JP4516794B2 - 開閉装置の鎖錠装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操作機構に電磁アクチュエータを用いた断路器、遮断器のような開閉装置の鎖錠装置に関する。
電力系統に接続された開閉装置においては、開閉装置の誤操作防止の観点から操作機構に鎖錠装置が設けられている。
従来、操作機構にバネ機構やモータ機構を用いたものでは、開閉装置を開閉操作する操作軸に鎖錠装置を設け、解錠状態では操作軸を操作可能とし、鎖錠状態では操作軸を操作不能とするものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、操作機構に電磁アクチュエータを用いたものでは、開閉装置の開閉に開路させる開路コイルと閉路させる閉路コイルとが用いられ、それぞれのコイルが誤励磁されないようになっている(例えば、特許文献2参照。)。
この電磁アクチュエータは、磁路を形成するヨーク、このヨーク内を移動可能に設けられるとともに、開閉装置を開閉操作する操作軸を固定した磁性体のアーマチュア、このアーマチュアを開路方向に移動させる開路コイル、閉路方向に移動させる閉路コイル、アーマチュアの閉路状態を保持する永久磁石、および閉路状態に保持されたアーマチュアを開路方向に移動させる開路バネから構成されている。
そして、閉路状態にする場合には、閉路コイルを励磁してアーマチュアを閉路方向に移動させる。閉路後には、閉路コイルを無励磁とし、アーマチュアを永久磁石で吸引して閉路状態が保持される。また、開路状態にする場合には、開路コイルを励磁して永久磁石の吸引力に打ち勝つような操作力を発生させるとともに、開路バネのバネ力によりアーマチュアを開路方向に移動させる。開路後には、開路コイルを無励磁とし、開路バネのバネ力で開路状態が保持される。
特開平9−7470号公報(第2ページ、図1) 特開2002−270423号公報(第4ページ、図1)
上記の従来の操作機構に電磁アクチュエータを用いた開閉装置においては、次のような問題がある。
開路バネのバネ力で開路状態が保持されているものの、開路バネが折損などしてバネ力が劣り、永久磁石の吸引力よりも低下してしまうと、アーマチュアが閉路方向に移動し、ついには閉路状態になってしまうことがある。開閉装置が開路状態から急に閉路状態になると、負荷側に接続されている電気機器に突然に電源が投入されることになり、電気機器を損傷させることがある。
また、閉路コイルや開路コイルを制御する制御回路が誤動作して、閉路コイルが突然に励磁されると、開閉装置が急に閉路状態になってしまう。
このため、開路状態にした開閉装置を確実に保持することが望まれていた。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、開路状態を確実に保持する開閉装置の鎖錠装置を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の開閉装置の鎖錠装置は、接離自在の一対の接点を有する遮断部と、前記遮断部を開路、閉路する電磁アクチュエータを有する操作機構部とを備え、前記電磁アクチュエータは、磁路を形成するヨークと、前記遮断部に連結された前記ヨーク内を移動するアーマチュアと、前記アーマチュアを閉路方向に移動させる閉路コイルと、前記アーマチュアを開路方向に移動させる開路コイルと、このアーマチュアと前記ヨークとで形成されるギャップ間に挿入され、前記アーマチュアの移動を阻止するロックレバーとからなり、前記遮断部が開路状態において、前記ギャップ間に、前記ロックレバーを挿入することを特徴とする。
本発明によれば、開閉装置を開路状態にしたとき、電磁アクチュエータの固定部材と可動部材間に、可動部材の移動を阻止するロックレバーを挿入するようにしているので、可動部材を閉路方向に移動させることができず、開閉装置の開路状態を確実に保持することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
先ず、本発明の実施例1に係る開閉装置の鎖錠装置を図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係る開閉装置の構成を示す断面図、図2は、本発明の実施例1に係る開閉装置の鎖錠装置の鎖錠状態を一部切り欠いて示す斜視図、図3は、本発明の実施例1に係る開閉装置の鎖錠装置の解錠状態を一部切り欠いて示す斜視図である。なお、図1において、図示右に閉路状態、図示左に開路状態を示している。
図1に示すように、開閉装置は、図示上段から電流を開閉する遮断部1a、遮断部1aの閉路時に接触荷重を加えるワイプバネ部1b、および図示最下段に遮断部1aを開閉する操作機構部1cが配置され構成されている。
遮断部1aには、真空絶縁容器2内に接離自在の一対の接点3、4を有する三相分の真空バルブ5が設けられている。この真空バルブ5の固定側は、絶縁碍子6を介して上部固定部材7に固定されている。また、可動側には、軸方向に移動自在の可動通電軸8が設けられ、絶縁操作ロッド9の一方端に連結されている。
ワイプバネ部1bには、絶縁操作ロッド9の他方端に連結された第1の可動軸10とこの第1の可動軸10の軸方向に配置された第2の可動軸11とを連結するワイプバネホルダ12が設けられている。ワイプバネホルダ12内には、一対の接点3、4に接触荷重を加えるワイプバネ13が設けられている。
操作機構部1cには、三相分の第2の可動軸11を連結する連絡梁14、および操作機構の電磁アクチュエータ15が下部固定部材16に固定され設けられている。
電磁アクチュエータ15は、磁路を形成する断面ロ字状の筒状のヨーク17、ヨーク17内を移動するように設けられた磁性体からなるアーマチュア18から構成されている。また、ヨーク17内には、アーマチュア18を移動もしくは閉路保持する例えばネオジウム系材料からなる永久磁石19、アーマチュア18を取り囲むように環状の閉路コイル20と開路コイル21とが設けられている。そして、非磁性体の操作軸22がアーマチュア18を貫通固定してヨーク17を貫き、連絡梁14に連結されている。また、下部固定部材16内の操作軸22端には、一対の接点3、4が開路方向に移動するように付勢された開路バネ23が設けられている。
更に、下部固定部材16と対向するアーマチュア18端面に鍔状に突出した鍔部18aとヨーク17内面の中間部に突出した突出部17a間には、鎖錠装置24が設けられている。この突出部17aは、ヨーク17内に固定された固定部材となる。なお、アーマチュア18と永久磁石19間には、ヨーク17と同様に磁路を形成する磁性体の磁性板25が設けられている。この磁性板25も、ヨーク17内に固定された固定部材となる。なお、アーマチュア18は、ヨーク17内の可動部材となる。
鎖錠装置24には、図2に示すように、ロックレバー26がヨーク17の一辺となるヨーク下部17bに、回動自在に固定ピン27で固定されている。このロックレバー26は、その一部分が、突出部17aと鍔部18aとで形成されるギャップG間に挿入できるようになっている。また、ロックレバー26には、く字状のリンク28の一方端が可動ピン29で固定されている。リンク28の他方端は、ガイド30上を移動する連結板31に可動ピン32で固定されている。また、この連結板31には、操作ロッド33が固定され、ヨーク17外に導出されている。
次に、開閉装置を開路状態にしたときの鎖錠方法を図2を参照して説明する。
図示しない制御回路で開路コイル21を励磁してアーマチュア18をヨーク下部17b側に移動させ、開閉装置を開路状態にすると、アーマチュア18の鍔部18aとヨーク17の突出部17a間にはギャップGが形成される。開路状態においては、開路コイル21が無励磁となり、開路バネ23のバネ力で開路状態が保持される。
そして、鎖錠装置24の操作ロッド33を図示矢印方向に直線移動させると、ロックレバー26が固定ピン27を支点として図示矢印方向に回動する。このロックレバー26の回動により、その一部分は、突出部17aと鍔部18aとで形成されるギャップG間に挿入される。
このように、ロックレバー26の一部分が突出部17aと鍔部18aとで形成されるギャップG間に挿入されると、アーマチュア18は永久磁石19の方向に移動することができず、鎖錠状態となる。即ち、開路バネ23のバネ力が低下したり、また、閉路コイル21を励磁したりしてもアーマチュア18の移動が阻止され、開路状態を保持することができるようになる。
これを解錠する場合には、図3に示すように、操作ロッド33を図示矢印方向に移動させる。この移動により、ロックレバー26が固定ピン27を支点として図示矢印方向に回動し、ロックレバー26の一部分が突出部17aと鍔部18aとで形成されるギャップG間から外れる。
これにより、アーマチュア18が移動可能となり、図示しない制御回路で閉路コイル20を励磁すれば、アーマチュア18が磁性板25の方向に移動し、開閉装置を閉路状態にすることができる。この閉路状態においては、閉路コイル20が無励磁となり、永久磁石19の吸引力により閉路状態が保持される。
上記実施例1の開閉装置の鎖錠装置によれば、開閉装置を開路状態にしたとき、ヨーク17内の突出部17aとアーマチュア18の鍔部18aとで形成されるギャップ間にアーマチュア18の移動を阻止するロックレバー26を挿入しているので、ヨーク17内でアーマチュア18を移動させることができなくなり開路状態を確実に保持することができる。
なお、上記実施例1では、鎖錠状態をヨーク17内の突出部17aとアーマチュア18の鍔部18aとで形成されるギャップ間にロックレバー26を挿入することで説明したが、開路状態時において、アーマチュア18と磁性板25間で形成されるギャップ間に、例えばギャップと対向する位置の閉路コイル20に貫通孔を設け、この貫通孔からアーマチュア18の移動を阻止するロックレバーを挿入しても開路状態を保持することができる。
また、上記実施例1では、ロックレバー26を一方向からヨーク17の突出部17aとアーマチュア18の鍔部18aとで形成されるギャップ間に挿入することで説明したが、複数方向から複数のロックレバーをギャップ間に挿入してもよい。
次に、本発明の実施例2に係る開閉装置の鎖錠装置を図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施例2に係る開閉装置の鎖錠装置を一部切り欠いて示す断面図である。なお、この実施例2が実施例1と異なる点は、鎖錠装置をヨーク外に設けたことである。図4において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。図4において、図示右に閉路状態、図示左に開路状態を示している。
図4に示すように、鎖錠装置40は、ヨーク17と連絡梁14間に設けられている。ヨーク17と連絡梁14間の操作軸22には、円板状の可動部材41が固定されており、また、ヨーク17外には、可動部材41を取り囲んで操作軸22が貫通する断面L字状の筒状の固定部材42が固定されている。そして、開路状態時に、固定部材42と可動部材41とで形成されるギャップG間に可動部材41の移動を阻止するようなロックレバー42が挿入されるようになっている。
上記実施例2の開閉装置の鎖錠装置によれば、開閉装置を開路状態にしたとき、ヨーク17外に固定された固定部材42と操作軸22に固定された可動部材41間にロックレバー43を挿入しているので、操作軸22を移動させることができなくなり開路状態を確実に保持することができる。
次に、本発明の実施例3に係る開閉装置の鎖錠装置を図5を参照して説明する。図5は、本発明の実施例3に係る開閉装置の鎖錠装置を一部切り欠いて示す断面図である。なお、この実施例3が実施例1と異なる点は、鎖錠装置をヨーク外に設けたことである。図5において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。図5において、図示右に閉路状態、図示左に開路状態を示している。
図5に示すように、鎖錠装置45は、ヨーク下部17bと開路バネ23間に設けられている。ヨーク下部17bと開路バネ23間の操作軸22には、円板状の可動部材46が固定されており、また、可動部材46と開路バネ23間には、操作軸22が貫通する固定板47が下部固定部材16に固定されている。そして、開路状態時に、ヨーク下部17bと可動部材46とで形成されるギャップG間に可動部材46の移動を阻止するようなロックレバー48が挿入されるようになっている。
上記実施例3の開閉装置の鎖錠装置によれば、開閉装置を開路状態にしたとき、ヨーク下部17bとヨーク17外の可動部材46間にロックレバー48を挿入しているので、操作軸22を移動させることができなくなり開路状態を確実に保持することができる。
次に、本発明の実施例4に係る開閉装置の鎖錠装置を図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施例4に係る開閉装置の鎖錠装置を操作する操作機構を示す正面図である。なお、この実施例4が実施例1と異なる点は、鎖錠装置の操作ロッドに操作機構を設けたことである。図6において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6に示すように、鎖錠装置24の操作ロッド33には、この操作ロッド33を移動させる操作機構50が設けられている。架台51に固定された操作機構50には、操作ロッド33に連結された可動軸52が設けられ、また、この可動軸52の外周には、励磁することにより可動軸52を移動させることのできるコイル53が設けられている。更に、可動軸52には、ストッパー54が固定され、このストッパー54とコイル53間にバネ55が設けられている。
このバネ55は、可動軸52を図示矢印方向、即ち、開閉装置が開路状態にあるとき、鎖錠装置24を鎖錠する方向に移動させるように付勢されている。また、コイル53とこれを励磁する電源装置56との間には、電源が遮断されたときに開路となる接点57が設けられている。この電源装置56は、開閉装置の主回路と同様の電源となっている。
これにより、開閉装置が開路状態にあって、停電になると、接点57が開路してコイル53が無励磁となる。すると、可動軸52および操作ロッド33がバネ55のバネ力によって図示矢印方向に移動し、これにより、鎖錠装置24が動作して鎖錠されることになる。このため、開閉装置の主回路が停電のとき、確実に鎖錠することができる。
なお、電源装置56が復電されると、接点57を閉路し、コイル53を励磁する。これにより、コイル53の操作力がバネ55のバネ力に打ち勝って、操作ロッド33を図示矢印方向と反対方向に移動させ、鎖錠装置24を解錠することができる。そして、開閉装置を閉路状態にすることができる。
上記実施例4の開閉装置の鎖錠装置によれば、実施例1と同様の効果のほかに、開閉装置が開路状態であって停電になったとき、鎖錠装置24を鎖錠状態とすることができる。
次に、本発明の実施例5に係る開閉装置の鎖錠装置を図7を参照して説明する。図7は、本発明の実施例5に係る電磁アクチュエータの構成を示す断面図である。なお、この実施例5が実施例1と異なる点は、閉路コイルに接点を設けたことである。図7において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、図7において、図示右に閉路状態、図示左に開路状態を示している。
図7に示すように、電磁アクチュエータ15の閉路コイル20を励磁する電源装置60には、鎖錠装置24が鎖錠状態にあるとき、閉路コイル20を励磁を開路する接点61が設けられている。
これにより、開閉装置が開路状態にあって、鎖錠装置24が鎖錠状態であるとき、接点61が開路しているので、閉路コイル20を励磁することができなくなる。そして、鎖錠装置24を解錠すると、接点61を閉路し、閉路コイル20を励磁することができるようになる。
上記実施例5の開閉装置の鎖錠装置によれば、実施例1と同様の効果のほかに、鎖錠装置24が鎖錠状態にあれば、閉路コイル20を励磁できず、開閉装置の誤動作を防止することができる。
本発明の実施例1に係る開閉装置の構成を示す断面図。 本発明の実施例1に係る開閉装置の鎖錠装置の鎖錠状態を一部切り欠いて示す斜視図。 本発明の実施例1に係る開閉装置の鎖錠装置の解錠状態を一部切り欠いて示す斜視図。 本発明の実施例2に係る開閉装置の鎖錠装置を一部切り欠いて示す断面図。 本発明の実施例3に係る開閉装置の鎖錠装置を一部切り欠いて示す断面図。 本発明の実施例4に係る開閉装置の鎖錠装置を操作する操作機構を示す正面図。 本発明の実施例5に係る電磁アクチュエータの構成を示す断面図。
符号の説明
1a 遮断部
1b ワイプバネ部
1c 操作機構部
2 真空絶縁容器
3、4 接点
5 真空バルブ
6 絶縁碍子
7 上部固定部材
8 可動通電軸
9 絶縁操作ロッド
10 第1の可動軸
11 第2の可動軸
12 ワイプバネホルダ
13 ワイプバネ
14 連絡梁
15 電磁アクチュエータ
16 下部固定部材
17 ヨーク
17a 突出部
17b ヨーク下部
18 アーマチュア
18a 鍔部
19 永久磁石
20 閉路コイル
21 開路コイル
22 操作軸
23 開路バネ
24、40、45 鎖錠装置
25 磁性板
26、43、48 ロックレバー
27 固定ピン
28 リンク
29、32 可動ピン
30 ガイド
31 連結板
33 操作ロッド
41、46 可動部材
42 固定部材
47 固定板
50 操作機構
51 架台
52 可動軸
53 コイル
54 ストッパー
55 バネ
56、60 電源装置
57、61 接点

Claims (3)

  1. 接離自在の一対の接点を有する遮断部と、
    前記遮断部を開路、閉路する電磁アクチュエータを有する操作機構部とを備え、
    前記電磁アクチュエータは、磁路を形成するヨークと、
    前記遮断部に連結された前記ヨーク内を移動するアーマチュアと、
    前記アーマチュアを閉路方向に移動させる閉路コイルと、
    前記アーマチュアを開路方向に移動させる開路コイルと、
    このアーマチュアと前記ヨークとで形成されるギャップ間に挿入され、前記アーマチュアの移動を阻止するロックレバーとからなり、
    前記遮断部が開路状態において、前記ギャップ間に、前記ロックレバーを挿入することを特徴とする開閉装置の鎖錠装置。
  2. 前記ギャップは、前記アーマチュアの鍔部と前記ヨーク内の突出部間で形成されることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置の鎖錠装置。
  3. 前記ロックレバーが前記アーマチュアと前記ヨークとで形成されるギャップ間に挿入されたとき、前記閉路コイルが非励磁となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の開閉装置の鎖錠装置。
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