JP4526548B2 - 面型光変調器 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に成長した垂直入射型の面型光変調器に関する。
従来の半導体レーザの構造は以下のようなものがある(図12、例えば特許文献1参照)。同図に於いて、101は半絶縁性GaAs基板、102はn−GaAsとn−AlAsが交互に積層されているSiドープ・ミラー、103はアンドープのAl0.25Ga0.75As、104はアンドープのInGaAs活性層、105はアンドープのAl0.25Ga0.75As、106はp−GaAsとp−AlAsが積層されたBeドープ・ミラー、107はp−GaAs(3λ厚)、108は3つのInGaAs歪量子井戸層とGaAsバリア層(46nm厚)から成る光吸収層、109はアンドープのGaAs(λ厚)。110はn−GaAs(λ/4厚、n=2×1018cm-3)とn−AlAs(λ/4厚、n=2×1018cm-3)が交互に24.5周期積層されて形成されたSiドープ・ミラーである。111はSiN膜、114と112はn側電極、113はp側電極である。
素子はn側電極114を接地し、p側電極113に正の電圧、n側電極112に負の電圧をかけて使用する。光吸収層108には逆バイアスがかかり、電界が印加されるので、フランツ・ケルデッシュ効果でバンド端が、長波側にシフトし、InGaAs活性層104から出た光をオン、オフできる。そして、Beドープ・ミラー106とSiドープ・ミラー110に光吸収層108が挿まれた効果で、実際の光吸収層108の層厚は30nmしかないにもかかわらず、100%近い吸収を電圧印加時に実現できている。
なお、面型変調器には他にも先行例がある(例えば、特許文献2及び3参照)。
特開平5−152674号公報(笠原他) 特開平7−307464号公報(特に段落[0010]) 特開2000−275692号公報
上記従来例では、光吸収層108による吸収係数が1,000〜10,000cm-1しかないために、Beドープ・ミラー106とSiドープ・ミラー110のあいだで、光を反射・往復させることで消光比を大きくしようとしている。しかしながら、光吸収層108で変調された光はSiドープ・ミラー110で反射されるため、出射される光の強度が著しく低いという問題があった。
本発明は前記課題を解決することを目的としてなされたものである。
上記目的を達成するために、本発明に係る面型変調器は、半導体基板と、前記半導体基板上に設けられ、組成の異なる複数の半導体層からなる量子井戸構造を有する空乏領域調整層と、前記空乏領域調整層の上面に設けられた複数の金ドットからなる上部金ドット層と、前記空乏領域調整層の下面に電気的に接続された下部電極と、前記空乏領域調整層の上面に電気的に接続された上部電極とを備え、前記下部電極と前記上部電極との間に電圧を印加していない場合には、前記上部金ドット層から入射してきた光が透過し、前記下部電極と前記上部電極との間に電圧を印加した場合には、前記上部金ドット層から入射してきた光が前記空乏領域調整層において吸収される。
1つの実施態様においては、前記下部電極と前記上部電極との間に電圧を印加した場合には、前記各金ドットに対応する前記空乏領域調整層の内部の領域が空乏化し得る。
1つの実施態様においては、前記空乏化した領域にプラズモンが形成され得る。
1つの実施態様においては、前記量子井戸構造が、複数のInP層と複数のInGaAsP層とを交互に積層してなり得る。
1つの実施態様においては、前記上部金ドット層の上部に、SiOからなる保護層が形成され得る。
1つの実施態様においては、前記各金ドット間の間隔が400nm以下であり得る。
1つの実施態様においては、前記基板がInPからなり得る。
1つの実施態様においては、前記基板と前記下部電極との間に下部コンタクト層が挟まれ得る。
1つの実施態様においては、前記基板と前記空乏領域調整層との間に下部コンタクト層が挟まれ得る。
1つの実施態様においては、前記基板が導電性を有しており、前記下部電極は前記基板を前記空乏領域調整層との間に挟むように形成され得る。
1つの実施態様においては、前記空乏領域調整層と前記上部電極との間に上部コンタクト層が挟まれ得る。
1つの実施態様においては、前記空乏領域調整層がn型不純物を含有し得る。
本発明は、以上に説明したような構成を有し、出射される光の強度が大きいという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
参考形態1)
本発明の半導体発光素子の参考形態1として、図1に屈折率調整層を有する面型変調器構造を示す。
以下、この素子の製造方法と構造と動作方法について説明する。
入射光の波長は1.3μmとした。まず、図13(a)に示したように、n型InP基板1上に、アンドープ下部反射層2、Siをドーピングしたn型InP下部コンタクト層3(100nm厚)、屈折率調整層4、Znをドーピングしたp型InP上部コンタクト層5(100nm厚)、アンドープ上部反射層6をMOVPE法等によりエピタキシャル成長した。下部反射層2および上部反射層6は、それぞれ5ペアーのIn0.8Ga0.2P層(λ/4厚、格子歪-1%)とInAs0.2P0.8層(λ/4厚、格子歪1%)からなる歪量子井戸構造である。不純物を意図的に添加せず、アンドープとしたのは、価電子帯吸収や自由電子吸収を抑制するためである。
屈折率調整層4は、8ペアーで、アンドープInP層(10nm厚)とアンドープIn0.9Ga0.1As0.20.8層(10nm厚、格子歪-1から1%)よりなる歪量子井戸構造である。
その後、図13(b)に示したようにSiO2膜53を堆積して、円形状にエッチングしてエッチングマスクとし、このエッチングマスクを用いて硫酸系エッチャントで上部コンタクト層5まで円筒状にエッチングを行う。これは、光が導波する円形領域を形成すると共に、なるべく屈折率調整層4の面積を小さくして動作速度を高くするためである。
ここで、InAsP層は、エッチング速度が速いが、上部反射層を形成するInGaP層と上部及び下部InP層のバルク層のエッチング速度は同程度である。しかしながら、InGaP層は膜厚が薄くかつInAsP層からのAsの拡散によりエッチング速度はInP層より速くなっている。したがって、エッチングは上部コンタクト層5で選択的に停止する。
その後、図13(c)に示したように、SiO2膜54を堆積して、円形状にエッチングしてエッチングマスクとし、このエッチングマスクを用いて、塩酸系エッチャントで上部コンタクト層5をエッチング除去する。その後、硫酸系エッチャントで、屈折率調整層4をエッチング除去する。この場合も、屈折率調整層4を構成するInP層は10nmと薄く,InGaAsP層からAsが拡散しているために硫酸系エッチャントでエッチングされる。その結果、図13(c)に示したように下部コンタクト層3においてエッチングが選択的に停止する。
その後、上部電極7としてCr/Pt/Au電極を、下部電極8としてAu-Sn電極を蒸着し、リフトオフにより図13(d)のように形成して図1に示した構造を得た。なお、下部反射層2、屈折率調整層4、及び上部反射層6の構成は、上記のものに限られないが、屈折率調整層4の量子井戸構造のバリア層及び井戸層のバンドギャップが、下部反射層2及び上部反射層6の量子井戸構造のバリア層及び井戸層のバンドギャップより小さいことが必要である。
以下、この素子の動作方法について図11を用いて説明する。図11(a)に示したように、電圧を印加していない場合には、屈折率調整層4の吸収端波長を1.28μmとしておく。この場合の屈折率(n‘)は(n‘=3.2)<(n=3.6)であった。1.3μmの光に対する反射層の距離(d/n‘)は1.1μmとなり、光の波長(nλ)と同じ長さとなるように屈折率調整層の厚み(d)を設定したd/n=λ=1.3μmにならないために、光は透過してしまう。一方、図11(b)に示したように、5V程度の逆バイアス電圧を印加して、フランツケルディッシュ効果で吸収端を1.29μmまで長波長化することにより、InGaAsP層からなる屈折率調整層4の屈折率は5.0程度に増大する。その結果、反射層2・6間の多層膜のトータルの屈折率はn=3.6まで増加して、1.3μmの光に対する距離が1.3μmとなって、反射層2・6間に定在波が形成され反射層全体で反射されるようになる。すなわち、下部反射層2と上部反射層4の間隔が光学的に信号光の波長と同一となる。その結果、光が反射されるため透過されにくくなる。さらに大きい逆バイアス電圧を印加すると、図11(c)に示したように、下部反射層2と上部反射層6の間隔が光学的に信号光の波長より長くなり、光が反射されにくくなるために透過光の強度が増加する。電気信号に対して出力される光信号を図10(d)の点線(タイプB)でしめす。ここから明らかなように、電気信号がONからOFF、あるいは、OFFからONに変化した場合には光強度が減少する特性を示す。電気信号の開始の状態をOFFからONときめておくことで、光信号が弱くなるパルスを測定すると電気信号がONかOFFかが明らかになる。この変調方式の場合には、電気信号の立上がりや立下り特性が劣化しても、光のパルスは同様に形成されるために、良好な伝送を行うことができる。また、さらに印加する逆バイアスを大きくして10V以上にすると、屈折率調整層4による光吸収が発生し、さらに透過光強度が減少することになる。
一方、n型反射層ではSiを、p型反射層ではZnをInGaP層にのみドーピングして、導電性を持たせた場合には、多少価電子帯吸収や自由電子吸収があるものの、素子構造や製造方法は極めて簡単になる。図14(a)に示したように、p型InP基板1上に、Znをドープしたp型下部反射層2、屈折率調整層4、Siをドープしたn型上部反射層6をMOVPE法等によりエピタキシャル成長した。上部反射層6をn型にしたのは、n型のほうがキャリアが充分広がるために、受光領域全面に均一な特性が期待されるためである。下部反射層2および上部反射層6は、それぞれ5ペアーのSiあるいはZnをドーピングしたInGaP層(λ/4厚)とアンドープのInAsP層(λ/4厚)からなる。屈折率調整層4は、8ペアーで、アンドープInP層(10nm厚)とアンドープInGaAsP層(10nm厚)よりなる。その後、受光領域にSiO2膜を堆積して、円形状にエッチングしてエッチングマスクとし、このエッチングマスクを用いて硫酸系エッチャントで下部反射層2までエッチングを行う。この場合、選択的にエッチングがストップしないため、下部反射層2までエッチングが到達したことをエッチング時間で制御する。その後、In2O3透明電極55を形成した後、Au-Sn上部電極7と基板裏面にCr/Pt/Au下部電極8を蒸着とリフトオフにより形成する。動作方法は、図1の構造と同様であるため、省略する。
変調器の上部電極7の開口領域は円形をしており、ファイバからの光を開口領域に入射する。以降この光の透過領域である上部電極7の開口領域を受光領域と呼ぶ。上部反射層6の直径は、ファイバの芯線の大きさ+フェルールのアローアンスとすればよい。シングルモードファイバの場合には、芯線は数μmなので、上部反射層6の直径は10μm程度で良い。なお、下部電極8は屈折率調整層4に近接するように形成され、下部コンタクト層(図示せず)を覆っている。下部電極8と屈折率調整層4の間隔は10μm以下が望ましい。これは、通常ファイバからの光は上部電極7の開口領域内に入射するが、ファイバのコア形が大きい場合には、上部電極7の一部にかかることが考えられる。そこで、上部電極7の幅は、10μm以上として、ファイバからの光が上部電極7の外部に漏れないようにしている。しかしながら、充分ファイバの軸があってない場合には、光が上部電極7の外部に漏れてしまうことがある。この場合にも、できるだけ光が下部電極8で反射されて、透過しないように下部電極8と屈折率調整層4の間隔は10μm以下としている。
一方、図14(a)に示したように、基板裏面に電極を形成した場合には、下部電極8の内径を上部電極7の外径より小さくしている。この場合も、充分ファイバの軸があってない場合にでも光が上部電極7の外部に漏れてしまわないように、すなわち、できるだけ光が下部電極8で反射されて透過しないように、下部電極8と上部電極7が光の入射方向に対して重なるようにしてある。
以降に、面型変調器の実装方法と面型変調器を使用するシステム構成に関して説明するが、これらは、以降の実施の形態および参考形態全てにおいて同様に用いることができるため、本参考形態で代表して説明するが、以降の実施の形態および参考形態でも同様な構成を取るものである。
それでは、本参考形態で作製した面型変調器の実装方法を図6に示す。図に示したように、固定冶具9のn側電極40につけたはんだ10と下部電極8をはんだ付けすることにより固定する。また、上部電極7は固定冶具のp側電極41に電極リボンを用いて結線する。その後、この状態で、図7(a)に示したように、この固定冶具9を電子回路22と結線した上でフォトダイオード21とともに、コネクタ23にモールドする。フォトダイオードはファイバ26からの漏れ光を受光することで動作する。ファイバ26を支持するフェルール25をコネクタ23に差しこむことでロックされ図7(b)に示した形態となる。同軸ケーブル24は、10Gbpsのイーサ規格となっている。ここで、図7(b)に示したように、ファイバ26は面型変調器に同一の中心軸を有する形で接触している。その結果、従来のコネクタでファイバを接続すると同程度の容易さで、外部変調器を挿入することが可能となる。
一方、従来のモジュール構造は図7(c)に記載したように、導波路型変調器44を使用していたために、断面が1μm角の導波路ストライプにファイバー2本から出る光を光学結合する必要があった。そのために、変調器の両側にレンズ43を1つづつ、計2つ挿入して光を導波路に絞りこむ必要があった。その結果、ファイバ26−レンズ43、レンズ43−変調器44、変調器44−レンズ43‘、レンズ43’−ファイバ26‘の4箇所で、光学結合を取る必要が生じた。光学結合を取るには、1個所で数分かかるとともに、ファイバなどの部材をモジュールに固定する必要があり、導波路型変調器の作製には、多くの工数が必要であった。一方、面型変調器の場合には、ファイバの芯線の太さと同じか大きい大きさの変調領域を形成しているために、図7(a)に示したようにファイバをつき合わせただけでよく、製造工数も少なく安価で小型化に向いている。故障した場合にも、ファイバをはずすだけで容易に交換できる。
さらに、マルチモードファイバやプラスチックファイバを使用する場合には、芯線の大きさが大きくなる。たとえば、プラスチックファイバの場合、100μm程度に大きくなる。この場合、上部反射層の大きさを100μmにすると変調器の面積が大きくなって変調器の寄生容量が上昇してしまう。図8(a)に示したように、先球ファイバを使用することで、図7のファイバからの出射光のままの状態である図8(b)から、図8(c)のように光を絞りこむことができ、変調器の受光面積を小さくして、低容量化すなわち、高速動作が可能となる。受光領域を50μm以下にすることで、10Gbps以上の動作が可能となる。ここで、受光領域と上部反射層の位置がずれた場合には、透過光となってしまうため、図1(b)に示したように素子のほぼ全面を電極金属で覆って、上部反射層の領域以外からの透過光を抑制している。
本実施例の変調器の動作方法としては、電圧を印加しないときには、変調器はON状態で、5V以上の電圧を印加することで変調器はOFF状態となる。この変調方法では、屈折率調整層で光を吸収しないため、電荷の生成消滅がなく、キャリアの速度に影響をされない高速のスイッチングが可能となる。10Gbpsでも、アイパターンの開いた伝送が可能となった。
本実施例の情報コンセントの構成を図18に示す。情報コンセント205は家庭用コンセントの上部に情報ライン(10Gbpsイーサネット(登録商標)コネクタ)67用の差込口202が設置されている。ここでは、情報ライン67が組み込まれた情報プラグ71を用いて、電源ライン(100V)68用コネクタを接続すると同時に情報ラインが接続されるようになっている。情報ライン67は、シールド72と、信号用グラウンド65、信号ライン66よりなり、従来のアースラインはシールドラインと同様である。光信号が電気信号に変換されて直接1芯のケーブル構成で機器まで伝送される。したがって、ツイストペアのように、全二重の通信は行っていない。
本実施例の変調器を用いた光伝送システムを図9に示す。キャリアの局社からアクセス系光ファイバ(単一モードファイバ)201を用いて伝送されてきた光信号は、いったん下り用PD36にて受光し、下り電気信号62に変換する。この下り電気信号により、面型変調器LD69を変調する。ここでは、端面発光型の1.3μm半導体レーザをDC駆動で使用した。下り信号を各機器に伝送する場合には、面型変調器LD69以外の全ての面型変調器はON(透明)にしておき、各コネクタに内蔵されているフォトダイオード21(図7)で受光して、電気信号として10Gbpsイーサの同軸ケーブル24(図7)から各機器に供給する。下り信号は、高い伝送レートでも1Gbps程度であるため、10Gbpsで伝送が行われているLAN内での伝送にはさらに情報を追加する余裕がある。この空き時間を利用して各コネクタ間の伝送を行う。すなわち、下り信号のない場合には、面型変調器LD69はONのままとして、例えば、面型変調器20Aで、DC光を変調し、面型変調器20 D の受光素子でその信号を受光することになる。逆に、面型変調器20Dから面型変調器20Aに信号を伝送する場合には、いったん、LAN用PD38で受光して、電気信号LAN64に変換して記憶した後、下り信号の隙間を使って面型変調器LD69を変調して送信し、面型変調器Aで受信することになる。また、LAN外部へ光信号を送出する場合には、LAN用PD38で変換した上り電気信号63で上り用LDを変調することになる。本システムの特徴は、光ファイバのループを形成していることにある。その結果、発光素子は、1つあれば良くシステムの信頼性が向上するとともに、レーザに比べて低価格な面型変調器を使用することで、システムの価格も低価格なものにできる。また、発光素子としてはレーザだけでなくより安価な発光ダイオードも使用することが可能となる。これは、発光ダイオードの強度は、発光面積に比例しているためである。したがって、面積の大きい面型変調器を用いたほうがより強い強度の信号光を変調できるようになる。さらに、面型変調器は、コネクタタイプになっているため、素子の交換や追加が容易に行えると共に、故障モードの解析も容易となる。また、ループとなっているために、各コネクタ間の通信も容易に実現されるだけでなく、光スイッチなどは不要で、メディアコンバータの価格を低減できる。また、変調器は、表面あるいは裏面を電極で覆うことで、透過光を抑制する構造となっているために、ファイバは大口径のPOFファイバを使用することが可能となる。
参考形態2)
本発明の参考形態2による変調器の構造図を図2に示す。以下、この素子構造と動作方法について説明する。
図2(a),(b)に示すように、本参考形態による変調器は基板1を備えている。基板1上には、n型半導体層33(以下、n型層33と略記する)が形成され、このn型層33上に、p型半導体層31(以下、p型層31と略記する)と下部電極8とが形成されている。下部電極8は中央に円形の開口を有するようにして、n型層33上に形成されている。一方、p型層31は、下部電極8の開口の内径より少し小さい径の円形の平面形状を有し、該下部電極8の開口内に該開口と同軸状に形成されている。従って、p型層31と下部電極8との間には一定の隙間が形成されている。p型層31上にはアンテナ電極32を介してp型半導体層46(以下、p型層46と略記する)が配置されている。従って、p型層31とp型層46との間には空隙111が形成されている。p型層46及びアンテナ電極32はp型層31と同一径の円形の平面形状を有し、p型層31と同軸状に配置されている。図2(d)に示すように、アンテナ電極32は平面視において交点102が欠落した網状に形成されている。つまり、アンテナ電極32は、網の仮想の交点102で互いに分離されたノード(導体片)101が、全体として網を形成するように配置されている。この網は、ここでは、正方形の網目を有しており、従って、ノード101は全体として格子形状をなすように配置されている。ノード101の幅W2は、信号光の波長をλとしたとき、λ/3程度となるように設定され、ノード101の幅方向の間隔W1はλ程度となるように設定される。信号光(入射光)の波長λは、ここでは1.5μmである。
図2(a),(b)に示すように、p型層46上には上部電極7が形成されている。上部電極7は、p型層46と同一の外形を有する円形リング状の平面形状を有し、p型層46と同軸状に配置されている。そして、基板1、n型層33、p型層31、及びp型層46は光透過性の材料で構成され、下部電極8及び上部電極7は光非透過性の材料で構成されている。そして、信号光が基板1の下面から入射しp型層46の上面から出射する。
次に、以上のように構成された変調器の製造方法を説明する。
図2(a),(d)を参照して、まず、半絶縁性GaAs基板1上に、Siをドープしたn型GaAs層33(200nm厚)、p型GaAs層31(10nm厚)をMOVPE法等によりエピタキシャル成長した。その後、図2(d)に示すようなアンテナ電極32を形成した。アンテナ電極32を構成する金属としては、Wを使用したが、高融点金属であればその限りではない。その後、別のGaAs基板上に成長したp型GaAs層46を、p型GaAs層46とp型GaAs層31の表面を密着させて水素を含む窒素雰囲気中で400℃以上の温度に1分以上保持することにより、アンテナ電極32を介して融着した。融着温度は通常の結晶の融着より低いが、これはWからなるアンテナ電極32を介した融着であるために、金属の触媒反応により低温でも融着反応が生じたと考えられる。ここで、図2(a)に示すように、2層のp型層が空間111を有して離れている。その結果、アンテナ電極32がアンテナとして機能する領域111では、屈折率nが1である空気中を光が伝播するために、電極間隔はλ/nであるところ、λでよくなるため、プロセスが容易になる。
次いで、SiO2膜をマスクとして、短円筒状にp型層46とp型層31をエッチングした。これは、光が導波する円形受光領域を形成すると共に、pn接合204の界面の面積をなるべく小さくして、動作速度を高くするためである。最後に、p型層46上にCr/Pt/Auからなる上部電極7を、n型層33上にAu/Geからなる下部電極8をそれぞれ蒸着してリフトオフし、図2(a)に示す構造を得た。
次に、以上のように構成され製作された変調器の動作を説明する。
図2(c)において、p型層31とn型層33と間のpn接合(以下、単にpn接合という)204の両側には空乏層203が形成される。この空乏層203は上部電極7と下部電極8の間に電圧が印加されていない状態ではpn接合204を挟むごく狭い領域(図示せず)に形成される。図2(d)を参照して、アンテナ電極32では、この状態においては、各ノード101がp型層31,46を通じて互いに導通しているため、アンテナとして機能する。従って、基板1の下面から入射し、空隙111を通過しようとする信号光は、電磁波であることからアンテナ電極32で反射される。このため、変調器の透過光量が減少する。
一方、上部電極7と下部電極8の間に、pn接合204が逆バイアスとなる電圧(以下、逆バイアス電圧という)が印加されると、p型層31及びn型層33の、pn接合204の両側に位置する領域に空乏層203が広がる。ここで、GaAsからなるn型層33は不純物濃度が1018cm-3となるようにドープされ、GaAsからなるp型層31,46は不純物濃度が2×1017cm-3となるようにドープされている。これにより、空乏層203は、不純物濃度が低いp型層31,46側に大きく広がる。従って、図2(c)にはp型層31,46側の空乏層203のみが示されている。この空乏層203はp型層31からアンテナ電極32を介してp型層46に広がる。図2(d)を参照して、この状態では、アンテナ電極32の各ノード101は、交点102が空乏化されて互いに導通しなくなるため、電磁波の位相に対して影響を及ぼせず、アンテナとして機能しなくなる。従って、空隙111を通過しようとする信号光を反射しなくなる。これにより、変調器の透過光量が増大する。
従って、このデバイスは、上部電極7と下部電極8との間の逆バイアス電圧をオン/オフすることにより、その信号光の透過光量が減少/増大し、変調器として機能する。
ここで、空乏層203は、2Vの逆バイアス電圧を印加するとpn接合204から100nmの範囲まで広がり、それにより、図2(c)に示すように、p型層31は完全に空乏化され、p型層46も部分的に空乏化される。従って、逆バイアス電圧は2V以上印加する必要がある。
以上説明したように、本参考形態による変調器は、電圧を印加しないときはOFF(反射)状態であり、2V以上の電圧を印加するとON(透過)する。つまり、OFF時には入射光を反射して出力光量を低下させるため、ON時には大きな出力強度が得られる。また、ON/OFFの際、この変調器では、空乏層203の動く早さだけが動作速度を決めるため、10Gbps以上の動作速度が容易に実現される。
また、この変調器では、信号光の波長がアンテナ電極32の幅方向の間隔W1=λ以上の場合には、信号光はすべて反射されるため、波長に依存しない変調器が可能となる。
図14(b)は、本参考形態の変形例を示す断面図である。
参考形態では、自由電子による損失が存在しても構わない場合には、基板1として、半絶縁性GaAs基板に代えて、導電性基板、例えばn型GaAs基板を用いてもよい。この場合には、図14(b)に示するように、基板1の裏面に下部電極8を設けることができる。
なお、本参考形態では、アンテナ電極32を正方形の網目を有する網状としたが、網目は任意の形状とすることができる。
また、アンテナ電極32の材料は、金属には限られず、導電性であればよい。例えば、不純物をドープして導電性を持たせた半導体でもよい。
また、アンテナ電極の周囲の媒質を空気ではなく、他の誘電体で構成してもよい。すなわち、図2(a)の空隙111に代えて誘電体層を設け、この誘電体層中にアンテナ電極32が位置するようにしてもよい。この場合、アンテナ電極32のノード間隔を広くするため、誘電体層の屈折率nは1に近いことが望ましい。
また、基板1は、例えばInPで構成してもよい。この場合には耐圧が高くなる。
また、基板1上にp型層を形成し、その上にアンテナ電極を含むn型層を形成してもよい。
また、p型層31とp型層46とを一体とし、n型層33を厚み方向に2分割してそれらの間に空隙111とアンテナ電極32とを設けてもよい。
参考形態3)
本発明の参考形態3による変調器の構造図を図3(a)に示す。以下、この素子の製造方法と構造について説明する。入射光の波長は1.3μmとした。図3(b)に示したように、半絶縁性GaAs基板1上に、nipi構造を繰り返してMOVPE法等によりエピタキシャル成長した。このnipi構造は、Siをドープしたn型AlGaAs層12(103nm厚)、10層よりなるキャリアキラー用ドーパントを添加した半絶縁性GaAs/AlGaAs-MQW層(5nm+5nm)14、Mgをドープしたp型AlGaAs層13(103nm厚)、半絶縁性MQW層14を繰り返し成長したものである。n型AlGaAs層12とp型AlGaAs層13のAl組成は、半絶縁性GaAs/AlGaAs-MQW層14の平均Al組成と同一とした。AlGaAs層13と半絶縁性MQW層14の層厚の和はλ/2となるようにした。
その後、図3(c)に示したように、両側面をエッチングにより除去する。さらに、図3(d)に示したように、それぞれの側面に、n型ヘビードープ層49、n型ライトドープ層50、p型ライトドープ層51、p型ヘビードープ層52を拡散あるいはイオン注入で形成した。その結果、ヘビードープ領域はそれぞれの導電型の領域であるn型領域47とp型領域48が形成された、また、ライトドープ領域では、ドーパントと同じ導電型のところはその導電型が維持される。導電型が逆の領域では、コドープとなり高抵抗領域(半絶縁性の接続領域201)となる。また、半絶縁性結晶のところは、キャリアキラー用ドーパントでキャリアが殺されるので、半絶縁性のままである。その結果、全てのn型層がn型領域に繋がり、全てのp型層がp型領域に繋がると共に、n型層とp型層は、半絶縁性MQW層で分離絶縁されて、図3(a)の構造が出来上がる。
また、自由電子による損失が許容される状況では、導電性基板は、例えばn型GaAs基板を用いることが可能となる。その結果、図14(c)に示したように、基板裏面に円形の透過領域を有する下部電極を設けても良い。
動作方法について以下に示す。電圧を印加してない場合には、n型AlGaAs層12、p型AlGaAs層13、半絶縁性MQW層14のいずれも、同じ平均Al組成になっているために、屈折率に変化はなく、光は同一の物質として捉えるため、反射されない。しかしながら、逆バイアス電圧をn型電極15とp型電極16との間に印加することで、半絶縁性MQW層14に電界がかかり、量子閉じ込め効果により、半絶縁性MQW層14の屈折率のみが大きくなり、周期構造が出現して、反射層として作用する。その結果、入射光が反射され、透過光が減少するために、外部変調器として動作する。この場合の動作原理は、半絶縁性MQW層14での電界発生であり、光が吸収されるわけではないため、キャリアは生成されない。その結果、変調器のOFF時には入射光を反射して出力光量を低下させるため、ON時には大きな出力強度が得られる。また、空乏層の動きと同じスピードのデバイス動作速度すなわち、10Gbps以上が実現される。
なお、n型層12及びp型層13をInGaAsPで、半絶縁性MQW14をInP/ InGaAsP−MQWで構成してもよい。この場合、n型層12、p型層13、及び半絶縁性MQW14のGaAsの組成比を一定にする必要がある。また、GaとAsとの比を1:2とすることが必要である。
参考形態4)
本発明の参考形態4による変調器の構造図を図4(a)に示す。以下、この素子の製造方法と構造について説明する。入射光の波長は1.3μmとした。図4(a)に示したように、サファイア基板1上に、GaN低温バッファ層(図示せず)を成長した後、Siを2×1018cm-3ドーピングしたn型GaN下部コンタクト層3(4μm厚)、Al0.5Ga0.5N/In0.1Ga0.9Nバンド間吸収層17、Mgをドーピングしたp型GaN上部コンタクト層5(500nm厚)をMOVPE法によりエピタキシャル成長した。このバンド間吸収層17は、5層よりなり、Siを5×1018cm-3ドーピングしたAlGaNバリア層(3nm厚)とSiを5×1017cm-3ドーピングしたInGaN井戸層(2nm厚)を繰り返し成長したものである。その後、全面にNi(5nm厚)/Au(10nm厚)上部透明電極7を蒸着した後、SiO2膜をマスクにして、上部透明電極7をスパッタした後、塩素系ドライエッチングで上部コンタクト層5、バンド間吸収層17までをエッチング除去する。さらに、Al/Pt/Au下部電極8を蒸着して、図4(a)の構造を得る。
また、自由電子による損失が許容される状況では、導電性基板1として、例えばn型GaN基板あるいは、n型SiC基板を用いることが、可能となる。その結果、図4(b)に示したように、基板裏面に下部電極8を設けても良い。
動作方法について示す。図4(c)に示したように、電圧を印加していない状況において、伝導帯のバンド不連続量は1.5eV程度となる。このときの1次のエネルギー状態E1は、井戸層より0.3eV程度上部にある。ここで、井戸層のピエゾ電界は6.5MV/cm、バリア層のピエゾ電界は−6.5MV/cmとした。2次のエネルギー状態E2は、井戸層より1.2eV上部にあるので、吸収される光の波長は1.37μm程度となり、1.3μmの光が吸収される。一方、図4(d)に示したように、電極7・8間に5Vの電圧を印加すると、各井戸層に1Vの電界がかかり、等価的に井戸層の厚みが1/2となって、1次のエネルギー状態E1は0.4eVとなる。また、2次のエネルギー状態E2は1.4Vとなってバリア層のレベル近くまで上昇する。その結果、吸収される光の波長は1.24μm程度に短波長化して、1.3μmの波長の光は透過するようになる。ここで、電圧を印加しない場合も、バンド間エネルギー差は1.37μmとなるが、バンドと共鳴しないために、吸収されない。したがって、電圧を2.5V印加して、バンド間エネルギーと光のエネルギーが同一になるようにすると、図10(b)のように、1.3μmの光は井戸層において吸収されるようになる。この場合の変調光の強度は図10(d)の点線(タイプB)で示したように変調されることになる。吸収スペクトルの半値幅は30meV程度なので、2.5Vの電圧印加によるスペクトルシフトで充分な消光比が得られることになる。ここで、このバンド間吸収の場合にはキャリアが伝導帯内でエネルギーを失うために、キャリア寿命は非常に短くなり、電界吸収型の場合と異なり、高速の動作が可能となる。
実施の形態1
本発明の実施の形態1による変調器の構造図を図5(a)に示す。以下、この素子の製造方法と構造について説明する。入射光の波長は1.3μmとした。図16(a)に示したように、半絶縁性InP基板1上に、Siをドーピングしたn型InP下部コンタクト層3(100nm厚)、アンドープ空乏領域調整層74、Znをドーピングしたp型InP上部コンタクト層5(100nm厚)をMOVPE法等によりエピタキシャル成長した。空乏領域調整層74は、5ペアーで、アンドープInP層(10nm厚)とアンドープInGaAsP層(5nm厚)よりなる。その後、図16(b)に示したように、SiO2膜を堆積して、円形状にエッチングしてエッチングマスク53とし、このエッチングマスクを用いて上部電極7より外側のInP上部コンタクト層5を塩酸系エッチャントによりエッチング除去した後、硫酸系エッチャントで下部コンタクト層3までエッチングを行う。ここでも、参考形態1で説明したように、空乏領域調整層74は選択的にエッチングされ、エッチングは下部コンタクト層3で停止する。その後、図16(c)に示したように、改めてSiO2膜54を堆積して、受光領域をエッチングするエッチングマスクとし、このエッチングマスクを用いて、塩酸系エッチャントで受光領域の上部コンタクト層をエッチング除去する。その後、図16(d)に示したように、受光領域に直径2nmの複数の金ドット19を200nm程度の間隔で配置し、上部はSiO2で保護する。金ドット19の形成方法を以下に示す。まず、受光領域のアンドープ空乏領域調整層の表面をシランカップリング材(APTES)等の5%溶液につける。その後、Auコロイド溶液を表面にたらして、1時間程度放置する。Auコロイド溶液を除去した後、水洗および乾燥を行って、100℃でベークする。その後、表面の有機物を除去するために酸素プラズマで60℃60Wで10分間クリーニングする。その後、320℃でSiO2をプラズマCVDを用いて堆積した。今回は、2nmの直径のAuドット19を形成することにしたので、2.5×109cm2とするために、pHを8から9とした。Auドット19が5nmの場合は、pHは9から10程度となる。表面の金ドット19の間隔は、吸収する光の空乏領域調整層74の内部の波長より短い間隔にする必要がある。ここでは、空乏領域調整層74の屈折率を3.2として、金ドット19の間隔が400nm以下になるようにした。その後、上部電極7としてCr/Pt/Au電極を、下部電極8としてAu-Sn電極を蒸着し、リフトオフにより図16(d)のように形成して図5(a)に示した構造を得た。
以下、この素子の動作方法について説明する。電圧を印加していない場合には、アンドープ空乏領域調整層74は、1017cm-3程度のn型を示しているため、プラズモンは形成されない。一方、空乏領域調整層74に電圧を印加すると、空乏領域調整層74は空乏化して、図5(c)に示したように、空乏領域調整層74の内部の金ドット19に対応した領域にプラズモンが形成される。この、プラズモンが形成された場所(すなわち、プラズモン形成領域58)では、屈折率が大きくなるために、屈折率変調周期に光が共鳴して吸収されることになる。
一方、基板1に導電性を持たせた場合には、図5(b)に示したように、多少価電子帯吸収や自由電子吸収があるものの、素子構造や製造方法は極めて簡単になる。アンドープ空乏領域調整層74、Znをドーピングしたp型InP上部コンタクト層5(100nm厚)をMOVPE法等によりエピタキシャル成長した。その後、図16(b)に示したように、SiO2膜を堆積して、円形状にエッチングしてエッチングマスク53とし、このエッチングマスクを用いて上部電極7より外側のInP上部コンタクト層5を塩酸系エッチャントによりエッチング除去した後、硫酸系エッチャントで基板1まで選択的にエッチングを行う。その後は、図16と同様に工程を進め、最後に基板裏面に下部電極8を蒸着して、リフトオフすることで、下部電極8を形成する。動作方法は、図5(a)の構造と同様であるため、省略する。
参考形態5
本発明の参考形態5による変調器の構造図を図15(a)に示す。以下、この素子の製造方法と構造について説明する。入射光の波長は1.3μmとした。図17(a)に示したように、n型InP基板1上に、直径2nmの複数の下部金ドット18を10から30nmの間隔で堆積し、InP59をスパッタによりλ/4の厚さである100nm堆積する。再び下部金ドット18’を堆積して、さらにλ/4の厚みにInP59’をスパッタで堆積して図17(b)を得る。ここで、2層のInP層は、意図的にドーピングは行ってないが、下部金ドット18からのディスチャージを目的にしているために、いずれも5×1017cm-3程度のn型導電性を示す堆積条件とした。一方、図17(c)に示したように、別なInP基板58上に上部コンタクト層であるZnをドーピングしたp型InP層5(100nm厚)と、アンドープ屈折率調整層4とを順に成長しておく。屈折率調整層4は、8周期のアンドープInP層(10nm厚)とアンドープInGaAsP層(10nm厚)よりなる。その後、図17(b)の基板上に図17(c)の基板を逆さにして接触させ、400℃で水素含む雰囲気中で加熱して融着する。その結果、図17(d)が得られる。基板58をメカノケミカルポリッシュと塩素系エッチャントを用いたエッチングにより除去した後、図17(e)に示したように、SiO2膜53を堆積して、円形状にエッチングしてエッチングマスクとし、このエッチングマスクを用いて上部電極7より外側のInP上部コンタクト層5を塩酸系エッチャントによりエッチング除去した後、硫酸系エッチャントでアンドープInP膜59’までエッチングを行う。ここでも、参考形態1で説明したように、屈折率調整層4は選択的にエッチングされ、エッチングはアンドープInP膜で停止する。その後、受光領域に上部金ドット19を堆積し、アンドープInP膜60でカバーした。上部金ドット19の形成方法は実施の形態1と同様であるが、表面の有機物を除去するために酸素プラズマで60℃60Wで10分間クリーニングした後、室温でInPをスパッタで堆積した。今回は、2nmの直径のAuドットを用いたので、2.5×1011cm2とするために、pHを5から7とした。Auドットが5nmの場合は、pHは2から3程度となる。下部金ドット18’と上部金ドット19の間隔は360nmとなり、1.3μmの光に対応する。このアンドープInP膜60も、金ドットのディスチャージ用のために、5×1017cm-3程度のn型導電性を示す堆積条件としている。以上のようにして、図15(a)の構造を得た。
以下、この素子の動作方法について説明する。ここでは、参考形態1で用いた反射層の代りに金ドット層18・19を用いる。金ドット層18・19はそれ自体に多くのキャリアを有すると共に、アンドープInP層内にも多くのプラズモンを形成する。その結果、参考形態1のように反射層を多数層重ねなくても充分な効果が得られる。すなわち、下段に2層、上段に1層の金ドット層18・19を形成することで、フォトニック結晶の効果が得られる。これは、複数の金ドット18・19がそれぞれ10から30nmと非常に密に並んでいるために、3次元のフォトニック結晶となっているためである。電圧を印加していない場合には、屈折率調整層4の吸収端波長を1.28μmとしておく。
この場合の屈折率は3.2であった。1.3μmの光に対する上下金ドット層18・19間の距離は1.15μmとなり、光の波長λ=1.3μmにならないために、光は金ドットで反射されて透過しない。一方、5V程度の逆バイアスを印加して、フランツケルディッシュ効果で吸収端を1.29μmまで長波長化することにより、InGaAsP層の屈折率は5.0程度に増大する。その結果、金ドット層18・19間の多層膜のトータルの屈折率は3.6まで増加して、1.3μmの光に対する距離が1.3μmとなって、金ドット18・19間に定在波が形成され光が透過するようになる。また、それ以上電圧を大きくすると金ドット18・19間の距離が波長より長くなりすぎて、光が反射されるようになる。この現象が、いわゆる3次元のフォトニックバンドギャップ現象ということになるので、波長範囲がブロードであり、スペクトルの広い発光ダイオードなどへの適応が可能となる。その結果、図10(a)に示した透過特性が得られるようになり、図10(c)の信号で変調した光信号は図10(d)の実線(タイプA)で描いた形状になる。
本発明に係る面型変調器は、光通信システム等に用いる光変調器として有用である。
本発明に係る面型変調器の製造方法は、光通信システム等に用いる光変調器の製造方法として有用である。
本発明の参考形態1における面型変調器の構造を示す図である。 本発明の参考形態2における面型変調器の構造を示す図である。 本発明の参考形態3における面型変調器の構造と製造方法を示す図である。 本発明の参考形態2における面型変調器の構造を示す図である。 本発明の実施の形態1における面型変調器の構造を示す図である。 本発明の面型変調器の実装方法を示す図である。 本発明の面型変調器の実装方法を示す図である。 本発明の面型変調器の実装方法を示す図である。 本発明の面型変調器を用いたシステムを示す図である。 本発明の参考形態4・における面型変調器を用いた変調方式を示す図である。 本発明の参考形態1における面型変調器の変調原理を示す図である。 従来の面型変調器の構造を示す図である。 本発明の参考形態1における面型変調器の製造方法を示す図である。 本発明の参考形態1・2・3における面型変調器構造の変形例を示す図である。 本発明の参考形態5における面型変調器の構造を示す図である。 本発明の実施の形態1における面型変調器の製造方法を示す図である。 本発明の参考形態5における面型変調器の製造方法を示す図である。 本発明の面型変調器を用いた情報コンセントの構造を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 下部反射層
3 下部コンタクト層
4 屈折率調整層
5 上部コンタクト層
6 上部反射層
7 上部電極(上部透明電極)
8 下部電極
9 固定治具
10 はんだ
12 n型層
13 p型層
14 半絶縁性MQW
15 n型電極
16 p型電極
17 バンド間吸収層
18 金ドット
19 上部金ドット層
20 面型変調器
21 フォトダイオード
22 電子回路
23 コネクタ
24 同軸ケーブル
25 フェルール
26,26‘ ファイバ
31 p型層
32 アンテナ電極
33 n型層
34 先球ファイバ
35 上り用LD
36 下り用LD
37 LAN用LD
38 LAN用PD
39 メディアコンバータ
40 n側電極
41 p側電極
42 電極リボン
43,43‘ レンズ
44 導波路型変調器
45 変調器モジュール
46 p型層
47 n型領域
48 p型領域
49 n型ヘビードープ層
50 n型ライトドープ層
51 p型ライトドープ層
52 p型ヘビードープ層
53,54 SiO
55 透明電極
56 SiN膜
57 SiO
58 基板
59,59’,60 アンドープInP膜
61 ディスチャージ電極
62 下り電気信号
63 上り電気信号
64 電気信号LAN
65 信号用グランド
66 信号ライン
67 情報ライン
68 電源ライン
69 面型変調器
71 情報プラグ
72 シールド
74 空乏領域調整層
111 空隙
101 ノード(導体片)
102 交点
201 アクセス系ファイバ
203 空乏層
204 pn接合
205 情報コンセント

Claims (12)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に設けられ、組成の異なる複数の半導体層からなる量子井戸構造を有する空乏領域調整層と、
    前記空乏領域調整層の上面に設けられた複数の金ドットからなる上部金ドット層と、
    前記空乏領域調整層の下面に電気的に接続された下部電極と、
    前記空乏領域調整層の上面に電気的に接続された上部電極とを備え、
    前記複数の金ドットの間隔は、吸収する光の前記空乏領域調整層の内部の波長より短く、
    前記下部電極と前記上部電極との間に電圧を印加していない場合には、前記空乏領域調整層が空乏化されておらず、前記上部金ドット層から入射してきた光が透過し、
    前記下部電極と前記上部電極との間に電圧を印加した場合には、前記上部金ドット層から入射してきた光が前記空乏領域調整層において吸収される、面型光変調器。
  2. 前記下部電極と前記上部電極との間に電圧を印加した場合には、前記各金ドットに対応する前記空乏領域調整層の内部の領域が空乏化する、請求項1に記載の面型光変調器。
  3. 前記空乏化した領域にプラズモンが形成されている、請求項2に記載の面型光変調器。
  4. 前記量子井戸構造が、複数のInP層と複数のInGaAsP層とを交互に積層してなる、請求項1に記載の面型光変調器。
  5. 前記上部金ドット層の上部に、SiO2からなる保護層が形成されている、請求項1に記載の面型光変調器。
  6. 前記各金ドット間の間隔が400nm以下である、請求項1に記載の面型光変調器。
  7. 前記基板がInPからなる、請求項1に記載の面型光変調器。
  8. 前記基板と前記下部電極との間に下部コンタクト層が挟まれている、請求項1に記載の面型光変調器。
  9. 前記基板と前記空乏領域調整層との間に下部コンタクト層が挟まれている、請求項1に記載の面型光変調器。
  10. 前記基板が導電性を有しており、
    前記下部電極は前記基板を前記空乏領域調整層との間に挟むように形成されている、請求項1に記載の面型光変調器。
  11. 前記空乏領域調整層と前記上部電極との間に上部コンタクト層が挟まれている、請求項1に記載の面型光変調器。
  12. 前記空乏領域調整層がn型不純物を含有する、請求項1に記載の面型光変調器。
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