JP2004132981A - 集積回路化バイオセンサーとその形成法 - Google Patents

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宇理須 恒雄
Tatsugo Teoi
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Abstract

【課題】 装置の小型化が容易であり、高感度で正確な測定が可能であり、かつ取り扱いの容易な集積回路化バイオセンサーを提供する。
【解決手段】 シリコン基板表面上にチャンネルタンパク質のチャンネルの開閉に係わる化学物質が運搬される緩衝液の流路および液溜部として微小な穴もしくは溝を形成し、チャンネルタンパク質が埋め込まれた脂質膜が、緩衝液の流路(6)中に液溜部(9)を覆うように配置され、脂質膜(7)の上方と下方にそれぞれ上部電極(10)、下部電極(11)が設けられたセンサー部を設け、チャンネルタンパク質(8)のチャンネルカレントを増幅するためのトランジスタ、抵抗およびコンデンサを備えた増幅回路部を前記センサー部と同一の基板上に集積する。
【選択図】 図1

Description

 この出願の発明は、集積回路化バイオセンサーとその形成法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、装置の小型化が容易であり、かつ高感度で正確な測定が可能とされる集積回路化バイオセンサーとその形成法に関するものである。
 生命体を構成する細胞表面には種々の膜タンパク質が配置されており、細胞表面の特定サイトへの化学物質(リガンドなどの信号伝達物質)の結合や電気あるいは光の刺激(ゲートトリガー)により膜タンパク質の開口部であるチャンネルが変形し、細胞膜の外と内側の間でのイオンや化学物質の輸送(チャンネルカレント)が制御されている。上記のような制御を行うタンパク質をチャンネルタンパク質といい、図12に示しているようにチャンネルタンパク質(80)が脂質膜(81)に埋め込まれた状態で存在するチャンネルとして生命機能を保っている。
 このような脂質膜(81)とチャンネルタンパク質(80)が固体表面に保持された構造はサポーテッドメンブレン構造と呼ばれ、これを所定のpHの緩衝液中におき、リガンドなどの信号伝達物質の結合に伴って流れるチャンネルカレントを検出するようにしたバイオセンサーが知られている。このようなバイオセンサーをチャンネルプロテインバイオセンサーと呼ぶことができる。このチャンネルプロテインバイオセンサーは、信号伝達物質をタンパク質の分子認識反応を利用して高い選択性で検知するようにしたバイオセンサーである。
 チャンネルプロテインバイオセンサーの構造としては、従来より、1)図13に示しているようにサポーテッドメンブレン構造(82)にチャンネルカレントを計測するための電極(83)を取り付け、その電流をパッチクランプアンプと呼ばれる高感度増幅器で検出する方式のもの(Single ion channel sensitivity in suspended bilayer on micromachined supports (文献1))や、2)サポーテッドメンブレンを直接電極の表面に貼り付け、チャンネルの開閉に伴う膜のインピーダンス変化を測定する方式のものや、さらには3)サポーテッドメンブレンをMOSトランジスタのゲート上に貼り付けそのインピーダンス変化を測定する方式のものなどがある。なお3)の方式のものは2)の方式のものよりさらにチャンネルカレントを高感度に検出しようとするものである。
 しかしながら、従来の1)のサポーテッドメンブレン構造に電極を取り付け、その電極に流れる電流を増幅器で検出するバイオセンサーは、実際には、ガラス基板表面に金を蒸着しこの表面を自己組織有機単分子膜で覆いその上にチャンネルタンパク質を埋め込んだ脂質膜を載せるという素子構造を採用しており、微細加工がしにくいガラスと金を用いているために素子の小型化が容易に行えなかった。また、素子と増幅器とを一体として作ることができないことから全体として装置が大型化してしまい、しかも雑音を拾いやすいという欠点なども有していた。
 また2)や3)のバイオセンサーの構成は1)の方式のものよりは簡単ではあるが、脂質膜と電極との間に緩衝液の層がないため、チャンネルカレントを直接測定するのではなく、膜のインピーダンス変化を測定するという間接的な方法であるため、応答速度が遅く、検出誤りを起こし易いなどの問題を有していた。
 また、Recombinant maxi-K channels on transistor, a prototype of iono-electronic interfacing(文献2)においては、ヒト胎児腎臓細胞を用いてチャンネルカレントを測定するバイオセンサーについて記載されているが、イオンチャンネル部分に自然界の細胞(ヒト胎児腎臓細胞)をそのまま用いて細胞全体のチャンネルカレントを測定しているため、精度の低い測定しか期待できない。また自然界の細胞を用いているためその細胞の生命維持のための手間などを必要としているため取り扱いが面倒なものとなってしまっている。
 また、一方、バイオセンサーとするための加工に電子シンクロトロン放射光等を用いてエッチングによるパターン形成を行う場合には、通常、所定のパターンのコンタクトマスクを用いてパターンを基板に転写するが、従来では、コンタクトマスクの材料としてポリシリコンやアルミニウムを用いることから、エッチング終了後これを除去する際には、反応性の強い薬液を使用しなければならず、これらの薬液が基板に損傷を与えてしまうという問題があった。基板表面に有機材料や生体物質を堆積した後にマスク材料を除去するバイオセンサーの場合にはこのような問題点は無視できないものであった。このような事情から、マスク除去材の薬液による有機材料や生体物質の損傷が顕著であるため、基板や有機材料や生体物質に損傷を与えないで除去することのできるマスク材料の開発が望まれていた。
Y. Cheng, R.J.Bushby, S.D.Evans,P.F.Knowles, R.E.Miles, and S.D.Ogier, Lamgmuir vol 17, (2001) 1240-1242 Bernhard Straub et al., Nature Biotechnology Vol. 19, February 2001
 そこでこの出願の発明は、以上のとおりの従来技術の問題点を解消し、装置の小型化が容易であり、高感度で正確な測定が可能であり、かつ取り扱いの容易な集積回路化バイオセンサーと、基板はもとより基板に堆積した有機材料や生体物質にも損傷を与えることの少ない集積回路化バイオセンサーの形成法を提供することを課題としている。
 この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、まず第1には、シリコン基板表面上に、チャンネルタンパク質のチャンネルの開閉に係わる化学物質が運搬される緩衝液の流路と液溜部が配設されており、緩衝液の流路中には、チャンネルタンパク質が埋め込まれた脂質膜が液溜部を覆うように配置されているとともに、脂質膜の上方と下方にそれぞれ上部電極および下部電極が配設されたセンサー部が備えられており、かつチャンネルタンパク質のチャンネルカレントを増幅するための増幅回路部が、前記センサー部と同一の基板上に集積されていることを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供している。
 第2には、第1の発明において、シリコン基板として、Si/SiO2/Si構造を有するSOI基板を用いることを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供する。
 さらに、第3には、上部電極および下部電極の表面がAgClで覆われていることを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供し、第4には、下部電極がSi表面に金属電極が接する構造を有し、この金属電極がシリコンとの間でオーミックコンタクトとなっていることを特徴とする集積回路化バイオセンサーをも提供し、また第5には、下部電極が表面側からAgCl/Ag/Ptの積層構造を有していることを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供する。
 また第6には、Si基板表面あるいはその酸化物表面の一部あるいは全部が親水性の自己組織有機単分子膜で覆われ、その上に内部が疎水性で上下表面が親水性の脂質二層膜の脂質膜が堆積され、その自己組織有機単分子膜と脂質膜との間に水もしくは緩衝液の層が存在する構造を有していることを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供する。
 第7には、自己組織有機単分子膜が、複数種類の有機分子から構成されており、その一部の種類の有機分子は他の種類の有機分子よりも長く、先端部が疎水性を有しており、脂質膜の内部の疎水性の領域に入り込んでいる構造を有していることを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供する。
 第8には、チャンネルタンパク質を埋め込んだ脂質膜部分の構造として基板上に設置された板状のものに直径1μm以上1000μm以下の穴があけられ、この穴の部分に上下から穴を挟むようにして上部および下部の脂質膜が張り合わされた構成であってかつ上部の脂質膜は上面が親水性であり下面が疎水性であって下部の脂質膜は下面が親水性であり上面が疎水性であり、これにより穴の部分において上下二層の脂質膜が疎水性相互作用によって張り合わされた構成となっていることを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供する。
 第9には、Si基板表面あるいはその酸化物表面に先端部が疎水性である有機分子が島状成長して自己組織有機単分子膜の島を形成しており、その自己組織有機単分子膜の島が脂質膜の内部の疎水性の領域に入り込んでいることを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供する。
 第10には、脂質膜、チャンネルタンパク質、液溜部、流路および電極対が複数配置されたセンサー部と、それぞれの電極対に対応した複数の増幅回路部がセンサー部と同一シリコン基板上に集積されていることを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供する。
 第11には、脂質膜の上方と下方の電極対が1つの脂質膜部の面内に複数対形成されており、それぞれの電極対に対応した複数の増幅回路部が集積されており、脂質膜面内でのチャンネルカレントの分布とその時間変化が計測できることを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供する。
 第12には、下部電極が所定の厚みの絶縁膜に覆われており、当該絶縁膜には上部電極との間の電流を通すための穴が設けられており、当該穴の径が、脂質二重膜の脂質膜を形成する物質が当該緩衝液内において形成するベシクルの径よりも小さいことを特徴とする集積回路化バイオセンサーを提供する。
 第13には、集積回路化バイオセンサーの流路および液溜部を、電子シンクロトロン放射光エッチングにより形成することを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法を提供する。
 第14には、集積回路化バイオセンサーの流路、液溜部および絶縁膜の穴を、電子シンクロトロン放射光エッチングにより形成することを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法を提供する。
 第15には、絶縁膜の穴を形成する際に行う電子シンクロトロン放射光エッチングにおいて用いるエッチングマスクの厚みに所定の分布を持たせることを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法を提供する。
 第16には、電子シンクロトロン放射光エッチングの反応ガスとしてフッ素系ガスを用いることを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法を提供し、第17には、電子シンクロトロン放射光エッチングの反応ガスとしてSF6またはXeF2を用いることを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法をも提供する。
 また第18には、電子シンクロトロン放射光エッチングの反応ガスとしてフッ素を含む化合物ガスと酸素ガスの混合ガスを用いることを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法を提供する。
 第19には、電子シンクロトロン放射光エッチングのエッチングマスク材料として酸の水溶液にて溶解しやすい金属の薄膜を用いることを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法を提供する。
 第20には、金属の薄膜としてCo、Ni、Feあるいはこれらの合金を用いることを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法を提供する。
 第21には、電子シンクロトロン放射光エッチングの終了後、エッチングマスクの除去を酸の水溶液を用いて行うことを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法を提供する。
 第22には、電子シンクロトロン放射光エッチングした領域に疎水性の有機化合物を堆積し、その後Coを除去し、Coが除去された領域に親水性の有機化合物を堆積することにより、領域選択的に親水性と疎水性の領域を形成することを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法をも提供する。
 以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、タンパク質1つのチャンネルカレントを直接測定することができ、また基板上に電子回路をセンサー部と一体の集積回路として作製することが可能なため、増幅器部も含めると従来素子と比較して百万分の一程度に素子を小型化することができる。
 このため体内に埋め込んで病気の診断をしたり、ドラッグデリバリーを行うなどの新しい応用が開かれる。また、構造的にタンパク質1つのチャンネルカレントを直接測定できる方式であるので、センサー部と増幅回路部が一体となっていることで雑音を拾いにくいというという特性と併せて、極めて高感度かつ正確な測定を行うことが可能となる。また、複数の信号伝達物質の同時計測や脂質膜面内でのチャンネルカレントの分布など、従来のバイオセンサーではなし得なかった測定が可能となる。
 この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
 この出願の発明の集積回路化バイオセンサーでは、前述のとおり基本的に、シリコン基板表面上に、微小な穴もしくは溝からなる、チャンネルタンパク質のチャンネルの開閉に係わる化学物質が運搬される緩衝液の流路と液溜部が配設されており、緩衝液の流路中には、チャンネルタンパク質が埋め込まれた脂質膜が液溜部を覆うように配置され、その脂質膜の上方と下方にそれぞれ上部電極および下部電極が配設されたセンサー部が備えられており、かつチャンネルタンパク質のチャンネルカレントを増幅するための増幅回路部を、流路を含むセンサー部と同一の基板上に集積していることを大きな特徴としている。
 以上のように、この出願の発明の集積回路化バイオセンサーでは素子の小型化が可能となり、増幅回路部も含めると従来素子と比較して100万分の1程度まで小型化することができる。
 また、この出願の発明の集積回路化バイオセンサーでは、タンパク質1つのチャンネルカレントを直接測定することができる方式としていることから、センサー部と増幅回路部を一体の集積回路とすることによって雑音を拾いにくくできるという特性と併せて、極めて高感度かつ正確な測定が可能となる。また、人工細胞膜面内の電流分布も測ることも可能となる。
 センサー部、さらには増幅回路部を形成するシリコン基板としてはSi/SiO2/Si構造を有するSOI基板を好適に用いることができる。すなわちSOI基板を用いることによって数ピコアンペアという非常に微小なチャンネルカレントの場合にもリーク電流の少ない素子間分離を行うことが可能となる。なお、この出願での“シリコン基板”とはSi基板上にSiO2層およびSi層が堆積されたSOI基板、およびSOI基板にさらにSiO2層を堆積したものを含んだものを意味する。
 また、上部電極および下部電極の表面をAgClで覆われた状態とすることで、電極表面の電位を一定に保つことができる。また下部電極をSi表面にPtなどの金属電極が接する構造とし、この金属電極をSiとの間でオーミックコンタクトとすることで、雑音の原因となる、Si表面と金属電極との間の接触電位をほぼ0とでき、微小なチャンネルカレントを精度よく測定することが可能となる。とくに下部電極を、表面側からAgCl/Ag/Ptの積層構造とした場合に微小なチャンネルカレントを極めて精度よく測定することができる。
 またこの出願の発明の集積回路化バイオセンサーでは、センサー部の脂質膜が配置される箇所において、Si基板表面あるいはその酸化物表面の一部あるいは全部を親水性の自己組織有機単分子膜で覆い、その上に内部が疎水性で上下表面が親水性の脂質二層膜の脂質膜を堆積し、その自己組織有機単分子膜と脂質膜との間に水もしくは緩衝液の層が存在する構造とすることにより、脂質膜と親水性の自己組織単分子膜との間に薄い水の層を介することで、脂質膜が緩衝液内で安定に存在することができる構成とすることができる。
 さらに、自己組織有機単分子膜を複数種類の有機分子から構成し、その一部の種類の有機分子が他の種類の有機分子よりも長く先端部が疎水性を有するものとすることにより、自己組織有機単分子膜の一部が脂質膜の内部の疎水性の領域に入り込んだ状態とすることができ、このようにすることで流動性の脂質膜をさらに緩衝液中で安定に保持することができる。このような自己組織単分子膜の一例としては、先端が疎水性のものとしてはオクテニルトリクロロシラン(OTS)がある。また親水性のものとしては、オクテニルトリクロロシランを堆積後、その表面を酸化してCOOH基にしたもの、先端がCOOCH3などのアルキルエステルとなっている自己組織単分子膜を形成した後、個の部分を酸で加水分解してCOOH期に変換したもの、あるいは、先端がアミノ基(−NH2)となったものなどが例示されるが、同様な構造でCH2鎖を長くしたものなどほかにも各種のものが利用できる。さらに、自己組織単分子膜の中にCH2鎖が長く且つ先端部が疎水性となっており、脂質膜内部に突き刺さって流動性の脂質膜を緩衝液中で安定に保持する役目を果たすアンカー分子を混入することも可能である。このようなアンカー分子は、−CH2鎖の長いアルキル単分子膜を用いたり、あるいは表面がCOOH基に変換された後、先端にOH基を有する長鎖分子と反応させることにより導入が可能である。
 あるいはこの出願の発明の集積回路化バイオセンサーでは、チャンネルタンパク質を埋め込んだ脂質膜部分の構造として、基板上に設置された厚み1μm以上1000μm以下の板状のものに直径1μm以上1000μm以下の穴があけられ、この穴の部分に上下から穴を挟むようにして上部および下部の脂質膜が張り合わされた構成とし、かつ上部の脂質膜は上面を親水性とし下面を疎水性とし、また下部の脂質膜は下面を親水性とし上面を疎水性として、これにより穴の部分において上下二層の脂質膜の脂質膜が疎水性相互作用によって張り合わされた構成とすることも可能である。
 またあるいはこの出願の発明の集積回路化バイオセンサーのセンサー部の脂質膜が配置される箇所においては、Si基板表面あるいはその酸化物表面に先端部が疎水性の有機分子を島状成長させて自己組織有機単分子膜の島を形成し、その自己組織有機単分子膜の島が脂質膜の内部の疎水性の領域に入り込んだ状態とすることができ、このようにすることによって、疎水性である自己組織有機単分子膜の島の先端部が、疎水性相互作用により脂質膜の内部の疎水性の領域に食い込んで、脂質膜を確実に基板上につなぎとめることができる。すなわち自己組織有機単分子膜の島がアンカーの役割を果たすのである。このような自己組織単分子膜の一例としては、たとえばオクテニルトリクロロシラン(OTS)がある。
 なおこの出願の発明の集積回路に用いるタンパク質や脂質膜については、自然界あるいは人工的に存在するすべての脂質膜およびチャンネルタンパク質に適用することができる。
 そして、この出願の発明の集積回路化バイオセンサーは、脂質膜、チャンネルタンパク質、液溜部、流路および電極対が複数配置されたセンサー部と、それぞれの電極対に対応した複数の増幅回路部がセンサー部と同一シリコン基板上に集積されている構成とすることもでき、このような構成とすることにより複数の種類の信号伝達物質を同時に計測することが可能となる。
 さらには、この出願の発明の集積回路化バイオセンサーは、脂質膜の上方と下方の電極対を1つの脂質膜部の面内に複数対形成し、それぞれの電極対に対応して増幅回路部を集積し、脂質膜面内でのチャンネルカレントの分布とその時間変化が計測できるようにすることも可能である。このようにすることで、複数の信号伝達物質の同時計測や脂質膜面内でのチャンネルカレントの分布など従来のバイオセンサーではなし得なかった測定が可能となる。
 また下部電極を所定の厚みの絶縁膜により覆い、当該絶縁膜には上部電極との間の電流を通すための穴を設け、当該穴の径を、脂質二重膜の脂質膜を形成する物質が当該緩衝液内において形成するベシクルの径よりも小さいものとすることも可能である。ゆがみの少ない脂質二重膜の形成法としてベシクルフージョンがよく知られており、水中では脂質二重膜はマリモのような形をしており、これはベシクルと読ばれており、このベシクルを固体表面に供給し、表面で平らな二重膜を形成することをベシクルフージョンという。この場合に用いるベシクルの寸法が、電極の穴の径より小さいと、ベシクルが電極の穴の中にも入ってしまうため、絶縁膜に形成する穴はこのベシクルの径よりも小さいものとする必要がある。そして、このようにすることで、歪の少ない脂質二重膜が形成されるのである。
 またこの出願の発明の集積回路化バイオセンサーは、流路および液溜部を電子シンクロトロン放射光エッチングにより形成することができ、下部電極を絶縁膜で覆いその絶縁膜に穴を設けた場合には、流路、液溜部および絶縁膜の穴を電子シンクロトロン放射光エッチングにより形成できる。このようにすることで、シリコン基板上に側壁が垂直で底面が非常に平らな流路、液溜部を形成することができ、また絶縁膜の穴における側壁を垂直にすることができ、また穴の底面を非常に平ら(凸凹0.4nm程度)にすることができ精度の良い加工を行うことができる。
 またとくに絶縁膜の穴を形成する際に行う電子シンクロトロン放射光エッチングにおいて用いるエッチングマスクの厚みに所定の分布を持たせることで、一度の照射でエッチングとともに残った絶縁膜に厚み分布を持たせることが可能となる。
 なお、電子シンクロトロン放射光エッチングの際に反応ガスとしてフッ素系ガスを用いることができる。とくに電子シンクロとロン放射光エッチングの反応ガスとしてSF6またはXeF2を好適に用いることができ、また放射光エッチングの反応ガスとしてフッ素を含む化合物ガスと酸素ガスの混合ガスがとくに好適に用いられる。
 電子シンクロトロン放射光エッチングのエッチングマスク材料として10%以下の低濃度の酸水溶液にて溶解しやすい金属の薄膜を用いることができ、とくにその金属の薄膜としてCo、Ni、Feあるいはこれらの合金を好適に用いることができる。
 電子シンクロトロン放射光エッチングの終了後、上記の金属薄膜からなるエッチングマスクの除去を前述のとおりの10%以下の低濃度の塩酸、硝酸あるいはフッ酸などの酸の水溶液を用いて行うことで、エッチング時およびエッチング後のエッチングマスク除去時に、基板のみならず基板に堆積した有機材料あるいは生体物質を損傷するのを防止することができる。
 放射光エッチングした領域に疎水性の有機化合物を堆積し、その後Coを除去し、Coが除去された領域に親水性の有機化合物を堆積することにより、領域選択的に親水性と疎水性の領域を形成することも可能となる。このような親水性有機物と疎水性の有機物の領域選択的塗布はさらにその上にタンパク質を選択的に堆積することができるため、バイオセンサーなどを製造する上で基礎技術として有用なものとなる。
 以下、添付した図面に沿って、この出願の発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施の形態例1>
 図1および図2は、この出願の発明の集積回路化バイオセンサーの一例を示したものである。
 この図1の例においては、Si基板(1)の上にSiO2層(2)、さらにその上に活性層と呼ばれるSi単結晶層(3)が堆積されており、これらSi基板(1)、SiO2層(2)およびSi単結晶層(3)の全体はSOI基板と呼ばれているものである。集積回路化バイオセンサーにSOI基板を使用する理由は、チャンネルカレントが通常、数ピコアンペアと非常に微小であるため、リーク電流の少ない素子間分離を行う必要があるためである。
 SOI基板の上にスピンオングラス法で堆積されたSiO2絶縁層(4)は、電子回路のメタライゼーションを行い、かつ上蓋(5)とともにバイオセンサーの流路(6)を構成している。この流路(6)には、脂質膜(7)、チャンネルタンパク質(8)が配設され、その下部には緩衝液を満たした液溜部(9)が配設されている。
 チャンネルタンパク質(8)の上方には上部電極(10)が上蓋(5)に埋め込まれた状態で設けられており、液溜部(9)の下部には下部電極(11)(図2参照)が設けられている。さらにその下部電極(11)の電流を流路(6)の外部に導くためにイオン注入法により形成した高ドープ領域(12)がSi単結晶層(3)中に形成されている。そしてチャンネルカレントをSiO2絶縁層(4)の上部に取り出すためのビアホール(13)がSiO2絶縁層(4)中に設けられている。
 また、図1に例示したように、ゲート電極(14)、素子間分離のSiO2(15)、ソース(16)およびドレイン(17)によってチャンネルカレントを増幅するためのMOSトランジスタが構成されている。そしてSiO2絶縁層(4)の上部に信号を取り出すためのビアホール(18)、(19)、(20)と、増幅回路の入力抵抗(21)も設けられている。
 次に図2(a),(b)に例示した要部拡大図に基づいてセンサー機能を発揮する上で集積回路化バイオセンサーの心臓部と言えるタンパク質を集積した部分について説明すると、Pt薄膜(22)、Ag薄膜(23)並びにAgCl薄膜(24)が配置され、表面が親水性の自己組織有機単分子膜(25)も配置されている。そして、この自己組織有機単分子膜(25)に結合する先端部が疎水性の長鎖の有機分子であるアンカー分子(26)が脂質膜(7)の中に食い込んで脂質膜(7)を安定に保持する役割を果たしている。
 また、図2(b)においては、脂質膜(7)を安定に保持する方法として、アンカー分子ではなく、厚み1μm以上1000μm以下の板状物質(42)に直径1μm以上1000μm以下の穴をあけ、この穴の部分に上下から穴を挟むようにして上部および下部の脂質膜(7)を張り合わせる構成であって、かつ、上部の脂質膜は上面を親水性とし下面を疎水性とし、下部の脂質膜は下面を親水性とし上面を疎水性として、これにより、穴の部分において上下二層の脂質膜(7)が疎水性相互作用によって張り合わされた構成となっている。なお、この板状物質(42)はスペーサ(43)によりシリコン基板に取付固定されている。
 板状物質(42)の材料としては、Si、石英、SiO2、テフロン(登録商標)などのプラスチックスあるいはセラミックスなどが挙げられるが、表面が親水性材料の場合は、自己組織単分子膜の塗布などにより表面を疎水性にしておく必要がある。またこの構成の場合は単に脂質膜を安定に保持するということ以外に、脂質膜(7)を保持する板状物質(42)と下のシリコン基板部とを切り離せる構造となっているので、脂質膜(7)およびチャンネルタンパク質(8)が劣化した場合、これを容易に交換できるという利点がある。
 また図2(c)に示すように、基板表面がSiO2絶縁層(4)のときに、アンカーとして先端部が疎水性の有機分子であるオクテニルトリクロロシラン(OTS)を島状成長させた自己組織有機単分子膜の島を形成し、その自己組織有機単分子膜の島を、脂質膜の内部の疎水性の領域に入れ込んだ。具体的にはOTSの10mMの四塩化炭素溶液に、SiO2絶縁層(4)を420秒浸すと図3(a)に示すような島状のOTSの自己組織単分子膜(45)が得られた。その後、フッ酸でSiO2絶縁層(4)の表面を数〜数十Åほどエッチングし(図3(b)参照)、島状のOTSの自己組織有機単分子膜(45)の根本を親水性とし、その表面全体にLB膜法あるいはベシクル溶融法で脂質二重膜(DPPC:Dipalmitoyl phosphatidylcholine)(7)を堆積したところ、図2(c)に示すように島状のOTSの自己組織有機単分子膜(45)の先端がアンカーとして脂質二重膜(7)を固定し、SiO2絶縁層(4)と脂質二重膜(7)の間には薄い水の層(46)のある構造が自己組織的に得られた。このような構造を形成するのに、自己組織有機単分子膜(45)や脂質二重膜(7)の材料としてOTSやDPPCに限る必要はなく、それぞれ、先端が疎水性の自己組織有機単分子膜を形成するもの、および脂質二重膜を形成するものであればどのようなものでもこのような構造を形成することは可能である。また、上記の説明では、OTSを自己組織的に島状成長をしたものを用いるとしたが、平面に均一に成長したOTS膜をリソグラフィの手法により、所定のパタン形状にしたものをアンカーとして用いても同様の効果が得られることは自明である。
 以上の図1および図2(a)、(b)、(c)に例示した集積回路化バイオセンサーの動作原理を説明すると、まず、図2(a)、(b)に示しているように、チャンネルタンパク質(8)は脂質膜(7)に埋め込まれ、それらが緩衝液の中に浸されているため、チャンネルとしての生命機能を長時間維持できるようにされている。
 チャンネルタンパク質(8)と反応するリガンド、つまり信号伝達物質が図1の流路(6)においてチャンネルタンパク質(8)の位置にまで移送されチャンネルタンパク質(8)と反応すると、チャンネルタンパク質(8)のチャンネルが開き、イオンカレントが上部電極(10)から下部電極(11)に流れ高ドープ領域(12)を通って増幅回路部へと流れる。ここで、上部電極(10)には所定の電圧が印加されているものとする。
 この集積回路化バイオセンサーにおいては、イオンカレントは増幅回路部の、たとえば抵抗値が100MΩ〜1GΩの入力抵抗(21)に入力される構成となっている。またチャンネルカレントが微小なため、リーク電流を抑えるために設けられている素子間分離(15)が重要な役割を果たしている。なお増幅器としての電子回路部については既存の技術により形成することができる。
 以上より、この出願の発明の集積回路化バイオセンサーが生体物質であるリガンド信号伝達物質を検出するチャンネルプロテインバイオセンサーとして動作することが理解される。
 この集積回路化バイオセンサーの重要な特徴点は、流路を含むセンサー部と増幅回路とが同一のシリコン基板上に集積されている点である。これにより素子自体を小さくすることができ、非常に微小な信号に対しても高精度の測定を行うことが可能となる。なお液溜部(9)の大きさについては特に限定するものではないが、たとえばその径が0.5μm〜数百μmと幅広く目的に応じたものとすることができる設計の自由度を有している。また上部電極(10)は、下部電極(11)と同様に表面がAgCl膜で被覆されたものとすることができる。AgCl膜は電極表面の表面電位を一定に保つ上で有効な材料である。
 上部電極(10)の材料は抵抗の低いものであればよく、通常Alが用いられ、この例では上部電極(10)は表面側からAgCl/Ag/Alの構造としている。下部電極(11)の構成は、シリコン表面での接触電位を小さくするため、表面側からAgCl/Ag/Ptの構成とし、蒸着後200〜250℃、30分のアニールを加えてPt−Siの接触がオーミックコンタクトとなるようにしている。このような構成とすることは微小なチャンネルカレントを精度よく測定する上で重要である。
 さらに液溜部(9)を構成するSiO2層(4)の表面は、図2(a)、(b)に示しているように表面が親水性の自己組織有機単分子膜(25)で覆われている。脂質膜(7)は脂質二層膜の構造を有し、上下の表面は親水性で内部が疎水性となっていることから、脂質膜(7)は親水性の自己組織単分子膜(25)の存在によってこれとの間に薄い水の層を介して安定に存在することができる。
 自己組織単分子膜の一例としては、たとえばオクテニルトリクロロシランを、堆積後表面を酸化してCOOH基に変換した物質が例示されるが、これに限定されることはない。同様な構造でCH2鎖を長くしたものなど、ほかにも各種の物質が考慮される。さらに、この例では、自己組織単分子膜(25)の中にCH2鎖が長く且つ先端部が疎水性で、脂質膜内部に突き刺さって、流動性の脂質膜を安定に保持する役目を果たすアンカー分子(26)が配置されている。このアンカー分子(26)は、たとえば表面がCOOH基に変換された後、部分的にBrij76やTritonX-100(登録商標)等の先端にOH基を有する長鎖分子と反応させることにより導入することが可能である。
<実施の形態例2>
 図4は、この出願の発明の集積回路化バイオセンサーの平面配置の構成の一例を示したものである。
 この例では、複数の流路(27A)、(27B)、(27C)とチャンネルタンパク質集積部(28A)、(28B)、(28C)を含むセンサー部と対応する複数の増幅器(29A)、(29B)、(29C)が集積された構成を有している。個々のセンサー部の構成は実施例1と同様としている。このような構成とすることにより複数の種類の信号伝達物質を同時に計測することが可能となる。
<実施の形態例3>
 図5は、さらにこの出願の発明の集積回路化バイオセンサーの平面配置構成の他の例を示したものである。流路(6)および液溜部(9)はそれぞれ1つであるが、上部電極(30A)、(30B)、(30C)、(30D)、(30E)と下部電極(31A)、(31B)、(31C)、(31D)、(31E)がそれぞれ複数設置されており、液溜部(9)内で上部および下部の対電極が複数(図4では25対)対向して設置された構成となっている。下部電極(31A)、(31B)、(31C)、(31D)、(31E)の入力電流と増幅器(32A)、(32B)、(32C)、(32D)、(32E)の出力の相関を調べ、これによりチャンネルカレントの面内分布と必要に応じてその時間変化が測定可能となっている。
<実施の形態例4>
 次に放射光エッチングによる集積回路化バイオセンサーの形成法の一例を図6に沿って説明する。
A: まず図6(a)に示したように、酸化によってSi基板(33)表面に厚さ約200nmのSiO2薄膜(34)を形成する。そしてそのSiO2薄膜(34)の表面に、図6(b)に示したように、所定パターンを有するレジスト(35)を堆積し、さらに図6(c)のように、レジスト(35)およびSiO2薄膜(34)上にCo金属薄膜(36)を堆積する。その後、図6(d)に示したようにレジスト(35)を除去する。なおCo金属薄膜(36)の厚みは数nmから数百nmのものでよく、この実施例では厚さ200nmだけ堆積している。
 次いで、図6(e)に示したように、SF6に酸素5%程度を添加した反応ガスを用いて基板表面に電子シンクロトロン放射光を約1時間照射する。そして図6(f)に示したように、最終的にCo金属薄膜(36)を除去し、これによりSiO2がエッチングされてSi基板上に所望のSiO2薄膜(34)のパターンを得ることができる。図7(a)(b)は、各々その走査型電子顕微鏡写真と段差計によって測定されたパターンの断面の形状を例示したものである。Coの真空紫外光領域での吸収係数を図8に例示したが、この図8のデータより200nm程度の厚みのCoで放射光はほぼ全部吸収されるため、放射光エッチングに対しCoマスクとしての役目を十分に果たすことがわかる。
 また図7を見てもわかるように、Coが存在した表面はほとんど放射光照射によって損傷を受けておらず、Coがエッチングに対して十分な耐性を有していることも確認される。
 なお、Coは一般にHCl、HF、HNO3などの低濃度の溶液によって溶解することが知られているが、この実施例では、図6(f)の工程において、0.01規定の濃度の希硝酸溶液によって除去している。
B: Coが低濃度の酸の溶液によって容易に除去されるという性質を利用して、Coをエッチングマスクとして用い、放射光エッチングにより親水性と疎水性の有機物薄膜を形成した。
 図9は、この形成プロセスを示したものである。
 まず、前記の図6(e)の工程に対応する図9(a)に示したように、SiO2薄膜(34)の放射光エッチングを行い、その後、エッチングされたシリコン基板(33)の表面が薄いSiO2で覆われていることを利用して、シリコン基板(33)をオクタデシルトリクロロシラン(OTS)の1mMトルエン溶液に約1時間浸漬し、図9(b)のように、エッチングされた表面のみにOTSの自己組織有機単分子膜(37)を配設する。OTSの自己組織有機単分子膜(37)の表面はCH3基で覆われているため疎水性である。
 なお、放射光エッチング後の表面の薄いSiO2を希フッ酸で除去し、表面を水素で終端されたSiとした後、基板をドデセンに約160度で約2時間浸漬することによってエッチング表面にドデセンの自己組織単分子膜を形成することができる。この方法によっても表面がCH3で覆われた疎水性表面とすることができる。以後の工程は疎水性表面がOTSでもドデセンでも同じである。
 次いで、図9(c)に示したように、Co(36)を希硝酸により除去し、露出されたSiO2の表面を、オクテニルトリクロロシラン(OTTS)の1〜2mMのトルエン溶液に基板を30分〜1時間60℃で浸漬することでOTTSの自己組織単分子膜(38)で覆う。
 次に基板をKMnO4とクラウンエーテルの混合物をベンゼンに溶解した溶液に浸漬し、約50時間放置するとOTTSの自己組織単分子膜(38)の表面のCH=CH2の基が酸化され、表面がCOOH基に変換される。これにより、図9(d)に示したように、CH3で覆われたOTSの自己組織単分子膜(37)からなる疎水性の領域とCOOHで覆われた親水性の領域(39)を領域選択的に形成することができる。また、先端がCH=CH2のOTTSにかわって、先端がメチルエステル、−COOCH3となっているものをもちい、堆積後加水分解を行うことによっても表面をCOOH基とすることができる。
<実施の形態例5>
 図10は、この出願の発明の集積回路化バイオセンサーの主要部の、センサー心臓部とも言える液溜部の形成プロセスを拡大して例示したものである。まず、図10(a)(b)のように、SOI基板のSi単結晶層(3)とスピンオングラス法で堆積したSiO2層(4)に、電子シンクロトロン放射光エッチングのためのCoコンタクトマスク(40)を堆積する。
 電子シンクロトロン放射光エッチングの反応ガスとしては、酸素を添加したSF6やXeF2などのフッ素を含有するガスが適しており、その場合Coコンタクトマスクの厚みは200〜数百nmとすることができる。放射光エッチングを行うと、エッチングが自動的に単結晶Si(3)の表面でほぼ完全に停止し、しかも停止した後のSi表面が原子レベルで平坦になる。このSi表面が平坦であることは、液溜部の厚みを薄くする上で重要である。次に図10(c)に示したように、熱酸化により液溜部を構成するための酸化膜(41)を形成する。この場合も熱酸化であるため原子レベルで均一な膜厚でかつ平坦な表面とすることができる。次に、図10(d)(e)のように、液溜部を形成するためのコンタクトマスク(40)を再び堆積し、再び放射光エッチングを行うことにより液溜部を形成することができる。この場合もエッチングがSi表面で停止し、かつエッチング後の表面が原子レベルで平坦であるという放射光エッチングの特性が生かされている。さらに放射光エッチングの場合局所的にエッチングが可能で、増幅回路部(電子回路部)を先に完成した後にセンサー部の加工を行っても、増幅回路部に損傷などの悪影響を与えることはない。
<実施の形態例6>
 図11は、この出願の発明の集積回路化バイオセンサーの主要部分の具体的な形成法の他の一例の手順を示したプロセス断面図を示したものである。
 図11(a)に示すように、たとえばAgCl/Ag/Ptからなる電極(11)と熱酸化膜(44)の形成されたSi基板(3)にたとえばSOGによって形成されるSiO2膜の上に面内にて厚み分布を有する、エッチングマスクとしてのCo金属薄膜(36)を堆積する。
 次に図11(b)に示すように、たとえばSF6+O2を反応ガスとして放射光エッチングガスを行うと、Co金属薄膜(36)の膜厚が薄い領域ではSOGによって形成したSiO2絶縁層(4)は膜厚が収縮し、Co金属薄膜(36)の膜厚が厚い領域は変化しないので段差ができる。
 そして図11(c)に示すように、エッチングマスクとしてのCo金属薄膜(36)を希硝酸などにより部分的に溶解除去し、Co金属薄膜(36)を除去したSiO2絶縁層(4)の表面に島状成長した自己組織有機単分子膜(45)を形成し、図11(d)に示すように、残りのCo金属薄膜(36)を再度希硝酸などで溶解除去すれば、脂質膜とタンパク質を堆積するための基板が完成する。このようにすることで、一度の電子シンクロトロン放射光の照射でエッチングとともに残った絶縁膜に厚み分布を持たせることができるのであり、これにより絶縁膜の穴を良好に形成することができるのである。
この発明の集積回路化バイオセンサーの全体構成を例示した断面構成図である。 この発明の集積回路化バイオセンサーのセンサー部の要部拡大構成図である。 図2(c)の集積回路化バイオセンサーのセンサー部の形成の工程を示す概念図である。 センサー部および増幅回路部が複数存在する場合の集積回路化バイオセンサーの平面配置図である。 上部電極および下部電極と、それに対応して増幅回路部が複数存在する場合の集積回路化バイオセンサーの平面配置図である。 電子シンクロトロン放射光エッチングを用いた集積回路化バイオセンサーの形成法の手順を例示したプロセス断面図である。 電子シンクロトロン放射光エッチングで形成したシリコン上のパターンの走査型電子顕微鏡写真(a)と断面の形状(b)を示した図である。 Coの真空紫外光領域での吸収係数を例示した図である。 親水性有機物と疎水性有機薄膜の領域選択的形成プロセスを例示した断面図である。 この出願の発明の集積回路化バイオセンサーの主要部分の具体的な形成法の手順を例示したプロセス断面図である。 この出願の発明の集積回路化バイオセンサーの他の形成法の手順を例示したプロセス断面図である。 チャンネルタンパク質が脂質膜に埋め込まれた状態を示した概念図である。 従来のチャンネルプロテインバイオセンサーの構成の一例を示した斜視図である。
符号の説明
 1 Si基板
 2 SiO2
 3 Si単結晶層
 4 SiO2絶縁層
 5 上蓋
 6 流路
 7 脂質膜
 8 チャンネルタンパク質
 9 液溜部
 10 上部電極
 11 下部電極
 12 高ドープ領域
 13 ビアホール
 14 ゲート電極
 15 素子間分離のSiO2
 16 ソース
 17 ドレイン
 18,19,20 ビアホール
 21 入力抵抗
 22 Pt薄膜
 23 銀薄膜
 24 AgCl薄膜
 25 自己組織有機単分子膜
 26 アンカー分子
 27A,27B,27C 流路
 28A,28B,28C チャンネルタンパク質集積部
 29A,29B,29C 増幅器
 30A,30B,30C,30D,30E 上部電極
 31A,31B,31C,31D,31E 下部電極
 32A,32B,32C,32D,32E 増幅器
 33 Si基板
 34 SiO2薄膜
 35 レジスト
 36 Co金属薄膜
 37 OTSの自己組織有機単分子膜
 38 OTTSの自己組織単分子膜
 39 親水性の領域
 40 コンタクトマスク
 41 SiO2薄膜
 42 板状物質
 43 スペーサ
 44 熱酸化膜
 45 自己組織有機単分子膜
 46 薄い水の層

Claims (22)

  1.  シリコン基板表面上に、
     チャンネルタンパク質のチャンネルの開閉に係わる化学物質が運搬される緩衝液の流路と液溜部が配設されており、緩衝液の流路中には、チャンネルタンパク質が埋め込まれた脂質膜が液溜部を覆うように配置されているとともに、脂質膜の上方と下方にそれぞれ上部電極および下部電極が配設されたセンサー部が備えられており、かつチャンネルタンパク質のチャンネルカレントを増幅するための増幅回路部が、前記センサー部と同一の基板上に集積されていることを特徴とする集積回路化バイオセンサー。
  2.  シリコン基板として、Si/SiO2/Si構造を有するSOI基板を用いることを特徴とする請求項1に記載の集積回路化バイオセンサー。
  3.  上部電極および下部電極の表面がAgClで覆われていることを特徴とする請求項1または2に記載の集積回路化バイオセンサー。
  4.  下部電極がSi表面に金属電極が接する構造を有し、この金属電極がSiとの間でオーミックコンタクトとなっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の集積回路化バイオセンサー。
  5.  下部電極が表面側からAgCl/Ag/Ptの積層構造を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の集積回路化バイオセンサー。
  6.  Si基板表面あるいはその酸化物表面の一部あるいは全部が親水性の自己組織有機単分子膜で覆われ、その上に内部が疎水性で上下表面が親水性の脂質二層膜の脂質膜が堆積され、その自己組織有機単分子膜と脂質膜との間に水もしくは緩衝液の層が存在する構造をなしていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の集積回路化バイオセンサー。
  7.  自己組織有機単分子膜が、複数種類の有機分子から構成されており、その一部の種類の有機分子は他の種類の有機分子よりも長く、先端部が疎水性を有しており、脂質膜の内部の疎水性の領域に入り込んでいることを特徴とする請求項6に記載の集積回路化バイオセンサー。
  8.  チャンネルタンパク質を埋め込んだ脂質膜部分の構造としてシリコン基板上に設置された板状のものに直径1μm以上1000μm以下の穴があけられ、この穴の部分に上下から穴を挟むようにして上部および下部の脂質膜が張り合わされた構成であってかつ上部の脂質膜は上面が親水性であり下面が疎水性であって下部の脂質膜は下面が親水性であり上面が疎水性であり、これにより穴の部分において上下二層の脂質膜が疎水性相互作用によって張り合わされた構成となっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の集積回路化バイオセンサー。
  9.  Si基板表面あるいはその酸化物表面に先端部が疎水性である有機分子が島状成長して自己組織有機単分子膜の島を形成しており、その自己組織有機単分子膜の島が脂質膜の内部の疎水性の領域に入り込んでいることを特徴とする請求項6に記載の集積回路化バイオセンサー。
  10.  脂質膜、チャンネルタンパク質、液溜部、流路および電極対が複数配置されたセンサー部と、それぞれの電極対に対応した複数の増幅回路部がセンサー部と同一シリコン基板上に集積されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の集積回路化バイオセンサー。
  11.  脂質膜の上方と下方の電極対が1つの脂質膜部の面内に複数対形成されており、それぞれの電極対に対応した複数の増幅回路部が集積されており、脂質膜面内でのチャンネルカレントの分布とその時間変化が計測できることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の集積回路化バイオセンサー。
  12.  下部電極が所定の厚みの絶縁膜に覆われており、当該絶縁膜には上部電極との間の電流を通すための穴が設けられており、当該穴の径が、脂質二重膜の脂質膜を形成する物質が当該緩衝液内において形成するベシクルの径よりも小さいことを特徴とする請求項6ないし11いずれかに記載の集積回路化バイオセンサー。
  13.  請求項1ないし11のいずれかに記載の集積回路化バイオセンサーの流路および液溜部を、電子シンクロトロン放射光エッチングにより形成することを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法。
  14.  請求項12記載の集積回路化バイオセンサーの流路、液溜部および絶縁膜の穴を、電子シンクロトロン放射光エッチングにより形成することを特徴とする集積回路化バイオセンサーの形成法。
  15.  絶縁膜の穴を形成する際に行う電子シンクロトロン放射光エッチングにおいて用いるエッチングマスクの厚みに所定の分布を持たせることを特徴とする請求項14に記載の集積回路化バイオセンサーの形成法。
  16.  電子シンクロトロン放射光エッチングの反応ガスとしてフッ素系ガスを用いることを特徴とする請求項13ないし15いずれかに記載の集積回路化バイオセンサーの形成法。
  17.  電子シンクロトロン放射光エッチングの反応ガスとしてSF6またはXeF2を用いることを特徴とする請求項16に記載の集積回路化バイオセンサーの形成法。
  18.  電子シンクロトロン放射光エッチングの反応ガスとしてフッ素を含む化合物ガスと酸素ガスの混合ガスを用いることを特徴とする請求項13ないし17のいずれかに記載の集積回路化バイオセンサーの形成法。
  19.  電子シンクロトロン放射光エッチングのエッチングマスク材料として酸の水溶液にて溶解しやすい金属の薄膜を用いることを特徴とする請求項13ないし18のいずれかに記載の集積回路化バイオセンサーの形成法。
  20.  金属の薄膜としてCo、Ni、Feあるいはこれらの合金を用いることを特徴とする請求項19に記載の集積回路化バイオセンサーの形成法。
  21.  電子シンクロトロン放射光エッチングの終了後、エッチングマスクの除去を酸の水溶液を用いて行うことを特徴とする請求項19または20に記載の集積回路化バイオセンサーの形成法。
  22.  電子シンクロトロン放射光エッチングした領域に疎水性の有機化合物を堆積し、その後Coを除去し、Coが除去された領域に親水性の有機化合物を堆積することにより、領域選択的に親水性と疎水性の領域を形成することを特徴とする請求項13ないし21のいずれかに記載の集積回路化バイオセンサーの形成法。
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