JP4517532B2 - 染毛剤塗布用ブラシ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、染毛剤を髪の根元も含めて髪全体に塗布するために好適な染毛剤塗布用ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に示すように、染毛剤塗布用ブラシ1として、染毛剤を収容する容器2に、櫛歯3を列設させたブラシ部4を連結部5を介して装着したものが知られている。この櫛歯3は、先端部6が先細りになった扁平な板状形状をしており、その内部には、容器2の内部と連通する導液路7が形成されている。また、櫛歯3の側面(隣接する櫛歯との対向面)には、染毛剤の吐出口9が形成されている。
【0003】
この染毛剤塗布用ブラシ1によれば、容器2を押圧することにより櫛歯3の吐出口9から染毛剤を吐出させ、染毛剤を髪に塗布しつつ、先端部6で髪を梳くことができるので、染毛剤の収容容器とブラシが別体となっている場合に比して、容易に染毛剤を髪に塗布することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の染毛剤塗布用ブラシ1では、吐出口9から吐出した染毛剤Aは、隣り合う櫛歯3間で同心円状にしか広がらないので、髪の根元へ染毛剤を供給し易くするために図7(a)のように吐出口9の位置を櫛歯3の先端側に寄せると、櫛歯3間の染毛剤Aの保持量が減る。そのため、染毛に要する仕事量(コーミング数)が増えるという不具合が生じる。
【0005】
一方、同図(b)のように吐出口9を櫛歯基面8側に寄せると、櫛歯3間での染毛剤Aの保持量は増えるが、櫛歯3間で保持される染毛剤Aと櫛歯3の先端部6との距離が大きくなるので、髪の根元の着剤が難しくなる。
【0006】
このように、従来の染毛剤塗布用ブラシでは、髪の根元への着剤のし易さと染毛に要する仕事量の低減とを同時に向上させることができない。
【0007】
これに対し、本発明は、簡単な操作で髪の根元や髪全体を染めることができ、頭皮への染毛剤の付着を極めて少なくすることのできる染毛剤塗布用ブラシを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、染毛剤の吐出口を有する櫛歯を列設させた染毛剤塗布用ブラシにおいて、吐出口と櫛歯基面との間にリブを設けるか、または吐出口から櫛歯の先端に向けて溝を形成すると、吐出口から吐出された染毛剤が櫛歯基面側に広がることを抑制し、先端側に向わせることができるので、髪の根元を含めて髪全体に効率よく染毛剤を塗布でき、櫛通り感も損なわれないことを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、櫛歯が列設したブラシ部と染毛剤を収容する容器からなる染毛剤塗布用ブラシであって、櫛歯が、板状形状をなし、内部に染毛剤の導液路を有し、隣接する櫛歯との対向面に染毛剤の吐出口を有し、かつ吐出口と櫛歯基面の間に櫛歯の幅方向に延びたリブが設けられている染毛剤塗布用ブラシを提供する。
【0010】
また、本発明は、櫛歯が列設したブラシ部と染毛剤を収容する容器からなる染毛剤塗布用ブラシであって、櫛歯が、板状形状をなし、内部に染毛剤の導液路を有し、隣接する櫛歯との対向面に染毛剤の吐出口を有し、かつ吐出口から櫛歯の先端部方向へ溝が設けられている染毛剤塗布用ブラシを提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一または同等の構成要素を表している。
【0012】
図1は、本発明の一実施例の染毛剤塗布用ブラシ1Aの斜視図(a)、ブラシ部のx−x断面図(b)、y−y断面図(c)である。また、図2は、ブラシ部の拡大図である。
【0013】
この染毛剤塗布用ブラシ1Aは、染毛剤を収容する容器2、櫛歯3を列設させたブラシ部4、容器2とブラシ部4とを連結する連結部5からなっている。
【0014】
容器2は、押圧により染毛剤を押し出すことのできる可撓性材料からなっている。このような可撓性材料としては、例えば、特開2000−16470号に開示されているような可撓性外側層と、その外側層に剥離自在に積層された内側層からなるものを使用し、容器の押圧後に空気を外側層と内側層との間に導入し、外側層を押圧前の形状に復元させつつ内側層を剥離させて収縮変形させるものが好ましい。これにより、ディップチューブが不要となり、また、容器2を正立させても倒立させても使用することが可能となる。
【0015】
個々の櫛歯3は、その外形が、先端部6の幅が先細りで、幅aが厚みbよりも大きい扁平な板状形状をなしている。ここで、幅aと厚みbは、櫛通り性を損なわず、櫛歯上に染毛剤を適量保持できるようにする点から、幅aを10〜20mmとし、厚みbを1〜4mmとすることが好ましい。また、先端部6については、幅cが5mm以下の部分L4の長さを少なくとも1mm以上とすることが、櫛通り感を向上させ、頭皮への染毛剤の付着を低減させる点で好ましい。
【0016】
櫛歯の隣接する櫛歯との対向面には、櫛歯基面8からの距離がL1 の位置に中心がある吐出口9が設けられており、さらにこの吐出口9の中心から櫛歯基面8側へ距離L2 の位置に、櫛歯3の幅方向に延びたリブ15が設けられている。このようにリブ15を設けると、吐出口から吐出した染毛剤Aの櫛歯基面8方向への流れを抑制し、染毛剤Aを、図2(a)の矢印のように櫛歯3の先端部6方向へ向わせることができる。したがって、髪の根元に染毛剤Aを十分に供給することができる。この場合、吐出口9の形成位置は、図7(a)に示したように、先端部6側に過度に寄せることなく、櫛歯3間に十分な染毛剤Aを保持できる位置にすればよいので、染毛に要する仕事量が増大することはない。櫛歯基面8と吐出口9との距離L1 や吐出口9から櫛歯3の先端までの距離L3 の最適値は、染毛剤の液性等によるが、例えば、B型粘度計((株)東京計器、MODEL ASB100、No.4ローター、30rpm、測定温度25℃)で測定した場合の染毛剤の粘度が3Pa・s〜20Pa・sであるとき、L1を14〜20mm、L3を5〜10mmとする。
【0017】
また、吐出口9とリブ15との距離L2 の最適値は、吐出口9から吐出される染毛剤の成長形状(この成長形状は、吐出口9の形状等に応じて定まる)等によるが、例えば、染毛剤の成長形状が吐出口9を中心とする同心円の場合、L2を、櫛歯3の外形に内接する同心円の半径Rの2/3以下とすることが好ましい。
【0018】
リブ15の高さdは、櫛通り感を確保しつつ染毛剤Aの櫛歯基面8への流れを抑制する点から、0.2mm以上とすることが好ましく、特に0.3〜0.5mmとすることが好ましい。また、リブ15の櫛歯3の長手方向の長さL5 は、0.5〜1.5とすることが好ましい。リブ15の形成位置における櫛歯3の間隔eは、櫛通りを良くする点から1mm以上とすることが好ましい。
【0019】
リブ15から櫛歯の先端部6側は、その厚みbが先端部6に向かって徐々に薄くなるテーパーをなしている。このようにテーパーを形成すると、染毛剤がより一層櫛歯の先端部6へ供給され易くなるので、髪の根元を確実に染毛することが可能となる。
【0020】
一方、吐出口9の開口面積Sは、十分な吐出性を得るために、櫛歯3の内部の導液路7の断面に内接する円の面積以上とすることが好ましく、より具体的には、例えば、1〜5mm2とすることが好ましい。なお、吐出口9は、ブラシ部4の両端の櫛歯3を除く全ての櫛歯3の両側面に形成することが好ましい。
【0021】
連結部5は、その内部に染毛剤の導液路が形成されており、櫛歯3の内部に形成されている導液路7と容器2の内部とを連通させている。連結部5は、容器2と一体的に形成してもよいが、別部材としてもよい。また、連結部5とブラシ部4とは、両者を着脱自在とすることが部材の成形上好ましい。
【0022】
本発明は、この他種々の態様をとることができる。例えば、リブ15は、吐出口9と櫛歯基面8の間で幅方向に延び、染毛剤の櫛歯基面8の方向への流れを抑制する限り、種々の形状をとることができる。したがって、図3に示すように、吐出口9の櫛歯基面8側の周縁とリブ15とを連続させてもよい。また、リブ15から先端部6に向うテーパーに代えて、凹部16を形成してもよい。
【0023】
図4に示すように、リブ15をV字形状に形成してもよい。また、吐出口9から先端部6に溝17を形成してもよい。
【0024】
吐出口9から先端部6に溝17を形成する場合、リブ15を省略してもよい。この場合、溝17の櫛歯3面からの深さfを0.3mm以上とし、溝17の幅gを吐出口9の幅以上とすることが好ましい。また、吐出口9から先端部6に溝17を形成する場合、図5に示すように、吐出口9と櫛歯基面8の間に櫛歯の幅方向に伸びた段差18を設けることが好ましい。
【0025】
吐出口9の開口形状としては、円形の場合を図示したが、開口形状はこれに限られず、矩形、三角形等でもよい。
【0026】
各櫛歯には内部に複数の導液路を設け、複数の吐出口を形成してもよい。複数の導液路を設ける場合に、各導液路から異なる種類あるいは色の剤を吐出させてもよい。これにより、微妙な風合いのカラーリングを楽しむことが可能となる。
【0027】
吐出口9から吐出される染毛剤の量を全ての櫛歯3で等しくするために、櫛歯3内の導液路7の流路方向に垂直な断面の面積を、容器2から遠い櫛歯3程広くすることが好ましい。櫛歯3内の導液路7の断面積の変化に比して染毛剤の吐出量の変化は大きいため、この導液路7の断面積の調整により、設計の自由度を高く保持しつつ、染毛剤の吐出量を容易に制御することができる。この場合、導液路7の断面積は、櫛歯3が容器2から遠くなるにしたがって徐々に広げても良く、また、櫛歯3を所定のグループに分け、グルーブごとに広げても良い。この他、吐出口9から吐出される染毛剤の量を全ての櫛歯3で等しくするために、連結部5における導液路の断面積を容器2に遠いほど広げても良い。また、吐出口9の開口面積を容器2から遠い櫛歯3程広げても良い。
【0028】
【発明の効果】
本発明の染毛剤塗布用ブラシによれば、簡単な操作で髪の根元や髪全体を染めることができ、良好な櫛通り感を得ることができ、頭皮への染毛剤の付着も低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の染毛剤塗布用ブラシの斜視図(a)、x−x断面図(b)、y−y断面図(c)である。
【図2】 ブラシ部の拡大断面図である。
【図3】 本発明の他の態様のブラシ部の断面図である。
【図4】 本発明の他の態様のブラシ部の断面図である。
【図5】 本発明の他の態様のブラシ部の断面図である。
【図6】 従来の染毛剤塗布用ブラシの斜視図(a)、そのx−x断面図(b)、y−y部分断面図(c)である。
【図7】 従来の染毛剤塗布用ブラシの櫛歯における、吐出口の位置と染毛剤の保持量との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1A 染毛剤塗布用ブラシ
2 容器
3 櫛歯
4 ブラシ部
5 連結部
6 先端部
7 導液路
8 櫛歯の基面
9 吐出口
15 リブ
16 凹部
17 溝
18 段差
Claims (4)
- 櫛歯が列設したブラシ部と染毛剤を収容する容器からなる染毛剤塗布用ブラシであって、櫛歯が、板状形状をなし、内部に染毛剤の導液路を有し、隣接する櫛歯との対向面に染毛剤の吐出口を有し、かつ該対向面上で吐出口と櫛歯基面の間に櫛歯の幅方向に延びたリブが設けられている染毛剤塗布用ブラシ。
- リブから櫛歯の先端部側に向かって、櫛歯の厚みが徐々に薄くなっている請求項1記載の染毛剤塗布用ブラシ。
- 櫛歯が列設したブラシ部と染毛剤を収容する容器からなる染毛剤塗布用ブラシであって、櫛歯が、板状形状をなし、内部に染毛剤の導液路を有し、隣接する櫛歯との対向面に染毛剤の吐出口を有し、かつ該対向面に吐出口から櫛歯の先端部方向へ溝が設けられている染毛剤塗布用ブラシ。
- 吐出口と櫛歯基面の間に櫛歯の幅方向に伸びた段差又はリブが設けられている請求項3記載の染毛剤塗布用ブラシ。
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- 2001-04-27 JP JP2001132076A patent/JP4517532B2/ja not_active Expired - Fee Related
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