JP4516781B2 - ゴルフ用パタークラブ及びその設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフ用パタークラブ及びその設計方法に関するものである。
ゴルフ用パタークラブ(以下、単にゴルフパター又はパターともいう)は、主としてグリーン上でボールを転がしてカップに入れるためのゴルフクラブである。従来のゴルフパターにおいては、ヘッドの重量配分に着目し、ヘッドのトウ側及びヒール側に重量を集中させることにより打球時のヘッドの回転を抑えてスイートエリアを広くするものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特許第2613849号公報
上述の従来技術では、シャフト、ヘッド、グリップ等の各パーツよりなるゴルフ用パタークラブのうち、ヘッドの部分における重量配分に着目している。これに対して本発明は、従来とは全く異なる新たな技術思想に基づき、ゴルフ用パタークラブ、即ち単にヘッド部分ではなくクラブ全体に着目し、更には、クラブ全体における3種類の慣性モーメントに着目することにより、パッティングストローク(振り)の安定性が高く打球方向性に優れたゴルフ用パタークラブが得られることを見いだしたものである。
本発明は、パッティングストロークを安定させることができ打球方向性を向上しうるゴルフ用パタークラブ及びその設計方法を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明は、下記の(1)〜(3)で定義される三つの慣性モーメントM1(g・cm)、M2(g・cm)及びM3(g・cm)が、次の式(A)及び式(B)、
(M1−M2)<12000 ・・・(A)
M1>M2>M3 ・・・(B)
を満たす重量バランスに設定されていることを特徴とするゴルフ用パタークラブである。
(1) M1:シャフト上の一点が支持されて静止した釣り合い状態におけるクラブ支持点からシャフト軸線に下ろした交点である基準点Pを通りフェース面に平行で且つシャフト軸線に垂直な第1軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
(2) M2:前記基準点Pを通り、前記第1軸に垂直で且つシャフト軸線に垂直な第2軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
(3) M3:シャフト軸線である第3軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
この場合、パッティングストロークを安定化でき打球方向性に優れたパターとすることができる。この点については、理論的根拠を有するとともに実施例によっても実証されているが、これらの点については後述する。
前記M3が5000(g・cm)よりも大きいのが好ましい。この場合、第3軸A3回りの回転が起こりにくくなるから、フェース面の向きが変わりにくくなり、打球方向性を更に安定化しうる。
ゴルフ用パタークラブの設計方法に関する発明は、下記の(1)〜(3)で定義される三つの慣性モーメントM1(g・cm2)、M2(g・cm2)及びM3(g・cm2)の3者間の大小関係及び(M1−M2)の値を用いることを特徴とするゴルフ用パタークラブの設計方法である。
(1) M1:シャフト上の一点が支持されて静止した釣り合い状態におけるクラブ支持点からシャフト軸線に下ろした交点である基準点Pを通りフェース面に平行で且つシャフト軸線に垂直な第1軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
(2) M2:前記基準点Pを通り、前記第1軸に垂直で且つシャフト軸線に垂直な第2軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
(3) M3:シャフト軸線である第3軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
この設計方法においては、前記M1(g・cm2)、M2(g・cm2)及びM3(g・cm2)を、次の式(A)及び式(B)、
(M1−M2)<12000 ・・・(A)
M1>M2>M3 ・・・(B)
を満たす重量バランスに設定するのが好ましい。
なお、ヘッドのフェース面が平面でない場合には、前記M1の定義における「フェース面」は、「リーディングエッジの稜線両端の2点と、ヘッドのトップ面とフェース面とを区分けする稜線を二等分する点の、合計3点を通る平面」に置き換えるものとする。
また、シャフトの全体が真っ直ぐでなくその一部が曲がったシャフトにおいては、上記の「シャフト軸線」は「グリップ装着部分におけるシャフトの軸線」とする。
ゴルフ用パタークラブ全体に関する慣性モーメントを考慮してクラブの重量バランスを設定することにより、パッティングストロークが安定化し打球方向性に優れたゴルフ用パタークラブを提供することができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフ用パタークラブ1の斜視図であり、図2は、このゴルフ用パタークラブ1をフェース面側から見た正面図である。このゴルフ用パタークラブ1は、ボールを打撃するためのフェース面2を備えたヘッド3と、プレーヤーがゴルフ用パタークラブ1を握るための部分であるグリップ10と、略棒状のシャフト11とをそなえている。シャフト11の一端には前記ヘッド3が取り付けられており、シャフト11の他端には前記グリップ10が取り付けられている。シャフト11はそのほとんどが真っ直ぐな棒状とされているが、ヘッド3が取り付けられた一端側の近傍のみ曲がった部分を有する。これは、ゴルフ用パタークラブ1のライ角等を適正に設定するためであるが、この点の詳細については後述する。
図3(a)はトップ面15側から見たヘッド3の平面図であり、図3(b)はヒール側から見たヘッド3の側面図である。また、図4(a)はフェース面2側から見たヘッド3の正面図であり、図4(b)は図3(a)のC−C線における断面図である。更に、図5(a)は図4(a)のA−A線におけるヘッド3の断面図であり、図5(b)は図3(a)のB−B線におけるヘッド3の断面図である。
ヘッド3は、その上面を構成するトップ面15と、その下面を構成するソール面4と、ソール面4とトップ面15との間に延びるサイド面5と、ボールを打撃するための平面であるフェース面2とを有する。トップ面15及びソール面4の輪郭形状は、図3(a)に示すように略半円状とされている。
ヘッド3にはホーゼル部分(ネック部分)は無く、シャフト11とはシャフト穴12において接着されている。即ち、ヘッド3のヒール側部分にはシャフト穴12が設けられており、このシャフト穴12にシャフト11が挿入され且つシャフト穴12の内周面とシャフト11の外面とが互いに接着されている。シャフト穴12の軸線はソール面4と略垂直な向きとされているので、仮にこのシャフト穴12に真っ直ぐなシャフト11を挿入すると、ゴルフ用パタークラブ1のライ角が略90度となってしまいパターとして一般的なライ角とはならない。そこで、前述の如くシャフト11の一端側近傍を適宜曲げることにより、ゴルフ用パタークラブ1のライ角をはじめとしてリアルロフト角、フェースプログレッション等を適当な値に設定している。
ヘッド3は、アルミ合金等からなるヘッド本体hと、ヘッド本体hのトウ側及びヒール側に部分的に設けられた重量部材Jとからなる。特に図示しないが、重量部材Jとヘッド本体hとは嵌合圧入等適宜の方法により接合されている。
また、ヘッド3はその内部に空洞部kを有している。即ち、ヘッド3のうちのヘッド本体hは、そのトップ側及びソール側においては重量部材J部分を除いてヘッド3の全体に亘って存在し、トップ面15及びソール面4の大部分を形成しているが、ヘッド3内部においては図5(a),(b)の断面図に示すように、略フェース面2寄りに存在するフェース側部分hfと、略バック側寄りに存在するバック側部分hbとに分かれており、これらフェース側部分hfとバック側部分hbとの間に空洞部kを設けている。つまり、略対向するトップ面15とソール面4との間であってフェース側部分hf及びバック側部分hb以外の部分が空洞部kである。
図5(a)に示すように、フェース側部分hfとバック側部分hbとは、ヘッド3のフェース・バック方向で離間しているため、図3(b)の側面図に示すように、空洞部kの一部はヘッド3にはトウ側からヒール側まで貫通する貫通部分を構成している。
また、図5(a)に示すように、ヘッド3の最もバック側の部分(バック側の頂点付近)では、バック側部分hbの輪郭形状がヘッド3の輪郭形状と略一致しているが、当該頂点付近を除いては両輪郭形状は一致しておらず、バック側部分hbの輪郭形状は、ヘッド3の輪郭形状よりもヘッド3の内部側に入り込んでいる。その結果、バック側部分hbのトウ側及びヒール側にも空洞部kが存在している。
さらに、図5(a)に示すように、フェース側部分hfの構造は、そのトウ側部分及びヒール側部分に体積(重量)が集中的に配置され、トウ・ヒール方向中央部分は比較的薄い板状とされている。したがって、図5(a),(b)に示すように、空洞部kはヘッド3のトウ・ヒール方向中央寄り付近において特に広く分布している。
そして、かかるフェース側部分hfのトウ側及びヒール側に重量部材Jが接合されている。重量部材J自体は中実の部材であって、ヘッド本体hよりも比重の大きい材料(例えば銅、亜鉛、真鍮、タングステン、及びそれらを主体とする合金など)からなる。重量部材Jの上面及び下面は、ヘッド本体hの上面及び下面と滑らかに連続してトップ面15及びソール面4の一部を構成している。また、重量部材Jの側面はサイド面5の一部を構成している。
サイド面5は、トップ面15周縁部とソール面4周縁部との間に延びる面であってフェース面2を除く部分であるが、このヘッド3では、サイド面5は重量部材Jの側面及び前記したバック側部分hbのバック側頂点付近の側面のみであり、そのほかの部分ではサイド面5が存在しない。上述したように、空洞部kがヘッド内部からヘッド外側にむかって開放して存在しているからである。このように、ヘッド3の内部に空洞部kを設けて、ヘッド本体hの内部をバック側部分hbやフェース側部分hfに分割することにより、ヘッド3の重量配分設計の自由度が極めて高くなる。
ここで、図1及び図2に示すように、ゴルフ用パタークラブ1について第1軸A1〜第3軸A3の三軸を定義する。かかる定義にあたっては、先ず三つの軸A1〜A3が交わる交点である基準点Pを設定する。図13は、支持台40により一点支持されてシャフト11が略水平な状態で静止した釣り合い状態のゴルフ用パタークラブ1を示す図である。この基準点Pは、図13に示すように、シャフト11上の一点が支持されて静止した釣り合い状態におけるクラブ支持点vからシャフト軸線である第3軸A3に下ろした交点である(図13中の拡大図参照。)。なお、本実施形態におけるシャフト11は、前述したようにヘッド3側の端部付近で曲がっているが、このような場合におけるシャフト軸線即ち第3軸A3は、グリップ10が装着された部分におけるシャフト11の軸線のことをいうものとする。
第1軸A1は、基準点Pを通り、フェース面2に平行で且つシャフト軸線に垂直な軸である。第2軸A2は、基準点Pを通り、第1軸A1に垂直で且つシャフト軸線に垂直な軸である。第3軸A3はシャフト軸線である。そして、第1軸A1まわりのゴルフ用パタークラブ1の慣性モーメントを第1モーメントM1(g・cm)とし、第2軸A2まわりのゴルフ用パタークラブ1の慣性モーメントを第2モーメントM2(g・cm)とし、第3軸A3まわりのゴルフ用パタークラブ1の慣性モーメントを第3モーメントM3(g・cm)とする。
そして、本実施形態に係るゴルフ用パタークラブ1では、これらM1〜M3(いずれも単位は(g・cm)である。)が、次の関係式(A)及び(B)を満たす重量バランスに設定されている。
(M1−M2)<12000 ・・・(A)
M1>M2>M3 ・・・(B)
さらに、第3モーメントM3(g・cm)は5000(g・cm)よりも大きくされている。
以上のように構成されたゴルフ用パタークラブ1は、以下の作用効果を奏する。
まず、M1>M2>M3の関係とされているので、後述するテニスラケットの定理を応用すると、第1モーメントM1の回転軸である第1軸A1回りの回転と、第3モーメントM3の回転軸である第3軸A3回りの回転とが比較的安定し、第2モーメントM2の回転軸である第2軸A2回りの回転は比較的不安定となる。パッティングストロークの際におけるゴルフ用パタークラブ1の挙動としては、第1軸A1回りの回転及び第3軸A3回りの回転が比較的大きく、第2軸A2回りの回転は比較的少ない。よって、上述のように、M1>M2>M3として比較的回転量の多い第1軸A1及び第3軸A3回りの回転を安定させることにより、パッティングストローク(振り)が安定する。また、第3モーメントM3(g・cm)は5000(g・cm)よりも大きくされているから、第3軸A3回りの回転が起こりにくくなり、フェース面2の向きが安定して打球方向性が高まる。
次に、上述した本発明の理論的根拠について説明する。なお、以下のオイラーの運動方程式(オイラーの定理)に関する説明は、株式会社培風館発行の、「力学・新しい視点にたって」(V.D.バージャー・M.G.オルソン共著、戸田盛和・田上由紀子共訳、昭和50年1月20日初版発行、昭和62年11月30日初版第17刷発行)に記載されている。三つのお互いに異なった主慣性モーメントを持つ剛体のオイラー方程式を用いると、各軸まわりの運動において以下のような結果が得られる。互いに直交する三つの慣性主軸である軸x、軸y、軸zにおいて、それぞれの軸まわりの慣性モーメント(主慣性モーメント)の値をそれぞれI、I、Iとする。且つ、不等式I<I<Iが成立しているものとする。地球表面付近では重力は均一な力になっているから、剛体の重心のまわりの重力のモーメントはない。風圧による力のモーメントを無視すれば、オイラーの運動方程式は次の式(1)のようになる。
Figure 0004516781
ここで、直交軸の定理より、次の式(2)が成り立つ。
=I+I ・・・(2)
この関係式(2)を式(1)に代入し、r=(I−I)/(I+I)とおくと、次の式(3)〜式(5)が得られる。
Figure 0004516781
ここで、I、I、Iのうち最も小さいIがIに比べて非常に小さいとすると、r≒1という近似を用いることができる。以後、この剛体が初め主として三つの主軸のうちの一つのまわりに回転しているものとしたときの定性的な運動の性質を求めることとする。
初めの回転が軸xのまわりのものであれば、式(3)に現われる積ωωは無視することができる。すると、ωが一定になることがわかる。即ち、次の式(6)に示すように、ωは初期値ω(0)で一定となる。
ω=ω(0) ・・・(6)
残る二つの方程式(4)及び(5)を解くには、次の式(7)のような複素変数を導入すればよい。
Figure 0004516781
よって、式(4)及び式(5)はそれぞれ、次の式(8)及び式(9)のようになる。この式(8)と式(9)を組み合わせて、式(7)の複素変数に対する一つの式にすれば、式(10)が成立する。式(10)で表される微分方程式は、次の式(11)のような指数関数の解を持つ。
Figure 0004516781
したがって、対応するω及びωは、時間tの関数として、
ω(t)=a・sin(ωt+α) ・・・(12)
ω(t)=a・cos(ωt+α) ・・・(13)
と表すことができる。初期条件により振幅aは小さいから、式(12)及び式(13)の二つの角速度成分の値は両方とも常に小さいことがわかる。このような近似解では、次の式(14)及び式(15)となる。
Figure 0004516781
したがって、次の式(16)に示す角速度ベクトルωは、主軸xのまわりに小さな円錐を描いて歳差運動を行う。軸xのまわりの回転運動が安定しているのは、このためである。
Figure 0004516781
最初主として軸zのまわりに回転している場合には、オイラー方程式の解はいま扱った場合と似たものになる。r=1のときには、式(3)、式(4)及び式(5)の三つの式の各式の数学的構造はωとωを入れ換えても変わらない。したがって、式(6)、式(12)及び式(13)にならって次の近似解(17)〜(19)が得られる。
ω(t)=ω(0) ・・・(17)
ω(t)=a・cos(ωt+α) ・・・(18)
ω(t)=a・sin(ωt+α) ・・・(19)
この場合にも、軸のまわりの回転運動は安定である。
しかし、初めの回転が慣性主軸yのまわりに行われる場合には状況は異なってくる。この場合、初め(4)の中で積ωωを無視して、
ω(t)=ω(0) ・・・(20)
が得られる。次に式(3)と式(5)から和および差を作れば、それぞれ次の式(21)及び式(22)となる。これらの一次結合の解はそれぞれ式(23)及び式(24)のようになる。これら式(23)及び式(24)を解いてω及びωを求めれば、式(25)及び式(26)が得られる。
Figure 0004516781
この運動では、軸x及び軸zの二つの軸まわりの角速度は共に時間がたつと急速に増大し、剛体である物体はひっくり返るようになる。式(20)、式(25)及び式(26)ではっきり与えられた解の形は、物体を回転させて投げ上げた場合で考えると、投げ上げてから余り時間がたたない間にかぎり、つまり式(4)でωωが無視できる間のみで、正しい。このように、物体は、三つの慣性主軸のうち、各軸まわりの慣性モーメントが最大値または最小値となっているような慣性主軸まわりの回転運動は安定し、それ以外の慣性主軸まわりの回転運動は不安定になる。
この結論を単純なモデルで説明すると以下のようになる。図15に示すような、長手方向の長さがL、幅W、厚さTの単純な(中実の)平板をモデルとして考える。このモデルでは、三つの慣性主軸まわりの慣性モーメントは、この平板の重心Gを通り平板の上下面及び長辺側の側面に平行なx軸まわりの慣性モーメントIと、重心Gを通り平板の上下面と平行で且つx軸に垂直なy軸まわりの慣性モーメントIと、重心Gを通り上下面に垂直なz軸まわりの慣性モーメントIとなる。この平板は図15に記載のように、長手方向の長さLが幅Wよりも長く、且つ、幅Wは厚さTよりも長い形状とする。そうすると明らかに、三つの慣性主軸まわりの各慣性モーメントの大小関係は、I>I>Iとなる。即ち、Iが最も大きく、次いでIが大きく、Iが最も小さくなる。
前述の結論より、三つの慣性主軸のうち慣性モーメントが最大又は最小の軸まわりに回転させた場合は安定してそのまま回転するのに対して、三つの慣性主軸のうち慣性モーメントが最大でも最小でもない軸まわりに回転させた場合は三つの慣性主軸のすべてのまわりに回転が起こってしまい回転が不安定になることがわかる。このことをこの平板に当てはめると次のようになる。この平板を三つの慣性主軸であるx軸、y軸、z軸のいずれかの軸で回転させて空中に投げた場合を考える。もし、初めの回転が軸xまたは軸zのいずれかのまわりのものであれば、平板は安定した回転を続ける。これに反して、初めの回転が軸yのまわりのものであれば、回転運動はすぐに不規則になり、三つの慣性主軸のすべてのまわりに回転が起こってしまう。
上記文献には、オイラーの定理がゴルフ用パタークラブに適用できることは記載されていないが、本発明においては、このことがゴルフ用パタークラブに応用できることを見いだした。ここで前述のごとく、ゴルフ用パタークラブに関して図1に示すように三つの互いに直交する第1軸A1、第2軸A2、第3軸A3の三つの軸を定義する。パッティングのストロークにおいては、ゴルフ用パタークラブ1は並進運動とともに回転運動を行うこととなる。このストローク中におけるパタークラブ1の回転運動を上述した三つの軸である第1軸A1〜第3軸A3に分けて考える。パッティングストロークにおいて、パタークラブ1はグリップ10付近を支点とした略振り子状の運動をすることになるが、この略振り子状運動に基づくゴルフ用パタークラブ1の回転運動は主として第1軸A1回りの回転である。また、パッティングストロークにおいてフェース面2の向きを変えずにストロークすることは人体の構造上困難であり、ストローク中においてフェース面2の向きは変化するが、かかるフェース面2の向きが変化するような運動に基づくゴルフ用パタークラブ1の回転運動は主として第3軸A3回りの回転である。これら第1軸A1及び第3軸A3回りの回転に比較して、第2軸A2回りの回転は一般的に少ない。図2は、第2軸A2の延長線上から見た図としているので、該第2軸A2は基準点Pと重なった点として示されているが、この第2軸A2回りの回転は、ゴルフ用パタークラブ1を大きく振り上げた場合に主として生じる回転である。ところが、パッティングストロークにおいては、ウッドクラブやアイアンクラブ等のフルショットのように大きくスイングしないので、第2軸A2回りの回転は比較的少なくなる。
したがって、パッティングストロークにおけるゴルフ用パタークラブ1の回転運動においては、比較的回転量の多い第1軸A1回りの回転及び第3軸A3回りの回転を、比較的回転量の少ない第2軸A2回りの回転よりも優先して安定化することにより、ゴルフ用パタークラブ1の回転運動が安定し、パッティングストロークが安定すると考えられる。そのため本発明では、上記テニスラケットの定理を応用して、M1>M2>M3と設定してM1を最大とし且つM3を最小とすることにより、第1軸A1回りの回転及び第3軸A3回りの回転を安定させたものである。
なお、本実施形態のゴルフ用パタークラブ1では、ヘッド3の重心点がシャフト軸線上に無く、上記基準点Pはゴルフ用パタークラブ1の重心点とはなっていない。そして、ゴルフ用パタークラブ1における第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3の三つの軸は、ゴルフ用パタークラブ1の慣性主軸と完全には一致していない。しかしながら、基準点Pはパタークラブ1の重心点の近傍に位置しており、また、長手方向に細長いゴルフ用パタークラブ1の全体形状をも合わせて考えると、ゴルフ用パタークラブ1における三つの慣性主軸は前記三つの軸第1軸A1〜第3軸A3と近似した配置となる。よって、上記のM1〜M3に関して近似的にオイラー方程式やテニスラケットの定理が適用できると考えられる。またそのように考えることによって、後述の実施例による試験結果が説明できることになる。
ここで、上記M1〜M3がゴルフ用パタークラブ1の回転運動に与える傾向を検討するため、三つの主慣性モーメントとして所定の数値を当てはめたモデルによる計算(シミュレーション)を行った。
互いに直交する三つの慣性主軸sx,sy,szまわりの慣性モーメント(主慣性モーメント)をそれぞれs1,s2,s3(ただし、s1>s2>s3である)とし、これらs1〜s3のそれぞれに所定の数値を当てはめたシミュレーション用のモデルA〜モデルEを設定した。各モデルA〜Eにおけるs1〜s3(g・cm)の設定値を次の表1に示す。
Figure 0004516781
上記s1〜s3は、それぞれゴルフ用パタークラブ1におけるM1〜M3に見立てて設定されたものであり、上記三つの慣性主軸sx,sy,szは、それぞれゴルフ用パタークラブ1における第1軸A1,第2軸A2,第3軸A3に見立てて設定されたものである。したがって、s1の値は、ゴルフ用パタークラブ1における第1モーメントM1に比較的近い値とされており、同様に、s2の値は、ゴルフ用パタークラブ1における第2モーメントM2に比較的近い値に設定されており、s3の値は、ゴルフ用パタークラブ1における第3モーメントM3に比較的近い値に設定されている。ただし、(s1−s2)の値、及び、各モデルA〜E相互間における(s1−s2)の値の差異は若干大きめに設定している。これは、(s1−s2)の値が回転運動に与える影響を顕在化させるために値をやや極端に変化させたものである。
そして、各モデルA〜Eに対して3種類の初期条件(初期値)、即ち時刻0における角速度、を与え、時間の経過とともに各軸sx,sy,sz回りの角速度ωsx、ωsy、ωszがどのように変化するかを計算で求めた。
3種類の初期条件を表2に示す。
Figure 0004516781
これらの初期条件1〜3は、実際のパッティングストロークのストローク開始時におけるゴルフ用パタークラブ1の各軸(第1軸A1、第2軸A2、及び第3軸A3)回りの角速度を考慮したものである。つまり、ハンディキャップ0〜20のテスター20人にパッティングストロークを行ってもらい、該ストローク開始直後における第1軸A1〜第3軸A3回りの角速度を実測して平均値を求めたところ、第1軸A1回りの回転におけるストローク直後の角速度が0.87であり、第2軸A2回りの回転におけるストローク直後の角速度が0.1であり、第3軸A3回りの回転におけるストローク直後の角速度が0.5であったため、これらの値をそれぞれωsx、ωsy、ωszの初期条件としたものである。
なお、表2に示すように、初期条件1〜3では、ωsx、ωsy、ωszの3者のうち2者のみに角速度を与えている。これは、個々のゴルファーにおいてストロークの態様には個人差があり、三つの軸A1〜A3のうちのどの軸回りの回転が比較的大きくなるかについては各ゴルファー間である程度バラツキがあることを考慮したものである。即ち、ωsx、ωsy、ωszの3者のうち2者に角速度を与えた初期条件を3種類設定することで、各ゴルファーにより相違するストロークの態様をある程度網羅的に代表させることができ、シミュレーションの精度が高くなっている。
そして、上述した式(1)に示すオイラーの運動方程式と、表1に示すs1〜s3の設定値と、表2に示す初期条件(初期値)とから、時刻0から1秒後までの各時刻における角速度ωsx、ωsy、ωszを求めた。例えば図16は、表1に示すモデルA〜EのうちのモデルAに対して初期条件3を与えたときの各時刻における角速度ωsx、ωsy、ωszをプロットしたグラフである。図16のグラフに示すように、時刻0における角速度は初期条件により与えられるが、時間の経過とともに各角速度ωsx、ωsy、ωszはそれぞれ変化していく。そして、このような時間軸に対する角速度のグラフを時間にて積分して、図16における破線ハッチング部分の面積を求めることにより、時刻0から1秒後までの各軸sx〜sz回りの回転に関する角度影響量(rad)を求めた。ここで角度影響量とは、初期条件における角速度のまま一定の角速度で回転した場合における時刻0から1秒後までの角度変化量と、上記計算により求められる角速度のグラフを積分して得られる時刻0から1秒後までの角度変化量との差を示すものである。なお、時間を1秒としたのは、パッティングストロークにおけるテークバックの時間を考慮したものである。結果を表3に示す。
Figure 0004516781
角度影響量の絶対値は、初期条件のまま一定の角速度で回転した場合と比較して時刻0から1秒経過後までの角度変化量がどれだけ相違しているかを示している。初期条件の角速度を保持したまま一定の角速度で回転し続ける場合、当該回転運動は安定的である。これに対して、上記の角度影響量が発生している場合は、ある慣性主軸まわりの回転運動が他の慣性主軸の回転運動を発生させ、複数の慣性主軸に分散した複雑な回転運動となってしまうから、回転運動が不安定になっていると言える。よって、この角度影響量の絶対値が大きいほど、当該慣性主軸に関する回転運動が不安定であると考えられる。
そして、表3に示す各軸回りの回転に関する角度影響量のうちでも、特に軸sz回りの回転に関する角度影響量は、パッティングストロークの安定性との関連が最も大きいと考えられる。というのも、前述のように軸szは、ゴルフ用パタークラブ1における第3軸A3に対応した軸であるが、この第3軸A3の回転はフェース面2の向きに対する影響が大きく、打球方向性に直接影響するからである。
表3の結果を考察すると、(s1−s2)の値が小さいモデルほど、軸sz回りの回転に関する角度影響量の絶対値が小さくなる傾向があると判断できる。例えば、初期条件1の場合で比較すると、5つのモデルのうち(s1−s2)の値が最も小さいモデルAにおいて、軸sz回りの回転に関する角度影響量の絶対値は最小となっている。この点は、初期条件2の場合、及び、初期条件3の場合も同様である。また、初期条件1及び初期条件2の場合において、5つのモデルのうち(s1−s2)の値が最も大きいモデルCにおいて、軸sz回りの回転に関する角度影響量の絶対値が最大となっている。
なお、モデルA〜D間で比較すると、s3が6000(g・cm)で同一であるにも関わらず軸sz回りの回転に関する角度影響量が相違している。このことは、単に慣性モーメントs3(ゴルフ用パタークラブ1における第3モーメントM3に相当)を考慮するのみでは軸sz(ゴルフ用パタークラブ1における第3軸A3に相当)回りの回転の安定性を担保するのに必ずしも充分とは言えないことを示唆している。
次に、表3においてモデルAとモデルEとで結果を比較すると、初期条件1〜3のいずれの場合についても、モデルAのほうがモデルEよりも軸sz回りの回転に関する角度影響量の絶対値が小さくなっている。表1に示すように、モデルAとモデルEではs3のみが相違し、モデルAのほうがモデルEよりもs3が大きくされている。よって、表3の結果は、s3(ゴルフ用パタークラブ1における第3モーメントM3に相当)を大きくするとパッティングストロークの安定性が高まる傾向を示している。
以上のシミュレーション結果より、ゴルフ用パタークラブ1においては、
(イ)M1>M2>M3を前提とするのがよい。
(ロ)(M1−M2)は小さい方がよい。
(ハ)M3は大きい方が好ましい。
と言える。そして、後述の実施例による結果をも踏まえると、次の式(A)及び式(B)、
(M1−M2)<12000 ・・・(A)
M1>M2>M3 ・・・(B)
とすることでパッティングストロークの安定性が高まり、さらに第3モーメントM3は5000(g・cm2)よりも大きくするのが好ましいこととなる。
そして、設計方法に係る本発明は、上述した三つの慣性モーメントM1(g・cm2)、M2(g・cm2)及びM3(g・cm2)の3者間の大小関係及び(M1−M2)の値を用いることを特徴とするゴルフ用パタークラブの設計方法である。
例えばこの設計方法の一実施形態は、図14に示すフローチャートのように、ゴルフ用パタークラブの試作をおこなうステップst1と、M1〜M3を測定(実測)又は計算により求めるステップst2と、M1>M2>M3の大小関係となっているか否かを判断するステップst3と、(M1−M2)を算出するステップst4と、(M1−M2)が所定値以下か否かを判断するステップst5と、を含む設計方法である。
ステップst3又はステップst5において判断が「NO」であれば、ゴルフ用パタークラブを試作するステップst1に戻る。このように、M1〜M3の3者間の大小関係を考慮することにより、テニスラケットの定理を応用して、特に安定化させたい軸まわりの慣性モーメントを最大又は最小に設定することができる。
また、(M1−M2)を考慮することにより、(M1−M2)を比較的小さくして、パッティングストロークの安定性が高いゴルフ用パタークラブを設計することができる。この場合さらに、M1〜M3を次の式(A)及び式(B)、
(M1−M2)<12000 ・・・(A)
M1>M2>M3 ・・・(B)
を満たす重量バランスに設定する設計方法とすると、上述したようにパッティングストロークの安定性が高まるゴルフ用パタークラブを設計できるから好ましい。
なお、上記設計方法においては、実際にゴルフ用パタークラブの現物を試作あるいは評価してもよく、ゴルフ用パタークラブ1の3次元モデルをコンピュータ上で作製してシミュレーションしてもよい。たとえば、ゴルフ用パタークラブの試作をおこなうステップst1においては、実際にクラブを作製してもよいし、コンピュータ上の3次元モデルとして作製してもよい。またM1〜M3の値を求めるステップst2では、実際にM1〜M3を測定してもよく、コンピュータ上で計算にて求めても良い。
上記とは別の設計方法は、クラブ1の慣性主軸まわりの三つの慣性モーメント相互間の大小関係を考慮して当該クラブの重量バランスを設定することを特徴とするゴルフ用パタークラブの設計方法である。ゴルフ用パタークラブ1には、前記基準点Pの近傍に位置する重心点(図示省略)を通る三つ(3本)の慣性主軸(図示省略)が存在する。これら三つの慣性主軸は上述した第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3に近似した配置となる。そして、上述したテニスラケットの定理を応用すれば、これら三つの慣性主軸まわりの三つの慣性モーメントの大小関係を考慮して重量バランスを設定することにより、三つの慣性主軸のうち特定の軸回りの回転運動を安定させることができる。つまり、三つの慣性主軸のうち特に回転運動を安定させたい軸まわりの慣性モーメントを最大又は最小に設定することで、当該軸まわりの回転運動を安定化できる。
例えば、ゴルフ用パタークラブの三つの慣性主軸をks1,ks2,ks3とし、各慣性主軸まわりの慣性モーメントをそれぞれkm1、km2、km3とした場合、たとえば慣性主軸ks1回りの回転を安定させたい場合は、この軸ks1回りの慣性モーメントkm1を、km1〜km3のうちで最大又は最小とすればよい。また、例えば三つの慣性主軸のうちks1とks3をks2よりも安定させたい場合には、km1>km2>km3とするか、あるいは、km3>km2>km1の関係となるようにクラブの重量バランスを設定すればよい。
そして、三つの慣性主軸ks1〜ks3のうちでも、前記第1軸A1に最も近い配置の慣性主軸をks1とし、前記第2軸A2に最も近い配置の慣性主軸をks2とし、前記第3軸A3に最も近い慣性主軸をks3としたとき、慣性主軸ks1まわりの慣性モーメントkm1と、慣性主軸ks2まわりの慣性モーメントkm2と、慣性主軸ks3まわりの慣性モーメントkm3との関係は、
km1>km2>km3とするのが好ましい。その理由は、前述の実施形態でM1>M2>M3とした理由と同様である。そしてこの場合、前述したシミュレーションで実証したように、(km1−km2)は比較的小さい方がよいから、12000(g・cm)以下が好ましく、11600(g・cm)以下がより好ましく、6000(g・cm)以下が更に好ましく、3700(g・cm)以下が特に好ましい。
慣性主軸まわりの慣性モーメントkm1、km2、km3は、クラブを実測してもよいが、慣性主軸を慣性モーメント測定器の回転軸と一致させた姿勢でクラブを測定器に設置するのは必ずしも容易でないため、コンピュータ上で計算するのが好ましい。たとえばゴルフ用パタークラブ1の3次元データをCAD(Computer Aided Design)ソフト上にて作製し、このデータから慣性主軸ks1〜ks3及び各軸まわりの慣性モーメントkm1〜km3を計算させることができる。
ヘッド、シャフト及びグリップの仕様や材質は特に問わない。
ヘッドの材質としては、ゴルフパター用ヘッドとして通常用いられている材質を使用できる。ヘッド本体の材質としては、例えば、真鍮、軟鉄等の鉄系金属、ステンレス、アルミ合金、チタン、チタン合金等を使用可能である。これらの材質を単一で、又は複合して用いることができる。また、前述の実施形態のように重量部材Jを用いる場合、この重量部材Jの材質としては、銅、真鍮、タングステン、W−NiやW−Cu等のタングステン合金、等を使用することができる。またこのように重量部材Jを用いる場合、ヘッド本体hとして比重の特に軽いアルミ又はアルミ合金を用いると、重量部材Jとの比重の差が大きくなりヘッド3の重量配分の設計自由度が向上する点で好ましい。
シャフトとしては、スチールやカーボン(CFRP等)等からなる既存のシャフトを用いることが出来る。グリップもゴム、エラストマー、皮革等からなる周知のものを用いることが出来る。
M1〜M3の値や大小関係を所望の仕様に設定するためには、例えばヘッド重量、ヘッドの重心位置(重心深度、重心距離、重心高さ等)、シャフト重量、シャフトの重心位置、グリップ重量、グリップの重心位置、クラブ長さ、ライ角等を適宜設定して、所望の仕様が得られるように調整すればよい。例えば、ヘッド重量及びグリップ重量を大きくしてクラブ両端部の重量配分を多くすることによりM1及びM2を大きくすることができるし、クラブ長さを長くした場合にも同様にM1及びM2を大きくすることが出来る。また、ヘッドの重心距離を大きくしたり、グリップやシャフトを太径化したりすることによりM3を大きくすることができる。また、例えばヘッドの重心深度を変えずにヘッドの重心距離を長くすることにより、M1を大きくすることなくM2を大きくすることが可能である。
上記のゴルフ用パタークラブやその設計方法の発明では(M1−M2)を12000(g・cm)以下とするが、上述したようにこの(M1−M2)は小さいのが好ましいから、11600(g・cm)以下がより好ましく、6000(g・cm)以下が更に好ましく、3700(g・cm)以下が特に好ましい。また、第3モーメントM3は上述のように大きい方が好ましいから、5000(g・cm)より大きくするのが好ましく、6100(g・cm)以上とするのがより好ましい。
(実施例による効果の確認)
本発明の効果を確認するため、実施例1,2及び比較例1,2からなる合計4種類のゴルフ用パタークラブによりテストを行った。全ての実施例及び比較例(以下、全ての例ともいう)において、ヘッド重量は374gとし、クラブ総重量は560gとし、クラブ長さは34インチとし、ライ角を70度とした。また、全ての例において、グリップ及びシャフトは共通のものを用いた。
テストは、ハンディキャップが0〜15のゴルファー30名が実際にパッティングを行い、パッティングストローク(振り)の安定性について官能評価する手法で行った。各ゴルファーが各例について、「パッティングストローク(振り)が安定している」か「パッティングストローク(振り)が不安定である」かについて2段階評価を行い、更に30名の評価を総合して、◎、○、×の3段階にて各例を評価した。評価基準は次の通りである。
◎ : パッティングストローク(振り)が安定していると感じるテスターが25名以上である。
○ : パッティングストローク(振り)が安定していると感じるテスターが20名以上である。
× : パッティングストローク(振り)が不安定であると感じるテスターが20名以上である。
各例の仕様及び評価結果を次の表4に示す。
Figure 0004516781
表4の結果に示すように、実施例は比較例よりも評価が高くなった。
なお、各例におけるヘッド仕様の詳細は以下の通りである。全ての例のヘッドは全て同一形状であり、ヘッド高さHhは27mm、ヘッド幅Hwは97mm、ヘッド奥行きHdは85.5mmで共通とした。また、重量部材Jの材料は銅とし、ヘッド本体hの材料はアルミ合金とした。
実施例1は、前述した実施形態と同様、図3〜図5に示す形態と同じとした。トウ側及びヒール側に設けた重量部材Jのトウ・ヒール方向幅Wcはいずれも12mmとした。さらに、フェース面中央部付近の薄肉部の肉厚をTf(図5(a)参照)を5mmとし、空洞部kのトップ側におけるヘッド本体hの肉厚Tcを3mmとし、空洞部kのソール側におけるヘッド本体hの肉厚Tsを3mmとした(図5(b)参照)。
実施例2の形態を図6及び図7に示す。図6(a)は、実施例2をトップ面側から見た平面図であり、図6(b)はヒール側から見た側面図である。図7(a)は、図6(b)のA−A線における断面図であり、図7(b)は、図6(a)のB−B線における断面図である。
この実施例2の構造は、実施例1の構造と基本的に同じであるが、重量部材Jがヘッド本体hのフェース側部分hfのトウ側及びヒール側に存在するのみならず、バック側部分hbのバック側にバック側重量部材Jb(銅製)が取り付けられている点が実施例1と異なる。即ち、実施例1におけるバック側部分hbのうちのバック側寄りの部分がバック側重量部材Jbにより置換されている。バック側重量部材Jbは、その上面がヘッド3のトップ面15側に露出しており当該トップ面15の一部を構成している。さらにバック側重量部材Jbは、その下面がヘッド3のソール面4側に露出しており当該ソール面4の一部を構成している。このバック側重量部材Jbは、トップ・ソール方向の最大幅Hc(図6(b)参照)が20mmであり、そのフェース・バック方向幅Dc(図6(a)参照)が14.5mmとされている。なお、前記幅Wcは、実施例1よりも小さい7mmとされている。肉厚Tf、Tc、Tsは実施例1と同一としている。
比較例1の形態を図8及び図9に示す。図8(a)は、比較例1をトップ面側から見た平面図であり、図8(b)はヒール側から見た側面図である。図9(a)は、図8(b)のA−A線における断面図であり、図9(b)は、図8(a)のB−B線における断面図である。
この比較例1は、実施例2と似た構造であるが、実施例2において設けているヘッド本体hのフェース側部分hfのトウ側及びヒール側の重量部材Jがなく、当該重量部材J部分は、フェース側部分hfにより置換されている。また、バック側重量部材Jb(銅製)のサイズが実施例2と異なり、そのトップ・ソール方向の最大幅Hc(図8(b)参照)が23mmであり、そのフェース・バック方向幅Dc(図8(a)参照)が22mmとされている。
比較例2の形態を図10〜図12に示す。即ち、図10(a)は、比較例2をトップ面側から見た平面図であり、図10(b)はヒール側から見た側面図である。図11(a)は、図10(b)のA−A線における断面図であり、図11(b)は、図10(a)のB−B線における断面図であり、図12は、図10(a)のC−C線における断面図である。
比較例2は、上述の実施例1,2及び比較例1よりも空洞部kが大きくされており、また、ヘッド本体hにおいてバック側部分hbが無く、さらに、バック側重量部材Jbも設けられていない。そして、空洞部kはヘッド3のトウ側及びヒール側のみならず、ヘッド3のバック側にも開放されている。
この比較例2のヘッド3のフェース面2は、当該フェース面2と同一の輪郭形状を有するアルミ合金製のフェースプレートFpにより構成されており、このフェースプレートFpのバック側には、当該フェースプレートFpと略同一の形状であり且つフェースプレートFpよりも肉厚の厚い厚板状のヘッド前方部hzがフェースプレートFpと平行に設けられている。さらに、このヘッド前方部hzのバック側には、ヘッド後方部hkが設けられている。このヘッド後方部hkは、図12に示すようにそのフェース面側においてヘッド前方部hzの輪郭形状と略同一の形状をもって開口しており、当該開口にヘッド前方部hzの後方側の一部が嵌め込まれることにより、ヘッド前方部hzとヘッド後方部hkとが接合されている。また、ヘッド後方部hkの内部は、そのトップ面15側内面とソール面4側内面との間に立設された1本の立柱20を除き空洞とされ、かかる空洞がヘッド3の空洞部kとされている。この空洞部kは、ヘッド3においてヘッド後方側及びヘッドのトウ側及びヒール側に開放されている。
また、ヘッド前方部hzは、そのヒール寄り部分及びトウ寄り部分が真鍮製であり、そのトウ・ヒール方向中央部分がアルミ合金製である。このトウ寄り部分のトウ・ヒール方向長さFtは42mmとされ、同ヒール寄り部分のトウ・ヒール方向長さFhは17mmとされ、アルミ合金製の中央部分のトウ・ヒール方向長さFcは38mmとされている。なお、フェースプレートFpの肉厚Tnは3mmであり、ヘッド前方部hzの肉厚Tmは16mmであり、ヘッド前方部hzのヘッド後方部hkへの嵌め込み長さTkは3mmである。
この比較例2は、比較例1及び実施例1,2と異なりホーゼル21を有している。このホーゼル21は、その軸方向長さが70mmの真鍮製であるが、いわゆるオーバーホーゼルとされており、パイプ状のシャフト11の内部に当該ホーゼル21を挿入して接着することによりヘッド3にシャフト11が取り付けられる。なお、図10(b)に示すように、ホーゼル21の軸方向中途位置にはシャフト11の肉厚と略同一の段差が設けられており、シャフト11の端面を当該段差に突き当てた状態でシャフト11とヘッド3とが接着される(図10(b)参照)。
以上に記載のように、実施例1,2及び比較例1,2では、空洞部kの位置や大きさ、ヘッド本体hの比重、フェース側部分hfの有無及びその位置や大きさ、バック側部分hbの有無及びその位置や大きさ、トウ側及びヒール側の重量部材Jの有無及びその位置や大きさ、重量部材Jの比重、バック側重量部材Jbの有無及びその位置や大きさ、バック側重量部材Jbの比重、ヘッド前方部hzの有無及びその位置や大きさ、ホーゼル20の有無及びその材質や長さ若しくはその位置、等を適宜調整することにより、ヘッドの重心位置設計の自由度を高めており、これによってゴルフ用パタークラブ1の第1モーメントM1〜第3モーメントM3を所望の値に設定しやすくしている。
なお、第1モーメントM1及び第2モーメントM2の測定は、INEATIA DYNAMICS.INC社製のMODEL NUMBER RK/005−002という慣性モーメント測定器により測定した。これら第1モーメントM1及び第2モーメントM2を測定は、シャフト軸線を水平とし且つ慣性モーメント測定器の回転軸上に基準点Pを配置し、さらにフェース面2の向きを水平又は垂直な調整した状態でシャフトが回らないようにして行った。
一方、第3モーメントM3の測定は、上記慣性モーメント測定器では測定しにくいため、SRIスポーツ(株)にて内作した慣性モーメント測定器を用いた。この測定器は、鉛直方向の軸を回転軸として往復回転運動できるようになっており、且つ、ゴルフ用パタークラブのグリップ端を上側としつつシャフト軸線が鉛直方向に配向された吊り下げ状態を維持できるチャック(固定治具)を備えたものである。測定原理自体は、上述のINEATIA DYNAMICS.INC社製の測定器と同様であり、測定器の回転軸と被測定物の所望の軸(ここでは第3軸A3)とを一致させた状態で往復回転運動させ、その往復回転運動の周期が測定できる測定器となっている。そして、この周期の値から当該軸回りの慣性モーメントを計算で求める。ここでは、グリップ側を上側とした状態でグリップ上端部を前記チャックにより固定し、シャフト軸線即ち第3軸A3が鉛直方向に配向した状態を維持しつつ第3軸A3と測定器の回転軸とを一致させて往復回転運動させ、その周期Tを測定し、以下の式より第3モーメントM3を算出した。
M3=C×(T/π)−Mt
ただしCとは、慣性モーメントが既知の物体を測定することにより得られる補正定数であり、Mtとは、前記チャックの慣性モーメントである。
本発明の一実施形態におけるゴルフ用パタークラブの斜視図である。 図1のゴルフ用パタークラブをフェース面側からみた正面図である。 (a)は、図1のクラブに用いたパターヘッドをトップ面側から見た平面図である。(b)は、同ヒール側から見た側面図である。 (a)は、図1のクラブに用いたパターヘッドをフェース面方向から見た正面図であり、(b)は、図3(a)のC−C線における断面図である。 (a)は、図4(a)のA−A線における断面図であり、(b)は、図3(a)のB−B線における断面図である。 (a)は、実施例2のゴルフパターに装着されたパターヘッドをトップ面側からみた平面図であり、(b)は、そのヒール側からみた側面図である。 (a)は、図6(b)のA−A線における断面図であり、(b)は、図6(a)のB−B線における断面図である。 (a)は、比較例1をトップ面側から見た平面図であり、(b)はそのヒール側から見た側面図である。 (a)は、図8(b)のA−A線における断面図であり、(b)は、図8(a)のB−B線における断面図である。 (a)は、比較例2をトップ面側から見た平面図であり、(b)はそのヒール側から見た側面図である。 (a)は、図10(b)のA−A線における断面図であり、(b)は、図10(a)のB−B線における断面図である。 図10(a)のC−C線における断面図である。 基準点Pについて説明するための図である。 本発明の設計方法の一実施形態を示すフローチャートである。 テニスラケットの定理を説明するための図である。 計算によって得られた角速度と時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ゴルフ用パタークラブ
2 フェース面
3 ヘッド
M1 第1モーメント
M2 第2モーメント
M3 第3モーメント
A1 第1軸
A2 第2軸
A3 第3軸(シャフト軸線)
P 基準点

Claims (4)

  1. 下記の(1)〜(3)で定義される三つの慣性モーメントM1(g・cm2)、M2(g・cm2)及びM3(g・cm2)が、次の式(A)及び式(B)、
    (M1−M2)<12000 ・・・(A)
    M1>M2>M3 ・・・(B)
    を満たす重量バランスに設定されていることを特徴とするゴルフ用パタークラブ。
    (1) M1:シャフト上の一点が支持されて静止した釣り合い状態におけるクラブ支持点からシャフト軸線に下ろした交点である基準点Pを通りフェース面に平行で且つシャフト軸線に垂直な第1軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
    (2) M2:前記基準点Pを通り、前記第1軸に垂直で且つシャフト軸線に垂直な第2軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
    (3) M3:シャフト軸線である第3軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
  2. 前記M3が5000(g・cm2)よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のゴルフ用パタークラブ。
  3. 下記の(1)〜(3)で定義される三つの慣性モーメントM1(g・cm2)、M2(g・cm2)及びM3(g・cm2)の3者間の大小関係及び(M1−M2)の値を用いて重量バランスを設定することを特徴とするゴルフ用パタークラブの設計方法。
    (1) M1:シャフト上の一点が支持されて静止した釣り合い状態におけるクラブ支持点からシャフト軸線に下ろした交点である基準点Pを通りフェース面に平行で且つシャフト軸線に垂直な第1軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
    (2) M2:前記基準点Pを通り、前記第1軸に垂直で且つシャフト軸線に垂直な第2軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
    (3) M3:シャフト軸線である第3軸まわりの当該パタークラブの慣性モーメント
  4. 前記M1(g・cm2)、M2(g・cm2)及びM3(g・cm2)を、次の式(A)及び式(B)、
    (M1−M2)<12000 ・・・(A)
    M1>M2>M3 ・・・(B)
    を満たす重量バランスに設定することを特徴とする請求項に記載のゴルフ用パタークラブの設計方法。
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