JP4527411B2 - 光学的情報読取装置 - Google Patents
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このようなバーコード記号や二次元コード記号等を読取対象とするバーコードスキャナや二次元コードスキャナ等の光学的情報読取装置には、レーザ方式が用いられることが多い。その場合、読取対象にレーザ光による光ビームを照射して走査し、その反射光による光信号を受光して電気信号に変換し、それをさらにデジタル信号に変換して解析処理することによって、読取対象に書き込まれている情報を読み取る。
この回路によれば、読取対象からの反射光による光信号をフォトダイオードPDに入力させ、電流信号iに変換する。その電流信号iは帰還抵抗Rfを介してオペアンプOPの出力信号電圧として出力される。電圧信号に変換されて増幅されて出力端子OUTに出力される。E1はオペアンプOPの電源、E2は基準電源である。この出力端子OUTに出力される電圧信号を、図示していない後段の処理回路によってデジタル信号に変換して解析処理することによって、読取対象に書き込まれている情報を読み取る。
ここで、図9に示した出力端子OUTに出力される電圧信号の信号品質を高めることが、前述した読み取り可能距離を増大させることに繋がる。その信号品質は信号対雑音比であるS/Nで表現される。
ここで、フォトダイオードPDで得られる電流信号をiとすると、その電流信号iと帰還抵抗Rfの抵抗値Rとの積(i×R)による電圧信号がオペアンプOPに入力される。一方、帰還抵抗Rfの雑音は1Hzあたり√(4・k・T・R)の雑音となる。ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Rは帰還抵抗の値である。従って、上記電圧信号の信号S/Nは数1で与えられる。
くするには帰還抵抗Rfの抵抗値Rを大きくすることが要求される。しかし、以下に述べるようにこの抵抗値を大きく設定できない問題がある。
また、特許文献2に記載のものは、波形処理手段内のコンパレータとオペアンプの上限と下限の許容入力範囲の電圧をクランプ電圧とし、そのクランプ電圧を一定値にして外乱光の影響を抑えるようにしている。
この発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、光学的情報読取装置において、読取対象からの光信号を電気信号に変換し、それを増幅して電圧信号として出力する回路における信号S/Nを大幅に改善し、読み取り可能距離を延ばすことを目的とする。
これらの光学的情報読取装置において、上記増幅部に備える帰還抵抗の抵抗値を100kΩから2MΩに設定するのが望ましい。
この光学的情報読取装置において、上記変換抵抗の抵抗値を100kΩから2MΩに設定するのが望ましい。
また、この発明を構成する各部は集積回路化が容易なため、装置の小型化や低廉化も実現できる。
[第1実施例]
先ず、この発明による光学的情報読取装置における電気信号検出部の第1実施例について説明する。図1はその第1実施例の構成を示すブロック図である。
この図1は、光反射率の異なる部分で情報を表記した読取対象を光ビームで走査し、その反射光による光信号を電気信号に変換して読取対象の情報を読み取る光学的情報読取装置の電気信号検出部である。
光電変換部1はフォトダイオードPDからなり、バーコード記号等の読取対象からの反射光による光信号を電流に変換する機能を有する。増幅部3は、演算増幅器(以後オペアンプと称する)OPと、その反転入力端子(−)と出力端子との間に接続された帰還抵抗2とによって構成されている。そのオペアンプOPの反転入力端子(−)と帰還抵抗2の一端とは、フォトダイオードPDのカソードに接続されている。そのオペアンプOPの非反転入力端子(+)には基準電源E2によって正の基準電圧が印加されている。この増幅部3によって増幅された電圧信号が出力端子8に出力される。
レベル設定部5のトランジスタTRのコレクタには、電源E1によって正電圧が印加され、エミッタは電流発生部6を構成する抵抗R2を介して光電変換部1のフォトダイオードPDのカソードに接続されている。そのフォトダイオードPDのアノードは接地(GND)に接続されている。
その作用を図3に示す信号波形と対比させながら説明する。
図1におけるフォトダイオードPDによって光電変換されて発生する電流iには読取対象(ここではバーコード記号とする)からの光信号(バーコード信号という)による電流波形と外乱光による電流波形の双方が含まれている。前者の電流波形は図3の(A)に示すような波形であり、ここでは、その電流波形の最大値は1μAである。後者の電流波形は図3の(B)に示すような波形になり、ここではその電流波形の最大値は10μAである。
そこで、この実施例においては、図1および図2に示した電流発生部6によって外乱光電流に相当する電流を増幅部3に負帰還して供給することによって、帰還抵抗2の抵抗値を大きく設定できるようにする。
この出力端子8に出力される電圧信号を処理してバーコード記号等の読取対象に書き込まれた情報を解析するようにすれば、その読取対象の読み取り可能距離を飛躍的に拡大することができる。
この場合、増幅部3に備える帰還抵抗2の抵抗値は100kΩ程度以上2MΩ程度までで、大きい方が望ましい。
図1および図2に示したレベル設定部5が作動すると、ノイズを増加させる傾向にあることは前述した。その原因は、レベル設定部5で発生する回路ノイズがレベル設定部5で発生する電流の大きさに比例するためである。そのため、レベル設定部5が作動するのは大きな外乱光がフォトダイオードPDに入力された場合に限る方が好ましい。
その理由は、大きな外乱光は稀にある現象であり、通常はレベル設定部5の作動を必要としないためである。なお、図5に示す変移点P付近では曲線となる特性であってもかまわない。この例ではレベル設定部5にNPNトランジスタを使用しているが、上記のような設定ができればどのような素子を使用してもよい。例えば、ダイオード等の特性を用いて非線形に増加させるようにしてもよい。
次に、この発明の第2実施例を図6によって説明する。この第2実施例もその基本的な構成は第1実施例と同様であり、その構成をブロック図で示すと図1と同じになる。図6はその具体的な回路例を示す図であり、第1実施例の図2と対応する部分には同じ符号を付してあり、その詳細な説明は省略する。
この第2実施例において、第1実施例の図2に示した回路と相違する点は、電源E1とアースとの間に接続された光電変換部1のフォトダイオードPDとレベル設定部5のトランジスタTRとが、電流発生部6の抵抗R2に対して入れ替わって直列に接続されているだけである。
この例ではレベル設定部5にPNPトランジスタを使用しているが、図5に示したような特性の設定ができればどのような素子を使用してもよい。
次に、この発明の第3実施例について説明する。図7はその電気信号検出部の基本構成を示すブロック図であり、図8はその具体的な回路構成を示す回路図である。これらの図において、図1,図2、および図6と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの詳細な説明は省略する。
この光学的情報読取装置は、読取対象からの反射光による光信号を入力して電気信号に変換する光電変換部1と、その電気信号を電圧信号に変換する変換抵抗10と、その電圧信号の低周波成分を通過させるローパスフィルタ4と、そのローパスフィルタ4の出力信号を入力し、その入力信号が所定レベル未満であると出力をゼロにし、該所定レベル以上であるとその入力信号のレベルに応じて出力を線形に増加させるレベル設定部5と、そのレベル設定部5の出力信号を電流に変換する電流発生部6と、変換抵抗10によって変換された電圧信号の高周波成分を通過させるハイパスフィルタ11と、そのハイパスフィルタを通過した信号を増幅する帰還抵抗2と抵抗R4とを備えた増幅部3とを具備している。
なお、変換抵抗10の抵抗値は100kΩから2MΩで、大きい方が望ましい。
図8はその具体的な回路構成を示す回路図であり、光電変換部1のフォトダイオードPDは、カソード側を電源E1の陽極に接続している。変換抵抗10は、一端をフォトダイオードPDのアノードに接続し、他端を接地している。そして、フォトダイオードPDで発生した電流信号iをこの変換抵抗10で電圧信号に変換する。
変換抵抗10、抵抗R1とコンデンサC1からなるローパスフィルタ4、トランジスタTRからなるレベル設定部5、および抵抗6で構成される電流発生部6は、光電変換部1のフォトダイオードPDで発生する外乱光による低周波成分の電流をトランジスタTRのコレクタ電流として除去し、変換抵抗10によって変換される電圧信号から外乱光成分の電圧が低減されるように働く。その結果、変換抵抗10の抵抗値を高く設定できるようになり、信号S/Nを改善することが可能になった。
この実施例によっても、出力端子8に出力される電圧信号の信号S/Nを従来と比べて大幅に改善することが可能になり、この出力端子8に出力される電圧信号を処理してバーコード記号等の読取対象に書き込まれた情報を解析するようにすれば、その読取対象の読み取り可能距離を飛躍的に拡大することができる。
そして、出力電圧信号のS/Nを大幅に改善し、読み取り可能距離を飛躍的に延ばすことができ、装置性能を著しく向上させることができる。また、光源のパワーを削減しても従来の信号S/Nとを確保することができ、消費電力の削減も可能になる。
また、この発明を構成する各部は集積回路化が容易なため、装置の小型化や低廉化も実現できる。
5:レベル設定部 6:電流発生部 7:負帰還ループ7 8:出力端子 10:変換抵抗 11:ハイパスフィルタ(HPF) PD:フォトダイオード OP:演算増幅器(オペアンプ) TR:トランジスタ R1〜R4:抵抗 C1,C2:コンデンサ E1:電源 E2:基準電源
Claims (5)
- 光反射率の異なる部分で情報を表記した読取対象を光ビームで走査し、その反射光による光信号を電気信号に変換して前記読取対象の情報を読み取る光学的情報読取装置であって、
前記光信号を入力して電気信号に変換する光電変換部と、
前記電気信号を電圧信号に変換して増幅する帰還抵抗を備えた増幅部と、
該増幅部によって増幅された電圧信号の低周波成分を通過させるローパスフィルタと、
該ローパスフィルタの出力信号を入力し、その入力信号が所定レベル未満であると出力をゼロにし、該所定レベル以上であるとその入力信号のレベルに応じて出力を増加させるレベル設定部と、
該レベル設定部の出力信号を電流に変換する電流発生部と
を具備し、
該電流発生部の出力を前記増幅部に入力させる負帰還ループを形成し、前記増幅部から出力される電圧信号に基づいて前記読取対象の情報を解析するようにしたことを特徴とする光学的情報読取装置。 - 請求項1記載の光学的情報読取装置において、それぞれ前記光電変換部がフォトダイオード、前記レベル設定部がトランジスタ、前記電流発生部が抵抗であり、前記増幅部が前記帰還抵抗と演算増幅器とからなり、前記トランジスタと抵抗とフォトダイオードが電源と接地間に直列に接続され、そのフォトダイオードと抵抗との接続点の電気信号が前記演算増幅器の反転入力端子に入力し、前記ローパスフィルタを通過した電圧信号が前記トランジスタのベースに入力するように構成したことを特徴とする光学的情報読取装置。
- 請求項1又は2記載の光学的情報読取装置において、前記増幅部に備える帰還抵抗の抵抗値が100kΩから2MΩであることを特徴とする光学的情報読取装置。
- 光反射率の異なる部分で情報を表記した読取対象を光ビームで走査し、その反射光による光信号を電気信号に変換して前記読取対象の情報を読み取る光学的情報読取装置であって、
前記光信号を入力して電気信号に変換する光電変換部と、
前記電気信号を電圧信号に変換する変換抵抗と、
前記電圧信号の低周波成分を通過させるローパスフィルタと、
該ローパスフィルタの出力信号を入力し、その入力信号が所定レベル未満であると出力をゼロにし、該所定レベル以上であるとその入力信号のレベルに応じて出力を線形に増加させるレベル設定部と、
該レベル設定部の出力信号を電流に変換する電流発生部と、
前記変換抵抗によって変換された電圧信号の高周波成分を通過させるハイパスフィルタと、
該ハイパスフィルタを通過した信号を増幅する帰還抵抗を備えた増幅部と
を具備し、
前記電流発生部の出力を前記変換抵抗に入力させる負帰還ループを形成し、前記増幅部から出力される電圧信号に基づいて前記読取対象の情報を解析するようにしたことを特徴とする光学的情報読取装置。 - 請求項4記載の光学的情報読取装置において、前記変換抵抗の抵抗値が100kΩから2MΩであることを特徴とする光学的情報読取装置。
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