JP4516356B2 - シス−トランス液流方式によるイオンチャネル解析方法と、その方法に使用するイオンチャネル解析装置 - Google Patents

シス−トランス液流方式によるイオンチャネル解析方法と、その方法に使用するイオンチャネル解析装置 Download PDF

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Description

本発明は、イオンチャネル(ion channel) 解析技術の改良、さらに詳しくは、絶縁性の内管および外管から成る同軸管構造のシス−トランス(cis-trans) 異性液管のフロー性能を巧みに利用することによって、解析対象膜が解析処理の最中に破損した場合でも、当該対象膜を速やかに修復して所期のイオンチャネル解析を能率的に継続することを可能にした画期的な“シス−トランス液流方式によるイオンチャネル解析方法と、その方法に使用するイオンチャネル解析装置”に関するものである。
膜蛋白質の機能を解明する方法としては、電気生理学的手法が用いられ、他の方法では得られないダイナミックな医学的・生物学的情報や単一分子の情報を得ることができる。ところで、これまでの電気生理学的手法は、大別すると、パッチクランプ法(対象試料=培養細胞)と脂質平面膜法(対象試料=生化学的に抽出した膜蛋白質)とに区分される。ここに“パッチクランプ法”とは、細胞に先端開口部分を滑らかにしたガラス電極を押し当てながら電極内を吸引することにより細胞膜を千切り取って当該電極内に微小細胞膜を形成し、こうして形成された微小細胞膜にパルス電流を印加して前記電極内に形成されたイオンチャネルを流れる単一チャネル電流を測定する方法である(非特許文献1=19頁の図6、およびその説明文参照)。他方、“脂質平面膜法”というのは、容器内を仕切る隔壁に小孔を開け、ここに脂質平面膜を張り、cis 側へ膜ベシクルを加えて前記平面膜と融合させたうえ、cis 側の銀塩化銀電極からパルス電圧を印加し、このパルス電圧に起因してイオンチャネルから流れ出てくる単一チャネル電流を測定する方法である(非特許文献1=44頁の図3、およびその説明文参照)。これらの“パッチクランプ法”や“脂質平面膜法”は、いずれも生体膜に存在する蛋白質が特定の分子に対し低濃度で特異的に敏感に応答し、その応答を極度に高い精度で電気的に計測することができ、しかも、その感度は1分子のみならず1光子をも捕捉することができるほどに高精度であるところから、超高感・超高精度にして高速応答性能を備えた夢のセンサーの実現が見込まれるようになり、当該技術分野に関わる研究者の間では様々な研究開発が試みられるようになってきたのである。
曽我部正博・老木成稔氏ら編集(共立出版社)『イオンチャネル』 第19頁の図6とその説明文、および第44頁の図3とその説明文
しかしながら、これら従来の方法には、共通の問題点があって適用範囲に限界と制約が存している。その原因として指摘される最大の隘路は、膜(パッチクランプ法にあってはガラス電極に形成した微小細胞膜、脂質平面膜法にあっては平面膜)の機械的脆弱性にあり、計測中に前記“膜”が周囲の物理的影響によって破損し易く、安定的に計測することができない点にある。
もっとも、このような“膜”の脆弱性を改善しようとする提案としては、膜分子の硬度や弾力性を改質する強化剤を使用して膜の機械的強度を高めようとする試みも為されてはいるけれども、“膜”そのものの生化学的性質が変化してしまって所期の目的たる医学的・生物学的情報や単一分子の情報を得ることが阻害されるという弊害が避けられないのであった。
本発明は、イオンチャネルを電気生理学的に解析する従来の手段に前述のごとき問題点があったことに鑑みて為されたものであり、機械的強度が脆弱でデリケートな微小細胞膜やイオンチャネル分子組込み脂質平面膜が解析処理中に破損することを当然の前提とした発想の転回の下に、その破損した前記“膜(微小細胞膜・脂質平面膜など)”を直ちに修復して所期のイオンチャネル解析を能率的に継続することを可能にする画期的な方法と装置を提供することを目的とするものである。
また、本発明の他の目的は、イオンチャネル分子組込み脂質平面膜を境界として両側に存する電解液の各々を急速かつ効率的に任意に個別的に置換して電気的測定を行うことが可能な頗る実用的な方法と装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、細胞膜表面に存在する膜蛋白質のみならず、細胞小器官や核などの膜蛋白質、さらには細菌やウィルスの膜蛋白質など従来のパッチクランプ法では処理できなかった膜蛋白分子の測定分析をも可能とする非常に利用範囲の広い電気生理学上有用な方法と装置を提供するにある。
さらに、本発明の他の目的は、脂質平面膜の表面積を極端に小さくすることができて、かつ、静電容量も大幅に少なくできると共に、回路内の浮遊容量が小さく、しかも、誘電損失も極端に少ない低ノイズで信頼性の高い医学的・生物学的情報を的確に得ることができる試験研究に有効なイオンチャネル解析方法とその装置を提供するにある。
本発明者が上記目的を達成するために採用した方法的手段を、添附図面を参照して説明すれば、次のとおりである。即ち、本発明が提供する「脂質平面膜の潅流生成によるイオンチャネル解析方法」は、管壁wの所定位置に脂質平面膜の生成される微細孔11aが開設され、かつ、管壁w内部には毛細管状の第1液流路Tを有する絶縁性内管11と;この内管11を包囲して当該内管の周囲に第2液流路Cを形成せる絶縁性外管12とを含んで構成される同軸管構造のシス−トランス(cis-trans)異性液管1に対して、
前記内管11と外管12の各々には電解液を潅流させて前記第1・第2液流路T・Cの内部に電解液を充満させた後、前記外管12の第2液流路Cに脂質溶液を送り込むことによって前記内管の微細孔11aに脂質平面膜Mを生成させ、ついで、内管11の第1液流路Tへ解析対象のイオンチャネル分子を含有する試料液を潅流させて前記脂質平面膜Mに当該イオンチャネル分子を組み込ませ、こうして組込み形成されたイオンチャネル脂質平面膜Mb近くの第1・第2液流路T・Cに設置された一方の電極2にパルス電流を印加して当該イオンチャネル脂質平面膜Mbを通過して両電極2・3間に流れる単一チャネル電流を検出測定する点に特徴がある。
また、本発明者が上記目的を達成するために採用した他の方法的手段は、管壁wの所定位置に解析対象となる細胞を受止可能なサイズの微細孔11aが開設され、かつ、管壁wに囲われる内部には毛細管状の第1液流路Tを有する絶縁性内管11と;この内管11を包囲して当該内管の周囲に第2液流路Cを形成せる絶縁性外管12とを含んで構成される同軸管構造のシス−トランス異性液管1に対して、
前記内管11と外管12の各々には電解液を潅流させて両内外管の内部に電解液を充満させた後、前記第2液流路又は第1液流路に解析対象の細胞を含有する試料液を送り込むことにより前記内管の微細孔11aに当該細胞Mbを受止せしめる一方、ついで、前記試料液を送り込んだ流路とは反対側の第1液流路又は第2液流路側には瞬間的に陰圧を与えて微細孔11aに受止された細胞Mbの陰圧側の膜パッチを裂開させ、こうして膜パッチの裂開された微細孔11aの前記細胞Mbに対し、微細孔11aに近接して第1・第2液流路T・C内に設置された一方の電極にパルス電圧を印加することにより、当該細胞膜上のチャネル分子を通過して両電極間に流れる単一チャネル電流を検出測定して所要のデータを取得する点に特徴がある。
他方、本発明者が上記目的を達成するために採用した装置的手段は、これを添附図面を参照して説明すると、次のとおりである。
即ち、本発明の「イオンチャンネル解析装置」は、管壁wの所定位置に脂質膜の生成される微細孔11aが開設され、かつ、管壁内部には毛細管状の第1液流路Tを有する絶縁性内管11,およびこの内管11を包囲して当該内管の周囲に第2液流路Cを形成せる絶縁性外管12とを含んで構成される同軸管構造のシス−トランス異性液管1と;このシス−トランス異性液管1における第1液流路Tの中に、前記微細孔11aに近接して配設された内管電極2と;前記第2液流路Cの中に、前記微細孔11aに近接して配設された外管電極3と;前記内管11と外管12とが形成する第1・第2液流路T・Cの中に電解液が潅流充満し、かつ、前記微細孔11aに解析対象のイオンチャネル分子の組み込まれた脂質平面膜Mbが生成され、又は同微細孔11aに解析対象の細胞が膜パッチが裂開された状態で受止されている状態において、前記内外の両電極2・3の何れか一方に一定波高値のパルス電圧を印加するインパルス発生器4と;前記パルス電圧を印加して前記脂質平面膜Mbを通過する単一チャネル電流を検出測定するチャネル電流測定器5とを設けた点に特徴がある。
そこで、本発明の方法と装置とについて若干の注釈を加えれば、次のとおりである。
(1) 本発明において採用する同軸管構造のシス−トランス異性液管1は電気的に絶縁性が あることが必要であるから、ガラス、セラミック、合成樹脂を素材として用いるのが 普通であり、また外側から視認したり光線の照射をしたりすることもあるから、透明 であることが望ましく、しかも耐衝撃性もあることが望まれるから、フレキシブルで あるのが好ましい。
(2) しかして、本発明に用いるシス−トランス異性液管1は、内管11と外管12とから構成 されるが、内管11もこの内管11を包囲する外管12も電解液や試料液(イオンチャネル 分子含有液や細胞含有液)等の流動を阻害しない限度でなるべく細いことが望ましい ことから、内管11の外径は2〜0.5mm 、内径は1.7 〜 0.5mm(管壁wの厚さ= 0.2〜 0.5mm)、外管12の外径は8〜3mm、内径は4〜2.5 mm(管壁w'の厚さ=4〜0.5mm)程 度のものが採択される。ちなみに、内管11の内部は、毛細管状の第1液流路Tとなる 一方、内管11と外管12との間の空隙は環状の第2液流路Cとなる。
(3) また、内管11の管壁wにはシス−トランス異性液管1を構成した際に測定し易い箇所 に微細孔11aを開設するが、この微細孔11aの貫通孔径は小さいほど好ましく、一般 的には、中心を貫通する孔径は50〜10μm、更に細胞膜を対象とする場合には1個の 細胞を通過させずに当該微細孔壁に受止することが必要であるから1μm程度である ことが必要である。また、当該貫通する孔の周囲は当該管壁wの外面に至るほど孔径 が逓増的に拡大する円錐面としておくと脂質平面膜の形成に有利である。ちなみに、 内管11に形成される微細孔11aの貫通孔部分は、周知のYAGガスレーザを照射して 穿設することができ、その周囲に円錐面を形成する加工法としては円錐面を形成すべ き箇所以外の部分にはマスキング(例えば、ポリエチレン樹脂塗布)を施し、稀フッ 酸、フッ化水素酸、2フッ化キセノンなど周知のガラス腐蝕剤によってエッチングす る方法があり、かゝる加工法は従来周知である。
(4) 上記のように構成されるシス−トランス異性液管1においては、少なくとも脂質平面 膜の生成される内管11の微細孔11aに疎水処理を施しておくことが必要である。この 場合に適用される疎水処理法としては、シリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤などの ごとき周知の疎水処理液中に当該シス−トランス異性液管を浸漬したうえで、適宜、 加熱してヒートセットするといった方法が採られる。かくして、内管11における管壁 wの内外面と外管12の内面は疎水化されることになる(この浸漬法による場合には、 外管12の外周面も同時に疎水化されるが、本発明では特に必要でない)。
(5) 上記微細孔11aに近接して第1液流路T内に配設する内管電極2と、同微細孔11aに 近接して第2液流路C内に配設する外管電極3としては、導電性の良好な金属材料を 用いるのが良く、通常は銀塩化銀電極を採用する。
(6) 上記の内管電極2又は外管電極3にパルス電圧を印加する手段としては必要な波高値 のパルス電圧を任意に設定して出力可能な周知のインパルス発生器4を採用すること ができ、またイオンチャネル脂質平面膜Mbを通過して内管電極2又は外管電極3へ 流れる単一チャネル電流の検出測定手段としては、パッチクランプアンプを内蔵した チャネル電流測定器5を採用することができるのであり、これらインパルス発生器4 と電流測定器5の何れも従来周知のパッチクランプ法や脂質平面膜法に一般的に採用 されているものをそのまゝ採択可能である。
(7) そして、本発明の「イオンチャネル解析装置」においては、上記シス−トランス異性 液管1の第1液流路Tおよび第2液流路Cに対し、所定の電解液や解析対象のイオン チャネル試料液・細胞含有の試料液などを供給して送り込むための手段として、第1 液流路Tには第1シリンジ・ポンプ6、第2液流路Cには第2シリンジ・ポンプ7を 連結し、任意の圧力で当該液を間歇的又は連続的に射出して第1・第2の液流路T・ Cに対し各々潅流させることが可能である。
(8) さらに、本発明においては、シス−トランス異性液管1における第1液流路Tと第2 液流路Cを潅流する液体の圧力に相対的な圧力差を起こし得る給液手段を配設して、 内管11の管壁における微細孔11aに液圧の高い流路から低い流路へ吸引力を発生させ ることができるようにしておくと、イオンチャネル脂質平面膜Mbを生成し、または 再生修復する際に迅速かつ的確に行える。
本発明の方法と装置にあっては、管壁の所定位置に脂質平面膜を生成さすべき微細孔が開設され、かつ、管壁内部には毛細管状の第1液流路を有する絶縁性内管と;この内管を包囲して当該内管の周囲に第2液流路を形成せる絶縁性外管とを含んで構成される同軸管構造のシス−トランス異性電解液管を採用しているので、かゝるシス−トランス異性電解液管の内管と外管との中に必要とする電解液、イオンチャネル試料液、細胞含有の試料液を適時選択的に送給して第1液流路および第2液流路の中へ潅流させることにより、前記微細孔に解析対象のイオンチャネル脂質平面膜を迅速に形成したり、膜パッチ裂開の細胞を迅速に受止させたりすることができから、イオンチャネル解析の途中に微細孔の前記脂質平面膜や受止細胞が何らかの原因で破損した場合においても直ちに修復して所期のイオンチャネル解析を能率的に継続することが可能である。
また、本発明の方法と装置にあっては、上記同軸管構造のシス−トランス異性電解液管を採用しているので、イオンチャネル脂質平面膜やパッチ裂開細胞を境界として両側に存する電解液の各々を急速かつ効率的に任意に個別的に交換して電気的測定が可能であり、特定のイオンチャネル脂質平面膜や解析対象の細胞について医学的・生物学的情報や単一分子の情報を非常にダイナミックに収集ことができるうえに、内管の管壁に開設した微細孔には細胞膜表面に有する膜蛋白質だけでなく、細胞小器官や核などの膜蛋白質、さらには細菌やウィルスの膜蛋白質などに由来するイオンチャネル脂質平面膜を自由自在に作れるため、従来のパッチクランプ法では処理できなかった膜蛋白分子の測定分析が可能となり、例えば白血病や癌の早期発見など電気生理学上の利用範囲が頗る広いものである。
さらに、本発明の方法と装置にあっては、毛細管状の同軸シス−トランス異性電解液管を採用し内管に開設した微細孔の孔径サイズを極端に小さくできることから、当該微細孔に生成させるイオンチャネル脂質平面膜の表面積も従来パッチクランプ法や脂質平面膜法よりも格段にできて静電容量を大幅に減少させることができると共に、絶縁性の高い材料で内管・外管を使用しているので、当該電気回路内の浮遊容量と誘電損失も大幅に減少でき、低ノイズで信頼性の高い医学的・生物学的情報を的確に得ることができる。
以下、本発明に係るイオンチャネル解析の方法と装置を、添附図面に示される実施例に基いて、さらに詳しく説明する。
図1および図2は、本発明のイオンチャネル解析装置(実施例)の概略を表わした断面説明図である。図中の符号1で指示するものは、同軸管構造のシス−トランス異性液管であって、中心部には透明な石英ガラスから成るフレキシブルな絶縁性内管11が内装されており、この内管11の周囲は当該内管と同材質の透明でフレキシブルな石英ガラスの絶縁性外管12によって囲われ、前記内管11の管壁外周と外管12の内壁面との間には第2液流路Cが形成されている。ちなみに、前記内管11の管壁wの内部は、毛細管状の第1液流路Tを構成し、かつ、その管壁wの所定位置(図1では、内管11における中央右寄りの箇所)に脂質平面膜の形成されるべき微細孔11aが開設されている。
本実施例における内管11は、外径が1mm、内径が 0.7mm、管壁wの厚さが 0.3mmに作製されており、微細孔11aにおいて中心を貫通する最小孔径は直径が30μm、管壁wの外面側の最大孔径は86μmであり、この最大孔径から前記最小孔径に至る孔径は逓次的に変化してコーン形状を成している。この場合、本実施例においては、少なくともコーン形状をなす微細孔11aの孔壁面には生成される脂質平面膜の付着安定性を確保する必要上、疎水処理を必要とするから、使用にあたっては、シス−トランス異性液管1全体を疎水処理液(trioctylsylane=10% ベンジン希釈液)に浸漬して脱泡し引き上げた後、赤外線ヒーターにて15秒ほど加熱してヒットセットに処するものとする。
つぎに、図中の符号2は、上記シス−トランス異性液管1における内管11の微細孔11aに近接するごとく第1液流路Tの中に装入配設された内管電極を示し、また符号3は前記微細孔11aに近接するごとく外管12と内管11との間の第2液流路Cの中に装入配設された外管電極を示す。これら内外の電極2・3は何れも高導電性が要求されるので、本実施例では銀−塩化銀が用いられている。これら内管電極2および内管電極3は、各々、高導電性金属からなる導線21および23に接続されて後述のインパルス発生器、およびチャネル電流測定器に連繋されている。
他方、図1において符号4で指示するものは、上記内管電極2へ導線21を介して必要な波高値のパルス電圧を任意に設定して出力可能なインパルス発生器であり、符号5はパッチクランプアンプを内蔵したチャネル電流測定器である。このチャネル電流測定器5は、微細孔11aのイオンチャネル脂質平面膜Mbによって電気的に絶縁された第1液流路Tと第2液流路C内の両電解液間において、前記インパルス発生器4の出力するパルス電圧が当該イオンチャネル脂質平面膜固有のイオン透過・開閉機構の作用により変形されて特有の単一チャネル電流として出力されてくるところを、外管電極3が集電し導線31を介して受信入力する回路機構である。本実施例においては、前記インパルス発生器4とチャネル電流測定器5は、ケースEに収納されて一体化され、シス−トランス異性液管1の下流側に連結されている。
つぎに、図1のシス−トランス異性液管1の上流側において、符号6で指示するものは内管11内の第1液流路Tに接続された第1シリンジ・ポンプであり、符号7にて指示するものは外管12と内管11との間の第2液流路Cに接続された第2シリンジ・ポンプである。しかして、前記第1シリンジ・ポンプ6は、第1液流路Tに所要の電解液又は解析対象のイオンチャネル試料液若しくは解析対象の細胞を含有した試料液を射出して第1液流路T内に潅流せしめるための機構である一方、第2シリンジ・ポンプ7は所要の電解液又は資質溶液を射出して第2液流路C内に潅流せしめるための機構である。
また、シス−トランス異性液管1の下流側において、符号8で指示するものは上記第1液流路Tを潅流して流下してくる電解液およびイオンチャネル試料液を受け入れて収容する第1集液器であり、符号9で指示するものは上記第2液流路Cを潅流して流下してくる電解液および脂質溶液を受け入れて収容する第2集液器である。これら第1・第2の集液器8・9によってシス−トランス異性液管1を潅流する電解液・イオンチャネル試料液・・細胞含有試料液・脂質溶液は漏らすことなく全て回収することができる。
さらに、図1において符号10で指示するものはワークステーション(富士通:CelsiusV 810)であって、上記インパルス発生器4とチャネル電流測定器5、および上記第1シリンジ・ポンプ6と第2シリンジ・ポンプ7に接続されている。
そして、ワークステーション10は、インパルス発生器4の出力すべき電位、波高値、パルス波形、ヘルツ数などを任意に又は所定のプログラムに基づいてコントロール信号をインパルス発生器4に送信して当該インパルス発生器が出力するパルス電圧を制御する。また、微細孔11aの各イオンチャネル脂質平面膜Mbに応じて出力されてくる各膜Mbに特有の単一チャネル電流はパッチクランプアンプを内蔵したチャネル電流測定器5に入力されるが、こうして入力された各々の単一チャネル電流はワークステーション10に送られることになる。そして、ワークステーション10では、入力された前記各単一チャネル電流を記録媒体(図示せず)に記録する一方、ディスプレー10aに映出してモニターすることも可能である。
〔実施例装置の使用例〕
本発明の上記実施例装置を使用してイオンチャネル解析を行う具体的手順について説明すると、以下のとおりである。たゞし、内管11における微細孔11aの中心を貫通する最小孔径は直径が1μm、管壁wの外面側の最大孔径は30μmのものを採用している。
(1) 洗浄・殺菌消毒処理
本実施例装置の使用にあたっては十分な洗浄と殺菌処理が必要であり、シス−トランス異性液管1については当該液管部分を取り外し、内外管11・12の中の空気を抜いた状態で強酸(濃硝酸:濃硫酸=1:3)に数日間浸漬しておく。ついで、強酸洗浄を終えたシス−トランス異性液管1は内外を清水にて十分に洗浄して乾燥させ、クロロフォルム−メタノール液(1:1)を内外管11・12の中に導入して殺菌消毒する。
(2) 微細孔11a周辺の疎水化処理
シス−トランス異性液管1を trioctylsylane(10% ベンジン希釈液)に浸漬して内外管11・12の液流路T・Cの壁面に trioctylsylane を付着させ、約 0.1mm程離れた位置から遠赤外線ヒーターで加熱乾燥させて流路T・C内全体を疎水化せしめる。このとき同時に微細孔11aの孔壁面も疎水化される。
(3) 実施例装置の組立
シス−トランス異性液管1の内管11の下流端部から微細孔11aの近傍位置まで内管電極2を装入して当該内管をプラスチック・ホルダーに固定する。ついで、外管12の下流側からも微細孔11aの近くまで外管電極3を装入して当該外管部分も前記プラスチック・ホルダーに固定させる。そして、前記内管電極2は導線21を介してケースEに内蔵されたインパルス発生器4に接続し、また内観電極3は導線31を介してケースE内に内蔵されたチャネル電流測定器5に接続させる。なお、この際、内管11および外管の下流端部には第1集液器8および第2集液器9に連結して、第1液流路Tは第1集液器8、第2液流路Cは第2集液器9に各々連通させる。
また、シス−トランス異性液管1の内管11の上流端部には上流側用のプラスチック・ホルダーを介して第1シリンジ・ポンプ6、外管12の上流端部にも前記上流側用プラスチック・ホルダーを介して第2シリンジ・ポンプ7を連結する。
そして、上記インパルス発生器4とチャネル電流測定器5、および第1シリンジ・ポンプ6と第2シリンジ・ポンプ7をワークステーション10のインターフェース・アダプタに接続する。
しかして、ワークステーション10にインストールしてある制御プログラムに基いて、内管電極2と外管電極3との間に既定のパルス電圧・コマンドを印加してチャネル電流測定器5に入力される単一チャネル電流を検出測定し、ワークステーション10の記録媒体上に記録してゆく。この場合において、第1液流路Tと第2液流路Cに対してイオンチャネル脂質平面膜Mbを境界として両側に存する電解液の各々を種々個別的に交換して測定することにより、有用な医学的・生物学的情報や単一分子の情報を非常にダイナミックに収集ことが可能である。
(4) イオンチャネル解析プロセス
まず、ワークステーション10を操作して第1シリンジ・ポンプ6と第2シリンジ・ポンプ7とを駆動させ、シス−トランス異性液管1における内管11と外管12とに電解質溶液(1M NaCl 溶液) を流し込んで(流量:0.5ml/min)、第1液流路Tおよび第2液流路Cの中に当該電解液を充満させる。
つぎに、ワークステーション10によりインパルス発生器4を電圧固定モードに設定して内管電極2と外管電極3との間に一定波高値のパルス電圧を反復して印加し、電気抵抗と電気容量とをディスプレー10aにより連続的にモニターする。この場合における電気抵抗の目安は 500Ω、電気容量の目安は1pF(浮遊容量)である。
ついで、第2シリンジ・ポンプ7にリン脂質溶液(フォスファチジルコリン 20mg/ml ヘキサデカン)を供給して、ワークステーション10を操作して前記シリンジ・ポンプ7を駆動して、外管12と内管11との間の第2液流路C中に同液を50μl 流し込む。この場合において第2液流路Cの前記リン脂質溶液の液圧は、第1液流路Tの液圧よりも相対的に少し高目にしておくと、微細孔11aに吸引力が生じて脂質平面膜Mが生成され易くなる。この状態において、ディスプレー10aによって電気抵抗と電気容量の増大量を目安に監視し微細孔11aに脂質平面膜Mが生成しているか否かを確認する。この場合における脂質平面膜Mの生成の目安は、電気抵抗が300GΩ、電気容量が10pFである。脂質平面膜が生成されていても十分な特性を示さないときには、ワークステーション10を操作して第1・第2シリンジ・ポンプ6・7を駆動させ、第1液流路Tと第2液流路Cとの間に大きな圧力差を発生させることによって不十分な前記脂質平面膜を破って、再度、前述の操作を行って十分かつ適正な脂質平面膜Mが生成するまで同操作を繰り返す。
微細孔11aに必要な脂質平面膜Mが生成されたところで、この脂質平面膜Mにチャネル分子を組み込むことになる。本発明において組込み対象にできるチャネル分子としては、細胞膜表面に有する膜蛋白質だけでなく、細胞小器官や核などの膜蛋白質、さらには細菌やウィルスの膜蛋白質などに由来するイオンチャネル分子のすべてが含まれるのである。
本解析においては、次のような手順によって解析処理が行われる。
(1) まず、白血病が疑われる患者の血管から注射器を用いて血液を採取し、この採取血液 を遠心分離して白血球細胞だけを含有する試料液を調製する。
(2) つぎに、調製された上記試料液を第2シリンジ・ポンプ7を介し、外管12と内管11と の間の第2液流路Cに流し込む。このとき、第2液流路Cの試料液の液圧を第1液流
路Tより相対的にやゝ高目にしておくと、解析対象の白血球細胞Mbは微細孔11aの コーン状壁面に沿って吸引され受止され易くなる。
(3) こうして、白血球細胞Mbが微細孔11aに受止されたところで、第1シリンジポンプ 6に吸引駆動させて第1液流路T側に露出する当該白血球細胞に陰圧(1mH20)を
瞬間的に(0.1sec) 作用させて陰圧を受けた膜パッチ部分だけを裂開せしめ、ワーク ステーション10に対し全細胞記録状態にする。
(4) ついで、インパルス発生器4により内管電極2にパルス電圧(200mV )を印加する。 白血病に罹患した白血球細胞は、カリウムイオンK+ に反応して膜電位が脱分極する ので、外管電極3に検出される単一チャネル電流を測定する。この単一チャネル電流 はチャネル電流測定器5を介してワークステーション10で記録されることになる。(5) 本発明者が長年にわたる臨床検査を通じて独自に知見した研究成果によれば、チャネ ル電流のパターンがHERGカリウムチャネルを示す場合には白血病診断することが できる。ちなみに、本発明者は、白血球細胞に負荷した電圧を−80mVから+50mV に変化させ、500 msの時間レベルを維持して、再び、−80mVに戻してから10ms 後の電流値を測定して、その値が大きい場合に白血病と診断する。
しかして、上記した本発明方法による白血病の診断方法は、血液と白血球の遠心分離に10分、シス−トランス液流処理によるイオンチャネル解析に要する時間が5分の合計15分にて診断を行うことができるのであって、解析対象の白血球細胞も普通採血法にて得ることができるので、被験者の苦痛も極めて軽いものである。これに対し、現在一般に行われている白血病診断は、白血球細胞を抹消血ではなく、骨髄から採取せねばならないために、被験者には大変な苦痛を与えるうえに、その診断の全経過に少なくとも1時間は必要とされている。このように本発明は白血病の診断に適用される場合だけ例にとっても、従来類例をみないほど画期的な効用をもたらす。
本明細書に具体的に開示する本発明の実施例は上記のとおりであるが、本発明は前述の実施例に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であって、例えば図3に図示するごとく、シス−トランス液管1を複数列設して、一挙に多種類のイオンチャネル脂質平面膜を並行的に解析可能に構成することは本発明の技術的範囲に属することは明らかである。
以上の説明からも明らかなとおり、本発明の提供するイオンチャネル解析方法と装置は構造的に頗る簡素であるにも拘わらず、細胞そのもの、また細胞膜表面の膜蛋白質、細胞小器官や核などの膜蛋白質、さらには細菌やウィルスの膜蛋白質等に由来するイオンチャネル分子を用いて高精度の解析データを獲得できるのであって、医学および生物学上の研究開発に大いに寄与し得ることはもとより、さらにバイオセンサー技術としても活用することができることから、その産業上の利用価値は極めて大きい。
図1は、本発明のイオンチャネル解析装置(実施例)の概略を表わした断面説明図である。 図2は、本実施例装置におけるシス−トランス異性液管の構造および微細孔の形態が理解できるように図1のA−A部分を拡大して示した一部拡大断面図である。 図3は、本発明の装置をマルチプル・タイプ構成した変形実施例を示す概念図である。
符号の説明
1 シス−トランス液管
11 絶縁性内管
11a 微細孔
12 絶縁性外管
2 内管電極
3 外管電極
4 インパルス発生器
5 チャネル電流測定器
6 第1シリンジ・ポンプ
7 第2シリンジ・ポンプ
8 第1集液器
9 第2集液器
10 ワークステーション
10a ディスプレー
C 第2液流路
M 脂質平面膜
Mb イオンチャネル脂質平面膜
T 第1液流路
w 内管の管壁

Claims (11)

  1. 管壁の所定位置に脂質平面膜の生成される微細孔が開設され、かつ、管壁内部には毛細管状の第1液流路を有する絶縁性内管と;この内管を包囲して当該内管の周囲に第2液流路を形成せる絶縁性外管とを含んで構成される同軸管構造のシス−トランス異性液管に対して、
    前記内管と外管の各々には電解液を潅流させて両内外管の内部に電解液を充満させた後、前記外管の第2液流路に脂質溶液を送り込むことによって前記内管の微細孔に脂質平面膜を生成させ、ついで、内管の第1液流路へ解析対象のイオンチャネル分子を含有する試料液を潅流させて前記脂質平面膜に当該イオンチャネル分子を組み込ませ、こうして組込み形成されたイオンチャネル脂質平面膜近傍の第1・第2液流路に設置された一方の電極にパルス電圧を印加して当該イオンチャネル脂質平面膜を通過して両電極間に流れる単一チャネル電流を検出測定することを特徴とするシス−トランス液流方式によるイオンチャネル解析方法。
  2. 内管の微細孔に生成した脂質平面膜が破損したときには、再び外管の第2液流路に脂質溶液を送り込んで前記内管の微細孔に脂質平面膜を生成させてから、内管の第1液流路に解析対象とするイオンチャネル分子を含有する試料液を潅流させて前記脂質平面膜に当該イオンチャネル分子を組み込むことを特徴とする請求項1記載の、シス−トランス液流方式によるイオンチャネル解析方法。
  3. 管壁の所定位置に解析対象となる細胞を受止可能なサイズの微細孔が開設され、かつ、管壁内部には毛細管状の第1液流路を有する絶縁性内管と;この内管を包囲して当該内管の周囲に第2液流路を形成せる絶縁性外管とを含んで構成される同軸管構造のシス−トランス異性液管に対して、
    前記内管と外管の各々には電解液を潅流させて両内外管の内部に電解液を充満させた後、前記第2液流路又は第1液流路に解析対象の細胞を含有する試料液を送り込むことにより前記内管の微細孔に当該細胞を受止せしめる一方、ついで、前記試料液を送り込んだ流路とは反対側の第1液流路又は第2液流路側には瞬間的に陰圧を与えて微細孔に受止された細胞の陰圧側の膜パッチを裂開させ、こうして膜パッチの裂開された微細孔の前記細胞に対し、微細孔に近接して第1・第2液流路内に設置された一方の電極にパルス電圧を印加することにより、当該細胞膜上のチャネル分子を通過して両電極間に流れる単一チャネル電流を検出測定することを特徴とするシス−トランス液流方式によるイオンチャネル解析方法。
  4. 内管の管壁の微細孔が約1μmの孔径サイズに穿孔されており、シス−トランス異性液管の第2液流路又は第1液流路に白血球細胞を含有する試料液を送り込むことにより前記内管の微細孔に当該白血球細胞を受止せしめ、ついで、前記試料液を送り込んだ流路とは反対側の第1液流路又は第2液流路側には瞬間的に陰圧を与えて微細孔に受止された当該白血球細胞における陰圧側の膜パッチを裂開させ、こうして膜パッチの裂開された微細孔の白血球細胞に対し、第1・第2液流路内に設置した一方の電極にパルス電圧を印加することにより、当該細胞膜上のチャネル分子を通過して両電極間に流れる単一チャネル電流を検出測定して白血病罹患の表徴に関する電気的データを取得することを特徴とする請求項3記載の、シス−トランス液流方式によるイオンチャネル解析方法。
  5. 第1液流路と第2液流路との間に相対的な液圧差を設け、内管の管壁における微細孔に液圧の高い流路から低い流路へ吸引力を生ぜしめることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の、シス−トランス液流方式によるイオンチャネル解析方法。
  6. 管壁の所定位置に脂質膜の生成される微細孔が開設され、かつ、管壁内部には毛細管状の第1液流路を有する絶縁性内管,およびこの内管を包囲して当該内管の周囲に第2液流路を形成せる絶縁性外管とを含んで構成される同軸管構造のシス−トランス異性液管と;このシス−トランス異性液管における第1液流路の中に、前記微細孔に近接して配設された内管電極と;前記第2液流路の中に、前記微細孔に近接して配設された外管電極と;前記内管と外管とが形成する第1・第2液流路の中に電解液が潅流充満し、かつ、前記微細孔に解析対象のイオンチャネル分子の組み込まれた脂質平面膜が生成され、又は同微細孔に解析対象の細胞が膜パッチが裂開された状態で受止されている状態において、前記内外の両電極の何れか一方に一定波高値のパルス電圧を印加するインパルス発生器と;前記パルス電圧を印加して前記脂質平面膜を通過する単一チャネル電流を検出測定するチャネル電流測定器とを備えたことを特徴とするシス−トランス液流方式のオンチャネル解析装置
  7. 絶縁性内管の管壁に開設された微細孔が、第1液流路側においては直径が小さく,第2液流路側に至るほど直径が逓増するコーン形状を成していることを特徴とする請求項6記載の、シス−トランス液流方式のイオンチャネル解析装置。
  8. 同軸管構造のシス−トランス異性液管の少なくとも内管における微細孔のコーン形状の孔壁面に疎水処理が施されていることを特徴とする請求項7記載の、シス−トランス液流方式のイオンチャネル解析装置
  9. シス−トランス異性液管の流入側には、内管の第1液流路に所要液を射出して第1液流路に潅流させる第1シリンジ・ポンプと、外管の第2液流路に所要液を射出して潅流させる第2シリンジ・ポンプとを接続する一方、当該シス−トランス異性液管の流出側には、前記第1液流路を潅流してくる前記液を受け入れて収容する第1集液器と、前記第2液流路を潅流してくる前記液を収容する第2集液器とを接続し、さらに第1液流路に配設された内管電極はパルス電圧を発生するインパルス発生器に接続すると共に第2液流路に配設された外管電極はチャネル電流測定器に接続されていることを特徴とする請求項6〜8の何れか一つに記載の、シス−トランス液流方式のイオンチャネル解析装置
  10. シス−トランス異性液管の内管および外管が、透明でフレキシブルな石英ガラスにより作製されている請求項6〜9の何れか一つに記載の、シス−トランス液流方式のイオンチャネル解析装置
  11. 絶縁性内管および絶縁性外管から成るシス−トランス異性液管を、少なくとも2本以上具備している請求項6〜10の何れか一つに記載の、シス−トランス液流方式のイオンチャネル解析装置
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