JP4521156B2 - ジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法およびレーザ溶接装置 - Google Patents
ジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法およびレーザ溶接装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は原子炉炉内構造物のジェットポンプ計測配管の水中レーザ補修溶接方法およびこの方法で使用するレーザ溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、BWR(沸騰水型原子炉)の炉内部品であるジェットポンプ計測配管は、ジェットポンプ内を流れる炉水の流速を計測するため、ジェットポンプのディフューザ近傍に、溶接構造で取り付けられている。そのため、ジェットポンプ計測配管がディフューザの流体振動の影響を受けて、溶接部近傍にて、疲労破壊する場合があった。
【0003】
そこで、破断したり、亀裂を有するジェットポンプ計測配管の補修方法が必要となり、例えば形状記憶合金製のスリーブを用いる補修工法が知られていた(特許文献1参照)。
【0004】
次に、図16を参照して従来の形状記憶合金製スリーブを用いた計測配管の補修工法について説明する。
【0005】
まず、ジェットポンプディフューザ1に、複数個のブロック2,2,2を介して固定されたジェットポンプ計測配管3に亀裂や破断等の損傷部が発生した場合には、この損傷部の軸方向両側を切断すると共に、その損傷部に溶接されたブロック2xを切断することにより損傷部を切除する。次に、予め図中上下一対の形状記憶合金製スリーブ4a,4bの各内端部内に新計測配管5の両端をそれぞれ挿入して固定させてなる当該一対の形状記憶合金製スリーブ4a,4bの各外端内に、切除した旧計測配管3の各切断端部をそれぞれ挿入して1本のジェットポンプ計測配管3に補修する。これら形状記憶合金製スリーブ4a,4bは所定の原子炉運転温度で記憶している形状に復元されるので、ジェットポンプ計測配管3に強固に固定される。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−13951号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法では、1個が例えば数千万円もする高価な形状記憶合金製スリーブ4a,4bを緊急時に入手することが困難であるうえに、多数を在庫として保有することはコストの面からも製造メーカや客先としても非常に難しい。
【0008】
本発明はかかる事情を考慮してなされたものであり、ジェットポンプ計測配管の原子炉内での補修を、低コストかつ短納期で多数のプラントにて行なうことができる水中レーザ補修溶接工法およびレーザ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、原子炉内の炉水中に配設されたジェットポンプのディフューザに沿ってその近傍に上下方向に接続されたジェットポンプ計測配管の水中溶接補修方法であって、上記ジェットポンプ計測配管を、その損傷部の軸方向両側にて放電加工により切断し、この損傷部を含む切除配管を除去する工程と、このジェットポンプ計測配管の外周周りに、レーザ光を照射するレーザ溶接ヘッドが設けられた回転自在の回転テーブルを配設する工程と、このジェットポンプ計測配管の上記両切断端部を前記切除配管よりも所定長さ長い溶接用スリーブ内にそれぞれ挿入させる工程と、これら挿入部に対応する溶接用スリーブの外周面に、シールドガスを供給して上記溶接用スリーブの溶接部近傍の炉水を排除しつつ、前記回転テーブルを回転させて前記レーザ溶接ヘッドによってレーザ光を周方向に照射することにより、この溶接用スリーブとジェットポンプ計測配管挿入部とを遠隔操作により水中にて周方向にレーザ溶接する工程と、を具備し、レーザ溶接工程では、上記溶接用スリーブの肉厚全厚を溶融するとともに前記溶接用スリーブ内の前記ジェットポンプ計測配管の両挿入端部の外周部側を溶融させ、これら両挿入端部を前記溶接用スリーブの内周面に溶着させることを特徴とするジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0010】
請求項2に係る発明は、上記溶接用スリーブはSUS308Lであることを特徴とする請求項1記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0011】
請求項3に係る発明は、上記レーザ光はパルス発振レーザから出力されたものであることを特徴とする請求項1記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0012】
請求項4に係る発明は、上記レーザ光の照射位置は上記溶接用スリーブとジェットポンプ計測配管の各端部であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0013】
請求項5に係る発明は、上記レーザ溶接工程は、1箇所以上の多パス溶接により複数箇所溶接の工程を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0014】
請求項6に係る発明は、上記レーザ溶接工程は、レーザ光を溶接用スリーブの一周を2回以上に分けて照射する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0015】
請求項7に係る発明は、上記溶接用スリーブ内に上記ジェットポンプ計測配管の両切断端をそれぞれ挿入する工程の前に、レーザ溶接該当部の配管外周面の酸化膜を除去する工程を具備していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0016】
請求項8に係る発明は、上記ジェットポンプ計測配管の外径と上記溶接用スリーブの内径の隙間を1.0mm未満にすることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0017】
請求項9に係る発明は、上記ジェットポンプ計測配管と上記溶接用スリーブとをレーザ溶接する工程の前に、レーザ光で上記溶接用スリーブを溶接位置に仮付け溶接することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0018】
請求項10に係る発明は、上記ジェットポンプ計測配管と溶接用スリーブとをレーザ溶接する工程の前に、溶融しない入熱に設定したレーザ光を上記溶接用スリーブに照射することにより、この溶接用スリーブを熱収縮させ、このジェットポンプ計測配管に締め付け、仮固定させる工程を具備していることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0019】
請求項11に係る発明は、上記ジェットポンプに上記ジェットポンプ計測配管を固定するブロックと、上記ジェットポンプ計測配管の上記損傷部の両側とを放電加工により切断する工程を具備していることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0020】
請求項12に係る発明は、上記溶接用スリーブ内に、ジェットポンプ計測配管の両切断端部を挿入する工程は、まず切断端部のうちの上端部を挿入し、次いでその下端部を挿入する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0021】
請求項13に係る発明は、上記ジェットポンプ計測配管と溶接用スリーブとをレーザ溶接する工程の後に、このジェットポンプ計測配管にクランプを、このクランプの端部が上記ジェットポンプに当接した状態で取り付ける工程を具備していることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を提供する。
【0022】
請求項14に係る発明は、原子炉内の炉水中に配設されたジェットポンプのディフューザに沿ってその近傍に上下方向に接続されたジェットポンプ計測配管の損傷部の軸方向両側を切断してこの損傷部を有する切除配管を除去してこの切除配管よりも所定長さ長い溶接用スリーブの挿入端部を構成した後にこのジェットポンプ計測配管の補修を行なうのに用いられるレーザ溶接装置であって、上記ジェットポンプ計測配管の両挿入端部を内部にそれぞれ挿入せしめて配置されてなる溶接用スリーブの挿入部外周面に上記溶接用スリーブの溶接部近傍の炉水を局所的に排除するシールドガスを噴射する手段と、このシールドガスの噴射路と同心状にレーザ光を開口から照射して、上記溶接用スリーブの肉厚全厚を溶融するとともに上記溶接用スリーブ内の上記ジェットポンプ計測配管の両挿入端部の外周部側を溶融させ、この溶接用スリーブの内周面に上記ジェットポンプ計測配管の両挿入端部を溶着させるレーザ照射手段とを有するレーザ溶接ヘッドと、原子炉内に吊り込まれる溶接装置本体と、この溶接装置本体に回転自在に装着される一方、上記レーザ溶接ヘッドが上記溶接用スリーブの外周を回動し得るようにこのレーザヘッドを取り付けている回転部と、上記レーザ溶接ヘッドの開口をシャッターにより水密に閉じる一方、上記シールドガスとレーザ光の噴射時にシャッターを開放させるシャッター開閉機構と、を具備していることを特徴とするレーザ溶接装置を提供する。
【0023】
請求項15に係る発明は、上記レーザ溶接ヘッドは、上記溶接用スリーブの溶接予定部を回動する際に、この溶接用スリーブの外周面に摺動自在に当接してレーザ溶接ヘッドの回動方向を案内する倣い機構を具備していることを特徴とする請求項14記載のレーザ溶接装置を提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法の実施形態を複数の添付図面に基づいて説明する。なお、これらの図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0025】
(第1の実施形態)
図1〜図3は本発明の第1の実施形態に係るジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法の工程をそれぞれ示す工程図であり、これらの図に示すようにジェットポンプディフューザ1には複数のブロック2,2,2を介してジェットポンプ計測配管3を固着している。
【0026】
各ブロック2はジェットポンプのディフューザ1とジェットポンプ計測配管3とに溶接によりそれぞれ固着されている。ジェットポンプは炉水を収容している原子炉である原子炉圧力容器内の図示しない炉心の外周にて周方向に所定のピッチを置いて複数台配設されている。
【0027】
ジェットポンプ計測配管3には、例えばコ字状のクランプ4を着脱自在に取り付けており、このコ字状クランプ4の上下一対の両突出端部を一対のブロック2の突出端(図1(a)では右端)にそれぞれ当接させている。
【0028】
クランプ4はその図1(a)中上下方向中間部にて例えばC形状の帯状のクランプ固定装置5の長手方向中間部を固着し、このクランプ固定装置5の長手方向両端部をジェットポンプディフューザ1にそれぞれ固着し、ジェットポンプ計測配管3をこのクランプ4とクランプ固定装置5により支持し固定している。しかし、原子炉によってはこれらクランプ4とクランプ固定装置5を具備していない場合もある。
【0029】
次に、このように構成されているジェットポンプ計測配管3の一部に破断や亀裂等の損傷が発生した場合に、このジェットポンプ計測配管3を補修するための本発明の第1の本実施形態に係るジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を図1〜図3に基づいて説明する。
【0030】
(第1工程)
図1(a)に示すようにクランプ4とクランプ固定装置5を具備している場合には、クランプ固定装置5をクランプ4の両側における所要の破断箇所3xにてEDM(Electrical Discharge Machining:放電加工)法により破断し、クランプ4をクランプ固定装置5から切り離す。
【0031】
次に、クランプ4の図示しない例えばロック解除ピン等のロック解除手段を図示しない遠隔操作手段により押圧する等のロック解除操作により、クランプ4のジェットポンプ計測配管3を保持している保持機構のロックをそれぞれ解除し、しかる後に、クランプ4をジェットポンプ計測配管3からその径方向へ移動させることにより、このクランプ4をジェットポンプ計測配管3から取り外す。取り外したクランプ4は図示しない遠隔操作手段等により炉外へ吊り出す。
【0032】
(第2工程)
次に、図1(b)に示すように、ジェットポンプ計測配管3の破断や破裂等が発生した損傷部3x近傍で固着されているブロック2xをこのジェットポンプ計測配管3から切り離すようにEDM法により切断する。また、ジェットポンプ計測配管3を、損傷部3xから軸方向両側へそれぞれ所定長離れた両切断部3a,3bにてEDM法により切断し、損傷部3xを有する切除配管3cを除去し、炉外へ引き上げる。
【0033】
これにより、ジェットポンプ計測配管3の下部切断箇所3bよりも図1(b)中下方のジェットポンプ計測配管3の下部3lを支持する手段がなくなり、そのままでは図中下方へ落下してしまうので、この損傷部3xを有する切除配管3cを切除する前に、炉内に吊り込んだセンシングライン固定ベース6により、ジェットポンプ計測配管3の下部3lを予め支持させておく。
【0034】
センシングライン固定ベース6は隣り合うジェットポンプディフューザ1,1間に吊り込まれて、これら両者間にベース部6aをほぼ水平に介在させることにより架橋させて固定される。なお、ジェットポンプ計測配管3の上部3uは図示しないジェットポンプディフューザ1の上部に固着されたブロックにより固定されている。
【0035】
図4はこのブロック2をEDM法により切断するEDM装置7の一例の正面図である。このEDM装置7は図示しない例えばオペレーションフロア等から原子炉内に昇降自在に吊り込まれる装置本体7aに、モータ7bと、このモータ7bにより回動される回動部7cと、この回動部7cに装着されたコ字形や箱形等所要形状のEDM(放電加工)電極7dとを配設している。これにより炉外から遠隔制御されるモータ7bの回動に応じて回動部7cを回動させ、この回動部7cの回動によりEDM電極7dを回動させるように構成されている。このために、上記ブロック2やジェットポンプ計測配管3の切除配管3cを炉水中でEDM電極7dのアーク放電により切断加工することができる。これら切断作業は炉内に吊り込まれた図示しないTVカメラにより撮像した画像を炉外のオペレーションフロア等のモニタで見ながらEDM装置7を遠隔操作することにより実行される。このEDM装置7の切断条件の一例は以下の通りである。
【0036】
【外1】
【0037】
なお、平均電流が200A以上では安定した切断が困難であり、連続条件では切断速度が遅くなる。EDM電極7dの電極素材はCu材でも銀タングステンでもよい。
【0038】
(第3工程)
この後、図2に示すようにジェットポンプ計測配管3の切除配管3cの除去跡に溶接用のスリーブ8を取り付ける。すなわち、切除配管3cよりも所定長さ長い溶接用スリーブ8の図2中開口上端内に、ジェットポンプ計測配管3の上部切断部3aを挿入して溶接用スリーブ8を図中上方へ押し込み、この溶接用スリーブ8の図中開口下端とジェットポンプ計測配管3の下部切断部3bとの間に所要の間隔が形成されたときに、今後は溶接用スリーブ8を図中下方へ押し込んで溶接用スリーブ8の図中開口下端内に、ジェットポンプ計測配管3の下部切断部3bを所定量挿入させる。これにより、ジェットポンプ計測配管3の上部,下部切断部3a,3b間に溶接用スリーブ8が外嵌されて仮接続される。
【0039】
この溶接用スリーブ8のジェットポンプ計測配管3への取付作業は、例えば図2と図5で示すスリーブ取付装置9を使用し、炉内に吊り込まれた図示しないTVカメラにより撮像された画像を炉外のオペレーションフロア等のモニタで見ながらこのスリーブ挿入装置9を遠隔操作することにより実行される。
【0040】
図2,図5に示すようにスリーブ取付装置9は図示しないオペレーションフロア等から炉内に昇降自在に吊り込まれる装置本体9aに、ジェットポンプ計測配管3を保持・解放自在な複数のチャック部9b,9bと、これらチャック部9bの保持・解放動作を行うチャック用モータ9c,9cと、エア駆動機構9dと、スリーブ掴み用モータ9eとを配設している。また、装置本体9aの先端(図2中下端)に、2軸ステージ9fを軸方向に伸縮自在でかつ1軸回りに回動自在に設け、この2軸ステージ9fに、溶接用スリーブ8を放し自在に掴むスリーブ掴み部9gを設けている。また、エア駆動機構9dの駆動により2軸ステージ9fを軸方向に伸縮させることによりスリーブ掴み部9gを軸方向、すなわち、ジェットポンプ計測配管3の軸方向に沿って往復動させるようになっている。
【0041】
したがって、このスリーブ取付装置9により溶接用スリーブ8をジェットポンプ計測配管3の切除部3cに取り付ける場合は、まず、図2に示すようにスリーブ取付装置9を、そのスリーブ掴み部9gにより予め溶接用スリーブ8を掴ませた状態で、例えば図示しないオペレーションフロアから炉内に吊り込み、ジェットポンプ計測配管3の近傍に位置決めし、複数のチャック部9b,9bによりジェットポンプ計測配管3を掴ませる(保持する)ことにより、このスリーブ取付装置9をジェットポンプ計測配管3に固定させ、溶接用スリーブ8をジェットポンプ計測配管3の切除部3cに位置させると共に、軸心を相互に一致させる位置決めを行なう。
【0042】
次に、エア駆動機構9dを駆動して2軸ステージ9fを図2中上方へ移動させる。これにより、溶接用スリーブ8の開口上端内にジェットポンプ計測配管3の開口上端3aが所定量挿入される。このために、溶接用スリーブ8の開口下端とジェットポンプ計測配管3の開口下端3bとの間に若干の間隙が形成されたら、今度はエア駆動機構9dは軸方向反対側(図2中下方)へ移動させて溶接用スリーブ8の開口下端内に、ジェットポンプ計測配管3の開口下端3bを所定量挿入させる。これにより、ジェットポンプ計測配管3の開口上端3aと開口下端3bがほぼ等量溶接用スリーブ8内に挿入されて仮接続される。
【0043】
(第4工程)
次に図3(a)に示すように溶接用スリーブ8を、この溶接用スリーブ8の軸方向両端部内に所定量挿入されているジェットポンプ計測配管3の挿入端部においてレーザ溶接部10による全厚(貫通)溶接により固着する。
【0044】
このレーザ溶接部10を行なうレーザ溶接装置11の一例は図示しないオペレーションフロア等から炉内に吊り込まれる装置本体11aに、回転自在の回転部である回転テーブル11bを配設し、この回転テーブル11bに、レーザ溶接ヘッド11cを設け、回転テーブル11bの回転によりレーザ溶接ヘッド11cをジェットポンプ計測配管3外周回りの全周を回転するようになっている。
【0045】
図6に示すように、レーザ溶接ヘッド11cはその一部を、集光光学系11dと反射ミラー11eとを収容する収容室11fに形成し、この収容室11f内の集光光学系11dの一側方(図6では左側方)には収容室11f内に供給されるシールドガスsgの一部をガスジェットgjとして開口11hの外面直近を垂直方向に噴射させるガスジェット流路を形成している。また、収容室11fは反射ミラー11eの側方にて所要口径の開口11hを穿設する一方、図6中上端部にはコア径が、例えば0.6mmの光ファイバ11iの出口端部11jのほぼ下半部を貫通させて固定し、この出口端部11jの照射口から収容室11f内へ照射されたレーザ光11kを集光光学系11eへ照射するようになっている。
【0046】
光ファイバ11iはその途中で混合器11lを介在させてからYAGレーザ発振器11mに接続している。YAGレーザ発振器11mはYAGレーザ共振器11nとファイバ入射レンズ11oとを備えており、YAGレーザ共振器11nから光ファイバ11iへレーザ光11kを出力するようになっている。
【0047】
また、混合器11lにはシールドガスを充填したガスボンベ11pを配管を介して接続しており、混合器11lでシールドガスとレーザ光11kとを混合してレーザ溶接ヘッド11cへ供給するようになっている。
【0048】
そして、レーザ溶接ヘッド11cはその開口11hの例えば図中上端部に、外側方(図6中左側方)へ突出する倣い用接触端11qを突設し、押付ばね11rにより倣い用接触端11qが常時溶接用スリーブ8の外周面に当接するように付勢されている。
【0049】
したがって、この倣い用接触端11qはその先端面を溶接用スリーブ8の外面に当接した状態でレーザ溶接ヘッド11cの回動に伴って溶接用スリーブ8の外面を摺動し、その摺動方向を案内すると共に、レーザ溶接ヘッド11cの開口11hと溶接用スリーブ8の外周面との間隔を常に所定間隔に保つようになっている。
【0050】
また、図7(a),(b)に示すように、レーザ溶接ヘッド11cは開口11hをシャッター11sにより水密に閉じる一方、開放する開閉自在のシャッター機構11tを設けている。図7(a)に示すように、シャッター機構11tはその内部に所定圧の動作ガスagを供給することによりシャッター11sを図7(a)中上方へ上昇させて開口11hを開放させる一方、動作ガスagをシャッター機構11tから抜くことによりシャッター11sを降下させて開口11hを水密に閉じるようになっている。
【0051】
次に、このように構成されたレーザ溶接装置11により溶接用スリーブ8をレーザ溶接する場合の方法を説明する。
【0052】
まず、YAGレーザ発振器11mから発振されたレーザ光11kが光ファイバー11iによってレーザ溶接ヘッド11cの収容室11fへ伝送され、ここで、集光光学系11dにより集光されてから反射ミラー11eによって反射されて開口11hから溶接用スリーブ8の被溶接部の外面に照射される。このとき、シールドガスsgがレーザ光11kと共に同心状かつ同時に噴射され、溶接用スリーブ8の溶接部近傍の炉水を排除し、溶接用スリーブ8の外面へレーザ光11kを照射すると、溶接用スリーブ8の肉厚全厚が溶融すると共に、この溶接用スリーブ8内のジェットポンプ計測配管3の両挿入端部3a,3bの外周部側が溶融し、これら両挿入端部3a,3bが溶接用スリーブ8の内周面に溶着される。また、このレーザ溶接時、開口11hの上方からガスジェットgjが垂直方向へ噴射され、レーザ被照射点から発生する金属蒸気や酸化物などのガス状の溶接ヒュームやスパッタと呼ばれる小球の溶融金属を飛散させる。
【0053】
さらに、図6で示すようにレーザ溶接ヘッド11cはレーザ光11kやシールドガスsgを供給しつつ、回転テーブル11bの回転により、溶接用スリーブ8の外周囲を全周回転し、レーザ溶接部10を形成する。このとき、倣い用接触端11qを押付けばね11rのばね力により溶接用スリーブ8の外周面に常時弾性的に押付けているために、レーザ光11kの焦点位置が回転中にずれるのを防止ないし低減することができる。なお、ジェットポンプ計測配管3内部と周囲の炉水を分離するため、最低2ヶ所以上の溶接部15を形成する必要がある。
【0054】
本実施例のレーザ溶接の条件の一例を以下に示す。
【0055】
【外2】
【0056】
レーザ溶接には、YAGレーザ光(波長1.06μm)を用いるが、LDレーザを採用してもよい。このLDレーザはYAGロッドなどを用いず、半導体から発振されたレーザ光を集めて、直接溶接部に照射するレーザであり、例えば波長0.7〜0.9μmのレーザである。
【0057】
ジェットポンプ計測配管3の母材は、例えばSUS304やSUS316L等であり、外径φが約14mm、肉厚が約2mmである。溶接用スリーブ8は母材と同等材でも良いが、凝固割れを考慮して、例えばSUS308Lなどの溶接材を採用してもよい。肉厚はジェットポンプ計測配管3と同程度とし、外径は例えば約18mmとする。
【0058】
また、使用するガスは、ArやHeなどの不活性ガスの他に、窒素ガスなどを用いてもよい。
【0059】
レーザ光11kの焦点位置は溶接用スリーブ8の表面上に設定し、そのビーム径はφ0.3〜φ0.8mmとする。溶接用スリーブ8にジェットポンプ計測配管3と共材を採用した場合、フィラーワイヤ(溶加棒)を供給してもよい。
【0060】
この溶接条件の一例では、溶接用スリーブ8を全厚溶融させ、かつ、計測配管の全厚(貫通溶接)ではなく、一部分以上を溶融させることができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、破断部また亀裂等の損傷部3xを有するジェットポンプ計測配管3から、その損傷部3xを含む配管の一部を切除する作業と、このジェットポンプ計測配管3の切除管3cの切除跡に、炉水中にて溶接用スリーブ8を接続し溶接補修することが可能であるので、準備期間が短く、補修工期の短い健全な溶接補修工法を実現することができる。
【0062】
さらに、シャッター11sによりレーザ溶接ヘッド11cの開口を水密に閉じるので、レーザ溶接ヘッド11cの収容室11f内の集光光学系11dや反射鏡11eが炉水により冠水して損傷を与えるのを防止することができると共にシールドガスsgの消費を抑制することができる。
【0063】
(第5工程)
次に図3(b)に示すように、上記補修したジェットポンプ計測配管3のジェットポンプディフューザ1の振動に起因する振動を抑制するために、このジェットポンプ計測配管3に新規クランプ12を炉外からの遠隔操作により取り付ける。この新規クランプ12は3箇所の支持部12a,12a,12aを突設しており、これら支持部12aの先端をジェットポンプディフューザ1に当接することによりジェットポンプ計測配管3の振動を低減するように構成されている。この第5工程により本実施形態に係るジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法の工程は終了する。この新規クランプ12のジェットポンプ計測配管3を保持する機構とそのロック機構は図1で示すクランプ4とほぼ同様に構成されている。
【0064】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、上記第1の実施形態において図8に示すように、レーザ光の発振パターンを連続発振ではなく、パルス発振に設定する点に特徴があり、次にそのパルスの一例を示す。
【0065】
【外3】
【0066】
すなわち、レーザパルスの発振周波数が200Hz以上では、パルス発振が連続発振に近づき、パルス発振特有の溶接部の溶け込み深さの向上が期待できない。また、デューティが30%以下においても、スパッタが多発し、溶接部の溶融現象が安定しない。なお、図8で示すレーザパルスはレーザ照射出力が1000W、周波数が50Hz、デューティ比が50%の場合のパルスオン幅、パルス周期、パルスピーク出力(2000W)、レーザ光平均照射出力(平均出力1000W)をそれぞれ示している。
【0067】
これにより、平均出力の低い溶接条件においても、ジェットポンプ計測配管3と溶接用スリーブ8との補修溶接を可能にすることができる。
【0068】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は図9に示すように、レーザ光11kの照射位置を溶接用スリーブ8とジェットポンプ計測配管3の各軸方向端部に設定する点に特徴がある。これにより、溶接用スリーブ8とジェットポンプ計測配管3の溶接後にクレビスを有しない構造を構成することができると共に、耐SCC(応力腐食割れ:stress corrosion cracking)感受性を低減することができる。
【0069】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態は図10に示すようにジェットポンプ計測配管3と溶接用スリーブ8との溶着面積(接合幅W)が小さい場合は、レーザ溶接部10の回数をスリーブの軸方向で2回以上に増加させる。この実施形態によれば、レーザ溶接により接合しようとする接合幅Wが狭い場合でも、レーザ溶接部10を2箇所以上形成することができるので、これらレーザ溶接部10の接合強度を向上させることができる。
【0070】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態は図11に示すように溶接用スリーブ8の全周溶接を2回以上に分けて行なう点に特徴がある。すなわち、レーザ溶接ヘッド11cの溶接用スリーブ8周りの回動動作が光ファイバ11iや図示しないモータケーブルなどの配線や配管に干渉し、レーザ溶接ヘッド11cが溶接用スリーブ8周りを連続して1周回転できない場合は、その回転を2回以上に分けて、ジェットポンプディフューザ1側の所要位置S1,S2からスタートし、その反対側の所要位置E1,E2にて溶接を終了する溶接方法を採用する。本実施形態によれば、溶接用スリーブ8の全周にわたり健全なレーザ溶接部10を確実に形成することができる。
【0071】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態は、図12に示すように有底円筒状の開口端部内周面に研摩材13を設けた研磨装置14の開口端部内に、切除後のジェットポンプ計測配管3の上部,下部切断端部3a,3bをそれぞれ挿入し、研摩させることにより、これら上部,下部切断端部3a,3bの外面の酸化膜を取り除く。これは運転プラントのジェットポンプ計測配管3は外表面に酸化膜が形成されていることが考えられ、溶接欠陥を発生させる恐れがあるので、その酸化膜を除去するためである。これにより、ブローホールなどの溶接欠陥が発生しない健全なレーザ溶接部10を確実に形成することができる。
【0072】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態は図13に示すようにジェットポンプ計測配管3と溶接用スリーブ8のギャップ15は、例えばオペレーションフロア等から遠隔操作により挿入するため、ゼロにすることはできない。しかし、仮に図13に示すようにギャップ15が1mm以上の大きい場合は、レーザ溶接時の溶融金属がそのギャップ15内に陥入するため、凹部16が溶接用スリーブ8の溶接表面に形成され、溶接不良となる。そこで、ジェットポンプ計測配管3の外径と溶接用スリーブ8の内径差(ギャップ15)は、1mm未満にすることが必要である。これにより、健全なレーザ溶接部10を形成することができる。
【0073】
(第8の実施形態)
本発明の実施形態は図14に示すように、レーザ溶接を開始する前に、溶接用スリーブ8を所定の溶接位置から移動させないために、レーザ光11kにより仮付け溶接を実施する。この仮付け溶接条件の一例を以下に示す。
【0074】
【外4】
【0075】
仮付け溶接は、パルス発振でも良い。これによれば、溶接用スリーブ8が所定の溶接位置からずれるのを防止ないし低減できるので、全周にわたり健全なレーザ溶接部10を形成することができる。
【0076】
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態は図15に示すように溶接用スリーブ8の外面を、レーザ溶接を開始する前に、溶融させないレーザ照射により、溶接用スリーブ8を収縮させて、ジェットポンプ計測配管3に仮固定させる点に特徴がある。これによれば、レーザ溶接時に溶接用スリーブ8がずれるのを防止ないし低減できるので、健全なレーザ溶接部10を形成することができる。
【0077】
このレーザ照射条件の一例を以下に示す。
【0078】
【外5】
【0079】
なお、レーザビーム径がφ1mm以下では溶接用スリーブ8の外表面が溶融され、また、レーザビーム径がφ5mm以上では、溶接用スリーブ8の熱収縮が期待できない。また上記第2〜第9の実施形態の各特徴点は上記第1の実施形態に対する特徴であって、第1の実施形態の実施を前提とする。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、原子炉内の炉水中において、破断部また亀裂等の損傷部を有するジェットポンプ計測配管から当該損傷部を含む配管の一部を切除し、さらに、この配管切除跡に溶接用スリーブを接続して溶接補修することができる。そのために、補修準備期間が短く、かつ補修工期の短い健全な溶接補修を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態の第1工程を示す要部正面図、(b)は同第2工程の要部正面図。
【図2】本発明の第1の実施形態の第3工程の要部正面図。
【図3】(a)は本発明の第1の実施形態の第4工程の要部正面図、(b)は同第5工程の要部正面図。
【図4】図1(a),(b)で示す第1,第2工程で使用されるEDM装置の要部正面図。
【図5】図2で示すスリーブ取付装置の正面図。
【図6】図3(a)で示す第4工程で使用されるレーザ溶接装置の構成図。
【図7】(a)は図6等で示すレーザ溶接装置のシャッター開状態を示す要部縦断面図、(b)は同図(a)で示すレーザ溶接装置のシャッター閉状態を示す要部縦断面図。
【図8】本発明の第2の実施形態のレーザ溶接で使用されるパルスレーザの波形図。
【図9】本発明の第3の実施形態の特徴を示す要部縦断面図。
【図10】本発明の第4の実施形態の特徴を示す要部縦断面図。
【図11】本発明の第5の実施形態の特徴を示す概略平面図。
【図12】本発明の第6の実施形態の特徴を示す要部縦断面図。
【図13】本発明の第7の実施形態の特徴を示す要部縦断面図。
【図14】本発明の第8の実施形態の特徴を示す要部縦断面図。
【図15】本発明の第9の実施形態の特徴を示す要部縦断面図。
【図16】従来のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法を示す一部正面図。
【符号の説明】
1 ジェットポンプディフューザ
2 ブロック
3 ジェットポンプ計測配管
4 クランプ
5 クランプ固定装置
7 EDM装置
7d EDM電極
8 溶接用スリーブ
9 スリーブ取付装置
10 レーザ溶接部
11 レーザ溶接装置
11a 溶接装置本体
11b 回転テーブル
11c レーザ溶接ヘッド
11f 収容室
11h 開口
11k レーザ光
11q 倣い接触端
11s シャッター
11t シャッター機構
12 新型クランプ
as シールドガス
sg 動作ガス
Claims (15)
- 原子炉内の炉水中に配設されたジェットポンプのディフューザに沿ってその近傍に上下方向に接続されたジェットポンプ計測配管の水中溶接補修方法であって、
上記ジェットポンプ計測配管を、その損傷部の軸方向両側にて放電加工により切断し、この損傷部を含む切除配管を除去する工程と、
このジェットポンプ計測配管の外周周りに、レーザ光を照射するレーザ溶接ヘッドが設けられた回転自在の回転テーブルを配設する工程と、
このジェットポンプ計測配管の上記両切断端部を前記切除配管よりも所定長さ長い溶接用スリーブ内にそれぞれ挿入させる工程と、
これら挿入部に対応する溶接用スリーブの外周面に、シールドガスを供給して上記溶接用スリーブの溶接部近傍の炉水を排除しつつ、前記回転テーブルを回転させて前記レーザ溶接ヘッドによってレーザ光を周方向に照射することにより、この溶接用スリーブとジェットポンプ計測配管挿入部とを遠隔操作により水中にて周方向にレーザ溶接する工程と、
を具備し、
レーザ溶接工程では、上記溶接用スリーブの肉厚全厚を溶融するとともに前記溶接用スリーブ内の前記ジェットポンプ計測配管の両挿入端部の外周部側を溶融させ、これら両挿入端部を前記溶接用スリーブの内周面に溶着させることを特徴とするジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。 - 上記溶接用スリーブはSUS308Lであることを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記レーザ光はパルス発振レーザから出力されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記レーザ光の照射位置は上記溶接用スリーブとジェットポンプ計測配管の各端部であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記レーザ溶接工程は、1箇所以上の多パス溶接により複数箇所溶接の工程を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記レーザ溶接工程は、レーザ光を溶接用スリーブの一周を2回以上に分けて照射する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記溶接用スリーブ内に上記ジェットポンプ計測配管の両切断端をそれぞれ挿入する工程の前に、レーザ溶接該当部の配管外周面の酸化膜を除去する工程を具備していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記ジェットポンプ計測配管の外径と上記溶接用スリーブの内径の隙間を1.0mm未満にすることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記ジェットポンプ計測配管と上記溶接用スリーブとをレーザ溶接する工程の前に、レーザ光で上記溶接用スリーブを溶接位置に仮付け溶接することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記ジェットポンプ計測配管と上記溶接用スリーブとをレーザ溶接する工程の前に、溶融しない入熱に設定したレーザ光を上記溶接用スリーブに照射することにより、この溶接用スリーブを熱収縮させ、このジェットポンプ計測配管に仮固定させる工程を具備していることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記ジェットポンプに上記ジェットポンプ計測配管を固定するブロックと、上記ジェットポンプ計測配管の上記損傷部の両側とを放電加工により切断する工程を具備していることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記溶接用スリーブ内に、ジェットポンプ計測配管の両切断端部を挿入する工程は、まず切断端部のうちの上端部を挿入し、次いでその下端部を挿入する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 上記ジェットポンプ計測配管と溶接用スリーブとをレーザ溶接する工程の後に、このジェットポンプ計測配管にクランプを、このクランプの端部が上記ジェットポンプに当接した状態で取り付ける工程を具備していることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載のジェットポンプ計測配管の水中レーザ溶接補修方法。
- 原子炉内の炉水中に配設されたジェットポンプのディフューザに沿ってその近傍に上下方向に接続されたジェットポンプ計測配管の損傷部の軸方向両側を切断してこの損傷部を有する切除配管を除去してこの切除配管よりも所定長さ長い溶接用スリーブの挿入端部を構成した後にこのジェットポンプ計測配管の補修を行なうのに用いられるレーザ溶接装置であって、
上記ジェットポンプ計測配管の両挿入端部を内部にそれぞれ挿入せしめて配置されてなる溶接用スリーブの挿入部外周面に上記溶接用スリーブの溶接部近傍の炉水を局所的に排除するシールドガスを噴射する手段と、
このシールドガスの噴射路と同心状にレーザ光を開口から照射して、上記溶接用スリーブの肉厚全厚を溶融するとともに上記溶接用スリーブ内の上記ジェットポンプ計測配管の両挿入端部の外周部側を溶融させ、この溶接用スリーブの内周面に上記ジェットポンプ計測配管の両挿入端部を溶着させるレーザ照射手段とを有するレーザ溶接ヘッドと、
原子炉内に吊り込まれる溶接装置本体と、
この溶接装置本体に回転自在に装着される一方、上記レーザ溶接ヘッドが上記溶接用スリーブの外周を回動し得るようにこのレーザヘッドを取り付けている回転部と、
上記レーザ溶接ヘッドの開口をシャッターにより水密に閉じる一方、上記シールドガスとレーザ光の噴射時にシャッターを開放させるシャッター開閉機構と、
を具備していることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 上記レーザ溶接ヘッドは、上記溶接用スリーブの溶接予定部を回動する際に、この溶接用スリーブの外周面に摺動自在に当接してレーザ溶接ヘッドの回動方向を案内する倣い機構を具備していることを特徴とする請求項14に記載のレーザ溶接装置。
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