JP4517057B1 - 熱交換方法及び熱交換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
熱交換する部位の集約化を図った熱交換方法を提供する。
【解決手段】
熱交換方法は、温熱蓄熱タンク1内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機21として設置し、熱源機21を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路7と、温熱蓄熱タンク2の中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路5と、給湯のための水道水を供給する水道水流路9とを備え、これら三つの流路の一部を構成する三つの管路5’、7’、9’が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器3を用いて、前記蓄熱媒体と前記温熱熱源媒体の間で熱交換させて温熱蓄熱タンク2に蓄熱を、前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体と前記水道水を熱交換させて給湯を行なう為に、三つの熱媒体を相互に熱交換させたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換方法及び熱交換装置に係り、特に、熱交換する部位の集約化を図った熱交換方法及び熱交換装置に関する。
熱源媒体と熱出力媒体との間で用いられる熱交換装置にあっては、今後、化石燃料源に加え自然エネルギーや排熱源を含めた熱源媒体の種類の増加、及び給湯、暖房、風呂追焚きなど利用側出力媒体の多様化、増加が一層進展すると考えられ、それらの間の複雑な熱交換のニーズを実現させるため熱交換器の数量は飛躍的に増加させたいというニーズが生じてくる。
かかる場合、熱源媒体の種類の増加に伴い、熱交換器も増えると共に、設置スペースも増大するという問題点が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑み、熱交換する部位の集約化を図った熱交換方法及び熱交換装置を提供することを目的としている。
前記した目的を達成するための本発明の熱交換方法は、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら三つの流路の一部を構成する三つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて、前記蓄熱媒体と前記温熱熱源媒体の間で熱交換させて前記温熱蓄熱タンクに蓄熱を、前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体と前記水道水を熱交換させて給湯を行なう為に、三つの熱媒体を相互に熱交換させたものである。
また、請求項2記載の熱交換方法は、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路と、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら四つの流路の一部を構成する四つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて、
前記蓄熱媒体と前記温熱熱源媒体の間で熱交換させて前記温熱蓄熱タンクに蓄熱を、前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体と前記水道水を熱交換させて給湯を前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体と前記暖房媒体を熱交換させて暖房を行なう為に、四つの熱媒体を相互に熱交換させたものである。
また、請求項3記載の熱交換方法は、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路と、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら四つの流路の一部を構成する四つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて、前記温熱熱源媒体と前記蓄熱媒体の間で熱交換させて蓄熱に供し、前記蓄熱媒体、前記温熱熱源媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と前記水道水の間で熱交換させて給湯に供し、前記蓄熱媒体、前記温熱熱源媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と前記暖房媒体の間で熱交換させて暖房に供するものである。
また、請求項4記載の熱交換方法は、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、太陽熱温水器から得られる温熱出力媒体を循環させる太陽熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路と、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら五つの流路の一部を構成する五つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて、前記蓄熱媒体と前記温熱熱源媒体及び/又は前記温熱出力媒体の間で熱交換させて前記温熱蓄熱タンクに蓄熱を、前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体及び/又は前記温熱出力媒体と前記水道水を熱交換させて給湯を、前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体及び/又は前記温熱出力媒体と前記暖房媒体を熱交換させて暖房を行なうなど、五つの熱媒体を相互に熱交換させたものである。
また、請求項5記載の熱交換方法は、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、太陽熱温水器から得られる温熱出力媒体を循環させる太陽熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路と、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら五つの流路の一部を構成する五つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて、前記温熱熱源媒体、前記温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と前記蓄熱媒体の間で熱交換させて蓄熱に供し、前記蓄熱媒体、前記温熱熱源媒体、前記温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と前記水道水の間で熱交換させて給湯に供し、前記蓄熱媒体、前記温熱熱源媒体、前記温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と前記暖房媒体の間で熱交換させて暖房に供するものである。
また、請求項6記載の熱交換方法は、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる閉サイクル状態で外部と連通することの無い熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら三つの流路の一部を構成する三つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて、前記蓄熱媒体と前記温熱熱源媒体の間で熱交換させて前記温熱蓄熱タンクに蓄熱を、前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体と前記水道水を熱交換させて給湯を行なう為に、三つの熱媒体を相互に熱交換させたものである
また、請求項記載の熱交換方法は、前記請求項1、2、3、4、5、6に記載した多媒体管路一体型熱交換器に於ける3つ乃至は4つの流路に加え、風呂の温水を循環させる風呂温水媒体を加えて4つ、乃至は5つの熱媒体を相互に熱交換させたものである。
また、請求項記載の熱交換方法は、請求項1、2、3、4、5、6に記載した多媒体管路一体型熱交換器に於ける3つ乃至は4つの流路に加え、風呂の温水を連通させる風呂温水流路を加えて4つ乃至は5つの媒体の流路を収め、該風呂温水流路で熱交換した後に該風呂温水を風呂に戻すこと無く排水させるものである。
また、請求項記載の熱交換方法は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8の何れか一項に記載の熱交換方法において、銅管乃至はアルミニウム管の外表面に伝熱させる部分の全長に渡り平行な二つの平坦面を形成した伝熱管を一つの管路とし、複数の該伝熱管を前記平坦面が相互に接する状態で積み上げて、接合面をロー付け乃至は溶接乃至は圧接乃至は接着させ、隣接する伝熱管同士のみで無く該複数本の何れの伝熱管の間でも熱交換可能である様に一体に構成して、複数の管路を一体の構造にした多媒体管路一体型熱交換器を用いたものである。
また、請求項10記載の熱交換方法は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8の何れか一項に記載の熱交換方法において、銅管乃至はアルミニウム管の外表面に伝熱させる部分の全長に渡り相対的に傾斜する二つの平坦面を持たせるように加工した伝熱管を一つの管路とし、複数の該伝熱管を相互に前記平坦面が接する様に、軸心を並行させて且つ全体の断面が桜の花状態で外表面が大略円筒状となる様に束ねて、接合面をロー付け乃至は溶接乃至は圧接乃至は接着させ、隣接する伝熱管同士のみで無く該複数本の何れの伝熱管の間でも熱交換可能である様に一体に構成して、複数の管路を一体の構造にした多媒体管路一体型熱交換器を用いたものである。
また、請求項11記載の熱交換方法は、請求項9、10何れか一項に記載の熱交換方法において、複数の管路としての銅管乃至はアルミニウム管を熱交換可能に一体に接合し、その外周に密着させて被うアルミ板ないしは銅板製の被い部材を締め付けて固定したものである。
また、請求項12記載の熱交換装置は、温熱蓄熱槽と、この温熱蓄熱槽内に設置すると共に、蓄熱媒体を収納した温熱蓄熱タンクと、前記温熱蓄熱槽の外に位置した熱源機と、前記温熱蓄熱槽の内であって前記温熱蓄熱タンクの外に位置する第1の熱交換部と、循環ポンプにより温熱熱源媒体が前記第1の熱交換部と前記熱源機とを循環する熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱槽の内であって、前記温熱蓄熱タンクの外に位置する第2の熱交換部と、循環ポンプにより蓄熱媒体が前記第2の熱交換部と前記温熱蓄熱タンクとを循環する蓄熱媒体流路と、水道水を外部から前記温熱蓄熱槽内であって前記温熱蓄熱タンクの外に位置する部位を経由して前記温熱蓄熱槽の外へと導く水道水流路とを備え、前記水道水流路の前記温熱蓄熱槽の内であって前記温熱蓄熱タンクの外に位置する部位は、水道水の槽内の管路であり、この水道水の槽内の管路と前記第1の熱交換部の管路、前記水道水の槽内の管路と前記第2の熱交換部の管路、前記第2の熱交換部の管路と前記第1の熱交換部の管路をそれぞれ熱的に接触させる構成としたものである。
また、請求項13記載の熱交換装置は、請求項12記載の熱交換装置において、熱的に接触させる構成は、水道水の槽内の管路を介して第1の熱交換部の管路と第2の熱交換部の管路を接触させる構成か、又は、前記水道水の槽内の管路と前記第1の熱交換部の管路と前記第2の熱交換部の管路とが互いに接触させる構成である。
請求項1及び6記載の熱交換方法によれば、熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路、給湯のための水道水を供給する水道水流路、これら三つの流路の一部を構成する三つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて熱交換するため 、熱交換する部位の集約化が図られ、熱交換器の数、それに伴う設置スペースをも小さくすることができ、しかも、水道水流路と温熱蓄熱タンクとを直接連通しない構成としたため、温熱蓄熱タンクを水道水の圧力に耐える構造体より弱い構造体で形成することができると共に、弱い構造体で形成することに伴い、該弱い構造体で使用が可能な分、温熱蓄熱タンクの形態の自由度が増し、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクをコンパクトに収納することができ、引いては、温熱蓄熱槽をも小さくすることができる等の効果を有する。
また、請求項2記載の熱交換方法によれば、熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路)、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路、給湯のための水道水を供給する水道水流路、これら四つの流路の一部を構成する四つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて熱交換するため、熱交換する部位の集約化が図られ、熱交換器の数、それに伴う設置スペースをも小さくすることができ、しかも、水道水流路と温熱蓄熱タンクとを直接連通しない構成としたため、温熱蓄熱タンクを水道水の圧力に耐える構造体より弱い構造体で形成することができると共に、弱い構造体で形成することに伴い、該弱い構造体で使用が可能な分、温熱蓄熱タンクの形態の自由度が増し、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクをコンパクトに収納することができ、引いては、温熱蓄熱槽をも小さくすることができる等の効果を有する。
また、請求項3記載の熱交換方法によれば、請求項3記載の熱交換方法によれば、熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路、給湯のための水道水を供給する水道水流路、これら四つの流路の一部を構成する四つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて熱交換するため、熱交換する部位の集約化が図られ、熱交換器の数、それに伴う設置スペースをも小さくすることができ、しかも、水道水流路と温熱蓄熱タンクとを直接連通しない構成としたため、温熱蓄熱タンクを水道水の圧力に耐える構造体より弱い構造体で形成することができると共に、弱い構造体で形成することに伴い、該弱い構造体で使用が可能な分、温熱蓄熱タンクの形態の自由度が増し、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクをコンパクトに収納することができ、引いては、温熱蓄熱槽をも小さくすることができる等の効果を有する。
また、請求項4記載の熱交換方法によれば、熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路、太陽熱温水器から得られる温熱出力媒体を循環させる太陽熱源媒体流路、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路、給湯のための水道水を供給する水道水流路、これら五つの流路の一部を構成する五つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて熱交換するため、熱交換する部位の集約化が図られ、熱交換器の数、それに伴う設置スペースをも小さくすることができ、しかも、水道水流路と温熱蓄熱タンクとを直接連通しない構成としたため、温熱蓄熱タンクを水道水の圧力に耐える構造体より弱い構造体で形成することができると共に、弱い構造体で形成することに伴い、該弱い構造体で使用が可能な分、温熱蓄熱タンクの形態の自由度が増し、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクをコンパクトに収納することができ、引いては、温熱蓄熱槽をも小さくすることができる等の効果を有する。
また、請求項5記載の熱交換方法によれば、熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路、太陽熱温水器から得られる温熱出力媒体を循環させる太陽熱源媒体流路、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路、給湯のための水道水を供給する水道水流路、これら五つの流路の一部を構成する五つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を用いて熱交換するため、熱交換する部位の集約化が図られ、熱交換器の数、それに伴う設置スペースをも小さくすることができ、しかも、水道水流路と温熱蓄熱タンクとを直接連通しない構成としたため、温熱蓄熱タンクを水道水の圧力に耐える構造体より弱い構造体で形成することができると共に、弱い構造体で形成することに伴い、該弱い構造体で使用が可能な分、温熱蓄熱タンクの形態の自由度が増し、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクをコンパクトに収納することができ、引いては、温熱蓄熱槽をも小さくすることができる等の効果を有する。
また、請求項12記載の熱交換装置によれば、水道水の槽内の管路と第1の熱交換部の管路、前記水道水の槽内の管路と第2の熱交換部の管路、前記第2の熱交換部の管路と前記第1の熱交換部の管路をそれぞれ熱的に接触させる構成とするため、熱交換する部位の集約化が図られ、熱交換器の数、それに伴う設置スペースをも小さくすることができ、しかも、水道水流路と温熱蓄熱タンクとを直接連通しない構成としたため、温熱蓄熱タンクを水道水の圧力に耐える構造体より弱い構造体で形成することができると共に、弱い構造体で形成することに伴い、該弱い構造体で使用が可能な分、温熱蓄熱タンクの形態の自由度が増し、温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクをコンパクトに収納することができ、引いては、温熱蓄熱槽をも小さくすることができる等の効果を有する。
図1は、本発明の熱交換方法の一実施例に使用する熱供給システム用の温熱蓄熱槽に組み込んだ多媒体管路一体型熱交換器と熱交換システムの媒体の構成を示すもので、図1(a)は温熱蓄熱槽の概略的縦断正面図で、図1(b)は図1(a)の温熱蓄熱槽の概略的平面図で、図1(c)は図1(a)のA−A’の概略的断面図である。 図2は、図1の多媒体管路一体型熱交換器に用いられる媒体回路となる管路を示すもので、図2(a)は管路の概略的正面図で、図2(b)は図2(a)の概略的底面図で、図2(c)は図2(a)の概略的右側面図で、図2(d)は図2(a)のA−A’の概略的断面図である。 図3は、図2の管路を重ね合わせて6媒体回路とした多媒体管路一体型熱交換器を示すもので、図3(a)は多媒体管路一体型熱交換器の概略的正面図で、図3(b)は図3(a)の多媒体管路一体型熱交換器の概略的底面図で、図3(c)は図3(a)の多媒体管路一体型熱交換器の概略的右側面図である。 図4(a)は、図3の多媒体管路一体型熱交換器の6つの媒体回路の管路が接合された部分の概略的断面図で、図4(b)は、図4(a)の管路の断面拡大図である。 図5は、図1の多媒体管路一体型熱交換器を搭載した家庭用の熱供給システムに適用した熱交換装置の概略的図である。
本実施例の技術が適用される技術分野は民生用、特に家庭用、業務用の空調機器と給湯機器を総合した分野での熱エネルギー有効利用を目指した次世代向けの新しい機器システムに関した分野である。この民生分野では現在でも多種多様の機器、システムが実用化されている。事例を挙げると、電力駆動冷凍サイクルを利用した空調機器及び冷凍機器や給湯機器、ガス石油を燃焼させて熱源とした暖房機器及び給湯機器や燃焼機器、ガス石油を動力駆動用燃料とした発電機や空調機器、太陽熱を熱源とした給湯機器など等である。特に近年、省エネルギー又は地球環境を重視するために機器のエネルギー効率の向上や自然エネルギーの活用のための新しい技術、機器、システムの検討が各方面で精力的に進められてきている。またエネルギー供給の社会インフラの特性から昼間電力の利用を抑えて夜間電力を利用するための技術や新らしい機器が開発され、実用化されて来ている。
それらのシステムに利用されるエネルギーは商用電力、石油、ガソリンなど、何時でも社会インフラとして何処でも入手できた高い密度の使いやすいエネルギーから、例えば深夜だけ割安で供給される深夜電力、晴天の昼間だけ供給される太陽光発電電力や太陽熱、地域発電を主体にシステム構成された各種コジェネレイション装置の排熱などなど、限られた時間帯のみに限られたエネルギー濃度や温度が低く、且つ運転サイト毎に特有で標準化されていない、いわば排熱を主体にした各種のエネルギーの利用へ向けての変化が除々にではあるが生じている。
そういった動勢を一層進展させ更に種々な面で有益なシステム機器を実現する為の一つのキー技術が蓄熱システムと伝熱方法に関するものである。それは需要側と時間や濃度でずれた供給エネルギーを一旦熱エネルギーに蓄積し、使いたいときに使いたい密度で熱エネルギーを供給する事ができるものであり、今後増えると思われる多くの熱源温熱と多くの利用側温熱間の複雑な熱交換を効率よく行なうための技術と装置や部品と位置づける事が出来る。今後の社会生活の変化を支える一つのキー技術とも言えよう。
この分野の技術で最も実用化が進んでいるのが深夜電力を利用して温水をつくりそれを蓄熱して何時でも利用できるようにした高いエネルギー効率のシステムとして、ヒートポンプ給湯器がある。この場合年間平均25℃程度の水道水を80℃程度まで加熱して温水タンクに貯湯しておき、それを必要な時に利用するシステムである。この場合温水の蓄熱量はその温度差が80℃と25℃の差即ち55℃もあるため貯湯する温水タンクの容量は小さくて済むため家庭、店舗等でも広く普及されてきつつある。例えば一般家庭では400リッター程度の温水タンクを1000リッター程の蓄熱槽筐体に収納させて設置するため、蓄熱タンクの底面の専有面積は0.5平方メートル程度となり、設置スペースの点でも可能な地域が多くある為である。
しかしながら、それでも都会の住宅やマンションやアパートなどの場合、及び商業地域での小型店舗などの周囲ではそのスペースが無く、乃至はスペース確保費用が極めて高価なため、全国規模での普及拡大には課題となっている。
一方、給湯ではなくて冷暖房用の温冷水を蓄熱する場合には、例えば暖房の場合、その暖房効果を発揮させるためにはその温水の暖房後の戻り温度でも45℃程度の高温度が必要であり、従って貯湯の温度差は80℃と45℃の差即ち35℃となり前述した給湯の場合の55℃と比べて半分に近くなる。これは同じ熱量を貯湯するには倍近い温水タンク容量が必要となるわけである。
即ち、現在の民生機器用蓄熱装置における最大の課題は如何にコンパクトで蓄熱性能の良い蓄熱システムを実現する事ができるかであると言える。現状の温水給湯用の蓄熱量が容積あたり倍増できれば蓄熱システムを用いた空調給湯システムの実用化に扉を開く事ができると考えられる。さらに、何時でも必要な時に運転できるヒートポンプから得られる温熱と昼間の太陽熱の双方をうまく蓄熱すれば、一般家庭の朝晩の暖房と夕方の給湯などを1次エネルギー消費量が少なくて、低い運転ランニングコストの方式の実用化が大きく進展できると考えられる。
エネルギー装置分野の蓄熱システムに必要となる技術分野としては以上に説明した蓄熱槽のコンパクト化以外にも、蓄熱槽から大気への放熱ロスを最小化できるシステム、多種類の熱源を制御して最適に利用できる蓄熱システム、ヒートポンプ熱源ユニットとの連携、太陽熱太陽光発電との連携、暖房を実現できる空調システムとの連携、現地での据付け工事性などの大きな課題があり、これらが実用化、普及拡大のためのキーである。更にこういった装置が開発され普及拡大が進展するためには以上の課題をクリヤーした上で、コスト低減を実現するための簡略化されたシステムと構成ユニット及び部品の実現が必要である。本実施例では、新しい蓄熱システムと熱交換システムとしてその実現に必要な技術についてとりあげていく。
先ず、最優先の課題として、蓄熱システム及びその蓄熱熱量の利用システムのコンパクト化、簡略化が上げられる。これに関しては多くの課題要因があり、一つづつ列挙すると
1、最も重視されるべきアイデアとして、熱源媒体と熱出力媒体との間で用いられる熱交換システム装置のコンパクト化が重要である。今後、化石燃料源に加え自然エネルギーや排熱源を含めた熱源媒体の種類の増加、及び給湯、暖房、風呂追焚きなど利用側出力媒体の多様化、増加が一層進展すると考えられ、それらの間の複雑な熱交換のニーズを実現させるため熱交換器の数量は飛躍的に増加させたいというニーズが生じてくる。これに対応するためコンパクトで一体化された、且つ伝熱効率の良い熱交換器と熱交換システムが必要となると考えられる。
2、さらに、蓄熱タンク内の圧力を大気圧に近づけて、現在水道水圧に耐えるためのSUS鋼板を用いた耐圧容器を不要にし、現在円形断面の蓄熱タンク形状を長方形の蓄熱槽キャビネットに収めえる最大のタンク容積を確保する方法は有効である。同一蓄熱槽キャビネットに対し50〜70%内容積の大きな蓄熱タンクを実現できる可能性がある。
3、一方、PCMと略称される液体と固体の相変化を利用した潜熱蓄熱材を利用し、PCMの容積充填効率を高める、蓄熱温度の設定を出来る限り常温の大気温度から離れずに低温度温熱蓄熱と高温度冷熱蓄熱を実現して断熱に要するスペースを低減する方法があるが、コスト増の要因が難点である。
4、さらに、外気との断熱構造に費やされるスペースをコンパクト化するために真空断熱ブロックを用いる方法などが可能性がある。
5、さらに、検討目標として水や冷媒などの作動流体を作動ポンプなどにより循環乃至は流動させる方法の最適化が挙げられる。理想的には作動ポンプなどは極力廃止して、それを駆動するモータ電力の低減、長期使用品質の向上、初期コストの低減が重要視点となる。
6、以上概説してきた種々の課題、目標を達成した蓄熱システムが実際の機器として具体化した際のコストが高価になり、実用上の普及が難しくなるという点である。この点からシステム全般の構成、構造、材料が簡潔で低コストであることが重要である。
以上、6つの目標について技術的視点で述べたが、これらの項目に対して従来から関連する多くの技術検討と開発検討が進められてきている。例えば、前記の課題1への解決策の一案として特許文献(例えば、特開2002−22270号公報)にはヒートポンプ他各種の熱源による加熱手段を設けた給湯タンクシステムによる各種エネルギー利用システムを提起している。
以上、一例として特許文献を提示した様に、従来も先に述べた6つの技術開発目標課題の多くの内容の技術検討が進められてきている事を示している。しかしながら本実施例で提示しようとしている技術分野の多くの課題に対して、その実用化のための解決策、技術がいまだ検討不十分であり、六つの目標課題の全体をシステムとして整合のとれた実用化技術としては不十分であり、従って、システムとして多くの改善課題を残している。
従って、本実施例では深夜だけ割安で供給される深夜電力、晴天の昼間だけ供給される太陽光発電電力や太陽熱、地域発電のための各種コジェネレイション装置の排熱などを有効に利用し、蓄熱したりする上で実用的に利用できる改善技術を明確に提示していく。
先ず、最優先の課題として挙げた蓄熱システムのコンパクト化に付いては前述の検討アイテムがあるが、課題の目標としては現在市販されている蓄熱槽の容積の半減化を目指すべきである。例えば、現在家庭用の深夜電力利用ヒートポンプ給湯器に使われる蓄熱タンクの標準容積は正味400リッターである。しかしながら、この円筒型の高圧水道水容器を収めて外周を断熱をして配管などを収納した場合、それを収める長方形の蓄熱槽筐体外寸容積は1000リッター以上となるのが実情である。従って家庭用に限らず、蓄熱タンク容器の正味容積だけでなく実際に現地に取り付けられる蓄熱槽筐体の全体容積の縮小が対象になる。半減という目標はアパートメントや店舗等の建築物に設置した時のスペース制約と重量制約の双方から検討して当面の目標として設定した数値目標である。
本実施例では以上の課題に対する最も有効で実用的な方法として蓄熱タンクを高圧タイプではなく大気圧と等しい低圧タイプのシステムの実現を目指して蓄熱媒体とその処理方法について検討したもので、そこに用いられる媒体同士の熱交換器と熱交換システムが従来技術方式では無い、新しい技術方式が必要になることを認識した上でその実用化のための技術を提示するものである。
これを解決するための具体的な方策について、以下、図面を参照して、本発明の一実施例の熱交換方法及び熱交換装置を説明する。
蓄熱タンクの蓄熱媒体として現在は給湯される水道水自体を用いてこれを温水化して蓄熱するとともに給湯にそのまま使用しているシステムが多い。この場合、水道水の作動圧力に耐える蓄熱タンク構造と材料が必要であり、これが蓄熱タンクの内容積を小さくしている。
これを解消するには、分離型の蓄熱方式とするのが有効である。即ち、蓄熱媒体、例えば、水でも良いが、望ましくは、不凍液の液体、具体的には、プロピレングリコールなどの薄い水溶液を蓄熱タンク2に貯留し、これに蓄熱する方法である。この場合この蓄熱媒体と水道水の間の熱交換器が新たに必要になり、新しい熱交換器を追加設置する必要が生じる。同時に熱交換ステップが増える事による伝熱効率が低下するという問題が生じるためこれを防止するには熱交換器の大型化が必要になる。
二番目の検討目標は、システム化、複雑化、新しいニーズへの対応である。 即ち太陽熱利用や排熱利用など今後増加する各種エネルギー熱源をたくみに利用する、且つ給湯、暖房、排熱利用など、より広範囲の熱出力供給ニーズの拡大に応えられる汎用性のある効率の高い蓄熱及び熱交換システムの実現が求められている。これを実現するためには多数の追加熱交換器と高度な全体システムの構成が必要となり、システムは複雑化する。
新しい蓄熱及び熱交換システムを用いて如何に地球環境面から見て、またランニング費用の点からみてエネルギー利用効率の高い民生用エネルギーシステムを実現することが求められてくるわけで、これは即ち将来の高度な自然エネルギー利用蓄熱及び熱変換システムの実現がキーとなるという事ができる。
前述した問題点を解消するために本実施例が取り組む解決手段、技術は次の2点に集約される。
1、蓄熱を分離型の蓄熱方式とするのが有効である。水道水に直接熱源の熱を伝えてそこに蓄熱するのでは無くて、別置きの蓄熱タンク2に蓄熱媒体(水でも良いが、望ましくは、凍結防止のために不凍液の液体、具体的には、プロピレングリコールなどの薄い水溶液水)を貯留し、この蓄熱媒体に蓄熱する方法である。この蓄熱媒体と熱源媒体を熱交換させ、蓄熱媒体に蓄熱する。この方法により蓄熱タンク2は水道水の圧力容器の強度は必要でなくなり、温熱蓄熱槽(キャビネット)1のキャビネットの長方形に合わせた長方形の薄肉容器(樹脂、薄いSUS容器など)を使い、内容積を50%以上増加することが可能となる。
2、この場合、この蓄熱媒体と給湯する水道水の間の熱交換ステップが新たに必要になり、通常では新しい別の熱交換器を設置する必要が生じる。同時に熱交換ステップが増える事による全体の伝熱効率が低下するという問題が生じるため、これを防止するには熱交換器の大型化が必要になる。そこで、本実施例で提案する技術は蓄熱媒体を含め全ての熱媒体を一体の熱交換器に連通させて循環させ、必要な媒体同士を熱交換させるもので、その為には新しい発想と技術に立脚した熱交換器システムを熱交換器が必要となる。
本実施例においては、給湯のための水道水と、熱源媒体(例えば大気熱源ヒートポンプの吐出ガス冷媒「R410A、プロパンガス、CO2等」やガス燃焼機の出力熱搬送媒体としての水、不凍液など)及びこの熱源媒体の温熱を蓄熱タンク2内に蓄熱させるために用いる例えばプロピレングリコールの水溶液など蓄熱媒体、という3種類の媒体を3つの媒体回路の管路を一体にした熱交換器の各管路に連通、循環させて行なう熱交換システムを示している。
この技術により最初の課題の解決策として、蓄熱タンク2は水道水と分離しており、独立の閉サイクル状態で蓄熱媒体を循環させる事が出来る。また全ての熱交換器は一体化され、つまり、熱交換する部位の集約化を図っている。即ち熱源媒体から蓄熱媒体に伝熱させて蓄熱したり、熱源媒体により直接水道水を加熱したり、蓄熱媒体により水道水を加熱する何れかを選択することも可能になる。このとき、この熱交換器は温熱蓄熱槽1内に蓄熱タンク2と独立してその近傍に設置される事が望ましい。それは蓄熱タンク2を循環する蓄熱媒体の循環経路を短くさせることおよび構造レイアウトを簡略化させることが全体システムの最適化の上で有効であるからである。
本実施例の技術をさらに詳細に説明する。 蓄熱媒体に熱源媒体から蓄熱する時は蓄熱タンク2の下部から低温度の(例えば20℃程度)蓄熱媒体を取り出して多媒体管路一体型熱交換器3に送り、そこで熱源媒体により加熱して(例えば55℃程度まで)蓄熱タンク2に戻し貯留して蓄熱する。
逆に給湯が必要になったときは、今度は蓄熱タンク2の上部から高温度(例えば55℃)の蓄熱媒体を多媒体管路一体型熱交換器3の蓄熱媒体回路の管路5に送り、水道水を加熱して給湯する。
このとき蓄熱媒体の流動方向は媒体同士の熱交換でその双方の温度が対抗流状態になる方向に媒体を流して効率良く熱交換させる必要がある。蓄熱媒体の流動方向を変えるには正逆回転運転が可能な正逆転可能ポンプPを用いる。この技術は多数の媒体を通す各回路を一体型の熱交換器に組み込んでおいて、同一の媒体から熱を取り出し、また熱を与えるという二つの機能を持たせようとするときに必要となる技術である。
しかしながら、蓄熱タンク2の蓄熱熱量が不足していることを蓄熱タンク2に装着した温度センサー(図示せず)が検知した時には、熱源媒体により直接水道水流路の管路9を通る水道水を加熱して給湯させることができる。この選択が可能となるのは多媒体管路一体型熱交換器3を用いた効果であり、実用上極めて重要な効果である。即ち三つの熱媒体を選択して如何なる熱媒体同士でも相互に熱交換させる事が可能であるという効果である。
これを具体化させる熱交換器の方式の一つに次の方式のものがある。 即ち横並びに並んだ多穴管を内部に持った平板状の外形のアルミニウム押し出し管である。この場合三つの管路5、9、11はもとより多数の管路を持ったものでもその押し出し成形としての製造は変ることなく容易である。しかしながら媒体が水や風呂の温水である場合、その押し出しアルミニウム管の内面の腐食を防止することが必要である。内面塗装、内面樹脂塗膜などの方式はあるが、長期間の耐食性を満たすような完成された製造技術が不十分であり、今後の技術開発が期待される。
その意味から単管の銅管を接合させて多媒体管路一体型熱交換器3として完成させる方式は実用的である。後述する請求項の実施例はこの点を基板にした技術である。
さらに、従来方式と比較すると、商品化の上での効果として夫々の熱媒体の熱交換のための熱交換器3台を別々に設ける従来の方式に比べて、ここで提示する多媒体管路一体型熱交換器3を用いたシステムではそのシステム全体のコンパクト化及びそれによるコスト低減さらにはシステム品質の向上を達成し易いという点が優位であり、且つ重要である。
本実施例の技術の最大の効果は、結果的に同一容積の温熱蓄熱槽(ケーシング)1を用いてもそこに収納できる蓄熱タンク2の蓄熱容量の増加を実現させる事ができることである。その基本原理は前述した様に蓄熱媒体を蓄熱タンク2と多媒体管路一体型熱交換器3との間を循環させる閉ループを構成することにある。水道水に蓄熱する場合は、蓄熱タンク2自体を給湯給水させるための水道給水圧力状態を保つ必要があるが、この閉ループの場合はその必要は無い。大気圧と差の無い圧力に保たれた蓄熱タンク2は薄肉の樹脂乃至は薄肉のステンレス鋼板を用いて任意な形状にすることが容易である。従って温熱蓄熱槽2のキャビネットの形状に合わせてキャビネット内容積をフルに活用した最大容積にすることが可能である。水道圧に耐える円形断面の厚肉ステンレスタンクに比べて50%以上の容積拡大が可能であることは実際に図面上で検討してみれば容易に知る事ができる。
さらに蓄熱タンク2の容積を有効利用するには、熱源機の運転を一日24時間何時でも必要な時に運転可能にすることが重要である。深夜電力方式のヒートポンプや太陽熱温水器など時間制約のある熱源装置を使うのではなく、商用電力24時間利用可能ヒートポンプや都市ガス利用ガス給湯装置を利用して蓄熱タンク2の蓄熱量不足に応じて何時でも熱源装置を運転してバックアップする方式(常時追焚き可能方式)をとることがそれを解決するわけである。
この場合風呂の浴槽への給湯など短時間に大量の湯を利用する場合に備えて蓄熱タンク2の容積を設定する事になる。この場合、日本国内の平均的な家庭ではタンク容量は55℃蓄熱で200リッター程度が推奨される。深夜電力利用ヒートポンプの場合は400リッターもの蓄熱タンク2の容量が必要と成るのに比較し半分の容積で実用的に充分であり、この方式が今後のヒートポンプ給湯機の発展方向を示すものと考えられる。
従って前述した様に水道水とは分離した分離型の蓄熱タンク2を用いてその容積を50%増加させ、常時追い焚き式の熱源機を用いて蓄熱タンク2の必要容量を半減することにすれば、結果として温熱蓄熱槽1のキャビネット容積は3分の一の大きさに小型化できることとなる。
そこで、給湯のみでなく、給湯プラス暖房を行なう多機能システムに機能拡大する場合にはこの改善施策の採用が有効になる。何故なら暖房機能追加には給湯単独の場合に比べて20%〜100%程度大きな蓄熱タンク2の容積が必要になるからである。
一方、熱源機の能力を小さくして初期投資コスト低減を図ろうとすると、蓄熱しなければならない熱量が増えるため蓄熱タンク2の容積増加が必要であり、熱源機を小能力化した最適なシステム構成では給湯のみに比べて給湯プラス暖房では2倍の蓄熱タンク2の容積が推奨されることになる。
熱源機を小能力化できれば、その装置価格が低減できるばかりでなく、ヒートポンプの場合には電源容量の小容量化が可能であり、また電力供給側でのピーク電力負荷の軽減という効果も生じる。請求項7,8は請求項1の多媒体回路一体型熱交換器の構造と材料をより明確に規定したものである。
多媒体管路一体型熱交換器3の管路は銅管乃至はアルミニウム管を用いてその長さ方向全長に渡って形成された伝熱面で相互に接合させる事により熱媒体同士の伝熱特性を向上させると同時に離れた位置にある媒体回路の媒体同士もその間に位置する銅管乃至はアルミニウム管を媒介して伝熱させる事ができる。
この伝熱特性を向上させるために、この伝熱面を平坦面に形成し、接合される管同士はこの平坦面を密着させて接合させる方式と製造技術がキーとなる。三つの管路の場合、例えば、図1(c)で言えば、管路13、7、9、5、11、15中、管路13、11、15を省略した場合、真ん中に配置される管路9はその両側に平坦な伝熱面を形成してその両面で管路7と管路5で接合する。管路7、9、5の外周には、図4(a)記載の被い部材18が位置するようになっている。多媒体管路一体型熱交換器3においては、熱媒体回路の数により、両側に平坦面を持つ管路の数は、例えば、請求項1、2、3、4、5、6に示される3〜6つの熱媒体流路(回路)を持つべき管路の本数は増加する。例えば、請求項8のような構造の場合は真ん中の回路に熱源媒体を連通させる場合と蓄熱媒体を連通させる場合がある。夫々の伝熱特性に若干の違いは生ずるが、基本的に両端の回路の媒体も真ん中の回路の管路の壁面を通して相互に効率よく伝熱することができる事が本実施例の技術のキー部分である。
多媒体管路一体型熱交換器3の形状は、図1(c)、図4(a)に記載されたものに限らず、請求項8のような多媒体管路一体型熱交換器3の形状、例えば、図示しないが、桜の花びら状の各回路の管路が放射状に位置する接合面に於いて接合される事になるので全ての管路は二つの平坦面が必要である。例えば、被い部材が断面を円とする管とすれば、該管の中に、断面形状が略扇形形状の管路7、9、5(扇形の中心角度が120度)を互いに二つの平坦面を接触するようにする。望ましくは、断面形状が略扇形形状の管路7、9、5と断面を円とする管の被い部材とを一体化する。つまり、複数の管路7、9、5としての銅管乃至はアルミニウム管を熱交換可能に一体に接合し、その外周に密着させて被うアルミ板ないしは銅板製の被い部材を締め付けて固定する。
一体化された全体の管路の外周を被い部材(伝熱板)で被うことによりその被い部材を通して伝熱させる効果により前述した様に隣り合わせない管路の媒体間の伝熱を隣り合わせた管路同士の様に効率よく伝熱させることが可能になる技術である。
前述した媒体流路(回路)の数は3個であったが、請求項2のようにさらに暖房流路(回路)を追加して4個の管路を有した多媒体管路一体型熱交換器3でも良い。暖房流路(回路)の熱媒は管路13を通り、通常の場合不凍液としてのプロピレングリコール乃至はエティレングリコールの水溶液を用いる。多媒体管路一体型熱交換器3を用いているため、暖房用の熱源は蓄熱タンク2内の蓄熱熱源乃至は熱源媒体の熱源のどちらかを選択するが、必要ならば双方の熱源を同時に利用することが可能である。この結果、従来の様に分散型の熱交換器を利用した場合に比べ、運転開始時に大能力運転による暖房効果の早期立ち上げ、安定した暖房熱源供給、省エネに適した熱源の選択による省エネ運転などの実用的な効果が得られる。と同時にヒートポンプ装置などの熱源機の能力容量を小能力のものを選択し易く、システムの初期価格低減の可能性があるという利点がある。この場合の熱交換器にも当然請求項7、8の技術を利用することが有効であることは変わりない。
前述した媒体流路(回路)の数は4個であったが、請求項のようにさらに温熱源として自然エネルギーである太陽熱も加えて5個の管路を有した多媒体管路一体型熱交換器3でも良い。媒体流路(回路)の数が4個のものに比べさらに熱源の選択肢が増える効果は実用性及び少エネルギー性の両面で飛躍的に増大する。この場合の熱交換器にも当然請求項7、8のような技術を利用することがより有効となる事になる。 また、請求項7のような構造の場合は両端の回路の媒体同士も隣合わせで熱交換できるから、この配置はほとんど自由に設定しても全体の性能に殆ど影響しないという利点がある。
請求項は以上説明してきた多媒体管路一体型熱交換器に風呂の浴槽内の温水を連通循環させるための風呂温水流路(回路)を熱出力媒体用流路(回路)内に追加してさらに高機能化するものである。浴槽内の温水が冷えて低温度になったとき、この流路(回路)に循環させて熱源媒体乃至は及び蓄熱媒体乃至は及び可能であるならば太陽熱源媒体と熱交換させる事により浴槽内の温水を加熱するもので、熱利用媒体の数がさらに増えて熱交換の仕組みは更に複雑となる。通常では熱交換器を一台追加する必要があるが、多媒体管路一体型熱交換器はその媒体流路(回路)用の管路が一つ増えるだけで1つの一体型熱交換器で対応できるという大きな利点がある。この回路即ち管路のロケーションは熱交換器の最も端の位置にとれば充分である。なぜなら、浴槽温水の追焚きのチャンスは他の伝熱運転に比較して少ないためその伝熱性能の優劣の影響は小さいと考えられるからである。
請求項は請求項とは反対に、浴槽内の温水を排水する時にその排水から温熱を回収させる運転であり、風呂温水の温熱を蓄熱媒体に熱交換させて熱回収させ、省エネルギーに貢献しようとするものである。この時は汚れや油脂の混ざった浴槽温水を冷却させる結果となり、その熱交換器内壁にこれらの汚れや油脂が付着して積層するという問題がある。従ってこの排水は浴槽に戻すことなく、間違いなく排水させることが必要である。この追加管路のロケーションは蓄熱媒体に近いほうの一番端に位置させることが望ましい。さらにこの管路の管径はこの汚れ付着を予想して太いものを用いる。
請求項は実施事例に示されるような多媒体管路一体型熱交換器の代表的な構造を提示している。例えば六媒体用の六流路(回路)(六管路又は六通路)を持つ熱交換器であれば外形の断面形状が四つの平坦面を持ったほぼ角状に形成した6本の例えば銅管をその平坦面同士を接合させてロー付けして全体を一体に纏める方法である。平坦面同士を接合させる効果は、
1、接合面積が大きくなり伝熱特性が大きく向上するとともに安定する。
2、接合のためのロー材の使用量が劇的に少なくなり製造性向上、コスト低減ができる。
3、隣り合わせていない管路同士の伝熱も、その伝熱特性が向上する。
4、請求項10に述べる被い部材を用いる事により上記3、の効果をさらに向上させ得る。
5、接合部分の錆、剥離、亀裂などの防止に効果あり、信頼性の向上に繋がる。
など、性能向上、コスト低減、製造性、信頼性向上に貢献することを狙ったものである。
請求項10は請求項の多媒体管路一体型熱交換器の端の管路同士を接合させてさらに性能向上を狙ったものである。このため管路の両面に形成する平坦面は並行ではなくて大きく傾斜させる。3回路の場合はそれは約120度の開き角度を4回路では90度、5回路では72度、6回路では60度の開口角度を持った二つの平坦面を管路の外表面に全接合部分に渡って形成する。以上の角度は全ての管路が同一寸法の事例であるが、必要により管路の寸法に大小を設ける場合は詳細の調整が必要となる。管路の寸法が大きく異なる寸法の管路同志では請求項9の桜の花状(放射状)の多媒体管路一体型熱交換器は適さない。
しかしながら、各媒体回路の管径は夫々の媒体の特性に合わせて選択される。例えばヒートポンプ作動冷媒にCO2を選択した場合、CO2は作動圧力が高く熱運搬のための必要体積流量が小さいため小径の管路が選ばれる。この場合は請求項10の単純な積段式のほうが製造し易い。
例えば5ミリメーター直径の銅管2本を夫々断面を角形状に整形したものを事前に一体に接合させて外形の断面形状の2辺が4.5及び9ミリメーターの長方形となし、9ミリメーター四角の水系媒体回路の管路と9ミリメーターの面同士で接合するなどの工夫がなされる。
請求項11は回路間の伝熱を向上させるために一体化した熱交換器の少なくとも直線部分についてその外周に合わせた形状寸法の銅板乃至はアルミニウム板で被って締め付けるという技術である。勿論管路の材料肉厚を増すなどにより同等な性能向上を図ることは不可能では無いが、ロー付け製造性が難しくなること、材料コスト増になること、熱交換器全体の曲げ加工に制約が生じることなどで実用的で無い。実施例の図からも解る通り熱交換器を一体にすることとその全体を収納スペースに合わせて曲げ成形することを同時に実現する必要性から本請求項の技術は有効である。
更に、詳述すると、多媒体管路一体型熱交換器とそれを利用した熱交換装置の実施例として、家庭用の請求項に相当する5媒体流路(回路)からなる熱供給システムの事例を説明する。図5に家庭用の熱供給システムの全体を示す。給湯(水道水流路9)、暖房[床暖房(室内側熱交換器)23]、風呂浴槽25の追焚きを行なうために、熱源機(例えば、ヒートポンプ熱源機)21、太陽熱温水パネル22、温熱蓄熱槽1を設置した熱交換装置(システム)である。太陽熱温水パネル22の能力とヒートポンプ熱源機の能力は全体システムの熱需要を賄う様に設定される。即ち一方が大能力なら他方は若干小さな能力で良い。温熱蓄熱槽1の中の蓄熱タンク2の蓄熱容積は太陽熱温水パネル22の容量に合わせてその大きさが設定される。これらの五つの媒体回路(11、7、13、9、15)は温熱蓄熱槽1内に設置された多媒体管路一体型熱交換器3に連通され循環する。図5には記述していないが、図1に示される蓄熱媒体流路(回路)5を含めて6媒体流路(回路)の媒体は全てこの多媒体管路一体型熱交換器3において熱交換される。


多媒体管路一体型熱交換器3は図1に示すように六つの管路13、7、9、5、11、15を図1乃至は図4に示した様に全長が、例えば、18メーターの銅管の外周に平坦な接合面19(図4(a)参照)を設けて隣り合う銅管同士をロー付け接合した上で図3の様に蛇行状に成形する。 乃至は図2の様に一本の管路の状態で蛇行状に成形して図3の様に重ね合わせてロー付け接合する方法もある。ロー付け接合は直管状態で行なう方が作業性は良いがその場合は曲げ成形が難しくなる。
従って曲げ部分を除いて直管部分を直管状態でロー付けして曲げ整形してから曲げ部分のロー付けを行う方法が実用的である。
図1に示した様に、蓄熱タンク2はその最上部で(図示しないが)ベローズ膜を介して大気に接する構造によりほぼ大気圧に保たれているので、蓄熱タンク2は耐圧強度の必要性がないため0.5tの薄肉ステンレス鉄板で製作可能で、温熱蓄熱槽1の内側形状と寸法に合わせて目一杯の大きさになっている。図の隙間は断熱層を示している。この結果、温熱蓄熱槽1の外形容積は900リッターであるが、蓄熱タンク2の内容積は600リッターであり、容積効率は66.6%と高い有効体積率を確保している。(通常の水道水蓄熱方式ではこの値は40%前後と小さい、即ち無駄な空間が多い) 多媒体管路一体型熱交換器3は図の様に一体化されたもので温熱蓄熱槽1内であって蓄熱タンク2の近傍に設置されており、六つの媒体がそこに連通され六つのポンプPによって循環されている。
蓄熱媒体4はプロピレングリコールの水溶液であり凍結の防止、腐食の防止が工夫されている。
蓄熱媒体4は熱源媒体6(ヒートポンプの冷媒でプロパン)乃至は太陽熱媒体10(プロピレングリコール水溶液)から熱を受け取り温熱を持って蓄熱タンク2に貯留される。水道水8は蓄熱媒体4乃至は熱源媒体6乃至は太陽熱媒体10により加熱され温水となり図5の様に給湯される。暖房媒体12(プロピレングリコール水溶液)は熱源媒体6乃至は太陽熱媒体10乃至は蓄熱媒体10により加熱されて温熱媒体となり図5の様に床暖房23に供されて暖房を行なう。風呂浴槽25の風呂温水14は風呂温水通路(回路)15を循環して熱源媒体6乃至は太陽熱媒体10乃至は蓄熱媒体10により加熱されて浴槽25に戻り浴槽の風呂温水14を加熱(追い焚き)する。
多媒体管路一体型熱交換器3は図4にその断面が示されている。各管路は銅パイプを図4の様に四つの平坦面を持った断面略四角形に形成されている。その六つの管路13、7、9、5、11、15を図の様に積層(並設)させ極めて薄い間隙で接する事ができる様に形成された接合面19でロー付け接合される。そのときのロー材20はその薄い間隙を満たす僅かな使用量で接合が行なわれており、高い伝熱性能と同時に極めて安価な(ロー材使用量の少ない)接合を行なうことが出来ている。
従来の熱交換方式では各媒体間毎に個別熱交換器を別々に設けているから、この様に六つの媒体を所要の媒体同士で所要の熱交換をさせる為には8〜10ケの熱交換器が必要となる。本発明による多媒体回路熱交換システムではそれを一体にした一つの熱交換器(多媒体管路一体型熱交換器3)で処理する事が可能である。熱交換器の数の減少のみでなく、媒体回路数を少なくでき従って循環ポンプ数も少なく出来るわけである。ポンプの数は図1に示した様に6媒体回路毎に6台のポンプPが設置されている。その中で蓄熱媒体の循環は熱を受け取る場合と熱を供給する場合では循環方向を逆転させる必要があるため、正逆両方向ポンプが使用されている。
図1と図4に示した多媒体管路一体型熱交換器3の断面図で解るとおり各管路を積層して接合した後にアルミニウム板の被い部材18で被っている。図示していないが、この被い部材18は図2、図3で示された管路の直線部分のみをカバーしており、被い部材18の側面は(図示していないが)ネジ止により積層された管路を締め付けている。その結果これも図示していないが被い部材18の内面に塗布した熱伝導性接着剤で充填され、銅管とアルミニウム被い部材18間の熱伝導は充分に良好で、その結果遠く離れた管路同士の従って媒体同士の伝熱を良好にしている。
上述したように、温熱蓄熱槽(キャビネット)1内に温熱蓄熱タンク2が設置されている。5は、温熱蓄熱タンク2の中に蓄熱させるための蓄熱媒体4を循環させる蓄熱媒体流路(蓄熱媒体回路)で、7は、温熱蓄熱タンク2内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置21(又は図示しないガス燃焼装置)を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路(熱源媒体回路)である。
9は、給湯のための水道水を供給する水道水流路である。
11は、太陽熱温水器22から得られる温熱出力媒体を循環させる太陽熱源媒体流路(太陽熱源媒体回路)である。
13は、建物内を暖房するために暖房装置(例えば、室内側熱交換器である床暖房パネル23)に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路(暖房媒体回路)である。
15は、風呂の温水を循環させる風呂温水媒体流路である。
そして、これら六つの流路5,7、9、11、13、15の一部を構成する温熱蓄熱槽1の内であって温熱蓄熱タンク2の外に位置する六つの管路5’,7’、9’、11’、13’ 、15’の部位が一体に接合されて多媒体管路一体型熱交換器3を構成している。
多媒体管路一体型熱交換器3の管路の数は、適宜のもので、例えば、三つの管路5’,7’、9’の場合もあれば、四つの管路5’,7’、9’、13’の場合もあれば、五つの管路5’,7’、9’、11’、13’の場合等がある。
即ち、三つの管路5’,7’、9’の場合、多媒体管路一体型熱交換器3において、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体と熱源媒体流路7の温熱熱源媒体の間で熱交換させて蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4を介して温熱蓄熱タンク2に蓄熱を、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4及び/又は熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と水道水流路9の水道水を熱交換させて給湯を、それぞれ行なう為に、三つの熱媒体を相互に熱交換させている。例えば、給湯しない時は、多媒体管路一体型熱交換器3において、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体と熱源媒体流路7の温熱熱源媒体の間で熱交換させて蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4を介して温熱蓄熱タンク2に蓄熱をし、給湯持は、多媒体管路一体型熱交換器3において、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4及び熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と水道水流路9の水道水との熱交換、又は、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4と水道水流路9の水道水との熱交換、又は、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と水道水流路9の水道水との熱交換を行わせている。
なお、蓄熱媒体流路(蓄熱媒体回路)5は、循環ポンプPにより蓄熱媒体が第2の熱交換部(多媒体管路一体型熱交換器3に位置する管路5’)と温熱蓄熱タンク2とを循環する流路である。つまり、蓄熱媒体流路5は、温熱蓄熱タンク2の流出口と多媒体管路一体型熱交換器3の管路5’の入口と、多媒体管路一体型熱交換器3の管路5’の出口と温熱蓄熱タンク2の流入口とを接続する流路(回路)で、該流路(回路)の中途に蓄熱媒体4を移動させる循環ポンプPが設けられている。
また、熱源媒体流路(熱源媒体回路)7は、循環ポンプPにより温熱熱源媒体が第1の熱交換部(多媒体管路一体型熱交換器3に位置する管路7’)と熱源機21とを循環する流路である。つまり、熱源媒体流路(熱源媒体回路)7は、熱源機21の流出口と多媒体管路一体型熱交換器3の管路7’の入口と、多媒体管路一体型熱交換器3の管路7’の出口と熱源機21の流入口とを接続する流路(回路)で、該流路(回路)の中途に温熱熱源媒体を移動させる循環ポンプ(例えば、熱源機21が冷凍サイクルの凝縮器であれば、循環ポンプは、圧縮機)が設けられている。
また、水道水流路9は、水道水を温熱蓄熱槽1の外部から温熱蓄熱槽1内であって温熱蓄熱タンク2の外の部位を経由して温熱蓄熱槽1の外へと供給する流路である。そして、水道水流路9の温熱蓄熱槽1の内であって温熱蓄熱タンク2の外に位置する部位は、水道水の槽1内の管路9’である。
また、多媒体管路一体型熱交換器3において、三つの管路5’,7、’9’を溶接、ロー付け、真空溶着、高周波接合、接着等により接合して一体化したが、本願発明にあっては、これに限らず、水道水の槽内の管路9’と第1の熱交換部の管路(多媒体管路一体型熱交換器3に位置する管路7’)、水道水の槽内の管路9’と第2の熱交換部の管路(多媒体管路一体型熱交換器3に位置する管路5’)、第2の熱交換部の管路(多媒体管路一体型熱交換器3に位置する管路5’)と第1の熱交換部の管路(多媒体管路一体型熱交換器3に位置する管路7’)をそれぞれ熱的に接触させる構成、例えば、溶接等によらず、単に、接触させるだけでも良く、接触した場合、例えば、三つの管路5’,7’、9’の外周を図4(a)に記載の被い部材13により被って接触した状態を拘束するようにして保持するようにしても良い。なお、多媒体管路一体型熱交換器3において、三つの管路5’,7、’9’の場合、図4(a)で言えば、他の管路11’、13’、15’はない。
また、熱的に接触させる構成は、水道水の槽内の管路9’を介して第1の熱交換部の管路7’と第2の熱交換部の管路5’を接触させる構成(サンドイッチ構成)に限らず、水道水の槽内の管路9’と第1の熱交換部の管路7’と第2の熱交換部の管路5’とが互いに接触させる構成でも良い。水道水の槽内の管路9’を介して第1の熱交換部の管路7’と第2の熱交換部の管路5’を接触させる構成にあっては、隣接する水道水の槽内の管路9’と第1の熱交換部の管路7’との熱交換、隣接する水道水の槽内の管路9’と第2の熱交換部の管路5’との熱交換、第1の熱交換部の管路7’と第2の熱交換部の管路5’とは水道水の槽内の管路9’を介しての熱交換が行われる。
また、四つの管路5’,7’、9’、13’の場合、図4(a)で言えば、多媒体管路一体型熱交換器3において、他の管路11’、15’を除いたものである。
多媒体管路一体型熱交換器3において、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4と熱源媒体流路7の温熱熱源媒体の間で熱交換させて蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4を介して温熱蓄熱タンク2に蓄熱を、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4及び/又は熱源媒体流路7の熱源媒体と水道水流路9の水道水を熱交換させて給湯を、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体及び/又は熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と暖房媒体流路13の暖房媒体を熱交換させて暖房を、それぞれ行なう為に、四つの熱媒体を相互に熱交換させている。
なお、暖房媒体流路13は、循環ポンプPにより暖房媒体が多媒体管路一体型熱交換器3に位置する管路13’と床暖房(室内側熱交換器)23とを循環する流路である。つまり、暖房媒体流路13は、床暖房(室内側熱交換器)23の流出口と多媒体管路一体型熱交換器3の管路13’の入口と、多媒体管路一体型熱交換器3の管路13’の出口と床暖房(室内側熱交換器)23の流入口とを接続する流路(回路)で、該流路(回路)の中途に暖房媒体を循環させる循環ポンプPが設けられている。
なお、媒体管路一体型熱交換器3の管路7’を流れる熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と媒体管路一体型熱交換器3の管路5’を流れる蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4の間で熱交換させて蓄熱に供される。
また、給湯の態様は、多媒体管路一体型熱交換器3において、蓄熱媒体4及び熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と水道水を熱交換する態様、蓄熱媒体4と水道水を熱交換する態様(熱源媒体流路7の循環ポンプ停止)、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と水道水を熱交換する態様(蓄熱媒体流路5の循環ポンプ停止)がある。また、暖房の態様は、多媒体管路一体型熱交換器3において、蓄熱媒体4及び熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と暖房媒体を熱交換する態様、蓄熱媒体4と暖房媒体を熱交換さする態様(熱源媒体流路7の循環ポンプ停止)、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と暖房媒体を熱交換する態様(蓄熱媒体流路5の循環ポンプ停止)がある。
また、五つの管路5’、7’、9’、11’、13’の場合、図4(a)で言えば、多媒体管路一体型熱交換器3において、他の管路15’を除いたものである。
多媒体管路一体型熱交換器3において、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体と熱源媒体流路7の温熱熱源媒体及び/又は太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の間で熱交換させて蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4を介して温熱蓄熱タンク2に蓄熱を、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体4及び/又は熱源媒体流路7の熱源媒体及び/又は太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体と水道水流路9の水道水を熱交換させて給湯を、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体及び/又は熱源媒体流路7の温熱熱源媒体及び/又は太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体と暖房媒体流路13の暖房媒体を熱交換させて暖房を、それぞれ行なうなど、五つの熱媒体を相互に熱交換させている。
なお、太陽熱源媒体流路11は、循環ポンプにより温熱出力媒体が多媒体管路一体型熱交換器3に位置する管路11’と太陽熱温水器(太陽熱温水パネル)22とを循環する流路である。つまり、太陽熱源媒体流路11は、太陽熱温水器(太陽熱温水パネル)22の流出口と多媒体管路一体型熱交換器3の管路11’の入口と、多媒体管路一体型熱交換器3の管路11’の出口と太陽熱温水パネル22の流入口とを接続する流路(回路)で、該流路(回路)の中途に温熱出力媒体を循環させる循環ポンプが設けられている。
多媒体管路一体型熱交換器3において、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と蓄熱媒体4の間で熱交換させて蓄熱に供することができる。
つまり、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の熱量が十分であれば、熱源媒体流路7の循環ポンプを停止させ、多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体と多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体とで熱交換させる。
また、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の熱量だけで十分でなければ、熱媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体と多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体とで熱交換させる。
また、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の熱量が全く期待できない場合であれば、太陽熱源媒体流路11の循環ポンプを停止させ、熱媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体とで熱交換させる。

また、蓄熱媒体4、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と水道水流路9の水道水の間で熱交換させて給湯に供することもできる。
即ち、給湯の形態としては、例えば、「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体4」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「水道水流路9の水道水」の間で熱交換させる形態、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体4」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「水道水流路9の水道水」の間で熱交換させる形態(太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体4」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「水道水流路9の水道水」の間で熱交換させる形態(熱源媒体流路7の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「水道水流路9の水道水」の間で熱交換させる形態(蓄熱媒体流路5の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体4」と「水道水流路9の水道水」の間で熱交換させる形態(熱源媒体流路7の循環ポンプの動作を停止、太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「水道水流路9の水道水」の間で熱交換させる形態(蓄熱媒体流路5の循環ポンプの動作を停止、太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「水道水流路9の水道水」の間で熱交換させる形態(蓄熱媒体流路5の循環ポンプの動作を停止、、太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)がある。これらの給湯の形態は、蓄熱媒体4、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体各熱量を考慮し、適宜決定される。
また、蓄熱媒体4、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と暖房媒体流路13の暖房媒体の間で熱交換させて暖房に供することができる。
即ち、暖房の形態としては、例えば、「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体4」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体4」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体4」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(熱源媒体流路7の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(蓄熱媒体流路5の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱媒体4」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(熱源媒体流路7の循環ポンプの動作を停止、太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(蓄熱媒体流路5の循環ポンプの動作を停止、太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(熱源媒体流路7の循環ポンプの動作を停止、蓄熱媒体流路5の循環ポンプの動作を停止)がある。これらの暖房の形態は、蓄熱媒体4、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の各熱量を考慮し、適宜決定されるものである。
また、上述においては(図1乃至図5)、水道水流路9と別個に、蓄熱媒体流路5を設けるようにしたが、蓄熱媒体4を水道水とし、圧力を有する水道水を温熱蓄熱槽(キャビネット)1の外から温熱蓄熱タンク2に導くようにしても良い。かかる場合、例えば、三つの管路5’,7’、13’となる。三つの管路5’,7、’ 13’の場合、図4(a)で言えば、多媒体管路一体型熱交換器3において、他の管路9’、11’、15’はない。
また、図5の温熱蓄熱槽1へ向かう水道水流路9を温熱蓄熱槽1内の蓄熱媒体流路5と接続するようにする。この場合、蓄熱媒体流路5は、蓄熱タンク2の中に貯留させた水道水を循環させる蓄熱水道水流路となる。また、蓄熱タンク2内の温められた水道水は、蓄熱タンク2に連通し、温熱蓄熱槽1の外へと導く給湯通路(図示せず)により排出される。
三つの管路5’,7’、13’の場合の多媒体管路一体型熱交換器3においては、蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体である水道水と熱源媒体流路7の熱源媒体の間で熱交換させて温熱蓄熱タンク2に蓄熱と同時に給湯を、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体及び/又は蓄熱媒体流路5の蓄熱媒体である水道水と暖房媒体流路13の暖房媒体を、それぞれ熱交換させて暖房を行なう為に、三つの熱媒体を相互に熱交換させるようにしている。
なお、暖房の態様は、多媒体管路一体型熱交換器3において、蓄熱媒体である水道水及び熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と暖房媒体を熱交換する態様、蓄熱媒体である水道水と暖房媒体を熱交換さする態様(熱源媒体流路7の循環ポンプ停止)、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と暖房媒体を熱交換する態様(蓄熱水道水流路の循環ポンプ停止)がある。
また、上述の三つの管路5’,7’、13’に、管路11‘を付加しても同様に、適用することができる。四つ管路5’,7’、 11’、13’の場合、図4(a)で言えば、多媒体管路一体型熱交換器3において、他の管路9’、15’はない。
四つの管路5’,7’、 11’、13’の場合の多媒体管路一体型熱交換器3においては、上述の蓄熱水道水流路の蓄熱媒体である水道水と熱源媒体流路7の熱源媒体及び/又は太陽熱源媒体流路11の太陽熱源媒体の間で熱交換させて温熱蓄熱タンク2に蓄熱さらには該水道水を利用して給湯を、蓄熱媒体である水道水及び/又は熱源媒体流路7の温熱熱源媒体及び/又は太陽熱源媒体流路11の太陽熱源媒体と暖房媒体流路13の暖房媒体を熱交換させて暖房を行なう為に、四つの熱媒体を相互に熱交換させるようにしている。
具体的には、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と上述の蓄熱水道水流路の蓄熱媒体である水道水の間で熱交換させて温熱蓄熱タンク2に蓄熱と給湯に供することができる。

即ち、蓄熱と給湯の態様は、多媒体管路一体型熱交換器3において、
熱源媒体流路7の温熱熱源媒体及び太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体と上述の蓄熱水道水流路の蓄熱媒体である水道水と熱交換する態様、
熱源媒体流路7の温熱熱源媒体と上述の蓄熱水道水流路の蓄熱媒体である水道水と熱交換する態様(太陽熱源媒体流路11の循環ポンプ停止)、
太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体と暖房媒体を熱交換する態様(熱源媒体流路7の循環ポンプ停止)がある。

また、上述の蓄熱水道水流路の蓄熱媒体である水道水、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と暖房媒体流路13の暖房媒体の間で熱交換させて暖房に供することができる。
即ち、暖房の態様は、例えば、「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱水道水流路の蓄熱媒体である水道水」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱水道水流路の蓄熱媒体である水道水」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱水道水流路の蓄熱媒体である水道水」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(熱源媒体流路7の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(蓄熱水道水流路の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路5’に流れる蓄熱水道水流路の蓄熱媒体である水道水」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(熱源媒体流路7の循環ポンプの動作を停止、太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路7’に流れる温熱熱源媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(蓄熱水道水流路の循環ポンプの動作を停止、太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)、
「多媒体管路一体型熱交換器3における管路11’に流れる温熱出力媒体」と「暖房媒体流路13の暖房媒体」の間で熱交換させる形態(蓄熱媒体流路5の循環ポンプの動作を停止、太陽熱源媒体流路11の循環ポンプの動作を停止)がある。これらの暖房の形態は、蓄熱媒体4である水道水、熱源媒体流路7の温熱熱源媒体、太陽熱源媒体流路11の温熱出力媒体の各熱量を考慮し、適宜決定されるものである。
1 温熱蓄熱槽
2 蓄熱タンク
3 多媒体管路一体型熱交換器
4 蓄熱媒体
5 蓄熱媒体流路
6 熱源媒体
7 熱源媒体流路
8 水道水
9 水道水流路
10太陽熱媒体
11太陽熱媒体流路
12暖房媒体
13暖房媒体流路
14風呂温水
15風呂温水流路
16媒体循環ポンプ
17多媒体回路一体型熱交換器管路
18多媒体回路一体型熱交換器被い板
19多媒体回路一体型熱交換器接合面
20多媒体回路一体型熱交換器接合ロー材
21ヒートポンプ熱源機
22太陽熱温水パネル
23床暖房パネル
24暖房用ファンコイルユニット
25風呂浴槽

Claims (13)

  1. 温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を閉サイクル状態で循環させる蓄熱媒体回路の前記温熱蓄熱タンクの流出口と前記温熱蓄熱タンクの流入口とを接続する蓄熱媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら三つの流路の一部を構成する三つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を前記温熱蓄熱槽内に収納し、前記蓄熱媒体と前記温熱熱源媒体の間で熱交換させて前記温熱蓄熱タンクに蓄熱を、前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体と前記水道水を熱交換させて給湯を行なう為に、三つの熱媒体を相互に熱交換させたことを特徴とした熱交換方法。
  2. 温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を閉サイクル状態で循環させる蓄熱媒体回路の前記温熱蓄熱タンクの流出口と前記温熱蓄熱タンクの流入口とを接続する蓄熱媒体流路と、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら四つの流路の一部を構成する四つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を前記温熱蓄熱槽内に収納し、前記蓄熱媒体と前記温熱熱源媒体の間で熱交換させて前記温熱蓄熱タンクに蓄熱を、前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体と前記水道水を熱交換させて給湯を前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体と前記暖房媒体を熱交換させて暖房を行なう為に、四つの熱媒体を相互に熱交換させたことを特徴とした熱交換方法。
  3. 温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を閉サイクル状態で循環させる蓄熱媒体回路の前記温熱蓄熱タンクの流出口と前記温熱蓄熱タンクの流入口とを接続する蓄熱媒体流路と、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら四つの流路の一部を構成する四つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を前記温熱蓄熱槽内に収納し、前記温熱熱源媒体と前記蓄熱媒体の間で熱交換させて蓄熱に供し、前記蓄熱媒体、前記温熱熱源媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と前記水道水の間で熱交換させて給湯に供し、前記蓄熱媒体、前記温熱熱源媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と前記暖房媒体の間で熱交換させて暖房に供することを特徴とした熱交換方法。

  4. 温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、太陽熱温水器から得られる温熱出力媒体を循環させる太陽熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を閉サイクル状態で循環させる蓄熱媒体回路の前記温熱蓄熱タンクの流出口と前記温熱蓄熱タンクの流入口とを接続する蓄熱媒体流路と、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら五つの流路の一部を構成する五つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を前記温熱蓄熱槽内に収納し、前記蓄熱媒体と前記温熱熱源媒体及び/又は前記温熱出力媒体の間で熱交換させて前記温熱蓄熱タンクに蓄熱を、前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体及び/又は前記温熱出力媒体と前記水道水を熱交換させて給湯を、前記蓄熱媒体及び/又は前記温熱熱源媒体及び/又は前記温熱出力媒体と前記暖房媒体を熱交換させて暖房を行なうなど、五つの熱媒体を相互に熱交換させたこと特徴とした熱交換方法。
  5. 温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、太陽熱温水器から得られる温熱出力媒体を循環させる太陽熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を閉サイクル状態で循環させる蓄熱媒体回路の前記温熱蓄熱タンクの流出口と前記温熱蓄熱タンクの流入口とを接続する蓄熱媒体流路と、建物内を暖房するために暖房装置に熱供給するための暖房媒体を循環させる暖房媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら五つの流路の一部を構成する五つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を前記温熱蓄熱槽内に収納し、前記温熱熱源媒体、前記温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と前記蓄熱媒体の間で熱交換させて蓄熱に供し、前記蓄熱媒体、前記温熱熱源媒体、前記温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と前記水道水の間で熱交換させて給湯に供し、前記蓄熱媒体、前記温熱熱源媒体、前記温熱出力媒体の内、一つの媒体又は複数個の媒体と前記暖房媒体の間で熱交換させて暖房に供することを特徴とした熱交換方法。
  6. 温熱蓄熱槽内に温熱蓄熱タンクを設置し、該温熱蓄熱タンク内に蓄熱させる温熱を得るために大気を熱源としたヒートポンプ装置乃至はガス燃焼装置を熱源機として設置し、該熱源機を作動させて得られる温熱熱源媒体を循環させる熱源媒体流路と、前記温熱蓄熱タンクの中に蓄熱させるための蓄熱媒体を循環させる蓄熱媒体流路と、給湯のための水道水を供給する水道水流路とを備え、これら三つの流路の一部を構成する三つの管路が一体に接合された多媒体管路一体型熱交換器を前記温熱蓄熱槽内に収納し、
    少なくとも、前記蓄熱媒体及び前記温熱熱源媒体と前記水道水を熱交換させて給湯を行なう為に、三つの熱媒体を相互に熱交換させたことを特徴とした熱交換方法。
  7. 前記多媒体管路一体型熱交換器に於ける3つ乃至は4つの流路に加え、風呂の温水を循環させる風呂温水媒体を加えて4つ、乃至は5つの熱媒体を相互に熱交換させたことを特徴とした請求項1、2、3、4、5、6の何れか一項に記載の熱交換方法。
  8. 前記多媒体管路一体型熱交換器に於ける3つ乃至は4つの流路に加え、風呂の温水を連通させる風呂温水流路を加えて4つ乃至は5つの媒体の流路を収め、該風呂温水流路で熱交換した後に該風呂温水を風呂に戻すこと無く排水させる事を特徴とした請求項1、2、3、4、5、6の何れか一項に記載の熱交換方法。
  9. 銅管乃至はアルミニウム管の外表面に伝熱させる部分の全長に渡り平行な二つの平坦面を
    形成した伝熱管を一つの管路とし、複数の該伝熱管を前記平坦面が相互に接する状態で積
    み上げて、接合面をロー付け乃至は溶接乃至は圧接乃至は接着させ、隣接する伝熱管同士
    のみで無く該複数本の何れの伝熱管の間でも熱交換可能である様に一体に構成して、複数
    の管路を一体の構造にした多媒体管路一体型熱交換器を用いたことを特徴とする請求項1
    、2、3、4、5、6、7、8の何れか一項に記載の熱交換方法。
  10. 銅管乃至はアルミニウム管の外表面に伝熱させる部分の全長に渡り相対的に傾斜する二つ
    の平坦面を持たせるように加工した伝熱管を一つの管路とし、複数の該伝熱管を相互に前
    記平坦面が接する様に、軸心を並行させて且つ全体の断面が桜の花状態で外表面が大略円
    筒状となる様に束ねて、接合面をロー付け乃至は溶接乃至は圧接乃至は接着させ、隣接す
    る伝熱管同士のみで無く該複数本の何れの伝熱管の間でも熱交換可能である様に一体に構
    成して、複数の管路を一体の構造にした多媒体管路一体型熱交換器を用いたことを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6、7、8の何れか一項に記載の熱交換方法。
  11. 複数の管路としての銅管乃至はアルミニウム管を熱交換可能に一体に接合し、その外周に
    密着させて被うアルミ板ないしは銅板製の被い部材を締め付けて固定したことを特徴とす
    る請求項9、10の何れか一項に記載の熱交換方法。
  12. 温熱蓄熱槽と、
    この温熱蓄熱槽内に設置すると共に、蓄熱媒体を収納した温熱蓄熱タンクと、
    前記温熱蓄熱槽の外に位置した熱源機と、
    前記温熱蓄熱槽の内で、前記温熱蓄熱タンクの外に設置した第1の熱交換部と、
    循環ポンプにより温熱熱源媒体が前記第1の熱交換部と前記熱源機とを循環する熱源媒体流路と、
    前記温熱蓄熱槽の内で、前記温熱蓄熱タンクの外に設置した第2の熱交換部と、
    循環ポンプにより蓄熱媒体が前記第2の熱交換部と前記温熱蓄熱タンクとを循環する蓄熱媒体回路と、
    水道水を外部から前記温熱蓄熱槽内であって前記温熱蓄熱タンクの外に位置する部位を経由して前記温熱蓄熱槽の外へと導く水道水流路とを備え、
    前記蓄熱媒体回路は、前記温熱蓄熱タンクの流出口と前記第2の熱交換部の入口、前記温熱蓄熱タンクの流入口と前記第2の熱交換部の出口を、それぞれ流路を介して閉サイクル状態を構成するものであり、前記循環ポンプは、前記流路の中途に設けられるものであり、
    前記水道水流路の前記温熱蓄熱槽の内であって前記温熱蓄熱タンクの外に位置する部位は、水道水の槽内の管路であり、
    この水道水の槽内の管路と前記第1の熱交換部の管路、前記水道水の槽内の管路と前記第2の熱交換部の管路、前記第2の熱交換部の管路と前記第1の熱交換部の管路をそれぞれ熱的に接触させる構成としたことを特徴とする熱交換装置。
  13. 熱的に接触させる構成は、水道水の槽内の管路を介して前記第1の熱交換部の管路と前記第2の熱交換部の管路を接触させる構成か、又は、前記水道水の槽内の管路と前記第1の熱交換部の管路と前記第2の熱交換部の管路とが互いに接触させる構成である
    ことを特徴とする請求項12に記載の熱交換装置。
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