本発明の目的、特徴、局面および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下、デジタル通信におけるデジタル放送を例として実施形態の説明を行なうが、本発明はそれに限定されるものではない。
デジタル放送を送受信するための基本システムとして、MPEG2システムが知られている。このシステムでは、放送局側において、映像と音声などの個別素材を、それぞれの連携を保ちながら、別個に符号化する。そして、符号化された各個別のストリーム(データ列)を、多重化部において、ストリームの伝送媒体のフォーマットに合わせて多重化を行い、伝送する。受信された多重ストリームは、分離部において、映像、音声などの各個別のストリームに分離され、それぞれの復号器に送られる。そして、各復号器において、映像、音声などのストリームは個別に復号され、その復号されたデータはモニタやスピーカなどの出力装置に出力される。
このMPEG2システムにおいては、同期を取るためのクロック情報を、送信側から受信側に正確に伝えることが重要である。
まず、基準となる時刻を設定し、放送局と受信機の時刻を合わせる必要がある。そのために、放送局(符号器)からは、受信機(復号器)において、時刻基準となるSTC(System Time Clock)の値を、放送局側で意図した値に設定・校正するための情報であるPCR(Program Clock Reference)が送られる。このPCRを受け取った受信機は、そのPCRに基づいて、放送局の時刻と同期した、受信機内の時刻を生成する。このとき、通常は、PCRと、受信機において再生されたSTCとの差分値に基づいて、受信機内のクロックの補正が行なわれる。
また、それ以外にも、映像、音声などの各個別のストリームが再生される際の同期を取る必要がある。そのために、ストリームには、復号再生の単位(アクセスユニット)ごとに、いつ復号再生すべきかを示すタイム・スタンプと呼ばれる情報が付加されている。このタイム・スタンプには2種類あり、1つはPTS(Presentation Time Stamp)と呼ばれる再生出力の時刻管理情報であり、もう1つはDTS(Decoding Time Stamp)と呼ばれる復号の時刻管理情報である。
PTSに関しては、受信機内部のSTCがPTSに一致したときに、そのアクセスユニットを再生出力するように構成されている。一方、DTSは、符号化の際に生じた、映像データの順序入れ替えに対応するために設けられたものである。つまり、復号する順序と再生出力する順序が異なることに対応したものである。そのため、PTSとDTSが異なる場合には両方のタイム・スタンプを付け、それらが一致する場合にはPTSだけ付けるように規定されている。
以下、デジタル放送を例として、図面を参照しながら、本発明の実施形態の説明を行なう。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態におけるデジタル放送受信システムの全体構成を示すブロック図である。まず、この図を参照して、本発明の実施形態におけるデジタル放送受信システムの全体構成について説明する。
本発明の実施形態におけるデジタル放送受信システムは、デジタル放送を受信し、受信した信号からトランスポートストリーム信号(以下、適宜、TS、あるいはトランスポートストリームと呼ぶ)を復元するデジタル放送受信装置(以下、適宜、受信装置と呼ぶ)10、受信装置10により復元されたトランスポートストリームを受け取り、受け取ったトランスポートストリームから映像や音声等の信号を復元するホスト装置20、および受信装置10とホスト装置20との間でトランスポートストリームやデジタル信号を伝送するデジタルインターフェース(以下、適宜、デジタルI/Fと呼ぶ)30とにより構成される。
デジタルインターフェースは、高解像度映像信号とマルチチャネルの音声信号を、圧縮せずにクオリティを維持したままデジタル形式で転送するものである。このデジタルインターフェースとして、例えば、デジタル家電向けインターフェースであるHDMI(High Definition Multimedia Interface)を例示することができる。HDMIは、PCとディスプレイとの接続技術であるDVI(Digital Visual Interface)の仕様をAV向けにアレンジしたものである。また、HDMIでは、映像信号と音声信号とを1本のケーブルにのせるため,既存のアナログ方式のケーブルのような煩わしさがない。
また、本発明の実施形態におけるデジタル放送受信システムでは、デジタルI/F30を介し受信装置10からホスト装置20に対して、トランスポートストリームとともにクロック信号が供給され、さらに、受信装置10とホスト装置20との間において、クロック信号の同期に関する情報や信号の伝送が行われることを特徴とする。
また、本発明の実施形態における受信装置10は、汎用のメモリカードにデジタル放送の受信機能を備えた電子カードとする。また、ホスト装置20は、例えば、携帯電話やPDAなど移動体を対象とした移動端末装置とすることでより効果がある。
また、電子カードの代表的なものとして、SDカードを例示することができる。SDカードは、高度な著作権保護機能を持つ切手サイズのフラッシュメモリカードである。また、このSDカードは、デジタルカメラの画像や動画、音楽などの記録に好適な大容量の電子カードである。
受信装置10において、チューナ処理部11は、アンテナで受信したデジタル放送電波に対して、復調処理や誤り訂正処理等を施し、復調信号を出力する。チューナ処理部11からの復調信号は、トランスポートストリーム(以下,適宜、TSと呼ぶ)受信処理部12に伝送される。
TS受信処理部12は、チューナ処理部11からの復調信号を受け取り、この復調信号からトランスポートストリームを復元する。なお、トランスポートストリームは、複数の番組の映像や音声等のコンテンツデータをパケット化したトランスポートストリームパケット(以下,適宜、TSパケットと呼ぶ)により構成されている。TS受信処理部12は、さらにトランスポートストリームを構成する各TSパケットを検出し、特に同期処理等に必要な情報の抽出処理を行なう。各TSパケットは、TSパケットの管理データを格納するヘッダ部と、番組のコンテンツデータや番組情報等を格納するデータ部とにより構成されている。
ヘッダ部には、そのTSパケットの先頭を示すシンクバイトや、パケット識別番号であるPID(Packet IDentification、以下、適宜、PIDと呼ぶ)情報などが含まれる。TS受信処理部12は、例えば、パケットの先頭を示すシンクバイトを検出することでパケットを識別する。また、TS受信処理部12は、PID情報を利用してクロック再生に必要なPCR(Program Clock Reference)情報を格納したTSパケットを抽出する。このPCR情報は、デジタル放送の放送局側のクロック情報である。さらに、TS受信処理部12は、PCR情報を格納したTSパケットを抽出すると、そのデータ部に格納されたPCR情報をクロック処理部14に通知する。また、TS受信処理部12は、復元したトランスポートストリームをインターフェース部(以下,適宜、I/F部と呼ぶ)13に供給する。
クロック生成部141は、受信装置10内部のデジタル処理に必要なクロック信号を生成する。
クロック処理部14は、TS受信処理部12から通知されたPCR情報を受け取り、このPCR情報を利用して、クロック生成部141とともに、放送局側のクロックに同期したクロックの再生を行なう。クロック処理部14により再生されたクロック信号は、I/F部13に伝送される。
また、クロック処理部14は、例えば、受信状況の悪化などにより、クロック再生の同期が乱れたとき、その同期の乱れを検出する。さらに、クロック処理部14は、同期が乱れたときのクロック再生状態における変動情報を変動情報データとし、それを含んだ付加情報をTS受信処理部12に通知する。TS受信処理部12は、この付加情報が通知されると、この付加情報を格納した付加データを生成する。そして、TS受信処理部12は、この付加データを、復元したトランスポートストリームに挿入し、それをI/F部13に供給する。なお、同期の乱れを検出する処理や付加情報の詳細については以下で説明する。
付加データは、トランスポートストリームに挿入されるのではなく、それとは別の付加パケットのデータ部に挿入されるようにしてもよい。また、付加データは、付加パケットを生成するのに代えて、特にパケットとはせず、パケット間に挿入されてもよい。さらに、付加データは、同期の乱れが検出されるとただちに、パケット伝送と並列で送られてもよい。
I/F部13は、ホスト装置20との通信やクロック信号等を伝送するための受信側のインターフェースである。I/F部13は、受信側インターフェース部として機能する。受信装置10は、I/F部13を介しホスト装置20に対して、付加情報を含むトランスポートストリームとともに、再生したクロック信号およびリセット信号を送出する。さらに、I/F部13からホスト装置20へは、受信装置10における各処理の状態等を通知する通知データが伝送される。また、ホスト装置20からI/F部13へは、受信装置10を制御するためのコマンドデータが伝送される。I/F部13は、受け取ったコマンドデータの内容に応じて、処理等を指令するためのコマンド情報を、受信装置10内の各部に通知する。
ホスト装置20において、I/F部23は、受信装置10との通信やクロック信号等を受け取るためのホスト側のインターフェースである。I/F部23は、ホスト側インターフェース部として機能する。ホスト装置20は、I/F部23を介し受信装置10から、付加情報を含むトランスポートストリームとともにクロック信号およびリセット信号を受け取る。さらに、ホスト装置20は、I/F部23を介し受信装置10から、受信装置10における各処理の状態等の情報を有する通知データを受け取る。また、I/F部23から受信装置10へは、ホスト装置20から受信装置10を制御するためのコマンドデータが伝送される。I/F部23は、受け取った通知データの内容を通知情報として、ホスト装置20内の各部に通知する。
TS復元処理部22は、I/F部23に供給されたトランスポートストリームを、映像データを格納した映像パケット、音声データを格納した音声パケット、および受信に関した情報等を有する情報データパケットに分離して出力する。このとき、TS復元処理部22は、映像パケット、音声パケット等各番組のコンテンツデータを格納したパケットを、コンテンツデータを格納したパケットで構成されたPESと呼ばれるパケッタイズドエレメンタリストリーム(Packetized Elementary Stream、以下、適宜、PESと呼ぶ)としてデコーダ部21に供給する。
デコーダ部21は、TS復元処理部22から供給された映像パケットおよび音声パケットで構成されるPESを受け取る。そして、各パケットのデータ部に格納された映像データおよび音声データを抽出し、それぞれ映像信号および音声信号に復元して、モニタおよびスピーカ等に出力する。
クロック処理部24は、受信装置10から伝送されたクロック信号を受け取り、このクロック信号を基にホスト装置20内部のクロック信号を生成する。また、クロック処理部24は、受信装置10からリセット信号が出力された場合には、クロック処理部24の内部のカウンタ等をリセットする。
TS復元処理部22は、I/F部23に伝送されたトランスポートストリームから付加データを抽出し、クロック処理部24に供給する。クロック処理部24は、供給された付加データから変動情報データを抽出する。そして、クロック処理部24は、この変動情報データを利用してクロック処理部24の内部のカウンタ値を更新し、更新した状態からカウント動作を継続する。
以上説明したように、本発明の実施形態のデジタル放送受信システムは、デジタルI/F30を介して、受信装置10とホスト装置20とが接続された構成である。また、デジタルI/F30を介して、付加情報を含むトランスポートストリーム、クロック信号、リセット信号、通知データおよびコマンドデータが伝送される。
次に、図2のブロック図を用いて、本発明の実施形態におけるデジタル放送受信システムの、デジタル放送受信装置10およびホスト装置20の詳細な構成について説明する。
まず、受信装置10の詳細な構成について説明する。図1におけるチューナ処理部11は、図2のチューナ処理部111により構成される。また、図1におけるTS受信処理部12は、図2のTS入力処理部121、PCR抽出部122、TS蓄積部123およびパケット管理部124により構成される。さらに、図1におけるI/F部13は、図2のパケット転送部131、通知処理部132、クロック出力部133およびコマンド受信部134により構成される。また、図1におけるクロック処理部14は、図2のR_STCカウンタ142、STC回復処理部143、付加情報追加部144およびリセット処理部145により構成される。
図2において、チューナ処理部111は、アンテナで受信したデジタル放送電波に復調処理や誤り訂正処理等を施し、TS入力処理部121に対してその復調信号を出力する。
TS入力処理部121は、チューナ処理部111からの復調信号を受け取り、この復調信号からトランスポートストリームを復元する。復元されたトランスポートストリームは、TS入力処理部121からPCR抽出部122に供給される。
PCR抽出部122は、供給されたトランスポートストリームの各TSパケットのPID情報を検出し、このPID情報に基づきPCR情報を含むTSパケットを抽出する。さらに、PCR抽出部122は、抽出されたTSパケットに含まれるPCR情報を抽出し、PCRデータとしてSTC回復処理部143およびR_STCカウンタ142に通知する。また、PCR抽出部122は、TS入力処理部121から供給されたトランスポートストリームをTS蓄積部123に供給する。
TS蓄積部123は、トランスポートストリームに含まれるTSパケットを、所定の個数分一時的に蓄積記憶するパケットバッファである。TS蓄積部123は、パケット管理部124からの指令に従い、PCR抽出部122から供給されるTSパケットを順次記憶する。また、パケット管理部124から付加情報を挿入するよう指令があった場合、TS蓄積部123は、付加情報追加部144から供給された付加情報を含む付加データを、TSパケットとともに記憶する。付加データを含め、TSパケットで構成されるトランスポートストリームは、TS蓄積部123からパケット転送部131に供給される。
パケット転送部131は、コマンド受信部134からのコマンド情報の一つであるパケット読み出しコマンドに応じて、付加情報を含めたトランスポートストリームをホスト装置20に送出する。
クロック生成部141は、受信装置10におけるデジタル処理に必要なクロック信号を生成する。このとき、クロック生成部141は、STC回復処理部143から受け取った誤差データに応じた周波数のクロック信号を生成する。クロック生成部141は、例えば、DA(デジタルアナログ)変換器、あるいはPWM(Pulse Width Modulator)とローパスフィルタとの組み合わせなどにより誤差データを制御電圧に変換する。さらに、クロック生成部141は、この制御電圧により、必要ならループフィルタ等を介して電圧制御水晶発振子の発信周波数を制御する。クロック生成部141は、電圧制御水晶発振子の信号を、必要ならバッファ等を介し、クロック信号として出力する。このようにして、クロック生成部141は、誤差データに応じたクロック信号を生成し、受信装置10内の各部に伝送する。
R_STCカウンタ142は、基準クロックを生成するために用いられるシステムタイムクロック(System Time Clock、以下、適宜、STCと呼ぶ)を生成するカウンタである。R_STCカウンタ142は、受信側STCカウンタとして機能する。R_STCカウンタ142は、クロック入力端子(CK)を介して伝送される、クロック生成部141からのクロック信号を計数することでカウントの動作を行なう。R_STCカウンタ142は、計数した値であるカウントデータを受信側STCデータとしてカウント出力端子(OUT)から出力し、STC回復処理部143に供給する。また、R_STCカウンタ142は、リセット入力端子(R)、ロード入力端子(L)およびロードデータ入力端子(IN)を有している。
R_STCカウンタ142には、リセット処理部145からリセット入力端子を介して、リセット信号が通知される。リセット信号が通知されると、R_STCカウンタ142は、カウント出力端子からのカウントデータが、例えばゼロなどの初期値となるよう設定する。
また、R_STCカウンタ142は、STC回復処理部143から後述の変動検出信号をロード入力端子を介して受け取ると、PCR抽出部122からのPCRデータを取り込む。このとき、R_STCカウンタ142は、PCRデータをロードデータ入力端子を介して受け取る。そして、R_STCカウンタ142は、カウント出力端子からのカウントデータが、取り込んだPCRデータの値となるよう設定する。
STC回復処理部143は、R_STCカウンタ142からの受信側STCデータおよびPCR抽出部122からのPCRデータを取り込む。そして、例えば、受信側STCデータとPCRデータとの差分演算を行い、その差分値を誤差データとする。さらに、STC回復処理部143は、誤差データを利用して、クロック再生における同期の乱れや異常を検出する。
図3は、STC回復処理部143の詳細を示すブロック図である。図3において、誤差検出部431は、受信側STCデータとPCRデータとの差分を求め、それを誤差データとして、変動検出部432およびクロック生成部141に供給する。また、変動検出部432は、誤差検出部431からの誤差データと、あらかじめ設定された設定上限値および設定下限値とを取り込む。そして、変動検出部432は、誤差データに基づき、所定値以上の周波数の変動が検出されると、つまり、誤差データの値が設定上限値と設定下限値とで定められる範囲から外れる値になったとき、変動検出信号を出力する。すなわち、変動検出部432は、受信側STCデータとPCRデータとの誤差の変動を監視し、その誤差データの値が設定上限値よりも大きく、あるいは設定下限値よりも小さくなった場合、クロック再生における同期の乱れや異常があったと判断する。
クロック再生における同期の乱れや異常があったと判断した変動検出部432は、同期変動を検出したとする変動検出信号を、R_STCカウンタ142のロード入力端子に通知する。
なお、変動検出部432は、誤差データの絶対値を監視し、それが設定上限値以上となったとき変動検出信号を出力するようにしてもよい。
また、STC回復処理部143は、変動検出部432において周波数の変動が検出されると、受信側STCデータとPCRデータとを取り込み、それらを変動情報データとして記憶するとともに、R_STCカウンタ142にPCRデータを設定する変動処理部としての機能も有する。
以上、PCR抽出部122からのPCRデータに基づき、クロック生成部141、R_STCカウンタ142およびSTC回復処理部143により、放送局側の基準クロックと同期したクロック信号を生成するクロック再生ループが構成される。すなわち、PCR抽出部122からPCRデータが供給されると、STC回復処理部143の誤差検出部431は、受信側STCデータとPCRデータとの差分を求める。
例えば、PCRデータが受信側STCデータよりも大きい場合、誤差データに応じた電圧値の制御電圧を電圧制御水晶発振子に加える。これにより、クロック生成部141において生成されるクロック信号の周波数は高くなる方向へと変化する。その結果、R_STCカウンタ142の計測速度が速くなる方向へと変化し、受信側STCデータの値がPCRデータの値へと近づく。PCR抽出部122によりPCRデータが抽出されるごとに、このようなループ制御を行なうことで、PCRデータの値と受信側STCデータの値とが等しく変化するようにロックされる。このとき、クロック生成部141から生成されるクロック信号は、放送局側の基準クロックと同期する。なお、デジタル放送システムにおいては、通常クロック信号の周波数として27MHz(メガヘルツ)が選ばれる。
また、前述したように、STC回復処理部143の変動検出部432において、誤差データの値が設定上限値と設定下限値とで定められる範囲を外れたとき、変動検出部432は変動検出信号をR_STCカウンタ142に通知する。この変動検出信号により、強制的にPCRデータの値をR_STCカウンタ142に設定することで、このクロック再生ループにおけるロック外れからロックされるまでの引き込み時間の高速化を図っている。
すなわち、変動検出部432において、誤差データが設定された範囲を外れたとき、受信側STCデータの値とPCRデータの値とは大きく異なっている。このため、クロック再生ループによる制御のみでは、受信側STCデータとPCRデータとの値が等しく変化するようにロックされるまでにはある程度の時間が必要となる。本発明においては、受信側STCデータの値から大きく外れたPCRデータの値が、R_STCカウンタ142に設定される。そして、R_STCカウンタ142は、このPCRデータの値からカウントを再開する。そのため、クロック再生ループにおけるロック外れからロックされるまでの時間を短縮でき、引き込み時間の高速化を図ることができる。
また、STC回復処理部143から出力される変動検出信号および誤差データは、付加情報追加部144にも伝送される。さらに、この誤差データは、付加情報としてトランスポートストリームに挿入され、ホスト装置20に供給される。
なお、本実施形態では、クロック再生における同期の乱れや異常に関するデータである変動情報データとして、この誤差データを利用した例を挙げて説明するが、本発明はこの例に限定されない。変動情報データは、例えば、変動検出時の受信側STCデータおよびPCRデータであってもよい。詳細については後述する。
付加情報追加部144には、前述したようにSTC回復処理部143から変動検出信号および誤差データが伝送される。付加情報追加部144は、供給された誤差データを変動情報データとして、トランスポートストリームに挿入する。この変動情報データは、変動検出部から周波数の変動が検知されたときの情報を含むものである。付加情報追加部144は、TS入力処理部121により復元されたトランスポートストリームに誤差データである変動情報データを挿入するための、付加情報を生成する。
付加情報は、誤差データおよびそのデータが有効か無効かを示す有効フラグを含んでいる。付加情報追加部144は、変動検出信号が通知されたとき、有効フラグにおいて有効を示すフラグ(例えば「1」)を設定し、供給された誤差データとともに付加情報として付加データを生成する。それに対し、付加情報追加部144は、変動検出信号が通知されないときには、有効フラグにおいて無効を示すフラグ(例えば「0」)を設定した付加データを生成する。付加情報追加部144は、生成した付加データをTS蓄積部123に供給する。
パケット管理部124は、TS蓄積部123に供給されるPCR抽出部122からの各TSパケットおよび付加情報追加部144からの付加データを管理する。パケット管理部124は、所定の手順に従い、PCR抽出部122からの各TSパケットに付加データを挿入するよう制御する。また、パケット管理部124は、ホスト装置20に転送するパケットがTS蓄積部123に準備できたかどうかを確認する。そして、パケット管理部124は、転送するパケットの準備が確認できると、TS蓄積部123からパケット転送部131に対してパケットを供給させる。
また、クロック出力部133は、クロック生成部141にて生成したクロック信号を、ホスト装置20に伝送するインターフェースである。
通知処理部132は、ホスト装置20に対して、受信装置10における各処理の状態等の情報を有する通知データを伝送するインターフェースである。例えば、パケット管理部124は、転送するパケットの準備完了を通知処理部132に通知する。その通知を受け取った通知処理部132は、ホスト装置20に対してパケットの準備完了を通知する。また、パケット管理部124が同期変動の検出を通知されると、通知処理部132を介して、ホスト装置20に対して同期変動の検出が通知されるようにしてもよい。
コマンド受信部134は、ホスト装置20から受信装置10を制御するために伝送されたコマンドデータを受信するインターフェースである。コマンド受信部134は、例えば、ホスト制御部291からリセット信号を含むコマンドデータが伝送されると、リセット信号をリセット処理部145に通知する。また、コマンド受信部134は、例えば、ホスト装置20からパケット転送のコマンドデータが伝送されると、パケット転送信号をパケット転送部131に通知する。
パケット転送部131は、付加データを含むトランスポートストリームをホスト装置20に送出するインターフェースである。パケット転送部131は、コマンド受信部134からパケット転送信号が通知されると、所定の手順に従って、TS蓄積部123から供給されたパケットをホスト装置20に転送する。
図4は、パケット転送部131から転送されるデータの通信フォーマットの一例を示した図である。図4において、TS1からTS5は、TS入力処理部121で復元されたTSパケットである。ここでは、転送されるデータが5つのTSパケットを有する例を示している。また、前述したように、変動検出部432において変動が検出されたとき、付加情報追加部144により生成された付加データが挿入される。この付加データには、変動検出信号が有効か無効かを示す有効フラグおよび変動情報データが含まれている。パケット転送部131は、このような通信フォーマットに従って、付加データを含むトランスポートストリームをビット単位でホスト装置20へと転送する。
次に、図2におけるホスト装置20の詳細な構成について説明する。図1におけるI/F部23は、図2でのパケット受信部231、通知受信部232、クロック入力部233、コマンド送信部234およびリセット受信部235により構成される。また、図1におけるTS復元処理部22は、付加情報抽出部222およびPES処理部221により構成される。また、図1におけるクロック処理部24は、図2でのSTC補正部241およびH_STCカウンタ242により構成される。
また、図1におけるデコーダ部21は、図2での音声デコーダ212および映像デコーダ211により構成される。また、図2において、ホスト制御部291は、ホスト装置20の各部を制御するとともに、受信装置10の各部への指令であるコマンド情報をも生成および送出する制御部である。
図2において、パケット受信部231は、付加データを含むトランスポートストリームを、受信装置10のパケット転送部131から受信するインターフェースである。パケット受信部231は、受信したトランスポートストリームを付加情報抽出部222に供給する。
コマンド送信部234は、ホスト装置20から受信装置10を制御するためのコマンドデータを送信するインターフェースである。コマンド送信部234は、ホスト制御部291からコマンド情報が通知されると、コマンド情報に基づくコマンドデータを受信装置10のコマンド受信部134に伝送する。コマンド送信部234は、例えば、カウンタのリセットやパケット転送などのコマンドデータをコマンド受信部134に伝送する。
通知受信部232は、受信装置10における各処理の状態等の情報を有する通知データを受信するインターフェースである。通知受信部232は、受信装置10の通知処理部132から伝送された通知データを受信し、通知情報としてホスト制御部291に伝送する。例えば、通知受信部232には、TS蓄積部123におけるTSパケットの準備完了が通知される。
クロック入力部233は、受信装置10のクロック生成部141にて生成されたクロック信号を受信するインターフェースである。クロック入力部233は、受信装置10におけるクロック出力部133からのクロック信号を受信する。そして、クロック入力部233は、受信したクロック信号をH_STCカウンタ242のクロック入力端子に伝送する。
リセット受信部235は、受信装置10のリセット処理部145から通知されたリセット信号を受信するインターフェースである。なお、本実施形態では、受信装置10のリセット処理部145からリセット受信部235へのリセット信号専用の接続として説明するが、例えば、ホスト装置20と受信装置10との間で制御を行なうため設けたインターラプト用接続を利用してもよい。さらには、ホスト装置20にリセット処理部145を設け、受信装置10にリセット受信部235を設けるような形態でもよい。
また、付加情報抽出部222は、パケット受信部231から供給されるトランスポートストリームから付加データを抽出する。そして、付加情報抽出部222は、抽出した付加データをSTC補正部241に供給する。また、付加情報抽出部222は、パケット受信部231から供給されるトランスポートストリームをPES処理部221に供給する。
PES処理部221は、供給されたトランスポートストリームを、映像データを格納した映像パケット、音声データを格納した音声パケットおよび受信に関した情報等を有する情報データパケットに分離する。続いて、PES処理部221は、映像パケット、音声パケット等各番組のコンテンツデータを格納したパケットのみを分離し、PESに再構成する。そして、PES処理部221は、再構成したPESを映像デコーダ211および音声デコーダ212に供給する。このPESには、前述したタイム・スタンプであるPTS(およびDTS)が含まれている。
なお、付加情報抽出部222およびPES処理部221は、ホスト側インターフェース部からのトランスポートストリームに含まれるデータを復元するストリーム復元処理部として機能する。
映像デコーダ211は、供給されたPESから映像パケットのみを抽出し、さらに映像パケットの映像データから映像信号を復元し、モニタ等へと出力する。また、音声デコーダ212は、供給されたPESから音声パケットのみを抽出し、さらに音声パケットの音声データから音声信号を復元し、スピーカ等へと出力する。このとき、映像および音声を再生出力するタイミングは、前述したPTS(およびDTS)により制御される。
映像デコーダ211および音声デコーダ212には、後述するように、H_STCカウンタ242から、ホスト装置20におけるSTCデータが送られてきている。したがって、このSTCデータがPTSに一致したときに、映像および音声データが、モニタまたはスピーカから出力される。
STC補正部241は、付加情報抽出部222から供給された付加データから、有効フラグおよび誤差データを抽出する。また、STC補正部241には、H_STCカウンタ242のカウント出力端子からのホスト側STCデータとしてのカウントデータが供給される。STC補正部241は、まず、ホスト側STCデータと誤差データとに基づく所定の演算を行い、その演算結果を補正データとする。STC補正部241は、この補正データをH_STCカウンタ242のロードデータ入力端子に供給する。
さらに、STC補正部241は、抽出した有効フラグを確認する。STC補正部241は、有効フラグにおいて、誤差データが有効であることを示すとき、周波数の変動が検出されたと判断する。そして、STC補正部241は、ロードデータ入力端子に供給された補正データの値をH_STCカウンタ242に設定するよう、H_STCカウンタ242のロードデータ入力端子に対して、ロード信号を出力する。
それに対して、STC補正部241は、有効フラグにおいて、誤差データが無効であることを示すとき、周波数の変動が検出されていないと判断する。そして、STC補正部241は、H_STCカウンタ242のロードデータ入力端子に対して、ロード信号を出力せず、これまでの処理を継続させる。
H_STCカウンタ242は、ホスト装置20におけるSTC(システムタイムクロック)を生成するためのカウンタである。H_STCカウンタ242は、ホスト側STCカウンタとして機能する。受信装置10におけるクロック生成部141で生成され、クロック出力部133およびクロック入力部233を介して伝送されたクロック信号が、H_STCカウンタ242のクロック入力端子(CK)に伝送される。H_STCカウンタ242は、このクロック信号を計数することでカウントの動作を行なう。また、H_STCカウンタ242は、計数した値であるカウントデータをホスト側STCデータとして、カウント出力端子(OUT)から出力し、STC補正部241、映像デコーダ211および音声デコーダ212に供給する。
H_STCカウンタ242は、リセット入力端子(R)、ロード入力端子(L)、およびロードデータ入力端子(IN)を有している。H_STCカウンタ242には、リセット受信部235からリセット入力端子を介して、リセット信号が通知される。リセット信号が通知されると、H_STCカウンタ242は、カウント出力端子からのカウントデータが、例えばゼロなどの初期値となるよう設定する。
また、H_STCカウンタ242は、STC補正部241からのロード信号をロード入力端子を介して受け取ると、STC補正部241からの補正データをロードデータ入力端子を介して受け取る。そして、H_STCカウンタ242は、カウント出力端子からのカウントデータが補正データに対応した値となるよう設定する。
以上のように構成された本実施形態におけるデジタル放送受信システムの動作について、以下、図5および図6を参照しながら説明する。
図5は、受信装置10のR_STCカウンタ142、およびホスト装置20のH_STCカウンタ242のリセットを行なう処理手順を示したシーケンス図である。また、図6は、受信装置10からホスト装置20へ、復元したトランスポートストリームを転送する処理手順を示したシーケンス図である。
受信装置10およびホスト装置20の電源が投入された場合や、チャンネル切り替え等によりチューナ処理部111からのトランスポートストリームが切り替えられた場合など、本デジタル放送受信システムにおいて、図5に示すようなリセット処理が実行される。例えば、ユーザ指示によりチャンネルが切り替えられると、ホスト制御部291はそれを検出し、初期化のためのリセット処理を開始する。
まず、ホスト制御部291は、コマンド送信部234に対して、R_STCカウンタ142をリセットするリセットコマンドを発行する(S100)。これにより、コマンド送信部234からコマンド受信部134に対してリセットコマンドであるコマンドデータが伝送される(S102)。コマンド受信部134は、受信したコマンドデータを解析し、それがリセットコマンドである場合、リセット処理部145に対してリセット信号を通知し、R_STCカウンタ142のリセットを指示する(S104)。リセット処理部145は、この指示に基づき、R_STCカウンタ142をリセットする(S106)。続いて、リセット処理部145は、リセット受信部235へ、R_STCカウンタ142をリセットしたことを通知する(S108)。この通知は、例えば、受信装置10からホスト装置20へのリセット信号ラインを通じて行なえばよい。リセット受信部235は、リセットの通知を受け取ると、H_STCカウンタ242に対してリセットを実行する(S110)。
本実施形態においては、前述したようなリセット処理を行なうことで、リセット処理部145がR_STCカウンタ142およびH_STCカウンタ242を同時、すなわち時間差なくリセット可能としている。これにより、R_STCカウンタ142およびH_STCカウンタ242が、同一のカウント値でカウント継続するように初期設定できる。なお、ホスト制御部291が、H_STCカウンタ242をリセットするとともに、コマンド送信部234、コマンド受信部134を介してリセット処理部145にリセット信号を通知するようにしてもよい。
以上のようにして、電源立ち上げ時やチャンネル切り替え時には、受信装置10のR_STCカウンタ142およびホスト装置20のH_STCカウンタ242のリセットが実行される。このように、受信装置10、およびホスト装置20双方のSTCカウンタを同時にリセットすることにより、受信装置10のクロック処理部14およびホスト装置20のクロック処理部24は、同一条件でクロック処理を開始することとなる。すなわち、本デジタル放送受信システムでは、受信装置10のR_STCカウンタ142および本ホスト装置20のH_STCカウンタ242は、クロック生成部141からの同一クロック信号でカウントする構成である。
さらに、リセット処理により同一の初期値からカウントを開始するため、R_STCカウンタ142とH_STCカウンタ242とは、同一の速度で同一のカウント値を出力する。このように、電源立ち上げ時やチャンネル切り替えの後、受信状態が悪化するなどの異常がない場合には、R_STCカウンタ142とH_STCカウンタ242とは同一の状態で動作を続ける。これにより、本デジタル放送受信システムは、受信装置10からホスト装置20へと復元したトランスポートストリームを転送するなどの正常な動作を継続する。
図6は、受信装置10からホスト装置20へ、復元したトランスポートストリームを転送する処理手順を示したシーケンス図である。パケット管理部124は、TS蓄積部123に蓄積されるTSパケットの数などパケット転送の準備が完了したかどうかを監視する。パケット管理部124は、TS蓄積部123において、TSパケット転送の準備完了を確認すると、通知処理部132に対して、TSパケット転送の準備完了を通知する。これにより、通知処理部132は、通知受信部232を介して、ホスト制御部291に対して、TSパケット転送の準備完了を通知する(S200)。
ホスト制御部291は、TSパケット転送の準備完了通知を受けて、転送されるTSパケットを受信するための制御を行なうとともに、コマンド送信部234に対して、TSパケット読み出しコマンドを発行する(S202)。これにより、コマンド送信部234からコマンド受信部134に対して、TSパケット読み出しコマンドであるコマンドデータが伝送される(S204)。
コマンド受信部134は、受信したコマンドデータを解析し、それがTSパケット読み出しコマンドである場合、パケット転送部131に対してパケット送出指示信号を通知し、TSパケットの転送開始を指示する(S206)。これにより、パケット転送部131は、TS蓄積部123に蓄積されたTSパケットをパケット受信部231に転送する(S208)。以上のような処理手順に従って、受信装置10からホスト装置20へと、付加データを含め、復元されたトランスポートストリームが転送される。
また、電源立ち上げの後やチャンネル切り替えの後、受信状態が悪化するなどの異常が発生すると、復元したトランスポートストリームにエラーが生じる。すると、トランスポートストリームに含まれる各データの値も正常な値ではなくなり、PCR抽出部122においても、正常な値ではないPCRデータを抽出する可能性がある。このような状況が発生すると、受信装置10において、R_STCカウンタ142からの受信側STCデータとPCR抽出部122からのPCRデータとが大きく異なることとなる。すなわち、STC回復処理部143において、誤差検出部431からの誤差データは大きな値を持つこととなり、変動検出部432の設定範囲を超えることとなる。その結果、変動検出部432から変動検出信号が出力される。
変動検出部432から変動検出信号が出力されると、R_STCカウンタ142にはPCR抽出部122により抽出されたPCRデータが設定される。前述したように、本発明の実施形態の受信装置10では、このような構成とすることにより、クロック再生ループにおけるロック外れからロックされるまでの時間を短縮し、引き込み時間の高速化を図っている。
一方、R_STCカウンタ142にPCRデータが設定されると、R_STCカウンタ142は、設定されたPCRデータからカウントを始める。すなわち、この時点において、受信装置10のR_STCカウンタ142と、ホスト装置20のH_STCカウンタ242とは、異なったカウント値でカウントを継続することとなる。このため、各クロック処理部を同一状態へと復帰させ、双方を正常な動作へと回復させる必要がある。
これを実行するために、本実施形態のデジタル放送受信システムでは、まず、受信装置10において、変動情報データである誤差データを付加情報として、トランスポートストリームに挿入する。続いて、ホスト装置20において、挿入された付加情報から誤差データを抽出し、抽出された誤差データを利用してH_STCカウンタ242のカウント値をR_STCカウンタ142のカウント値と同一、あるいはほぼ同一となるように、強制的に補正することを特徴としている。
すなわち、受信装置10において、変動検出部432から変動検出信号が出力されると、付加情報追加部144には、この変動検出信号および誤差データが伝送される。付加情報追加部144は、変動検出信号が通知されると、有効フラグにおいて有効を示すフラグを設定し、伝送された誤差データおよび有効フラグをTS蓄積部123に供給する。パケット管理部124は、ホスト装置20に転送するパケットがTS蓄積部123に準備できたかどうかを確認し、転送の準備が確認できるとパケット転送部131に対してパケットを供給する。このとき、TS蓄積部123には付加データが蓄積されているため、パケット転送部131にはこの付加データも供給される。これにより、図6で説明した処理手順に従って、パケット転送部131からパケット受信部231に対して、付加データを含む所定個数のパケットが転送される。
さらに、ホスト装置20において、パケット受信部231により受信された各パケットは、付加データを含めて、付加情報抽出部222に供給される。付加情報抽出部222は、供給されたトランスポートストリームから付加データを抽出し、その付加データに含まれる誤差データおよび有効フラグをSTC補正部241に供給する。STC補正部241は、付加情報抽出部222からの誤差データと、H_STCカウンタ242からのホスト側STCデータとに基づく所定の演算を行なう。さらに、STC補正部241は、この演算結果である値をH_STCカウンタ242に設定する。
例えば、変動検出時の受信側STCデータの値を「STC1」とし、PCRデータの値を「PCR1」とすると、誤差データの値は「(PCR1−STC1)」となる。この「(PCR1−STC1)」の値が付加情報としてSTC補正部241に伝送される。さらに、STC補正部241は、H_STCカウンタ242のホスト側STCデータに誤差データを加算する加算演算を行なう。H_STCカウンタ242のホスト側STCデータの値を「STC1+n」とすると、STC補正部241による加算演算の結果は、「STC1+n+(PCR1−STC1)」となる。すなわち、STC補正部241によりH_STCカウンタ242には「PCR1+n」の値が設定される。
一方、R_STCカウンタ142は、STC補正部241によりH_STCカウンタ242が補正される時点において、受信側STCデータの値が「PCR1+n」となっている。このようにして、ホスト装置20のH_STCカウンタ242のカウント値を、受信装置10のR_STCカウンタ142のカウント値と同一となるように補正することができる。すなわち、受信装置10のクロック処理部14と、ホスト装置20のクロック処理部24とは、同一状態へと復帰でき、双方が正常な動作へと回復したこととなる。
図7は、R_STCカウンタ142とH_STCカウンタ242とにおけるSTCデータの値の推移を示した図である。図7は、横軸を時間とし、縦軸をR_STCカウンタ142およびH_STCカウンタ242のSTCデータ値として、時間の経過とともに各STCデータ値の変化の様子を示している。
図7において、まず、図5に示した手順に従って、時刻T0にR_STCカウンタ142およびH_STCカウンタ242がリセットされる。これにより、R_STCカウンタ142およびH_STCカウンタ242に同一の初期値が設定され、双方同じようにカウントアップを再開する。そして、図7に示すように、時刻T1において、変動検出部432によりクロック再生における同期の乱れが検出されるとする。
ここで、変動検出時の受信側STCデータの値を「STC1」とし、PCRデータの値を「PCR1」とする。すなわち、時刻T1において、R_STCカウンタ142には、変動検出時のPCRデータの値「PCR1」が設定される。これにより、時刻T1からは、R_STCカウンタ142は「PCR1」からカウントアップを始め、一方、H_STCカウンタ242はこれまでのカウントアップを継続する。このとき、STC回復処理部143において生成される誤差データは、「(PCR1−STC1)」であるとする。また、この誤差データは、付加情報追加部144、パケット転送部131およびパケット受信部231を経由して転送されるため、転送時間等が必要である。そのため、誤差データは、時刻T2においてSTC補正部241に供給される。
このような転送時間nが必要であるため、時刻T2において、R_STCカウンタ142は「(PCR1+n)」、一方、H_STCカウンタ242は「(STC1+n)」のSTCデータ値となっている。この時点において、H_STCカウンタ242には、STC補正部241により、「(PCR1−STC1)」の値である誤差データが加算される。すなわち、この加算結果は、「(PCR1+n)」となる。よって、STC補正部241によりH_STCカウンタ242には、R_STCカウンタ142と同一の「(PCR1+n)」の値のSTCデータが設定される。
なお、以上の説明では、受信装置10からホスト装置20に対して、付加情報として「(PCR1−STC1)」の値を有した誤差データが転送される例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、変動検出時のPCRデータの値「PCR1」、および受信側STCデータの値「STC1」を個別に送る構成であってもよい。
この場合、STC補正部241は、付加情報抽出部222から供給された付加データから誤差データ「PCR1」および「STC1」を抽出する。そして、例えば、PCRデータから受信側STCデータを減算した値「(PCR1−STC1)」を求め、求められた差分値とH_STCカウンタ242の値「(STC1+n)」とを加算する。そして、STC補正部241は、加算した結果「(PCR1+n)」を補正データとして、H_STCカウンタ242に設定する。
また、上記以外にも例えば、受信装置10から受け取る誤差データの値は、「(STC1−PCR1)」であってもよい。この場合、STC補正部241において、誤差データがH_STCカウンタ242の値「(STC1+n)」から減算演算される。そして、STC補正部241は、減算した結果「(PCR1+n)」を補正データとして、H_STCカウンタ242に設定する。
本実施形態においては、誤差データを付加情報としてトランスポートストリームに挿入して転送する例を挙げて説明したが、例えば通知処理部132から誤差データ、あるいは変動検出時のPCRデータ、および受信側STCデータを個別に転送するような構成であってもよい。さらに、このようなデータ転送専用のインターフェースを設けてもよい。要するに、STC補正部241において、R_STCカウンタ142の受信側STCデータと同一の値「PCR1+n」が再現できるような変動情報データが、受信装置10からSTC補正部241に転送されればよい。
SDカードなどのインターフェースは、前述したように非同期通信であるため、転送時間nが定まっていない。しかし、本発明によれば、転送時間nの値によらず、受信装置とホスト装置とのクロックの同期を取ることが可能となる。つまり、本発明は、受信装置とホスト装置とのインターフェースが、同期か非同期かを問わず適用することができる。
また、本実施形態においては、付加情報追加部が、変動検出部からの変動検出信号を受け取れば有効フラグにおいて有効を示すフラグを設定し、受け取らなければ無効を示すフラグを設定する。そして、いずれの場合においても、誤差データを含む変動情報データを作成し、それをホスト装置に送出するように構成している。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、付加情報追加部が、変動検出部からの変動検出信号を受け取ったときのみ、変動情報データを作成し、それをホスト装置に送出するように構成してもよい。
(第2の実施形態)
前述の第1の実施形態においては、受信装置10からホスト装置20に対して、例えば、付加情報として「(PCR−STC)」の値を有した誤差データが転送され、受信側とホスト側のカウンタ値を同一に設定する場合を説明した。
本実施形態においては、誤差データを含むトランスポートストリームが伝送される伝送線で問題が生じたため、誤差データがホスト装置20に伝送されなかった場合にも、受信側とホスト側のカウンタ値を同一に設定できる構成について説明する。
図8は、本発明に係る一実施形態におけるデジタル放送受信システムの、デジタル放送受信装置、およびホスト装置の構成を示すブロック図である。この図8において、図2と同じ番号が付けられている機能部は、同様の機能を有するものであるため、詳細な説明は省略する。本実施形態に係る図8においては、図2に加えてさらに、以下の新たな3つの機能部を有する構成となっている。
IDカウンタ部146は、STC回復処理部143から付加情報追加部144に変動検出信号が通知されると、その度ごとにカウンタ値が1ずつ増加させられる構成となっている。つまり、IDカウンタ部146は、受信側STCデータの値とPCRデータの値とが大きく異なり、それらの差が設定された範囲外の値になった回数をカウントする機能部である。このIDカウンタ部146は、カウンタ部として機能する。
IDカウンタ部146において、カウンタ値が1ずつ増加させられる度に、その回数は付加データに含まれる通信IDに反映される。そして、その付加データは、受信装置10からホスト装置20へと伝送される。後述するID判定部243は、この付加データに含まれる通信IDに基づいて、PCRデータを含む誤差データをホスト装置20が取りこぼしていないかどうかを判定する。
累積情報蓄積部147は、STC回復処理部143から付加情報追加部144に変動検出信号および誤差データが伝送されると、その度ごとに誤差データを累積して記憶する構成となっている。例えば、誤差データが、変動検出時のPCRデータの値「PCR」、および受信側STCデータの値「STC」の差「(PCR−STC)」の形で構成されているとする。この場合は、付加情報追加部144に変動検出信号が通知される度に、その変動検出信号とともに送られてきた誤差データ「(PCR−STC)」を、順次加えて記憶する。
以下同様に、この累積情報蓄積部147は、付加情報追加部144に変動検出信号が通知される度に、その変動検出信号とともに送られてきた誤差データを順次加えて記憶する。以下、付加情報追加部144に変動検出信号が伝送された際、ともに送られた誤差データを現在値、それに対して、累積情報蓄積部147に記憶されている誤差データを累積値と呼ぶことにする。
ID判定部243は、PCRデータを含む誤差データを、ホスト装置20が取りこぼしていないかどうかを判定する機能部である。このID判定部243は、判定部として機能する。また、この判定は、付加情報抽出部222において抽出された付加データに含まれる通信IDに基づいて行なわれる。通信IDには、受信側STCデータの値とPCRデータの値とが大きく異なり、それらの差が設定された範囲外の値になった回数が記されている。つまり、通信IDにはIDカウンタ部146においてカウントされたカウンタ値が順次記される。
このID判定部243では、前回ID判定部243において読み取られたIDカウンタ部146におけるカウンタ値と、今回ID判定部243において読み取られたカウンタ値とが比較される。そして、それらが連続である場合には、PCRデータを含む誤差データをホスト装置20は取りこぼしておらず、すべて正しく受け取っていると判定される。それに対して、それらカウンタ値が不連続である場合には、PCRデータを含む誤差データをホスト装置20が取りこぼしていると判定される。この判定結果に基づき、付加データに含まれる誤差データとして、現在値を採用するか累積値を採用するかが決められる。
つまり、PCRデータを含む誤差データをホスト装置20が取りこぼしていない場合には、誤差データとして現在値を採用すればよい。そして、この値が付加情報抽出部222を介してSTC補正部241に送出されることで、ホスト側STCカウンタのカウント値と受信側STCカウンタのカウント値とが同一となる。それに対して、PCRデータを含む誤差データをホスト装置20が取りこぼしている場合には、誤差データとして現在値を採用し、所定の演算を行なっただけでは、取りこぼしの分を補うことができない。そのため、この場合には、誤差データとして累積値を採用し、所定の演算を行なうことで、ホスト側STCカウンタ242のカウント値と受信側STCカウンタ142のカウント値とが同一となる。
続いて、図8に示した構成により、H_STCカウンタ242のカウント値とR_STCカウンタ142のカウント値とを同一に設定するための処理の流れを説明する。
まず、受信装置10のチューナ処理部111において、アンテナで受信されたデジタル放送電波に対して、復調処理や誤り訂正処理等が施される。そして、それらの処理が施された復調信号が、チューナ処理部111からTS入力処理部121に伝送される。
TS入力処理部121は、チューナ処理部111からの復調信号を受け取り、この復調信号からトランスポートストリームを復元する。復元されたトランスポートストリームは、PCR抽出部122に供給される。
PCR抽出部122は、供給されたトランスポートストリームの各TSパケットのPID情報を検出し、このPID情報に基づきPCR情報を含むTSパケットを抽出する。さらに、PCR抽出部122は、抽出されたTSパケットに含まれるPCR情報を抽出し、PCRデータとしてSTC回復処理部143、およびR_STCカウンタ142に通知する。また、PCR抽出部122は、TS入力処理部121から供給されたトランスポートストリームをTS蓄積部123に供給する。
クロック生成部141は、STC回復処理部143から誤差データを受け取り、その誤差データに応じた周波数のクロック信号を生成する。そして、クロック生成部141は、生成されたクロック信号をR_STCカウンタ142に伝送する。さらに、クロック生成部141は、生成されたクロック信号を、ホスト装置20に伝送するインターフェースであるクロック出力部133に伝送する。このクロック出力部133に伝送されたクロック信号は、クロック信号を受信するホスト側のインターフェースであるクロック入力部233に伝送される。引き続いて、そのクロック信号は、クロック入力部233からH_STCカウンタ242のクロック入力端子に伝送される。
R_STCカウンタ142は、クロック入力端子(CK)を介して、クロック生成部141からのクロック信号を受け取る。そして、R_STCカウンタ142は、このクロック信号を計数することでカウントの動作を行なう。また、R_STCカウンタ142は、計数された値であるカウントデータを、受信側STCデータとしてカウント出力端子(OUT)から出力し、STC回復処理部143に供給する。
また、R_STCカウンタ142は、ロード入力端子(L)を介して、STC回復処理部143からの変動検出信号を受け取る。この変動検出信号を受け取ったR_STCカウンタ142は、ロードデータ入力端子(IN)を介して、PCR抽出部122からのPCRデータを取り込む。そして、R_STCカウンタ142は、カウント出力端子からのカウントデータが、取り込んだPCRデータの値となるよう設定する。
STC回復処理部143は、R_STCカウンタ142からの受信側STCデータおよびPCR抽出部122からのPCRデータを取り込む。そして、例えば、受信側STCデータとPCRデータとの差分演算を行い、その差分値を誤差データとする。
以上説明したように、PCR抽出部122からのPCRデータに基づき、クロック生成部141、R_STCカウンタ142およびSTC回復処理部143により、放送局側の基準クロックと同期したクロック信号を生成するクロック再生ループが構成される。
ここで、図3を用いて説明したように、STC回復処理部143は、誤差データに基づいて、クロック再生における同期の乱れや異常を検出する。例えば、STC回復処理部143は、受信側STCデータとPCRデータとの差分値が誤差データである場合には、その誤差データの値が所定の設定上限値と設定下限値の範囲内であるかどうかを監視している。そして、STC回復処理部143は、誤差データが設定された値の範囲外になったとき、同期の乱れや異常が検出されたとし、R_STCカウンタ142のロード入力端子に変動検出信号を出力する。さらに、STC回復処理部143は、誤差データが設定された値の範囲外になったとき、付加情報追加部144に対しても、変動検出信号および誤差データを伝送する。なお、STC回復処理部143は、誤差データの絶対値を監視し、誤差データの絶対値が設定上限値以上となったとき変動検出信号を出力するようにしてもよい。
付加情報追加部144は、TS入力処理部121により復元されたトランスポートストリームに、誤差データである変動情報データを挿入するための付加情報を生成する。付加情報は、誤差データおよびそのデータが有効か無効かを示す有効フラグを含んでいる。この有効フラグは、例えば、変動検出信号が通知されたときは有効を示すフラグが設定され、変動検出信号が通知されないときは無効を示すフラグが設定される。
また、この付加情報追加部144は、STC回復処理部143から受け取った変動検出信号および誤差データに基づいて、以下の処理を行なう。まず、付加情報追加部144は、変動検出信号を受け取ると、IDカウンタ部146を制御し、IDカウンタ部146のカウント値を1だけ増やす。そして、付加情報追加部144は、IDカウンタ部146のカウント値を付加情報に記す。
ここで、図9に、パケット転送部131から転送されるデータの通信フォーマットの一例を示す。図9において、TS1からTS5は、TS入力処理部121で復元されたTSパケットである。また、前述したように、STC回復処理部143において変動が検出されると、付加情報追加部144により付加情報が付加される。
この付加情報としては、例えば、第1フッタに誤差データの現在値が、第2フッタに誤差データの累積値が書き込まれている。この誤差データの累積値は、累積情報蓄積部147に記憶されている値である。そして、第1フッタと第2フッタとの間には、IDカウンタ部146のカウンタ値を表す、通信IDが書き込まれている。この通信IDは、変動が検出される度に書き換えられる。
また、第1フッタおよび第2フッタには、誤差データ以外にも、変動検出信号が通知されたか否かを表す有効フラグが少なくとも含まれている。パケット転送部131は、このような通信フォーマットに従って、付加情報を含むトランスポートストリームをビット単位でホスト装置20へと転送する。
さらに、付加情報追加部144は、誤差データを累積情報蓄積部147に供給する。累積情報蓄積部147には、これまで付加情報追加部144から供給された誤差データが累積されて記憶されているので、今回供給された誤差データがさらにそれに加えられて記憶されることになる。例えば、誤差データが、変動検出時のPCRデータの値「PCRn」、および受信側STCデータの値「STCn」の差「(PCRn−STCn)」の形で構成されているとする(nは変動検出された回数を表す整数)。この場合は、付加情報追加部144に変動検出信号が通知される度に、その変動検出信号とともに送られてきた誤差データ「(PCR−STC)」を、順次加えて記憶する。
ここでは、付加情報追加部144に変動検出信号に記憶されている誤差データの(x−1回目までの)累積値が「SUM」であり、次に通知された際(x回目)の誤差データが「(PCRx−STCx)」であるとする(xは何回目の変動検出かを表す整数)。この場合、累積情報蓄積部147においては、「SUM+(PCRx−STCx)」という演算が行なわれ、その値が記憶される。以下同様に、この累積情報蓄積部147は、付加情報追加部144に変動検出信号が通知される度に、その変動検出信号とともに送られてきた誤差データを順次加えて記憶する。そして、付加情報追加部144は、その累積された誤差データを付加情報に付加する。
付加情報追加部144は、誤差データ、IDカウンタ部146のカウント値(変動検出回数)および累積された誤差データを含む付加情報をTS蓄積部123に供給する。このとき、付加情報追加部144は、付加情報をTS蓄積部123に供給したことをパケット管理部124に通知する。
パケット管理部124は、PCR抽出部122からの各TSパケットに、付加情報追加部144からの付加情報を挿入するよう制御する。パケット管理部124からの指令を受けたTS蓄積部123は、付加情報追加部144から供給された付加情報を、PCR抽出部122から供給されたTSパケットとともに記憶する。
また、パケット管理部124は、ホスト装置20に転送するパケットがTS蓄積部123に準備できているかどうかを、TS蓄積部123に問い合わせて確認する。そして、転送の準備が完了していることが確認されると、パケット管理部124は、TS蓄積部123からパケット転送部131に対して、付加情報およびTSパケットで構成されるトランスポートストリームを供給させる。このとき、パケット管理部124は、パケット転送の準備が完了していることを通知処理部132に通知する。
受信側インターフェースである通知処理部132は、その通知を受け取ると、ホスト側インターフェースである通知受信部232に対して、パケットの準備完了を通知する。その通知を受け取った通知受信部232は、ホスト制御部291に対して、さらにその通知を転送する。
パケット準備完了の通知を受け取ったホスト制御部291は、コマンド送信部234に対して、TSパケット読み出しコマンドを発行する。これにより、コマンド送信部234からコマンド受信部134に対してTSパケット読み出しコマンドであるコマンドデータが伝送される。コマンド受信部134は、受信したコマンドデータを解析し、受信したコマンドデータがTSパケット読み出しコマンドである場合、パケット転送部131に対してパケット送出指示信号を通知する。これにより、パケット転送部131は、TS蓄積部123に蓄積されたTSパケットをパケット受信部231に転送する。以上のような処理手順に従って、受信装置10からホスト装置20へと、付加情報を含め、復元されたトランスポートストリームが転送される。
パケット受信部231は、パケット転送部131から受信したトランスポートストリームを付加情報抽出部222に供給する。付加情報抽出部222は、パケット受信部231から供給されるトランスポートストリームをPES処理部221に供給する。
PES処理部221は、供給されたトランスポートストリームを、映像データを格納した映像パケット、音声データを格納した音声パケットおよび受信に関した情報等を有する情報データパケットに分離する。続いて、PES処理部221は、映像パケット、音声パケット等各番組のコンテンツデータを格納したパケットのみを分離し、PESに再構成する。そして、PES処理部221は、再構成したPESを映像デコーダ211および音声デコーダ212に供給する。
さらに、付加情報抽出部222は、パケット受信部231から供給されるトランスポートストリームから付加情報を抽出する。この付加情報には、図9に示したように、有効フラグ、誤差データの現在値および誤差データの累積値に加えて、変動検出回数を表す通信IDが付加されている。そして、付加情報抽出部222において抽出された付加情報は、ID判定部243に供給され、そこでPCRデータを含む誤差データをホスト装置20が取りこぼしていないかどうかが判定される。
まず、ID判定部243は、付加情報抽出部222において抽出された付加データに含まれる通信IDを参照し、IDカウンタ部146における最新のカウンタ値を読み込む。ここで、前回ID判定部243において読み取られたカウンタ値と、今回読み取られたカウンタ値とが比較される。そして、それらが連続な整数である場合には、PCRデータを含む誤差データをホスト装置20は取りこぼしておらず、すべて正しく受け取っていると判定される。それに対して、それらカウンタ値が不連続である場合には、PCRデータを含む誤差データをホスト装置20が取りこぼしていると判定される。この判定結果に基づき、付加データに含まれる誤差データとして、現在値を採用するか累積値を採用するかが決められる。
具体的には、例えば、STC回復処理部143において3回、同期の乱れや異常が検出されたとする。この場合、IDカウンタ部146のカウンタ値は「3」であり、付加情報中の通信IDにも「3」と記されている。また、累積情報蓄積部147において、今回の誤差データ「SUM3(=PCR3−STC3)」が、これまでの累積値にさらに加えられている。ここで、SUMn=PCRn−STCnとする(nは変動検出された回数を表す整数)。そして、これらカウンタ値および誤差データを含むトランスポートストリームが、TS蓄積部123に供給される。
その後、トランスポートストリーム中の通信IDが、パケット転送部131、パケット受信部231および付加情報抽出部222を介して、ID判定部243に供給される。ID判定部243は、通信IDを参照し、自らが記憶している値(「2」)と、通信IDの値(「3」)とを比較する。その結果、それらの値が連続した整数であるため、PCRデータを含む誤差データをホスト装置20が取りこぼしていないと判定する。そして、自らが記憶している値をカウントアップして「3」とし、さらには、付加情報抽出部222に対して、付加情報中の第1フッタの情報を読み出すよう通知する。
この通知を受け取った付加情報抽出部222は、第1フッタに書き込まれている誤差データの現在値をSTC補正部241に供給する。STC補正部241は、供給された付加情報から有効フラグおよび誤差データの現在値「SUM3(=PCR3−STC3)」を抽出する。
以下、第1の実施形態において説明したことと同様にして、ホスト装置20のH_STCカウンタ242のカウント値を、受信装置10のR_STCカウンタ142のカウント値と同一となるように補正することができる。
続いて、STC回復処理部143において、4回目の変動が検出されたとする。この場合、付加情報追加部144を介してIDカウンタ部146のカウンタ値は「4」にカウントアップされる。そして、それに応じて、付加情報中の通信IDには「4」が上書きされる。また、それと同時に、累積情報蓄積部147において、今回の誤差データ「SUM4(=PCR4−STC4)」が、これまでの累積値にさらに加えられる。そして、これらカウンタ値および誤差データを含むトランスポートストリームが、TS蓄積部123に供給される。ここで、パケット転送部131とパケット受信部231との送受信の不具合等により、そのトランスポートストリームがホスト装置20に供給されなかったとする。その結果、ID判定部243は、トランスポートストリームに含まれる通信IDを参照することができないので、「3」という値を記憶したままとなる。
引き続いて、STC回復処理部143において、5回目の変動が検出されたとする。この場合、付加情報追加部144を介してIDカウンタ部146のカウンタ値は「5」にカウントアップされる。そして、それに応じて、付加情報中の通信IDには「5」が上書きされる。また、それと同時に、累積情報蓄積部147において、今回の誤差データ「SUM5(=PCR5−STC5)」が、これまでの累積値にさらに加えられる。そして、これらカウンタ値および誤差データを含むトランスポートストリームが、TS蓄積部123に供給される。
その後、トランスポートストリーム中の通信IDが、パケット転送部131、パケット受信部231および付加情報抽出部222を介して、ID判定部243に供給される。ID判定部243は、通信IDを参照し、自らが記憶している値(「3」)と、通信IDの値(「5」)とを比較する。その結果、それらの値が連続した整数ではないため、PCRデータを含む誤差データをホスト装置20が取りこぼしていると判定する。そして、自らが記憶している値を通信IDの最新の値までカウントアップして「5」とし、さらには、付加情報抽出部222に対して、付加情報中の第2フッタの情報を読み出すよう通知する。この通知を受け取った付加情報抽出部222は、第2フッタに書き込まれている誤差データをSTC補正部241に供給する。STC補正部241は、供給された付加情報から有効フラグおよび誤差データの累積値「SUM1+SUM2+SUM3+SUM4+SUM5」を抽出する。以下、第1の実施形態において説明したことと同様にして、ホスト装置20のH_STCカウンタ242のカウント値を、受信装置10のR_STCカウンタ142のカウント値と同一となるように補正することができる。
次にこの補正処理の流れを、図を用いて説明する。図10は、R_STCカウンタ142とH_STCカウンタ242とにおけるSTCデータの値の推移を示した図である。図10は、横軸を時間とし、縦軸をR_STCカウンタ142およびH_STCカウンタ242のSTCデータ値として、時間の経過とともに各STCデータ値の変化の様子を示している。
図10において、まず、図5に示した手順に従って、時刻T0にR_STCカウンタ142およびH_STCカウンタ242がリセットされる。これにより、R_STCカウンタ142およびH_STCカウンタ242に同一の初期値が設定され、双方同じようにカウントアップを再開する。そして、図10に示すように、時刻T1において、変動検出部432によりクロック再生における同期の乱れが検出されるとする。
ここで、変動検出時の受信側STCデータの値を「STC1」とし、PCRデータの値を「PCR1」とする。すなわち、時刻T1において、R_STCカウンタ142には、変動検出時のPCRデータの値「PCR1」が設定される。これにより、時刻T1からは、R_STCカウンタ142は「PCR1」からカウントアップを始め、一方、H_STCカウンタ242はこれまでのカウントアップを継続する。
このとき、累積情報蓄積部147において生成される誤差データは、現在値「SUM1(=PCR1−STC1)」である。また、この誤差データは、付加情報追加部144、パケット転送部131およびパケット受信部231を経由して転送されるため、転送時間等が必要である。そのため、誤差データは、時刻T2においてSTC補正部241に供給される。
このような転送時間n1が必要であるため、時刻T2において、R_STCカウンタ142は「(PCR1+n1)」、一方、H_STCカウンタ242は「(STC1+n1)」のSTCデータ値となっている。
第1の実施形態においては、この時刻T2において、H_STCカウンタ242に、STC補正部241により、「(PCR1−STC1)」の値である誤差データが加算される。そして、H_STCカウンタ242とR_STCカウンタ142とに同一の「(PCR1+n)」の値のSTCデータが設定された。
しかしながら、本実施形態においては、誤差データを含むストリーム信号が伝送される伝送線で問題が生じたため、時刻T2において、誤差データがホスト装置20に伝送されていない、つまりホスト装置20が誤差データを取りこぼしているとする。そのため、H_STCカウンタ242およびR_STCカウンタ142は共にカウントアップを継続する。
そして、図10に示すように、時刻T3において、変動検出部432によりクロック再生における同期の乱れが検出されたとする。
ここで、変動検出時の受信側STCデータの値を「STC2(=PCR1+n1+t)」とし、PCRデータの値を「PCR2」とする。すなわち、時刻T3において、R_STCカウンタ142には、変動検出時のPCRデータの値「PCR2」が設定される。これにより、時刻T3からは、R_STCカウンタ142は「PCR2」からカウントアップを始め、一方、H_STCカウンタ242はこれまでのカウントアップを継続する。
このとき、累積情報蓄積部147において生成される誤差データは、累積値「SUM1+SUM2(=PCR1−STC1+PCR2−STC2)」であり、その誤差データは、時刻T4においてSTC補正部241に供給される。また、転送時間n2が必要であるため、時刻T4において、R_STCカウンタ142は「(PCR2+n2)」、一方、H_STCカウンタ242は「(STC1+n1+t+n2)」のSTCデータ値となっている。
STC補正部241において、前記の誤差データがH_STCカウンタ242のSTCデータ値に加えられると、STC2とPCR1+n1+tとが等しいことを用いて、「(PCR2+n2)」が得られる。これは、R_STCカウンタ142のSTCデータ値と同一である。
以上説明したように、本実施形態によれば、累積情報蓄積部147において生成される誤差データの累積値を用いることにより、ホスト装置20が誤差データを取りこぼしても、R_STCカウンタ142とH_STCカウンタ242のカウント値を同一にすることが可能となる。
以上により、受信装置10とホスト装置20のカウント値とは同一となっているので、映像および音声の再生が可能となる。つまり、映像デコーダ211は、供給されたPESから映像パケットのみを抽出し、さらに映像パケットの映像データから映像信号を復元し、モニタ等へと出力する。また、音声デコーダ212は、供給されたPESから音声パケットのみを抽出し、さらに音声パケットの音声データから音声信号を復元し、スピーカ等へと出力する。
なお、以上の説明では、受信装置10からホスト装置20に対して、付加情報として「(PCR−STC)」の累積値を有した誤差データが転送される例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、転送される値としては、変動検出時のPCRデータの累積値および受信側STCデータの累積値であってもよい。また、誤差データとして「(STC−PCR)」の累積値を用い、STC補正部241により減算演算するような構成であってもよい。
本実施形態においては、誤差データを付加情報としてトランスポートストリームに挿入して転送する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、通知処理部132から誤差データ、あるいは変動検出時のPCRデータおよび受信側STCデータを個別に転送するような構成であってもよい。さらには、このようなデータ転送専用のインターフェースを設けてもよい。要するに、STC補正部241において、R_STCカウンタ142の受信側STCデータと同一の値が再現できるような変動情報データが、受信装置10からSTC補正部241に転送されればよい。
(第3の実施形態)
以上の実施形態による受信装置10およびホスト装置20において、各種の機能を有する個別のブロック(機能部)は、個別の半導体集積回路により構成されているとしてもよいが、それらの幾つかが単一の半導体集積回路により構成されてもよい。半導体集積回路は、例えば、LSI(Large Scale Integration;大規模集積回路)である。
前述の第1または第2の実施形態においては、ホスト装置20の各ブロックは、以下の4つの機能ブロックにグループ分けすることができる。1つ目は、本発明に係るカウンタ補正機能ブロックである。これは、付加情報抽出部222、STC補正部241およびH_STCカウンタ242とから構成されている。2つ目は、制御ブロックである。これは、ホスト制御部291から構成されている。3つ目は、インターフェースブロックである。これは、パケット受信部231、通知受信部232、クロック入力部233、コマンド送信部234およびリセット受信部235とから構成されている。そして、4つ目は、デコーダブロックである。これは、映像デコーダ211、音声デコーダ212およびPES処理部221とから構成されている。
図11は、本発明の一実施形態に係るデジタル放送受信システムの全体構成を示すブロック図である。この図の構成は、図2に示した受信装置10およびホスト装置20と同じであるが、ホスト装置20において、半導体集積回路で構成することが望ましいブロックを、矩形の点線で囲んで示してある。
この図11に示した例では、半導体集積回路は、ホスト装置20におけるカウンタ補正機能ブロック、つまり、付加情報抽出部222、STC補正部241およびH_STCカウンタ242とから構成されている。
このような構成とすることにより、半導体集積回路は、前述の第1または第2の実施形態において説明したクロック同期の、ホスト装置における中心的な機能を有することになる。つまり、半導体集積回路中の付加情報抽出部222は、受信装置10から送られてきた有効フラグおよび誤差データを抽出し、STC補正部241に送出する。STC補正部241は、受け取った有効フラグを参照し、それが有効であれば、誤差データとホスト側STCデータとに所定の演算を施す。そして、STC補正部241は、得られた値を補正データとして、H_STCカウンタ242に設定する。これにより、本発明に係る受信装置10とホスト装置20とのクロック同期を実行することができる。
また、図12に示したように、半導体集積回路としては、この図11に示したカウンタ補正機能ブロックに、制御ブロック、つまりホスト制御部291を加える構成も可能である。これにより、ホスト制御部291からリセットコマンドなどのコマンドデータを送信させたり、各機能部を制御させたりする、能動的な機能を持たせることが可能となる。
さらに、図12と同様にして、半導体集積回路で構成することが望ましいブロックの例を、図13、図14および図15に矩形の点線で囲んで示す。
まず、図13においては、図11において矩形の点線で囲んだコアとなる部分に、さらに、ホスト制御部291、パケット受信部231、通知受信部232、クロック入力部233およびコマンド送信部234が加えられている。つまり、コア部分に、制御ブロックおよび受信装置10とのインターフェースを担うインターフェースブロックを加えたものである。これにより、半導体集積回路の外部に、別個のインターフェースを設ける必要がなくなる。
次に、図14においては、図13において矩形の点線で囲んだ部分に、さらに、リセット受信部235が加えられている。
そして、図15においては、図14において矩形の点線で囲んだ部分に、さらに、PES処理部221、映像デコーダ211および音声デコーダ212が加えられている。つまり、コア部分に制御ブロック、インターフェースブロック、さらにデコーダブロックを加えたものである。これにより、半導体集積回路の外部に、別個のデコーダを設ける必要がなくなる。
このように、本発明に係る複数のブロック(機能部)を1つの半導体集積回路に組み込むことにより、これらブロックの小型化および処理の高速化を実現することができる。さらには、個別のブロックで構成した場合に比べ、接続不良がほとんどなく、ブロック間の調整作業も不必要となる。このため、上述したような半導体集積回路を用いれば、本発明に係るクロック同期の機能を有するとともに、動作の安定したホスト装置を提供することができる。
また、図13、図14および図15に示した、半導体集積回路を構成する機能ブロックから、ホスト制御部291から構成される制御ブロックを除き、受動的な回路とすることも可能である。
以上説明した半導体集積回路に組み込まれるブロックは、あくまでも例示であり、説明した以外のブロックを有する、あるいは説明したブロックの一部を含まない構成であっても構わない。さらに、受信装置において、本発明に係る複数のブロック(機能部)を1つの半導体集積回路に組み込むこともまた可能である。
以上説明したように、本発明のデジタル放送受信システムでは、受信状態が悪化するなどの異常が発生した場合には、まず、抽出したPCRデータが受信側STCカウンタであるR_STCカウンタ142に設定される。そして、PCRデータを含む変動情報データがホスト装置20に転送される。この変動情報データを利用して、ホスト装置側STCカウンタであるH_STCカウンタ242のカウント値がR_STCカウンタ142のカウント値と同一となるように補正される。これにより、本デジタル放送受信システムにおいては、クロック同期再生が高速化されるとともに、精度よく画像や音声を復元することができる。
すなわち、本発明のデジタル放送受信システムでは、ホスト装置20は、受信装置10で同期再生したクロック信号を用いて各デジタル処理を行なう構成であるため、クロック信号の共通化が図られる。これにより、ホスト装置20においてクロック再生を行なうような構成とする必要はなく、かつ受信装置10で同期再生したクロック信号を即座に利用できる。また、ホスト装置20にクロック生成部を設ける必要がないため、部品数の削減を図るとともに、低消費電力化や小型化を図ることが可能となる。そのため、本発明は、例えば持ち運び可能な移動体を対象としたデジタル放送受信システムに好適である。
図16は、移動体を対象としたようなホスト装置20に着脱可能な特殊メモリカードとしての受信装置10を装着可能としたデジタル放送受信システムの具体的な構成の一例を示す図である。図16では、ホスト装置20としての携帯電話のメモリカード装着部330に、メモリカードとのインターフェースを利用して受信装置10を装着した例を示している。
図16において、ホスト装置20は、携帯電話本体320、使用者が電話番号の入力や動作指示を入力操作するキー入力部322,使用者に通話情報等を知らせる表示部321、送受信のためのアンテナ323,および携帯電話本体320内部の各種処理回路(図示せず)により構成される。このような処理回路には、図2で説明したようなホスト装置20の機能が含まれる。
また、デジタル放送を受信する機能を有した特殊メモリカード310を装着できる装着部330が、携帯電話本体320の上部に設けられている。特殊メモリカード310は、図2で説明したような受信装置10の機能を有したカード本体311と、デジタル放送を受信するためのアンテナ312により構成される。すなわち、特殊メモリカード310は、受信したデジタル放送電波を復調し、復調した信号を複数のパケットで構成されるストリーム信号として送出する機能を備えた電子カードである。
また、装着部330において、図1のデジタルインターフェース30で示した信号やデータの接続が行われる。つまり、受信装置10とホスト装置20とは、受信側のI/F部13とホスト側のI/F部23とを接続するデジタルインターフェース30により接続される。このデジタルインターフェース30により、少なくとも、受信装置10から、TS受信処理部12で復元したトランスポートストリーム信号、クロック生成部141で生成したクロック信号、および変動処理部としての付加情報追加部144に記憶した変動情報データを、ホスト装置20に伝送するように、受信装置10とホスト装置20とが接続されればよい。
なお、特殊メモリカード310で示す電子カードは、受信したデジタル放送電波を復調し、復調した信号を複数のパケットで構成されるストリーム信号として送出する機能を備えたSDカードなどで実現できる。このとき、SDカードから送出される、ストリーム信号、クロック信号および変動情報データは、SDカード仕様で定められたデータラインを利用、あるいはデータラインとコマンドラインとを利用して伝送することができる。
SDカード仕様で定められたデータラインを利用することで、SDカードの高度な著作権保護機能、および高速な情報通信機能を有効に利用することができる。
これにより、例えば、使用者が装着部330に、受信装置10の機能を有した特殊メモリカード310を装着することにより、携帯電話本体320と受信装置10の機能を有した特殊メモリカード310とを組み合わせた使用形態が可能となる。すなわち、受信装置10の機能を有した特殊メモリカード310を装着することで、表示部321に特殊メモリカード310で受信したデジタル放送の番組を表示できる。
このように、ホスト装置20の使用者は、デジタル放送の視聴を希望するとき、携帯電話本体320にデジタル放送が受信できる特殊メモリカード310を装着することで、デジタル放送が視聴できる。また、デジタル放送の視聴を希望しないときには、特殊メモリカード310を外した状態とすることで、通常の携帯電話として使用できる。なお、特殊メモリカード310を装着した状態で、通常の携帯電話として使用できるようにしてもよい。また、特殊メモリカード310に代えて、通常のSDカードなどのメモリカードも装着でき、携帯電話機能とメモリカード機能とを組み合わせた利用も可能であるようにしてもよいことは言うまでもない。
また、図16では、ホスト装置として携帯電話の例を挙げているが、PDAやデジタルカメラ、あるいはナビゲーション装置など移動体を対象とした機器をホスト装置としてもよい。さらには、本発明は、セットトップボックスのような、移動を対象としない機器に対しても適応できる。
(その他の実施形態)
前述の第1および第2の実施形態においては、ユーザ指示によりチャンネルが切り替えられた場合などに、ホスト制御部291がそれを検出し、初期化のためのリセット処理を行なうとした。しかしながら、本発明はそれに限られることなく、受信装置10が変動を検出したことを伝える信号が、トランスポートストリームが伝送される伝送線とは異なる伝送線を介して、ホスト装置20のホスト制御部291へ通知されるように構成することも可能である。
まず、STC回復処理部143によって同期の乱れや異常が検出されると、変動検出信号がSTC回復処理部143から付加情報追加部144に対して通知される。そして、付加情報追加部144は、変動検出信号が検出されているか否かを、パケット管理部124を介して通知処理部132に通知する。受信側インターフェースである通知処理部132は、その通知を受け取ると、ホスト側インターフェースである通知受信部232に対して、変動検出信号の検出の有無を通知する。そして、その通知を受け取った通知受信部232は、ホスト制御部291に対して、さらにその通知を転送する。
ホスト制御部291は、変動検出信号の検出の有無を解析し、変動検出信号が検出されたと判断された場合、コマンド送信部234に対してリセットコマンドを発行する。これにより、コマンド送信部234からコマンド受信部134に対してリセットコマンドであるコマンドデータが伝送される。コマンド受信部134は、受信したコマンドデータを解析し、それがリセットコマンドを含んでいる場合、リセット処理部145に対してリセット信号を通知する。この通知を受け取ったリセット処理部145は、R_STCカウンタ142をリセットする。
続いて、リセット処理部145は、リセット受信部235へ、R_STCカウンタ142をリセットしたことを通知する。この通知は、例えば、受信装置10からホスト装置20へのリセット信号ラインを通じて行なえばよい。リセット受信部235は、R_STCカウンタ142がリセットされた旨の通知を受け取ると、H_STCカウンタ242に対してリセットを実行する。これにより、受信装置10内のR_STCカウンタ142とホスト装置20内のH_STCカウンタ242のカウント値が、ほぼ同時に、例えばゼロなどの初期値に設定される。
前述の実施形態では、受信装置10からホスト装置20に対して、受信装置10で復元したトランスポートストリーム信号に付加情報を含めて送出するような例を挙げて説明した。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば、復元したトランスポートストリーム信号に基づき再生成したPES形式や、セクション形式のストリーム信号に付加情報を含めて送出するような形態であってもよい。
また、前述の実施形態では、本発明をデジタル放送におけるMPEG2システムに適用した場合を説明したが、本発明はそれに限定されず、例えば、ネットワークを介してデジタルコンテンツを配信、受信するシステムなどを含めたデジタル通信システム一般に適用可能である。
(実施の形態の概要)
本発明の実施の形態の概要を以下に記載する。
(1) あるデジタル信号受信システムは、デジタル通信信号を受信し、前記通信信号に含まれるPCRデータに基づきクロック信号を生成する機能を備えるとともに、前記通信信号を含み、複数のパケットで構成されるストリーム信号およびクロック信号を送出する機能を備えるデジタル信号受信装置と、インターフェース部を介して前記デジタル信号受信装置からの前記ストリーム信号およびクロック信号を受信するホスト装置とにより構成されるデジタル信号受信システムであって、前記デジタル信号受信装置は、前記クロック信号のクロック数をカウントし、カウントした値を受信側STCデータとして出力する受信側STCカウンタと、前記受信側STCデータと前記PCRデータとの差分値を誤差データとし、前記誤差データに基づき、所定値以上の周波数の変動を検出する変動検出部と、前記受信側STCデータと前記PCRデータとに基づく変動情報データを前記ホスト装置に送出するとともに、前記変動検出部において、前記所定値以上の周波数の変動が検出されると、前記受信側STCカウンタに前記PCRデータを設定する変動処理部とを備え、前記ホスト装置は、前記デジタル信号受信装置から受け取った前記クロック信号のクロック数をカウントし、カウントした値をホスト側STCデータとして出力するホスト側STCカウンタと、前記変動検出部において、前記所定値以上の周波数の変動が検出されると、前記ホスト側STCデータと前記変動情報データとに基づき演算した値を補正データとし、前記ホスト側STCカウンタに前記補正データを設定することにより、受信側STCカウンタとホスト側STCカウンタの値を一致させるSTC補正部とを備えるものである。
この構成によれば、デジタル信号受信装置は、例えば受信状態が悪化するなどの異常が発生した場合に、抽出したPCRデータを受信側STCカウンタに設定する。以後、受信側STCカウンタは、そのPCRデータの値から継続してカウントを続ける。そして、デジタル信号受信装置は、受信側STCデータとPCRデータに基づく変動情報データをホスト装置に転送する。このとき、ホスト側STCカウンタは、デジタル信号受信装置から受け取ったクロック信号のクロック数をカウントし続けている。したがって、受信側STCカウンタとホスト側STCカウンタのカウントした値の差は、時間によらず一定である。つまり、そのカウントした値の差は、デジタル信号受信装置から送出された変動情報データが、ホスト装置に受け取られるまでの転送時間にはよらない。また、この変動情報は、受信側STCカウンタとホスト側STCカウンタのカウントした値の差を、作り出せる形式のものである。
STC補正部は、この変動情報データを用いて、ホスト側STCカウンタのカウント値を受信側STCカウンタのカウント値と同一となるように補正する。これにより、デジタル信号受信装置とホスト装置とにおいて、確実なクロック同期再生が可能となる。
また、デジタル信号受信装置とホスト装置とにおいて、クロック信号の共用化を図っているため、ホスト装置にクロックを生成する機能を持たせる必要がなく、デジタル信号受信システムの低消費電力化や小型化を図ることが可能となる。
(2) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(1)であって、前記変動情報データは最初に変動が検出されてからの累積値であり、前記デジタル信号受信装置は最初に変動が検出されてからの変動回数をカウントするカウンタ部をさらに備え、前記ホスト装置はデジタル信号受信装置から受け取った前記変動回数を順次記憶し、その記憶している前記変動回数と、新たにデジタル信号受信装置から送られてきた変動回数とを比較し、それらが連続な整数でない場合に、前記変動情報データを補正データとして設定する判定部とをさらに備える。
この構成によれば、デジタル信号受信装置は、例えば受信状態が悪化するなどの異常が発生した場合に、抽出したPCRデータを受信側STCカウンタに設定する。以後、受信側STCカウンタは、そのPCRデータの値から継続してカウントを続ける。そして、デジタル信号受信装置は、受信側STCデータとPCRデータに基づく変動情報データをホスト装置に転送する。この変動情報データは、最初に変動が検出されてからの累積値である。また、ホスト側STCカウンタは、デジタル信号受信装置から受け取ったクロック信号のクロック数をカウントし続けている。
ここで、誤差データを含むストリーム信号が伝送される伝送線で問題が生じたため、誤差データがホスト装置に正確に伝送されなかった場合であっても、変動情報データは最初に変動が検出されてからの累積値である。そのため、STC補正部は、この変動情報データを用いて、ホスト側STCカウンタのカウント値を受信側STCカウンタのカウント値と同一となるように補正することができる。これにより、デジタル信号受信装置とホスト装置とにおいて、確実なクロック同期再生が可能となる。
(3) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(1)または(2)であって、前記STC補正部は、前記変動情報データとして供給された前記PCRデータおよび前記受信側STCデータに基づき、それらの差分値を求め、求められた差分値と前記ホスト側STCデータとに所定の演算を行った結果を前記補正データとして、前記ホスト側STCカウンタに設定するものである。
この構成によれば、受信装置は、デジタル信号の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとを、それぞれ個別に変動情報データとしてホスト装置に供給する。そして、ホスト装置のSTC補正部は、これらのデータの差分値を求め、受信装置とホスト装置とのクロック同期を取るための補正データを作成し、それをホスト側STCカウンタに設定する。これにより、ホスト側STCカウンタのカウント値と受信側STCカウンタのカウント値とを同一に設定できる。また、クロック同期に必要な演算をSTC補正部のみで行なうため、機能の変更や拡張を行なうことが容易である。
(4) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(3)であって、前記STC補正部は、供給された前記変動情報データに基づき、前記PCRデータから前記受信側STCデータを減算した値を求め、求められた差分値と前記ホスト側STCデータとを加算した結果を前記補正データとして、前記ホスト側STCカウンタに設定するものである。
この構成によれば、受信装置は、デジタル信号の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとを、それぞれ個別に変動情報データとしてホスト装置に供給する。そして、ホスト装置のSTC補正部は、(PCRデータ)−(STCデータ)の値を求め、これをホスト側STCデータに加える。受信装置とホスト装置とにおいて、STCデータの値は共通であるため、これにより、ホスト側STCカウンタには、受信側STCカウンタと同じカウント値が設定される。
(5) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(1)または(2)であって、前記STC補正部は、前記変動情報データとして供給された前記PCRデータと前記受信側STCデータとの差分値と、前記ホスト側STCデータとに所定の演算を行った結果を前記補正データとして、前記ホスト側STCカウンタに設定するものである。
この構成によれば、受信装置は、デジタル信号の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとの差分値を求め、それを変動情報データとしてホスト装置に供給する。そのため、変動情報データのデータ量を少なくすることができる。そして、ホスト装置のSTC補正部は、受け取った差分値とホスト側STCデータとに所定の演算を行い、受信装置とホスト装置とのクロック同期を取るための補正データを作成し、それをホスト側STCカウンタに設定する。これにより、ホスト側STCカウンタのカウント値と受信側STCカウンタのカウント値とを同一に設定できる。
(6) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(5)であって、前記STC補正部は、前記変動情報データとして供給された前記PCRデータから前記受信側STCデータを減算した差分値と、前記ホスト側STCデータとを加算した結果を前記補正データとして、前記ホスト側STCカウンタに設定するものである。
この構成によれば、受信装置は、デジタル信号の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとの差分値(PCRデータ)−(STCデータ)を求め、それを変動情報データとしてホスト装置に供給する。そのため、変動情報データのデータ量を少なくすることができる。そして、ホスト装置のSTC補正部は、変動情報データとして受け取った差分値をホスト側STCデータに加える。受信装置とホスト装置とにおいて、STCデータの値は共通であるため、これにより、ホスト側STCカウンタには、受信側STCカウンタと同じカウント値が設定される。
(7) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(3)ないし(6)のいずれかであって、前記変動情報データは、前記インターフェース部から送出される前記ストリーム信号に挿入されて送出されるものである。
この構成によれば、受信装置からホスト装置へ変動情報を送出するための余計な伝送線を設ける必要がない。また、通信信号と変動情報データとが同一のストリーム信号内にあるため、それらが別々に送られた場合に比べ、それぞれの対応付けが容易である。そのため、例えば、ストリーム信号から復元された画像や音声の正確な再現が可能となる。
(8) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(7)であって、前記変動検出部は、前記誤差データに基づき、前記クロック信号の前記周波数の変動を検出するものである。
この構成によれば、デジタル通信の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとの差分値に基づいてクロックの同期を取る、通常のMPEG2システムにおける回路を流用することができるので、構成が簡易となる。
(9) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(8)であって、前記変動検出部は、前記誤差データの値が所定の下限値と上限値とで定められる範囲を外れたとき、前記クロック信号における前記周波数の変動を検出したとする変動検出信号を出力するものである。
この構成によれば、下限値および上限値を自由に設定できるので、その範囲を適度に選ぶことにより、変動検出を有効に実行できる。また、誤差データの値が所定の範囲のどこに位置するかを判定するのは容易なため、回路構成を簡略にし得る。
(10) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(9)であって、前記デジタル信号受信装置は、前記変動情報データが有効か無効かを示すフラグを設定するとともに、前記フラグおよび前記前記変動情報データを含む付加情報を前記ストリーム信号に挿入させる付加情報追加部をさらに備えるものである。
この構成によれば、付加情報追加部は、ストリーム信号に単に付加情報を挿入させるだけではなく、変動情報に基づいて、付加情報が有効か無効かを示す情報等を含ませることが可能となる。これにより、ホスト装置が付加情報を取捨選択する基準が明確になるので、誤った処理を行なうことが抑えられる。
(11) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(10)であって、前記ホスト装置は、前記インターフェース部を介して受け取った前記ストリーム信号に含まれる前記付加情報を抽出し、さらに前記付加情報から抽出された前記変動情報データを前記STC補正部に供給する付加情報抽出部をさらに備えるものである。
この構成によれば、付加情報抽出部は、ストリーム信号に挿入された付加情報を抽出し、残りの通信信号と分離することが可能となる。これにより、クロック同期に必要な付加情報と、通信再生に必要なデータとを別々の、所定の機能部に送出することが可能となる。
(12) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(11)であって、前記デジタル信号受信装置は、前記ホスト装置から、前記デジタル信号受信装置の各処理を制御するためのコマンドデータを受け取るコマンド受信部と、前記ホスト装置に、前記デジタル信号受信装置からの情報を通知する通知処理部とをさらに備え、前記ホスト装置は、前記デジタル信号受信装置に、前記デジタル信号受信装置の各処理を制御するための前記コマンドデータを送信するコマンド送信部と、前記デジタル信号受信装置からの情報を受け取る通知受信部とをさらに備えるものである。
この構成によれば、デジタル信号受信装置の各処理を制御するためのコマンドデータ、例えばリセットコマンドを、ホスト装置からコマンド送信部およびコマンド受信部を介して、受信装置に送信することが可能となる。また、受信装置からの情報、例えば転送するパケットの準備完了を、受信装置から通知処理部および通知受信部を介して、ホスト装置に送信することが可能となる。
(13) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(12)であって、前記デジタル信号受信装置は、前記ホスト装置から前記コマンド受信部を介して送出されたリセット信号を受け取ると、前記受信側STCカウンタを所定の初期状態にリセットするとともに、前記ホスト装置にリセットしたことを通知するリセット信号を出力するリセット処理部をさらに備え、前記ホスト装置は、前記リセット処理部からの前記リセット信号に基づき、前記ホスト側STCカウンタを所定の初期状態にリセットするリセット受信部とをさらに備えるものである。
この構成によれば、ホスト装置からのリセット信号を受け取ったリセット処理部は、受信側STCカウンタを例えばゼロなどの初期値に設定する。続いて、リセット処理部は、リセット信号をリセット受信部に送出する。このリセット信号を受け取ったリセット受信部は、ホスト側STCカウンタを受信側STCカウンタと同じ値、例えばゼロなどの初期値に設定する。これにより、両カウンタに、同時にゼロなどの初期値を設定することができる。そのため、以後のカウンタのクロック同期を取る処理が有効に行なえる。
(14) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(1)ないし(13)のいずれかであって、前記デジタル信号受信装置と前記ホスト装置は、デジタルインターフェースにより接続されるものである。
この構成によれば、ストリーム信号を、受信装置からホスト装置に、圧縮せずにデジタル形式で伝送することができるため、信号の劣化を抑えることができる。
(15) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(14)であって、前記デジタルインターフェースは、少なくとも、前記デジタル信号受信装置から、前記ストリーム信号、前記クロック信号および前記変動情報データを伝送するものである。
この構成によれば、クロック信号により受信装置とホスト装置とのクロックの同期が取られている。そして、受信装置において周波数の変動が検出された場合には、変動情報データに基づいて、クロック同期再生が行なわれる。これにより、ストリーム信号からの再生処理が、正常な動作へと回復する。
(16) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(1)ないし(15)のいずれかであって、前記デジタル信号受信装置は電子カードである。
この構成によれば、ホスト装置にデジタル信号の受信機能を備えた電子カードを装着することで、デジタル信号の受信が可能となる。また、ホスト装置はそのままで、装着する電子カードを交換することで、デジタル通信に関する各種規格の変更やバージョンアップ等にも容易に対応できる。
(17) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(16)であって、前記電子カードはSDカードである。
この構成によれば、SDカードの特徴を活かした、コンパクトで大容量、さらに情報保護機能において信頼性の高い、デジタル信号受信システムを構成することができる。
(18) あるデジタル信号受信システムは、デジタル信号受信システム(17)であって、前記デジタル信号受信装置としてのSDカードから送出される前記ストリーム信号、前記クロック信号および前記変動情報データは、前記SDカード仕様で定められたデータラインを利用して伝送されるものである。
この構成によれば、SDカードの特徴である高度な著作権保護機能、および高速な情報通信機能を有するデジタル信号受信システムを構成することができる。
(19) あるデジタル信号受信装置は、デジタル通信信号を受信し、前記通信信号に含まれるPCRデータに基づきクロック信号を生成する機能を備えるとともに、前記通信信号を含み、複数のパケットで構成されるストリーム信号およびクロック信号を送出する機能を備えるデジタル信号受信装置であって、インターフェース部を介して前記デジタル信号受信装置からの前記ストリーム信号およびクロック信号を受信するホスト装置に接続されることによりデジタル信号受信システムを構成可能なデジタル信号受信装置であって、前記デジタル信号受信装置は、前記クロック信号のクロック数をカウントし、カウントした値を受信側STCデータとして出力する受信側STCカウンタと、前記受信側STCデータと前記PCRデータとの差分値を誤差データとし、前記誤差データに基づき、所定値以上の周波数の変動を検出する変動検出部と、前記受信側STCデータと前記PCRデータとに基づく変動情報データを前記ホスト装置に送出するとともに、前記変動検出部において、前記所定値以上の周波数の変動が検出されると、前記受信側STCカウンタに前記PCRデータを設定する変動処理部とを備えるものである。
この構成によれば、デジタル信号受信装置は、例えば受信状態が悪化するなどの異常が発生した場合に、抽出したPCRデータを受信側STCカウンタに設定する。そして、デジタル信号受信装置は、変動情報データをホスト装置に転送する。これにより、ホスト装置が、この変動情報データを利用して、ホスト側STCカウンタのカウント値を受信側STCカウンタのカウント値と同一となるように補正し得る。
(20) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(19)であって、前記変動情報データは、前記受信側STCデータおよび前記PCRデータである。
この構成によれば、受信装置は、デジタル通信の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとを、それぞれ個別に変動情報データとしてホスト装置に供給する。つまり、この受信装置は、これらのデータを用いたクロック同期のための演算を、ホスト装置内でのみ行なわせる構成のため、各種のホスト装置に対応できる。
(21) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(19)であって、前記変動情報データは、前記PCRデータと前記受信側STCデータとの差分値である。
この構成によれば、受信装置は、デジタル通信の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとの差分値を求め、それを変動情報データとしてホスト装置に供給する。そのため、変動情報データのデータ量を少なくすることができる。
(22) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(20)または(21)であって、前記変動情報データは、前記インターフェース部から送出される前記ストリーム信号に挿入されて送出されるものである。
この構成によれば、受信装置からホスト装置へ変動情報を送出するための余計な伝送線を設ける必要がない。また、通信信号と変動情報データとが同一のストリーム信号内にあるため、それらが別々に送られた場合に比べ、それぞれの対応付けが容易である。そのため、例えば、ストリームから復元された画像や音声の正確な再現が可能となる。
(23) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(22)であって、前記変動検出部は、前記誤差データに基づき、前記クロック信号の前記周波数の変動を検出するものである。
この構成によれば、デジタル通信の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとの差分値に基づいてクロックの同期を取る、通常のMPEG2システムにおける回路を流用することができるので、構成が簡易となる。
(24) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(23)であって、前記変動検出部は、前記誤差データの値が所定の下限値と上限値とで定められる範囲を外れたとき、前記クロック信号における前記周波数の変動を検出したとする変動検出信号を出力するものである。
この構成によれば、下限値および上限値を自由に設定できるので、その範囲を適度に選ぶことにより、変動検出を有効に実行できる。また、誤差データの値が所定の範囲のどこに位置するかを判定するのは容易なため、回路構成を簡略にし得る。
(25) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(23)であって、前記変動検出部は、前記誤差データの絶対値が所定の上限値以上となったとき、前記クロック信号における前記周波数の変動を検出したとする変動検出信号を出力するものである。
この構成によれば、上限値を自由に設定できるので、その値を適度に選ぶことにより、変動検出を有効に実行できる。また、誤差データの絶対値を監視するだけなので、回路構成を簡略にし得る。
(26) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(24)または(25)であって、前記変動情報データが有効か無効かを示すフラグを設定するとともに、前記フラグおよび前記前記変動情報データを含む付加情報を前記ストリーム信号に挿入させる付加情報追加部をさらに備えるものである。
この構成によれば、付加情報追加部は、ストリーム信号に単に付加情報を挿入させるだけではなく、変動情報に基づいて、付加情報が有効か無効かを示す情報等を含ませることが可能となる。これにより、ホスト装置が付加情報を取捨選択する基準が明確になるので、誤った処理を行なうことが抑えられる。
(27) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(26)であって、前記ホスト装置から、前記デジタル信号受信装置の各処理を制御するためのコマンドデータを受け取るコマンド受信部と、前記ホスト装置に、前記デジタル信号受信装置からの情報を通知する通知処理部とをさらに備えるものである。
この構成によれば、コマンド受信部および通知処理部が、受信側インターフェース部の一部として機能する。そのためホスト装置からのコマンドデータ、およびホスト装置への情報を有効に伝送し得る。
(28) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(27)であって、前記受信側STCカウンタを所定の初期状態にリセットするとともに、前記ホスト装置にリセットしたことを通知するリセット信号を出力するリセット処理部をさらに備えるものである。
この構成によれば、受信装置は、受信側STCカウンタをリセットするとともに、ホスト装置にリセット信号を出力するため、ホスト装置に受信側STCカウンタのリセットと同期させた処理を行なわせることが可能となる。例えば、受信側STCカウンタとホスト側STCカウンタに、同時にゼロなどの初期値を設定することができる。
(29) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(28)であって、前記デジタル信号受信装置は、デジタルインターフェースにより前記ホスト装置と接続可能であり、少なくとも、前記ストリーム信号、前記クロック信号および前記変動情報データを、前記デジタルインターフェースを介して前記ホスト装置に伝送するものである。
この構成によれば、ストリーム信号を、受信装置からホスト装置に、圧縮せずにデジタル形式で伝送することができるため、信号の劣化を抑えることができる。また、クロック信号により受信装置とホスト装置とのクロックの同期が取られており、受信装置において周波数の変動が検出された場合には、変動情報データに基づいて、クロック同期再生が行なわれる。これにより、ストリーム信号からの再生処理が、正常な動作へと回復する。
(30) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(19)ないし(29)のいずれかであって、前記デジタル信号受信装置は電子カードである。
この構成によれば、受信装置は、デジタル信号の受信機能を備えた電子カードであるので、ホスト装置に装着することで、デジタル信号の受信が可能となる。また、ホスト装置はそのままで、装着する電子カードを交換することで、各種規格の変更やバージョンアップ等にも容易に対応できる。
(31) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(30)であって、前記電子カードはSDカードである。
この構成によれば、SDカードの特徴を活かした、コンパクトで大容量、さらに情報保護機能において信頼性の高い、デジタル信号受信装置を提供することができる。
(32) あるデジタル信号受信装置は、デジタル信号受信装置(31)であって、前記デジタル信号受信装置から送出される、前記ストリーム信号、前記クロック信号および前記変動情報データは、前記SDカード仕様で定められたデータラインを利用して伝送されるものである。
この構成によれば、SDカードの特徴である高度な著作権保護機能、および高速な情報通信機能を有するデジタル信号受信装置を提供することができる。
(33) あるホスト装置は、デジタル通信信号を受信し、前記通信信号に含まれるPCRデータに基づきクロック信号を生成する機能を備えるとともに、前記通信信号を含み、複数のパケットで構成されるストリーム信号およびクロック信号を送出する機能を備えるデジタル信号受信装置とともにデジタル信号受信システムを構成することによりインターフェース部を介して前記デジタル信号受信装置からの前記ストリーム信号およびクロック信号を受信するホスト装置であって、前記ホスト装置は、前記クロック信号のクロック数をカウントし、カウントした値を受信側STCデータとして出力する受信側STCカウンタと、前記受信側STCデータと前記PCRデータとの差分値を誤差データとし、前記誤差データに基づき、所定値以上の周波数の変動を検出する変動検出部と、前記受信側STCデータと前記PCRデータとに基づく変動情報データを前記ホスト装置に送出するとともに、前記変動検出部において、前記所定値以上の周波数の変動が検出されると、前記受信側STCカウンタに前記PCRデータを設定する変動処理部とを備える前記デジタル信号受信装置と接続可能であり、前記デジタル信号受信装置から受け取った前記クロック信号のクロック数をカウントし、カウントした値をホスト側STCデータとして出力するホスト側STCカウンタと、前記変動検出部において、前記所定値以上の周波数の変動が検出されると、前記ホスト側STCデータと前記変動情報データとに基づき演算した値を補正データとし、前記ホスト側STCカウンタに前記補正データを設定することにより、受信側STCカウンタとホスト側STCカウンタの値を一致させるSTC補正部とを備えるものである。
この構成によれば、ホスト装置は、デジタル信号受信装置から受け取った変動情報データを利用して、ホスト側STCカウンタのカウント値を受信側STCカウンタのカウント値と同一となるように補正する。これにより、デジタル信号受信装置とホスト装置とにおいて、クロック同期再生が可能である。また、デジタル信号受信装置とホスト装置とにおいて、クロック信号の共用化を図っているため、ホスト装置の低消費電力化や小型化を図ることが可能となる。
(34) あるホスト装置は、ホスト装置(33)であって、前記STC補正部は、前記変動情報データとして供給された前記PCRデータおよび前記受信側STCデータに基づき、それらの差分値を求め、求められた差分値と前記ホスト側STCデータとに所定の演算を行った結果を前記補正データとして、前記ホスト側STCカウンタに設定するものである。
この構成によれば、ホスト装置は、デジタル通信の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとを、それぞれ個別に受け取る。そして、ホスト装置のSTC補正部は、これらのデータの差分値を求め、受信装置とホスト装置とのクロック同期を取るための補正データを作成し、それをホスト側STCカウンタに設定する。これにより、ホスト側STCカウンタのカウント値と受信側STCカウンタのカウント値とを同一に設定できる。また、クロック同期に必要な演算をSTC補正部のみで行なうため、機能の変更や拡張を行なうことが容易である。
(35) あるホスト装置は、ホスト装置(34)であって、前記STC補正部は、供給された前記変動情報データにおいて、前記PCRデータから前記受信側STCデータを減算した値を求め、求められた差分値と前記ホスト側STCデータとを加算した結果を前記補正データとして、前記ホスト側STCカウンタに設定するものである。
この構成によれば、ホスト装置は、デジタル通信の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとを、それぞれ個別に変動情報データとして受け取る。そして、ホスト装置のSTC補正部は、(PCRデータ)−(STCデータ)の値を求め、これをホスト側STCデータに加える。受信装置とホスト装置とにおいて、STCデータの値は共通であるため、これにより、ホスト側STCカウンタには、受信側STCカウンタと同じカウント値が設定される。
(36) あるホスト装置は、ホスト装置(33)であって、前記STC補正部は、前記変動情報データとして供給された前記PCRデータと前記受信側STCデータとの差分値と、前記ホスト側STCデータとに所定の演算を行った結果を前記補正データとして、前記ホスト側STCカウンタに設定するものである。
この構成によれば、ホスト装置は、デジタル通信の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとの差分値を変動情報データとして受け取る。そのため、変動情報データのデータ量を少なくすることができる。そして、ホスト装置のSTC補正部は、受け取った差分値とホスト側STCデータとに所定の演算を行い、受信装置とホスト装置とのクロック同期を取るための補正データを作成し、それをホスト側STCカウンタに設定する。これにより、ホスト側STCカウンタのカウント値と受信側STCカウンタのカウント値とを同一に設定できる。
(37) あるホスト装置は、ホスト装置(36)であって、前記STC補正部は、前記変動情報データとして供給された前記PCRデータから前記受信側STCデータを減算した差分値と前記ホスト側STCデータとを加算した結果を前記補正データとして、前記ホスト側STCカウンタに設定するものである。
この構成によれば、ホスト装置は、デジタル通信の送信側のクロック情報であるPCRデータと、受信装置側のクロック情報であるSTCデータとの差分値(PCRデータ)−(STCデータ)を変動情報データとして受け取る。そのため、変動情報データのデータ量を少なくすることができる。そして、ホスト装置のSTC補正部は、変動情報データとして受け取った差分値をホスト側STCデータに加える。受信装置とホスト装置とにおいて、STCデータの値は共通であるため、これにより、ホスト側STCカウンタには、受信側STCカウンタと同じカウント値が設定される。
(38) あるホスト装置は、ホスト装置(34)ないし(37)のいずれかであって、前記変動情報データは、前記インターフェース部から前記ホスト装置に対して送出される前記ストリーム信号に挿入されて送出されるものである。
この構成によれば、受信装置からホスト装置へ変動情報を送出するための余計な伝送線を設ける必要がない。また、トランスポートストリーム信号と変動情報データとが同一のストリーム信号内にあるため、それらが別々に送られた場合に比べ、それぞれの対応付けが容易である。そのため、トランスポートストリームから復元された画像や音声の正確な再現が可能となる。
(39) あるホスト装置は、ホスト装置(38)であって、前記ホスト装置は、デジタルインターフェースにより前記デジタル信号受信装置と接続され、少なくとも、前記ストリーム信号、前記クロック信号および前記変動情報データを、前記デジタルインターフェースを介して前記デジタル信号受信装置から受信するものである。
この構成によれば、ストリーム信号を、受信装置からホスト装置に、圧縮せずにデジタル形式で伝送することができるため、信号の劣化を抑えることができる。また、クロック信号により受信装置とホスト装置とのクロックの同期が取られている。そして、受信装置において周波数の変動が検出された場合には、変動情報データに基づいて、クロック同期再生が行なわれる。これにより、ストリーム信号の再生処理が、正常な動作へと回復する。
(40) あるホスト装置は、ホスト装置(39)であって、前記ホスト装置は、電子カードである前記デジタル信号受信装置から、少なくとも、前記ストリーム信号、前記クロック信号および前記変動情報データを受信するものである。
この構成によれば、クロック信号により受信装置とホスト装置とのクロックの同期が取られている。そして、受信装置において周波数の変動が検出された場合には、変動情報データに基づいて、クロック同期再生が行なわれる。これにより、ストリーム信号の再生処理が、正常な動作へと回復する。また、このホスト装置は、装着する電子カードを交換することで、各種規格の変更やバージョンアップ等にも容易に対応できる。
(41) あるホスト装置は、ホスト装置(40)であって、前記電子カードはSDカードである。
この構成によれば、SDカードの特徴を活かした、コンパクトで大容量、さらに情報保護機能において信頼性の高い、デジタル信号受信システムを構成するホスト装置を提供することができる。
(42) あるホスト装置は、ホスト装置(41)であって、前記ホスト装置は、前記SDカードのSDカード仕様で定められたデータラインを利用して、少なくとも、前記ストリーム信号、前記クロック信号および前記変動情報データを受信するものである。
この構成によれば、SDカードの特徴である高度な著作権保護機能、および高速な情報通信機能を有する、デジタル信号受信システムを構成するホスト装置を提供することができる。
(43) あるホスト装置は、ホスト装置(42)であって、前記ホスト装置は、前記デジタル信号受信装置に、前記デジタル信号受信装置の各処理を制御するための前記コマンドデータを送信するコマンド送信部と、前記デジタル信号受信装置からの情報を受け取る通知受信部とをさらに備えるものである。
この構成によれば、コマンド送信部および通知受信部が、ホスト側インターフェース部の一部として機能する。そのためデジタル信号受信装置からのコマンドデータ、およびデジタル信号受信装置への情報を有効に伝送し得る。
(44) ある半導体集積回路は、デジタル通信信号を受信し、前記通信信号に含まれるPCRデータに基づきクロック信号を生成する機能を備えるとともに、前記通信信号を含み、複数のパケットで構成されるストリーム信号およびクロック信号を送出する機能を備えるデジタル信号受信装置とともにデジタル信号受信システムを構成することによりインターフェース部を介して前記デジタル信号受信装置からの前記ストリーム信号およびクロック信号を受信するホスト装置を構成するための半導体集積回路であって、前記半導体集積回路は、前記クロック信号のクロック数をカウントし、カウントした値を受信側STCデータとして出力する受信側STCカウンタと、前記受信側STCデータと前記PCRデータとの差分値を誤差データとし、前記誤差データに基づき、所定値以上の周波数の変動を検出する変動検出部と、前記受信側STCデータと前記PCRデータとに基づく変動情報データを前記ホスト装置に送出するとともに、前記変動検出部において、前記所定値以上の周波数の変動が検出されると、前記受信側STCカウンタに前記PCRデータを設定する変動処理部とを備える前記デジタル信号受信装置と接続可能な前記ホスト装置を構成し、前記デジタル信号受信装置から受け取った前記クロック信号のクロック数をカウントし、カウントした値をホスト側STCデータとして出力するホスト側STCカウンタと、前記変動検出部において、前記所定値以上の周波数の変動が検出されると、前記ホスト側STCデータと前記変動情報データとに基づき演算した値を補正データとし、前記ホスト側STCカウンタに前記補正データを設定することにより、受信側STCカウンタとホスト側STCカウンタの値を一致させるSTC補正部とを備えるものである。
この構成によれば、デジタル信号受信装置との間でクロック同期再生が可能であるホスト装置において、ホスト装置自体の小型化および処理の高速化を実現することができる。さらには、受信側STCカウンタおよびSTC補正部を個別に構成した場合に比べ、接続不良がほとんどなく、受信側STCカウンタおよびSTC補正部の間の調整作業も不必要となる。
(45) ある半導体集積回路は、半導体集積回路(44)であって、前記半導体集積回路は、前記デジタル信号受信装置からの前記ストリーム信号、前記クロック信号および前記変動情報データを受信するためのホスト装置側のインターフェース部をさらに備える。
この構成によれば、半導体集積回路の外部に、別個のホスト装置側のインターフェースを設ける必要がなくなる。
(46) ある半導体集積回路は、半導体集積回路(44)または(45)であって、前記半導体集積回路は、前記ストリーム信号を復元して出力するデコーダ部をさらに備える。
この構成によれば、半導体集積回路の外部に、別個のデコーダ部を設ける必要がなくなる。
(47) ある半導体集積回路は、半導体集積回路(44)ないし(46)のいずれかであって、前記半導体集積回路は、ホスト装置の各部を制御するとともに、デジタル信号受信装置の各部への指令であるコマンド情報を生成および送出する制御部をさらに備える。
この構成によれば、半導体集積回路は、各種のコマンド情報を送出可能な、能動的な機能を持つことができる。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。