JP4530015B2 - エンジン制御装置 - Google Patents
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Description
また、実行要求を受け付けたすべてのエンジン制御を実行する実行期間が一定の基準期間内で割り当てられるので、エンジン制御のスケジュールを基準期間単位で容易に管理できる。
これにより、実行要求頻度の高いエンジン制御の実行要求と実行要求頻度の低いエンジン制御の実行要求とが競合しても、実行要求頻度の低いエンジン制御を確実に実行できる。
走行距離に応じてエンジンの各作動箇所には経時変化が生じる。そこで、車両の走行距離を実行期間の単位とすることにより、エンジンの各作動箇所の経時変化に応じてエンジン制御毎に適切な実行期間を割り当てることができる。
これにより、同じ実行期間において極力多くのエンジン制御を並列に実行できるので、エンジン制御を逐次実行する場合に比べ、エンジン制御を早く終了させることができる。
これにより、アクチュエータの作動を途中で中断することなく、アクチュエータを正常に終了させてから、次のエンジン制御を実行できる。その結果、アクチュエータの無駄な作動を排除し、エンジン制御を効率良く実行できる。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
本発明の一実施形態による燃料噴射システムを図1に示す。
(燃料噴射システム10)
本実施形態の蓄圧式の燃料噴射システム10は、フィードポンプ14、高圧ポンプ16、コモンレール20、圧力センサ22、減圧弁24、燃料噴射弁30、電子制御装置(Electronic Control Unit;ECU)40、電子駆動装置(Electronic Driving Unit;EDU)42等から構成されており、4気筒のディーゼルエンジン50の各気筒に燃料を噴射する。図の煩雑さを避けるため、図1においてはEDU42から1個の燃料噴射弁30への制御信号線だけを示している。
(ECU40の各手段)
ECU40は、ROMまたはEEPROM等の記憶装置に記憶されている制御プログラムにより以下の各手段として機能する。
ECU40は、ディーゼルエンジン50およびディーゼルエンジン50を運転するための周辺部品を制御するエンジン制御の実行要求を受け付ける。
ECU40は、実行要求を受け付けたエンジン制御に対し、実行順序を設定するとともに、エンジン制御毎に実行期間を割り当てる。
(a)図2に示すスケジュール管理では、一定の基準期間において、実行要求を受け付けたエンジン制御数に応じてエンジン制御毎に均等に実行期間が割り当てられる。したがって、実行要求を受け付けたエンジン制御数に応じて、エンジン制御毎に割り当てられる実行期間の長さが変化している。
(c)図4に示すスケジュール管理では、図3のスケジュール管理と同様に、一定の基準期間において、実行要求を受け付けたエンジン制御に対し、実行要求頻度が高いほど割り当てられる実行期間が長くなっている。
また、図4に示すスケジュール管理では、基準期間内において、実行要求頻度の低いエンジン制御の実行順序を実行要求頻度の高いエンジン制御の実行順序よりも先に設定している。これにより、ディーゼルエンジン50を搭載した車両の1回の走行距離が基準期間よりも短く、基準期間のすべてのエンジン制御を実行できない場合にも、実行要求頻度の低いエンジン制御を確実に実行できる。実行要求頻度の低いエンジン制御が終了すれば、実行要求頻度の高いエンジン制御を実行できる。
(a)図5に示すスケジュール管理では、エンジン制御毎に、同じ長さの固定の実行期間を割り当てている。このように、実行要求頻度に関わりなく固定の実行期間を各エンジン制御に割り当てるので、実行期間を容易に割り当てることができる。
図8に示すように、制御Bの実行中に制御Cから実行要求がある場合、ECU40は、今回の基準期間においては制御Cの実行順序を設定せず、次回の基準期間から制御Cの実行順序を設定する。つまり、今回の基準期間においてスケジュール管理されたエンジン制御が実行中の場合、ECU40は他のエンジン制御の実行要求を受け付けるが、今回の基準期間では実行許可を与えず、次回の基準期間から実行許可を与える。
図9に示すように、割り当てられた実行期間中に制御Bが制御を終了する場合、ECU40は、制御Bに割り当てた実行期間が終了する前に、次の制御Cに前倒しで実行許可を与える。これにより、無駄な待機期間を排除し、エンジン制御のスケジュール管理を効率的に実施できる。
ここで、上記基準期間内式および固定期間式の説明では、エンジン制御を逐次実行する例について説明した。これに対し、エンジン制御の中には、他のエンジン制御と並列に実行できない排他的なものと、他のエンジン制御と並列実行できるものとがある。
図10に示すように、微少量噴射学習(制御A)、酸素センサの誤差学習(制御B)、NEセンサが検出するパルサの誤差学習(制御C)の実行要求を受け付けた場合、ECU40は、並列実行可能な制御Bと制御Cとを同じ実行順序に設定する。
図11に示すように、並列実行している制御Bおよび制御Cのうち一方の制御Cが終了した場合には、制御Cのスケジュール登録が削除されるだけであり、制御Aおよび制御Bのスケジュールは変化しない。
エンジン制御の中には、エンジン制御用の専用モードに切り替えてEGR弁、高圧ポンプ16、燃料噴射弁30等のアクチュエータを作動させるものがある。このように専用モードで作動中のアクチュエータを、割り当てられた実行期間が終了したので停止させ、エンジン制御を中断して他のエンジン制御を実行すると、アクチュエータを再び専用モードに切り替えてエンジン制御を再開する場合、アクチュエータを専用モードに設定するために要する時間が無駄になる。また、アクチュエータの作動を途中で中断して生じた実行条件がアクチュエータの作動停止後に実行する他のエンジン制御の実行条件に適していないこともある。
(スケジュール管理)
次に、エンジン制御のスケジュール管理について、図13に基づいて説明する。図13において「S」はステップを表している。図13に示すスケジュール管理ルーチンは常時実行される。
S302においてECU40は、受け付けたエンジン制御が他のエンジン制御と並列実行可能か、他のエンジン制御に対して排他的かを考慮し、エンジン制御に実行順序を設定する。実行順序の詳細については、上記の(2)スケジュール手段に記載されている。
S306においてECU40は、現在実行中のエンジン制御に最初に割り当てた実行期間が終了するかを判定する。実行期間が終了しない場合、ECU40はS314に処理を移行する。
エンジン制御から終了要求がある場合、S316においてECU40は、次に待機しているエンジン制御に前倒しで実行許可を与え、以降のスケジュールを組み直す。そして、ECU40は本ルーチンを終了する。
上記実施形態では、実行要求を受け付けたすべてのエンジン制御に対し、実行期間を区切って割り当てている。これに対し、1回の実行期間で制御を終了することが望ましいエンジン制御に対しては、実行期間を区切らず、終了に必要な実行期間を一度に割り当ててもよい。
Claims (6)
- エンジンを制御する実行スケジュールを管理するエンジン制御装置において、
エンジン制御の実行要求を受け付ける要求受付手段と、
複数の前記エンジン制御の実行要求を受け付けると、前記実行要求を受け付けたすべての前記エンジン制御に対し、実行順序を設定し、一定の基準期間内で前記エンジン制御毎に実行期間を区切って割り当て、前記基準期間単位の実行を繰り返させ、前記基準期間毎に、前記実行要求を受け付けたすべての前記エンジン制御の数に応じて、前記エンジン制御に割り当てる前記実行期間の長さを変化させるスケジュール手段と、
を備えることを特徴とするエンジン制御装置。 - 前記スケジュール手段は、実行要求頻度の高い前記エンジン制御よりも前記実行要求頻度の低い前記エンジン制御の前記実行順序を先に設定することを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
- 前記スケジュール手段は、前記実行要求頻度の高さに応じて前記基準期間内で前記エンジン制御毎に割り当てる前記実行期間を設定することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン制御装置。
- 前記実行期間の単位は前記エンジンを搭載する車両の走行距離であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエンジン制御装置。
- 前記スケジュール手段は、並列実行可能な複数の前記エンジン制御を同じ前記実行順序に設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジン制御装置。
- 前記スケジュール手段は、アクチュエータを作動させる前記エンジン制御が前記アクチュエータを作動させている間、他の前記エンジン制御の実行を待機させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のエンジン制御装置。
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