RLC132によりそれが検出される(ステップS12)。このデータ量の増大検出に応答して、データ転送切替要求がRLC132により発生される(ステップS13)。すなわち、UPE−cを利用するデータ転送から、UPE−dを利用するデータ転送へと切換えるための要求が発生される。このデータ転送切替要求はCPE41へ送信される。
このとき、CPE41は任意のUPE−dを選択することができる。このUPE−dの選択方法の例としては、負荷が少ないUPE−dを選択する方法を用いることにより、各UPE−dの負荷を均等化することができる(ステップS14)。この負荷の量の判断基準としては、呼の数の多い/少ないを判断する方法や、データ量の多い/少ないを判断する方法が考えられる。前者の呼の数については、CPE41が把握している。また、データ量については、一定周期毎に、各UPE−dがデータ量をCPEへ通知することにより、CPEが把握可能である。なお、このUEにおいて、当該PS呼と同時にCS(Circuit Switched:回線交換)呼も接続されている場合には、このCS呼が利用しているUPE−dを選択するようにする。
CPE41はこうして選択決定されたUPE−dに対してデータ転送切替要求を生成して送信する(ステップS15)。このデータ転送切替要求を受けたUPE−dは応答を生成してCPE41へ送信する(ステップS16)。この応答を待って、CPE41はデータパケットの宛先をUPE−cからUPE−dへ変更する要求を、SGSN32へ送信する(ステップS17)。CPE41はSGSN32からの応答を待って(ステップS18)、UPE−cに対して当該UEに対するデータ転送のためのチャネル解放要求を行い(ステップS19)、これに対する応答がUPE−cより返送される(ステップS20)。これにより、UEとSGSN32との間のデータパケットの転送は、UPE−dの個別チャネルによるパスを利用して行われることになる(ステップS21)。
なお、図2,3のシーケンスにおいて、UPE−cからUPE−dへの切替えの際、またその逆の切替えの際に、丁度データが流れて、データの順番が変ったり、データ抜けが発生する可能性があるが、そのような場合には、周知の方法を用いて、データ抜けを回避するようにしても良い。
上記実施の形態においてはユーザプレーン制御装置であるUPEにおいて、個別チャネルを扱うMAC−dを含むUPE−dを、共通チャネルを扱うMAC−c/shから分離して、2個設けているが、その個数についてはこれに限定されることなく、ユーザトラフィックの量に応じて任意に増減できることは勿論である。また、UPE−cについては、呼接続のために必要なシグナリングを中継するための機能を有することから、セル対応に設けられることもあり、また複数セルに一つ設けられることもある。
図2,3に示した動作シーケンス図中の各装置の動作フローは、予めプログラムとしてROM等の記録媒体に格納しておき、これをコンピュータ(CPU)に読み取らせて実行させるようにできることは勿論である。
本発明の実施の形態のブロック図である。 本発明の実施の形態の動作を示すシーケンス図であり、PS呼のデータ量が減少したときの動作例である。 本発明の実施の形態の動作を示すシーケンス図であり、PS呼のデータ量が増大したときの動作例である。 W−CDMA通信方式のシステムアーキテクチャを示す図である。 図4のシステムアーキテクチャをプロトコルアーキテクチャとして示した図である。 本発明の前提となるUプレーン制御装置とCプレーン制御装置とを分離した場合のW−CDMA通信方式のプロトコルアーキテクチャの機能ブロック図である。
符号の説明
6 Node B
11 物理層(PHY)
15 RRCレイヤ
16 中央制御装置(CP)
31 MSC(Mobile Switching Center )
32 SGSN(Serving GPRS Switching Node )
42c UPE−c
42d1,42d2 UPE−d
121 MAC−c/shエンティティ
122,124,126 MAC−dエンティティ
123,125 選択合成部
131〜136 RLCサブレイヤ

Claims (13)

  1. 移動通信システムにおける無線基地局と交換機ネットワークとの間に設けられた無線回線制御装置であって、
    無線回線における個別チャネルを扱う第一の機能部分を、前記個別チャネル以外のチャネルを扱う第二の機能部分から分離して設け、
    前記第一の機能部分は、前記個別チャネルにおける転送データの量が所定値以下のとき、前記第二の機能部分が扱うチャネルを用いたデータ転送に切替える要求を生成して上位装置へ出力する手段を有し、
    前記上位装置は、シグナリングの制御をなすコントロールプレーン制御装置であり、
    前記第一及び第二の機能部分を含む装置は、前記コントロールプレーン制御装置とは分離して設けられ、ユーザデータの制御をなすユーザプレーン制御装置に含まれていることを特徴とする無線回線制御装置。
  2. 前記無線回線におけるユーザトラフィックの量に応じて、前記第一の機能部分が設けられていることを特徴とする請求項1記載の無線回線制御装置。
  3. 前記第一の機能部分には、複数の無線基地局からのユーザデータのうち受信品質が良好なものを選択する手段が接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の無線回線制御装置。
  4. 前記第二の機能部分は、自機能部分が扱うチャネルにおける転送データの量が所定値を超えたとき、前記第一の機能部分が扱う個別チャネルを用いたデータ転送に切替える要求を生成して上位装置へ出力する手段を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の無線回線制御装置。
  5. 前記移動通信システムはW−CDMA通信システムであり、前記第一の機能部分はMAC−d(Media Access Control−dedicated)エンティティであり、第二の機能部分はMAC−c/sh(Media Access Control−common/shared)エンティティであることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の無線回線制御装置。
  6. 無線基地局と、交換機ネットワークと、これ等無線基地局と交換機ネットワークとの間に設けられた無線回線制御装置とを含む移動通信システムであって、
    前記無線回線制御装置において、無線回線における個別チャネルを扱う第一の機能部分を、前記個別チャネル以外のチャネルを扱う第二の機能部分から分離して設け、
    前記第一の機能部分は、前記個別チャネルにおける転送データの量が所定値以下のとき、前記第二の機能部分が扱うチャネルを用いたデータ転送に切替える要求を生成して上位装置へ出力する手段を有し、
    前記上位装置は、シグナリングの制御をなすコントロールプレーン制御装置であり、
    前記第一及び第二の機能部分を含む装置は、前記コントロールプレーン制御装置とは分離して設けられ、ユーザデータの制御をなすユーザプレーン制御装置に含まれていることを特徴とする移動通信システム。
  7. 前記無線回線におけるユーザトラフィックの量に応じて、前記第一の機能部分が設けられていることを特徴とする請求項6記載の移動通信システム。
  8. 前記第一の機能部分には、複数の無線基地局からのユーザデータのうち受信品質が良好なものを選択する手段が接続されていることを特徴とする請求項6または7記載の移動通信システム。
  9. 前記上位装置は、前記要求に応答して、前記交換機ネットワークに対して、前記転送データの宛先を、前記第一の機能部から前記第二の機能部へ変更するよう要求する手段を含むことを特徴とする請求項8記載の移動通信システム。
  10. 前記第二の機能部分は、自機能部分が扱うチャネルにおける転送データの量が所定値を超えたとき、前記第一の機能部分が扱う個別チャネルを用いたデータ転送に切替える要求を生成して上位装置へ出力する手段を有することを特徴とする請求項6〜9いずれか記載の移動通信システム。
  11. 前記上位装置は、前記要求に応答して、前記交換機ネットワークに対して、前記転送データの宛先を、前記第二の機能部から前記第一の機能部へ変更するよう要求する手段を含むことを特徴とする請求項10記載の移動通信システム。
  12. 前記上位装置の前記手段は、前記第一の機能部が複数設けられているとき、前記転送データの宛先変更に際して、負荷がより少ない第一の機能部を選択するようにしたことを特徴とする請求項11記載の移動通信システム。
  13. W−CDMA通信システムであって、前記第一の機能部分はMAC−d(Media Access Control−dedicated)エンティティであり、第二の機能部分はMAC−c/sh(Media Access Control−common/shared)エンティティであることを特徴とする請求項6〜12いずれか記載の移動通信システム。
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