JP4531968B2

JP4531968B2 - Manufacturing method of syringe stopper film

Info

Publication number: JP4531968B2
Application number: JP2000375355A
Authority: JP
Inventors: 満男飯村; 隆司和野; 俊光橘
Original assignee: Nitto Denko Corp
Current assignee: Nitto Denko Corp
Priority date: 2000-12-11
Filing date: 2000-12-11
Publication date: 2010-08-25
Anticipated expiration: 2020-12-11
Also published as: JP2002177390A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は注射器用滑栓の製造に用いる注射器滑栓用フィルム及びその製造法に関する。さらには、注射器滑栓用フィルムを、ゴム基材詮本体の表面に積層してなる注射器滑栓に関する。
【０００２】
【従来の技術】
注射器は、外筒と当該外筒内をロッドにより摺動させる滑栓とからなる。前記注射器用滑栓には、外筒内に充填した薬液に対する密封性と、薬液の投与時に密封していた滑栓を摺動させる摺動性の相反する特性が要求される。従来、前記注射器用滑栓としては、ゴム基材からなる栓本体に摺動性を付与する目的でシリコーンオイルを塗布したものが用いられていた。しかし、前記注射器用滑栓は、塗布したシリコーンオイルによる薬液有効成分の吸着や、シリコーンオイル自体の人体への悪影響の懸念から、注射器用滑栓にはシリコーンオイルの使用が控えられるようになり、シリコーンオイルを用いていない注射器用滑栓が検討されている。
【０００３】
シリコーンオイルを用いていない注射器用滑栓としては、例えば、実公平５−３４６６９号公報に記載されているような、ゴム基材にフッ素樹脂フィルムを積層して被覆したものが提案されている。かかる注射器用滑栓は、フッ素樹脂フィルムにより、ゴム基材成分の溶出による薬液の汚染を防止でき、また外筒内での滑栓の摺動を円滑にできる。
【０００４】
前記注射器用滑栓の製造法としては、一般的に、未加硫ゴムをフッ素樹脂フィルム上に配置し、所定の金型内に挟んで加熱、加圧して成形と加硫を同時または遂次に行い、両者を積層一体化する方法が採用されている。またこの注射器用滑栓の製造時には、ゴム栓の型に沿って、フッ素樹脂フィルムが伸張してゴム栓全体を被覆することが必要とされる。そこで、本発明者らは、先に、縦方向および横方向における伸びがいずれも７３０％以上と良好な伸長性を有する滑栓用フッ素樹脂フィルムを提案した（特開平９−５９３９６号公報）。かかる滑栓用フッ素樹脂フィルムは、フィルムの伸張性がよく、製造時にフィルムに裂けが生じ難く、製造歩留まりが良好である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らの最近の研究により、前記滑栓用フッ素樹脂フィルムには伸張性の他に、微細な欠陥のないものが好ましいことが分かった。フッ素樹脂フィルムに微細な欠陥があると、フッ素樹脂フィルムが伸張されるときにピンホールが発生しまたは拡大して、ゴム栓の外表面を被覆する場合にフッ素樹脂フィルムの欠落を生じることとなる。このような欠落部分が発生すると、例えば、薬液の密封性が不完全となったり、滑栓の摺動抵抗が大きくなり滑栓が滑らないなどの不具合が発生する。このような問題に鑑み、注射器滑栓用フィルムには、ある程度の伸張性（伸び）とともに、ピンホールなどを生じる微細な欠陥の無いことが要求される。
【０００６】
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を主成分とするフッ素樹脂フィルムからなる注射器滑栓用フィルムであって、これを用いて注射器滑栓を製造する際に、ピンホールなどを生じる微細な欠陥が少ないものを提供することを目的とする。また、本発明は、当該注射器滑栓用フィルムの製造法を提供すること、さらには当該注射器滑栓用フィルムを、ゴム基材詮本体の表面に積層してなる注射器滑栓を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す注射器滑栓用フィルムにより、前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００９】
また、本発明は、基材上に、数平均分子量が５００万以上であるポリテトラフルオロエチレン樹脂を主成分として含有する水性分散物を塗布、乾燥、焼結させる操作を少なくとも二回行い、塗膜を少なくとも二層積層し、１８０℃における引張り弾性率が８×１０ ^７Ｐａ以上である注射器滑栓用フィルムを得ることを特徴とする注射器滑栓用フィルムの製造法、に関する。
【００１１】
注射器滑栓用フィルムは、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を主成分として含有する水性分散物を塗布、乾燥、焼結させることにより塗膜化されるが、水性分散物の塗布時または水を乾燥させるための加熱乾燥時に、塗膜の欠陥を生じやすい。そこで、本発明では塗膜化を少なくとも２回行い、少なくとも二層の塗膜を形成することにより、第一塗膜で欠陥が発生しても、第二塗膜または第三塗膜以上の塗膜によりその欠陥を覆い、ピンホールなどを生じる微細な欠陥を少なくしている。
【００１２】
また、本発明の注射器滑栓用フィルムは、引張り弾性率が１８０℃で８×１０⁷ Ｐａ以上である。前記引張り弾性率が８×１０⁷ Ｐａ未満では、塗膜を二層以上形成しても、ピンホールなどを生じる微細な欠陥を低減できない。前記引張り弾性率は、８×１０⁷ Ｐａ以上、さらには８．５×１０⁷ 以上であるのが好ましい。一方、前記引張り弾性率は、ゴム栓の賦型加工の容易性の点から、２×１０⁸ Ｐａ以下とするのが好ましい。なお、引張り弾性率が８×１０⁷ Ｐａ以上であっても、注射器滑栓用フィルムが１層の塗膜ににより形成されているものは、ピンホールなどを生じる微細な欠陥を低減できない。
【００１３】
【発明の実施の形態】
本発明の注射器滑栓用フィルムはポリテトラフルオロエチレン樹脂を主成分とするフッ素樹脂フィルムからなる。フッ素樹脂フィルムを形成するための原料となるポリテトラフルオロエチレン樹脂は、一般的には、常法による乳化重合により得られる水性分散物が用いられる。
【００１４】
また、ポリテトラフルオロエチレン樹脂は、塗膜化における加熱焼結時に、分子量の低下が起こる。このような分子量低下に抗するためには、原料となるポリテトラフルオロエチレン樹脂として予め分子量が大きいものを用いるのが望ましい。ポリテトラフルオロエチレン樹脂としては、数平均分子量が５００万以上の重合体が好ましい。
【００１５】
また、フッ素樹脂フィルムの原料となる前記水性分散物中には、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂の他に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等の他のフッ素樹脂を含有させることができる。他のフッ素樹脂の含有量は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂に対して、水性分散物中の固形分として１０重量％以下とするのが好ましい。
【００１６】
また、前記水性分散物は、通常、基材上へ塗布することにより形成されるため、塗膜が均一なるように塗布することが好ましい。そのため、前記水性分散物は表面張力が低いことが好ましい。特に、水性分散物の塗布、乾燥、焼結させる操作を二回以上繰り返すためには、前記水性分散物の表面張力は、２５℃において、３５×１０^-3Ｎ／ｍ以下であることがが望まれる。表面張力が前記値より大きな水性分散物では、基材上に生成した第一塗膜上への均一な塗布が困難であり、第一塗膜において発生した塗膜の欠陥を、第二塗膜以上の塗膜により覆うことが難しくなる。
【００１７】
前記水性分散物の表面張力を、３５×１０^-3Ｎ／ｍ以下にするためには一般的には界面活性剤を添加する。界面活性剤としては、特に制限されないが、フッ素系ノニオン性界面活性、シリコーン系ノニオン性界面活性剤などが適宜用いられる。なお、界面活性剤の使用量は特に制限されず、添加後の上記水分散物の表面張力が３５×１０^-3Ｎ／ｍ以下となる範囲であればよい。
【００１８】
本発明の注射器滑栓用フィルムの製造は、たとえば、基材上に、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂を主成分として含有する水性分散物を塗布、乾燥、焼結させる操作を少なくとも二回行い、少なくとも二層の塗膜を積層形成することにより行う。
【００１９】
前記水性分散物を塗布する基材としては、耐熱性基材が用いられる。たとえば耐熱性のプラスチック基材、金属の基材などが適宜用いられる。耐熱性基材の材質は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の加熱焼結の温度において変形せず、また伸ばされたりしない材質であれば特に制限はない。このような耐熱性のプラスチック基材としては、たとえば、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミドなどが用いられる。また金属基材については、ステンレス製、アルミ製などが好適である。また、基材の表面の中心線平均粗さ（Ｒａ）は、１．０μｍ以下が好ましい。基材の表面が前記以上に粗さが大きいと、剥がし時に剥がれ難い不具合が発生して問題となる。中心線平均粗さ（Ｒａ）の測定は、ＪＩＳＢ０６０１−１９８２に準じて行われる。
【００２０】
前記水性分散物の基材上への塗布方法は特に制限されないが、たとえば、前記水性分散物をダイスから流し出して基材上に流延する方法、前記水性分散物中に基材を浸漬して引き上げて塗布する方法などが採用できる。
【００２１】
水性分散物を基材上へ塗布した後には、水を乾燥させる。水の乾燥温度は通常１００℃程度ある。水の乾燥後には、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を加熱焼結させる。加熱焼結温度は、焼結が可能な範囲においてできるだけ低温で行うことが好ましい。高温で焼結すると加熱焼結時に、熱劣化が生じて、薄層塗布されたポリテトラフルオロエチレン樹脂の分子量の大きな低下を招くこととなる。その結果、得られるフッ素樹脂フィルム（注射器滑栓用フィルム）の高温時（例えば１８０℃）におけるフィルム引張強度が低下したり、引張弾性率の低下が起こり、フィルムが伸長される時に裂けが発生して好ましくない。加熱焼結温度は３３０℃以上、４００℃以下とするのが好ましい。
【００２２】
前記水性分散物は塗布、乾燥、加熱焼結の一連の操作を、２回以上繰り返して行い、基材上に、少なくとも二層の塗膜を有するフッ素樹脂フィルム（注射器滑栓用フィルム）を形成する。所望の最終塗料膜を焼結後には、フッ素樹脂フィルムは基材から剥がして最終製品とする。前記一連の操作を繰り返すことにより所望の厚いフィルム形成が可能である。
【００２３】
こうして得られる少なくとも二層の塗膜を有するフッ素樹脂フィルムに、ピンホール等を発生させうる欠陥を発生させないようにするには、１回の操作で生成する塗膜の厚さを、加熱焼結後の厚さが１０μｍ以下、好ましくは５μｍ以下となるように調整するのが好ましい。塗膜の厚さが厚すぎると、水の乾燥のための加熱乾燥時に、塗膜に微細な欠陥が発生し易い。塗膜層数は二層以上であれば特に制限されないが、通常、２〜５層程度が好ましい。またフッ素樹脂フィルム（注射器滑栓用フィルム）としての厚さ（全膜厚）は、１０〜６０μｍ、２０〜５０μｍであるのが好ましい。
【００２４】
本発明のフッ素樹脂フィルム（注射器滑栓用フィルム）は、前記の通り、１８０℃における引張り弾性率が８×１０⁷ Ｐａ以上、好ましくは２×１０⁸ Ｐａ以下である。また、ある程度の伸長性を確保するため、１８０℃における引張伸度は、５５０％以上、好ましくは、６００〜８００％である。また、１８０℃における引張強度は、２０ＭＰａ以上、好ましくは、２０〜２５ＭＰａである。
【００２５】
本発明のフッ素樹脂フィルム（注射器滑栓用フィルム）は、ゴム基材を被覆して積層して注射器滑栓を形成する。フッ素樹脂フィルムとゴム基材との接着強度を向上させるために、フッ素樹脂フィルムのゴム基材との接触面を接着処理しておくことができる。この接着処理法は格別である必要がなく、例えば金属ナトリウムのようなアルカリ金属をナフタレンとテトラヒドロフランの混合液に溶解した液、またはアルカリ金属を液体アンモニアに溶解した液を、フッ素樹脂フィルムの表面に塗布して処理する方法を採用できる。また接着処理法としては、プラズマ処理法や、特公昭５３−２２１０８号公報、特公昭５６−１３３７号公報、特公昭５６−１３３８号公報に記載されているスパッタエッチング処理法を採用することもできる。
【００２６】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。各測定法は以下の通りである。
【００２７】
（分子量の測定）
ＪＩＳＫ６９３５−２に従い、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）樹脂の水性分散物より得られた乾燥ＰＴＦＥ樹脂粉末を得る。この粉末を試料として、示差走査熱量計を用いて結晶化熱（△Ｈ_c ：ｃａｌ／ｇ）を求めて、下式：
Ｍｎ＝２．１×１０¹⁰△Ｈ_c ^-5.16
により数平均分子量（Ｍｎ）を求めた。
【００２８】
（フィルム試験方法）
・引張強度、引張伸度：ＪＩＳＫ６８８７に従い測定した。測定温度は１８０℃である。
・引張弾性率：粘弾性スペクトロメーターにより弾性率を測定した。ここで言う引張弾性率とは、動的引張弾性率（貯蔵弾性率）を表わす。試料寸法として１０ｍｍ幅×長さ２０ｍｍを準備し、この試料に１８０℃で、１Ｈｚの周波数で加重を加えて弾性率を測定した。
【００２９】
（ピンホール試験）
得られたＰＴＦＥ樹脂フィルムを４００×４００ｍｍ□の試料とし、この試料表面にエタノール溶液を塗布して、フィルム欠陥となる貫通孔の有無を確認した。
【００３０】
実施例１
市販の乳化重合のＰＴＦＥ樹脂（数平均分子量：１．７１×１０⁷ 、示差走査熱量計より求めた分子量）の水性分散物（固形分濃度６０重量％，比重：１．５２）を準備し、当該水性分散物に、ＰＴＦＥ樹脂の固形分に対してフッ素系界面活性剤（ＣＦ₃ （ＣＦ₂ ）₇ ＣＨ₂ ＣＨ₂ −（ＯＣＨ₂ ＣＨ₂ ）_m ＯＨ：ｍ＝３〜５）を０．３重量％添加して、添加後の水性分散物の表面張力を３２×１０^-3Ｎ／ｍに調整した。
【００３１】
被塗布基材としてのＳＵＳ製箔（厚さ：０．０６ｍｍ、中心線平均粗さ（Ｒａ）：０．７μｍ）の片面に、前記水性水性分散物を塗布した後、１００℃で２分間乾燥して、水を乾燥させた。次いで、３６０℃で２分間、加熱焼成することにより、ＳＵＳ製箔の上にＰＴＦＥ樹脂の第一塗膜を形成した。この第一塗膜の厚さは５μｍであった。第一塗膜の表面を観察した結果、良好な外観であった。
【００３２】
前記第一塗膜上に、前記同様の水性水性分散物を再度塗布し、第一塗膜の形成と同様の条件で乾燥、加熱焼結を行い第二塗膜を形成した。形成した全塗膜の厚さは１０μｍであった。得られた塗膜（ＰＴＦＥ樹脂フィルム）を基材から剥がし、本発明の注射器滑栓用フィルムを得た。得られた注射器滑栓用フィルムの物性評価（引張強度，引張弾性率，引張伸度）およびピンホール試験を行った。結果を表１に示す。
【００３３】
実施例２〜３
実施例１において、ＰＴＦＥ樹脂の数平均分子量、塗膜数（塗布回数）、焼結温度を表１に示すように変えた以外は実施例１と同様にして本発明の注射器滑栓用フィルムを得た。そのフィルムの物性評価（引張強度，引張弾性率，引張伸度）およびピンホール試験を行った。結果を表１に示す。
【００３４】
実施例４
市販の乳化重合のＰＴＦＥ樹脂（数平均分子量：１．２７×１０⁷ 、示差走査熱量計より求めた分子量）の水性分散物（固形分濃度６０重量％，比重：１．５２）に、別途用意した、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体（ＰＦＡ）の水性分散物（固形分濃度５０重量％，比重：１．４０）をその固形分を５重量％含有するように配合したものを準備した。これに実施例１と同様にフッ素系界面活性剤を加えて、水性分散物の表面張力を調整した。
【００３５】
以降は実施例１において、塗膜数（塗布回数）、焼結温度を表１に示すように変えた以外は実施例１と同様にして本発明の注射器滑栓用フィルムを得た。そのフィルムの物性評価（引張強度，引張弾性率，引張伸度）およびピンホール試験を行った。結果を表１に示す。
【００３６】
比較例１
実施例１において、塗膜の形成を第一塗膜のみ（厚さ１２μｍ）とした以外は実施例１と同様にして本発明の注射器滑栓用フィルムを得た。そのフィルムの物性評価（引張強度，引張弾性率，引張伸度）およびピンホール試験を行った。結果を表１に示す。
【００３７】
比較例２
実施例１において、焼結温度を表１に示すように変えた以外は実施例１と同様にして本発明の注射器滑栓用フィルムを得た。そのフィルムの物性評価（引張強度，引張弾性率，引張伸度）およびピンホール試験を行った。結果を表１に示す。
【００３８】
比較例３
実施例１において、ＰＴＦＥ樹脂の数平均分子量、塗膜数（塗布回数）、焼結温度を表１に示すように変えた以外は実施例１と同様にして本発明の注射器滑栓用フィルムを得た。そのフィルムの物性評価（引張強度，引張弾性率，引張伸度）およびピンホール試験を行った。結果を表１に示す。
【００３９】
実施例および比較例で得られた注射器滑栓用フィルムに接着処理を施したものを用いて注射器滑栓を製造し、その不具合を評価した。
【００４０】
（接着処理）
注射器滑栓用フィルム（ＰＴＦＥフィルム）の片面に１３．３Ｐａの雰囲気下においてスパッタエッチング処理を行った。なお、この処理は雰囲気ガスとしてアルゴンガスを用い放電電力を１０Ｗ・秒／ｃｍ² として処理した。
【００４１】
（注射器滑栓の製造）
ブチルゴム（ＩＩＲ）１００重量部、酸化亜鉛６重量部、炭酸カルシウム５０重量部、カーボンブラック１０重量部、ステアリン酸１．５重量部、フェニル−β−ナフチルアミン０．７重量部およびジフェニル−Ｐ−フェニレンジアミン０．７重量部を混練してゴムコンパウンドを得た。上記接着処理された注射器滑栓用フィルムのスパッタエッチング処理面上に前記ゴムコンパウンドを載せ、これを金型に充填して、１８０℃、圧力４．９×１０⁵ Ｐａの条件で１０分間加熱加圧することによりゴムコンパウンドの成形と加硫を行うとともに当該成形物と注射器滑栓用フィルムを接合した。冷却後、金型から成形物を取り出し注射器用滑栓を得た。注射器用滑栓１００個を成形した際に、注射器滑栓用フィルムに発生した欠落（不具合）目視で検査した。欠落の個数を表１に示す。なお、注射器滑栓に積層したフィルムに欠落部分のあるものを用いて、注射器の外筒内に差し込んで摺動させようとしたが、滑栓が滑らず動きが悪く実用に供しなものであった。
【００４２】
【表１】

表１に示すように、実施例の注射器滑栓用フィルムは、二層以上の塗膜により形成され、かつ所定の引張り弾性率を有しており、ピンホール数が少なく、注射器滑栓の不具合も少ない。比較例１の注射器滑栓用フィルムは、一層の塗膜で形成されているため、ピンホール数が多く、滑栓のフィルム欠落も多い。比較例２、３は、引張り弾性率が小さいため、ピンホール数が多く、注射器滑栓の不具合も多い。比較例２、３の滑栓のフィルム欠落の主な原因は、フィルムの裂けであった。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a syringe stopper film used for manufacturing a syringe stopper and a method for manufacturing the same. Furthermore, the present invention relates to a syringe stopper plug formed by laminating a syringe stopper film on the surface of a rubber base bag main body.
[0002]
[Prior art]
The syringe includes an outer cylinder and a sliding plug that slides inside the outer cylinder with a rod. The syringe stopper is required to have the contradictory properties of sealing performance against the drug solution filled in the outer cylinder and sliding property for sliding the stopper plug sealed at the time of administration of the drug solution. Conventionally, a syringe oil coated with silicone oil has been used as a syringe stopper for the purpose of imparting slidability to a stopper body made of a rubber base material. However, the syringe stopper is designed to refrain from the use of silicone oil in the syringe stopper because of the adsorbing of the active ingredient of the chemical solution by the applied silicone oil and the fear of adverse effects on the human body of the silicone oil itself. Syringes for syringes that do not use silicone oil are being investigated.
[0003]
As a syringe stopper that does not use silicone oil, for example, a rubber base material laminated with a fluororesin film as described in Japanese Utility Model Publication No. 5-34669 has been proposed. Such a syringe stopper can prevent the chemical solution from being contaminated by the elution of the rubber base material by the fluororesin film, and can smoothly slide the stopper in the outer cylinder.
[0004]
As a method for producing the syringe stopper, generally, unvulcanized rubber is placed on a fluororesin film, and sandwiched in a predetermined mold and heated and pressurized to form and vulcanize simultaneously or sequentially. And the method of laminating and integrating the two is adopted. Further, when manufacturing the syringe stopper, it is necessary to extend the fluororesin film along the rubber stopper mold to cover the entire rubber stopper. Therefore, the present inventors have previously proposed a fluororesin film for a stopper that has a good extensibility of 730% or more in both longitudinal and lateral directions (Japanese Patent Laid-Open No. 9-59396). Such a fluororesin film for sliding plugs has good film extensibility, is difficult to tear during production, and has a good production yield.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
According to recent studies by the present inventors, it has been found that it is preferable that the fluororesin film for sliding plugs has no fine defects in addition to stretchability. If there is a fine defect in the fluororesin film, pinholes are generated or expanded when the fluororesin film is stretched, and when the outer surface of the rubber plug is covered, the fluororesin film is lost. . When such a missing portion occurs, problems such as incomplete sealing of the chemical solution or an increase in sliding resistance of the sliding plug and the sliding of the sliding plug may occur. In view of such a problem, a film for a syringe stopper plug is required to have a certain degree of extensibility (elongation) and no fine defects that cause pinholes.
[0006]
The present invention is a film for a syringe stopper made of a fluororesin film mainly composed of polytetrafluoroethylene resin, and has a fine defect that causes a pinhole or the like when a syringe stopper is manufactured using the film. The purpose is to provide a few. In addition, the present invention provides a method for producing the syringe stopper film, and further provides a syringe stopper formed by laminating the syringe stopper film on the surface of the rubber base bag body. Objective.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have found that the object can be achieved by the following film for a syringe plug and have completed the present invention.
[0009]
In addition, the present invention includes applying an aqueous dispersion containing, as a main component, a polytetrafluoroethylene resin having a number average molecular weight of 5 million or more on a substrate, drying and sintering at least twice. the membrane was laminated at least two layers, the preparation of Note living slip stopper film you wherein Rukoto give syringe slip stopper film tensile modulus is 8 × 10 7 ^Pa or more at 180 ° C., about.
[0011]
For example, a film for a syringe plug is formed by applying, drying, and sintering an aqueous dispersion containing a polytetrafluoroethylene resin as a main component. Defects in the coating film are likely to occur during heating and drying. Therefore, in the present invention, coating is performed at least twice to form at least two layers of coating, so that even if a defect occurs in the first coating, the coating of the second coating or the third coating or more is applied. The defects are covered with a film to reduce fine defects that cause pinholes and the like.
[0012]
Further, the film for a syringe plug of the present invention has a tensile elastic modulus of 8 × 10 ⁷ Pa or more at 180 ° C. When the tensile elastic modulus is less than 8 × 10 ⁷ Pa, fine defects that cause pinholes cannot be reduced even if two or more coating films are formed. The tensile elastic modulus is preferably 8 × 10 ⁷ Pa or more, more preferably 8.5 × 10 ⁷ or more. On the other hand, the tensile elastic modulus is preferably 2 × 10 ⁸ Pa or less from the viewpoint of ease of forming the rubber plug. Even if the tensile elastic modulus is 8 × 10 ⁷ Pa or more, the fine defects that cause pinholes and the like cannot be reduced if the syringe stopper film is formed of a single layer.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The film for a syringe stopper of the present invention is made of a fluororesin film mainly composed of polytetrafluoroethylene resin. As the polytetrafluoroethylene resin which is a raw material for forming the fluororesin film, an aqueous dispersion obtained by emulsion polymerization by a conventional method is generally used.
[0014]
Moreover, the polytetrafluoroethylene resin undergoes a decrease in molecular weight during heating and sintering in forming a coating film. In order to resist such a decrease in molecular weight, it is desirable to use a polytetrafluoroethylene resin as a raw material having a large molecular weight in advance. The polytetrafluoroethylene resin is preferably a polymer having a number average molecular weight of 5 million or more.
[0015]
In addition to the polytetrafluoroethylene resin, a tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymer, a tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer, and the like are included in the aqueous dispersion as a raw material for the fluororesin film. Other fluororesins can be included. The content of the other fluororesin is preferably 10% by weight or less as a solid content in the aqueous dispersion with respect to the polytetrafluoroethylene resin.
[0016]
Moreover, since the said aqueous dispersion is normally formed by apply | coating on a base material, it is preferable to apply | coat so that a coating film may become uniform. Therefore, it is preferable that the aqueous dispersion has a low surface tension. In particular, in order to repeat the operation of applying, drying and sintering the aqueous dispersion twice or more, the surface tension of the aqueous dispersion may be 35 × 10 ⁻³ N / m or less at 25 ° C. desired. In the case of an aqueous dispersion having a surface tension larger than the above value, it is difficult to uniformly apply the first coating film formed on the base material, and defects in the coating film generated in the first coating film It becomes difficult to cover with the above coating film.
[0017]
In order to make the surface tension of the aqueous dispersion 35 × 10 ⁻³ N / m or less, a surfactant is generally added. The surfactant is not particularly limited, and a fluorine-based nonionic surfactant, a silicone-based nonionic surfactant, and the like are appropriately used. The amount of the surfactant used is not particularly limited as long as the surface tension of the aqueous dispersion after the addition is 35 × 10 ⁻³ N / m or less.
[0018]
Production of the film for a syringe plug of the present invention is carried out, for example, by applying an aqueous dispersion containing the polytetrafluoroethylene resin as a main component on a substrate, drying and sintering at least twice, This is done by laminating two layers of coating.
[0019]
As the substrate on which the aqueous dispersion is applied, a heat resistant substrate is used. For example, a heat-resistant plastic substrate, a metal substrate, or the like is appropriately used. The material of the heat-resistant substrate is not particularly limited as long as it is a material that does not deform and is not stretched at the temperature of heat-sintering of the polytetrafluoroethylene resin. As such a heat-resistant plastic substrate, for example, polyimide, polyphenylene sulfide, polyether imide, or the like is used. For the metal substrate, stainless steel, aluminum, etc. are suitable. Moreover, the center line average roughness (Ra) of the surface of the substrate is preferably 1.0 μm or less. If the surface of the base material has a larger roughness than the above, there is a problem in that it is difficult to peel off during peeling. Centerline average roughness (Ra) is measured according to JIS B0601-1982.
[0020]
The method of applying the aqueous dispersion onto the substrate is not particularly limited. For example, the aqueous dispersion is cast from a die and cast onto the substrate, and the substrate is immersed in the aqueous dispersion. For example, a method of lifting and applying can be employed.
[0021]
After applying the aqueous dispersion onto the substrate, the water is dried. The drying temperature of water is usually about 100 ° C. After the water is dried, the polytetrafluoroethylene resin is heated and sintered. The heating and sintering temperature is preferably as low as possible within the range where sintering is possible. If the sintering is performed at a high temperature, thermal deterioration occurs during the heating and sintering, and the molecular weight of the polytetrafluoroethylene resin coated in a thin layer is greatly reduced. As a result, film tensile strength at high temperatures (for example, 180 ° C) of the obtained fluororesin film (syringe stopper plug film) is reduced, or the tensile elastic modulus is reduced and tearing occurs when the film is stretched. It is not preferable. The heating and sintering temperature is preferably 330 ° C. or higher and 400 ° C. or lower.
[0022]
The aqueous dispersion is subjected to a series of operations of coating, drying and heat-sintering twice or more to form a fluororesin film (film for syringe plug) having at least two layers on the substrate. To do. After sintering the desired final coating film, the fluororesin film is peeled off from the substrate to obtain the final product. A desired thick film can be formed by repeating the series of operations.
[0023]
In order to prevent defects that may cause pinholes in the fluororesin film having at least two layers of the coating film thus obtained, the thickness of the coating film generated by one operation is heated and sintered. It is preferable to adjust so that the later thickness is 10 μm or less, preferably 5 μm or less. If the thickness of the coating film is too thick, fine defects are likely to occur in the coating film during drying by heating for drying water. The number of coating layers is not particularly limited as long as it is two or more, but usually about 2 to 5 layers are preferable. Moreover, it is preferable that the thickness (total film thickness) as a fluororesin film (film for syringe stopper plugs) is 10-60 micrometers, 20-50 micrometers.
[0024]
As described above, the fluororesin film (syringe stopper film) of the present invention has a tensile elastic modulus at 180 ° C. of 8 × 10 ⁷ Pa or more, preferably 2 × 10 ⁸ Pa or less. Further, in order to ensure a certain degree of extensibility, the tensile elongation at 180 ° C. is 550% or more, preferably 600 to 800%. Further, the tensile strength at 180 ° C. is 20 MPa or more, preferably 20 to 25 MPa.
[0025]
The fluororesin film (injector plug film) of the present invention is formed by coating a rubber substrate and laminating it to form a syringe plug. In order to improve the adhesive strength between the fluororesin film and the rubber base material, the contact surface of the fluororesin film with the rubber base material can be subjected to an adhesive treatment. This adhesion treatment method does not need to be special. For example, a solution obtained by dissolving an alkali metal such as sodium metal in a mixed solution of naphthalene and tetrahydrofuran, or a solution obtained by dissolving an alkali metal in liquid ammonia is applied to the surface of the fluororesin film. A method of applying and processing can be employed. Further, as an adhesion treatment method, a plasma treatment method or a sputter etching treatment method described in Japanese Patent Publication No. Sho 53-22108, Japanese Patent Publication No. 56-1337, Japanese Patent Publication No. 56-1338 can be adopted. .
[0026]
【Example】
Examples and the like specifically showing the configuration and effects of the present invention will be described below. Each measuring method is as follows.
[0027]
(Measurement of molecular weight)
According to JIS K6935-2, dry PTFE resin powder obtained from an aqueous dispersion of polytetrafluoroethylene (PTFE) resin is obtained. Using this powder as a sample, the heat of crystallization (ΔH _c : cal / g) was determined using a differential scanning calorimeter, and the following formula:
Mn = 2.1 × 10 ¹⁰ ^ΔH _c ^-5.16
Was used to determine the number average molecular weight (Mn).
[0028]
(Film test method)
-Tensile strength, tensile elongation: measured according to JIS K 6887. The measurement temperature is 180 ° C.
-Tensile elastic modulus: The elastic modulus was measured with a viscoelastic spectrometer. The term “tensile modulus” as used herein refers to a dynamic tensile modulus (storage modulus). A sample size of 10 mm width × length 20 mm was prepared, and the elastic modulus was measured by applying a weight to the sample at a frequency of 1 Hz at 180 ° C.
[0029]
(Pinhole test)
The obtained PTFE resin film was used as a 400 × 400 mm □ sample, and an ethanol solution was applied to the surface of the sample to confirm the presence or absence of through holes that would cause film defects.
[0030]
Example 1
An aqueous dispersion (solid content concentration 60 wt%, specific gravity: 1.52) of a commercially available emulsion polymerization PTFE resin (number average molecular weight: 1.71 × 10 ⁷ , molecular weight determined from a differential scanning calorimeter) was prepared, To the aqueous dispersion, a fluorosurfactant (CF ₃ (CF ₂ ) ₇ CH ₂ CH ₂ — (OCH ₂ CH ₂ ) _m OH: m = 3 to 5) was added to the solid content of the PTFE resin. 3% by weight was added to adjust the surface tension of the aqueous dispersion after the addition to 32 × 10 ⁻³ N / m.
[0031]
The aqueous aqueous dispersion was applied to one side of a SUS foil (thickness: 0.06 mm, centerline average roughness (Ra): 0.7 μm) as a substrate to be coated, and then dried at 100 ° C. for 2 minutes. The water was then dried. Next, a first coating film of PTFE resin was formed on the SUS foil by baking at 360 ° C. for 2 minutes. The thickness of this first coating film was 5 μm. As a result of observing the surface of the first coating film, the appearance was good.
[0032]
On the first coating film, the same aqueous aqueous dispersion as described above was applied again, followed by drying and heat-sintering under the same conditions as those for forming the first coating film to form a second coating film. The thickness of all formed coating films was 10 μm. The obtained coating film (PTFE resin film) was peeled off from the base material to obtain a film for a syringe stopper of the present invention. The physical properties of the resulting film for syringe stopper plugs (tensile strength, tensile elastic modulus, tensile elongation) and a pinhole test were performed. The results are shown in Table 1.
[0033]
Examples 2-3
In Example 1, except that the number average molecular weight of PTFE resin, the number of coating films (number of coatings), and the sintering temperature were changed as shown in Table 1, the syringe stopper film of the present invention was prepared in the same manner as in Example 1. Obtained. The film was evaluated for physical properties (tensile strength, tensile modulus, tensile elongation) and a pinhole test. The results are shown in Table 1.
[0034]
Example 4
Prepared separately in an aqueous dispersion (solid content concentration 60% by weight, specific gravity: 1.52) of commercially available emulsion-polymerized PTFE resin (number average molecular weight: 1.27 × 10 ⁷ , molecular weight determined by differential scanning calorimeter) An aqueous dispersion of tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA) (solid content concentration 50% by weight, specific gravity: 1.40) was formulated so as to contain 5% by weight of the solid content. Got ready. In the same manner as in Example 1, a fluorosurfactant was added to adjust the surface tension of the aqueous dispersion.
[0035]
Thereafter, the syringe stopper film of the present invention was obtained in the same manner as in Example 1 except that the number of coating films (number of coatings) and the sintering temperature were changed as shown in Table 1 in Example 1. The film was evaluated for physical properties (tensile strength, tensile modulus, tensile elongation) and a pinhole test. The results are shown in Table 1.
[0036]
Comparative Example 1
In Example 1, the film for syringe stoppers of the present invention was obtained in the same manner as in Example 1 except that only the first coating film was formed (thickness: 12 μm). The film was evaluated for physical properties (tensile strength, tensile modulus, tensile elongation) and a pinhole test. The results are shown in Table 1.
[0037]
Comparative Example 2
A syringe stopper plug film of the present invention was obtained in the same manner as in Example 1 except that the sintering temperature was changed as shown in Table 1 in Example 1. The film was evaluated for physical properties (tensile strength, tensile modulus, tensile elongation) and a pinhole test. The results are shown in Table 1.
[0038]
Comparative Example 3
In Example 1, except that the number average molecular weight of PTFE resin, the number of coating films (number of coatings), and the sintering temperature were changed as shown in Table 1, the syringe stopper film of the present invention was prepared in the same manner as in Example 1. Obtained. The film was evaluated for physical properties (tensile strength, tensile modulus, tensile elongation) and a pinhole test. The results are shown in Table 1.
[0039]
Syringe plugs were produced using the films obtained by applying the adhesive plugs to the syringe plug films obtained in Examples and Comparative Examples, and their defects were evaluated.
[0040]
(Adhesion treatment)
Sputter etching was performed on one side of a syringe stopper film (PTFE film) in an atmosphere of 13.3 Pa. In this treatment, argon gas was used as the atmospheric gas, and the discharge power was 10 W · sec / cm ² .
[0041]
(Manufacture of syringe plugs)
Butyl rubber (IIR) 100 parts by weight, zinc oxide 6 parts by weight, calcium carbonate 50 parts by weight, carbon black 10 parts by weight, stearic acid 1.5 parts by weight, phenyl-β-naphthylamine 0.7 parts by weight and diphenyl-P-phenylene A rubber compound was obtained by kneading 0.7 parts by weight of diamine. The rubber compound is placed on the sputter-etched surface of the syringe stopper plug film subjected to the above-mentioned adhesion treatment, filled in a mold, and heated for 10 minutes under the conditions of 180 ° C. and pressure 4.9 × 10 ⁵ Pa. The rubber compound was molded and vulcanized by pressing, and the molded product and a syringe stopper film were joined. After cooling, the molded product was taken out from the mold to obtain a syringe stopper. When 100 syringe stoppers were molded, the missing (defect) in the syringe stopper film was visually inspected. The number of missing pieces is shown in Table 1. Although the film laminated on the syringe stopper had a missing part, it was inserted into the outer cylinder of the syringe and slid, but the stopper did not slide and did not move and was not practical. It was.
[0042]
[Table 1]

As shown in Table 1, the syringe stopper film according to the example is formed of two or more coating films, has a predetermined tensile elastic modulus, has a small number of pinholes, and has a problem with the syringe stopper. There are few. Since the film for syringe plugs of Comparative Example 1 is formed of a single coating film, the number of pinholes is large and the film loss of the plugs is also large. Since Comparative Examples 2 and 3 have a small tensile elastic modulus, the number of pinholes is large, and there are many problems with the syringe plug. The main cause of the film loss of the sliding plugs of Comparative Examples 2 and 3 was film tearing.

Claims

On the base material, an aqueous dispersion containing a polytetrafluoroethylene resin having a number average molecular weight of 5 million or more as a main component is applied, dried and sintered at least twice, and at least two layers of the coating film are laminated. And
A method for producing a syringe plug film, comprising obtaining a film for syringe plug having a tensile elastic modulus at 180 ° C. of 8 × 10 ⁷ Pa or more .