JP4523977B2 - ロボット内蔵減速機の故障診断方法及び装置 - Google Patents

ロボット内蔵減速機の故障診断方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、ロボットに内蔵の減速機の磨耗の進行に対応する保守レベルを減速機の充填のグリスに含まれる鉄粉濃度から判断するためのロボット内蔵の減速機の故障診断方法及び装置に関するものである。
ロボットで汎用されているモータを駆動源として遊星歯車、転がり軸受、曲線板、コロ、ピン等を減速部の構成部品とする6軸のサイクロ減速機では、ベアリングが荷重を受けて回転すると、内外輪の軌道面及び転動体の転動面は絶えず繰返し応力を受けるので、材料の疲れによって表面がウロコ状に剥れる損傷を生じ、所謂フレーキングと呼ばれる現象が生じる。同様に、ころがり疲れによって小孔(ピット)を生じるピッチング、或いは軌道面と転動体の接触部分が塑性変形して所謂圧こんを生じ、軸受の寿命を短くしている。通常複数個の減速機を備える産業用ロボットにおいては、これらの減速機が故障すると長時間のライン停止につながる問題がある。その外、一般的にコロ、転がり軸受等の転動体等を減速部の構成部品とするロボット内蔵の減速機でも同様な問題がある。
特許文献1によれば、外輪、内輪、両輪間に配置された複数の転動体、両輪の少なくとも一方の端部間に設けられたシール部材及びその内側空間に充填されたグリスを備えている転がり軸受において、シール部材に、グリスの鉄粉含有量を検出する触針を挿通させ、かつ下端が採取口、上端が注入口となる軸方向の貫通孔が設けられている転がり軸受が提案されている。
特開2003−269470
このように一般的にグリスの鉄粉含有量からモータを駆動源とする減速機の磨耗をグリスの鉄粉含有量から推測することは行われているが、減速機の致命的な故障を防止するために、鉄粉含有量からロボットの動作時間に相応の保守作業の内容を事前に自動的に促すような装置は存在しない。
本発明は、このような点に鑑みて、各種の減速機について、その磨耗に起因してグリスに含まれる鉄粉濃度が、モータの積算回転量だけでなく、さらにトルク及び慣性モーメントに応じた負荷を勘案して積算した仕事量の増加に忠実に対応することを確認したことを前提に、ロボットの動作時間に対して、時間を置いて逐次検出した鉄粉濃度を基にグリスの頻繁なサンプリング或いは減速機の点検等から最終的に減速機の交換に至るまで徐々に進む保守作業の内容である保守レベルを確認可能にするロボット内蔵減速機の故障診断方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、ロボットに内蔵された減速機の磨耗の進行度に対応する保守作業の内容を充填されているグリスに含まれる鉄粉濃度から判断するためのロボット内蔵の減速機の故障診断方法において、減速機の所定の負荷状態でのモータの積算回転量に対応する仕事量と、磨耗に起因してグリスに含まれる鉄粉濃度との関係を規定する磨耗進行特性を作成し、増加する複数段階の仕事量範囲に対して減速機の交換に至る保守作業の内容を規定する複数段階の保守レベルを磨耗の進行度に応じて指示し得るように、磨耗進行特性を基に鉄粉濃度の許容値上限値をそれぞれ規定する保守レベル指示データを作成し、定期的にグリスをサンプリングした時点の仕事量に対する鉄粉濃度が、許容上限値を上廻るか否かを判断することにより、所属の仕事量範囲の保守レベルを指示することを特徴とする。
磨耗の進行は、同一機種に対する同一作業内容によってもある程度ばらつくが、いずれにしても判断時点の減速機モータの積算回転量に対応する各仕事量範囲に応じて故障診断方法は共通し、したがって仕事量範囲に応じて交換に至るまでの保守レベルが指示可能になる。保守レベル指示データは、所定の負荷条件下でのモータの積算回転量或いは積算回転量・トルク・慣性モーメントに対応の仕事量の増加に対する鉄粉濃度の変化特性曲線等になる。典型的な複数段階の保守レベルとしては、請求項2により、複数段階の仕事量範囲が3段階に規定されると共に、対応する3段階の保守レベルが、定期的よりも頻繁なグリスのサンプリングと、減速機の内部点検と、減速機の交換とである。
保守レベル指示データを作成するための磨耗進行特性は、請求項3又は請求項4により、磨耗進行特性が、同種の減速機を実際の負荷状態で作動させた場合の積算回転量に対して計測された鉄粉濃度であるか、又は同種の減速機を実際の負荷状態で作動させた場合の積算回転量に対する鉄粉濃度を標準の磨耗進行特性とすると共に、負荷を変更した場合の積算回転量に対する磨耗進行特性が、
D=Ds×(τ×I)/(τs×Is)、(D:鉄粉濃度、Ds:標準の磨耗進行特性の鉄粉濃度、τs:標準の磨耗進行特性の減速機モータのトルク、Is:標準の磨耗進行特性の減速機モータの慣性モーメント)を基に鉄粉濃度を算出して作成される。
また、保守レベルの判断をより高精度にするには、請求項5により、保守レベル指示データに対して所定量の鉄粉濃度を越えて上廻る異常警告レベルデータを作成し、サンプリングした時点の仕事量に対する鉄粉濃度が、異常警告レベルデータで規定される鉄粉濃度を上廻るか否かを判断して、所属の仕事量範囲において、より上レベルの保守レベルを指示する異常警告を行う。
前述の目的を達成するための装置としては、請求項6により、ロボットに内蔵された減速機の磨耗の進行度に対応する保守作業の内容を充填されているグリスに含まれる鉄粉濃度から判断するためのロボット内蔵の減速機の故障診断装置であって、増加する複数段階の仕事量範囲に対して減速機の交換に至る保守作業の内容を規定する複数段階の保守レベルを磨耗の進行度に応じて指示し得るように、診断対象の減速機の標準的な磨耗進行特性を基に鉄粉濃度の許容値上限値をそれぞれ規定する保守レベル指示データを複数個の減速機について格納する保守レベル指示データ格納手段と、診断対象の減速機について定期的にグリスをサンプリングした時点の仕事量に対する鉄粉濃度が、許容値上限値を上廻るか否かを判断することにより、所属の仕事量範囲の保守レベルを指示する保守レベル判断手段と、その判断結果を出力する出力手段と、保守レベル判断手段に対して、診断対象の減速機、仕事量を規定し得るファクタ及び鉄粉濃度を指示する入力手段とを備え、磨耗進行特性が、減速機の所定の負荷状態でのモータの積算回転量に対応する仕事量と、磨耗に起因してグリスに含まれる鉄粉濃度との関係を規定することを特徴とする。
請求項1又は請求項6の発明によれば、定期的に減速機のグリスをサンプリングしてその時点までの仕事量に対する検出鉄粉濃度を許容上限値と照合することにより、減速機の磨耗状態を診断することができ、またその結果仕事量に応じて必要になった保守作業を実施することにより、減速機の作動不良に至る重大故障を未然に防止することが可能になる。
請求項2の発明によればグリスの通常よりも高頻度のサンプリング及び減速機の内部点検により、減速機の磨耗の進行状態を確実に監視可能となる。請求項3の発明によれば磨耗進行特性を予め実測したものを同一機種及び同一負荷を前提に流用でき、請求項4の発明によれば標準の磨耗進行特性を基に同一機種の減速機の負荷を変更した場合、計算により磨耗進行特性を作成可能になる。請求項5又は請求項7の発明によれば保守レベルをより高信頼度下で指示可能となる。
図1乃至図4を基に本発明のロボット内蔵減速機の故障診断方法を実施するための故障診断装置の実施の形態を説明するもので、図1に示すように、ディスプレイ部2と、キーボード3及びマウス4並びに記録媒体ディスクがセットされる出力機能も有するディスクドライブ6等の入力手段5とが付属するパソコン1を用いる。
パソコン1は、ディスクドライブ6で読取られたプログラムにより内蔵のメモリ、CPU等を作動させて、次の各手段を備えるように機能する。即ち、図3において、点線で示す後述の曲線状の磨耗進行特性を基に、仕事量が順に多くなる第1乃至第3の3段階の仕事量範囲に対して、定期的よりも頻繁なグリスのサンプリング、減速機の内部点検及び減速機の交換である作業内容が段階的に切迫する3段階の保守レベルを指示するために、鉄粉濃度の許容値上限値を規定する保守レベル指示データを複数台のロボットのそれぞれ複数個の減速機について格納する保守レベル指示データ格納手段10と、各ロボットの積算動作時間に対する各減速機の仕事量の換算式を保持しておき、仕事量を規定するファクタとして入力手段5で指示された診断対象のロボットの積算動作時間に応答して、これと所属の各減速機のモータの積算回転量とトルクと慣性モーメントとの乗算値である仕事量パラメータに換算する仕事量換算手段11と、診断対象の減速機について定期的にサンプリングしたグリスの鉄粉濃度の検出時点における仕事量に対する鉄粉濃度が、所属の保守レベル指示データで規定される許容値上限値を上廻るか否かを判断することにより、診断対象の減速機に対して第1の仕事量範囲では頻繁なサンプリング、第2の仕事量範囲では内部点検及び第3の仕事量範囲では交換の指示を行うと共に、仕事量に対して鉄粉濃度が異常に高い場合には異常判断を行う保守レベル判断手段12と、その判断結果をディスプレイ部2に出力する出力手段13とを備えている。
図2は、特許文献1にも記載されているように、それ自体周知の鉄粉濃度計測器の構成を示すもので、例えば5cc程度のグリスをサンプリングするための試験管20が装着される励磁コイル21と、このコイルを励磁する励磁回路22と、励磁コイル21で生じる磁束が交鎖する検出コイル23と、その磁性材で鉄粉の濃度に応じて変化する誘起電圧を増幅する増幅器24と、その増幅出力信号レベルを解析して鉄粉濃度を算出する濃度算出回路25と、その算出された鉄粉濃度を数値表示する表示器26とを備えている。
保守指示データ格納手段10は、各ロボットの備える複数個の減速機について予め作成された保守レベル指示データ及びこれを所定量上廻る異常警告データを予め入力されて記憶している。図3では、例えば溶接作業を行うロボットの 部分の6軸サイクロ減速機について確認した標準的な点線で示す試験的に確認した磨耗進行特性に対して、特別な保守作業を要することなくロボット動作を許容できる鉄粉濃度上限値を規定する曲線状の保守レベル指示データを実線で示す。また、一点鎖線は、この保守レベル指示データを所定量の鉄粉濃度よりも大きく上廻る異常警告レベルデータを示す。これらの保守レベル指示及び異常警告レベルデータは、各減速機ごとに作成されて格納されている。
即ち、横軸は、モータの積算回転量とトルクと慣性モーメントとの乗算値に対応する仕事量パラメータであり、括弧内の数値はそのファクタであるモータの積算回転量を示す。縦軸は、グリス充填部の出口で試験管に、全体積600cc程度に対して300ccを定期的に抽出して濃度を均一化した5cc程度のサンプル中の鉄粉の重量比に相当する鉄粉濃度であり、前述の図3に示す鉄粉濃度計測器で検出したものである。その際、同時に300ccのグリスの入換も行う。仕事量パラメータは、減速機のトルク1.42N・m、慣性モーメントが1.09kg・mとすると、積算回転量が例えば1.6×10に達した時点で、その乗算値として約2.5×10となり、対応する保守レベル指示データの鉄粉濃度は約4.2%となる。横軸は積算回転量を等間隔で併記したもので、したがって仕事量パラメータの目盛間隔は等間隔でなく、また負荷状態の変更により、同一積算回転量であってもトルク又は慣性モーメントが変化すると、積算回転量は異なった横軸位置になる。
即ち、図3の点線で示す磨耗進行特性は、同一機種の減速機につき、所定の同一負荷状態で積算回転量の増加に対して鉄粉濃度を実測して作成されたものであるが、同一機種の減速機につき負荷を変更した場合、そのトルク又は慣性モーメントに応じて、この実測した標準の磨耗進行特性を基に下記の式(1)で磨耗進行特性が得られることが確認されている。
D=Ds×(τ×I)/(τs×Is)・・・・・・(1)
D:鉄粉濃度、τ:診断対象の減速機のトルク、Is:診断対象の減速機の慣性モーメント、Ds:標準の磨耗進行特性の鉄粉濃度、τs:標準の磨耗進行特性の減速機のトルク、Is:標準の磨耗進行特性の減速機の慣性モーメント
したがって、同一機種の減速機につき負荷を変更した場合、式(1)を基に作成された換算式を仕事量換算手段11に対して入力手段5で入力することにより、同一積算回転量に対する仕事量を変更することにより、同一保守レベル指示データを適用できる。
保守レベル判断手段12は、各保守レベル指示データにつき3段階の仕事量範囲W1、仕事量範囲W2及び仕事量範囲W3を規定するデータを保持している。例えば、図3の保守レベル指示データについては、仕事量範囲W1は無駄になる可能性の高い計測作業を抑制するために、積算回転量で見て約1.05×10乃至1.3×10を、W2は磨耗が進行する範囲の約1.7×10まで、さらに進行するそれ以上の範囲をW3に設定される。
ロボット動作の初期状態では鉄粉の発生量は多くなるが、グリスを数回交換した後は、ロボット動作時間に応じて標準的には点線の磨耗進行特性に従って鉄粉濃度は徐々に高くなる。したがって、この初期状態を経過した後で、保守レベルの指示が可能となり、仕事量範囲W1で入力された仕事量に対する計測した鉄粉濃度が保守レベル指示データ上の許容上限値を上廻ると、故障を事前に把握し得るように減速機に対する頻繁なグリス採取を指示する。その際、サンプリング量の300cc程度を補給すると共に、外部からメカガタを確認したり、触手による点検等を行う。さらに、この仕事量範囲W1で異常警告レベルデータを上廻ると、1レベル上の内部点検を指示する異常警告を指示する。ある程度磨耗が進行する仕事量範囲W2では、所属の保守レベル指示データ上の許容上限値を上廻ると、通常よりも早い減速機の磨耗進行部位を点検させるために、内部の点検指示を行う。この仕事量範囲W2で異常警告レベルデータを上廻ると、1レベル上の交換も視野に入れた点検を指示する異常警告を指示する。さらに磨耗が進行する仕事量範囲W3では、所属の保守レベル指示データ上の許容上限値を上廻ると、関連設備の停止を回避するために、減速機の交換を事前に促す交換指示を行う。
出力手段13は、パソコン1を利用の表示制御手段13aを備えることより、所定の表示形式のフォーマットを保持しておき、例えば図4に示すように、どのロボットのどの減速機のものであるかが分るように、診断日、機種等の参考データと共に診断結果をディスプレイ部2に出力表示する。
このように構成されたロボット内蔵減速機の故障診断装置の動作は次の通りである。減速機内蔵の複数台のロボットで構成される生産設備に対して、故障診断装置として構成されたパソコン1には、診断対象の各減速機の保守レベル指示データ及び異常警告レベルデータ並びに各ロボットの積算動作時間に対する各減速機の仕事量の換算式を予め格納しておく。これにより、複数回の頻繁なグリス交換を要する初期磨耗期間を経過した後で、減速機の故障の定期的な診断が開始される。
診断対象の減速機のグリスを仕事量範囲W1では、例えば18万回の積算回転量もしくは数ヶ月乃至6ヶ月ごとに所定量サンプリングして前述の鉄粉濃度計測器で鉄粉濃度を計測し、パソコン1に、その入力手段5で診断対象のロボット及びその減速機を指示すると共に、その時点までの積算されたロボット動作時間、検出した鉄粉濃度データ及び診断日を入力する。これにより、入力されたロボット動作時間に対する所属の減速機の仕事量パラメータが算出されることにより、その入力された鉄粉濃度データが、対応する所属の保守レベル指示データ或いは異常警告データで規定される鉄粉濃度の許容上限値と照合され、保守を要するか否かが判断される。
相対的に磨耗の少ない仕事量範囲W1において、通常よりも磨耗が進行していると、頻繁なサンプリングを要することが、ディスプレイ部2の画面2a上に例えば前述の表形式で指示される。したがって、その頻繁なサンプリングで磨耗の進行度をより正確に把握することにより、外部からメカガタを確認したり、触手による点検等を行うと共に、その都度サンプリン分の補給を行う。より上の保守レベルを要する異常が生じている場合には、画面2a上で異常警告が行われ、早めの内部点検を行う。
磨耗の進む仕事量範囲W2においては、例えばより短い周期の9万回の積算回転量ごとに所定量サンプリングして、通常よりも磨耗が進行していると内部点検が指示され、したがって6軸のサイクロ減速機については、外ピン、転動コロ 等の部品の異常な磨耗進行部位を点検する。既に交換を要する可能性がある場合には、異常警告が行われる。
さらに交換を要する程度に磨耗する可能性のある磨耗進行領域の仕事量範囲W3において、9万回もしくはより短周期の積算回転量ごとにサンプリングして、通常よりも磨耗が進行していると交換が指示されると、関連設備の停止につながる重大故障を回避するために、異常発生部位を確認して交換もしくはその準備を行う。仕事量範囲W3において、保守レベルの指示が行われない場合、所定の積算回転量に達した時点で念のために交換を行うようにしても良い。
ロボットの負荷が変更になる場合、所属の減速機について、その動作時間に対する仕事量の換算式を入換えるだけで同様に保守レベルの監視が可能である。
尚、前述の実施の形態に代えて、磨耗進行特性の横軸をモータの所定の負荷条件下での積算回転量自体で規定した場合、負荷を変更に対して、前述の式(1)による換算は不可能になるが、図1において、仕事量換算手段11を廃止して、保守レベル指示データ格納手段10にモータの積算回転量を横軸として仕事量に対応する保守レベル指示データを格納しておくことにより、保守レベル判断手段12において、入力された積算回転量自体に対して異常判断を行うことができる。例えば、前述の図3の特性は、図5に示すように変形される。併せて、無駄になるサンプリング作業を甘受するならば、前述の仕事量範囲W1の開始時点は、図示のように、診断開始時点に設定することもできる。さらに、図3の鉄粉濃度特性は、前述のように、サンプリングの都度所定量のグリスの入換を行うことを前提にした特性であるが、入換量を少なくする場合、或いは実際の計測に必要な量だけをサンプリングしてその量だけを補充する等場合、事前に確認すべき鉄粉濃度特性は相応に変化することになる。
また、仕事量範囲及び保守レベルを3段階に規定したが、仕事量範囲を2段階にして保守レベルを頻繁なサンプリングと、減速交換との2段階にして第1の仕事量範囲で外部点検の結果に応じて内部点検も視野に入れておきようにもできる。或いは、仕事量範囲を4段階にして第2の仕事量範囲で内部点検前段階として聴診器、触手等による外部から精密なガタ点検を指示する保守レベルを追加する等の別の実施の形態も考えられる。
さらに本発明を発展させて、仕事量の増加に伴う鉄粉濃度の増加率を算出することにより、その結果と併せて保守レベルをより高精度に指示する診断方法も考えられる。
保守レベルの指示をより高信頼度下で行うために、本発明の鉄粉濃度に基づく判断結果に、過去の重大故障の履歴、ロボットの所期の作業に対する適応性、 、ロットの相違、可搬重量等考慮して、それぞれの保守要因にポイントを与え、本発明の鉄粉濃度計測に基づく複数の段階の保守レベルに対しても複数の段階のポイントを与えておき、その加算ポイントを基に総合的に保守レベルを決定する診断方法も考えられる。
本発明の実施の形態による故障診断装置の構成を説明する図である。 同装置に付属の鉄粉濃度計測器の構成を説明する図である。 同装置の判断動作に用いる磨耗進行特性、保守レベル指示データ及び異常警告レベルデータを説明する図である。 同装置の診断結果の表示形式を例示する図である。 同装置の変形例を説明する図である。
符号の説明
1 パソコン
2 ディスプレイ部
5 入力手段
20 グリスサンプリング用の試験管
21 励磁コイル
26 鉄粉濃度指示用の表示器

Claims (7)

  1. ロボットに内蔵された減速機の磨耗の進行度に対応する保守作業の内容を充填されているグリスに含まれる鉄粉濃度から判断するためのロボット内蔵の減速機の故障診断方法において、
    減速機の所定の負荷状態でのモータの積算回転量に対応する仕事量と、磨耗に起因してグリスに含まれる鉄粉濃度との関係を規定する磨耗進行特性を作成し、
    増加する複数段階の仕事量範囲に対して前記減速機の交換に至る保守作業の内容を規定する複数段階の保守レベルを前記磨耗の進行度に応じて指示し得るように、前記磨耗進行特性を基に前記鉄粉濃度の許容値上限値をそれぞれ規定する保守レベル指示データを作成し、
    定期的に前記グリスをサンプリングした時点の前記仕事量に対する鉄粉濃度が、前記許容上限値を上廻るか否かを判断することにより、所属の前記仕事量範囲の前記保守レベルを指示することを特徴とするロボット内蔵減速機の故障診断方法。
  2. 複数段階の仕事量範囲が3段階に規定されると共に、対応する3段階の保守レベルが、定期的よりも頻繁なグリスのサンプリングと、減速機の内部点検と、前記減速機の交換とであることを特徴とする請求項1記載のロボット内蔵減速機の故障診断方法。
  3. 磨耗進行特性が、同種の減速機を実際の負荷状態で作動させた場合の積算回転量に対して計測された鉄粉濃度であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のロボット内蔵減速機の故障診断方法。
  4. 同種の減速機を実際の負荷状態で作動させた場合の積算回転量に対する鉄粉濃度を標準の磨耗進行特性とすると共に、負荷を変更した場合の前記積算回転量に対する磨耗進行特性が、
    D=Ds×(τ×I)/(τs×Is)、(D:鉄粉濃度、Ds:標準の磨耗進行特性の鉄粉濃度、τs:標準の前記磨耗進行特性の前記減速機モータのトルク、Is:標準の前記磨耗進行特性の前記減速機モータの慣性モーメント)を基に前記鉄粉濃度を算出して作成されることを特徴とする請求項3記載のロボット内蔵減速機の故障診断方法。
  5. 保守レベル指示データに対して所定量の鉄粉濃度を越えて上廻る異常警告レベルデータを作成し、サンプリングした時点の仕事量に対する前記鉄粉濃度が、異常警告レベルデータで規定される前記鉄粉濃度を上廻るか否かを判断して、所属の仕事量範囲において、より上レベルの保守レベルを指示する異常警告を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載のロボット内蔵減速機の故障診断方法。
  6. ロボットに内蔵された減速機の磨耗の進行度に対応する保守作業の内容を充填されているグリスに含まれる鉄粉濃度から判断するためのロボット内蔵の減速機の故障診断装置であって、
    増加する複数段階の仕事量範囲に対して前記減速機の交換に至る保守作業の内容を規定する複数段階の保守レベルを磨耗の進行度に応じて指示し得るように、診断対象の前記減速機の標準的な磨耗進行特性を基に鉄粉濃度の許容値上限値をそれぞれ規定する保守レベル指示データを複数個の前記減速機について格納する保守レベル指示データ格納手段と、診断対象の前記減速機について定期的にグリスをサンプリングした時点の仕事量に対する前記鉄粉濃度が、前記許容値上限値を上廻るか否かを判断することにより、所属の前記仕事量範囲の前記保守レベルを指示する保守レベル判断手段と、その判断結果を出力する出力手段と、前記保守レベル判断手段に対して、診断対象の前記減速機、前記仕事量を規定し得るファクタ及び前記鉄粉濃度を指示する入力手段とを備え、
    磨耗進行特性が、前記減速機の所定の負荷状態でのモータの積算回転量に対応する仕事量と、磨耗に起因してグリスに含まれる前記鉄粉濃度との関係を規定することを特徴とするロボット内蔵減速機の故障診断装置。
  7. 保守指示データ格納手段が、保守レベル指示データに対して所定量の鉄粉濃度を越えて上廻る異常警告レベルデータを格納すると共に、前記保守レベル判断手段は、サンプリングした時点の仕事量に対する鉄粉濃度が、異常警告レベルデータで規定される前記鉄粉濃度を上廻るか否かを判断して、所属の仕事量範囲において、より上レベルの保守レベルを指示する異常警告を行うことを特徴とする請求項6記載のロボット内蔵減速機の故障診断装置。
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