JP4521969B2 - 商品の販売確認方法およびその値札 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は商品の販売確認方法およびその値札にかかるもので、とくに値札をつけて価格を表示した商品の販売確認方法およびその値札に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、スーパーマーケットやデパートなどにおいて販売される商品は、その価格や商品コードなどを表示したラベル（貼付け札）やタグ（下げ札）などの値札を付けて店舗に陳列している。
また、商品コードなどをバーコードで印刷して表示しているような場合には、勘定台においてこのバーコードを読み取って勘定処理をしている。
【０００３】
たとえば図６は、従来の値札１の表面の平面図であって、値札１の表面には、通常の値札としての各種の情報、たとえば販売店名、商品コードないし品番およびそのバーコード、品名、重量、価格および単価、および賞味期限などを印刷してある。
【０００４】
しかしながら、上記値札の表示内容だけでは、勘定台以外で商品の販売が行われたか否かを確認する場合に、この商品が正規に販売されたものか、あるいは万引きなどにより不法に持ち出されたものかの判断が困難であるという問題がある。
とくにキャッシュレジスターの操作係と組んで万引きが行われたような場合には、その販売確認が事実上不可能であるという問題がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、商品が正規に販売されたものであるか否かを確認することができるようにした商品の販売確認方法およびその値札を提供することを課題とする。
【０００６】
また本発明は、万引きにより不法に持ち出された場合にもこれを確認ないし証明することができる商品の販売確認方法およびその値札を提供することを課題とする。
【０００７】
また本発明は、勘定台を通過したことをデータとして記録することができるようにした商品の販売確認方法およびその値札を提供することを課題とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、微小電波を利用してデータの読取りおよび書込みが可能な、いわゆるＲＦ−ＩＤ（Ｒａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ ＩＤｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）ラベルあるいはタグなどの値札を利用すること、この値札に販売データを入力してこれを読み取り可能とすることに着目したもので、商品の価格を表示した値札を付けて販売する商品の販売確認方法であって、上記値札は、上記商品の少なくとも価格データと商品コードを含む商品データを記憶した商品データメモリーを有し、微小電波を利用してこの商品データの読取りおよび書込みを可能としてあるとともに、上記商品の勘定処理時に販売処理を行ったキャッシュレジスターを特定する販売データを上記商品データメモリーに書き込み、この販売データを読み取り可能として、上記商品の販売処理を行ったキャッシュレジスターを確認可能とする商品の販売確認方法である。
【０００９】
商品の価格を表示して商品に付ける値札であって、上記商品の少なくとも価格データと商品コードを含む商品データを記憶した商品データメモリーを有し、微小電波を利用してこの商品データの読取りおよび書込みを可能としてあるとともに、上記商品データメモリーは、上記商品の勘定処理時に販売処理を行ったキャッシュレジスターを特定する販売データを書き込み可能とし、この販売データを読み取り可能として、上記商品の販売処理を行ったキャッシュレジスターを確認可能であることを特徴とする値札である。
【００１２】
上記販売データを読み取り可能な販売データ読取り器を設け、上記商品の勘定台とは別の場所においても、この販売データ読取り器により上記販売データを読み取り可能とすることもできる。
【００１３】
上記ＲＦ−ＩＤラベルについては、特許第２５６０６６０号などにその記載がある。なお、ＲＦ−ＩＤラベルやタグについては、空間伝送媒体方式の相違により、電磁結合方式、静電結合方式、電磁誘導方式、マイクロ方式、あるいは光方式などがあり、必要に応じて任意の方式を採用可能である。
【００１４】
本発明による商品の販売確認方法およびその値札においては、上記ＲＦ−ＩＤラベルなどを商品に貼り付けておき、勘定台における勘定処理の際にその商品データメモリー内に正規の販売が行われたことを示す販売データを書き込み、勘定台以外の場所であってもこの販売データを読み取ることにより、商品の正規の販売を確認することができる。
したがって、商品が万引きされたものであれば、上記販売データが値札の商品データメモリー内に記録されていないため、この商品データメモリー内のデータを読み取って確認することにより、当該商品が正規に販売されたものか、あるいは万引きされたものかの判断を行うことができ、勘定台以外の場所であってもこの販売データを読み取る読取り機器があれば、販売確認を簡単に行うことができる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施の形態による値札およびこれを用いた商品の販売確認方法を図１ないし図５にもとづき説明する。
図１は、前記ＲＦ−ＩＤラベルによる値札１０の表面の平面図（図中左側）および透過図（図中右側）であって、値札１０の表面には、図６の値札１と同様に、通常の値札としての各種の情報、たとえば販売店名、商品コードないし品番およびそのバーコード、品名、重量、価格および単価、および賞味期限などを印刷してある。
ただし値札１０は、その透過図に示すように、ＩＣチップ１１による値札回路１２およびコイル１３を内部に有しており、これは外部から視覚によっては認識することができないようになっている。
【００１６】
図２は、値札１０における値札回路１２の概略等価回路図であって、値札回路１２は電源なしで各種データを保持可能であり、コイル１３およびコンデンサー１４による共振回路１５と、整流回路１６と、電圧保持回路１７と、中央制御回路１８（ＣＰＵ）と、商品データメモリー１９と、を有する。
【００１７】
共振回路１５は、値札１０へのデータの書込みおよび値札１０からのデータの読取りのために所定周波数の電波に共振してそのエネルギーを受信可能である。
【００１８】
整流回路１６は、受信した電波を直流電圧に変換し、電圧保持回路１７がこれを保持して中央制御回路１８および商品データメモリー１９に必要な駆動電圧を供給する。
【００１９】
中央制御回路１８は、データの書込みおよび読取りの制御を行い、商品データメモリー１９が各種データ（商品データ２１および販売データ２２、後述）をそのメモリーマップ２０（図３）上に記憶する。
この各種データについては、アンテナ、送受信回路および中央制御回路を有するデータ書込み読取り装置（図示せず）により共振回路１５を介してこれを値札１０（値札回路１２）に送信する。
【００２０】
商品データメモリー１９は、バッテリーその他の電源がなくてもデータを記憶保持可能な、たとえばＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ Ｅｒａｓａｂｌｅ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ＲＯＭ）その他任意の素子からこれを構成する。
【００２１】
図３は、メモリーマップ２０の説明図であって、たとえば販売店名、商品コードないし品番およびそのバーコード、品名、重量、価格および単価、および賞味期限などの商品データ２１、さらには、販売マーク（販売済みであることを示すフラグ）、販売年月日時刻および販売処理レジ番号などの販売データ２２を書き込み、読み取り、および変更が可能である。
商品データ２１は、値札１０の表面に印刷する内容であって、視覚ないし光学的に認識可能である。
販売データ２２は、勘定台において正規の販売処理の際に初めて書き込むことにより販売事実を示すためのもので、これは外部から視覚によっては認識することができないようになっている。
【００２２】
なお値札１０は、値札回路１２を紙材その他の値札材料の間に挟んでこれを構成してもよいし、値札材料に値札回路１２を直接プリント配線してもよい。
【００２３】
値札１０は、既述のように、その商品データメモリー１９内に価格データその他の商品データ２１を入力してあり、商品２３（図４）にこれを貼付し、この商品２３を陳列棚（図示せず）に陳列してある。
【００２４】
図４は、勘定台でのキャッシュレジスター２４の概略説明図であって、キャッシュレジスター２４に接続した読取り器２５により電波を介して値札１０の商品データ２１を読み取って、データ処理ないし勘定処理するとともに、販売データ２２を商品データメモリー１９（メモリマップ２０）に書き込む。
すなわち読取り器２５は、アンテナ２６および送受信回路２７を有し、アンテナ２６からの読取り信号により値札１０の商品データメモリー１９内の商品データ２１を読み取るとともに、キャッシュレジスター２４からの書込み信号によって商品データメモリー１９内に販売データ２２を書き込む。
【００２５】
図５は、携帯式の販売データ読取り器２８の概略説明図であって、販売データ読取り器２８は、アンテナ２９と、送受信回路３０と、中央制御回路３１（ＣＰＵ）と、を有する。
この販売データ読取り器２８の機能は、キャッシュレジスター２４および読取り器２５の読取り機能と同様であり、値札１０の商品データメモリー１９における商品データ２１および販売データ２２を読み取ることができる。もちろん、販売データ読取り器２８としては携帯式であっても定置式であってもよい。
【００２６】
こうした構成の値札１０および販売データ読取り器２８を用いて商品２３の販売確認を行うことができる。
すなわち、図４に示すように、通常の販売を正規に行う場合には、勘定台におけるキャッシュレジスター２４により商品２３の値札１０を読み取って販売確認を行うことができる。
ただし、この勘定処理の時に値札１０の商品データメモリー１９に販売データ２２を書き込んでおく。この販売データ２２は電子データであるため、購買者はもちろん、レジ係にも一般にはこれを認識することはできない。
したがって、レジ係と組になって万引きが行われた場合であっても、その販売確認を行うことができる。
【００２７】
すなわち、万引きが行われた商品２３との疑いがある場合には、図５に示すように、販売データ読取り器２８により商品２３の値札１０を読み取って、その販売データ２２を確認すれば、販売マークのフラグが「Ｙｅｓ」か「Ｎｏ」かを認識して販売確認を行うことができるとともに、販売年月日時刻および販売処理レジ番号などを確認することにより、さらに詳細な販売状況を把握することができる。もちろん、任意の勘定台におけるキャッシュレジスター２４および読取り器２５により上記販売データ２２の読取りを行うようにしてもよい。
【００２８】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、値札の商品データメモリーに販売データを書き込み、これを読み取り可能としたので、販売の確認すなわち、万引きなど不法に持ち出された否かの確認を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態による値札１０の表面の平面図（図中左側）および透過図（図中右側）である。
【図２】同、値札１０における値札回路１２の概略等価回路図である。
【図３】同、メモリーマップ２０の説明図である。
【図４】同、勘定台でのキャッシュレジスター２４の概略説明図である。
【図５】同、携帯式の販売データ読取り器２８の概略説明図である。
【図６】従来の値札１の表面の平面図である。
【符号の説明】
１ 値札（従来、図６）
１０ ＲＦ−ＩＤラベルによる値札（実施の形態、図１）
１１ ＩＣチップ
１２ 値札回路（図２）
１３ コイル
１４ コンデンサー
１５ 共振回路
１６ 整流回路
１７ 電圧保持回路
１８ 中央制御回路（ＣＰＵ）
１９ 商品データメモリー
２０ メモリーマップ（図３）
２１ 商品データ
２２ 販売データ
２３ 商品（図４）
２４ キャッシュレジスター
２５ 読取り器
２６ アンテナ
２７ 送受信回路
２８ 携帯式の販売データ読取り器（図５）
２９ アンテナ
３０ 送受信回路
３１ 中央制御回路（ＣＰＵ）

Claims (2)

1. 商品の価格を表示した値札を付けて販売する商品の販売確認方法であって、
   前記値札は、前記商品の少なくとも価格データと商品コードを含む商品データを記憶した商品データメモリーを有し、
   微小電波を利用してこの商品データの読取りおよび書込みを可能としてあるとともに、
   前記商品の勘定処理時に販売処理を行ったキャッシュレジスターを特定する販売データを前記商品データメモリーに書き込み、この販売データを読み取り可能として、前記商品の販売処理を行ったキャッシュレジスターを確認可能とすることを特徴とする商品の販売確認方法。
2. 商品の価格を表示して商品に付ける値札であって、
   前記商品の少なくとも価格データと商品コードを含む商品データを記憶した商品データメモリーを有し、微小電波を利用してこの商品データの読取りおよび書込みを可能としてあるとともに、
   前記商品データメモリーは、前記商品の勘定処理時に販売処理を行ったキャッシュレジスターを特定する販売データを書き込み可能とし、この販売データを読み取り可能として、前記商品の販売処理を行ったキャッシュレジスターを確認可能であることを特徴とする値札。

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