JP4531119B2 - 帽子着用時の髪型保持具 - Google Patents
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Description
ところで、頭髪は、ケラチンという蛋白質により主に構成され、該蛋白質の水素結合等によって頭髪のくせや流れが維持される。例えば、洗髪等により頭髪を水に濡らすと、頭髪の蛋白質における水素結合等が切れ、頭髪のくせがなくなり易くなる。その後、ドライヤー等で乾燥させながら整髪すると、該乾燥により、所望の髪型が維持されるように再び頭髪の蛋白質が水素結合等により結合し、頭髪に所望のくせや流れを与え、それが維持される。
帽子を着用した際には、頭髪が帽子により押圧され、その状態で頭皮等に汗をかくと、該汗により、頭髪の根元における蛋白質の水素結合等が切れ、帽子着用前の髪型が維持できなくなる。そして、汗が乾くことによって、帽子により押圧された状態で、頭髪の根元における蛋白質が再び水素結合等により結合し、頭髪が圧し潰された状態で髪型が保持される。一般に、髪型は、頭髪の根元のスタイルにより大きく変化し、特に、前髪や頭頂部における頭髪の根元のスタイルの変化は、洗髪等をしないで容易に修正することができない。
そこで、帽子を着用した場合に、着用前の上記頭髪の根元におけるスタイルを容易に維持することができ、髪型の大きな乱れを抑制し、脱帽後に容易に髪型を整えることが可能な帽子着用時の髪型保持具の開発が望まれている。
また、特許文献4において、コイル状に形成したヘアバンドが提案されている。このヘアバンドは、装着時にコイルの輪間に頭髪を入れ込ませ、安定した状態で頭髪を保持できる。しかし、このヘアバンドは、帽子着用時における髪型の乱れの抑制については何等意図されていない。しかも、帽子着用時において、上記前髪や頭頂部における頭髪の根元のスタイルを有効に保持できる構成を備えていない。
本発明の別の課題は、帽子着用後における、前髪や頭頂部における頭髪等の圧し潰れを容易に抑制し、帽子着用後の髪型の乱れを容易に整えることが可能であり、かつ携帯性に優れた帽子着用時の髪型保持具を提供することにある。
本発明の他の課題は、帽子着用後における、前髪や頭頂部における頭髪等の圧し潰れを容易に抑制し、帽子着用後の髪型の乱れを容易に整えることが可能であり、かつ様々な髪型や頭の大きさに合わせて容易に装着位置の変更等が容易な帽子着用時の髪型保持具を提供することにある。
本体部における2つの頭部固定部は、両側頭部、通常は耳の上辺りに、開放部の弾性による内側への応力を利用して両側頭部を挟持し、本体部を頭部に密着固定する。該頭部固定部は、本体部を頭部に密着でき、側頭部を傷つけないような形態及び材質であれば特に限定されず、例えば、ピッチ間隔がないコイル状、円柱状、側頭部に接する部分が平面処理された形状であって、少なくとも表面が、樹脂、ゴム等の側頭部や頭髪を傷つけない材質により形成することができる。
前記コイルの形状は、通常、円状であるが、上記作用を維持しうるのであれば、楕円状、四角状、三角状等の様々な形状にすることもできる。
ピッチの間隔が5mm未満であると、頭髪がコイル内に容易に入り込まない恐れがあり、逆に入り込んだ場合、髪型保持具を頭部から外す際に、頭髪がコイルに絡まる恐れがある。一方、ピッチ間隔が30mmを超える場合には、コイル内に入り込んだ頭髪が固定されず、所望の効果が得られない恐れがある。
ピッチの高さが3mm未満の場合には、コイル内に保持される頭髪の根元部分の長さが短く、所望の効果が得られない恐れがある。一方、ピッチの高さが30mmを超える場合には、帽子を装着した際に帽子が浮きすぎて違和感を生じる恐れがある。
コイルのピッチ間隔やピッチ高さは、第1及び第2の頭髪保持部内で変更することができる。例えば、髪型保持具の装着を容易にするために、第1及び第2の頭髪保持部の中央部におけるピッチ間隔よりも両端部側のピッチ間隔を狭くしたり、該中央部におけるピッチ高さよりも両端部側のピッチ高さを低くすることができる。これらピッチ間隔及び高さの調整は、段階的に行うことも可能である。
後述するように、本発明の髪型保持具が、頭髪保持可動部を複数有する場合には、所望の頭髪の部分に他の頭髪保持可動部が枢動できるように本体接続部に複数の頭髪保持可動部を接続することができる。
ここで、必ずしも本体部の第1の頭髪保持部は、前髪付近に装着される必要はなく、頭髪保持可動部の数や髪型に応じて頭髪のどの箇所に装着するかを適宜決定することができる。また、第1及び第2の頭髪保持部における円弧の高さは、頭頂部付近に装着するものを低く、前髪付近に装着するものを高くして、本体部や頭髪保持可動部が頭部の所望箇所に密着して装着し得るように調整することも可能である。
頭髪保持可動部の数は、装着のし易さ、枢動範囲、携帯性等を考慮すると、通常1〜4、好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2である。
頭髪保持可動部は、本体接続部に着脱自在に接続することも可能である。この場合、着脱自在に接続するための機構、例えば、後述する実施例の例に示す機構を本体接続部及び頭髪保持可動部に設けることができる。このように頭髪保持可動部を着脱自在にすることにより、髪型に合わせて頭髪保持可動部の数を変更することができる。
従って、本発明の髪型保持具は、帽子着用後における、前髪や頭頂部における頭髪等の圧し潰れを容易に抑制し、帽子着用後の髪型の乱れを容易に整えることが可能である。更に本発明の髪型保持具は、携帯性に優れ、様々な髪型や頭の大きさに合わせて容易に装着位置の変更等を可能にすることもできる。
11:本体部
11a:第1の髪型保持部
11b:頭部固定部
12:頭髪保持可動部
12a、12b:第2の髪型保持部
13:本体接続部
14:開放部
図1において10は、帽子着用時の髪型の圧し潰れを抑制する髪型保持具であり、該髪型保持具10は、本体部11と、髪型保持可動部12と、該髪型保持可動部12を本体部10に枢動可能に接続する本体接続部から構成されている。
本体部10は、開放部14において開放された部分環状型の形態を有している。本体部10の円弧部分は、所定のピッチ及び高さを有するコイル状の第1の頭髪保持部11aを備える。該第1の頭髪保持部11aの一部を拡大した図を図2に示す。図2において、Xがコイルのピッチであり、Yがコイルの高さである。このコイルの形状は、図示するような円に限定されず、三角、四角等であっても良い。また、第1の頭髪保持部11aのコイルのピッチ間隔及び高さは、円弧中央部から両端側へ向かって徐々に若干狭く、また低く形成されている。
2つの頭部固定部11bの間には、開放部14があり、頭部固定部11bを矢印方向に広げることにより、開放部14の間隔を広げて、本体部11の頭部への装着を容易にすることができる。本体部11はこのような弾性を有するような金属等の材質で形成されているが、第1の頭髪保持部11aの表面は、樹脂又はゴムにより被覆されている。
頭髪保持可動部12は、所定のピッチ及び高さを有するコイル状の第2の頭髪保持部(12a、12b)を備える。該第2の頭髪保持部(12a、12b)は、上記第1の頭髪保持部11aと同様な構成を備えている。ここで、第1の頭髪保持部11aの円弧の高さhは、第2の頭髪保持部12aの円弧の高さよりも若干低くしている。後述するように、髪型保持具10を頭部に装着する際に、第1の頭髪保持部11aが、頭頂部に密着しうるようにするためである。
このような折り畳み機構15は、第1及び第2の頭髪保持部の所望箇所にそれぞれ1箇所以上設けることにより、不使用時の収容を更に容易にすることができる。
この実施形態においては、2つの頭髪保持可動部12を用いたが、これを1つに減ずることも、また3以上に増やすことも可能である。例えば、第2の頭髪保持部12aを有する頭髪保持可動部12を減じた場合には、本体部11の第1の頭髪保持部11aを前髪付近に設置し、第2の頭髪保持部12bを有する頭髪保持可動部12を枢動させ、頭頂部に設置することができる。
Claims (8)
- 開放した部分環状型の形態を有し、該開放部の間隔を変更しうる弾性を備える本体部であって、所定のピッチを有するコイル状の第1の頭髪保持部と、該第1の頭髪保持部の両端に設けた、前記開放部を形成する2つの頭部固定部とを供える本体部、
所定のピッチを有するコイル状の第2の頭髪保持部を有する円弧状の頭髪保持可動部、及び
頭髪保持可動部を、本体部の各頭部固定部の上方に枢動可能に取り付ける本体接続部、を備え、
本体部の頭部固定部を両側頭部に固定し、頭髪保持可動部を所望範囲で枢動させ、第1の頭髪保持部のコイル内に頭頂部付近の頭髪を入れ込んでコイルの一部を頭皮に密着固定するように、及び第2の頭髪保持部のコイル内に前髪周辺の頭髪を入れ込んでコイルの一部を頭皮に密着固定するように、第1の頭髪保持部及び第2の頭髪保持部を装着し、少なくとも前髪及び頭頂部付近における頭髪の帽子による圧し潰れを抑制する、帽子着用前に装着して使用する帽子着用時の髪型保持具。 - 頭髪保持可動部を複数備える請求項1記載の髪型保持具。
- 本体接続部に着脱自在に頭髪保持可動部を接続するための機構を本体接続部及び頭髪保持可動部に備える請求項1又は2記載の髪型保持具。
- 本体部及び頭髪保持可動部の所定箇所に、不使用時に折り畳むことを可能にする、折り畳み部を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の髪型保持具。
- 第1の頭髪保持部及び第2の頭髪保持部の長さ調整をするための延長頭髪保持部材を備え、第1の頭髪保持部及び第2の頭髪保持部に、前記延長頭髪保持部材を着脱自在に接続しうる接続機構を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の髪型保持部。
- 第1の頭髪保持部及び第2の頭髪保持部におけるピッチ間隔が、5〜30mmであり、且つコイルの高さが3〜30mmである請求項1〜5のいずれかに記載の髪型保持部。
- 第1の頭髪保持部及び第2の頭髪保持部において、中央部におけるピッチ間隔よりも両端部側のピッチ間隔を狭くした請求項1〜6のいずれかに記載の髪型保持具。
- 第1の頭髪保持部及び第2の頭髪保持部において、中央部におけるピッチ高さよりも両端部側のピッチ高さを低くした請求項1〜7のいずれかに記載の髪型保持具。
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