JP4518242B2 - 錯体複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、メソ多孔体に有機金属錯体が結合してなる錯体複合材料、並びにその製造方法に関する。
近年、酸素を運搬するヘムエリスリンや酸素の活性化を経て基質を水酸化するメタンモノオキシゲナーゼのヒドロキシラーゼと同様に、酸素活性化や酸素移行反応といった酸化反応に対して触媒活性を示す可能性がある物質として、鉄やルテニウムを中心金属とする有機金属錯体が検討されている。
例えば、Jitsukawa,K. et al.,Tetrahedron Letters,2002,Vol.43,p.1941(非特許文献1)においては、ルテニウムを含むビピリジル錯体の酸化触媒能が均一系(液相系)にて検討されている。また、有井秀和ら、「非対称なポリピリジン配位子を有する鉄二核−パーオキソ錯体の構造と熱的安定性」、第51回錯体化学討論会要旨集、2001年、p.71(非特許文献2)においては、非対称なポリピリジン配位子を有する鉄二核−パーオキソ錯体の構造と熱的安定性が均一系(液相系)にて検討されている。しかしながら、非特許文献1や非特許文献2に記載のような均一系(液相系)においては、有機金属錯体が分子会合等によって二量化し易く、十分な触媒活性が得られないという問題があり、さらに触媒反応終了後における生成物からの分離が困難であるという点も問題であった。
一方、伊藤元陽ら、「2つのカルボン酸とジピリジルエタンスペーサーを持つ二核化配位子を用いた二核鉄錯体の構造と酸化反応活性」、第36回酸化反応討論会(横浜)予稿集、2003、p.83〜84(非特許文献3)においては、立体対称型であるヘキサピリジン二核化配位子を用いた二核鉄錯体が検討されており、その錯体をメソ孔多孔質無機材料の内部表面に固定化することが示唆されている。しかしながら、非特許文献3に記載のような立体対称型であるヘキサピリジン二核化配位子を用いた二核鉄錯体をメソ多孔体に固定化しようとしても、実際には十分な吸着量を達成することはできず、触媒活性の向上に限界があるという点で未だ十分なものではなかった。
Jitsukawa,K. et al.,Tetrahedron Letters,2002,Vol.43,p.1941 有井秀和ら、「非対称なポリピリジン配位子を有する鉄二核−パーオキソ錯体の構造と熱的安定性」、第51回錯体化学討論会要旨集、2001年、p.71 伊藤元陽ら、「2つのカルボン酸とジピリジルエタンスペーサーを持つ二核化配位子を用いた二核鉄錯体の構造と酸化反応活性」、第36回酸化反応討論会(横浜)予稿集、2003、p.83〜84
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、有機金属錯体が安定的に十分な量でメソ多孔体に結合し、酸化反応等に対して優れた触媒活性を達成することが可能な錯体複合材料、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される複数の中心金属と、1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格を有する非対称型配位子とからなる非対称型複核錯体をメソ多孔体に結合させることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の錯体複合材料は、メソ多孔体と、該メソ多孔体に結合した有機金属錯体とを備える錯体複合材料であって、前記有機金属錯体が、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される複数の中心金属と、1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格を有する非対称型配位子とからなる非対称型複核錯体であることを特徴とするものである。
また、本発明の錯体複合材料の製造方法は、
(i)鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される複数の中心金属と、1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格を有する非対称型配位子とからなる非対称型複核錯体を、溶媒に溶解及び/又は分散させた溶液を調製する溶液調製工程と、
(ii)前記溶液にメソ多孔体を懸濁させ、前記溶液中の前記非対称型複核錯体を前記メソ多孔体に結合せしめる結合工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
前記本発明の錯体複合材料においては、前記非対称型複核錯体が、一端にトリアルコキシシラン残基、ジアルコキシシラン残基及びトリクロロシラン残基からなる群から選択される基を有し、他端にカルボン酸残基、リン酸残基及びスルホン酸残基からなる群から選択される基を有する直鎖状炭化水素基を介して、前記メソ多孔体に結合していることが好ましい。
また、前記本発明の錯体複合材料の製造方法においては、一端にトリアルコキシシラン残基、ジアルコキシシラン残基及びトリクロロシラン残基からなる群から選択される基を有し、他端にカルボン酸残基、リン酸残基及びスルホン酸残基からなる群から選択される基を有する直鎖状炭化水素基を含有する溶液にメソ多孔体を懸濁させ、前記溶液中の前記直鎖状炭化水素基を前記メソ多孔体に固定化せしめる固定化工程を更に含んでいることが好ましく、それによって前記結合工程において前記溶液中の前記非対称型複核錯体を前記直鎖状炭化水素基を介して前記メソ多孔体に結合せしめることが可能となる。
前記本発明の錯体複合材料及びその製造方法においては、前記非対称型配位子が、ピリジン骨格又はイミダゾール骨格を有する立体非対称型配位子であり、前記非対称型複核錯体において、前記中心金属に対して配位不飽和である1〜5配位の部分が存在することが好ましい。
また、本発明にかかる前記非対称型複核錯体としては、下記一般式(1):
Figure 0004518242
{式(1)中、Aは、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される中心金属に、下記一般式(2)〜(7):
Figure 0004518242
[式(2)〜(7)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アリール基及びアルアルキル基からなる群から選択される基を示し、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基及びアルアルキル基からなる群から選択される基を示し、Qは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ−NH−、−N−、−CH−、−O−及び−S−からなる群から選択される基を示し、Xは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ハロゲン、ニトロ基、アルコキシ基、カルボニル残基、スルホン残基、スルフィド残基、1〜4級アミノ基及びアミド基からなる群から選択される基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは0〜1の整数を示す。]
で表される基本骨格からなる群から選択される少なくとも二つの基本骨格が配位してなる錯体部分構造であって、前記一般式(2)〜(4)で表される基本骨格を少なくとも一つ含む第一の錯体部分構造を示し;
Bは、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される中心金属に、前記一般式(5)〜(7)で表される基本骨格からなる群から選択される少なくとも二つの基本骨格が配位してなる第二の錯体部分構造を示し;
Yは、A及びBに結合している、アルケニルジアミン、アルキニルジアミン及びアリールジアミンからなる群から選択される少なくとも一つの基本骨格を有する第三の錯体部分構造を示し;
zは、A及びBに配位している、アルキルカルボン酸残基、アリールカルボン酸残基、アルキルリン酸残基、アリールリン酸残基、アルキルスルホン酸残基、アリールスルホン酸残基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選択される第四の錯体部分構造を示す。}
で表されるものがより好ましい。
さらに、本発明にかかる前記メソ多孔体が、シリカ系メソ多孔体であることが好ましい。
また、本発明の酸化方法は、前記本発明の錯体複合材料を酸化剤と共に用いて酸化反応生成物を生成せしめることを特徴とする方法である。
なお、本発明によれば、有機金属錯体が安定的に十分な量でメソ多孔体に結合され、優れた触媒活性を奏する錯体複合材料が得られるようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず、本発明においては、1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格を有する非対称型配位子を有する非対称型複核錯体を用いているため、非対称型複核錯体間での相互作用や錯体と細孔壁とのファンデルワールス相互作用等が大きくなりエネルギー的に有利となるという理由により多くの量の有機金属錯体が効率良くメソ多孔体の細孔内に導入される。そして、溶媒和された有機金属錯体と、脱溶媒和により細孔内に吸着した有機金属錯体との間の脱吸着平衡において、特定の中心金属を有する有機金属錯体と細孔壁との間の相互作用が強く、エネルギー的に有利に働くため、有機金属錯体が細孔内に固定化される。さらに、本発明において、前記直鎖状炭化水素基を介して非対称型複核錯体をメソ多孔体に結合させるようにすれば、より多くの有機金属錯体が細孔内により強く固定化(主として化学結合)されるようになる。そのため、本発明の錯体複合材料においては、有機金属錯体が安定的に十分な量でメソ多孔体に結合され、細孔内部ではバルクの溶媒中よりも配位不飽和種を安定化させる度合いが大きく、それらの二量化による触媒活性の低下も十分に防止されるため、酸化反応等に対して高水準の触媒活性が長期間に亘って奏されるようになるものと本発明者らは推察する。
また、本発明においては、非対称型複核錯体を用いることによって中心金属(金属イオン)に対して配位不飽和である1〜5配位の部分が形成されるようになる。このように形成された配位不飽和である金属イオンが活性酸素錯体の生成に有利に働くことも、本発明の錯体複合材料において優れた触媒活性が奏されるようになる要因の一つであると本発明者らは推察する。
さらに、酸素分子を活性化して酸化反応を行うには酸素分子を還元してパーオキソ種(O2 2-)にする必要があるが、単核錯体の場合はパーオキソ種を得るためには電子が必要となる(中心金属が鉄の場合は、Fe2++O2+e-→Fe3+-O2 2-)。それに対して、本発明においては、非対称型複核錯体を用いているため、電子を必要とすることなくそのままでパーオキソ複核金属種(中心金属が鉄の場合は、パーオキソ複核鉄(III)種)を生成させることが可能となる(中心金属が鉄の場合は、2Fe2++O2→Fe3+-O2 2--Fe3+)。また、従来の均一系においてはこのようにパーオキソ種を含む錯体が生成しても錯体分子が会合して分解してしまったが、本発明においては錯体がメソ多孔体に固定化されているため会合による分解が十分に防止され、パーオキソ種が酸化反応中間体として重要な役割を果たすようになることも、本発明の錯体複合材料において優れた触媒活性が奏されるようになる要因の一つであると本発明者らは推察する。
また、本発明において、複素環骨格にアミド基が結合している基本骨格(前記一般式(2)〜(4)におけるQが−NH−のもの)を有する非対称型配位子を用いる場合に、中心金属の酸化数等によってアミド基を構成するプロトンの少なくとも一部が解離してアミド基の窒素原子が陰性となり得る。そのメカニズムは必ずしも明確ではないが、このことも本発明の錯体複合材料において優れた触媒活性が奏されるようになる要因の一つであると本発明者らは推察する。
本発明によれば、有機金属錯体が安定的に十分な量でメソ多孔体に結合しており、酸化反応等に対して高水準の触媒活性を長期間に亘って維持することができる錯体複合材料を提供することが可能となる。また、本発明の製造方法によれば、上記本発明の錯体複合材料を効率良くかつ確実に製造することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
(錯体複合材料)
先ず、本発明の錯体複合材料にかかるメソ多孔体について説明する。
本発明において、メソ多孔体とは、細孔のサイズがメソ孔である多孔体をいう。ここで、メソ孔とは、中心細孔直径が2〜50nmのものをいい、好ましくは中心細孔直径が2〜20nmのものである。中心細孔直径が前記下限未満の場合は錯体を細孔内に配置する際に、これらの物質が均一に且つ高密度で導入されにくくなり、調製された複合体の反応活性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合は錯体分子の配列が疎になったり、過剰な分子の配列のため基質分子の細孔内での拡散が阻害されやすくなる傾向にある。なお、中心細孔直径とは、メソ多孔体の細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線(細孔径分布曲線)の最大ピークにおける細孔直径を意味する。そして、細孔分布曲線は、メソ多孔体を液体窒素温度(−196℃)に冷却して窒素ガスを導入し、定容量法によりその吸着量を求め、次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガス吸着量をプロットして吸着等温線を得た後に、Cranston−Inklay法、Dollimore−Heal法、BJH法等を適用して求めることができる曲線である。
このようなメソ孔を有するメソ多孔体として、具体的には、シリカ系メソ多孔体が好ましく用いられる。このようなメソ多孔体に後述する有機金属錯体を結合させることにより、有機金属錯体が安定的に十分な量でメソ多孔体に結合した錯体複合材料が得られるようになる。
本発明にかかるメソ多孔体として好適に用いられるシリカ系メソ多孔体は、ケイ素原子と酸素原子を必須成分として含む化合物の多孔体である。このようなシリカ系メソ多孔体としては、0.1〜1.5mL/gの細孔容積を有するものが好ましく、また、200〜1500m/gのBET比表面積を有するものが好ましい。そして、シリカ系メソ多孔体は、全細孔容積に占める、中心細孔直径の±40%の範囲内の直径を有する細孔の全容積の割合が60%以上の多孔体であることが好ましい。
ここで、「全細孔容積に占める、中心細孔直径の±40%の範囲内の直径を有する細孔の全容積の割合が60%以上」とは、例えば、中心細孔直径が3.00nmである場合、この3.00nmの±40%、すなわち1.80〜4.20nmの範囲にある細孔の容積の合計が、全細孔容積の60%以上を占めていることを意味する。この条件を満たす多孔体は、細孔の直径が非常に均一であることを意味し、このような細孔配列構造を有するシリカ系メソ多孔体に有機金属錯体を結合させることにより、有機金属錯体の安定性及び触媒活性が向上する傾向がある。なお、細孔容積は、上述のようにシリカ系メソ多孔体を液体窒素温度に冷却して窒素ガスを導入する方法(窒素吸着法)により算出することができる。
また、本発明にかかるシリカ系メソ多孔体は、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークを有するX線回折パターンを示す多孔体であることが好ましい。X線回折パターンでピークが現われる場合は、そのピーク角度に相当するd値の周期構造がシリカ系メソ多孔体中にあることを意味する。したがって、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークがあることは、細孔が1nm以上の間隔で規則的に配列していることを意味する。このように非常に規則的な細孔配列構造を有するシリカ系メソ多孔体に有機金属錯体を結合させることにより、有機金属錯体の安定性及び触媒活性をより向上させることができる傾向がある。
上述のシリカ系メソ多孔体における、細孔の配列状態(細孔配列構造)は特に制限されず、例えば、2d−ヘキサゴナルや3d−ヘキサゴナル等のヘキサゴナルの細孔配列構造を有するものであっても、キュービックやディスオーダの細孔配列構造を有するものであってもよい。ここで、シリカ系メソ多孔体がヘキサゴナルの細孔配列構造を有するとは、シリカ系メソ多孔体の細孔の配置が六方構造であることを意味する(S.Inagaki et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,680,1993; S.Inagaki et al.,Bull.Chem.Soc.Jpn.,69,1449,1996; Q.Huo et al.,Science,268,1324,1995参照)。
また、シリカ系メソ多孔体がキュービックの細孔配列構造を有するとは、シリカ系メソ多孔体中の細孔の配置が立方構造であることを意味する(J.C.Vartuli et al.,Chem.Mater.,6,2317,1994; Q.Huo et al.,Nature,368,317,1994参照)。そして、シリカ系メソ多孔体がディスオーダの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が不規則であることを意味する(P.T.Tanev et al.,Science,267,865,1995; S.A.Bagshaw et al.,Science,269,1242,1995; R.Ryoo et al.,J.Phys.Chem.,100,17718,1996参照)。
なお、シリカ系メソ多孔体が、ヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造を有する場合は、細孔の全てがこれらの規則的細孔配列構造である必要はない。すなわち、シリカ系メソ多孔体は、ヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造とディスオーダの不規則的細孔配列構造の両方を有していてもよい。しかしながら、全ての細孔のうち80%以上はヘキサゴナルやキュービック等の規則的細孔配列構造となっていることが好ましい。
また、シリカ系メソ多孔体は、有機基を有するシリカ系メソ多孔体(以下、場合により「有機化シリカ系メソ多孔体」という)であっても、有機基を有しないシリカ系メソ多孔体(以下、場合により「非有機化シリカ系メソ多孔体」という)であってもよい。なお、有機基の有無にかかわらず、いずれのシリカ系メソ多孔体の場合においても、ケイ素以外の金属元素(例えば、Al、Zr、Ti等)を更に含んでいてもよく、また、少なくともその表面にはシラノール基(−SiOH基)が存在している。
ここで、有機化シリカ系メソ多孔体とは、シリカ系メソ多孔体を構成するケイ素原子の少なくとも一部に、有機基が、炭素−ケイ素結合を形成することによって結合しているものをいう。有機基としては、アルカン、アルケン、アルキン、ベンゼン、シクロアルカン等の炭化水素から1以上の水素がとれて生じる炭化水素基や、アミド基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、スルホン基、カルボキシル基、エーテル基、アシル基、ビニル基等が挙げられる。
上記非有機化シリカ系メソ多孔体を得る方法としては、例えば、米国特許5057296号公報に記載されているように、沈降性シリカや水ガラス等のシリカ原料を、界面活性剤(アルキルトリメチルアンモニウム塩等)が溶解した水溶液に添加して加熱する方法や、特開平8−67578号公報及び特開平8−277105号公報に記載されているように、層間にイオンを有する層状ケイ酸塩をアルキルトリメチルアンモニウムハライドでイオン交換した後、層間を架橋する方法等が挙げられる。
上記有機化シリカ系メソ多孔体を得る方法としては、例えば、有機基とケイ素原子を含有し、有機基の1箇所以上で炭素−ケイ素結合を形成しているケイ素化合物を含むシリカ原料を、界面活性剤と溶媒とを含む溶液中で反応させ、その後界面活性剤を除去する方法等が挙げられる。
また、本発明にかかるシリカ系メソ多孔体は、pKa5〜14のシリカ系メソ多孔体であることが好ましく、pKa5〜8のシリカ系メソ多孔体であることがより好ましい。かかるシリカ系メソ多孔体を用いることにより、有機金属錯体の安定性が向上する傾向がある。なお、シリカ系メソ多孔体のpKaは、指示薬法により測定可能である。
ここで、シリカ系メソ多孔体のpKaを5〜14にする方法としては、シリカ系メソ多孔体の表面付近に存在するシラノール基をアルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物等の塩基と反応させることにより、塩を生じさせる方法が好適である。例えば、シリカ系メソ多孔体を水酸化ナトリウムの0.1%エタノール溶液に接触させることにより、シラノール基の少なくとも1部を−SiONa基に変換させ、上記pKaにすることができる。
次に、本発明の錯体複合材料にかかる有機金属錯体について説明する。
本発明において用いる有機金属錯体は、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される複数の中心金属と、1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格を有する非対称型配位子とからなる非対称型複核錯体である。
本発明にかかる有機金属錯体において、中心金属は鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)及びマンガン(Mn)からなる群から選択されることが必要である。そして、本発明にかかる有機金属錯体がこのような金属原子を複数有している複核錯体であることによって、本発明の錯体複合材料は酸素活性化や酸素移行反応といった酸化反応等に対して優れた触媒作用を奏することが可能となる。なお、これらの中心金属の酸化数は特に制限されず、Fe(II)、Fe(III)、Fe(IV)、Fe(V)、Ru(II)、Ru(III)、Ru(IV)、Ru(V)、Ru(VI)、Mn(II)、Mn(III)、Mn(IV)、Mn(V)、Mn(VI)、Mn(VII)が挙げられ、中でも出発原料としてFe(II)、Fe(III)、Ru(II)、Ru(III)、Mn(II)、Mn(III)を含むものが安定且つ取り扱い易いという観点から好ましい。
本発明にかかる有機金属錯体において、配位子は、1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格を有する非対称型配位子であることが必要である。本発明にかかる有機金属錯体がこのような1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格を有する非対称型配位子を有している非対称型複核錯体であることによって、メソ多孔体に安定的に十分な量の有機金属錯体が結合することが可能となり、酸化反応等に対して高水準の触媒活性を長期間に亘って維持することができるようになる。
本発明にかかる非対称型配位子を構成する1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格としては、ピリジン環、イミダゾール環、キノリン環、ピラゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、ピリミジン環、プリン環等の単環式及び多環式の化合物が挙げられ、中でも環構造が安定で取り扱い易いという観点からピリジン環、イミダゾール環が好ましい。また、本発明にかかる非対称型配位子を構成する前記複素環骨格の数は、特に制限されないが、3〜6程度であることが好ましく、立体的に非対称型の配位子であることが特に好ましい。
本発明にかかる有機金属錯体は、前記の中心金属(複数)と、このような非対称型配位子とを有する非対称型複核錯体であり、下記一般式(1):
Figure 0004518242
で表されるものが特に好ましい。
なお、前記一般式(1)中、Aは、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される中心金属に、下記一般式(2)〜(7):
Figure 0004518242
で表される基本骨格からなる群から選択される少なくとも二つの基本骨格が配位してなる錯体部分構造であって、前記一般式(2)〜(4)で表される基本骨格を少なくとも一つ含む第一の錯体部分構造を示す。また、前記一般式(1)中、Bは、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される中心金属に、前記一般式(5)〜(7)で表される基本骨格からなる群から選択される少なくとも二つの基本骨格が配位してなる第二の錯体部分構造を示す。したがって、前記一般式(1)中のA(第一の錯体部分構造)とB(第二の錯体部分構造)とは構造が相違することとなり、前記一般式(1)で表される錯体は非対称型複核錯体となる。
このような前記一般式(1)中のA(第一の錯体部分構造)の好適な例としては、下記一般式(8)〜(9):
Figure 0004518242
[式(8)〜(9)中、Y、z、R、R、Q、X、aは前記一般式(1)〜(7)中のそれらの定義と同じであり、Mは前述の中心金属を示す。]
で表されるものが挙げられ、また、前記一般式(1)中のB(第二の錯体部分構造)の好適な例としては、下記一般式(10):
Figure 0004518242
[式(10)中、Y、z、R、X、aは前記一般式(1)〜(7)中のそれらの定義と同じであり、Mは前述の中心金属を示す。]
で表されるものが挙げられる。なお、前記一般式(10)で表される第二の錯体部分構造においては、中心金属(金属イオン)に対して配位不飽和である1〜5配位の部分が形成されている。
前記一般式(2)〜(4)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アリール基及びアルアルキル基(aralkyl)からなる群から選択される基を示す。このようなアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ネオペンチル等の炭素数1〜9のアルキル基が挙げられ、アリール基としてはフェニル、ナフチル、アントニル、フェナントリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル等が挙げられ、アルアルキル基としてはトリチル、べンジル、ジフェニルメチル、ピリジルメチル等が挙げられる。なお、アリール基及びアルアルキル基は、ニトロ基、アルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜9のアルキル基等の置換基を有していてもよく、無置換、単置換、多置換は問わない。
前記一般式(2)〜(4)中、Qは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ−NH−、−N−、−CH−、−O−及び−S−からなる群から選択される基を示す。なお、前記複素環骨格にアミド基が結合している基本骨格(前記一般式(2)〜(4)におけるQが−NH−のもの)を有する非対称型配位子を用いる場合、中心金属の酸化数等によってアミド基を構成するプロトンの少なくとも一部が解離してアミド基の窒素原子が陰性(−NCO−)となり得る。
前記一般式(5)〜(7)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基及びアルアルキル基からなる群から選択される基を示す。なお、Rとしてのアルキル基、アリール基及びアルアルキル基は、それぞれRとしてのアルキル基、アリール基及びアルアルキル基と同義である。
前記一般式(3)、(4)、(6)、(7)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基及びアルアルキル基からなる群から選択される基を示す。なお、Rとしてのアルキル基、アリール基及びアルアルキル基は、それぞれRとしてのアルキル基、アリール基及びアルアルキル基と同義である。
前記一般式(2)〜(7)中、Xは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基(好ましくは炭素数1〜9のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜9のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜9のアルキニル基)、アリール基(好ましくはフェニル、ナフチル、アントニル、フェナントリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル等)、ハロゲン(好ましくは塩素原子、臭素原子、弗素原子、沃素原子)、ニトロ基(−NO)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜9のアルコキシ基:RO−)、カルボニル残基(好ましくは炭素数1〜9のカルボニル残基:RCO−)、スルホン残基(好ましくは炭素数1〜9のスルホン残基:RSO−)、スルフィド残基(好ましくは炭素数1〜9のスルフィド残基:RS−)、1〜4級アミノ基(好ましくは炭素数1〜9の1〜4級アミノ基)、及びアミド基(好ましくは炭素数1〜9のアミド基)からなる群から選択される少なくとも一つを示す。
前記一般式(2)、(5)中のaは0〜3の整数を示し、前記一般式(3)、(4)、(6)、(7)中のbは0〜1の整数を示す。
また、前記一般式(1)中、Yは、A及びBに結合している、アルケニルジアミン、アルキニルジアミン及びアリールジアミンからなる群から選択される少なくとも一つの基本骨格を有する第三の錯体部分構造を示す。このようなY(第三の錯体部分構造)は、前述のA(第一の錯体部分構造)とB(第二の錯体部分構造)とを結合(主として化学結合)でつなぐスペーサーとして機能するものであり、アルコール性又はフェノール性の水酸基やピリダジン、ピリミジン、フタラジン、イソオキサゾール、イソチアゾール等の骨格を有していてもよい。このようなYとしては、架橋配位が可能な配位部位を有し、またAとBとを結合できるという観点から、下記一般式(11)〜(13):
Figure 0004518242
[式(11)〜(13)中、Xは前記一般式(2)〜(7)中のXの定義と同じであり、m及びnは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ0〜4の整数を示す。]
で表されるものが好ましい。
さらに、前記一般式(1)中、zは、A及びBに配位している、アルキルカルボン酸残基(R−CO )、アリールカルボン酸残基(R−CO )、アルキルリン酸残基(R−PO 2−)、アリールリン酸残基(R−PO 2−)、アルキルスルホン酸残基(R−SO )、アリールスルホン酸残基(R−SO )、アルコキシ基(R−O)及びアリールオキシ基(R−O)からなる群から選択される第四の錯体部分構造を示す。なお、上記のzにおけるアルキル基及びアリール基は、それぞれR及びRとしてのアルキル基及びアリール基と同義である。
以上、本発明にかかる有機金属錯体(非対称型複核錯体)について説明したが、その好適な一例として、下記構造式(14):
Figure 0004518242
で表されるものが挙げられる。
次に、本発明の錯体複合材料について説明する。
本発明の錯体複合材料は、前記メソ多孔体とそのメソ多孔体に結合した前記有機金属錯体(非対称型複核錯体)とを備えるものである。このような錯体複合材料において、有機金属錯体はメソ多孔体表面、特に細孔内壁表面に結合している。この結合は、有機金属錯体中の金属原子とメソ多孔体の細孔内壁表面に存在する表面官能基との相互作用によって生じているものであってもよいが、一端にトリアルコキシシラン残基、ジアルコキシシラン残基及びトリクロロシラン残基からなる群から選択される基を有し、他端にカルボン酸残基、リン酸残基及びスルホン酸残基からなる群から選択される基を有する直鎖状炭化水素基を介して非対称型複核錯体がメソ多孔体に結合していることが好ましい。このような直鎖状炭化水素基を介して非対称型複核錯体をメソ多孔体に結合せしめることによって、両者が主として化学結合によって固定化され、より多くの有機金属錯体が十分な安定性をもってメソ多孔体に結合されるようになる。
このような直鎖状炭化水素基としては、一端にトリアルコキシシラン残基(−SiO 3−)、ジアルコキシシラン残基(−SiHO 2−)及びトリクロロシラン残基(−Si3−)からなる群から選択される基を有し、他端にカルボン酸残基(−CO )、リン酸残基(−PO 2−)及びスルホン酸残基(−SO )からなる群から選択される基を有するものであればよく、特に制限されないが、直鎖状炭化水素基の炭素数は3〜20程度であることが好ましい。また、本発明にかかる直鎖状炭化水素基は、例えば、アミド基、エステル基、イミド基、カルバメート基、エーテル基、ウレイド基等の炭化水素基以外の基を含んでいてもよく、中でも誘導体化が容易或いは合成上簡便に取り扱えるという観点からアミド基を含んでいることが好ましい。
このように直鎖状炭化水素基を介して非対称型複核錯体がメソ多孔体に結合している好適な一例として、下記構造式(15):
Figure 0004518242
で表されるものが挙げられる。
また、本発明の錯体複合材料においてメソ多孔体に結合している有機金属錯体の量は特に制限されないが、酸化反応等に対して高水準の触媒活性がより確実に達成されるようになるという観点から、メソ多孔体100重量部に対して有機金属錯体の量が0.1〜30重量部程度であることが好ましい。なお、メソ多孔体の細孔内に結合されている有機金属錯体の状態は、電子遷移(UV−Vis)、IR、ESR等の測定により同定することが可能である。
(錯体複合材料の製造方法)
本発明の錯体複合材料の製造方法は、
(i)鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される複数の中心金属と、1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格を有する非対称型配位子とからなる非対称型複核錯体を、溶媒に溶解及び/又は分散させた溶液を調製する溶液調製工程と、
(ii)前記溶液にメソ多孔体を懸濁させ、前記溶液中の前記非対称型複核錯体を前記メソ多孔体に結合せしめる結合工程と、
を含む方法である。
本発明の製造方法にかかる溶液調製工程において用いる有機金属錯体は、本発明の錯体複合材料の説明において既に説明した非対称型複核錯体である。また、溶液調製工程において用いられる溶媒は、有機金属錯体を溶解及び/又は分散させることが可能なものであればよく、特に制限されないが、例えば、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素系溶媒;メタノール、エタノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、2−ブタノン等のアルキルケトン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒が挙げられ、中でも錯体を効果的に溶解せしめて結合量をより多くすることが可能となるように適当な極性を有するという観点からプロピオニトリル、ジクロロメタン、アセトニトリルが好ましい。
上記溶液調製工程は、前記有機金属錯体(非対称型複核錯体)を溶媒に溶解及び/又は分散させることが可能であれば、その方法や条件等は特に制限はなく、例えば、溶媒中に有機金属錯体を投入し、15〜40℃程度で0.5〜40時間程度撹拌することによって行うことができる。
また、上記溶液における有機金属錯体の濃度は特に制限されないが、0.01〜10mM程度とすることが好ましい。上記溶液を上記範囲の濃度として調製することによって、短時間で効率的に有機金属錯体をメソ多孔体に結合させることができる傾向がある。
本発明の製造方法にかかる結合工程において用いるメソ多孔体は、本発明の錯体複合材料の説明において既に説明したメソ多孔体である。また、結合工程における具体的な方法や条件等は特に制限はなく、例えば、溶液中にメソ多孔体を投入し、10〜100℃程度で所定時間撹拌することによってメソ多孔体を溶液中で懸濁させることにより、有機金属錯体(非対称型複核錯体)をメソ多孔体に結合せしめることができる。
ここで、上記結合工程における撹拌時間は特に制限されず、使用する溶媒や必要とする結合量によって適宜調整することができる。なお、通常は長時間撹拌するほど結合量が増加し、特定の結合量に達すると平衡状態となる傾向があるが、平衡状態に達するまでの時間やそのときの結合量は使用する有機金属錯体や溶媒等によって異なる。
また、本発明の錯体複合材料の製造方法においては、前記の溶液調製工程及び結合工程に先立って、前記直鎖状炭化水素基を含有する溶液にメソ多孔体を懸濁させ、溶液中の直鎖状炭化水素基をメソ多孔体に固定化せしめる固定化工程を更に含んでいることが好ましい。それによって、前記の結合工程において有機金属錯体(非対称型複核錯体)を前記直鎖状炭化水素基を介してメソ多孔体に主として化学結合によって固定化せしめることが可能となり、より多くの有機金属錯体が十分な安定性をもってメソ多孔体に結合されるようになる。
ここで用いられる直鎖状炭化水素基としては、一端にトリアルコキシシラン(−Si(OR))、ジアルコキシシラン(−SiH(OR))及びトリクロロシラン(−SiCl)からなる群から選択される基を有し、他端にカルボキシル基(−COH)、ホスホン基(−PO)及びスルホン基(−SOH)からなる群から選択される基を有する直鎖状炭化水素基であればよく、特に制限されないが、下記一般式(16)〜(24):
(RO)Si−(CH−(Z)−(CH−COH (16)
(RO)Si−(CH−(Z)−(CH−PO (17)
(RO)Si−(CH−(Z)−(CH−SOH (18)
(RO)HSi−(CH−(Z)−(CH−COH (19)
(RO)HSi−(CH−(Z)−(CH−PO (20)
(RO)HSi−(CH−(Z)−(CH−SOH (21)
ClSi−(CH−(Z)−(CH−COH (22)
ClSi−(CH−(Z)−(CH−PO (23)
ClSi−(CH−(Z)−(CH−SOH (24)
[式(16)〜(24)中、Rは炭素数1〜9のアルキル基を示し、Zはアミド基、エステル基、イミド基、カルバメート基、エーテル基及びウレイド基からなる群から選択される基を示し、pは1〜9の整数を示し、qは0〜1の整数を示し、rは0〜5の整数を示す。]
で表されるものが特に好ましい。
かかる固定化工程において用いられる溶媒は、直鎖状炭化水素基を溶解及び/又は分散させることが可能なものであればよく、特に制限されないが、例えば、前述の溶液調製工程において用いられる溶媒と同様の溶媒が挙げられ、中でも直鎖状炭化水素基を効果的に溶解せしめて結合量をより多くすることが可能となるという観点からテトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、エタノール等が好ましい。また、固定化工程における具体的な方法や条件等は特に制限はなく、例えば、溶液中にメソ多孔体を投入し、10〜100℃程度で3〜48時間程度撹拌することによってメソ多孔体を溶液中で懸濁させることにより、直鎖状炭化水素基をメソ多孔体に固定化せしめることができる。その際の溶液中の直鎖状炭化水素基の濃度は特に制限されないが、0.01〜10mM程度とすることが好ましい。
さらに、本発明の錯体複合材料の製造方法は、前記結合工程の後に、更に、遠心分離等を行って錯体複合材料を溶液と分離して取り出す工程を有していてもよく、また、乾燥等を行って液体成分を除去した状態の錯体複合材料を得る工程を有していてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(シリカ系メソ多孔体の合成)
乾燥水ガラス(SiO2/Na2O=2.00)を700℃で6時間、空気中で焼成し、ジケイ酸ソーダ(δ−Na2Si25)に結晶化させた。この結晶50gを500mLの水に分散させ、3時間攪拌した。その後、濾過して固形分を回収してカネマイトを得た。こうして得られたカネマイト50gを0.1Mのヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液1000mLに分散させ、70℃で3時間攪拌しながら加熱した。加熱初期の分散液のpHは12.3であった。その後70℃で加熱、攪拌しながら2Nの塩酸を添加して、分散液のpHを8.5に下げた。そして更に70℃で3時間加熱した後、室温まで放冷した。固形生成物を一旦濾過し、再び1000mLのイオン交換水に分散させ攪拌した。この濾過・分散攪拌を5回繰り返してから風乾した。風乾して得られた試料を、窒素中450℃で3時間加熱した後、空気中550℃で6時間焼成することにより、中心細孔直径約2.7nmのシリカ系メソ多孔体を得た。得られたシリカ系メソ多孔体を以下「FSM−16」と呼ぶ。
FSM−16について、粉末X線回折及び窒素吸着等温線の測定を行った。粉末X線回折は理学RAD−B装置を用い、窒素吸着等温線は液体窒素温度において定容積法により求めた。X線回折パターンにより、FSM−16は2次元ヘキサゴナルの細孔配列構造を有していることがわかった。また、窒素吸着等温線からCranston-Inklay法で計算した細孔径分布曲線によると、中心細孔直径の±40%の範囲内の直径を有する細孔の全容積の割合は60%以上であることが確認された。
([FeII 2(Me2BPPDO)(PhCOO)](ClO4)2の合成)
先ず、本発明にかかる非対称型配位子の一部(第一の錯体部分構造A)となるN,N-bis(6-methyl-2-pyridylmethyl)-1,3-diaminopropan-2-olを、下記の参考資料1に記載の既報の合成法にしたがって合成した。また、本発明にかかる非対称型配位子の他の一部(第二の錯体部分構造B)となる2-bromomethyl-6-pivalamidopyridineを、下記の参考資料2に記載の既報の合成法にしたがって合成し、さらにN,N-bis(6-pivalamido-2-pyridylmethyl)-N’,N’-bis(6-methyl-2-pyridylmethyl)-1,3-diaminopropan-2-ol(以下、「Me2BPPDO」という)を得た。
次いで、下記の参考資料2に記載の既報の合成法にしたがってFe(II)に前記Me2BPPDOを配位させて、本発明にかかる非対称型二核鉄(II)錯体である[FeII 2(Me2BPPDO)(PhCOO)](ClO4)2を得た。
(参考資料1)Yoshihito Hayashi,et al., Journal of American Chemical Society, 117, 11220−11229 (1995)、
(参考資料2)Hidekazu Arii,et al., Journal of Inorganic Biochemistry, 82, 153−162 (2000)。
(実施例1〜4)
<[FeII 2(Me2BPPDO)(PhCOO)](ClO4)2のFSM-16への固定化試験>
本発明にかかる非対称型二核鉄(II)錯体である[FeII 2(Me2BPPDO)(PhCOO)](ClO4)2を、下記反応式:
Figure 0004518242
で表されるスキームにしたがってFSM-16に固定化せしめた。
すなわち、実験はグローブボックス(O2、H2O検出限界1ppm以下)を用いて行った。そして、(EtO)3Si(CH2)3NHCO(CH2)3COOH(9.0×10−4mol)をTHFに溶解した後、FSM‐16 500mgを加え、室温で攪拌した。反応終了後、吸引ろ過により前記カルボン酸を固定化したFSM‐16複合体680mgを得た(以下、「FSM16-COOH」という)。
次に、前記で得られた[FeII 2(Me2BPPDO)(PhCOO)](ClO4)2を、表1に示す初期濃度となるように脱水メタノール10mlに添加して溶解し、各溶液にFSM16-COOH 50mg加え、20mlのねじ口瓶の中でアルゴン雰囲気下室温で24時間攪拌した。反応終了後、遠心分離用容器に試料を移し、8000rpmにて30分間遠心をかけて前記錯体が固定化されたFSM‐16複合体(錯体複合材料)を分離した。そして、分離された錯体複合材料を吸引濾過することによって取り出し、目的物とする本発明のFSM16−Fe2Me2BPPDO複合体を得た。
また、得られた上澄み溶液のUV-vis吸収スペクトルを測定し、下記の式を用いて平衡濃度及び吸着量を算出した。得られた結果を表1及び図1に示す。
平衡濃度=(ろ液の測定により得られた400nmのAbsorbance)×0.5/0.3452
吸着量={(初期濃度)−(平衡濃度)}×(分子量)×10/1000
Figure 0004518242
<錯体複合材料の安定性試験>
アルゴン雰囲気下で実施例4で得られたFSM16-Fe2Me2BPPDO複合体 18mg(錯体含有量0.12mg/mg)を脱水アセトン10mlに懸濁させた溶液を調製し、その溶液に酸素を10秒間吹き込んだ。その後、FSM16-Fe2Me2BPPDO複合体の灰色粉末をろ過により得、室温でUV-vis吸収スペクトルを0時間経過後、1時間経過後、2時間経過後、3時間経過後、4時間経過後、5時間経過後、6時間経過後、17時間経過後、27時間経過後に測定し、パーオキソから鉄(III)へのLMCT(ligand-to-metal電荷移動)に由来する吸収の経時変化を初期値(C0)に対する割合(Ct/C0×100)として求めた。得られた結果を図2に示す。
また、比較のため、アルゴン雰囲気下でFe2Me2BPPDO錯体 2.2mgを脱水アセトン5mlに溶解させた溶液を調製し、その溶液に酸素を10秒間吹き込んだ。続いて、その溶液について室温でUV-vis吸収スペクトルを0分経過後、1分経過後、2分経過後、27時間経過後に測定し、パーオキソから鉄(III)へのLMCT(ligand-to-metal電荷移動)に由来する吸収の経時変化を初期値(C0)に対する割合(Ct/C0×100)として求めた。得られた結果を図2に示す。
<酸化反応試験>
20mlのねじ口瓶に、実施例3で得られたFSM16-Fe2Me2BPPDO複合体 9mgと蒸留アセトニトリル 1mlを入れた。そこへ、シクロヘキセン(1.0×10−3mol)、酸化剤としての30%H2O2水溶液22μl、1,2-ジクロロベンゼン(内部標準物質)を精製アセトニトリル1mlに溶解した溶液を加え、大気下、室温で攪拌して反応を追跡した。
すなわち、反応溶液をマイクロシリンジにて経時的にサンプリングし、反応生成物(シクロヘキセンオキシド、2-シクロヘキセン-1-オール、2-シクロヘキセン-1-オン)の量の経時変化をガスクロマトグラフィーによって追跡した。なお、各反応生成物の量はガスクロマトグラフィー(島津製作所社製、GC-8A)により定量した。すなわち、定量には内部標準法を用い、予め既知量の反応生成物と内部標準物質とを用いて作成した検量線に従った。実験条件及び各反応生成物の保持時間は以下の通りである。
[実験条件]
カラム充填剤:PEG 20M chromosorb WAW DMCS
カラム長:3m
インジェクション温度:220℃、カラム温度:110℃
N2一次圧:600kPa、N2二次圧:180kPa、H2圧力:70kPa、Air圧力:70kPa。
[保持時間]
シクロヘキセンオキシド(3.4min)
2-シクロヘキセン-1-オール(10.6min)
2-シクロヘキセン-1-オン(11.2min)
1,2-ジクロロベンゼン(13.0min)。
そして、得られた各反応生成物の量に基づいて、各反応生成物のT.O.N.(turn over number)を下記計算式:
T.O.N.={(反応生成物のモル量)/(用いた錯体のモル量)}
にしたがって算出した。このようにして得られた、本発明の錯体複合材料を用いた不均一系における各反応生成物のT.O.N.の経時変化を図3に示す。
また、比較のため、前記FSM16-Fe2Me2BPPDO複合体に代えて、Fe2Me2BPPDO錯体1.1mgをメソ多孔体に吸着させずにそのまま用いた以外は上記の酸化反応試験と同様にして、錯体をそのまま用いた均一系における各反応生成物のT.O.N.の経時変化を求めた。得られた結果を図4に示す。
図3及び図4に示した結果から明らかなように、錯体単体を均一系反応で用いた場合に比べて、錯体をメソ多孔体に固定化して得た本発明の錯体複合材料を不均一系反応で用いた場合には2-シクロヘキセン-1-オンが優先して生成されるようになることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、有機金属錯体が安定的に十分な量でメソ多孔体に結合しており、酸化反応等に対して高水準の触媒活性を長期間に亘って維持することができる錯体複合材料を提供することが可能となる。また、本発明の製造方法によれば、上記本発明の錯体複合材料を効率良くかつ確実に製造することが可能となる。
このように酸化反応等に対する触媒活性に優れた本発明の錯体複合材料は、例えば、飽和、不飽和炭化水素の選択的酸化反応を行うことによって有機合成反応の中間体として重要なアルコール化合物やエポキシ化合物等の含酸素化合物を合成するための触媒、或いは水素、窒素、一酸化炭素、含硫黄化合物等の小分子を酸化する触媒等として使用可能である。また、本発明の錯体複合材料は、種々の悪臭成分、揮発性有機化合物(VOC)若しくは有害成分を(吸着し)分解除去する環境浄化触媒として、工場、車両等において排出される廃ガスの脱臭、浄化装置等に使用可能である。さらに、本発明の錯体複合材料は、化学工場、食品製造工場、畜産農業、下水・屎尿処理場等の産業用分野だけでなく、例えば、住居、オフィス、車、共用施設、飲食店等における脱臭・消臭剤、脱臭・消臭製品、脱臭・消臭装置として活用できる。
実施例1〜4において得られた錯体溶液の平衡濃度と吸着量との関係を示したグラフである。 錯体複合材料の安定性試験の結果を示したグラフである。 本発明の錯体複合材料を用いた不均一系における各反応生成物のT.O.N.の経時変化を示したグラフである。 錯体をそのまま用いた均一系における各反応生成物のT.O.N.の経時変化を示したグラフである。

Claims (11)

  1. メソ多孔体と、該メソ多孔体に結合した有機金属錯体とを備える錯体複合材料であって、前記有機金属錯体が、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される複数の中心金属と、1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格を有する非対称型配位子とからなる非対称型複核錯体であることを特徴とする錯体複合材料。
  2. 一端にトリアルコキシシラン残基、ジアルコキシシラン残基及びトリクロロシラン残基からなる群から選択される基を有し、他端にカルボン酸残基、リン酸残基及びスルホン酸残基からなる群から選択される基を有する直鎖状炭化水素基を介して、前記非対称型複核錯体が前記メソ多孔体に結合していることを特徴とする請求項1に記載の錯体複合材料。
  3. 前記非対称型配位子が、ピリジン骨格又はイミダゾール骨格を有する立体非対称型配位子であり、前記非対称型複核錯体において、前記中心金属に対して配位不飽和である1〜5配位の部分が存在することを特徴とする請求項1又は2に記載の錯体複合材料。
  4. 前記非対称型複核錯体が、下記一般式(1):
    Figure 0004518242
    {式(1)中、Aは、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される中心金属に、下記一般式(2)〜(7):
    Figure 0004518242
    [式(2)〜(7)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アリール基及びアルアルキル基からなる群から選択される基を示し、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基及びアルアルキル基からなる群から選択される基を示し、Qは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ−NH−、−N−、−CH−、−O−及び−S−からなる群から選択される基を示し、Xは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ハロゲン、ニトロ基、アルコキシ基、カルボニル残基、スルホン残基、スルフィド残基、1〜4級アミノ基及びアミド基からなる群から選択される基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは0〜1の整数を示す。]
    で表される基本骨格からなる群から選択される少なくとも二つの基本骨格が配位してなる錯体部分構造であって、前記一般式(2)〜(4)で表される基本骨格を少なくとも一つ含む第一の錯体部分構造を示し;
    Bは、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される中心金属に、前記一般式(5)〜(7)で表される基本骨格からなる群から選択される少なくとも二つの基本骨格が配位してなる第二の錯体部分構造を示し;
    Yは、A及びBに結合している、アルケニルジアミン、アルキニルジアミン及びアリールジアミンからなる群から選択される少なくとも一つの基本骨格を有する第三の錯体部分構造を示し;
    zは、A及びBに配位している、アルキルカルボン酸残基、アリールカルボン酸残基、アルキルリン酸残基、アリールリン酸残基、アルキルスルホン酸残基、アリールスルホン酸残基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選択される第四の錯体部分構造を示す。}
    で表されるものであることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の錯体複合材料。
  5. 前記メソ多孔体がシリカ系メソ多孔体であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の錯体複合材料。
  6. 鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される複数の中心金属と、1〜4個の窒素原子を含む5又は6員環の複素環骨格を有する非対称型配位子とからなる非対称型複核錯体を、溶媒に溶解及び/又は分散させた溶液を調製する溶液調製工程と、
    前記溶液にメソ多孔体を懸濁させ、前記溶液中の前記非対称型複核錯体を前記メソ多孔体に結合せしめる結合工程と、
    を含むことを特徴とする錯体複合材料の製造方法。
  7. 一端にトリアルコキシシラン残基、ジアルコキシシラン残基及びトリクロロシラン残基からなる群から選択される基を有し、他端にカルボン酸残基、リン酸残基及びスルホン酸残基からなる群から選択される基を有する直鎖状炭化水素基を含有する溶液にメソ多孔体を懸濁させ、前記溶液中の前記直鎖状炭化水素基を前記メソ多孔体に固定化せしめる固定化工程を更に含み、前記結合工程において前記溶液中の前記非対称型複核錯体を前記直鎖状炭化水素基を介して前記メソ多孔体に結合せしめることを特徴とする請求項6に記載の錯体複合材料の製造方法。
  8. 前記非対称型配位子が、ピリジン骨格又はイミダゾール骨格を有する立体非対称型配位子であり、前記非対称型複核錯体において、前記中心金属に対して配位不飽和である1〜5配位の部分が存在することを特徴とする請求項6又は7に記載の錯体複合材料の製造方法。
  9. 前記非対称型複核錯体が、下記一般式(1):
    Figure 0004518242
    {式(1)中、Aは、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される中心金属に、下記一般式(2)〜(7):
    Figure 0004518242
    [式(2)〜(7)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アリール基及びアルアルキル基からなる群から選択される基を示し、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基及びアルアルキル基からなる群から選択される基を示し、Qは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ−NH−、−N−、−CH−、−O−及び−S−からなる群から選択される基を示し、Xは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ハロゲン、ニトロ基、アルコキシ基、カルボニル残基、スルホン残基、スルフィド残基、1〜4級アミノ基及びアミド基からなる群から選択される基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは0〜1の整数を示す。]
    で表される基本骨格からなる群から選択される少なくとも二つの基本骨格が配位してなる錯体部分構造であって、前記一般式(2)〜(4)で表される基本骨格を少なくとも一つ含む第一の錯体部分構造を示し;
    Bは、鉄、ルテニウム及びマンガンからなる群から選択される中心金属に、前記一般式(5)〜(7)で表される基本骨格からなる群から選択される少なくとも二つの基本骨格が配位してなる第二の錯体部分構造を示し;
    Yは、A及びBに結合している、アルケニルジアミン、アルキニルジアミン及びアリールジアミンからなる群から選択される少なくとも一つの基本骨格を有する第三の錯体部分構造を示し;
    zは、A及びBに配位している、アルキルカルボン酸残基、アリールカルボン酸残基、アルキルリン酸残基、アリールリン酸残基、アルキルスルホン酸残基、アリールスルホン酸残基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選択される第四の錯体部分構造を示す。}
    で表されるものであることを特徴とする請求項6〜8のうちのいずれか一項に記載の錯体複合材料の製造方法。
  10. 前記メソ多孔体がシリカ系メソ多孔体であることを特徴とする請求項6〜9のうちのいずれか一項に記載の錯体複合材料の製造方法。
  11. 請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の錯体複合材料を酸化剤と共に用いて酸化反応生成物を生成せしめることを特徴とする酸化方法。
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