本発明の一実施例として、衛星を用いた映像配信サービスについて、図1を用いて説明する。図1において、10はソフト供給会社、20はオペレーションセンタ、30は番組配信センタ、31は送信装置、35は現行の放送局、36は送信装置、40は信号を配信するための衛星、50は加入世帯、51は受信装置、52はレシーバデコーダ、53はVTR、54はテレビ受像機、55は電話機、56は受信装置である。
映像配信サービスはオペレーションセンタ20を運営するオペレータにより行われる。オペレータはソフト供給会社10と契約し、必要なソフトをソフト供給会社10から番組配信センタ30に供給を受ける。図1に示す実施例ではソフト供給会社10は1つしか示されていないが、通常は複数のソフト供給会社よりソフトの供給を受ける。
番組配信センタ30はセンタに備え付けられた送信装置31により衛星40に向けて電波を打ち上げる。衛星40はその電波を受信し、加入者50に向けて電波を送信する。送信された電波は受信装置51で受信される。図1に示す実施例では加入者50を1つしか示していないが、実際には複数の加入者が存在する。
受信装置51で受信された電波はレシーバデコーダ52に入力され、レシーバデコーダ52で選択されたチャネルのソフトが選択される。選択されたソフトは必要に応じてVTR53に記録される。VTR53に記録され、好きな時に再生された信号はレシーバデコーダ52に戻され、元の映像信号に復元した後、テレビ受像機54に出力される。記録せずにそのまま見たい場合には、VTR53を介することなく元の映像信号に復元された後、テレビ受像機54に出力される。
加入者は自分の見たいソフトを電話機55からオペレーションセンタ20に送信要求することも可能である。また、オペレーションセンタ20は電話回線を介して加入者30の受信視聴状況をレシーバデコーダ52から調べることができ、視聴状況に合わせて課金することもできる。
また、現行の放送局35から送信装置36で放送された電波は受信装置56で受信され、受信された信号はVTR53に入力され記録される。VTR53で再生された信号はテレビ受像機54に入力され視聴することができる。もちろん、VTR53で記録する必要がない場合には、受信装置56からの信号はテレビ受像機54に入力され、そのまま視聴することができる。
図2は番組配信センタ30の詳細を示す実施例のブロック図である。図2において、100はソフト供給会社10から送られてきたソフトの入力手段、101はオペレーションセンタ20からの送出番組等の制御信号の入力手段、115は蓄積媒体の供給装置、160〜163は蓄積メディア、170〜173はビット圧縮装置、180は送信処理装置、190は番組制御装置、191は番組ガイド発生装置である。
図2に示す実施例では、図1に示すソフト供給会社10から蓄積媒体で送られた場合を示す。この場合、端子100は単に番組配信センタ30への蓄積媒体の受取窓口を示すに過ぎない。受け取った蓄積媒体は蓄積媒体供給装置115に保管すると共に、番組制御装置190からの制御により蓄積メディア160〜163に蓄積媒体を供給する。蓄積メディア160〜163で再生された信号はそれぞれビット圧縮装置170〜173に入力され、MPEG-2標準などでビット圧縮されその出力信号は送信処理装置180に入力される。
また、オペレーションセンタ20から入力手段101を介して送出番組等の制御信号が番組制御装置190に入力される。番組制御装置190からの番組送出制御信号が蓄積媒体供給装置115、蓄積メディア160〜163、送信処理装置140に入力される。この制御信号に従い、上記したように、蓄積媒体供給装置115内の蓄積媒体が蓄積メディア160〜163に供給され、蓄積メディア160〜163のソフトの再生、停止などが制御される。
また、番組配信センタ30から加入世帯50に配信される番組のガイド情報は、番組制御装置190からの情報に従い番組ガイド発生装置191で発生され、送信処理装置180に入力される。送信処理装置180では例えば上記したMPEG伝送標準に従い伝送するための信号処理を行う。送信処理された信号は伝送装置31に入力され、伝送装置31から衛星40に向け出力される。
図3は送信処理装置180内の信号処理の1例を示すブロック図である。図3において、170a、〜173a、190a、191aはそれぞれ入力端子、170b〜173b、31aはそれぞれ出力端子、181〜184は暗号化装置、185は時分割多重化装置、186は誤り訂正符号付加装置、187は変調装置である。
図3で、ビット圧縮装置170〜173からの信号はそれぞれ入力端子170a〜173aを介して暗号化装置181〜184に入力される。暗号化装置181〜184では入力されたそれぞれの番組が必要に応じて暗号化される。この暗号化は映像信号のみ、音声信号のみ、あるいは映像信号と音声信号の両方行ってもよい。暗号化された信号は時分割多重化装置185に入力される。端子190aは番組制御装置190からの信号の入力端子であり、時分割多重化装置185に各番組の視聴権利制御信号が入力される。この信号は各加入者が放送された信号の視聴権利を有するかどうかを示す信号からなる。さらに、時分割多重化装置185には番組ガイド発生装置191からの番組ガイド情報も入力される。そして、それぞれの信号が所定形式にパケット化され、時間軸方向に圧縮され多重化される。本実施例では、視聴権利制御信号、番組ガイド情報については暗号化装置を省いて示したが、これらについても暗号化を行ってもよい。
また、端子190aからは各番組のレート制御情報が入力される。これは、例えばビット圧縮装置170から入力される番組は4〜8Mbpsの範囲でビット圧縮し、ビット圧縮装置171から入力される番組は2〜6Mbpsの範囲でビット圧縮するなどの情報である。この情報に基づき、時分割多重化装置185はビット圧縮装置170〜173のビットレートの制御を行う。時分割多重化装置185からは出力端子170b 〜173bを介してビット圧縮装置170〜173に制御信号が出力される。これにより、時分割多重した後の信号レートが一定レート以下となるように各番組のビットレートを制御するのである。
時分割多重化装置185の出力信号は誤り訂正符号付加装置186に入力される。ここでは、例えば衛星回線、CATV回線などでノイズにより生じる伝送誤りを訂正するための誤り訂正符号が付加される。誤り訂正符号化装置の出力信号は変調装置187に入力され、図3に示す実施例の場合には4つのチャネルの番組が単一キャリアに変調され、1つの伝送チャネルとなる。単一キャリアに変調された信号は端子31aを介して送信装置31に向け出力される。
図2に示す実施例では蓄積メディアを4つ設け、伝送処理装置180に4つの番組を入力できる実施例を示したが、蓄積メディアを多く設け、さらに多くの番組を時分割多重してもよい。
また、図2に示す実施例では1伝送チャネル分の処理を示したが、蓄積メディア160〜163、ビット圧縮装置170〜173、送信処理装置180の組み合わせを複数持つことにより複数の伝送チャネルの信号を送ることもできる。
ここで、伝送チャネルとは上記したように複数の番組を時分割多重して単一キャリアで変調した信号を呼ぶことにし、複数の番組のそれぞれは単にチャネルと呼ぶことにする。
図4に加入世帯50におけるレシーバデコーダの具体的な構成例を示す。図4において、200は受信装置51からの信号の入力端子、201はオペレーションセンタにソフトをリクエストするための信号や、有料放送の受信状況を知るための信号をやり取りするための信号の入出力端子、202は復元された信号の出力端子、203はVTRとの信号の入出力端子、205は図1に示す受信装置56からの信号の入力端子、210はチューナ、220は誤り訂正回路、230は番組分割回路、240は切り換え回路、250は暗号復号回路、260はビット伸張するための復号回路、270は信号の出力処理回路、280は制御回路、290はインタフェース回路である。
衛星40からの信号を受信した受信装置51は端子200を介してチューナ210に受信信号を入力する。チューナ210では受信した信号から制御回路280からの制御信号に従い、見たい番組の伝送チャンネルの信号を選択し、変調装置187で変調した信号を復調して誤り訂正回路220に出力する。誤り訂正回路220では、主に回線中で生じた誤りを誤り訂正符号付加装置186で付加した誤り訂正符号に従い誤り訂正する。誤り訂正された信号は番組分割回路230に入力される。番組分割回路230では1つの伝送チャネルに時分割多重化装置185で時分割多重された複数の番組から、制御回路280からの制御信号に従い所要の番組を選択して出力する。
番組分割回路230の出力信号は切り換え回路240とインタフェース回路290に入力され、さらに出力端子203を介してVTR53に入力される。VTR53では入力されたディジタルビットストリームを記録し、再生時には、入力されたビットストリームと同じ形態で入力端子203を介してインタフェース回路290に入力される。インタフェース回路290の出力信号は切り換え回路240に入力される。切り換え回路240は制御回路280からの制御信号により、受信した信号を復元する場合には番組分割回路230からの信号を選択して出力し、VTR53の再生出力信号を選択して出力する場合にはインタフェース回路290からの信号を選択して出力する。
切り換え回路240の出力信号は暗号復号回路250に入力される。暗号復号回路250では、暗号化装置181〜184で暗号化された信号を復号する。暗号復号回路250から出力された暗号を復号された信号は復号回路260に入力され、図2に示すビット圧縮装置160〜163で施されたビット圧縮を復号して伸長する。
復号回路260でビット伸長された信号は出力処理回路270に輝度信号と2つの色差信号からなるコンポーネント信号が入力される。出力処理回路270では入力された2つの色差信号を直角2相変調して搬送色信号に変換し、得られた搬送色信号と輝度信号を出力する。出力信号は出力端子202を介してテレビ受像機54に入力される。テレビ受像機54がコンポジット入力端子しか有さない場合のため、出力処理回路270は輝度信号と搬送色信号を加算してコンポジット信号を出力してもよい。さらには、輝度信号と搬送色信号からなる信号とコンポジット信号全てを出力してもよい。
また、入力端子205から入力された受信装置56からの信号はVTR53で必要に応じ記録され、再生信号あるいは記録しない場合には入力信号あるいは入力と同等の信号がテレビ受像機54に出力される。図4に示す実施例では、暗号復号する前の信号をVTR53に記録するので、VTR53への記録時には暗号復号する必要が必ずしもないので、記録時には無料で、再生する度に課金処理を行うことができる。
図5は図1に示すレシーバデコーダの他の具体例を示す実施例である。図5は図4に示す実施例と一部共通であり、その共通部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
図5に示す実施例では図4に示す実施例に対し切り換え回路240を暗号復号回路250の後に移動した。即ち、暗号復号回路250の出力信号がVTR53と切り換え回路240に入力され、VTR53の出力信号が切り換え回路240に入力される。そして切り換え回路240の出力信号が復号回路260に入力される。
図5に示す実施例では、暗号復号回路250で暗号復号された信号を記録する場合である。この場合には暗号復号した信号をVTR53に記録するので、暗号復号するための課金処理を記録時に行い、再生時には課金処理されることなく再生が可能である。
なお、図5に示す実施例では暗号復号回路250を番組分割回路230の後に設けたが、先に暗号復号した後に、番組分割処理を行ってもよい。
図6はVTR53の一実施例を示すブロック図である。図6において、300は図1に示すレシーバデコーダ52からの信号の入出力端子、302は図1に示す受信装置56からの信号の入力端子、303はその出力端子、305はインタフェース回路、311はパリティ付加回路、312は変調回路、320はテープトランスポート系、330は復調回路、331は誤り訂正回路、340はアナログ映像信号記録処理回路、350はアナログ映像信号再生処理回路、360はアナログ音声信号記録処理回路、370はアナログ音声信号再生処理回路である。
入力端子300から入力された信号はインタフェース回路305を介してパリティ付加回路311に入力される。パリティ付加回路311ではテープトランスポート系320で生じる誤りを訂正するためのパリティ符号を付加する。パリティ付加回路311の出力信号は変調回路312に入力される。変調回路312ではテープトランスポート系320に適した形にディジタル信号を変調する。変調方式の例としては、NRZ、NRZI、8-10変換、MFM、M2等の方式が知られている。変調された信号はテープトランスポート系320に入力され磁気テープに記録される。
再生時には、再生された信号は復調回路330に入力され、変調回路312に対応した復調が行われる。復調回路330の出力信号は誤り訂正回路331に入力され、パリティ付加回路311で付加されたパリティ符号に基づきテープトランスポート系320で生じた誤りが訂正される。誤り訂正回路331の出力信号はインタフェース回路305に入力され、入力端子300から入力された信号と同じ形式の信号に変換された後端子300から出力される。端子300から出力された信号は図1に示すレシーバデコーダ52に入力される。
図6の実施例に示すようにVTR53内部には図2に示すようなビット圧縮装置170〜173が不要であり、回路規模の小さいディジタル信号記録VTRを実現できる。また、ビット圧縮装置をそれぞれのVTR内部に持つ必要がなく、番組配信センタ30に持てばよいので、回路規模が大きくなり、価格も大きくはなるが高性能のビット圧縮装置を用いることができ、相対的にビット圧縮率も大きく取れるので、送信するディジタル信号のデータレートを低減できる。従って、加入者が使用するVTR53は高画質、低価格、長時間録画が可能となる。
また、端子302からは受信装置56からのアナログ信号が入力され、アナログ映像信号記録処理回路340とアナログ音声信号記録処理回路360に入力される。ここでは、例えばVHS規格、β規格、8ミリVTR規格などの信号処理が行なわれる。処理された信号はテープトランスポート系320に入力される。テープトランスポート系320では、従来のVTRと同様にそれぞれのフォーマットに従って信号が記録される。
再生時には、テープトランスポート系320で再生された信号がアナログ映像信号再生処理回路350、アナログ音声信号再生処理回路370に入力され、それぞれアナログ映像信号記録処理回路340、アナログ音声信号記録処理回路360に対応した再生信号処理が行われる。再生された信号は適宜出力端子303を介して図1に示すテレビ受像機54に入力される。これにより、ディジタル放送と従来のアナログ放送を同一のテープトランスポート系を用いて記録することができる。
図7は図2に示す実施例で、送信装置31から出力される信号(または、図3に示す出力端子31aの出力信号)の一例を示す模式図である。図7に示す実施例では図2に示す実施例に合わせて、1つの伝送チャネルで4つの番組を伝送する場合について示す。また、伝送チャネルは(1)〜(n)までのn伝送チャネルの場合について示す。図7において、V1、V2、V3、V4はそれぞれ4つの番組の映像信号、A1、A2、A3、A4はそれぞれ4つの番組の音声信号、PGは番組ガイド情報を示す信号、VECM、AECMはそれぞれ視聴の権利関係を示す制御信号である。そして、それぞれが1つのパケットの信号を表すものとする。
図2に示す実施例で、4つの番組は一般にそれぞれ伝送レートが異なる。また、瞬時的に見た場合には、データ量が多くなったり、少なくなったりする。これを効率良く制御するために、図7に示す様にそれぞれの情報をパケット化して、時分割多重する。パケット内の信号の詳細については、上記した伝送標準に記載されている。図7に示す模式図では詳細に示されていないが、図3を用いて説明したように、各パケット内の信号は必要に応じ暗号化装置181〜184で暗号化されているし、誤り訂正符号付加装置186で誤り訂正符号、時分割多重化装置185で同期信号などのヘッダ情報が付加されている。
図4、図5に示す実施例では、端子200より図7(1)…(n)に示す信号が入力され、チューナ210でこのうちの1つの伝送チャネルの信号が選択される。ここでは図7(1)が選択されたものとする。選択された図7(1)に示す信号は誤り訂正回路220で誤り訂正され、番組分割回路230に入力される。番組分割回路230では時分割多重された4つの番組のうち添時1で示されている番組が選択されたものとする。このとき映像信号V1、音声信号A1と同時に、番組ガイド情報PG、視聴権利制御信号VECM、AECMも分離出力される。図8(2)はその番組分割された信号を示す。図8(1)は図7(1)を再記したものである。
図4、図5に示す実施例で切り換え回路240はVTR53の再生信号ではなくチューナ210からの信号を直接選択する場合を最初に説明する。図8(2)に示す番組分割された信号は暗号復号回路250で暗号復号される。これは、図8(2)に示す視聴権利制御信号VECM、AECM信号に基づき行われる。即ち、加入世帯が今選択した番組の視聴の権利を有する場合には暗号を復号し、視聴の権利がない場合には暗号の復号を行わず、視聴の権利がないことを明示するか、視聴の権利を得る方法を示す情報を端子202から出力する。この情報の出力はいわゆるOSDと呼ばれるものであり、出力処理回路270で映像信号にこの情報を加算して出力する。
暗号復号された信号は復号回路260に入力される。復号回路260は図2に示すビット圧縮装置170〜173に対応するもので、例えばMPEG-2標準に従い入力された信号を復号する。復号された信号は出力処理回路270を介して端子202より出力される。
また、図4に示す実施例では番組分割回路230の出力信号が、図5に示す実施例では暗号復号回路250の出力信号がインタフェース回路290、端子203を介してVTR53に入力される。インタフェース回路290に図8(2)に示す信号が入力される。VTR53では図8(2)に対応した信号が図6に示す実施例に示すように記録される。
次に図4、図5に示す実施例で切り換え回路240が53からの再生信号側に接続されている場合について説明する。VTR53で再生された信号は図6に示す実施例に従い再生され、端子203、インタフェース回路290を介して切り換え回路240に入力される。この入力信号は実質的に切り換え回路240の他の入力端子から入力される信号に等しい信号である。従って、切り換え回路240からの出力信号を図4に示す実施例の場合には暗号復号回路250、図5に示す実施例の場合には復号回路260に入力することで、チューナ210で受信した信号を復元する場合と同様にVTR53からの信号を復元することができる。
次に、VTR53で記録された信号の再生を制限する方法について示す。表1に図7、図8に示す番組ガイド情報PGに記載されている内容の一例を示す。
表1に示すように番組ガイド情報PGにはチャネルに対応する映像信号のパケットを識別するための情報V PID、音声信号のパケットを識別するための情報A PID、視聴権利情報パケットを識別するための情報VE PID、AE PID、番組のタイトル、番組の開始時刻、修了時刻などが記載されている。また、番組ガイド情報のパケットが加入者50に受信される日付、時刻も記載されている。図2に示したように、1つの伝送チャネルに複数の番組を多重して送るため、チューナ210で選択された伝送チャネルからさらに、所望のチャネルの番組を選択する必要がある。そのために、各チャネル毎に異なる識別情報を付加する必要がある。また、映像信号と音声信号さらには番組ガイド情報、視聴権利情報のパケットを識別するために、それぞれ異なる識別情報PIDを付加する。従って、同一の伝送チャネル内の異なるチャネルのパケットには異なる識別情報PIDが付加されるが、異なる伝送チャネル間のチャネルのパケットには同一のパケット識別情報PIDが存在することができる。
番組ガイドパケットPGは復号回路260で復号され出力処理回路270、端子202を介してTV受像機54に出力し、見たい番組のチャネルを選択する。
VTR53に1つの番組を記録し、再生する場合には番組ガイドからチャネルを選択して初めて記録した番組を復元するのではなく、1つの番組しか録画されていないのならその番組がそのまま再生されるべきである。そのためには、録画時に番組ガイド情報をそのまま録画するのではなく、録画する番組の情報に合わせた番組情報に変換して番組情報パケットを記録する。図8(3)はその場合の記録信号の例を示す。図8(2)で番組情報パケットPGは例えばインタフェース回路290で表2に示すように録画する番組のチャネルの情報に限定して記録する。図8(3)ではその変換された番組情報パケットをMPGで表す。
図9は図4に示す暗号復号回路250、復号回路260のさらに詳細を示す実施例のブロック図である。図9において、400は切り換え回路240からの信号の入力端子、401は出力端子、404は制御回路280との制御信号の入出力端子、405は制御回路280からの制御信号の入力端子、410は選択回路、420は番組ガイド情報読み取り回路、421は番組情報復号回路、440は視聴許可判定回路、450、451は暗号復号回路、460は映像信号伸長回路、461は音声信号伸長回路、470は選択回路である。
初めに、チューナ210で受信された信号が入力される場合について説明する。図8(2)に対応する信号が端子400から入力される。番組情報パケットPGは伝送チャネルにかかわらず同一のパケット識別情報を持つので、このパケット識別情報を元に、選択回路410で表1に示すような情報を持つ番組ガイド情報パケットPGが選択されて番組情報読み取り回路420に入力される。表1に示すような番組ガイド情報は番組ガイド復号回路421に入力され、番組ガイド情報を復号し、選択回路470に入力される。端子404からは制御回路280からの制御信号が番組が緯度読み取り回路420、選択回路470に入力される。番組ガイド情報が選択されている場合には選択回路470から番組ガイド復号回路421から入力された信号が選択されて端子401を介して出力され、さらに、出力処理回路270、端子202を介してテレビ受像機54で番組ガイドを見ることができる。
この番組ガイド情報を見ながら、どのチャネルの番組を見るかを選択すると、端子404を介して制御回路280からチャネル情報が番組ガイド読み取り回路420に入力され、入力されたチャネルに相当するパケット識別情報が読み取られ、選択回路410に入力される。選択回路410では入力されたパケット識別情報に従って、映像パケットV1、音声パケットA1、視聴権利情報パケットVECM、AECMがそれぞれ映像伸長回路460、音声伸長回路461、視聴許可判定回路440に入力される。
視聴許可判定回路440では端子405を介して制御回路280と制御信号のやり取りを行う。入力された視聴権利情報パケットVECM、AECMに基づき、暗号復号回路450、451に入力されたパケットの暗号を復号してもよいかどうか判断する。もし、記録された番組が有料番組を示す場合には、端子405を介して制御回路280に有料番組であることを示す制御信号を送る。制御回路280ではその番組に応じた金額をメモリし、端子405を介して視聴許可制御信号を視聴許可判定回路440に入力する。視聴許可判定回路440では必要に応じ視聴権利情報パケットVECM、AECMからの情報を用いて、暗号を復号するための情報を作り、暗号復号回路450、451に入力する。暗号復号回路450、451では視聴許可判定回路440からの入力信号に基づき暗号化された映像パケットV1、音声パケットA1の暗号を復号する。暗号復号された映像パケットV1、音声パケットA1はそれぞれ映像伸長回路460、音声伸長回路461に入力される。
映像伸長回路460、音声伸長回路461でビット圧縮された映像信号、音声信号がそれぞれ伸長され、選択回路470に入力される。選択回路470では端子404から入力される制御信号に従い、伸長した映像信号、音声信号を端子401を介して出力する。
次に、VTR53で再生された信号が入力される場合である、この場合には図8(3)に対応する信号が端子400から入力される。変換された番組ガイド情報パケットMPGは変換前の番組ガイド情報パケットPGと同じパケット識別情報を持つので、選択回路410から番組ガイド読み取り回路420に入力される。端子404から番組ガイド情報を選択する信号が入力されている場合にはチューナ210から信号が入力されている場合と同様に処理され、テレビ受像機54でVTR53で再生している表2に示すような番組の情報を見ることができる。
端子404から番組ガイド情報を選択していない場合には、番組ガイド読み取り回路420から再生中の番組の映像パケットV1、音声パケットA1、視聴権利情報パケットVECM、AECMのパケット識別情報が選択回路410に入力され、それぞれのパケットが暗号復号回路450、451、視聴許可判定回路440に入力される。表2に示す様に、変換された番組ガイド情報パケットは録画した番組の情報しか持たないので、特にチャネルの指定の必要なくパケット識別情報を番組ガイド読み取り回路420から選択回路410に入力することができる。
再生時にも視聴許可判定回路440で視聴権利情報パケットVECM、AECMに基づき再生の可否を判断し、かつ必要に応じ課金処理を行うことができる。従って、録画されたテープを無制限に再生することはできず、著作権者やサービス供給者の権利を守ることができる。
次に図5に示す実施例に対応する復号回路の1実施例を図10に示す。図10は一部図9に示す実施例と共通であり、その共通部分には同一の符号を付しその詳細説明を省略する。図10において、430は時刻設定回路、431は比較回路、441は視聴許可判定回路である。
初めに、チューナ210で受信された信号が入力される場合について説明する。図8(2)に対応する信号が端子400から入力される。番組情報パケットPGは伝送チャネルにかかわらず同一のパケット識別情報を持つので、このパケット識別情報を元に、選択回路410で表1に示すような情報を持つ番組ガイド情報パケットPGが選択されて番組情報読み取り回路420に入力される。番組情報読み取り回路420からは番組情報パケットPGが受信された時の日付、時刻情報が時刻設定回路430に入力される。時刻設定回路430では入力された日付、時刻情報を元に、現在の時刻を設定する。また、表1に示すような番組ガイド情報は番組ガイド復号回路421に入力され、番組ガイド情報を復号し、選択回路470に入力する。端子404を介して制御回路280からの制御信号が入力され、番組ガイド情報が選択された場合には選択回路470から復号された番組ガイド情報が出力される。
図9に示す実施例と同様に端子404から所望のチャネルを選択する制御信号が入力された場合には、番組ガイド読み取り回路420からパケット識別情報が選択回路410に入力され、選択回路から映像パケット、音声パケットがそれぞれ映像伸長回路460、音声伸長回路461に入力される。ビット圧縮された信号はそれぞれ伸長され、選択回路470に入力され、端子404から入力された制御信号に従い、端子400から出力される。
VTR53から再生信号が入力された場合には、図9に示す実施例と同様に番組ガイド情報読み取り回路420に表2に示すような変換された番組ガイド情報パケットMPGが入力され、その中から、日付、時刻情報が比較回路431に入力される。この時入力された日付、時刻情報はVTR53に録画されたときの情報である。一方、時刻設定回路430からは現在の日付、時刻が比較回路431に入力される。ここで、現在の日時とVTR53に録画されたときの日時が比較される。また、視聴許可判定回路441には再生された番組の視聴権利情報パケットVECM、AECMが選択回路410から選択されて入力され、再生制限の有る番組か、再生制限のない番組かを判定し、その判定結果を比較回路431に入力する。比較回路431では再生制限のない番組の場合には伸長を制限する制御信号を映像伸長回路460、音声伸長回路461に向け出力することはしない。再生制限の有る番組の場合にはその条件を比較回路431に入力する。再生制限条件とは、例えば記録当日のみ、記録後3日間あるいは1週間観賞できるなどの期限を決めて再生を許可するものである。この条件に従い、比較回路431で比較された現在日時と記録された日時の差を取ることで、再生の可否が判断される。この再生可否に従い、再生不可の場合には伸長を制限する信号を映像伸長回路460、音声伸長回路461に入力する。これにより、録画したテープを無制限に再生することはできなくなり、著作権者、サービス供給者の権利を守ることができる。
本発明に従えば、例えば録画したテープを複製したとしても同一の条件のテープしかできないため、著作権者やサービス供給者に無許可でテープの複製を作成しても限られた視聴しかできず、いわゆる海賊版のテープを作成することはできない。
また現在時刻の設定を受信信号に従って行っているので、現在時刻がずれることもなく、また、人為的に現在時刻をずらすこともできない。また、同様な理由により録画後の経過時間を正確にかつ示すことができ、さらに人為的に変更できないため、上記の権利を確実に保護することができる。