JP4516188B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は立体画像を表示するための画像表示装置に関し、特にステレオペア画像の観察に好適な画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像を立体的情報を含んで撮影記録し、これを再生観察する方式には多種多様な提案がある。その中でも最も簡単、安価な割に効果が大きいものとしては、左右両眼の視点に対応する視差を持った2画像を記録し、これを左右両眼に対してそれぞれ提示するいわゆる2眼式ステレオ方式が、旧くから今日に至るまで利用されている。
【0003】
この2眼式ステレオにおいても提示方式にはまた各種あり、例えば大画面による多人数同時観察を行なう場合には、偏光メガネを併用した偏光投影方式や、シャッタメガネを併用した時分割提示方式が使用されているが、これらはいずれも大がかりで高価なシステムを必要とするため特殊な業務用途以外には使用されることは少ない。そこでいわゆるパーソナルユースに対しては、同時には1人しか観察できないという制約はあるものの、最も基本的かつ古典的な方法であるステレオペア画像を用いる方式が、極めて安価にまた鮮明な画像を観察できる方式として、今日なお広く使用されている。
【0004】
このステレオペア画像について詳述すれば、左眼視点対応画像であるL画像と右眼視点対応画像であるR画像とが、通常僅かな隙間を介して2枚並列に並べられて1つの画像を構成している(図2参照)。この種の画像の最も手軽な撮影装置として普及している35ミリ1眼レフカメラ+ステレオアダプターのシステム上の制約等のため、LR画像は実際には1つの標準横位置画像(横3:縦2)を縦に2分割した形で構成されており、従って各画像すなわち観察される立体画像は縦位置(横縦比約3:4程度)になっているのが一般的である。
【0005】
本明細書に於いては、このようにLR2画像が空間的に(画像平面上に)併置されて1つの画像を構成しているものをステレオペア画像と称する。なお、上記した具体的な構成(数値等)は一例に過ぎないが、説明を簡明にするために、特記しない場合は上記具体例のものが例として取り上げられていることを前提に説明する。
【0006】
このステレオペア画像は、
(1)記録、印画、伝送、印刷等に際して何らの特殊なシステムを要しない
(2)適当な条件を充たせば、直接立体視観察できる(左右像の融合が何らの装置を用いることなくできる)
という極めて優れた特長を有している。
【0007】
特に(2)に関して詳述すれば、LR画像が正しく左右眼によって捉えられ、2つの異なる画像では無く一つの立体画像として認識される状態を左右像の融合と称するが、例えば適当な大きさ(具体的には横幅が眼幅の2倍よりやや小さい程度=10〜13cm)に印画された「平行配置」(Lを左、Rを右に配置)のものであれば、観察に際しても視線を平行に向けるいわゆる「平行法」(人によっては若干の練習を要するが)を用いることで融合可能である。またこれとは左右の画像を入れ替えた「交差配置」も使用され、こちらは印画サイズの制約が無く、視線を交差させる「交差法」によってやはり直接立体視観察できるが、観察時の眼の疲労と立体観察時の不自然さ(箱庭現象)がやや大きいため、上記平行配置の方がより普及しているものである。
【0008】
いずれにせよこのように(1)システムを選ばず(2)直接観察も可能であるという2つの大きな特長をもつステレオペア画像は、互換性に優れているため、特にインターネットやデジタルカメラの普及などいわゆるメディアミックス化が進めば進むほどその不朽の価値が見直され、利用され続けるものと予想される。
【0009】
一方、ステレオペア画像の直接観察には
(ア)比較的容易な平行法であっても若干の練習を要する(立体視=像の融合の難易の個人差が大きい)
(イ)視差情報と眼球の焦点合わせのための緊張(ピント情報)の食い違いが大きいことから生じる立体感の不自然さ(書割、箱庭効果)が大きいこと
(ウ)平行法の場合は画像サイズが限られること
などの問題がある。すなわち、直接観察法は何ら装置を必要としないという基本的優位性はあるものの、臨場感の高い高画質観察を容易に行なう場合には充分とは言えないものである。そこで従来より観察用補助光学系たるステレオビュアーが用いられていた。このようなビュアーとして公知のものには、いわゆるプリントビュアーとスライドビュアーとがあり、前者の一例は特開平07−110536号公報にも記載されている。
【0010】
上記公報記載のものはプリントビュアーであるから印画(印刷)されたステレオペア画像は高画質に観察できるが、例えばディジタルカメラで撮影されたディジタルステレオペア画像のようなマルチメディア媒体におけるステレオペア画像(以下 a Stereo Pear in Multimedia:SPMと称する)については印刷しなければ適用できないという不具合があった。
【0011】
詳述すれば、このようなSPMであっても、マルチメディア環境のプラットフォームというべき汎用パーソナルコンピュータの画面上に表示した場合は単純にステレオペア画像が表示されるから、これを直接観察する限りは上記(2)と同じ状況であって、新たな不具合は生じない。しかしながら直接観察には(ア)〜(ウ)のような問題があることは上記したところであり、改善が必要であった。なお印刷してプリントビュアーを適用することは一つの策ではあるが、プリンターの画質が悪いと本来の画質が再現できない、印刷に時間がかかり紙やインクを消耗するため検索的な使用には適用困難であるなど、本質的な解決にならないことは明らかである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本出願人は先にSPMを用いて臨場感の高い高画質観察を容易に行なうために、LR画像に異なるシフトを与える観察方法および観察装置(ビュアー)に関する技術を提案している(特願2000−115357号明細書)。
【0013】
この技術においては、通常は、2つの表示デバイスには同一の画像が表示されるが(モノキュラモード)、電子的なステレオペア画像たるSPMをメモリカードから読み出して表示する場合には、左眼画像側と右眼画像側とで互いに異なるシフト処理がステレオペア画像シフト処理部によって施され、そのシフト処理後の画像信号がそれぞれ左眼画像および右眼画像として2つの表示デバイスからそれぞれ表示される(ステレオモード)。このシフト処理により、左眼画像側におけるSPMのL画像と右眼画像側におけるSPMのR画像とが一つの立体画像として融合するようになり、臨場感の高い高画質の立体画像を容易に観察することが可能となるというものである。
【0014】
ところが、このようなビュアーで観察する場合、本来の立体画像の両側に画像が観察され、融合の妨害になったり不自然になることがあった。
【0015】
また、表示される立体画像の大きさが小さく臨場感を欠く場合があった。加えて、同じ画素数の平面(非ステレオ)画像と比べて表示画像サイズが小さくなるという不具合もあった。
【0016】
本発明は上記問題点を解決し、融合妨害が無く、臨場感を増した立体画像の観察に適した画像表示装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明の画像表示装置は、左右両眼に対する各表示画像である左眼画像および右眼画像の各画像を左右両眼に対して個別に表示可能な表示手段と、前記表示手段に表示させるべき画像信号を入力する入力手段と、LR画像を含むステレオペア画像信号を前記入力手段により入力して前記表示手段により左右両眼に対して個別に表示する場合、各表示画像が拡大表示されるように、前記入力されたステレオペア画像信号に対して電子的拡大処理を施す電子的変倍手段とを具備とを具備し、前記電子的拡大処理における拡大倍率は、前記ステレオペア画像全体の対角長とこれに含まれるLRの各画像の対角長の比にほぼ等しい値以上で、かつ前記ステレオペア画像全体の水平長とこれに含まれるLRの各画像の水平長の比にほぼ等しい値以下に設定されたものであることを特徴とする。
【0023】
このように電子的拡大処理を行なうことによって画質を損なうことなく臨場感を増すことができ、あるいはこれに加えて特に非ステレオ画像とステレオ画像が混在した状態での画像表示面積(対角長)や画像の水平長を等しく保つことができる。
【0024】
また電子的拡大処理における拡大倍率は、前記ステレオペア画像全体の対角長とこれに含まれるLRの各画像の対角長の比にほぼ等しい値以上で、かつ前記ステレオペア画像全体の水平長とこれに含まれるLRの各画像の水平長の比にほぼ等しい値以下に設定するか、あるいは前記ステレオペア画像全体の対角長とこれに含まれるLRの各画像の対角長の比にほぼ等しい値に設定することが好ましい。これにより、適正な像拡大を実現でき、臨場感を高めることが可能となる。
【0025】
なお、観察者の好みや入力されるLR画像の特性の違い等に対応するため、電子的拡大処理における拡大倍率の設定は入力手段からの入力によって切換え可能に構成しておくことが望ましい。
【0027】
また前記入力手段により入力された画像信号が前記ステレオペア画像信号であるか否かを検出するステレオペア画像検出手段をさらに設け、前記ステレオペア画像信号である旨の検出結果を受けた場合、これに応答して前記電子的拡大処理が自動実行されるように構成することが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係わる画像表示装置の構成が示されている。この画像表示装置100はSPMを用いて立体画像の高画質画像観測を実現するためのビューアであり、例えばフェイスマウンテッドディスプレイ(FMD)などとして実現されている。図中、111は装置全体の動作を統括的に制御するためのシステムコントローラ(CPU)、112は各種操作ボタンからなる操作スイッチ系、113は操作状態及びモード状態等を表示するための操作表示系、114は各種画像信号処理機能を持つデジタルプロセス回路、115はLCD画像表示系を示している。
【0029】
LCD画像表示系115は左右両眼に対する各表示画像である左眼画像および右眼画像の各画像を左右両眼に対して個別に表示することによって、左眼画像および右眼画像の仮想的な合成拡大像を仮想表示画面として観察者に提示するためのものであり、左眼画像表示用のLCD表示デバイス(DL)115aおよび右眼画像表示用のLCD表示デバイス(DR)115bの2つのLCD表示デバイスを有している。
【0030】
また、図中の116はメモリカードインターフェース、117はメモリカード、118は各種設定情報等を記憶するための不揮発性メモリ(EEPROM)を示している。
【0031】
メモリカード117は表示再生対象の画像信号を記録するためのものであり、ここには電子的なステレオペア画像からなる上述のSPM、および他の通常の非ステレオ画像が公知の画像フォーマット(BMP、JPEG等)によって記録されている。
【0032】
本実施形態の画像表示装置100においては、システムコントローラ111の制御の下、表示再生対象の画像信号がメモリカード117から読み出され、それが表示再生対象の入力画像信号としてLCD画像表示系115に送られて2つの表示デバイス115a,115bにてそれぞれ個別に表示される。通常は、2つの表示デバイス115a,115bには同一の画像が表示されるが(モノキュラモード)、電子的なステレオペア画像たるSPMをメモリカード117から読み出して表示する場合には、左眼画像側と右眼画像側とで互いに異なるシフト処理、トリミング処理、電子的拡大処理が施された後の画像信号がそれぞれ左眼画像および右眼画像として表示デバイス115a,115bから表示される(ステレオモード)。
【0033】
すなわち、システムコントローラ111には図示のようにステレオペア画像シフト処理部201、トリミング処理部202、電子的変倍処理部203が設けられており、ステレオモードにおいてはステレオペア画像シフト処理部201によって上述のシフト処理が、トリミング処理部202によってトリミング処理が、電子的変倍処理部203によって電子的拡大処理が、それぞれ実行される。これらの処理の詳細については図5以降で後述するが、それぞれ左眼画像側におけるL画像の位置と右眼画像側におけるR画像の位置とを合わせ、不要な画像を除去しまた画像の観察画角を大きくするために行われる。これらの処理により、左右両眼で左眼画像および右眼画像をそれぞれ観察したときに左眼画像側におけるSPMのL画像と右眼画像側におけるSPMのR画像とが一つの立体画像として融合するようになり、臨場感の高い高画質の立体画像を容易に観察することが可能となる。
【0034】
(SPM)
図2には、本実施形態で用いられるSPMの構成の一例が示されている。
上述したように、SPMは、1枚の画像空間を2分割するように併置されたL、Rの2つの画像(PL,PR)から構成されている。L画像(PL)は左眼視点対応画像であり、R画像(PR)は右眼視点対応画像である。従って平行配置のSPMを前提としている。SPMの巾(横巾)はWピクセル、高さ(縦巾)がHピクセルである。また、ここで取扱うSPMの横縦比は一般的なフィルムカメラフォーマットに併せてH=W×2/3としている。なお、Wの例示値として720、すなわち横720×縦480のSPMであるとする。
【0035】
(FMD)
図3には、本実施形態で用いられるFMDにおける表示部の構成が模式的に示されている。図3は観察者が装着した状態のFMDを上から見たものである。
【0036】
メガネ型の形状を持つFMDフレーム10の左眼対応位置には前述のLCD表示デバイス(DL)115aとルーペ光学系(LL)116aが取り付けられており、また右眼対応位置には前述のLCD表示デバイス(DR)115bとルーペ光学系(LR)116bが取り付けられている。ルーペ光学系116a,116bはFMD本来の像拡大機能並びに像距離変換作用を実現するための拡大光学系であり、ルーペ光学系116a,116bによって拡大された左眼画像および右眼画像を左右両眼に個別に提示することにより、例えば眼前1mに対角50インチ(1270mm)の仮想表示画面があるように表示される。なお横縦比は4:3すなわち水平40インチ(1016mm)垂直30インチ(762mm)であり、標準状態における画像の表示密度は32画素/インチとする。従って上記SPMをそのまま平面画像として表示観察した場合には、横22.5インチ×縦15インチの画像として観察される。
【0037】
また、FMDフレーム10には、ステレオ/モノキュラ切換スイッチ112aが設けられている。ステレオ/モノキュラ切換スイッチ112aは図1の操作スイッチ系112内の1操作スイッチであり、前述のステレオモード/モノキュラモードの切り換えのために用いられる。
【0038】
(インターフェースボックス)
実際のFMDに実現に際しては、その本体内に図1のブロック図の機能を単独で有する構成のもの(再生装置)のみならず、例えばパーソナルコンピュータやデジタルカメラなどからのディスプレイ出力を受けて、それを表示するための表示系のみを本体内に持つFMDも考えられる。この場合には、図4に示すように、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの画像信号出力装置30からのディスプレイ出力を入力画像信号として受けるインターフェースボックス20を用意し、このインターフェースボックス20からケーブル等を通じてFMD10に入力画像信号を導けばよい。
【0039】
この際、FMD10は受けた画像信号をそのまま表示するだけであるので、前述の各処理機能はインターフェースボックス20内に設けた画像シフト処理部20a、トリミング処理部20b、電子的変倍処理部20cによって実行されることになる。画像シフト処理部20aとしては、例えば画像信号出力装置30からの入力画像信号を保持するバッファメモリと、このバッファメモリからの画像信号の読み出し時のアドレス制御を左眼画像と右眼画像とで独立に可変設定可能なメモリコントロール回路などによって実現することができる。その具体的な実施例としては「バッファメモリ、メモリコントロール回路とも左右独立に2系統とするもの」「バッファメモリは1系統(左右共通)で、読み出しアドレス制御を左右点順次の時分割(倍速読み出し)で行ない、左右独立(2系統)のラッチ回路によって左右分離を行なうもの」の2例を挙げておくが、以下では前者の2系統方式として説明する。また、トリミング処理部20bは、上記左右独立に設けられたバッファメモリ上に取り込まれた各画像のそれぞれ不要部分のデータをクリア(例えば全て0値とする)することによりトリミング処理を行なう。さらに、電子的変倍処理部20cはこのトリミング処理された画像データに対して、アドレス変換およびデータ補間演算処理による公知のいわゆる電子ズームによる電子的拡大処理を行なう。
【0040】
また、インターフェースボックス20には、前述と同様のステレオ/モノキュラ切換スイッチが設けられると共に、入力画像信号に対するシフト処理におけるシフト量、トリミング処理におけるトリミング範囲および、電子的拡大処理における拡大倍率の設定に必要なSPMパラメータをマニュアル操作で入力するためのパラメータ入力スイッチが設けられており、観察者自身が当該パラメータ入力スイッチの操作によってマニュアルで設定操作を行い得ると同時に、一旦設定された値をインターフェースボックス20内のEEPROMに記録しておくことにより、再設定操作を簡略化することもできる。
【0041】
(画像表示動作1)
次に、FMDが図1のブロック図の機能を単独で有する再生装置として実現されている場合を例示して、その画像表示動作について説明する。
【0042】
<モノキュラモード>
ステレオ/モノキュラ切換スイッチ112aでモノキュラモードを選択した場合は従来どおりであるから、LCD表示デバイス(DL)115aに左眼画像として表示される表示画像(以下、ILと称する)と、LCD表示デバイス(DR)115bに右眼画像として表示される表示画像(以下、IRと称する)は全く同一である。
【0043】
この際、仮想画面上に表示される虚像の画像サイズは大きくなるので、仮に通常の20インチCRTディスプレイ上で表示した場合には並行法によって立体像の直接観察が可能であるようなステレオペア画像を表示した場合でも、FMDでは、例えば前述のように眼前1mに対角50インチ程度の仮想表示画面があるように表示されるため、ステレオペア画像のL画像(PL)とR画像(PR)の表示画像サイズが共に並行法による立体像観察可能範囲を超えてしまい、左右両像の融合は通常不可能となる。
【0044】
<ステレオモード>
[シフト処理]
ステレオ/モノキュラ切換スイッチ112aでステレオモードを選択した場合は、表示対象の入力画像信号に対してシフト処理が施される。ここで、シフト処理の原理を図5を参照して説明する。
【0045】
図1のシステムコントローラ111は表示対象入力画像信号であるSPMの画像サイズを認識しているので、シフト量SをSPMの画像幅Wの1/4に設定する。そして、SPMに対して左眼画像と右眼画像とで互いに異なるシフト処理を施し、図5に示すように、左眼表示画像ILについては右方向にW/4ピクセル分だけシフトし、逆に右眼表示画像IRについては左方向にW/4ピクセル分だけシフトする。
【0046】
図5は、LCD表示デバイス115a,115bそれぞれに対する入力画像信号全体をシフトした場合の例であり、LCD表示デバイス115aによって表示されるILの表示画枠の左端はW/4ピクセル分のブランク領域となり、SPMのLR画像は本来の表示位置よりも右側にW/4ピクセル分だけ移動することになる。この時、L画像(PL)の表示位置は、非ステレオ表示である通常表示(モノキュラーモード)におけるSPMの画枠中心位置(PLとPRの境界位置)に設定される。同様にして、LCD表示デバイス115bによって表示されるIRの表示画枠の右端はW/4ピクセル分のブランク領域となり、SPMのLR画像は本来の表示位置よりも左側にW/4ピクセル分だけ移動することになる。この時、R画像(PR)の表示位置は、非ステレオ表示である通常表示(モノキュラーモード)におけるSPMの画枠中心位置(PLとPRの境界位置)に設定される。
【0047】
このようなシフト処理により、ILの表示画枠に対するL画像(PL)の相対位置とIRの表示画枠に対するR画像(PR)の相対位置とが相等しく設定される。ここで、ILとIRを左右両眼でそれぞれ観察した場合に得られる仮想表示画面の様子を説明する。図6はSPMを非ステレオ表示(モノキュラーモード)で表示した場合の仮想表示画面を示し、また図7はSPMをステレオ表示(ステレオモード)で表示した場合の仮想表示画面を示している。
【0048】
図6から分かるように、仮想表示画面はILの表示画枠とIRの表示画枠とを一致するように重ねてそれを拡大した像に相当するものであるから、非ステレオ表示において観察されるのは、ILとIRの両表示画像間のL画像(PL)同士およびR画像(PR)同士を互いに合成した像となる。
【0049】
これに対し、ステレオモードを用いた場合には、図7に示すように、ILの表示画枠内のL画像(PL)とIRの表示画枠内のR画像(PR)との相対的な位置関係が一致するため、左眼で観測されるL画像(PL)と右眼で観測されるR画像(PR)とが一つの立体画像として認識されやすくなり、両画像の融合度を顕著に高めることが可能となる。
【0050】
すなわち、本実施形態のシフト処理は、左眼および右眼それぞれに対する左右像の相対的な位置関係を合わせるという一種のセンタリング処理である。したがって、L画像(PL)をILの表示画枠の中心に設定し、R画像(PR)をIRの表示画枠の中心に設定しても、同様の効果が得られる。実際、通常の非ステレオ表示でSPMがIL,IRの表示画枠の中心に表示されるような場合には、上述のシフト処理により、L画像(PL)はILの表示画枠の中心に設定され、R画像(PR)はIRの表示画枠の中心に設定されることになる。また、観察時の画像の融合という点では、ILの表示画枠に対するL画像(PL)の相対位置とIRの表示画枠に対するR画像(PR)の相対位置とが必ずしも完全に一致している必要はなく、仮想画面上でL画像(PL)とR画像(PR)とが重複して観察されるように、L画像(PL)の中心位置とR画像(PR)の中心位置を互いに近接させるようなシフト処理を施せば良い。
【0051】
なお、本実施形態ではSPMの画像巾に基づいてシフト量Sを決定しているが、これは入力画像信号中のSPMの画枠位置を認識せずとも、画像巾さえ認識していれば十分なセンタリング効果を得られるようにするためである。
【0052】
またシフト量Sの値は基本的には画像巾に基づいて自動的に決定されるが、立体画像の視認性を向上させるために微調整可能にしておくことが好ましい。例えば、EEPROM118に微調整用データを予め記録しておき、使用者によるスイッチ操作などに基づいて、その微調整用データを用いてシフト量Sの値を増減できるように構成しておくことにより、立体画像の視認性をより高めることが可能となる。
【0053】
[トリミング処理]
ステレオモードにおいては、さらにトリミング処理が行なわれる。上記図7に示したように、ステレオペア画像を用いて画像を観察した場合には左眼で観測されるL画像(PL)と右眼で観測されるR画像(PR)とが融合した一つの立体画像(PL+PR)の両側に、本来不要な画像であるIRの表示画枠内のL画像(PL)とILの表示画枠内のR画像(PR)とがそれぞれ並んで観察されてしまう。この不要画像は、従来のステレオ写真を直接観察法で鑑賞する場合に極めて大きな融合妨害要因となることが知られており、また融合可能な場合においても画像観察時においてより不自然感を与える画質劣化要因となるものであった。
【0054】
本実施例においては上記したシフト処理を用いているから融合は比較的容易に行なえるが、それでもなおこの不要画像はやはり融合に対する妨害効果を有するものであり、そして融合状態における観察時の画質劣化要因となる。従ってトリミング処理は上記不要画像であるIRの表示画枠内のL画像(PL)とILの表示画枠内のR画像(PR)を取り除き、ILの表示画枠内にはL画像(PL)を、IRの表示画枠内にはR画像(PR)のみが表示されるようにトリミングを行なう。この際図8に示したように、必要な(融合対象の)画像部分以外の全表示領域を、例えば黒(0値)で埋め尽くすことも好適である。
【0055】
またトリミング範囲は、基本的には、PL画像については画像の左右中心から左側半分、すなわち画像全体の中心点から左にW/4移動した点を中心に持つ、横巾がW/2、高さ(縦巾)がH=2/3Wの領域とし、PR画像については画像の左右中心から右側半分、すなわち画像全体の中心点から右にW/4移動した点を中心に持つ、横巾がW/2、高さ(縦巾)がH=2/3Wの領域とすれば良い。ただしこの際SPM内のLR画像間の隙間等を考慮して、トリミング範囲をこれより若干狭く設定(例えば横方向のみあるいは横縦とも、上記の90%程度とする。図8に点線で例示)しても良い。また、融合状態の立体画像において画像の存在範囲が左右の眼で異なってしまわないために、左右のトリミングの中心点間の距離を若干増減することも好ましい。
【0056】
なお、このSPMに対する表示時におけるトリミング処理は、上記シフト処理と併せて用いることが極めて好ましいものではあるが、シフト処理の併用を絶対要件とするものでは無く単独でも効果を有するものである。すなわち、例えば用いるSPMが交差配置のものであった場合はシフト処理を行なわないでも融合は可能であり、このとき上記したようなトリミング処理(ただし交差配置であるから上記平行配置の場合に対してトリミング範囲が左右入れ替わることは勿論である)を行なうことによって不要画像が除去されるから、融合の妨害要因が大いに軽減され立体画像の観察を極めて容易ならしめると同時に観察画質を向上することができるものである。
【0057】
[拡大処理]
ステレオモードにおいては、さらに電子的拡大処理が行なわれる。一般に立体画像は提示画角が大きい方が視覚に対するいわゆる取り囲み効果による臨場感の向上が期待出来る。一方でSPMは1画面中に2枚の単眼画像を配するから、その画像サイズは記録画像全体の画素数の1/2相当しか無いという基本的な制約を有し、またこれとは別に上記トリミングのやり方によってはさらに画像サイズが減少している。以上のような観点から、上記トリミング後の画像に拡大処理を施すことが有効である。
【0058】
具体例を図9に示す。PL’,PR’は上記SPMのPL,PR画像をそれぞれ電子的に1.4倍の拡大処理をしたものであって、拡大後の相当画素数は横504×縦672となっている。すなわち同フォーマットで記録した平面(非ステレオ)画像横720×480の画素数(表示面積)とほぼ等しくなるようにしてある。表示面積従って対角長がほぼ等しいから、同フォーマットで記録された平面(非ステレオ)画像と立体画像(SPM)とが混在した場合にも、画像サイズに関しては事実上不変の(単に画像の横位置と縦位置が変わったと認識される)状態を保つことができる。なお上記例において、画素数(表示面積)を最も等しくする倍率は1.44倍(拡大後の相当画素数横518×縦691)であるが、この点若干の誤差があっても効果が充分得られることは自明であり本実施形態では切りの良い扱い易い数値として上記1.4倍を用いているものである。
【0059】
また、この時上記90%トリミングを行なっている場合には、これによる画像サイズの減少を考慮して倍率を1.44/0.9=1.6倍とすることも望ましい。(以下倍率のトリミング補正と呼ぶ。)
上記標準的な拡大処理は、非ステレオ画像との面積(対角長)不変を狙いとしたものであったが、これとは別に、立体画像としての臨場感向上を主目的とすれば、画像の水平画角を充分確保することが極めて効果的である。しかしながらこの時、本来の画像サイズと無関係に任意の拡大を施すことは、視覚に対する無制限な解像度劣化を生じることになり却って画質を損ねてしまうことになる。この意味からは、拡大倍率は横位置の非ステレオ画像に対して水平長を等しくするように設定されるべきである。すなわち拡大倍率2倍(ステレオペア画像全体の水平長とこれに含まれるLRの各画像の水平長の比)の電子的拡大を行ない、拡大後の相当画素数を横720×縦960とする。このとき本例では画像高(縦巾)が表示画面高にちょうど一致しており特に好ましいが、SPMおよび表示画面の横縦比によっては表示画面高をはみ出してしまうことも生じ得る。このような場合の処理策は以下の2通り(及び妥協的な解決策としてこの2通りの間の処理)に分けられる。
【0060】
第1の処理ははみ出しても構わないとするもので、画像の上下は一部カットされてしまうが、立体画像としての臨場感確保を優先してこれを許容する。従って倍率は常に2倍である。第2の処理は2倍の倍率では上下がはみ出すような場合は、これがはみ出さない倍率に制限するものである。例えば表示画面がワイドアスペクトタイプで画面高が22.5インチ(対応画素数720)しか無かったとすれば倍率は720/480=1.5倍とすれば良い。
【0061】
またこのような臨場感を優先させた拡大処理においても、上記標準的な拡大処理と同様、倍率のトリミング補正を用いることができる。(例示90%トリミングに対して、上記第1の処理では倍率2/0.9=2.22、上記第2の処理では倍率1.5/0.9=1.67)
念のため付記すれば、このような臨場感向上を優先させた拡大処理を行なった場合は、トリミング補正を考慮しても、倍率は通常2倍程度以下に限られるから、視覚に対する無制限な解像度劣化を生じて却って画質を損なうことは無いものである。
【0062】
さらに、上記標準的な拡大倍率と、臨場感向上を主目的とした拡大倍率の両者の間に存在する任意の値を採用することは、「上記サイズ不変」と「臨場感向上」とを妥協的に解決することになるから、このような倍率を採用することも極めて好適な実施例の一つと言える。またこれとは別に上記「標準的な拡大倍率(上記では1.4倍)」と「これとは異なる別の倍率(上記では2倍)」とを切換え可能とすることも好適であって、一例を示せば、動作開始時のデフォルト設定モードにおいてはステレオモードにおける拡大倍率は上記標準(1.4倍)であるが装置の適所に設けたズームスイッチを操作することによってステレオモードにおける拡大倍率が2倍に変わり、ズームスイッチの再度の操作でまた標準倍率に復帰(以下いわゆるインクリメント動作)するような構成を挙げることができる。
【0063】
なお、このSPMに対する表示時における電子的拡大処理は、上記シフト処理およびトリミング処理と併せて用いることが極めて好ましいものではあるが、これらの処理の併用を絶対要件とするものでは無く単独でも効果を有するものである。すなわち、例えば用いるSPMが交差配置のものであった場合はこれらの処理を行なわないでも融合は可能であり、このとき上記したような電子的拡大処理を行なうことによって画質を損なうことなく臨場感を増すことができ、あるいはこれに加えて特に非ステレオ画像とステレオ画像が混在した状態での画像表示面積(対角長)や画像の水平長を等しく保つことができるものである。また、トリミング処理のみを省略し、上記シフト処理と拡大処理の組み合わせを利用するようにしてもよい。
【0064】
<シフト処理 その2>
次に、図10を参照して、ステレオモード時に実行されるシフト処理の第2の例について説明する。
【0065】
本例は、左眼画像側あるいは右眼画像の一方を止めておき、他方のみをシフトさせることによって、左眼および右眼それぞれに対する左右像の相対的な位置関係を合わせるというものである。この場合、シフト量SをSPMの画像幅Wの1/2に設定する。そして、SPMの入力画像信号に対して例えば左眼画像についてのみシフト処理を施し、図10に示すように、左眼表示画像ILについては右方向にW/2ピクセル分だけシフトし、右眼画像IRについてはシフト量Sをゼロにして、原画像信号のまま保持する。
【0066】
これにより、LCD表示デバイス115aによって表示されるILの表示画枠の左端はW/2ピクセル分のブランク領域となり、SPMのLR画像は本来の表示位置よりも右側にW/2ピクセル分だけ移動することになる。この時、L画像(PL)の表示位置は、非ステレオ表示である通常表示(モノキュラーモード)におけるSPMのR画像(PR)の表示位置に設定される。よって、画像画面上ではILのL画像(PL)とIRのR画像(PR)とが重なり合い、両画像の融合が可能となる。
【0067】
(画像表示動作2)
次に、インターフェースボックス20によってシフト処理を行う場合を例示して、FMDによる画像表示動作を説明する。
【0068】
<モノキュラモード>
インターフェースボックス20のステレオ/モノキュラ切換スイッチでモノキュラモードを選択した場合は、前述の画像表示動作1と全く同じである。
【0069】
<ステレオモード>
インターフェースボックス20のステレオ/モノキュラ切換スイッチでステレオモードを選択した場合は、使用者は、パラメータ入力スイッチより、この場合のSPMパラメータ「画像表示位置情報(画像中心位置アドレス)」と「画像サイズ(縦横の各画素数)」を入力する。これらが指定されれば、インターフェースボックス20への入力信号に関するSPM画像の存在領域が完全に特定されたことになるから、画像シフト処理部20a、トリミング処理部20b、電子的変倍処理部20cはそれぞれこれに基づいて、上記画像表示動作1と全く同じ処理を行なうものである。
【0070】
なお、複数の画像を同時に表示する場合には、これに対応した複数組のSPMパラメータを入力可能に構成すれば良い。この際、例えば複数の画像の存在領域が重複するなど、本来有り得ない(矛盾する)パラメータの指定に対しては、例えば入力を禁止する(受付けない)とか、重複した画像の一方を優先的に取扱って解釈した処理を行なうなど、適当な不具合回避策を講じることがより望ましいことを指摘しておく。
【0071】
なお、インターフェースボックス20内のシフト処理においても、左眼画像側あるいは右眼画像の一方を止めておき、他方のみをシフトさせるという図10の処理を利用可能である。
【0072】
(動作モードの自動切り換え)
次に、図11のフローチャートを参照して、ステレオモード/モノキュラモードを自動的に切り換える場合の動作について説明する。
【0073】
これは、FMDが図1のブロック図の機能を単独で有する再生装置として実現されている場合に適用される制御であり、ステレオ/モノキュラ切換スイッチによるモード切り換えではなく、表示対象の画像がステレオペア画像であるか否かを検出し、それによってステレオモード/モノキュラモードの切り換えを行う。この場合、表示対象の画像がステレオペア画像であるか否かの検出は、画像ファイルのヘッダ領域に「ステレオペア画像」であるという情報を予め記録しておき、これを認識するという方法を利用することができる。
【0074】
まず、システムコントローラ111はメモリカード117から表示対象の画像ファイルを読み込み、そのヘッダ領域の解析を行う(ステップS101,S102)。そして、ヘッダ領域に「ステレオペア画像」である旨の情報が含まれているか否かによって、ステレオペア画像であるかどうかの判定を行う(ステップS103)。ステレオペア画像、つまりSPMであることが検出された場合には、システムコントローラ111は、動作モードをステレオモードとし、ステレオペア画像シフト処理部201、トリミング処理部202、電子的変倍処理部203に前述のシフト処理、トリミング処理、電子的拡大処理のステレオ対応処理を自動実行させる(ステップS104〜S106)。そしてシフト処理後の画像信号がLCD表示系115により表示される(ステップS107)。
【0075】
一方、ステレオペア画像以外の画像であれば、システムコントローラ111は、不要なステレオ対応処理が実行されることによる表示画像の位置ずれ、不適切なトリミングや変倍などの問題が生じないように、上記各処理部201〜203によるステレオ対応処理の実行を禁止し、ステレオ対応処理を行わない状態でLCD表示系115により表示する(ステップS107)。
【0076】
これにより、SPM/モノキュラーの両画像が混在している場合であっても、入力される表示対象画像の種類に応じて適切な処理を行うことが可能となり、モノキュラーの画像に対して不要なステレオ対応処理が誤って施されることによる表示画質低下などの問題を事前に防ぐことが可能となる。
【0077】
以上説明したように、本実施形態においては、FMD本体内、あるいはFMD本体内に外部からの入力画像信号を導くインターフェースボックス内に、シフト処理機能、トリミング処理機能、電子的拡大処理機能を設けて、入力された画像信号に対して左眼画像と右眼画像とで互いに異なるステレオ対応処理を施す構成を採用することにより、SPMを用いて臨場感の高い立体画像の高画質観察を行うことが可能となる。
【0078】
なお、この他にも様々な実施例が考えられる。
以上の実施形態では、シフト量Sの基本値としてW/4(またはW/2)を用いたが、SPM内のLR画像間の隙間を考慮してシフト量Sを基本値よりも若干大きく設定したり、あるいは逆に臨場感の補正を考慮して若干小さくするなどしても良い。つまり、入力画像信号に対するシフト処理はL画像とR画像の融合度を高め、従来融合が不可能あるいは極めて困難であった画像を容易に融合可能ならしめることを最小限の目的とするものであるので、仮想画面上でL画像とR画像が融合可能な範囲内に位置されるように設定すればそれで必要最小限の基本的な効果が得られる。言い換えれば、より高次の目的としては臨場感の高い高画質の立体画像を容易に観察することにあるから、そのための最適配置を得るために、シフト量Sを上記基本的な例示値に対して調整的な範囲で適量だけ変更することは、望ましい1つの変形実施形態として本発明に当然に含まれるものである。
また、L画像が右側に、R画像が左側に配置されてなる左右逆配置のSPMを用いることも可能である。ただし、この場合には、入力画像信号に対して左眼画像は左シフト、右眼画像は右シフトを施すことになる。
【0079】
さらに、L画像とR画像が上下に配置されてなるSPMを用いることもできる。この場合のシフト処理の様子を図12に示す。すなわち、左眼表示画像ILについては下方向にH/4ピクセル分だけシフトし、逆に右眼表示画像IRについては上方向にH/4ピクセル分だけシフトする。もちろん、どちらか一方の表示画像のみをH/2ピクセル分だけ上または下方向にシフトしてもよい。このような場合、トリミング処理および電子的拡大処理についても、同様に、対象となるL、Rの各画像に対して適用されることは当然である。ただし上記インターフェースボックス20による実施形態についても同様の対応を行なうためには、指定パラメータとして画像の配置(左右配置か上下配置か、LRの割当てはどうかなど)情報も追加する必要がある。
【0080】
また、SPMの横縦比は任意であり、様々なアスペクト非の画像信号を扱うことが可能である。
【0081】
また、上記実施例においてはSPMは静止画の場合を例示したが、これに限られることなく、例えばMPEGなど動画であっても全く同様に適用可能である。動画SPMの場合、動画のままプリントすることは不可能であり従って従来のプリントビュアーを用いることができないという意味からも、極めて有効であることを付言する。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電子画像のステレオペアを用いて、臨場感の高い高画質観察を容易に行なうことが可能になる。また電子的拡大処理によって画質を損なうことなく臨場感を増すことができ、あるいはこれに加えて特に非ステレオ画像とステレオ画像が混在した状態での画像表示面積(対角長)や画像の水平長を等しく保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる画像表示装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の画像表示装置で用いられるステレオペア画像SPMの構造を示す図。
【図3】同実施形態で用いられるFMDの表示部の構成を示す図。
【図4】同実施形態で用いられるFMDとインターフェースボックスとの関係を示す図。
【図5】同実施形態で実行されるシフト処理の第1の例を示す図。
【図6】同実施形態の非ステレオモード時における仮想表示画面の表示例を示す図。
【図7】同実施形態のステレオモード時(画像シフト処理)における仮想表示画面の表示例を示す図。
【図8】同実施形態のステレオモード時(画像シフト、トリミング処理)における仮想表示画面の表示例を示す図。
【図9】同実施形態のステレオモード時(画像シフト、トリミング、画像拡大)における仮想表示画面の表示例を示す図。
【図10】同実施形態で実行されるシフト処理の第2の例を示す図。
【図11】同実施形態における動作モードの自動切り換え動作を説明するためのフローチャート。
【図12】同実施形態で実行されるシフト処理の第3の例を示す図。
【符号の説明】
111…システムコントローラ
112…操作スイッチ系
112a…ステレオ/モノキュラ切り換えスイッチ
117…メモリカード
115…LCD表示系
115a…左眼画像表示用のLCD表示デバイス(DL)
115b…右眼画像表示用のLCD表示デバイス(DR)
201…ステレオペア画像シフト処理部
202…トリミング処理部
203…電子的変倍処理部

Claims (5)

  1. 左右両眼に対する各表示画像である左眼画像および右眼画像の各画像を左右両眼に対して個別に表示可能な表示手段と、
    前記表示手段に表示させるべき画像信号を入力する入力手段と、
    LR画像を含むステレオペア画像信号を前記入力手段により入力して前記表示手段により左右両眼に対して個別に表示する場合、各表示画像が拡大表示されるように、前記入力されたステレオペア画像信号に対して電子的拡大処理を施す電子的変倍手段とを具備とを具備し、
    前記電子的拡大処理における拡大倍率は、前記ステレオペア画像全体の対角長とこれに含まれるLRの各画像の対角長の比にほぼ等しい値以上で、かつ前記ステレオペア画像全体の水平長とこれに含まれるLRの各画像の水平長の比にほぼ等しい値以下に設定されたものであることを特徴とする画像表示装置。
  2. 左右両眼に対する各表示画像である左眼画像および右眼画像の各画像を左右両眼に対して個別に表示可能な表示手段と、
    前記表示手段に表示させるべき画像信号を入力する入力手段と、
    LR画像を含むステレオペア画像信号を前記入力手段により入力して前記表示手段により左右両眼に対して個別に表示する場合、各表示画像が拡大表示されるように、前記入力されたステレオペア画像信号に対して電子的拡大処理を施す電子的変倍手段とを具備し、
    前記電子的拡大処理における拡大倍率は、前記ステレオペア画像全体の対角長とこれに含まれるLRの各画像の対角長の比にほぼ等しい値に設定されたものであることを特徴とする画像表示装置。
  3. 前記電子的拡大処理における前記拡大倍率の設定を切換えるための入力手段を有したことを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示装置。
  4. 前記入力手段により入力された画像信号が前記ステレオペア画像信号であるか否かを検出するステレオペア画像検出手段をさらに具備し、
    前記ステレオペア画像信号である旨の検出結果を受けた場合、これに応答して前記電子的拡大処理が自動実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像表示装置。
  5. 非ステレオペア画像信号である旨の検出結果を受けた場合、これに応答して前記電子的拡大処理の実行が禁止されるように構成されていることを特徴とする請求項記載の画像表示装置。
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