JP4515021B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は入力画像データを表示パネルに表示する表示装置に関するものであり、より詳細には、例えば、アクティブマトリクス型の液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶表示装置は、液晶モジュールと呼ばれる表示デバイスと、コンピュータなどからの入力信号に応じて画像を加工し、液晶モジュールを駆動する駆動装置とから構成されている。ここで、液晶モジュールは、液晶パネル、ソースドライバ、ゲートドライバ、各ドライバの動作を制御する液晶コントロールIC及びバックライトを含んでいる。
【0003】
このように、液晶モジュールという一つのデバイスとして扱われているのは、例えばPC(Personal Computer)用の表示モニターを作るメーカーにおいて、液晶表示装置の生産効率を上げるためという理由が考えられる。このため、液晶モジュールは、その他の部品と同列に収集して、組み立て生産によって作られていた。
【0004】
ここで、半導体部品の高集積化に伴い、画像を加工するIC類と液晶モジュールの駆動を制御するIC類とを同一基板に実装しても、それほど大きな基板が必要とはされなくなってきた。このため、液晶モジュールに、従来は駆動装置に含まれていた機能を組み込むことが可能となっている。
【0005】
このような、駆動装置としての機能をも含めた液晶モジュールを、以下ではオールインワンモジュールと呼ぶことにする。
【0006】
以下、オールインワンモジュールの一例について、図69、70に基づいて説明する。
【0007】
オールインワンモジュールである液晶表示装置21は、例えばPCやTV(television)チューナのような、画像データを出力する機器に接続されている。液晶表示装置21は、これらの機器から入力される、さまざまな解像度、色深度の信号を含む画像データを表示する。
【0008】
液晶表示装置21への入力信号には、大きく分けてアナログ入力とディジタル入力とがある。アナログ入力としては、PCなどで使われるアナログRGBやTVなどで使われるコンポジット信号などがある。ディジタル信号としては、PCなどで使われるDVI−D(パネルリンク)やTVなどのディジタルTV信号などがある。これらの信号のうち、一般的に使用されているのは、上述したRGBアナログ信号や差動ディジタル信号であるDVI(Digital Visual Interface)−D(Digital専用)信号などである。なお、通常の表示装置には、これらのうち最低1系統の入力信号に応じた、入力インタフェースが備えられている。
【0009】
液晶表示装置21は、図69に示すように、A/Dコンバータ22、TMDS(Transition Minimized Differential Signals)23、制御スイッチ24、水晶発振子25、スケーラ26、メモリ27、タイミングコントローラ28、バックライト29、ソースドライバ30、ゲートドライバ31、液晶パネル32及び階調電源生成部33を備えている。
【0010】
また、図70に示すように、液晶パネル32は、ソースバスライン34、ゲートバスライン35、トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))36及び絵素37を含んでいる。なお、RGB(Red,Green,Blue)の三つからなる一組の絵素37が一つの画素に相当する。この画素ごとに、RGBの組を用いて色を表示して、液晶パネル32にカラー画像を表示する。
【0011】
ここで、液晶表示装置21は、アナログRGBが入力されるインタフェースを1系統、DVI−Dが入力されるインタフェースを1系統備えている。すなわち、アナログRGBが入力されるA/Dコンバータ22では、入力信号をディジタル信号に変換して、スケーラ26に伝送する。DVI−Dが入力されるTMDS23では、入力信号を変換して、スケーラ26に伝送する。
【0012】
このように、A/Dコンバータ22、TMDS23は、それぞれRGBアナログ信号やDVI−D信号を、伝送用のクロック信号、水平同期信号、垂直同期信号等の同期信号と画素単位のディジタル信号とに変換して、スケーラ26に伝送する。
【0013】
また、制御スイッチ24は、外部からの制御コマンド信号を受信して、それを変換してスケーラ26に伝送する。水晶発振子25はスケーラ26にクロックを供給する。
【0014】
スケーラ26は、解像度のスケーリングを行うためのものである。スケーラ26は、図示しないMPU(Micro Processor Unit)、および外部制御のためのI/Oポートを備えている。スケーラ26では、入力されたディジタル信号を制御スイッチ24から送られてくる信号に基づいてMPUが加工して、液晶モジュールのタイミングコントローラ28のための表示信号に変換して、I/Oポートを介してタイミングコントローラ28へと伝送する。
【0015】
また、スケーラ26は、制御スイッチ24から送られている信号に基づき、バックライト29を制御する信号(制御信号)をバックライト29に伝送する。このように、スケーラ26は、副次的な機能として、外部からの制御手段に基づき表示位置を変更する機能、外部からの制御手段に基づき表示サイズを変更する機能、外部からの制御手段に基づき表示画面の色温度やカラーバランスを変更する機能、アナログ入力の周波数や位相の調整を行う機能、外部からの制御手段に基づき輝度を調整するためにバックライトインバータを制御する機能、および外部からの制御信号に基づきコントラストの調整を行う機能などを備えている。
【0016】
ここで、スケーラ26の主要機能は、上述のように、解像度のスケーリングを行うことである。これは、上述のように液晶表示装置21に入力される信号には、様々な解像度の信号が含まれているのに対し、液晶パネル32の表示解像度は固定であるためである。
【0017】
例えば、入力信号がSVGA(800画素×600画素)で、液晶パネル32の表示解像度がXGA(1024画素×768画素)であるとすると、スケーラ26はSVGAの信号のスケール変換を行いXGAの信号に変更する。スケーラ26は、スケール変換したデータを一端メモリ27に一時的に保管する。
【0018】
ここで、液晶表示装置21においては、スケール変換された後のデータは、スケーラ26によって画素ごとに画像処理された後に、タイミングコントローラ28に出力されていた。この画像処理としては例えばディザが含まれる。
【0019】
メモリ27は、スケーラ26が処理するために必要な作業用のRAMと、表示用の様々な設定データを記録しているROMとを含んでいる。メモリ27は、スケーラ26に制御されて情報のやり取りをする。
【0020】
タイミングコントローラ28は、スケーラ26からの入力信号に応じて、ソースドライバ30、ゲートドライバ31のための制御信号を生成し、それぞれをソースドライバ30、ゲートドライバ31に伝送する。また、ソースドライバ30には、階調電源生成部33からの基準電圧が供給される。
【0021】
ソースドライバ30は、図70に示す液晶パネル32のソースバスライン34を駆動する。ゲートドライバ31は、液晶パネル32のゲートバスライン35を駆動する。
【0022】
液晶パネル32のゲートバスライン35には、ゲートドライバ31によって、トランジスタ36をオンさせるための電圧が印加される。トランジスタ36は、ゲートバスライン35にオンに必要な電圧が印加されているときにオンし、ソースドライバ30によって電圧が印加されるソースバスライン34から、絵素37に電圧を印加する。
【0023】
一方、バックライト29は、スケーラ26からの信号に応じて調整された光量を液晶パネル32に投射する。ここで、絵素37では、印加されたソースバスライン34の電圧と、反対側の極に印加されている図示しないコモン電位との電位差に応じて、液晶分子が移動して透過光量が変化する。これによって、バックライト29の光が、絵素37を通過して画面に表示される。このように、透過率の変化によって、階調表現が行われる。以上のように、入力される信号を液晶表示装置21の液晶パネル32に表示できる。
【0024】
なお、上述の従来技術に関して、文献公知発明に係る先行技術文献はない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のオールインワンモジュールとしての液晶表示装置21は、液晶モジュールに、従来外部に存在していた装置類を取り込んだに過ぎないため、従来と同様の機能しか得ることができないという問題がある。
【0026】
すなわち、上記スケーラ26による解像度のスケーリング(スケール変換)はあくまで1画素単位での制御が行われるものであり、1つの画素が複数の色の絵素から構成される場合、各絵素毎にスケール変換の制御を行うことはできない。また、タイミングコントローラ28の機能を拡張し、上記スケーラ26によるスケーリング処理を各絵素毎に反映させることは可能であるが、この場合は、該タイミングコントローラ28においてメモリやロジック回路を多量に必要とし、液晶モジュールにおけるコストアップを招く。
【0027】
このように、スケーラ26とタイミングコントローラ28とが別の機能部として設けられる場合、これらはそれぞれ別個に機能する。このため、上記スケーラ26およびタイミングコントローラ28は、従来と同様の処理による従来と同様の機能のみを発揮することになる。
【0028】
また、別々の機能部として設けられたこれらのスケーラ26とタイミングコントローラ28とが、例えば画面の拡大縮小を行ったり色を変化させたりする場合には、従来は、表示エッジのボケ、量子化ノイズ、チラツキ等が発生していた。また、消費電力は十分に低減されているとは言えなかった。
【0029】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来スケーラにて行われていたスケーリング機能をより向上させた表示装置を安価に提供することであり、より詳細には、スケーリングの際に発生する例えば表示エッジのボケ、量子化ノイズ、またはチラツキを防止した、若しくは消費電力を十分に低減した表示装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
発明に係る表示装置は、上記課題を解決するために、所定数のサブ画素からなる画素を所定の解像度にて配置した表示パネルを有し、このサブ画素を駆動して画像を上記表示パネルに表示する表示装置において、入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、上記所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲において、上記サブ画素による階調輝度特性と上記入力画像データの画素による階調輝度特性との誤差に関して、XYZ色度空間で表したX輝度、Y輝度、Z輝度のそれぞれの誤差をE 、E 、E 、としたとき、次式(1)で定義される誤差の総和が最も小さくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をすることを特徴としている。
E 2 =E 2 X +α×E 2 Y +E 2 Z 但し、α≧1
【0031】
ここで、視角とは、表示パネルへの視線のなす角度を意味する。また、所定の視角の範囲とは、表示パネルへの視線のなす角度の連続的な範囲であってもよいし、または、所定の角度の範囲に含まれる離散的な角度の組を意味するものであってもよい。
【0032】
上記表示装置は、入力画像データを表示パネル上の絵素ごとのデータへと変換し、各絵素を駆動して画像を表示パネルに表示する。
【0033】
ここで、上記表示装置は、入力画像データの画素ごとに、この画素が表示パネル上で占めるべき領域(画素占有領域)に含まれる全ての絵素に対して、この画素のデータを反映させるようにして、絵素ごとのデータを得る。
【0034】
ここで、画素のデータから、画素占有領域に含まれる各絵素のデータを決定する際に、例えば入力画像データの解像度よりも表示パネルの解像度が大きい場合には、各絵素を決定するためには余分の自由度があることになる。
【0035】
そこで、上記表示装置は、画素占有領域の絵素のデータが、視角特性を向上させるような組となるように変換をする。すなわち、各絵素の値を、所定の視角の範囲において、絵素の階調が表示パネルの視角特性の良い階調を多く含むように構成する。
【0036】
そして、絵素ごとのデータを得るために、画素のデータと全ての絵素のデータとに応じて、所定の範囲内の視角における階調輝度特性(XYZ)の歪み(誤差)を計算し、その総和が小さくなるように、例えば最小となるように絵素ごとのデータを決定する。これによって、所望の画素の色を各視角において忠実に再現して、視角特性の良い階調が多く含まれるようにできるので、視角特性が改善される。これによって、この所定の範囲内の各視角において良好な視角特性を有する表示装置を提供できる。
【0037】
ここで、人間の視覚特性は、輝度変化に敏感となっている。すなわち、輝度変化を示す階調輝度特性が視角ごとに異なる場合には、視角が異なると、同じ画像であっても異なる画像として認識されることになる。通常は正面からの視角の場合に好ましい画像となるように階調輝度特性を設定しているため、例えば斜めからの視角の場合に階調輝度特性が歪むと視角特性が悪化する。このように、階調輝度特性が、例えば斜めからの視角の場合に、正面からの視角の場合と比較して歪むならば、視角特性が悪化することになる。そこで、上記構成によって、階調輝度特性の歪みの大きさを変化させて、この歪みを小さくすれば、視角特性を改善できる。すなわち、斜めからの視角の場合と正面からの視角の場合とで、同様の階調輝度特性を実現できる。
【0038】
また、上記構成において、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素ごとに、この画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素のデータへと、この画素のデータを反映させることによって上記解像度変換をする構成であってもよい。これによれば、表示パネルのサブ画素の配置に応じた、忠実な画像表示(画像再現)が可能となり、画面の拡大縮小といった解像度の変更の際に、表示エッジのボケを低減できる。
【0039】
なお、上記表示装置は、1つの画素が複数の色の絵素から構成され、表示解像度より小さな解像度の入力画像データを表示する機能を有し、入力画像データの解像度を液晶パネルの解像度に変更する際に、画面に対し入力画像データの画素が空間的に占める位置に,存在する絵素を、その構成する数にかかわらずすべて使用し、その構成される絵素の階調が液晶パネルの視角特性の良い階調を多く含むように構成することによって、視角特性を改善する機能を実現することを特徴とする表示装置である、と表現することもできる。
【0040】
本発明に係る表示装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記解像度変換手段は、上記の決定により得られるサブ画素のデータの組を、複数有しており、このサブ画素のデータの組をフレーム毎に切り替えて、画像を上記表示パネルに表示することを特徴としている。
【0041】
上記表示装置は、入力画像データの画素のデータを表現するための、サブ画素のデータの組を、複数有している。そして、このデータの組をフレーム毎に切り替えて表示させる。
【0042】
このように、フレーム毎に、サブ画素のデータを切り替えて表示すれば、表示パネルの画面に特定のパターンが現れて見えるのを防ぐことができる。したがって、表示品位を改善できる。
【0043】
また、上記表示装置が、表示パネルとしての液晶パネルに画像を表示する液晶表示装置である場合には、液晶素子に高い電圧がかかり続けて、焼付け等の不具合が発生することを防止できる。また、上記構成のように、特定のサブ画素の液晶素子に高い電圧がかからないようにサブ画素とサブ画素との間の印加電圧を平均化すれば、表示品位を向上できる。
【0044】
なお、上記表示装置は、入力データの画素内において、構成する絵素の階調の組み合わせを複数有し、それをフレーム毎に切り替えることによって、画面に特定のパターンが人間の目に見えないようにして表示品位を改善させる機能を有する表示装置である、と表現することもできる。
【0045】
ここで、従来の表示装置においては、スケーラが印加電圧の極性反転方式に応じたソース駆動手段の制御をする一方、タイミングコントローラが基準電圧の制御を行っていた。このため、スケーラとタイミングコントローラとが別個に備えられる従来構成においては、上述した本発明に係る表示装置の機能を実現することはできない。
【0046】
本発明に係る表示装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、基準電圧を生成して出力する階調電源生成部と、上記解像度変換手段の解像度変換に応じて、上記階調電源生成部に制御信号を出力して、上記基準電圧を変化させる基準電圧調整手段とを備え、上記階調電源生成部から出力される上記基準電圧を用いて画像を表示パネルに表示することを特徴としている。
【0047】
これによって、最適な階調を得て、通常のデータ処理でその変更を行う際に発生する量子化ノイズを低減できる。すなわち、例えば解像度変換を行う際にも、基準電圧を適切に変化させるので、量子化ノイズを低減できる。
【0048】
なお、上記表示装置は、入力画像データと変更情報とから、演算装置あるいはLUTを併用することによって液晶の階調基準電源をその変更に対して最適に調整し、それに合わせて画像データを変更する機能を有し、通常のデータ処理でその変更を行う際発生する量子化ノイズを低減する表示装置である、と表現することもできる。
【0049】
本発明に係る表示装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記解像度変換手段の解像度変換に応じて、出力する階調データを複数フレーム間において変化させるデータ切り替え手段を備え、上記データ切り替え手段からの出力階調によって、所望の中間階調の画像を上記表示パネルに表示することを特徴としている。
【0050】
これによって、最適な階調を得て、通常のデータ処理でその変更を行う際に発生する量子化ノイズを低減できる。すなわち、例えば解像度変化を行う際に、所望の中間階調を表示させることができるので、量子化ノイズを低減できる。
【0051】
本発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、複数のサブ画素からなる画素を所定の解像度にて配置した表示パネルを有し、このサブ画素を駆動して画像を上記表示パネルに表示する表示装置において、入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素ごとに、この画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素のデータへと、この画素のデータを反映させることによって上記解像度変換をすることを特徴としている。
【0052】
ここで、サブ画素とは、例えば複数の色の絵素に相当し、一つの画素に含まれるサブ画素の組は、複数の色の絵素の組に相当する。この複数の色の絵素とは、例えばRGB(Red,Green,Blue)の絵素を含む。ただし、サブ画素は、絵素のみに相当するものではなく、これ以外のものであってもよい。また、所定の解像度とは、例えば800画素×600画素のような、表示パネル上の画素の数を意味する。この解像度は、どのようなものであってもよい。
【0053】
上記表示装置は、入力画像データを表示パネル上のサブ画素ごとのデータへと変換し、各サブ画素を駆動して画像を表示パネルに表示する。
【0054】
ここで、例えば入力画像データの解像度と表示パネルの解像度とが異なる場合には、入力画像データの画素と表示パネルの画素とが一対一に対応しない。この場合、上記表示装置は、入力画像データの画素ごとに、この画素が表示パネル上で占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素に対して、この画素のデータを反映させるようにして、サブ画素ごとのデータを得る。
【0055】
ここで、表示パネル上のサブ画素に対して入力画像データの画素のデータを反映させるとは、入力画像データの画素のデータに応じて、表示パネル上のサブ画素のデータを決定することを意味する。なお、画素のデータをこの画素が占めるべき領域の全てのサブ画素に反映させるとは、この画素の値のみに応じて、領域中の全てのサブ画素の値が決まることのみを意味するものではない。例えば、この画素が表示パネル上で占めるべき領域の、境界に位置するサブ画素においては、このサブ画素の値は、この画素のデータと境界を挟んだ隣の画素のデータとに応じて決まってもよい。
【0056】
また、画素のデータを全てのサブ画素に反映させるには、例えば予め定めた演算式を用いてもよいし、または予め定めたテーブルを参照するLUT(Look Up Table)法を用いてもよい。
【0057】
また、サブ画素ごとのデータを得るための方法は、例えば画素のデータと全てのサブ画素のデータとの色差に応じて、サブ画素ごとのデータを決定するものであってもよい。ここで、色差とは、例えばRGB、またはXYZといった独立の3成分ごとに計算したベクトルの差のノルム(長さ)に相当する。このベクトルノルムには、所定の重みづけがなされていてもよい。例えばY成分を他の成分の2倍に重み付けしたベクトルノルムであってもよい。このように所望の定義による色差を用いれば、色差が小さくなるようにサブ画素のデータを決定して、所望の画像再現(例えば忠実な画像再現)を行うことができる。
【0058】
したがって、入力画像データの解像度を表示パネルの解像度に変更する際には、入力画像データの画素が、この画素の占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素によって表現される。したがって、表示パネルのサブ画素の配置に応じた、忠実な画像表示(画像再現)が可能となる。
【0059】
これによって、画面の拡大縮小といった解像度の変更の際に、表示エッジのボケを低減できる。よって表示品位を向上できる。すなわち、上記表示装置は、画面の拡大縮小といった解像度の変更の際に、表示エッジのボケの低減を図るためのものである、ということもできる。
【0060】
なお、上記表示装置は、1つの画素が複数の色の絵素から構成され、表示解像度と異なる解像度の入力画像データを表示する機能を有し、入力画像データの解像度を表示パネルの解像度に変更する際に、画面に対し入力画像データの画素が空間的に占める位置に存在する絵素を、その構成する数にかかわらず全て使用して再現するように入力画像データを変換する機能を有する表示装置である、と表現することもできる。
【0061】
また、上述の解像度変換手段は、従来の表示装置におけるスケーラおよびタイミングコントローラの機能を統合したものとして表示装置に具備することができる。この場合、スケーラおよびタイミングコントローラが別個に備えられる従来構成に比べ、より高度なスケーリング機能を安価な手段により達成できる。
【0062】
ここで、従来の表示装置においては、スケーラが画素ごとに制御をする一方、タイミングコントローラが画素におけるサブ画素の配列に応じてサブ画素ごとに制御を行っていた。このため、スケーラとタイミングコントローラとが別個に備えられる従来構成においては、上述した本発明に係る表示装置の機能を実現することはできない。
【0063】
発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、所定数のサブ画素からなる画素を所定の解像度にて配置した表示パネルを有し、このサブ画素を駆動して画像を上記表示パネルに表示する表示装置において、入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、上記所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲において、上記サブ画素による階調輝度特性と上記入力画像データの画素による階調輝度特性との歪みが大きくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をすることを特徴としている。
【0064】
上記表示装置は、画素占有領域(入力画像データの画素が表示パネル上で占めるべき領域)の絵素のデータが、視角特性を劣化させるような組となるように変換をする。すなわち、各絵素の値を、所定の視角の範囲において、絵素の階調が表示パネルの視角特性の悪い階調を多く含むように構成する。
【0065】
そして、絵素ごとのデータを得るために、画素のデータと全ての絵素のデータとに応じて、所定の範囲内の視角における階調輝度特性の歪みを計算し、その総和が大きくなるように、例えば最大となるように絵素ごとのデータを決定する。したがって、所望の画素の色が各視角において忠実に再現されなくなるので、視角特性の悪い階調が多く含まれるようになり、視角特性が劣化する。これによって、この所定の範囲内の各視角において良好でない視角特性を有する表示装置を提供できる。
【0066】
なお、上記表示装置は、その構成される絵素の階調が液晶パネルの視角特性の悪い階調を多く含むように構成することによって、視角特性を改悪して周辺の人から見えなくする機能を実現した表示装置である、と表現することもできる。
【0067】
また、上記構成において、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素ごとに、この画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素のデータへと、この画素のデータを反映させることによって上記解像度変換をする構成であってもよい。これによれば、表示パネルのサブ画素の配置に応じた、忠実な画像表示(画像再現)が可能となり、画面の拡大縮小といった解像度の変更の際に、表示エッジのボケを低減できる。
【0068】
本発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、所定数のサブ画素からなる画素を所定の解像度にて配置した表示パネルを有し、このサブ画素を駆動して画像を上記表示パネルに表示する表示装置において、入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段と、上記解像度変換手段の解像度変換において、視角特性を調整する視角特性調整手段とを備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、上記所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲における、上記サブ画素による階調輝度特性と上記入力画像データの画素による階調輝度特性との歪みを、上記視角特性調整手段の上記調整に応じて、小さくなるように、または大きくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をすることを特徴としている。
【0069】
上記表示装置は、視角特性調整手段の調整に応じて、画素占有領域(入力画像データの画素が表示パネル上で占めるべき領域)の絵素のデータが、視角特性を向上させるような、または劣化させるような組となるように変換をする。すなわち、各絵素の値を、所定の視角の範囲において、視角特性調整手段の調整に応じて、絵素の階調が表示パネルの視角特性の良好な階調を多く含むように、または視角特性の悪い階調を多く含むように構成する。
【0070】
そして、画素のデータと全ての絵素のデータとに応じて、絵素ごとのデータを決定するために、所定の範囲内の視角における階調輝度特性の歪みを計算し、その総和が大きくなるように、または小さくなるように、絵素ごとのデータを決定する。したがって、所定の視角の範囲における視角特性を、視角特性調整手段によって調整することができる。
【0071】
また、上記構成において、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素ごとに、この画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素のデータへと、この画素のデータを反映させることによって上記解像度変換をする構成であってもよい。これによれば、表示パネルのサブ画素の配置に応じた、忠実な画像表示(画像再現)が可能となり、画面の拡大縮小といった解像度の変更の際に、表示エッジのボケを低減できる。
【0072】
本発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、所定数のサブ画素からなる画素を所定の解像度にて配置した表示パネルを有し、このサブ画素を駆動して画像を上記表示パネルに表示する表示装置において、入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、上記所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲において、上記サブ画素による色度と上記入力画像データの画素による色度との色差が小さくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をすることを特徴としている。
【0073】
ここで、視角とは、表示パネルへの視線のなす角度を意味する。
【0074】
上記表示装置は、入力画像データを表示パネル上の絵素ごとのデータへと変換し、各絵素を駆動して画像を表示パネルに表示する。
【0075】
ここで、上記表示装置は、入力画像データの画素ごとに、この画素が表示パネル上で占めるべき領域(画素占有領域)に含まれる全ての絵素に対して、この画素のデータを反映させるようにして、絵素ごとのデータを得る。
【0076】
ここで、画素のデータから、画素占有領域に含まれる各絵素のデータを決定する際に、例えば入力画像データの解像度よりも表示パネルの解像度が大きい場合には、各絵素を決定するためには余分の自由度があることになる。
【0077】
そこで、上記表示装置は、画素占有領域の絵素のデータが、視角特性を向上させるような組となるように変換をする。すなわち、各絵素の値を、所定の視角の範囲において、絵素の階調が表示パネルの視角特性の良い階調を多く含むように構成する。
【0078】
そして、絵素ごとのデータを得るために、画素のデータと全ての絵素のデータとの色差に応じて、所定の範囲内の視角における色差を計算し、その総和が小さくなるように、例えば最小となるように絵素ごとのデータを決定する。これによって、所望の画素の色を各視角において忠実に再現して、視角特性の良い階調が多く含まれるようにできるので、視角特性が改善される。これによって、この所定の範囲内の各視角において良好な視角特性を有する表示装置を提供できる。
【0079】
また、上記構成において、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素ごとに、この画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素のデータへと、この画素のデータを反映させることによって上記解像度変換をする構成であってもよい。これによれば、表示パネルのサブ画素の配置に応じた、忠実な画像表示(画像再現)が可能となり、画面の拡大縮小といった解像度の変更の際に、表示エッジのボケを低減できる。
【0080】
なお、上記表示装置は、1つの画素が複数の色の絵素から構成され、表示解像度より小さな解像度の入力画像データを表示する機能を有し、入力画像データの解像度を液晶パネルの解像度に変更する際に、画面に対し入力画像データの画素が空間的に占める位置に,存在する絵素を、その構成する数にかかわらずすべて使用し、その構成される絵素の階調が液晶パネルの視角特性の良い階調を多く含むように構成することによって、視角特性を改善する機能を実現することを特徴とする表示装置である、と表現することもできる。
【0081】
本発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、所定数のサブ画素からなる画素を所定の解像度にて配置した表示パネルを有し、このサブ画素を駆動して画像を上記表示パネルに表示する表示装置において、入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、上記所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲において、上記サブ画素による色度と上記入力画像データの画素による色度との色差が大きくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をすることを特徴としている。
【0082】
上記表示装置は、画素占有領域(入力画像データの画素が表示パネル上で占めるべき領域)の絵素のデータが、視角特性を劣化させるような組となるように変換をする。すなわち、各絵素の値を、所定の視角の範囲において、絵素の階調が表示パネルの視角特性の悪い階調を多く含むように構成する。
【0083】
そして、絵素ごとのデータを得るために、画素のデータと全ての絵素のデータとの色差に応じて、所定の範囲内の視角における色差を計算し、その総和が大きくなるように、例えば最大となるように絵素ごとのデータを決定する。したがって、所望の画素の色が各視角において忠実に再現されなくなるので、視角特性の悪い階調が多く含まれるようになり、視角特性が劣化する。これによって、この所定の範囲内の各視角において良好でない視角特性を有する表示装置を提供できる。
【0084】
なお、上記表示装置は、その構成される絵素の階調が液晶パネルの視角特性の悪い階調を多く含むように構成することによって、視角特性を改悪して周辺の人から見えなくする機能を実現した表示装置である、と表現することもできる。
【0085】
また、上記構成において、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素ごとに、この画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素のデータへと、この画素のデータを反映させることによって上記解像度変換をする構成であってもよい。これによれば、表示パネルのサブ画素の配置に応じた、忠実な画像表示(画像再現)が可能となり、画面の拡大縮小といった解像度の変更の際に、表示エッジのボケを低減できる。
【0086】
本発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、所定数のサブ画素からなる画素を所定の解像度にて配置した表示パネルを有し、このサブ画素を駆動して画像を上記表示パネルに表示する表示装置において、入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段と、上記解像度変換手段の解像度変換において、視角特性を調整する視角特性調整手段とを備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、上記所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲における、上記サブ画素による色度と上記入力画像データの画素による色度との色差を、上記視角特性調整手段の上記調整に応じて、小さくなるように、または大きくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をすることを特徴としている。
【0087】
上記表示装置は、視角特性調整手段の調整に応じて、画素占有領域(入力画像データの画素が表示パネル上で占めるべき領域)の絵素のデータが、視角特性を向上させるような、または劣化させるような組となるように変換をする。すなわち、各絵素の値を、所定の視角の範囲において、視角特性調整手段の調整に応じて、絵素の階調が表示パネルの視角特性の良好な階調を多く含むように、または視角特性の悪い階調を多く含むように構成する。
【0088】
そして、画素のデータと全ての絵素のデータとの色差に応じて、絵素ごとのデータを決定するために、所定の範囲内の視角における色差を計算し、その総和が大きくなるように、または小さくなるように、絵素ごとのデータを決定する。したがって、所定の視角の範囲における視角特性を、視角特性調整手段によって調整することができる。
【0089】
また、上記構成において、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素ごとに、この画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素のデータへと、この画素のデータを反映させることによって上記解像度変換をする構成であってもよい。これによれば、表示パネルのサブ画素の配置に応じた、忠実な画像表示(画像再現)が可能となり、画面の拡大縮小といった解像度の変更の際に、表示エッジのボケを低減できる。
【0090】
発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、基準電圧を生成して出力する階調電源生成部を備え、この階調電源生成部から出力される上記基準電圧を用いて画像を表示パネルに表示する表示装置において、階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定変更をするための設定変更手段と、上記設定変更手段からの指示に応じて、上記階調電源生成部に制御信号を出力して、上記基準電圧を変化させる基準電圧調整手段とを備えていることを特徴としている。
【0091】
上記表示装置において、設定変更手段は、例えばユーザからの指示を検出して階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定変更を行うとともに、この変更に応じた指示を基準電圧調整手段に出力する。基準電圧調整手段は、この指示に応じて制御信号を階調電源生成部へと出力して、基準電圧を変化させる。そして、この基準電圧を用いて、画像が表示パネルに表示される。
【0092】
したがって、例えば階調輝度カーブを変更すると、基準電圧が、変更後の階調輝度カーブに応じたものに変化する。このように基準電圧を変化させることによって、この基準電圧を用いた画像の表示品位を高めることができる。より詳細には、例えば階調輝度カーブの設定を変更した場合に、変更後の階調輝度カーブの設定を満足させるような基準電圧に変化させることができる。したがって、変更後の階調と輝度との関係を、量子化ノイズなしに実現することができる。その他の色温度、カラーバランスについても、同様に、変更した設定を量子化ノイズなしに実現できる。
【0093】
なお、上記表示装置は、階調輝度カーブの変更、色温度の変更、カラーバランスの変更をする機能を持ち、入力画像データと変更の情報とから、階調の基準電圧をその変更に対して最適に調整し、それに合わせて画像データを変更する機能を有し、その変更を行う際に発生する量子化ノイズを低減する表示装置である、と表現することもできる。
【0094】
発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、出力階調に応じた画像を表示パネルに表示する表示装置において、階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定変更をするための設定変更手段と、上記設定変更手段からの指示に応じて、出力する階調データを複数フレーム間において変化させるデータ切り替え手段とを備え、上記データ切り替え手段からの出力階調によって、所望の中間階調の画像を上記表示パネルに表示することを特徴としている。
【0095】
上記表示装置において、設定変更手段は、例えばユーザからの指示を検出して階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定変更を行うとともに、この変更に応じた指示をデータ切り替え手段に出力する。
【0096】
データ切り替え手段は、この指示に応じて出力する階調データを複数フレーム間において変化させる。このようにフレーム間において出力階調が変化すると、表示パネルに表示される画像はその中間の階調となる。ここで、データ切り替え手段が適切に出力する階調データを変化させると、所望の中間階調の画像を表示パネルに表示できる。例えば、nフレーム間で階調を切り替えることによって、階調のn乗の階調表示が可能となる。
【0097】
したがって、例えば階調輝度カーブを変更すると、これに応じた所望の中間階調を表示できる。したがって、変更後の階調と輝度との関係を、量子化ノイズなしに実現することができる。その他の色温度、カラーバランスについても、同様に、変更した設定を量子化ノイズなしに実現できる。
【0098】
なお、上記表示装置は、階調輝度カーブの変更、色温度の変更、カラーバランスの変更をする機能を持ち、nフレーム間で階調を切り替えることによって、階調のn乗の階調表示を可能とし、それによって得られた階調から最適な階調を得る機能を有し、上記の変更を行う際に発生する量子化ノイズを低減した表示装置である、と表現することもできる。
【0099】
発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、表示パネルに所定の解像度にて配置された画素を駆動するために、入力画像データを解像度変換して生成した画像信号を、ゲートバスラインを介してゲートドライバに供給する画像信号供給手段と、上記画像信号に基づいて、上記画素を駆動して上記表示パネルに画像を表示するゲートドライバとを備えた表示装置において、上記画像信号供給手段は、上記入力画像データを、より大きな上記所定の解像度の上記画像信号へと解像度変換するときには、複数の上記ゲートバスラインを同時にオープンして、上記画像信号を上記ゲートドライバに供給することを特徴としている。
【0100】
上記表示装置は、入力画像データを、より大きな解像度のデータへと変更して表示パネルに表示させる際には、複数のゲートバスラインを同時にオープンして、画素に電圧が印加される時間を減らすことなく、一画面の書き込み時間を減らすことができる。これによって、フレーム周波数を高くすることができる。
【0101】
このように、フレーム周波数を高くすると、画像の書き換えに対して人間の目の変化が追随できなくなって、結果として輝度変化による瞬きが感知されなくなる。これによって、表示品位を向上できる。なお、この輝度変化による瞬きは、液晶の極性反転に起因するものである。
【0102】
本発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、表示パネルに所定の解像度にて配置された画素を駆動するために、入力画像データを解像度変換して生成した画像信号を、ゲートバスラインを介してゲートドライバに供給する画像信号供給手段と、上記画像信号に基づいて、上記画素を駆動して上記表示パネルに画像を表示するゲートドライバとを備え、上記画像信号供給手段は、上記入力画像データを、より大きな上記所定の解像度の上記画像信号へと解像度変換するときには、複数の上記ゲートバスラインを同時にオープンして、上記データ切り替え手段からの出力階調としての上記画像信号を、上記ゲートドライバに供給することを特徴としている。
【0103】
上記表示装置は、入力画像データを、より大きな解像度のデータへと変更して表示パネルに表示させる際には、複数のゲートバスラインを同時にオープンして、画素に電圧が印加される時間を減らすことなく、フレームごとにデータを書き換える際の一画面の書き込み時間を減らすことができる。これによって、フレーム周波数を高くすることができる。
【0104】
すなわち、例えば階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定のような設定変更を行う場合であっても、複数のゲートバスラインを同時にオープンするので、フレーム周波数を高くすることができる。
【0105】
このように、フレーム周波数を高くすると、画像の書き換えに対して人間の目の変化が追随できなくなって、結果として輝度変化による瞬きが感知されなくなる。これによって、表示品位を向上できる。なお、この輝度変化による瞬きは、液晶の極性反転に起因するものである。
【0106】
本発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、クロックを生成するクロック発生器と、このクロック発生器において生成された上記クロックに基づいて、入力画像データから画像信号を生成して出力する画像信号供給手段とを備え、上記画像信号供給手段からの上記画像信号に基づいて画像の表示を行う表示装置において、上記画像信号供給手段には、上記クロック発生器から上記クロックが直接供給されることを特徴としている。
【0107】
すなわち、正確に時間を測定するためのクロックが、画像信号供給手段に直接供給される。したがって、自身のクロックを用いることができるので、画素に電圧を印加する充電時間を長く、周波数を低くできる。したがって、消費電力を低減できる。
【0108】
ここで、従来の表示装置においては、クロック発生器はスケーラにクロックを供給するが、画像信号供給手段としてのタイミングコントローラにはクロックを供給していなかった。
【0109】
一方、本発明の参考に係る上記表示装置は、画像信号供給手段にもクロックが供給されるので、上述のように消費電力を低減できる。すなわち、上記表示装置は、スケーラとタイミングコントローラとにおいてそれぞれ独立して行っていた処理を統合し、機能を向上させた表示装置である、と表現することもできる。
【0110】
以上のように、本発明の参考に係る上記表示装置は表示モジュールとモニターの機能を有機的に組み合わせた構造に、適切な制御を行うことによって、大幅な性能向上と、若干のコストダウンを実現した表示装置である。これにより、安価で高機能な表示装置を提供することができる。また、表示品位を向上できる。
【0111】
本発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、クロックを生成するクロック発生器と、このクロック発生器において生成された上記クロックに基づいて、入力画像データから画像信号を生成して出力する画像信号供給手段とを備え、上記画像信号供給手段からの上記画像信号に基づいて画像の表示を行う表示装置において、上記画像信号供給手段は、上記クロック発生器から供給される上記クロックに応じて、フレーム周波数を高くして上記画像信号を出力することを特徴としている。
【0112】
上記構成によれば、上記画像信号供給手段に、フレーム周波数を高くするためのクロックを供給するので、液晶の極性反転に起因する輝度の瞬きを軽減できる。
【0113】
本発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、クロックを生成するクロック発生器と、このクロック発生器において生成された上記クロックに基づいて、入力画像データから画像信号を生成して出力する画像信号供給手段とを備え、上記画像信号供給手段は、上記クロックに応じて、フレーム周波数を高くして、上記データ切り替え手段からの出力階調としての上記画像信号を出力することによって、所望の中間階調の画像を上記表示パネルに表示することを特徴としている。
【0114】
したがって、フレーム間の処理によって発生する輝度の瞬きを軽減できる。すなわち、例えば階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定のような設定変更に応じて、出力する階調データを複数フレーム間において変化させる場合であっても、フレーム周波数を高くするので、輝度の瞬きを軽減できる。
【0115】
本発明の参考に係る表示装置は、上記課題を解決するために、入力される画像データに応じた画像を表示する表示パネルと、この表示パネルを照射するバックライトとを備えた表示装置において、上記画像データから1フレーム分のデータを抽出し、この1フレーム分のデータに含まれる画素ごとにその画素の輝度を計算して、この1フレーム分のデータに含まれる最大の輝度を抽出する最大抽出手段と、上記バックライトによる照射の強度を、上記最大抽出手段によって抽出された上記最大の輝度に応じて変化させる照射変化手段とを備えていることを特徴としている。
【0116】
したがって、1フレーム分の画像データのうち最も明るい画素を選択し、バックライトの照射の強度を調整することによって、その1フレームにおける輝度の調整をするので、画像の再現性を損なわない。
【0117】
また、消費電力を低減するとともに、消費電流を低減してバックライトの寿命を延ばすことができる。
【0118】
なお、以上に説明した表示装置のいずれかは、表示パネルとしての液晶表示パネルを有する液晶表示装置であってもよい。例えば、直上の表示装置は、液晶表示装置に備えられるバックライトを用いて実現できる。また、その他のフラットパネルディスプレイを用いて、上述のいずれかの表示装置を実現してもよい。
【0119】
また、上述の表示装置は、表示デバイスである表示モジュールに、この表示モジュールを駆動する駆動装置の機能が組み込まれた、オールインワン型の表示モジュールを含んでいる構成が好ましい。
【0120】
【発明の実施の形態】
本発明に係る表示装置は、スケーリング機能を向上させて、例えば表示エッジのボケ、量子化ノイズ、またはチラツキを防止した、若しくは消費電力を十分に低減した表示装置である。
【0121】
参考の形態1〕
本発明の参考の形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。
【0122】
参考形態の液晶表示装置(表示装置)は、入力される画像データ(入力データ)を、表示に用いる液晶パネルの解像度に対応したデータに変更する際に、赤緑青の絵素(サブ画素)単位に、その空間的位置に忠実に再現をするようにデータを変換する機能を有している。
【0123】
この液晶表示装置は、絵素ごとに境界を処理するため、例えば図9の最上段の入力データに示すように、白(255,255,255)から黒(0,0,0)へのデータの変化点が、スケール変換によって液晶パネルの画素の真中に発生する場合には、図9の最下段の合成出力1に示すように、境界を含む一つの絵素のみにおいて灰色状態の区間D1にできる。このため、データの変化点が鮮明になる。
【0124】
参考形態の液晶表示装置は、例えばPC(Personal Computer)やTV(television)チューナのような、画像データを出力する機器に接続されている。
【0125】
この液晶表示装置は、表示デバイスである液晶モジュールに、この液晶モジュールを駆動する駆動装置の機能が組み込まれた、オールインワン型の液晶モジュールを含んでいる構成である。
【0126】
液晶表示装置1−1は、図1に示すように、A/Dコンバータ2、差動信号復号器3、制御スイッチ4、水晶発振子5、演算器(解像度変換手段)6−1、メモリ7、階調電源生成部8、バックライト9、ソースドライバ10、ゲートドライバ11、及び液晶パネル(表示パネル)12を備えている。
【0127】
また、図2に示すように、液晶パネル12は、ソースバスライン13、ゲートバスライン14、トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))15及びRGB(Red,Green,Blue)の絵素16を備えている。この絵素16は、RGBの組が、一つの画素に相当する。
【0128】
図1に戻ると、A/Dコンバータ2は、PC用のアナログRGBやTV用のNTSC信号、PAL信号などのアナログ信号をディジタル信号に変換する回路であり、変換したディジタル信号を演算器6−1に伝送する。
【0129】
差動信号復号器3は、PC用のDVI(Digital Visual Interface)−D(Digital専用)信号(パネルリンク、TMDS(Transition Minimized Differential Signals))などの差動伝送信号を、通常のディジタル信号に復号する回路であり、復号したディジタル信号を演算器6−1に伝送する。
【0130】
制御スイッチ4は、液晶表示装置1−1を外部から制御するためのもので、入力用のスイッチを備えた回路である。制御スイッチ4は、例えば、画面の表示位置、輝度、コントラストのような表示調整を行うため、液晶表示装置1−1の使用者によるスイッチの調整(制御コマンド)に応じて、その内容を信号化して演算器6−1に伝送する。
【0131】
水晶発振子5は、システムを動作させるクロックを生成する回路であり、生成したクロックを演算器6−1に伝送する。
【0132】
演算器6−1は、信号処理を行うためのものである。この演算器6−1は、従来の液晶表示装置21における、スケーラ26およびタイミングコントローラ28に相当する機能を有している。また、この演算器6−1は、それに加えて、後述するような解像度変換機能を有している。
【0133】
参考形態の演算器6−1は、集積回路となっている。演算器6−1は、A/Dコンバータ2、または差動信号復号器3から伝送される画像のディジタル信号に、様々な信号処理を実施する回路である。演算器6−1は、階調電源生成部8、バックライト9、ソースドライバ10、ゲートドライバ11に、制御のための信号を伝送する。
【0134】
そして、演算器6−1に接続されたメモリ7は、演算器6−1が信号処理を行うために必要なデータを記憶する回路であり、演算器6−1との間でデータの受け渡しを行う。メモリ7は、データを一時記憶するためのRAMと、テーブル等を記録するROMとを含んでいる。
【0135】
階調電源生成部8は、液晶で階調表示を行う際に基準となる、液晶パネル12に印加する基準電圧を生成する回路である。階調電源生成部8は、演算器6−1からの制御信号に応じて生成した基準電圧をソースドライバ10に伝送する。
【0136】
バックライト9は、液晶を表示させるための光源となる発光回路であり、液晶パネル12に光を照射する。このバックライト9は、冷陰極管、冷陰極管を点灯させるための高電圧電源、冷陰極管の光を平面光にするための導光板、シートなどから構成される。
【0137】
ソースドライバ10は、液晶パネル12のそれぞれの絵素16に印加するための電圧を生成する回路であり、液晶パネル12のそれぞれのソースバスライン13に電圧を印加する。ゲートドライバ11は、液晶パネル12のトランジスタ15をオンさせる信号を生成する回路であり、液晶パネル12のそれぞれのゲートバスライン14に電圧を印加する。
【0138】
液晶パネル12は、格子状に配置された絵素16の状態に応じて画像を表示する回路である。
【0139】
トランジスタ15は、ゲートバスライン14に規定値以上の電圧が印加されている場合にオンして、ソースバスライン13に印加されている電圧を絵素16に印加する。また、ゲートバスライン14に規定値以上の電圧が印加されていない場合は、トランジスタ15はオフ状態となり、この状態では絵素16には電圧は印加されない。
【0140】
絵素16は、液晶を図示しない透明電極で挟んだ構造をしており、両側の電極はそれぞれトランジスタ15と図示しないコモン電源とに接続されている。トランジスタ15から電圧が印加されているときは、その電圧に応じて、絵素16の透過率は変化する。新たに電圧が印加されない場合は、以前に印加されていた電圧を保持する。
【0141】
以上のような概略構成の液晶表示装置1−1における表示動作について、例をあげて説明する。
【0142】
参考形態の液晶パネル12は、UXGA(1600画素×1200画素)の表示能力(解像度)を有している。この液晶パネル12を有する液晶表示装置1−1に、VGA(640画素×480画素)の解像度の画像データが入力された場合の動作を説明する。なお、この画像データは赤緑青各色8ビットの色深度を持つものとする。また、SVGA(800画素×600画素)、XGA(1024画素×768画素)の解像度の画像データが入力された場合については、その後に説明する。
【0143】
入力された画像データ(入力画像データ)は、アナログ信号の場合はA/Dコンバータ2を経由してディジタル信号に変換される。差動ディジタル信号の場合は差動信号復号器3を経由してディジタル信号に変換される。
【0144】
変換された信号は、図3(a)(b)に示すような、水平の画素の取り込みに使用するクロックCK、水平の同期位置を示すHsync、垂直の同期位置を示すVsyncなどの同期信号、および各色8ビット合計24ビットのデータとなる。
【0145】
なお、このディジタル信号のデータは、入力画像データと同じVGAの解像度のデータである。そのため、クロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数は、入力画像データと同じである。なお、入力画像データが、SVGA、XGAの解像度であっても、変換された後のデータは入力画像データと同じクロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数となる。
【0146】
以上のように、A/Dコンバータ2または差動信号復号器3において変換されたディジタル信号の画像データが、演算器6−1に入力される。
【0147】
演算器6−1は、例えばアナログ信号から得られた同期信号の間隔に応じて周波数を割り出し、割り出した周波数の情報をA/Dコンバータ2に伝送する。また、制御スイッチ4に入力された入力信号のコントラスト情報に基づき、制御信号をA/Dコンバータ2に伝送し、アナログ信号の入力のレベルレンジを変更させる。
【0148】
また、演算器6−1は、入力画像データの同期信号(Hsync,Vsync)の間隔に応じて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断する。その結果に応じて、画像データの解像度の変更(伸張)を行う。
【0149】
ここで、本参考形態の演算器6−1は、動作の基準を確定させるために所定の周波数のクロック信号を生成する水晶発振子5と、データを一時保管するためのメモリ7とを用いて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断して、VGAからUXGAへの解像度変換を行う。この解像度変換については、後述する。
【0150】
そして、演算器6−1は、以上のように得られたデータを基にして、解像度がUXGAである液晶パネル12に応じた制御信号(画像信号)を生成して、ソースドライバ10およびゲートドライバ11に出力する。
【0151】
演算器6−1は、生成した制御信号をソースドライバ10に伝送する。この制御信号は、図4に示すような、ソースドライバ10のデータ取り込みを行うためのソースクロックSCK、データのスタートを示すソーススタートパルスSSP、ソースドライバ10の出力の切り替えを制御するラッチパルスLS、各絵素の階調を示す赤緑青の各色8ビットのデータ(R7〜R0、G7〜G0、B7〜B0)などから構成される。
【0152】
また、演算器6−1は、生成した制御信号をゲートドライバ11に伝送する。この制御信号は、図5に示すような、ゲートドライバ11のレジスタシフトタイミングとゲートドライバの出力のパルス幅を規定するGCK、及び垂直方向のデータのスタートを示すゲートスタートパルスGSPから構成される。
【0153】
また、演算器6−1は、制御スイッチ4に入力された階調輝度特性の情報を基にして、制御信号を生成して階調電源生成部8に伝送する。
【0154】
参考形態においては、階調電源生成部8は、入力データの階調に対して、液晶パネル12の絵素の透過率がγ=2.2になるような基準電圧を生成する。階調電源生成部8は、生成した基準電圧をソースドライバ10に伝送する。
【0155】
また、演算器6−1は、制御スイッチ4に入力された輝度情報を基にして、制御信号を生成してバックライト9のユニットに伝送する。具体的には、矩形波を生成し、そのデューティ比を変更し、そのデューティ比に応じてバックライト9の輝度を変化させる。バックライト9は、演算器6−1から送られる制御信号に基づいて、光量の調節を行う。
【0156】
ソースドライバ10は、演算器6−1からの制御信号と、階調電源生成部8からの電圧とを受けて、次のように動作する。
【0157】
まず、ソーススタートパルスSSPのハイパルスを,クロックSCKで取り込む。そして、SSPのハイパルスの次のクロックから、順次データR7〜R0、G7〜G0、B7〜B0の取り込みを行う。
【0158】
また、取り込んだデータを順次、各ソースラインに配置する。ラッチLSのハイパルスを取り込んだ時点で、各ソースバスライン13の出力を、現在出力されているものから、配置されたデータと階調基準電源の電圧値によって決められる電圧値に変更する。また、出力された電圧値を次のLSのハイパルスが入力されるまで維持する。
【0159】
ゲートドライバ11は、図5に示すように、演算器6−1からのゲートスタートパルスGSPのローパルスが入力された後、ゲートクロックGCKにしたがって、1ライン目から順番にゲートバスライン14に出力を行う。
【0160】
このとき、ソースドライバのLSとゲートドライバのGCKとは同期している。そして、液晶パネル12では、ゲートバスライン14がハイになっているラインのトランジスタ15のみがオンし、オンしたTFTトランジスタ15のみがソースバスラインの電圧を絵素16の電極に印加する。
【0161】
このときソースバスライン13の電圧とコモン電源の電圧との電位差に応じて、絵素16の透過率は変化する。なお、ゲートバスライン14によってハイの電圧が印加されていない場合は、絵素16は、以前にかかっていた印加電圧を保持して、透過率を維持する。すなわち、絵素16の液晶素子は、等価回路でコンデンサとして描かれるように、書きこみと書きこみとの間はその状態を保持する。
【0162】
以上の動作によって、画面の1ライン分の書きこみが行われる。この1ライン分の書きこみを、各ラインにて順次行い、液晶パネル12上に画像を表示することができる。
【0163】
ここで、図6に、VGAの解像度の入力データをUXGAの液晶パネル12に表示するためのデータ(表示データ)へと解像度変更する様子を模式的に示す。この場合は、画像データを、水平方向に640画素から1600画素に伸張し、垂直方向に480画素から1200画素に伸張することになる。
【0164】
図6に示すような解像度変換の詳細について、図7および8に基づいて説明する。
【0165】
液晶パネル12は、図7に示すように、実線にて区分して示す画素Pが平面状に配置された構成となっている。この画素Pは、UXGAの解像度に相当するだけ備えられているが、図7においては簡単のため一部のみを示している。この画素Pは、上述の絵素16のRGBの組からなるものである。
【0166】
一方、VGAの解像度の入力データにおける画素Pixelは、液晶パネル12において、UXGAの画素Pよりも大きい領域を占めることになる。より詳細には、640×480のデータを1600×1200に拡大するため、液晶パネル12における2.5画素×2.5画素の領域が、入力データの1画素の占めるべき領域に相当する。ここで、例えば図7に示す画素P0,2においては、元の画素Pixel0,0の値を用いるべきか、またはPixel0,1の値を用いるべきかという問題が生ずる。この点については後述する。
【0167】
なお、図7に示す各画素P,Pixelの添え字は、左側が垂直の行番号、右側が水平の列番号を表す。例えば、Pm,nは、m行n列の液晶パネル12の画素を意味する。同様にPixelm,nは、m行n列のVGAの入力データの画素を意味する。
【0168】
ところで、一般のカラー液晶パネルは、カラーフィルタの縦ストライプパターンと呼ばれる、赤緑青(Red,Green,Blue:RGB)の絵素を並べて1画素を形成するという構造をとっている。その他のカラー表示のための絵素の配列としては、ブラウン管TVでよく使用されているデルタ配列などがある。
【0169】
参考形態の液晶パネル12は、図8に示すような縦ストライプパターンを有している。このとき、入力信号のPixel0,0は、液晶パネル12の赤(R)7.5絵素、緑(G)6.25絵素、青(B)5絵素の領域を占める。また、Pixel0,1は、液晶パネル12の赤5絵素、緑6.25絵素、青7.5絵素の領域を占める。
【0170】
また、Pixel0,2のレイアウトは、Pixel0,0と同じになる。また、Pixel0,3のレイアウトは、Pixel0,1と同じになる。Pixel0,4のレイアウトは、Pixel0,0と同じになる。その他の水平方向の画素Pixel0,nであっても、以降同様の繰り返しとなるので、Pixel0,0またはPixel0,1と同様の構成となる。また、mを正の整数として、垂直方向の画素Pixelm,0、Pixelm,1については、入力画像データの同じ列のPixelと全て同じ構成となる。したがって、画素Pixelと液晶パネル12の絵素との対応関係は、Pixelm,0、Pixelm,1についてのテーブル、または演算式があれば分かることになる。
【0171】
また、本参考形態においては、画素Pixelの境界が、液晶パネル12の画素P内を通過する場合であっても、以下に説明するように、画素Pごとでなく絵素16ごとにデータを割り当てるので、この境界による表示ボケを低減できる。
【0172】
例えば、従来の液晶表示装置21に含まれるスケーラ26は、例えば図10の最上段に示す入力データに対して、単なるスケール変換と、その後の画素ごとの画像処理(ディザ)とを行って、図10の最下段に示すような出力データを得ていた。すなわち、本来は厚みのない画素と画素との境界が、例えば画素ごとの画像処理によって、少なくとも1画素分の厚みをもつ領域へと変換されていた。
【0173】
これに対して、本参考形態の演算器6−1は、図10の最上段と同様の、図9の最上段に示す入力データに対して、以下に説明するような絵素単位での処理を行って、図9の最下段に示すような出力データを得ることができる。
【0174】
すなわち、本参考形態の演算器6−1は、入力信号の画素Pixelから、液晶パネル12の画素Pへの変換において、液晶パネル12の絵素配列を基にして、境界の処理を絵素単位で行う。例えば、Pixel0,0の値を、図8に示すR0,0、G0,0、B0,0、R0,1、G0,1、B0,1、R0,2、G0,2、R1,0、G1,0、B1,0、R1,1、G1,1、B1,1、R1,2、G1,2、R2,0、G2,0、B2,0、R2,1、G2,1、B2,1、R2,2、G2,2の各絵素へと割り当てる。なお、以下に説明する、これら各絵素への値の割り当ての方法は、これによって好ましい表示がなされるものならば、どのようなものであってもよい。例えば、例えば予め定めた演算式を用いてもよいし、または予め定めたテーブルを参照するLUT(Look Up Table)法を用いてもよい。また、本参考形態とは異なるカラーフィルタの絵素配列であっても、絵素を単位として、同様に各絵素へと値を割り当てることができる。
【0175】
ここで、例えば図8に示す絵素G1,2のように、入力データの画素の境界がこの絵素G1,2内を通過する場合には、この絵素の値を画素Pixel0,0、またはPixel0,1のいずれに応じて決定するかが問題となる。本参考形態においては、半分の重みで画素Pixel0,0を反映させ、または残り半分の重みでPixel0,1を反映させる。
【0176】
ここで、本参考形態の液晶パネル12は、以下のような仕様となっている。すなわち、コントラストは500:1であり、階調カーブはγ=2.2のγカーブであり、出力ビット数は各色8ビットである。また、絵素の配列はRGB縦ストライプ配列である。また、白輝度はL=300.000で、白色度はx=0.3142,y=0.3245である。赤輝度はL=81.134で、赤色度はx=0.6180,y=0.3395である。緑輝度はL=182.971で、緑色度はx=0.2899,y=0.5971である。青輝度はL=36.784で、青色度はx=0.1410,y=0.0939である。
【0177】
以上のように、液晶パネル12は各色8ビットであるので、表示データは赤緑青において、それぞれ0〜255の256階調を持つことになる。これらの階調は、値が大きい程、対応する輝度が大きくなっている。
【0178】
以下では、このデータを(赤の階調,緑の階調,青の階調)という3次元ベクトルで表記する。例えば、最大輝度の白を、(255,255,255)と表す。液晶パネル12の仕様として記載した白輝度、赤輝度、緑輝度、青輝度は、それぞれ白(255,255,255),赤(255,0,0)、緑(0,255,0)、青(0,0,255)のデータの時の、輝度色度の数値に相当する。コントラストは、最大輝度の白(255,255,255)と最低輝度の白(0,0,0)との比を表す。白のγ=2.2の階調輝度カーブは、階調カーブを示す際に一般的に使用されるもので、次式で表される曲線に相当する。
L(n,n,n)= L(255,255,255)×[ (n/255)2.2×{1- L(0,0,0)/L(255,255,255) }
+ L(0,0,0)/L(255,255,255) ] …(1)
ここで、Lは輝度、nは階調を表す。そのため、L(255,255,255)は最大輝度の白、L(0,0,0)は最低輝度の白を意味する。また、2.2はγの数値から決定され、255は階調の最大値から決定される。
【0179】
また、一般に、液晶モジュールにおいては、上記のように白赤緑青の単色の輝度色度でデータが記載される。しかしながら、液晶表示装置1−1の制御は、単位を輝度で統一できるXYZの色度空間を用いた方が容易となる。このため、上記の輝度色度による表現を、XYZの色度空間に変換する。Lxy空間とXYZ空間との関係は次式で表される。
L= Y
x= X/(X+Y+Z)
y= Y/(X+Y+Z) …(2)
ここで、X,Y,Zの単位はcd/m2である。また、液晶表示装置1−1においては、色の三原色である赤緑青の絵素が独立して存在しているため、輝度は赤絵素の輝度、緑の絵素の輝度及び青絵素の輝度の合計となる。このため、以下の式が成立する。ここで、式中の添え字R,G,Bは、それぞれ赤緑青の絵素のX,Y,Zの輝度を示す。
X(l,m,n)= XR(l)+XG(m)+XB(n)
Y(l,m,n)= YR(l)+YG(m)+YB(n)
Z(l,m,n)= ZR(l)+ZG(m)+ZB(n) …(3)
ここで、赤緑青のX,Y,Zは、それぞれ独立に、γ=2.2の階調カーブを満たす。そのため、液晶パネル12における、赤緑青のXYZの値を式で表すと、以下のようになる。ここで、添え字のUXGAは、解像度がUXGAの液晶パネルを意味している。
XUXGA-R(l)=147.552×( (l/255)2.2 ×0.998 + 0.002)
XUXGA-G(m)= 88.667×( (m/255)2.2 ×0.998 + 0.002)
XUXGA-B(n)= 54.259×( (n/255)2.2 ×0.998 + 0.002)
YUXGA-R(l)= 81.107×( (l/255)2.2 ×0.998 + 0.002)
YUXGA-G(m)=182.736×( (m/255)2.2 ×0.998 + 0.002)
YUXGA-B(n)= 36.156×( (n/255)2.2 ×0.998 + 0.002)
ZUXGA-R(l)= 9.994×( (l/255)2.2 ×0.998 + 0.002)
ZUXGA-G(m)= 34.041×( (m/255)2.2 ×0.998 + 0.002)
ZUXGA-B(n)=289.987×( (n/255)2.2 ×0.998 + 0.002) …(4)
以上の式により、UXGAの液晶パネルの一画素に含まれる、赤絵素、緑絵素、青絵素のXYZを、それぞれ独立して求めることができる。この式から、本参考形態の入力データ(VGA)における画素Pixelの、輝度色度の最大値と最小値とを求めると、次表のようになる。ただし、XYZの輝度の値は、単位からわかるように単位面積あたりの数値となるため、注意が必要である。
【0180】
【表1】
Figure 0004515021
【0181】
次に、人間の目は、色度の変化よりもY輝度に精度よく反応するという特性がある。このため、XZについては若干ずれていても認識されにくい。そこでX,Y,Zのうち、Yの値に着目する。Pixel0,0およびPixel0,1が両方とも取れるYの値は、VGAの入力データにおいては、最大が271.82で、最小が0.618であるような範囲となる。
【0182】
参考形態の液晶表示装置1−1は、階調輝度特性がγ=2.2の階調カーブを満たすので、Y輝度は、VGAの信号が入力される場合には、以下の式のようになる。
YVGA(n)=271.82×((n/255)2.2 ×(1- 0.618/271.82)+0.618/271.82 ) …(5)
式(5)に基づく、VGA入力の場合の赤緑青のXYZの理論値は、以下の式のようになる。
XVGA-R(l)=133.692×( (l/255)2.2 ×0.997726+ 0.002274)
XVGA-G(m)= 80.338×( (m/255)2.2 ×0.997726+ 0.002274)
XVGA-B(n)= 49.162×( (n/255)2.2 ×0.997726+ 0.002274)
YVGA-R(l)= 73.488×( (l/255)2.2 ×0.997726+ 0.002274)
YVGA-G(m)=165.571×( (m/255)2.2 ×0.997726+ 0.002274)
YVGA-B(n)= 32.760×( (n/255)2.2 ×0.997726+ 0.002274)
ZVGA-R(l)= 9.055×( (l/255)2.2 ×0.997726+ 0.002274)
ZVGA-G(m)= 30.843×( (m/255)2.2 ×0.997726+ 0.002274)
ZVGA-B(n)=262.748×( (n/255)2.2 ×0.997726+ 0.002274) …(6)
そして、赤緑青の合計が画素のXYZとなるので、以下の式のようになる。
XVGA(l,m,n)=XVGA-R(l)+XVGA-G(m)+XVGA-B(n)
YVGA(l,m,n)=YVGA-R(l)+YVGA-G(m)+YVGA-B(n)
ZVGA(l,m,n)=ZVGA-R(l)+ZVGA-G(m)+ZVGA-B(n) …(7)
ここで、式(7)の値は、Yの取れる範囲から導かれた理論値であり、実際は式(4)で表される液晶パネル12の絵素の組み合わせによって形成される。そこで、式(4)と、VGA入力時の画素がUXGAの液晶パネル12においてどの領域を占めるかとの情報から、各PixelのXYZの値を次式の様に求めることができる。ただし、UXGAの液晶パネルの各絵素の階調を、図8に示すように、それぞれ、R0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・とする。
【0183】
まず、VGA入力データのPixel0,0は、以下のようになる。
XVGA(l,m,n)={ XUXGA-R(R0,0)+XUXGA-G(G0,0)+XUXGA-B(B0,0)
+XUXGA-R(R0,1)+XUXGA-G(G0,1)+XUXGA-B(B0,1)
+XUXGA-R(R0,2)+XUXGA-G(G0,2)×0.5
+XUXGA-R(R1,0)+XUXGA-G(G1,0)+XUXGA-B(B1,0)
+XUXGA-R(R1,1)+XUXGA-G(G1,1)+XUXGA-B(B1,1)
+XUXGA-R(R1,2)+XUXGA-G(G1,2)×0.5
+XUXGA-R(R2,0)×0.5+XUXGA-G(G2,0)×0.5+XUXGA-B(B2,0)×0.5
+XUXGA-R(R2,1)×0.5+XUXGA-G(G2,1)×0.5+XUXGA-B(B2,1)×0.5
+XUXGA-R(R2,2)×0.5+XUXGA-G(G2,2)×0.25 }
YVGA(l,m,n)={ YUXGA-R(R0,0)+YUXGA-G(G0,0)+YUXGA-B(B0,0)
+YUXGA-R(R0,1)+YUXGA-G(G0,1)+YUXGA-B(B0,1)
+YUXGA-R(R0,2)+YUXGA-G(G0,2)×0.5
+YUXGA-R(R1,0)+YUXGA-G(G1,0)+YUXGA-B(B1,0)
+YUXGA-R(R1,1)+YUXGA-G(G1,1)+YUXGA-B(B1,1)
+YUXGA-R(R1,2)+YUXGA-G(G1,2)×0.5
+YUXGA-R(R2,0)×0.5+YUXGA-G(G2,0)×0.5+YUXGA-B(B2,0)×0.5
+YUXGA-R(R2,1)×0.5+YUXGA-G(G2,1)×0.5+YUXGA-B(B2,1)×0.5
+YUXGA-R(R2,2)×0.5+YUXGA-G(G2,2)×0.25 }
ZVGA(l,m,n)={ ZUXGA-R(R0,0)+ZUXGA-G(G0,0)+ZUXGA-B(B0,0)
+ZUXGA-R(R0,1)+ZUXGA-G(G0,1)+ZUXGA-B(B0,1)
+ZUXGA-R(R0,2)+ZUXGA-G(G0,2)×0.5
+ZUXGA-R(R1,0)+ZUXGA-G(G1,0)+ZUXGA-B(B1,0)
+ZUXGA-R(R1,1)+ZUXGA-G(G1,1)+ZUXGA-B(B1,1)
+ZUXGA-R(R1,2)+ZUXGA-G(G1,2)×0.5
+ZUXGA-R(R2,0)×0.5+ZUXGA-G(G2,0)×0.5+ZUXGA-B(B2,0)×0.5
+ZUXGA-R(R2,1)×0.5+ZUXGA-G(G2,1)×0.5+ZUXGA-B(B2,1)×0.5
+ZUXGA-R(R2,2)×0.5+ZUXGA-G(G2,2)×0.25 } …(8)
また、Pixel0,1の場合には、以下のようになる。
XVGA(l,m,n)={ XUXGA-G(G0,2)×0.5+XUXGA-B(B0,2)
+XUXGA-R(R0,3)+XUXGA-G(G0,3)+XUXGA-B(B0,3)
+XUXGA-R(R0,4)+XUXGA-G(G0,4)+XUXGA-B(B0,4)
+XUXGA-G(G1,2)×0.5+XUXGA-B(B1,2)
+XUXGA-R(R1,3)+XUXGA-G(G1,3)+XUXGA-B(B1,3)
+XUXGA-R(R1,4)+XUXGA-G(G1,4)+XUXGA-B(B1,4)
+XUXGA-G(G2,2)×0.25+XUXGA-B(B2,2)×0.5
+XUXGA-R(R2,3)×0.5+XUXGA-G(G2,3)×0.5+XUXGA-B(B2,3)×0.5
+XUXGA-R(R2,4)×0.5+XUXGA-G(G2,4)×0.5+XUXGA-B(B2,4)×0.5 }
YVGA(l,m,n)={ YUXGA-G(G0,2)×0.5+YUXGA-B(B0,2)
+YUXGA-R(R0,3)+YUXGA-G(G0,3)+YUXGA-B(B0,3)
+YUXGA-R(R0,4)+YUXGA-G(G0,4)+YUXGA-B(B0,4)
+YUXGA-G(G1,2)×0.5+YUXGA-B(B1,2)
+YUXGA-R(R1,3)+YUXGA-G(G1,3)+YUXGA-B(B1,3)
+YUXGA-R(R1,4)+YUXGA-G(G1,4)+YUXGA-B(B1,4)
+YUXGA-G(G2,2)×0.25+YUXGA-B(B2,2)×0.5
+YUXGA-R(R2,3)×0.5+YUXGA-G(G2,3)×0.5+YUXGA-B(B2,3)×0.5
+YUXGA-R(R2,4)×0.5+YUXGA-G(G2,4)×0.5+YUXGA-B(B2,4)×0.5 }
ZVGA(l,m,n)={ ZUXGA-G(G0,2)×0.5+ZUXGA-B(B0,2)
+ZUXGA-R(R0,3)+ZUXGA-G(G0,3)+ZUXGA-B(B0,3)
+ZUXGA-R(R0,4)+ZUXGA-G(G0,4)+ZUXGA-B(B0,4)
+ZUXGA-G(G1,2)×0.5+ZUXGA-B(B1,2)
+ZUXGA-R(R1,3)+ZUXGA-G(G1,3)+ZUXGA-B(B1,3)
+ZUXGA-R(R1,4)+ZUXGA-G(G1,4)+ZUXGA-B(B1,4)
+ZUXGA-G(G2,2)×0.25+ZUXGA-B(B2,2)×0.5
+ZUXGA-R(R2,3)×0.5+ZUXGA-G(G2,3)×0.5+ZUXGA-B(B2,3)×0.5
+ZUXGA-R(R2,4)×0.5+ZUXGA-G(G2,4)×0.5+ZUXGA-B(B2,4)×0.5 }
…(9)
上記の式を用いて、入力データごとに、式(7)から得られるXYZと、式(8)(9)から得られるXYZとの差(誤差、色差)が最も小さくなるように、R0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・の値を求める。ただし、XYZで人間の目に与える影響が異なるので、次式で定義した誤差が最も小さくなるものを選ぶ。
E2=E2 X+2×E2 Y+E2 Z …(10)
ここで、EXはXの誤差、EYはYの誤差、EZはZの誤差を示す。これを入力データごとに計算する。なお、色差の定義は式(10)に限るものではなく、例えば単にE2=E2 X+E2 Y+E2 Zであってもよいし、またはその他の形式であってもよい。
【0184】
上記計算の結果を以下の表2および表3に示す。尚、表2はPixel0,0に対応する計算結果であり、表3はPixel0,1に対応する計算結果である。
【0185】
【表2】
Figure 0004515021
【0186】
【表3】
Figure 0004515021
【0187】
例えば、このようにして得た、入力データのRGBとこれに対応する各絵素R0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・における値との対応表(テーブル)を作成しておき、メモリ7に格納しておく。そして、解像度変換のために演算器6−1がメモリ7からテーブルを読み出して、解像度変換してもよい。または、上述した計算を入力データの画素ごとに行うことによって解像度変換することもできる。
【0188】
また、先に説明したとおり、VGA入力の場合には、入力データのすべての画素Pixelは、Pixel0,0かPixel0,1かのいずれかと同様のパターンとなる。このため、入力データのRGBに対して、2種類のテーブルを用意すれば、変換が可能となる。
【0189】
なお、後述するSVGA入力の場合は、1パターンの変換しか存在しないため1種類のテーブルで良い。また、XGA入力の場合は、VGAと同様に2種類のテーブルが必要となる。
【0190】
この後、上述のように、演算器6−1は、ソースドライバ10およびゲートドライバ11を駆動するための信号を生成して、それぞれ送信する。これによって、液晶パネル12に解像度を変換した画像を表示できる。
【0191】
以上のようにして得られた画像データを用いて表示を行った場合には、以下のような利点がある。
【0192】
すなわち、例えば図9の最上段の入力データに示すように、白(255,255,255)から黒(0,0,0)へのデータの変化点が、スケール変換によって液晶パネル12の画素の真中に発生する場合には、図9の最下段の合成出力1に示すように、境界を含む一つの絵素のみにおいて、境界を表す灰色状態の区間D1となる。このため、データの変化点が鮮明になる。なお、図9の中段に示す二つのデータ(出力データ1、出力データ2)を切り替えて表示して、最下段の合成出力1と同等の表示を実現してもよい。
【0193】
一方、従来の液晶表示装置21において、通常のディザ処理を行った場合には、本願の図9と同様の入力データに対してディザ処理が行われて、図10の最下段に示す合成出力2のように処理される。すなわち、従来は画素ごとに画像処理されていたので、この場合には灰色状態の区間はD2となる。
また、解像度変換は画素ごとに処理されて、入力データの画素が変換されて占めるべき領域の全ての絵素を用いるようにはなっていなかった。よって、十分に鮮明なデータ変化点を得ることができない。なお、合成出力2は、図10の中段に示す出力データ3、出力データ4を切り替えて、実現してもよい。
【0194】
以上に説明したように、本参考形態の液晶表示装置1−1によれば、従来の液晶表示装置21よりもさらに鮮明にデータの変化点を表示できる。すなわち、例えば図10に示す区間D2を、図9に示す区間D1のようにできるので、データの変化点を鮮明にできる。
【0195】
なお、上述した液晶表示装置1−1に対して、XGA、SVGAの解像度の画像データが入力された場合の表示状態について以下で説明する。
【0196】
上記式(4)によって、UXGAの液晶パネルの一画素に含まれる、赤絵素、緑絵素、青絵素のXYZを、それぞれ独立して求めることができる。
【0197】
この式から、本参考形態の入力画像データのPixel輝度色度の最大値と最小値を求めると、次表のようになる。ただし、XYZの輝度の値は、単位からわかるように単位面積あたりの数値となるため、注意が必要である。
【0198】
まず、SVGAの入力画像データについては、赤絵素、緑絵素、青絵素の数がそれぞれ等しいため、以下の表のように液晶パネル12と同じとなる。
【0199】
【表4】
Figure 0004515021
【0200】
また、XGAの入力画像データについては、以下の表のようになる。
【0201】
【表5】
Figure 0004515021
【0202】
次に、上述のように、人間の目が、色度の変化よりもY輝度に精度よく反応するという特性を考慮すると、XGAの場合に、Pixel0,0およびPixel0,1が両方とも取れるYの値は、最大が285.02であり、最小が0.630という範囲となる。
【0203】
参考形態の液晶表示装置1−1は、階調輝度特性がγ=2.2の階調カーブを満たすので、Y輝度は、SVGAの信号が入力される場合には、以下の式のようになる。
YSVGA(n)=300.00×((n/255)2.2 ×(1- 0.600/300.00)+0.600/300.00 ) …(11)
また、XGAの信号が入力される場合には以下のようになる。
YXGA(n)=285.02×((n/255)2.2 ×(1- 0.630/285.02)+0.630/285.02 ) …(12)
ここで、式(11)に基づく、SVGA入力の場合の赤緑青のXYZの理論値は、以下の式のようになる。
XSVGA-R(l)=147.552×( (l/255)2.2 ×0.998+ 0.002)
XSVGA-G(m)= 88.667×( (m/255)2.2 ×0.998+ 0.002)
XSVGA-B(n)= 54.259×( (n/255)2.2 ×0.998+ 0.002)
YSVGA-R(l)= 81.107×( (l/255)2.2 ×0.998+ 0.002)
YSVGA-G(m)=182.736×( (m/255)2.2 ×0.998+ 0.002)
YSVGA-B(n)= 36.156×( (n/255)2.2 ×0.998+ 0.002)
ZSVGA-R(l)= 9.994×( (l/255)2.2 ×0.998+ 0.002)
ZSVGA-G(m)= 34.041×( (m/255)2.2 ×0.998+ 0.002)
ZSVGA-B(n)=289.987×( (n/255)2.2 ×0.998+ 0.002) …(13)
そして、赤緑青の合計が画素のXYZとなるので、以下の式のようになる。
XSVGA(l,m,n)=XSVGA-R(l)+XSVGA-G(m)+XSVGA-B(n)
YSVGA(l,m,n)=YSVGA-R(l)+YSVGA-G(m)+YSVGA-B(n)
ZSVGA(l,m,n)=ZSVGA-R(l)+ZSVGA-G(m)+ZSVGA-B(n) …(14)
また、式(12)に基づく、XGA入力の場合の赤緑青のXYZの理論値は、以下の式のようになる。
XXGA-R(l)= 140.1842×( (l/255)2.2 ×0.99779+ 0.00221)
XXGA-G(m)= 84.23956×( (m/255)2.2 ×0.99779+ 0.00221)
XXGA-B(n)= 51.54967×( (n/255)2.2 ×0.99779+ 0.00221)
YXGA-R(l)= 77.05706×( (l/255)2.2 ×0.99779+ 0.00221)
YXGA-G(m)= 173.6114×( (m/255)2.2 ×0.99779+ 0.00221)
YXGA-B(n)= 34.35061×( (n/255)2.2 ×0.99779+ 0.00221)
ZXGA-R(l)= 9.494966×( (l/255)2.2 ×0.99779+ 0.00221)
ZXGA-G(m)= 32.34122×( (m/255)2.2 ×0.99779+ 0.00221)
ZXGA-B(n)= 275.507×( (n/255)2.2 ×0.99779+ 0.00221) …(15)
そして、赤緑青の合計が画素のXYZとなるので、以下の式のようになる。
XXGA(l,m,n)=XXGA-R(l)+XXGA-G(m)+XXGA-B(n)
YXGA(l,m,n)=YXGA-R(l)+YXGA-G(m)+YXGA-B(n)
ZXGA(l,m,n)=ZXGA-R(l)+ZXGA-G(m)+ZXGA-B(n) …(16)
ここで、式(14)、(16)の値は、Yの取れる範囲から導かれた理論値であり、実際は式(4)で表される液晶パネル12の絵素の組み合わせによって形成される。
【0204】
ここで、SVGAのデータをUXGAの液晶パネルに表示する場合は、図11に示すように、元の画素は変換後の画素の定数倍となる。すなわち、800×600のデータを1600×1200に拡大するため、元のSVGAの1画素のデータは液晶パネル12の2画素×2画素に投影される。したがって、元の画素と画素との境界がUXGAの画素を通過することがない。このため、従来と同じように、SVGAの画素1個とUXGAの画素4つとを一対一対応させて変換できる。
【0205】
すると、SVGA入力の場合は、1パターンの変換しか存在しないため、以下の1種類のテーブルで良い。
XSVGA(l,m,n)={ XUXGA-R(R0,0)+XUXGA-G(G0,0)+XUXGA-B(B0,0)
+XUXGA-R(R0,1)+XUXGA-G(G0,1)+XUXGA-B(B0,1)
+XUXGA-R(R1,0)+XUXGA-G(G1,0)+XUXGA-B(B1,0)
+XUXGA-R(R1,1)+XUXGA-G(G1,1)+XUXGA-B(B1,1) }
YSVGA(l,m,n)={ YUXGA-R(R0,0)+YUXGA-G(G0,0)+YUXGA-B(B0,0)
+YUXGA-R(R0,1)+YUXGA-G(G0,1)+YUXGA-B(B0,1)
+YUXGA-R(R1,0)+YUXGA-G(G1,0)+YUXGA-B(B1,0)
+YUXGA-R(R1,1)+YUXGA-G(G1,1)+YUXGA-B(B1,1) }
ZSVGA(l,m,n)={ ZUXGA-R(R0,0)+ZUXGA-G(G0,0)+ZUXGA-B(B0,0)
+ZUXGA-R(R0,1)+ZUXGA-G(G0,1)+ZUXGA-B(B0,1)
+ZUXGA-R(R1,0)+ZUXGA-G(G1,0)+ZUXGA-B(B1,0)
+ZUXGA-R(R1,1)+ZUXGA-G(G1,1)+ZUXGA-B(B1,1) } …(17)
また、XGA入力の場合は、式(4)と、XGA入力時の画素がUXGAの液晶パネル12においてどの領域を占めるかとの情報から、各PixelのXYZの値を次式の様に求めることができる。
【0206】
まず、Pixel0,0の場合には、以下のようになる。
XXGA(l,m,n)={ XUXGA-R(R0,0)+XUXGA-G(G0,0)+XUXGA-B(B0,0)
+XUXGA-R(R0,1)+XUXGA-G(G0,1)×0.5
+XUXGA-R(R1,0)×0.5+XUXGA-G(G1,0)×0.5+XUXGA-B(B1,0)×0.5
+XUXGA-R(R1,1)×0.5+XUXGA-G(G1,1)×0.25 }
YXGA(l,m,n)={ YUXGA-R(R0,0)+YUXGA-G(G0,0)+YUXGA-B(B0,0)
+YUXGA-R(R0,1)+YUXGA-G(G0,1)×0.5
+YUXGA-R(R1,0)×0.5+YUXGA-G(G1,0)×0.5+YUXGA-B(B1,0)×0.5
+YUXGA-R(R1,1)×0.5+YUXGA-G(G1,1)×0.25 }
ZXGA(l,m,n)={ ZUXGA-R(R0,0)+ZUXGA-G(G0,0)+ZUXGA-B(B0,0)
+ZUXGA-R(R0,1)+ZUXGA-G(G0,1)×0.5
+ZUXGA-R(R1,0)×0.5+ZUXGA-G(G1,0)×0.5+ZUXGA-B(B1,0)×0.5
+ZUXGA-R(R1,1)×0.5+ZUXGA-G(G1,1)×0.25 } …(18)
また、Pixel0,1の場合には、以下のようになる。
XXGA(l,m,n)={ XUXGA-G(G0,1)×0.5+XUXGA-B(B0,1)
+XUXGA-R(R0,2)+XUXGA-G(G0,2)+XUXGA-B(B0,2)
+XUXGA-G(G1,1)×0.25+XUXGA-B(B1,1)×0.5
+XUXGA-R(R1,2)×0.5+XUXGA-G(G1,2)×0.5+XUXGA-B(B1,2)×0.5 }
YXGA(l,m,n)={ YUXGA-G(G0,1)×0.5+YUXGA-B(B0,1)
+YUXGA-R(R0,2)+YUXGA-G(G0,2)+YUXGA-B(B0,2)
+YUXGA-G(G1,1)×0.25+YUXGA-B(B1,1)×0.5
+YUXGA-R(R1,2)×0.5+YUXGA-G(G1,2)×0.5+YUXGA-B(B1,2)×0.5 }
ZXGA(l,m,n)={ ZUXGA-G(G0,1)×0.5+ZUXGA-B(B0,1)
+ZUXGA-R(R0,2)+ZUXGA-G(G0,2)+ZUXGA-B(B0,2)
+ZUXGA-G(G1,1)×0.25+ZUXGA-B(B1,1)×0.5
+ZUXGA-R(R1,2)×0.5+ZUXGA-G(G1,2)×0.5+ZUXGA-B(B1,2)×0.5 }
…(19)
なお、XGAの場合は、図12に示すように、XGAの画素データ1個を、1.5絵素×1.5絵素に投影する。この場合、横が1024×1.5=1536、縦が768×1.5=1152となり余白が発生してしまう。しかしながら、本参考形態では、説明を簡単にすることと、映像の変換が簡単な整数比となる方が、入力信号の画素のエッジが鮮明となることとから、この投影を行うものとする。この場合に、拡大して絵素単位で示すと、図13のようになる。
【0207】
この場合、Pixel0,0は液晶パネル12の赤3絵素、緑2.25絵素、青1.5絵素の領域を占める。Pixel0,1は液晶パネル12の赤1.5絵素、緑2.25絵素、青3絵素の領域を占める。Pixel0,2のレイアウトはPixel0,0と同じになる。また、Pixel0,3のレイアウトはPixel0,1と同じになる。Pixel0,4のレイアウトはPixel0,0と同じになる。以降同様の繰り返しとなる。垂直方向については入力画像データの同じ列のPixelはすべて同じ構成となる。そして、VGA入力の場合と同じ用に境界処理を絵素単位で行う。
【0208】
そして、入力データごとに、SVGAの場合には、式(14)から得られるXYZと式(17)から得られるXYZとの差、またXGAの場合には、式(16)から得られるXYZと式(18)(19)から得られるXYZとの差が、それぞれ最も小さくなるようにR0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・の値を求める。
【0209】
ただし、VGAデータのときと同様に、誤差の計算については、XYZで人間の目に与える影響が異なるので、式(10)で定義する誤差E2がもっとも小さくなるものを選ぶ。
【0210】
計算の結果、VGAの場合と同様に、R0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・の値を求めることができる。XGAの場合の上記計算の結果を表6および表7に示す。尚、表6はPixel0,0に対応する計算結果であり、表7はPixel0,1に対応する計算結果である。
【0211】
【表6】
Figure 0004515021
【0212】
【表7】
Figure 0004515021
【0213】
先に説明したとおり、XGA入力の場合には、入力データのすべての画素が、Pixel0,0かPixel0,1のいずれかのパターンとため、入力モードごとにこの2種類のテーブルを用意すれば、変換が可能となる。また、SVGAの場合については省略する。
【0214】
以上のように、本参考形態の液晶表示装置1−1は、VGA、SVGA、XGAの入力画像データを、適切に解像度変換して、UXGAの液晶パネル12に表示することができる。
【0215】
液晶表示装置1−1は、解像度変換手段としての演算器6−1が、入力画像データの画素Pixelごとに、この画素Pixelが液晶パネル12において占めるべき領域に含まれる全ての絵素16のデータへと、この画素Pixelのデータを反映させることによって解像度変換を行う構成である。
【0216】
したがって、入力画像データの画素Pixelが、この画素Pixelの占めるべき領域に含まれる全ての絵素16によって表現され、液晶パネル12における絵素16の配置に応じた、忠実な画像再現が可能となる。特に、表示エッジをはっきりと示すことができる。したがって、上記構成によれば、解像度の変更の際に発生していた表示エッジのボケを低減して表示品位を向上できる。
【0217】
すなわち、液晶表示装置1−1は、入力画像データの解像度を、液晶パネル12の解像度に変更する際に、平面に配置された赤緑青の各絵素を単位として忠実に再現するようにデータを変換する機能を有した液晶表示装置である、と表現することもできる。
【0218】
また、本参考形態の液晶表示装置1−1は、入力データの画素の値を、液晶パネル12の絵素の値へと反映させる際に、所望の形式に定義した色差を用いて、入力データの画素の色度と液晶パネル12の各絵素による色度との色差が最も小さくなるようにする。
【0219】
したがって、所望の色差の定義によって、好ましい画像再現を行うことができる。例えば、液晶表示装置1−1は、この色差の定義を、制御スイッチ4を用いて変更することができる構成であってもよい。
【0220】
ここで、入力データがVGAの解像度の場合には、入力データの1画素が、液晶パネル12の2.5画素×2.5画素に変換されることになる。これによって、本来1画素に含まれる赤1絵素、緑1絵素、青1絵素を用いて表現するべき色を、液晶パネル12の赤7.5絵素、緑6.25絵素、青5絵素を用いて表現することができる。このため、同じ色を表現する場合であっても、各絵素の値は1つに限定されずに、所定の自由度による組み合わせを取りうることになる。本参考形態の液晶表示装置1−1は、解像度の変更によって生ずる、各絵素の値における余分の自由度を利用して、より忠実な画像再現を行う表示装置である、と表現することもできる。この場合、余分の自由度を、所望の定義による色差を最小にすることによって消去して、絵素の値を決定している。
【0221】
なお、絵素の配列は単純な平面状に限るものではなく、所望の曲率、凹凸などを有する平面に配置されていてもよい。この場合にも同様に変換できる。
【0222】
また、本参考形態に係る液晶表示装置1−1においては、カラーフィルタの縦ストライプパターンの場合を例にして説明したが、これに限らず、その他の例えばデルタ配列であってもよく、同様の効果が得られる。
【0223】
また、本参考の形態においては、UXGAの解像度の液晶パネル12を例にして説明をしたが、これに限るものではなく、その他の解像度の液晶パネルであってもよい。
【0224】
なお、本発明はこの参考の形態の構成に限定されるものではなく、以下に説明する実施の形態における特徴点をさらに組み合わせた構成、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0225】
〔実施の形態
本発明の実施の形態について図14ないし図30に基づいて説明すると以下の通りである。
【0226】
液晶表示装置1−2は、図14に示すように、A/Dコンバータ2、差動信号復号器3、制御スイッチ4、水晶発振子5、演算器(解像度変換手段)6−2、メモリ7、階調電源生成部8、バックライト9、ソースドライバ10、ゲートドライバ11、及び液晶パネル(表示パネル)12を備えている。
【0227】
また、図15に示すように、液晶パネル12は、ソースバスライン13、ゲートバスライン14、トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))15及びRGB(Red,Green,Blue)の絵素16を備えている。この絵素16は、RGBの組が、一つの画素に相当する。
【0228】
尚、上記液晶表示装置1−2の構成は、実施の形態1において図1で示した液晶表示装置1−1の構成とほぼ同様であるが、演算器6−2の機能のみ実施の形態1の場合と異なるものである。
【0229】
本実施形態の液晶表示装置1−2は、入力画像データを、液晶パネル12の解像度のデータへと伸張する際に、液晶パネル12における視角特性の良い階調が多く含まれるように絵素ごとのデータを設定して、視角特性を向上させた表示装置である。すなわち、視角特性をも考慮して、解像度変換を行う。
【0230】
ここで、一般の液晶パネルは、液晶パネルへの視線の角度(視角)によって、その見え方が変わるという特性がある。これは、図16に示すように、視角に応じて各階調の輝度が変化するためである。なお、この図16に示す特性は、一般に市販されている液晶モジュールの一例における、水平のY輝度の特性である。
【0231】
より詳細には、上記の液晶モジュールにおいては、図17に示すように、中央の視角(0°付近)における階調と輝度比との関係は、比較的単調な変化をしている。一方、斜めからの視角(例えば80°付近)の場合には、この階調と輝度比との関係は単調なものにはならず、歪んでいる。
【0232】
このように、視角に応じて階調と輝度との対応が異なるので、ある視角において正確に再現されている画像であっても、異なる視角においては再現性が悪くなってしまう。例えば、中央の視角において(32,128,32)の色だったものが、斜めの40°の視角においては(32,176,32)の色となって、緑がかった色に変化してしまうので、画像の再現性が悪くなる。
【0233】
また、上記の液晶モジュールにおける視角と輝度比との関係は、図18に示すように、階調に応じて異なっている。すなわち、視角変化に応じた輝度比の変化が大きい階調と、視角変化に応じた輝度比の変化が小さい階調とがある。
【0234】
ここで、本実施形態の液晶パネル12は、簡単のため、図16〜18に示した視角、階調、輝度比の特性を有するものとする。すなわち、液晶表示装置1−2は、解像度変換に伴う補正がない場合には、図16〜18のような特性を示すものとする。
【0235】
本実施形態においても、UXGA(1600画素×1200画素)の解像度を有する液晶パネル12に対して、VGA(640画素×480画素)の解像度の画像データが入力された場合の動作を説明する。なお、この画像データは赤緑青各色8ビットの色深度を持つものとする。また、SVGA(800画素×600画素)、XGA(1024画素×768画素)の解像度の画像データが入力された場合については、その後に説明する。
【0236】
入力された画像データ(入力画像データ)は、アナログ信号の場合はA/Dコンバータ2を経由してディジタル信号に変換される。差動ディジタル信号の場合は差動信号復号器3を経由してディジタル信号に変換される。
【0237】
変換された信号は、図19(a)(b)に示すような、水平の画素の取り込みに使用するクロックCK、水平の同期位置を示すHsync、垂直の同期位置を示すVsyncなどの同期信号、および各色8ビット合計24ビットのデータとなる。
【0238】
なお、このディジタル信号のデータは、入力画像データと同じVGAの解像度のデータである。そのため、クロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数は、入力画像データと同じである。なお、入力画像データが、SVGA、XGAの解像度であっても、変換された後のデータは入力画像データと同じクロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数となる。
【0239】
以上のように、A/Dコンバータ2または差動信号復号器3において変換されたディジタル信号の画像データが、演算器6−2に入力される。
【0240】
演算器6−2は、例えばアナログ信号から得られた同期信号の間隔に応じて周波数を割り出し、割り出した周波数の情報をA/Dコンバータ2に伝送する。また、制御スイッチ4に入力された入力信号のコントラスト情報に基づき、制御信号をA/Dコンバータ2に伝送し、アナログ信号の入力のレベルレンジを変更させる。
【0241】
また、演算器6−2は、入力画像データの同期信号(Hsync,Vsync)の間隔に応じて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断する。その結果に応じて、画像データの解像度の変更(伸張)を行う。
【0242】
ここで、本実施形態の演算器6−2は、動作の基準を確定させるために所定の周波数のクロック信号を生成する水晶発振子5と、データを一時保管するためのメモリ7とを用いて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断して、VGAからUXGAへの解像度変換を行う。この解像度変換については、後述する。
【0243】
そして、演算器6−2は、以上のように得られたデータを基にして、解像度がUXGAである液晶パネル12に応じた制御信号(画像信号)を生成して、ソースドライバ10およびゲートドライバ11に出力する。
【0244】
演算器6−2は、生成した制御信号をソースドライバ10に伝送する。この制御信号は、図20に示すような、ソースドライバ10のデータ取り込みを行うためのソースクロックSCK、データのスタートを示すソーススタートパルスSSP、ソースドライバ10の出力の切り替えを制御するラッチパルスLS、各絵素の階調を示す赤緑青の各色8ビットのデータ(R7〜R0、G7〜G0、B7〜B0)などから構成される。
【0245】
また、演算器6−2は、生成した制御信号をゲートドライバ11に伝送する。この制御信号は、図21に示すような、ゲートドライバ11のレジスタシフトタイミングとゲートドライバの出力のパルス幅を規定するGCK、及び垂直方向のデータのスタートを示すゲートスタートパルスGSPから構成される。
【0246】
また、演算器6−2は、制御スイッチ4に入力された階調輝度特性の情報を基にして、制御信号を生成して階調電源生成部8に伝送する。
【0247】
本実施形態においては、階調電源生成部8は、入力データの階調に対して、液晶パネル12の絵素の透過率がγ=2.2になるような基準電圧を生成する。階調電源生成部8は、生成した基準電圧をソースドライバ10に伝送する。
【0248】
また、演算器6−2は、制御スイッチ4に入力された輝度情報を基にして、制御信号を生成してバックライト9のユニットに伝送する。具体的には、矩形波を生成し、そのデューティ比を変更し、そのデューティ比に応じてバックライト9の輝度を変化させる。バックライト9は、演算器6−2から送られる制御信号に基づいて、光量の調節を行う。
【0249】
ソースドライバ10は、演算器6−2からの制御信号と、階調電源生成部8からの電圧とを受けて、次のように動作する。
【0250】
まず、ソーススタートパルスSSPのハイパルスを,クロックSCKで取り込む。そして、SSPのハイパルスの次のクロックから、順次データR7〜R0、G7〜G0、B7〜B0の取り込みを行う。
【0251】
また、取り込んだデータを順次、各ソースラインに配置する。ラッチLSのハイパルスを取り込んだ時点で、各ソースバスライン13の出力を、現在出力されているものから、配置されたデータと階調基準電源の電圧値によって決められる電圧値に変更する。また、出力された電圧値を次のLSのハイパルスが入力されるまで維持する。
【0252】
ゲートドライバ11は、図21に示すように、演算器6−2からのゲートスタートパルスGSPのローパルスが入力された後、ゲートクロックGCKにしたがって、1ライン目から順番にゲートバスライン14に出力を行う。
【0253】
このとき、ソースドライバのLSとゲートドライバのGCKとは同期している。そして、液晶パネル12では、ゲートバスライン14がハイになっているラインのトランジスタ15のみがオンし、オンしたTFTトランジスタ15のみがソースバスラインの電圧を絵素16の電極に印加する。
【0254】
このときソースバスライン13の電圧とコモン電源の電圧との電位差に応じて、絵素16の透過率は変化する。なお、ゲートバスライン14によってハイの電圧が印加されていない場合は、絵素16は、以前にかかっていた印加電圧を保持して、透過率を維持する。すなわち、絵素16の液晶素子は、等価回路でコンデンサとして描かれるように、書きこみと書きこみとの間はその状態を保持する。
【0255】
以上の動作によって、画面の1ライン分の書きこみが行われる。この1ライン分の書きこみを、各ラインにて順次行い、液晶パネル12上に画像を表示することができる。
【0256】
ここで、図22に、VGAの解像度の入力データをUXGAの液晶パネル12に表示するためのデータ(表示データ)へと解像度変更する様子を模式的に示す。この場合は、画像データを、水平方向に640画素から1600画素に伸張し、垂直方向に480画素から1200画素に伸張することになる。
【0257】
図22に示すような解像度変換の詳細について、図23ないし27に基づいて説明する。
【0258】
液晶パネル12は、図23に示すように、実線にて区分して示す画素Pが平面状に配置された構成となっている。この画素Pは、UXGAの解像度に相当するだけ備えられているが、図23においては簡単のため一部のみを示している。この画素Pは、上述の絵素16のRGBの組からなるものである。
【0259】
一方、VGAの解像度の入力データにおける画素Pixelは、液晶パネル12において、UXGAの画素Pよりも大きい領域を占めることになる。より詳細には、640×480のデータを1600×1200に拡大するため、液晶パネル12における2.5画素×2.5画素の領域が、入力データの1画素の占めるべき領域に相当する。ここで、例えば図23に示す画素P0,2においては、元の画素Pixel0,0の値を用いるべきか、またはPixel0,1の値を用いるべきかという問題が生ずる。この点については後述する。
【0260】
なお、図23ないし図27に示す各画素P,Pixelの添え字は、左側が垂直の行番号、右側が水平の列番号を表す。例えば、Pm,nは、m行n列の液晶パネル12の画素を意味する。同様にPixelm,nは、m行n列のVGAの入力データの画素を意味する。
【0261】
ところで、一般のカラー液晶パネルは、カラーフィルタの縦ストライプパターンと呼ばれる、赤緑青(Red,Green,Blue:RGB)の絵素を並べて1画素を形成するという構造をとっている。その他のカラー表示のための絵素の配列としては、ブラウン管TVでよく使用されているデルタ配列などがある。
【0262】
本実施形態の液晶パネル12は、図24に示すような縦ストライプパターンを有している。このとき、入力信号のPixel0,0は、液晶パネル12の赤(R)7.5絵素、緑(G)6.25絵素、青(B)5絵素の領域を占める。また、Pixel0,1は、液晶パネル12の赤5絵素、緑6.25絵素、青7.5絵素の領域を占める。
【0263】
また、Pixel0,2のレイアウトは、Pixel0,0と同じになる。また、Pixel0,3のレイアウトは、Pixel0,1と同じになる。Pixel0,4のレイアウトは、Pixel0,0と同じになる。その他の水平方向の画素Pixel0,nであっても、以降同様の繰り返しとなるので、Pixel0,0またはPixel0,1と同様の構成となる。また、mを正の整数として、垂直方向の画素Pixelm,0、Pixelm,1については、入力画像データの同じ列のPixelと全て同じ構成となる。したがって、画素Pixelと液晶パネル12の絵素との対応関係は、Pixelm,0、Pixelm,1についてのテーブル、または演算式があれば分かることになる。
【0264】
SVGAの入力データをUXGAの液晶パネル12に表示する場合、液晶パネル12の左上部分を拡大すると図25のようになる。800×600のデータを1600×1200に拡大するため、元のSVGAの1画素のデータは液晶パネル12の2画素×2画素に投影されることになる。
【0265】
XGAの場合は、図26に示すように、XGAの画素データ1個を1.5絵素×1.5絵素に投影する。この場合、横が1024×1.5=1536、縦が768×1.5=1152となり余白が発生するが、本実施形態では、説明を簡単にすることと、映像の変換が簡単な整数比となる方が、入力信号の画素のエッジが鮮明となるためこの変換を行うものとする。この場合は、拡大して絵素単位で描くと図27のようになる。そのため、Pixel0,0は液晶パネル12の赤3絵素、緑2.25絵素、青1.5絵素の領域を占める。Pixel0,1は液晶パネル12の赤1.5絵素、緑2.25絵素、青3絵素の領域を占める。Pixel0,2のレイアウトはPixel0,0と同じになる。また、Pixel0,3の構成はPixel0,1と同じになる。Pixel0,4の構成はPixel0,0と同じになる。以降同様の繰り返しとなる。垂直方向については入力画像データの同じ列のPixelはすべて同じ構成となる。
【0266】
また、本実施形態においては、画素Pixelの境界が、液晶パネル12の画素P内を通過する場合であっても、以下に説明するように、画素Pごとでなく絵素16ごとにデータを割り当てるので、この境界による表示ボケを低減できる。
【0267】
すなわち、本実施形態の演算器6−2は、入力データに対して、以下に説明するような絵素単位での処理を行う。
【0268】
まず、参考の形態1にて説明したように、液晶パネル12の一画素に含まれる赤絵素、緑絵素、青絵素のXYZを、式(4)を用いて求めることができる。
【0269】
また、VGAデータの入力時に、画素がUXGAの液晶パネルのどの領域を占めるかの情報とから、入力画像の各PixelのXYZの値を、UXGAの液晶パネル12の絵素に以下のように反映できる。ただし、UXGAの液晶パネル12の各絵素の階調をそれぞれ、R0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・とする。
【0270】
まず、VGA入力データのPixel0,0と液晶パネル12の各絵素との関係は、図24に示すようになっている。この場合に、入力されるVGAデータの各PixelのXYZの値と、UXGAの液晶パネル12の絵素のXYZの値との関係は、式(8)のようになる。また、Pixel0,1の場合には式(9)のようになる。
【0271】
そして、上述の参考の形態1と同様に、入力データごとに、式(7)から得られるXYZと、式(8)(9)から得られるXYZとの差(誤差、色差)が最も小さくなるように、R0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・の値を求める。誤差の計算についても、上述と同様に、バイアスした色差の式(10)を用いて計算する。この式は、中央の視角からの誤差の計算式となる。
【0272】
ここで、本実施形態においては、さらに異なる視角からの表示状態をも考慮して、以下のように視角特性を向上させるようになっている。
【0273】
すなわち、中央以外の方向の視角についても、そのときの(255,255,255)の輝度と(0,0,0)の輝度とから、式(7)のγ=2.2の時の理論値を計算することができる。また、同様に、この視角でのUXGAパネルの輝度のデータから、式(8)(9)の値も計算することができる。このように、ある視角において、式(7)から得られるXYZと、式(8)(9)から得られるXYZとの差(誤差、色差)が最も小さくなるように、R0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・の値を求めることができる。これは、絵素による階調輝度特性と、入力画像データの画素による階調輝度特性との歪みを小さくすることにも相当する。
【0274】
そこで、本実施形態においては、各方向の視角における誤差総和を求め、それが最も小さくなるようにR0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・の組み合わせを選ぶ。これによって、異なる視角からの表示状態をも考慮して、入力データに対する視角特性が向上する、好ましいR0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・を得ることができる。
【0275】
上記計算の結果を表8および表9に示す。尚、表8はPixel0,0に対応する計算結果であり、表9はPixel0,1に対応する計算結果である。
【0276】
【表8】
Figure 0004515021
【0277】
【表9】
Figure 0004515021
【0278】
例えば、このようにして各色ごとに計算した結果をテーブルにして、このテーブルを用いて、VGAの入力データを解像度変換して液晶パネル12に表示できる。または、入力データの画素ごとに、上述の計算をおこなってもよい。
【0279】
以上のようにして得られた、液晶表示装置1−2における解像度変換に伴う補正後の、改善された階調視角特性を図28に示す。このように、視角ごとの階調と輝度比との関係が、輝度の変化の単調な場合における視角のデータと同様の変化を示すようになるので、視角によらない表示状態を得ることができる。
【0280】
このように、本来は図17に示す視角特性を有する液晶パネル12において、演算器6−2の解像度変換によって、図28に示す視角特性を実現することができた。
【0281】
なお、SVGA入力データ、XGA入力データの場合についても、上述したVGA入力データの場合と同様に、実施の形態1にて参照した式を用いて、R0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・の値を求めることができる。上記計算の結果を表10ないし表12に示す。尚、表10はSVGA入力データにおける計算結果であり、表11はXGA入力データにおけるPixel0,0に対応する計算結果であり、表12はXGA入力データにおけるPixel0,1に対応する計算結果である。
【0282】
【表10】
Figure 0004515021
【0283】
【表11】
Figure 0004515021
【0284】
【表12】
Figure 0004515021
【0285】
このようにして得られたテーブルを用いて、XGA、SVGAの入力画像データを適切に伸張して、改善された階調視角特性を得ることもできる。なお、SVGAの場合の改善された階調視角特性を図29に、XGAの場合の改善された階調視角特性を図30に示す。XGA、SVGAの場合も、視角ごとの階調と輝度比との関係が、輝度の変化の単調な場合における視角のデータと同様の変化を示すようになるので、視角によらない表示状態を得ることができる。
【0286】
なお、グラフにがたつきがあるのは、これら図28〜30の作成を、16階調とばしの荒いデータで行ったためである。
【0287】
以上のように、本実施形態に係る液晶表示装置1−2は、3つの絵素16からなる画素を所定の解像度にて配置した液晶パネル12を有し、この絵素16を駆動して画像を液晶パネル12に表示する。また、液晶表示装置1−2は、入力データを、液晶パネルの解像度に対応した、絵素16ごとのデータへと解像度変換をする演算器6−2を備え、この演算器6−2は、入力データの画素が液晶パネル12において占めるべき領域に含まれる絵素16の数が、3つよりも大きいときは、この領域における絵素16による色度と入力データの画素による色度との色差が、複数の互いに異なる視角において小さくなるように、絵素16のデータを決定する構成である。これは、所定の視角の範囲において、絵素による階調輝度特性と、入力画像データの画素による階調輝度特性との歪みを小さくすることに相当する。
【0288】
これによって、上述のように、視角特性を向上した液晶表示装置1−2を提供できる。また、入力画像データの画素の値を、この画素が占めるべき液晶パネル12の領域に含まれる全ての絵素に反映させるので、画面の拡大縮小や色の変化などの際に発生していた表示エッジのボケを低減して表示品位を向上できる。
【0289】
また、本実施形態の液晶表示装置1−2は、上述の参考の形態と同様に、解像度変換の際には、同じ色をより多くの絵素を用いて表現するので、各絵素の値は1つに限定されずに、所定の自由度による組み合わせを取りうる。本実施形態の液晶表示装置1−2は、解像度の変更によって生ずる、各絵素の値における余分の自由度を利用して、視角特性を向上させた表示装置である、と表現することもできる。この場合、余分の自由度を、視角ごとに計算する、所望の定義による色差の総和を最小にすることによって消去して、絵素の値を決定している。
【0290】
また、例えば上述の構成を、以下のように表現することもできる。解像度変換において、同じ色をより多くの絵素を用いて表現することを、以下のように実現してもよい。例えば図17に示すような階調と輝度との関係がある場合に、視角が大きい場合でも、視角が小さい場合と同様な階調輝度特性となって、良好な表示が得られるようにする。このため、所望の色を、視角が大きい場合と視角が小さい場合とで同様の輝度比を示すような階調を組み合わせることによって表現する。すなわち、各絵素の値を、視角特性の良い階調が多く含まれるように構成して、所望の色を表現してもよい。
【0291】
なお、本発明は、上述の実施の形態の構成に限るものではない。例えば、視角ごとに、式(7)から得られるXYZと、式(8)(9)から得られるXYZとの差(誤差)を計算する場合に、正面からの視角においては誤差が小さいほうが好ましく、一方斜めからの視角においては誤差が大きいほうが好ましいように設定してもよい。例えば、視角の絶対値が所定の角度以下の場合には式(10)で定義した色差を最小にする一方、視角の絶対値が所定の角度以上の場合には式(10)で定義した色差の逆数を最小にするようにして、各絵素R0,0,G0,0,B0,0,R0,1,G0,1,B0,1,・・・の値を決めることもできる。この所定の角度は、例えば10°〜30°程度の値を選ぶことができる。これは、視角の絶対値が所定の角度以下である、所定の視角の範囲において、絵素による階調輝度特性と、入力画像データの画素による階調輝度特性との歪みを小さくすることに相当する。また、視角の絶対値が所定の角度以上である、所定の視角の範囲において、絵素による階調輝度特性と、入力画像データの画素による階調輝度特性との歪みを大きくすることに相当する。また、この所定の角度を制御スイッチ4によって調整できるようにしてもよい。このようにすれば、所定の角度以上の視角からの視角特性が悪くなるので、例えば斜めから他人に表示内容を見られることを防止できる。これによって、例えば周囲に他人がいる場合であってもプライバシーを保護できる表示装置を実現できる。
【0292】
また、本発明は、例えば視角特性調整手段としての制御スイッチ4によって、上述の視角特性を向上する構成と、上述の視角特性を劣化させる構成とを切り替え可能とする構成であってもよい。このように、両方の機能を持ち、それを選択する機能を付加すれば、使用目的に合わせて視角特性を変更できる。
【0293】
また、本発明はこの実施の形態の構成に限定されるものではなく、他の実施の形態における特徴点をさらに組み合わせた構成も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0294】
〔実施の形態
本発明のさらに他の実施の形態について説明する。本実施形態の液晶表示装置は、上述の参考の形態1または実施の形態に記載の構成を実現するにあたって、入力画像データ(入力データ)の画素が占めるべき領域内における絵素(サブ画素)のデータを、表示フレーム(フレーム)毎に入れ替える構成である。これによって、以下に説明するように表示品位を改善できる。
【0295】
本実施形態の液晶表示装置は、参考の形態1または実施の形態において説明した表示動作において、入力画像データの画素が占めるべき領域内の同色の絵素の階調を、フレームごとに入れ替えるようになっている。その他の動作については、参考の形態1または実施の形態のそれぞれに準ずる。
【0296】
本実施形態では、簡単のため、SVGAの入力データを、UXGAの解像度の液晶パネルに表示する場合について説明する。なお、入力データおよび液晶パネルの解像度は、これに限るものではない。
【0297】
本実施形態においては、入力データの画素のデータが反映されて得られる絵素のデータの組は、複数ある。この複数の絵素のデータの組を、フレーム毎に切り替えて、画像を液晶パネルに表示する。すなわち、以下の表に示すように、互いに異なるデータの組は4組あり、この4組をフレームごとに切り替える。
【0298】
【表13】
Figure 0004515021
【0299】
ここで、SVGAの入力データの画素Pixelと、液晶パネルのUXGAの画素Pとの関係は、図11に示すようになっている。これより、入力データの画素Pixel0,0には、画素P0,0、P0,1、P1,0、P1,1が含まれていることが分かる。
【0300】
上記の表に示すように、フレーム1においては、画素P0,0に含まれるR絵素、G絵素、B絵素についてそれぞれR0,0,G0,0,B0,0に割り当てられる値を表示させ、画素P0,1に含まれるR絵素、G絵素、B絵素についてそれぞれR0,1,G0,1,B0,1に割り当てられる値を表示させる。また、表には示していないが、画素P1,0に含まれるR絵素、G絵素、B絵素についてそれぞれR1,0,G1,0,B1,0に割り当てられる値を表示させ、画素P1,1に含まれるR絵素、G絵素、B絵素についてそれぞれR1,1,G1,1,B1,1に割り当てられる値を表示させる。以下では、このフレーム1において各画素P0,0、P0,1、P1,0、P1,1の絵素に割り当てられた値を、順番に置き換えるようになっている。
【0301】
次に、フレーム2においては、画素P0,0に含まれるR絵素、G絵素、B絵素について、それぞれR0,1,G0,1,B0,1に割り当てられた値を表示させる一方、画素P0,1に含まれるR絵素、G絵素、B絵素について、それぞれR1,0,G1,0,B1,0に割り当てられた値を表示させる。また、表には示していないが、画素P1,0に含まれるR絵素、G絵素、B絵素についてそれぞれR1,1,G1,1,B1,1に割り当てられた値を表示させ、画素P1,1に含まれるR絵素、G絵素、B絵素についてそれぞれR0,0,G0,0,B0,0に割り当てられた値を表示させる。
【0302】
次に、フレーム3においては、画素P0,0に含まれるR絵素、G絵素、B絵素について、それぞれR1,0,G1,0,B1,0に割り当てられた値を表示させる一方、画素P0,1に含まれるR絵素、G絵素、B絵素について、それぞれR1,1,G1,1,B1,1に割り当てられた値を表示させる。また、表には示していないが、画素P1,0に含まれるR絵素、G絵素、B絵素についてそれぞれR0,0,G0,0,B0,0に割り当てられた値を表示させ、画素P1,1に含まれるR絵素、G絵素、B絵素についてそれぞれR0,1,G0,1,B0,1に割り当てられた値を表示させる。
【0303】
次に、フレーム4においては、画素P0,0に含まれるR絵素、G絵素、B絵素について、それぞれR1,1,G1,1,B1,1に割り当てられた値を表示させる一方、画素P0,1に含まれるR絵素、G絵素、B絵素について、それぞれR0,0,G0,0,B0,0に割り当てられた値を表示させる。また、表には示していないが、画素P1,0に含まれるR絵素、G絵素、B絵素についてそれぞれR0,1,G0,1,B0,1に割り当てられた値を表示させ、画素P1,1に含まれるR絵素、G絵素、B絵素についてそれぞれR1,0,G1,0,B1,0に割り当てられた値を表示させる。
【0304】
このように、入力画像データの画素Pixel0,0が占めるべき領域、すなわち画素P0,0、P0,1、P1,0、P1,1において、同色の絵素の階調をフレームごとに入れ替える。例えば上記の表に示すように、フレーム1〜4まで順次絵素の階調を入れ替えて、その後にこれを繰り返す。ここでは、簡単のために、入力画像データの画素Pixel0,0についてのみ説明したが、他の画素についても同様に行うことができる。また、フレームごとのデータの入れ替えの順序は、上述の1〜4の順序に限るものではなく、その他の順序であってもよい。
【0305】
また、ここではSVGAの入力データについて説明したが、これ以外の解像度の入力データであっても、上述のような処理を同様に行うことができる。ここで、例えばVGAの入力データの場合には、入力データの画素が占めるべき領域内において異なる面積の絵素が存在するため、上述のSVGAのように順に置換して絵素のデータの組を得ることはできない。しかしながら、この場合であっても、入力データの画素が占めるべき領域内に含まれるそれぞれの絵素の面積を考慮した上で、例えば同じ色を表現する絵素のデータの組を複数求めることができる。したがって、このデータの組をフレームごとに切り替えることができる。
【0306】
以上のように、本実施形態に係る液晶表示装置は、入力データの画素のデータが反映されて得られる絵素のデータの組を、複数(4組)有している。そして、この絵素のデータの組を、フレーム毎に切り替えて、画像を液晶パネルに表示する。
【0307】
このように、フレーム毎に絵素のデータを切り替えて表示すれば、液晶パネルの画面に特定のパターンが現れて見えるのを防ぐことができる。したがって、表示品位を改善できる。
【0308】
また、これによって、液晶素子に高い電圧がかかり続けて、焼付け等の不具合が発生することを防止できる。また、上記構成のように、特定の絵素の液晶素子に高い電圧がかからないように絵素絵素間の印加電圧を平均化すれば、表示品位を向上できる。また、上述のように、入力画像データの画素の値を、この画素が占めるべき液晶パネルの領域に含まれる全ての絵素に反映させれば、画面の拡大縮小や色の変化などの際に発生していた表示エッジのボケを低減して表示品位を向上できる。
【0309】
なお、本発明はこの実施の形態の構成に限定されるものではなく、他の実施の形態における特徴点をさらに組み合わせた構成も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0310】
参考の形態
本発明のさらに他の参考の形態について図31ないし図41に基づいて説明すると以下の通りである。
【0311】
液晶表示装置1−4は、図31に示すように、A/Dコンバータ2、差動信号復号器3、制御スイッチ4、水晶発振子5、演算器(解像度変換手段)6−4、メモリ7、階調電源生成部8−4、バックライト9、ソースドライバ10、ゲートドライバ11、及び液晶パネル(表示パネル)12を備えている。
【0312】
また、図32に示すように、液晶パネル12は、ソースバスライン13、ゲートバスライン14、トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))15及びRGB(Red,Green,Blue)の絵素16を備えている。この絵素16は、RGBの組が、一つの画素に相当する。
【0313】
尚、上記液晶表示装置1−4の構成は、参考の形態1において図1で示した液晶表示装置1−1の構成とほぼ同様であるが、演算器6−4および階調電源生成部8−4の機能のみ参考の形態1の場合と異なるものである。
【0314】
参考形態の液晶表示装置1−4は、階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、カラーバランスの設定変更において、それに合わせた液晶の階調の基準電圧を生成し、量子化ノイズを低減する機能を有した表示装置である。
【0315】
参考形態においては、以下に説明するように、演算器6−4と階調電源生成部8−4とを含んだスケーラチップを用いて、液晶の階調の基準電圧を生成する。この基準電圧をソースドライバ10に入力することによって、画像を液晶パネル12に表示して、画像データや表示条件に適した、設定に応じた階調輝度カーブを実現できる。
【0316】
まず、本参考形態の制御スイッチ(設定変更手段)4によれば、入力用のスイッチの調節によって、階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定変更を行うことができる。
【0317】
また、本参考形態の演算器(基準電圧調整手段)6は、制御スイッチ4に入力された上述の設定変更に基づいて、階調電源生成部8−4を制御するための制御信号を生成する。
【0318】
また、演算器6−4は、制御スイッチ4に入力された輝度情報を基にして、制御するための信号を生成してバックライト9のユニットに伝送する。具体的には、矩形波を生成し、そのデューティ比を変更し、そのデューティ比によってバックライト9の輝度を調整する。
【0319】
以下に、本参考形態における動作例を説明する。
【0320】
入力された画像データ(入力画像データ)は、アナログ信号の場合はA/Dコンバータ2を経由してディジタル信号に変換される。差動ディジタル信号の場合は差動信号復号器3を経由してディジタル信号に変換される。
【0321】
変換された信号は、図33(a)(b)に示すような、水平の画素の取り込みに使用するクロックCK、水平の同期位置を示すHsync、垂直の同期位置を示すVsyncなどの同期信号、および各色8ビット合計24ビットのデータとなる。
【0322】
なお、このディジタル信号のデータは、入力画像データと同じVGAの解像度のデータである。そのため、クロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数は、入力画像データと同じである。なお、入力画像データが、SVGA、XGAの解像度であっても、変換された後のデータは入力画像データと同じクロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数となる。
【0323】
以上のように、A/Dコンバータ2または差動信号復号器3において変換されたディジタル信号の画像データが、演算器6−4に入力される。
【0324】
演算器6−4は、例えばアナログ信号から得られた同期信号の間隔に応じて周波数を割り出し、割り出した周波数の情報をA/Dコンバータ2に伝送する。また、制御スイッチ4に入力された入力信号のコントラスト情報に基づき、制御信号をA/Dコンバータ2に伝送し、アナログ信号の入力のレベルレンジを変更させる。
【0325】
また、演算器6−4は、入力画像データの同期信号(Hsync,Vsync)の間隔に応じて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断する。その結果に応じて、画像データの解像度の変更(伸張)を行う。
【0326】
ここで、本参考形態の演算器6−4は、動作の基準を確定させるために所定の周波数のクロック信号を生成する水晶発振子5と、データを一時保管するためのメモリ7とを用いて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断して、VGAからUXGAへの解像度変換を行う。この解像度変換については、後述する。
【0327】
そして、演算器6−4は、以上のように得られたデータを基にして、解像度がUXGAである液晶パネル12に応じた制御信号(画像信号)を生成して、ソースドライバ10およびゲートドライバ11に出力する。
【0328】
演算器6−4は、生成した制御信号をソースドライバ10に伝送する。この制御信号は、図34に示すような、ソースドライバ10のデータ取り込みを行うためのソースクロックSCK、データのスタートを示すソーススタートパルスSSP、ソースドライバ10の出力の切り替えを制御するラッチパルスLS、各絵素の階調を示す赤緑青の各色8ビットのデータ(R7〜R0、G7〜G0、B7〜B0)などから構成される。
【0329】
また、演算器6−4は、生成した制御信号をゲートドライバ11に伝送する。この制御信号は、図35に示すような、ゲートドライバ11のレジスタシフトタイミングとゲートドライバの出力のパルス幅を規定するGCK、及び垂直方向のデータのスタートを示すゲートスタートパルスGSPから構成される。
【0330】
また、演算器6−4は、制御スイッチ4に入力された階調輝度特性の情報を基にして、制御信号を生成して階調電源生成部8−4に伝送する。
【0331】
参考形態においては、階調電源生成部8−4は、入力データの階調に対して、液晶パネル12の絵素の透過率が、標準のγ=2.2以外の値になるような基準電圧を生成することができる。この基準電圧の生成については後述する。階調電源生成部8−4は、生成した基準電圧をソースドライバ10に伝送する。
【0332】
また、演算器6−4は、制御スイッチ4に入力された輝度情報を基にして、制御信号を生成してバックライト9のユニットに伝送する。具体的には、矩形波を生成し、そのデューティ比を変更し、そのデューティ比に応じてバックライト9の輝度を変化させる。バックライト9は、演算器6−4から送られる制御信号に基づいて、光量の調節を行う。
【0333】
ソースドライバ10は、演算器6−4からの制御信号と、階調電源生成部8−4からの電圧とを受けて、次のように動作する。
【0334】
まず、ソーススタートパルスSSPのハイパルスを,クロックSCKで取り込む。そして、SSPのハイパルスの次のクロックから、順次データR7〜R0、G7〜G0、B7〜B0の取り込みを行う。
【0335】
また、取り込んだデータを順次、各ソースラインに配置する。ラッチLSのハイパルスを取り込んだ時点で、各ソースバスライン13の出力を、現在出力されているものから、配置されたデータと階調基準電源の電圧値によって決められる電圧値に変更する。また、出力された電圧値を次のLSのハイパルスが入力されるまで維持する。
【0336】
ゲートドライバ11は、図35に示すように、演算器6−4からのゲートスタートパルスGSPのローパルスが入力された後、ゲートクロックGCKにしたがって、1ライン目から順番にゲートバスライン14に出力を行う。
【0337】
このとき、ソースドライバのLSとゲートドライバのGCKとは同期している。そして、液晶パネル12では、ゲートバスライン14がハイになっているラインのトランジスタ15のみがオンし、オンしたTFTトランジスタ15のみがソースバスラインの電圧を絵素16の電極に印加する。
【0338】
このときソースバスライン13の電圧とコモン電源の電圧との電位差に応じて、絵素16の透過率は変化する。なお、ゲートバスライン14によってハイの電圧が印加されていない場合は、絵素16は、以前にかかっていた印加電圧を保持して、透過率を維持する。すなわち、絵素16の液晶素子は、等価回路でコンデンサとして描かれるように、書きこみと書きこみとの間はその状態を保持する。
【0339】
以上の動作によって、画面の1ライン分の書きこみが行われる。この1ライン分の書きこみを、各ラインにて順次行い、液晶パネル12上に画像を表示することができる。
【0340】
以下では、まず階調輝度カーブの設定変更の場合について説明する。
【0341】
参考形態では、階調輝度カーブにおける階調輝度特性は、標準のγ=2.2に加えて、γ=2.0とγ=2.4とが選択可能である。このγを変更することによって、階調輝度カーブが変更される。
【0342】
以下では、まず、設定されるγの値に応じた制御信号や基準電圧について説明する。本参考形態では、階調を決めるための基準電圧は、0,32,64,96,128,160,192,224,255の9個の階調ごとに生成する。
【0343】
また、γの値に応じた、それぞれの階調を出すため必要なソースの電圧及びそのときの制御信号のハイ幅は、以下の表のように設定する。なお、ハイ幅とは、以下に説明するハイ電圧とロー電圧との組を意味する。γ=2.2の場合は以下の表のようにする。
【0344】
【表14】
Figure 0004515021
【0345】
γ=2.0の場合は以下の表のようにする。
【0346】
【表15】
Figure 0004515021
【0347】
γ=2.4の場合は以下の表のようにする。
【0348】
【表16】
Figure 0004515021
【0349】
ここで、図36に基づいて、液晶パネル12の液晶素子の特性について説明する。絵素16を構成する液晶素子は、図32に示すソースバスライン13の図示しないソースバス電極と、図示しないコモン電極との間で挟まれている。
【0350】
図36において、横軸は液晶素子への印加電圧であり、縦軸は印加電圧に応じた液晶素子の透過率である。液晶素子は、このように印加電圧に応じて透過率を変化させる。したがって、所望の階調を出すためには、印加電圧の値を、図36に示す特性に応じて調整する必要がある。なお、図36に示した特性は、ノーマリブラックの構成における液晶の特性を記載しており、ノーマリホワイトの場合は傾きが逆になる。
【0351】
ここで、液晶素子への印加電圧は、ソースバスライン13に印加される電圧とコモン電源のコモン電圧との電位差である。この液晶素子に、同じ方向で一定の電圧が印加されつづけると、分極を生じてしまう。これによって液晶素子の特性が劣化する。これを防止するため、液晶素子に印加する電圧は、例えば一定の絶対値の電圧であって、所定のタイミングで異なる向きに反転されるようになっている。
【0352】
そして、このような反転は、例えばソースバスライン13に印加する電圧をハイ電圧またはロー電圧として、このハイ電圧とロー電圧とを切り替えることによって実現される。なお、コモン電圧は、ハイ電圧とロー電圧との間に設定されている。そして、ソースバスライン13にハイ電圧が印加されているときには、ソースバスライン13側が陽極となる。また、ソースバスライン13にロー電圧が印加されているときには、ソースバスライン13側が陰極となる。
【0353】
したがって、実際に液晶素子に印加される電圧は、ソースバスライン13におけるハイ電圧とロー電圧との電位差の、2分の1の値となる。なお、階調輝度カーブでは制御は赤緑青が同じ階調カーブとなる。
【0354】
なお、上述の表において、各階調ごとにハイ電圧とロー電圧との組がそれぞれ異なっているのは、以下の理由による。
【0355】
すなわち、ハイ電圧とロー電圧とを切り替える際には、トランジスタの15のGND方向に引き込みが発生する。この引き込み電圧の大きさが、印加電圧によって異なっている。したがって、例えばロー電圧を固定して、各階調ごとにハイ電圧のみを異ならせた場合には、ハイ電圧の印加時とロー電圧の印加時とで表示される輝度が変わってしまい、フリッカを生ずる虞れがある。このため、上述のように、各階調ごとにハイ電圧とロー電圧との組をそれぞれ適切に異ならせた値を用いるようになっている。
【0356】
また、この引き込みの大きさは、液晶を生産する際にばらつきが大きくなる部分である。このため、上述のようにハイ電圧とロー電圧とを設定しても、十分な品質の表示を得ることができない虞れもある。そこで、通常は、このばらつきをなくすために、さらにコモン電圧の電位をボリュームで調整する回路を付加し、実際の生産ラインにおいて調整工程を行うようになっている。この電位が十分に調整されていない場合には、ハイ電圧の印加時とロー電圧の印加時とで表示される輝度が変わってしまい、フリッカを生ずる虞れがある。
【0357】
参考形態では、例えば工場における調整工程において、フリッカーメータあるいは目視にて、フリッカが無くなるように調整を行う。
【0358】
そして、本参考形態では、ハイ電圧とロー電圧の値を、メモリ7内にハイ幅の数値として保管してもよい。この場合、調整工程において、ROMライタによって、調整結果をメモリ7内のROMに一台ごとに焼きこむことが可能となる。
【0359】
例えば、ボリュームで調整する回路を、上述のようにROMメモリに置き換えれば、部品代が安価になる上に、ボリュームを回すというアナログ作業をディジタルの情報伝送に換えることができる。よって、生産設備の自動化が容易になる。
【0360】
ここで、制御スイッチ4に入力されたγの値に基づく、上述の表に応じた演算器6−4および階調電源生成部8−4の動作について説明する。
【0361】
演算器6−4は、制御スイッチ4からの入力に応じて、例えば所望のγに応じたメモリ7内のハイ幅を読み出し、制御信号として、適切なデューティ比の矩形波を生成する。また、階調電源生成部8−4が、演算器6−4からの制御信号に応じて複数の適切な基準電圧(階調電圧)を作成する。
【0362】
ここで、本参考形態の演算器6−4と階調電源生成部8−4とは、図37に示すように、スケーラチップ17に含まれ、一体になっている。このスケーラチップ17から、液晶の階調の基準電圧が出力されるようになっている。
【0363】
階調電源生成部8−4は、図37に示すように、ローパスフィルタ18と増幅器19とを含んでいる。なお、図37には、簡単のため、ローパスフィルタ18と増幅器19とを一組のみ、すなわち一つの電圧を生成するための構成のみを示している。階調輝度特性を変える場合は、実際には上述の9個の階調に応じて9組のローパスフィルタ18と増幅器19とが必要となる。また、電圧を生成するためには18個必要となる。後述するように、色温度も変える場合には、赤緑青の電圧を独立して作るので、3倍の48個必要となる。
【0364】
階調電源生成部8−4のローパスフィルタ18に、演算器6−4から制御信号としての矩形波が入力される。ローパスフィルタ18は、連続した矩形波信号が入力されると実効電圧を出力する。この電圧は、ソースに印加する電圧に比例したデューティ比となっているので、この得られた電圧を増幅器19にて増幅してソース電圧を生成できる。
【0365】
このように、デューティ比を変化させることのできる出力端子を設け、そのデューティ比に基づいて電圧を生成する、ローパスフィルタ18と増幅器19とからなる回路を付加すれば、基準電源を可変に生成する電源を実現できる。この電圧をソースドライバ10に入力することによって、画像データや表示条件に適した階調輝度カーブを実現できる。
【0366】
以上のようにして、γを2.2から他の値に変化させた場合であっても、図38に示すような、なめらかな階調輝度特性を得ることができる。すなわち、階調輝度カーブの設定の変更に応じて、変更後の階調輝度カーブの設定を満足させるような基準電圧を生成できるので、変更後の階調と輝度との関係を、量子化ノイズなしに実現することができる。
【0367】
一方、例えば、従来の液晶表示装置21においては、階調輝度カーブを変更する場合であっても、必要な階調輝度が生成される訳ではないので、所望の階調に対応する輝度が存在しないことがある。このため、図40に示すように、階調輝度特性において、量子化ノイズが発生して、表示品位を劣化させる虞れがある。
【0368】
次に、本参考形態の液晶表示装置1−4における、色温度の設定変更の場合について説明する。
【0369】
演算器6−4は、制御スイッチ4に入力された色温度の階調輝度特性の情報に基づいて、階調電源生成部8−4を制御するための信号を生成する。
【0370】
ここでは、色温度が約6500Kに設定されており、新たに9300Kを設定する場合について説明する。すなわち、本参考形態では、色温度は、9300Kと6500Kとが選択可能であるとする。この情報に基づいて、制御信号として、所定のデューティ比の信号を生成する。
【0371】
参考の形態1において説明した式(1)〜(4)によって、UXGAの液晶パネル12の一画素に含まれる赤絵素、緑絵素、青絵素のXYZを、それぞれ独立して求めることができる。9300Kのときの色度は、x=0.281、y=0.311とする。
【0372】
ここで、色温度は、値が高い場合には対応する色度は青方向にシフトし、値が低い場合には対応する色度は赤方向にシフトする。このため、青の階調を255とし、それに併せて赤緑の階調を設定したときに最も高い輝度となる。
【0373】
そこで、x=0.281、y=0.311、n=255を、式(2)〜(4)に代入して計算すると、l=244.03、m=160.06が得られる。つまり、色温度が9300Kのときの全白は、通常出力における(244,160,255)と対応する。
【0374】
ここで、階調を決める基準電圧は、0,32,64,96,128,160,192,224,255の9個の階調ごとに生成する。
【0375】
そして、上述のγ(階調輝度カーブ)を変えたときと同様に、色温度を9300Kへ変えたときに、それぞれの階調を出すために必要なソースの電圧とそのときの制御信号のハイ幅とを以下の表のように設定する。なお、色温度を変える場合は、赤緑青の構成比が異なるため、赤緑青について、それぞれ独立して階調の値を変える必要がある。計算の結果、赤階調の場合は以下の表のようになる。
【0376】
【表17】
Figure 0004515021
【0377】
また、緑階調の場合は以下の表のようになる。
【0378】
【表18】
Figure 0004515021
【0379】
また、青階調の場合は以下の表のようになる。
【0380】
【表19】
Figure 0004515021
【0381】
なお、6500Kのときは、変更前の通常表示であるので赤緑青階調とも以下の表のようになる。もちろん、今回は液晶パネルの特性が6500Kであるのでこのようになるが、これと異なっている場合は、9300Kの時と同様に赤緑青を独立して設定する。
【0382】
【表20】
Figure 0004515021
【0383】
上述の設定に応じて階調を生成すれば、上述のγの変更と同様に、適切に表示できる。
【0384】
以上のようにして、色温度を変化させた場合についても、図39に示すような、なめらかな階調輝度特性を得ることができる。すなわち、本参考形態の場合は、必要な階調輝度を生成できるので量子化ノイズは発生しない。また、本参考形態の場合は、9300Kであっても赤緑とも255階調使える。また、液晶表示装置1−4は、カラーバランスの調整も行うことができる。カラーバランスの調整については説明を省略する。
【0385】
一方、従来の液晶表示装置21では、色温度21を変更する場合に、必要な階調の輝度が存在しない場合がある。このため、図41で判るように、量子化ノイズが発生して、表示品位を劣化させる虞れがあった。ここで例えば、従来の液晶表示装置21は、9300Kで使用する場合に、赤244階調、緑160階調しか使用できない。このため、計算結果を量子化する際に、図41に示すような量子化ノイズを発生して、表示品位が劣化する。
【0386】
以上のように、本参考形態に係る液晶表示装置1−4は、制御スイッチ4に入力される設定変更に応じて、演算器6−4が制御信号を階調電源生成部8−4へと出力し、階調電源生成部8−4が生成した所望の基準電圧を用いて画像を液晶パネル12に表示する。
【0387】
したがって、階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定変更などに応じて基準電圧を変化させて、設定変更後も量子化ノイズを発生させない。
【0388】
また、例えば、上記液晶表示装置1−4は、入力画像データを解像度変換して液晶パネル12に表示させる構成であってもよい。これによって、画面の拡大縮小の際に発生していた量子化ノイズの低減によって、表示品位を向上できる。
【0389】
なお、本発明はこの参考の形態の構成に限定されるものではなく、他の実施の形態における特徴点をさらに組み合わせた構成も、本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上述の実施の形態の特徴点と本参考の形態の特徴点とを併せ持った液晶表示装置1−4も、本発明に含まれる。すなわち、解像度変換を行う際に、視角特性をも考慮して所望の視角特性を実現する液晶表示装置1−4は、この所望の視角特性を量子化ノイズなしに実現するために、解像度変換手段としての演算器6−4が視角特性の設定を変更するとともに制御信号を階調電源生成部8−4へと出力して、基準電圧を変化させる構成であってもよい。この構成によれば、例えば解像度変換を行う際にも、基準電圧を適切に変化させるので、量子化ノイズを低減できる。
【0390】
参考の形態
本発明のさらに他の参考の形態について図42ないし図50に基づいて説明すると以下の通りである。
【0391】
参考形態の液晶表示装置1−5は、階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、カラーバランスの設定変更に応じて、表示フレーム(フレーム)間で階調データを変化させることによって、所望の中間階調の表示を行う。このように所望の中間階調の表示を行うので、量子化ノイズを低減できる。すなわち、本参考形態の液晶表示装置1−5は、上述の参考の形態における階調電源の作成による階調の生成を、フレーム切り替えによる階調生成によって行うものである、ということもできる。
【0392】
液晶表示装置1−5は、図42に示すように、A/Dコンバータ2、差動信号復号器3、制御スイッチ4、水晶発振子5、演算器(解像度変換手段)6−5、メモリ7、階調電源生成部8、バックライト9、ソースドライバ10、ゲートドライバ11、及び液晶パネル(表示パネル)12を備えている。
【0393】
また、図43に示すように、液晶パネル12は、ソースバスライン13、ゲートバスライン14、トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))15及びRGB(Red,Green,Blue)の絵素16を備えている。この絵素16は、RGBの組が、一つの画素に相当する。
【0394】
尚、上記液晶表示装置1−5の構成は、参考の形態1において図1で示した液晶表示装置1−1の構成とほぼ同様であるが、演算器6−5の機能のみ参考の形態1の場合と異なるものである。
【0395】
まず、本参考形態の制御スイッチ(設定変更手段)4によれば、入力用のスイッチの調節によって、階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定変更を行うことができる。
【0396】
また、本参考形態の演算器(データ切り替え手段)6は、制御スイッチ4に入力された上述の設定変更に基づいて、フレーム間でデータの切り替えを行って、擬似的に中間調を表現する。これは、人間の目の残像現象を利用したもので、代表的な手法として、FRC(Frame Rate Control)と呼ばれる方法がある。
【0397】
このFRC法は、4つのフレームにおいて階調nと階調n+1との発生頻度を調整することによって、階調nと階調n+1との間に下記の3つの階調(K1)〜(K3)を作成する。
(K1) L(n)×0.75+L(n+1)×0.25
(K2) L(n)×0.5+L(n+1)×0.5
(K3) L(n)×0.25+L(n+1)×0.75
例えば演算器6−5においてFRC法を採用して6ビットモジュールに使用すると、各色253階調となる。したがって、1619万色の表現が可能となる。これは通常、擬似1600万色と呼ばれる。
【0398】
ここで、本参考形態においては、8ビットモジュールを使用するとともに、2フレーム間においてデータを切り替えて、擬似的な階調を生成する。ただし、本発明はこれに限るものではなく、3以上の複数フレーム間においてデータを切り替えて擬似的な階調を生成することもできる。
【0399】
また、本参考形態の液晶表示装置1−5は、液晶モジュールに駆動装置の機能が組み込まれたオールインワン型の液晶モジュールを含んでいる。したがって、本参考形態の演算器6−5およびメモリ7は、液晶パネル12と一体化されている。このため、液晶パネル12の特性に応じた階調カーブに関する設定をメモリ7に格納し、演算器6−5にて読取った上で、液晶パネル12に画像を表示することができる。そこで、本参考形態においては、階調nと階調n+1との間での切り替えではなく、すべての階調同士の切り替えを行う。したがって、本参考形態においては、各色256×256=65536階調の表現を行うことができる。
【0400】
以下に、本参考形態における動作例を説明する。
【0401】
入力された画像データ(入力画像データ)は、アナログ信号の場合はA/Dコンバータ2を経由してディジタル信号に変換される。差動ディジタル信号の場合は差動信号復号器3を経由してディジタル信号に変換される。
【0402】
変換された信号は、図44(a)(b)に示すような、水平の画素の取り込みに使用するクロックCK、水平の同期位置を示すHsync、垂直の同期位置を示すVsyncなどの同期信号、および各色8ビット合計24ビットのデータとなる。
【0403】
なお、このディジタル信号のデータは、入力画像データと同じVGAの解像度のデータである。そのため、クロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数は、入力画像データと同じである。なお、入力画像データが、SVGA、XGAの解像度であっても、変換された後のデータは入力画像データと同じクロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数となる。
【0404】
以上のように、A/Dコンバータ2または差動信号復号器3において変換されたディジタル信号の画像データが、演算器6−5に入力される。
【0405】
演算器6−5は、例えばアナログ信号から得られた同期信号の間隔に応じて周波数を割り出し、割り出した周波数の情報をA/Dコンバータ2に伝送する。また、制御スイッチ4に入力された入力信号のコントラスト情報に基づき、制御信号をA/Dコンバータ2に伝送し、アナログ信号の入力のレベルレンジを変更させる。
【0406】
また、演算器6−5は、入力画像データの同期信号(Hsync,Vsync)の間隔に応じて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断する。その結果に応じて、画像データの解像度の変更(伸張)を行う。
【0407】
ここで、本参考形態の演算器6−5は、動作の基準を確定させるために所定の周波数のクロック信号を生成する水晶発振子5と、データを一時保管するためのメモリ7とを用いて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断して、VGAからUXGAへの解像度変換を行う。この解像度変換については、後述する。
【0408】
そして、演算器6−5は、以上のように得られたデータを基にして、解像度がUXGAである液晶パネル12に応じた制御信号(画像信号)を生成して、ソースドライバ10およびゲートドライバ11に出力する。
【0409】
演算器6−5は、生成した制御信号をソースドライバ10に伝送する。この制御信号は、図45に示すような、ソースドライバ10のデータ取り込みを行うためのソースクロックSCK、データのスタートを示すソーススタートパルスSSP、ソースドライバ10の出力の切り替えを制御するラッチパルスLS、各絵素の階調を示す赤緑青の各色8ビットのデータ(R7〜R0、G7〜G0、B7〜B0)などから構成される。
【0410】
また、演算器6−5は、生成した制御信号をゲートドライバ11に伝送する。この制御信号は、図46に示すような、ゲートドライバ11のレジスタシフトタイミングとゲートドライバの出力のパルス幅を規定するGCK、及び垂直方向のデータのスタートを示すゲートスタートパルスGSPから構成される。
【0411】
また、演算器6−5は、制御スイッチ4に入力された階調輝度特性の情報を基にして、制御信号を生成して階調電源生成部8に伝送する。
【0412】
参考形態においては、階調電源生成部8は、入力データの階調に対して、液晶パネル12の絵素の透過率がγ=2.2になるような基準電圧を生成する。なお、本参考形態においては、後述するように、フレーム間で階調を切り替えることによってγ=2.2以外の表示状態も実現できる。階調電源生成部8は、生成した基準電圧をソースドライバ10に伝送する。
【0413】
また、演算器6−5は、制御スイッチ4に入力された輝度情報を基にして、制御信号を生成してバックライト9のユニットに伝送する。具体的には、矩形波を生成し、そのデューティ比を変更し、そのデューティ比に応じてバックライト9の輝度を変化させる。バックライト9は、演算器6−5から送られる制御信号に基づいて、光量の調節を行う。
【0414】
ソースドライバ10は、演算器6−5からの制御信号と、階調電源生成部8からの電圧とを受けて、次のように動作する。
【0415】
まず、ソーススタートパルスSSPのハイパルスを,クロックSCKで取り込む。そして、SSPのハイパルスの次のクロックから、順次データR7〜R0、G7〜G0、B7〜B0の取り込みを行う。
【0416】
また、取り込んだデータを順次、各ソースラインに配置する。ラッチLSのハイパルスを取り込んだ時点で、各ソースバスライン13の出力を、現在出力されているものから、配置されたデータと階調基準電源の電圧値によって決められる電圧値に変更する。また、出力された電圧値を次のLSのハイパルスが入力されるまで維持する。
【0417】
ゲートドライバ11は、図46に示すように、演算器6−5からのゲートスタートパルスGSPのローパルスが入力された後、ゲートクロックGCKにしたがって、1ライン目から順番にゲートバスライン14に出力を行う。
【0418】
このとき、ソースドライバのLSとゲートドライバのGCKとは同期している。そして、液晶パネル12では、ゲートバスライン14がハイになっているラインのトランジスタ15のみがオンし、オンしたTFTトランジスタ15のみがソースバスラインの電圧を絵素16の電極に印加する。
【0419】
このときソースバスライン13の電圧とコモン電源の電圧との電位差に応じて、絵素16の透過率は変化する。なお、ゲートバスライン14によってハイの電圧が印加されていない場合は、絵素16は、以前にかかっていた印加電圧を保持して、透過率を維持する。すなわち、絵素16の液晶素子は、等価回路でコンデンサとして描かれるように、書きこみと書きこみとの間はその状態を保持する。
【0420】
以上の動作によって、画面の1ライン分の書きこみが行われる。この1ライン分の書きこみを、各ラインにて順次行い、液晶パネル12上に画像を表示することができる。
【0421】
参考形態においては、階調カーブに関して下記の通りの設定が可能とする。すなわち、階調輝度特性については、γ=2.0、γ=2.2(パネル標準)、またはγ=2.4を選択できる。また、色温度については、6500K(パネル標準)、または9300Kを選択できる。
【0422】
これらの階調輝度特性、または色温度の設定を実現するためには、それぞれの設定について必要な輝度を求め、これを、表現可能な65536階調の中から選ぶようにする。
【0423】
すなわち、n、mを0以上255以下の整数として、階調nと階調mとを用いて、中間の階調L(n)×0.5+L(m)×0.5を生成して必要な輝度を得る。これによって、所望の生成すべき階調L(n)×0.5+L(m)×0.5を、階調n、mを用いてフレーム切り替えによって実現できる。
【0424】
これらの階調輝度特性、または色温度の設定を実現するための設定について、以下に説明する。
【0425】
制御スイッチ4から、階調輝度特性をγ=2.0にする指示が入力されたときには、例えば以下の表21に示すような設定で出力する。階調輝度特性をγ=2.2にする制御信号が入力されたときには、パネルの特性そのままを出力する。階調輝度特性をγ=2.4にする制御信号が入力されたときには、例えば以下の表22に示すような設定で出力する。
【0426】
【表21】
Figure 0004515021
【0427】
【表22】
Figure 0004515021
【0428】
また、色温度を6500Kにする制御信号が入力されたときパネルの特性そのままを出力する。また、9300Kにする制御信号が入力されたときは、例えば以下の表23に示すような設定で出力する。
【0429】
【表23】
Figure 0004515021
【0430】
参考形態の液晶表示装置1−5は、中間調を生成し、より細かいステップで必要な階調輝度を生成できるので、γを2.2から変化させた場合であっても、図47に示すように、量子化ノイズを生じさせない。
【0431】
一方、従来の液晶表示装置21では、階調輝度カーブを変更する場合に、必要な階調の輝度が存在しないことがあり、図48に示すように量子化ノイズを生じて表示品位が劣化する虞れがある。
【0432】
また、本参考形態の液晶表示装置1−5は、色温度9300Kが設定された場合であっても、赤緑とも、より細かいステップの階調を生成できるので、図49に示すように量子化ノイズを防げる。
【0433】
一方、従来の液晶表示装置21は、9300Kで使用する場合は、赤244階調、緑160階調しか使用できない。このため、計算結果を量子化する際に、図50に示すような量子化ノイズを発生して、表示品位が劣化する。
【0434】
以上のように、本参考形態の液晶表示装置1−5によれば、量子化ノイズを防いで適切な表示を行える。なお、液晶表示装置1−5は、階調輝度カーブ、色温度と同様に、カラーバランスの調整も行うことができる。カラーバランスについては説明を省略する。
【0435】
また、本参考形態の液晶表示装置1−5は、メモリ7を有しているので、例えば上述の表をメモリ7のROMに格納して、FRC法を実現することができる。この場合には、FRC法を実現するために余分な機能を追加する必要がないので、本参考形態の液晶表示装置1−5を安価かつ容易に実現できる。
【0436】
また、このメモリ7には、生産品のばらつきを測定してデータ化したものを、ROMライタによって記録することもできる。このROMのデータを用いて色度を変えることもできる。したがって、量産工程、調整工程などにおいて、色度のずれを容易に調整できる。
【0437】
また、例えば、上記液晶表示装置1−5は、入力画像データを解像度変換して液晶パネル12に表示させる構成であってもよい。これによって、画面の拡大縮小の際に発生していた量子化ノイズの低減によって、表示品位を向上できる。
【0438】
なお、本発明はこの参考の形態の構成に限定されるものではなく、他の実施の形態における特徴点をさらに組み合わせた構成も、本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上述の実施の形態1の特徴点と本参考の形態の特徴点とを併せ持った液晶表示装置も、本発明に含まれる。すなわち、解像度変換を行う際に、視角特性をも考慮して所望の視角特性を実現する液晶表示装置1−5は、この所望の視角特性を量子化ノイズなしに実現するために、解像度変換手段としての演算器6−5が視角特性の設定を変更するとともに、複数フレーム間で出力階調を変化させて、所望の中間階調を表示する構成であってもよい。この構成によれば、例えば視角特性を考慮して解像度変化を行う際に、所望の中間階調を表示させることができるので、量子化ノイズを低減できる。
【0439】
参考の形態
本発明のさらに他の参考の形態について図51ないし図58に基づいて説明すると以下の通りである。
【0440】
参考形態の液晶表示装置1−6は、入力画像データを液晶パネル12の解像度へと変換する際に、ゲートバスラインを複数同時にオンする機能を有している。これによって、一画面の書き換え速度を向上できる。また、フレーム周波数を高めることができる。また、輝度の瞬きを軽減できる。
【0441】
液晶表示装置1−6は、図51に示すように、A/Dコンバータ2、差動信号復号器3、制御スイッチ4、水晶発振子5、演算器(解像度変換手段)6−6、メモリ7、階調電源生成部8、バックライト9、ソースドライバ10、ゲートドライバ11、及び液晶パネル(表示パネル)12を備えている。
【0442】
また、図52に示すように、液晶パネル12は、ソースバスライン13、ゲートバスライン14、トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))15及びRGB(Red,Green,Blue)の絵素16を備えている。この絵素16は、RGBの組が、一つの画素に相当する。
【0443】
尚、上記液晶表示装置1−6の構成は、実施の形態1において図1で示した液晶表示装置1−1の構成とほぼ同様であるが、演算器6−6の機能のみ実施の形態1の場合と異なるものである。
【0444】
演算器(画像信号供給手段)6−6は、入力画像データの同期信号の間隔によって、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断する。この判断に応じて、入力データを解像度変換する。本実施形態の液晶パネル12はUXGAの解像度なので、水平方向への引き延ばしは、例えば入力データがVGAの場合は2.5倍、SVGAの場合は2倍、XGAの場合は1.5倍となる。
【0445】
また、演算器6−6は、この引き伸ばしとともに、ソースドライバ10とゲートドライバ11とへの制御信号(画像信号)の生成の際に、入力信号がVGAの場合はフレーム周波数を、通常のパネル使用時の2.5倍、SVGAの場合は同2倍、XGAの場合は同1.5倍に変更する。
【0446】
以下に、本参考形態における動作例を説明する。
【0447】
入力された画像データ(入力画像データ)は、アナログ信号の場合はA/Dコンバータ2を経由してディジタル信号に変換される。差動ディジタル信号の場合は差動信号復号器3を経由してディジタル信号に変換される。
【0448】
変換された信号は、図53(a)(b)に示すような、水平の画素の取り込みに使用するクロックCK、水平の同期位置を示すHsync、垂直の同期位置を示すVsyncなどの同期信号、および各色8ビット合計24ビットのデータとなる。
【0449】
なお、このディジタル信号のデータは、入力画像データと同じVGAの解像度のデータである。そのため、クロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数は、入力画像データと同じである。なお、入力画像データが、SVGA、XGAの解像度であっても、変換された後のデータは入力画像データと同じクロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数となる。
【0450】
以上のように、A/Dコンバータ2または差動信号復号器3において変換されたディジタル信号の画像データが、演算器6−6に入力される。
【0451】
演算器6−6は、例えばアナログ信号から得られた同期信号の間隔に応じて周波数を割り出し、割り出した周波数の情報をA/Dコンバータ2に伝送する。また、制御スイッチ4に入力された入力信号のコントラスト情報に基づき、制御信号をA/Dコンバータ2に伝送し、アナログ信号の入力のレベルレンジを変更させる。
【0452】
また、演算器6−6は、入力画像データの同期信号(Hsync,Vsync)の間隔に応じて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断する。その結果に応じて、画像データの解像度の変更(伸張)を行う。
【0453】
ここで、本参考形態の演算器6−6は、動作の基準を確定させるために所定の周波数のクロック信号を生成する水晶発振子5と、データを一時保管するためのメモリ7とを用いて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断して、VGAからUXGAへの解像度変換を行う。この解像度変換については、後述する。
【0454】
そして、演算器6−6は、以上のように得られたデータを基にして、解像度がUXGAである液晶パネル12に応じた制御信号(画像信号)を生成して、ソースドライバ10およびゲートドライバ11に出力する。
【0455】
演算器6−6は、生成した制御信号をソースドライバ10に伝送する。この制御信号は、図54に示すような、ソースドライバ10のデータ取り込みを行うためのソースクロックSCK、データのスタートを示すソーススタートパルスSSP、ソースドライバ10の出力の切り替えを制御するラッチパルスLS、各絵素の階調を示す赤緑青の各色8ビットのデータ(R7〜R0、G7〜G0、B7〜B0)などから構成される。
【0456】
また、演算器6−6は、生成した制御信号をゲートドライバ11に伝送する。ここで、演算器6−6はゲートバスラインを複数同時にオンするようになっている。これは、後述するように、図56(a)(b)に示すような制御信号によって実現される。なお、他の実施形態における演算器の生成した制御信号は、図55に示すような、ゲートドライバ11のレジスタシフトタイミングとゲートドライバの出力のパルス幅を規定するGCK、及び垂直方向のデータのスタートを示すゲートスタートパルスGSPから構成されている。
【0457】
また、演算器6−6は、制御スイッチ4に入力された階調輝度特性の情報を基にして、制御信号を生成して階調電源生成部8に伝送する。
【0458】
参考形態においては、階調電源生成部8は、入力データの階調に対して、液晶パネル12の絵素の透過率がγ=2.2になるような基準電圧を生成する。階調電源生成部8は、生成した基準電圧をソースドライバ10に伝送する。
【0459】
また、演算器6−6は、制御スイッチ4に入力された輝度情報を基にして、制御信号を生成してバックライト9のユニットに伝送する。具体的には、矩形波を生成し、そのデューティ比を変更し、そのデューティ比に応じてバックライト9の輝度を変化させる。バックライト9は、演算器6−6から送られる制御信号に基づいて、光量の調節を行う。
【0460】
ソースドライバ10は、演算器6−6からの制御信号と、階調電源生成部8からの電圧とを受けて、次のように動作する。
【0461】
まず、ソーススタートパルスSSPのハイパルスを,クロックSCKで取り込む。そして、SSPのハイパルスの次のクロックから、順次データR7〜R0、G7〜G0、B7〜B0の取り込みを行う。
【0462】
また、取り込んだデータを順次、各ソースラインに配置する。ラッチLSのハイパルスを取り込んだ時点で、各ソースバスライン13の出力を、現在出力されているものから、配置されたデータと階調基準電源の電圧値によって決められる電圧値に変更する。また、出力された電圧値を次のLSのハイパルスが入力されるまで維持する。
【0463】
ゲートドライバ11は、図56(a)(b)に示すように、演算器6−6からのゲートスタートパルスGSPのローパルスが入力された後、ゲートクロックGCKに従って、複数のゲートバスライン14に出力を行う。
【0464】
このとき、ソースドライバのLSとゲートドライバのGCKとは同期している。そして、液晶パネル12では、ゲートバスライン14がハイになっているラインのトランジスタ15のみがオンし、オンしたTFTトランジスタ15のみがソースバスラインの電圧を絵素16の電極に印加する。
【0465】
このときソースバスライン13の電圧とコモン電源の電圧との電位差に応じて、絵素16の透過率は変化する。なお、ゲートバスライン14によってハイの電圧が印加されていない場合は、絵素16は、以前にかかっていた印加電圧を保持して、透過率を維持する。すなわち、絵素16の液晶素子は、等価回路でコンデンサとして描かれるように、書きこみと書きこみとの間はその状態を保持する。
【0466】
以上の動作によって、画面の1ライン分の書きこみが行われる。この1ライン分の書きこみを、各ラインにて順次行い、液晶パネル12上に画像を表示することができる。
【0467】
ここで、以下では、入力データがVGAの場合について説明する。
【0468】
演算器6−6は、引き伸ばしたデータを基にして、ソースドライバ10を駆動するために、図54に示すようなソースクロックSCK、ソーススタートパルスSSP、ラッチパルスLS、各色8ビットのデータ(R7〜R0、G7〜G0、B7〜B0)から構成される制御信号を生成し、ソースドライバ10に伝送する。
【0469】
一方、演算器6−6は、解像度変換したデータを元にして、ゲートドライバ11を制御するために、図56(a)(b)に示すような、ゲートドライバ11のレジスタシフトタイミングとゲートドライバの出力のパルス幅を規定するGCK及び垂直方向のデータのスタートを示すゲートスタートパルスGSPから構成される制御信号と入力信号の解像度情報とをゲートドライバ11に伝送する。これによって、ゲートバスライン14が複数同時にオン(オープン)される。
【0470】
このように、低い解像度の画像信号が入力された場合、複数のゲートバスラインを同じにオンすることによって、画素(液晶)に電圧が印加される時間を減らすことなく、一画面の書きこみ時間を減らすことができる。
【0471】
それによって、フレーム周波数を高くできる。フレーム周波数が高くなると、画像の描き変え速度に人間の目が付いていけず、輝度変化による瞬きが見えにくくなり、表示品位が向上する。例えば、液晶の極性反転に伴う輝度差によるフリッカ、ディザ、FRC等の表示において、本実施形態の構成を適用すれば、表示品位が特に改善される。
【0472】
また、入力信号がSVGA、またはXGAの場合には、それぞれ図57、または図58(a)(b)に示す制御信号を、演算器6−6がゲートドライバ11へと出力する。この場合にも、同様に、一画面の書きこみ時間を減らすことができ、表示品位を向上できる。
【0473】
なお、本発明はこの参考の形態の構成に限定されるものではなく、他の実施の形態における特徴点をさらに組み合わせた構成も、本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記構成を、参考の形態における特徴点と組み合わせて、複数の上記ゲートバスラインを同時にオープンして、データ切り替え手段からの出力階調としての制御信号を、上記ゲートドライバに供給する構成も好ましい。この構成によれば、例えば階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定のような設定変更を行う場合に、フレーム周波数を高くして、輝度変化による瞬きが感知されないようにできる。
【0474】
参考の形態
本発明のさらに他の参考の形態について図59ないし図63に基づいて説明すると以下の通りである。
【0475】
参考形態の液晶表示装置1−7は、所望のタイミングを生成する水晶発振子(クロック発生器)からのクロックが、画像信号供給手段としての演算器6−7に直接供給される。これによって、以下に説明するように消費電力を低減できる。
【0476】
液晶表示装置1−7は、図59に示すように、A/Dコンバータ2、差動信号復号器3、制御スイッチ4、水晶発振子5、演算器(解像度変換手段)6−7、メモリ7、階調電源生成部8、バックライト9、ソースドライバ10、ゲートドライバ11、及び液晶パネル(表示パネル)12を備えている。
【0477】
また、図60に示すように、液晶パネル12は、ソースバスライン13、ゲートバスライン14、トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))15及びRGB(Red,Green,Blue)の絵素16を備えている。この絵素16は、RGBの組が、一つの画素に相当する。
【0478】
尚、上記液晶表示装置1−7の構成は、実施の形態1において図1で示した液晶表示装置1−1の構成とほぼ同様であるが、演算器6−7の機能のみ実施の形態1の場合と異なるものである。
【0479】
参考形態の演算器6−7は、例えば、従来の液晶表示装置21における、スケーラ26およびタイミングコントローラ28に相当する機能を有している。すなわち、スケーラ26とタイミングコントローラ28とにおいて、それぞれ独立して行っていた処理を統合し、機能を向上させている。
【0480】
以下に、本参考形態における動作例を説明する。
【0481】
入力された画像データ(入力画像データ)は、アナログ信号の場合はA/Dコンバータ2を経由してディジタル信号に変換される。差動ディジタル信号の場合は差動信号復号器3を経由してディジタル信号に変換される。
【0482】
変換された信号は、図61(a)(b)に示すような、水平の画素の取り込みに使用するクロックCK、水平の同期位置を示すHsync、垂直の同期位置を示すVsyncなどの同期信号、および各色8ビット合計24ビットのデータとなる。
【0483】
なお、このディジタル信号のデータは、入力画像データと同じVGAの解像度のデータである。そのため、クロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数は、入力画像データと同じである。なお、入力画像データが、SVGA、XGAの解像度であっても、変換された後のデータは入力画像データと同じクロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数となる。
【0484】
以上のように、A/Dコンバータ2または差動信号復号器3において変換されたディジタル信号の画像データが、演算器6−7に入力される。
【0485】
演算器6−7は、例えばアナログ信号から得られた同期信号の間隔に応じて周波数を割り出し、割り出した周波数の情報をA/Dコンバータ2に伝送する。また、制御スイッチ4に入力された入力信号のコントラスト情報に基づき、制御信号をA/Dコンバータ2に伝送し、アナログ信号の入力のレベルレンジを変更させる。
【0486】
また、演算器6−7は、入力画像データの同期信号(Hsync,Vsync)の間隔に応じて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断する。その結果に応じて、画像データの解像度の変更(伸張)を行う。
【0487】
ここで、本実施形態の演算器6−7は、動作の基準を確定させるために所定の周波数のクロック信号を生成する水晶発振子5と、データを一時保管するためのメモリ7とを用いて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断して、VGAからUXGAへの解像度変換を行う。この解像度変換については、後述する。
【0488】
そして、演算器6−7は、以上のように得られたデータを基にして、解像度がUXGAである液晶パネル12に応じた制御信号(画像信号)を生成して、ソースドライバ10およびゲートドライバ11に出力する。
【0489】
演算器6−7は、生成した制御信号をソースドライバ10に伝送する。この制御信号は、図62に示すような、ソースドライバ10のデータ取り込みを行うためのソースクロックSCK、データのスタートを示すソーススタートパルスSSP、ソースドライバ10の出力の切り替えを制御するラッチパルスLS、各絵素の階調を示す赤緑青の各色8ビットのデータ(R7〜R0、G7〜G0、B7〜B0)などから構成される。
【0490】
また、演算器6−7は、生成した制御信号をゲートドライバ11に伝送する。この制御信号は、図63に示すような、ゲートドライバ11のレジスタシフトタイミングとゲートドライバの出力のパルス幅を規定するGCK、及び垂直方向のデータのスタートを示すゲートスタートパルスGSPから構成される。
【0491】
また、演算器6−7は、制御スイッチ4に入力された階調輝度特性の情報を基にして、制御信号を生成して階調電源生成部8に伝送する。
【0492】
参考形態においては、階調電源生成部8は、入力データの階調に対して、液晶パネル12の絵素の透過率がγ=2.2になるような基準電圧を生成する。階調電源生成部8は、生成した基準電圧をソースドライバ10に伝送する。
【0493】
また、演算器6−7は、制御スイッチ4に入力された輝度情報を基にして、制御信号を生成してバックライト9のユニットに伝送する。具体的には、矩形波を生成し、そのデューティ比を変更し、そのデューティ比に応じてバックライト9の輝度を変化させる。バックライト9は、演算器6−7から送られる制御信号に基づいて、光量の調節を行う。
【0494】
ソースドライバ10は、演算器6−7からの制御信号と、階調電源生成部8からの電圧とを受けて、次のように動作する。
【0495】
まず、ソーススタートパルスSSPのハイパルスを,クロックSCKで取り込む。そして、SSPのハイパルスの次のクロックから、順次データR7〜R0、G7〜G0、B7〜B0の取り込みを行う。
【0496】
また、取り込んだデータを順次、各ソースラインに配置する。ラッチLSのハイパルスを取り込んだ時点で、各ソースバスライン13の出力を、現在出力されているものから、配置されたデータと階調基準電源の電圧値によって決められる電圧値に変更する。また、出力された電圧値を次のLSのハイパルスが入力されるまで維持する。
【0497】
ゲートドライバ11は、図63に示すように、演算器6−7からのゲートスタートパルスGSPのローパルスが入力された後、ゲートクロックGCKにしたがって、1ライン目から順番にゲートバスライン14に出力を行う。
【0498】
このとき、ソースドライバのLSとゲートドライバのGCKとは同期している。そして、液晶パネル12では、ゲートバスライン14がハイになっているラインのトランジスタ15のみがオンし、オンしたTFTトランジスタ15のみがソースバスラインの電圧を絵素16の電極に印加する。
【0499】
このときソースバスライン13の電圧とコモン電源の電圧との電位差に応じて、絵素16の透過率は変化する。なお、ゲートバスライン14によってハイの電圧が印加されていない場合は、絵素16は、以前にかかっていた印加電圧を保持して、透過率を維持する。すなわち、絵素16の液晶素子は、等価回路でコンデンサとして描かれるように、書きこみと書きこみとの間はその状態を保持する。
【0500】
以上の動作によって、画面の1ライン分の書きこみが行われる。この1ライン分の書きこみを、各ラインにて順次行い、液晶パネル12上に画像を表示することができる。
【0501】
ここで、本実施形態の液晶表示装置1−7の動作仕様の一例を以下の表のように設定する。
【0502】
【表24】
Figure 0004515021
【0503】
液晶表示装置1−7は、水晶発振子5が演算器6−7に直接接続されているので、それをもとに制御信号を生成すればよい。したがって、動作仕様において、最小値と最大値との間にマージンを持つ必要はない。
【0504】
これに対して、従来の液晶モジュール(以下、従来モジュールとする。)であって、液晶表示装置1−7と同等の性能(UXGA)を持つものは、以下の表に一例を示すような動作仕様となる。なお、この従来モジュールは、フレーム周波数が82.6Hzまで動作可能である。
【0505】
【表25】
Figure 0004515021
【0506】
この表を基にして、従来モジュールにおける各制御信号のタイミングを考える。なお、表25に示す横棒(バー)にて示す欄は、他の条件を満たせるならばいくら値が大きくなってもよいことを意味している。すると、液晶モジュールはクロックのみで動作するため、ゲートクロックGCKのローの期間の長さは、最大伝送周波数170MHz時に1μsの長さが確保できるように設計される。この場合は170クロックとなる。また、この期間が最も長くなるのは最低伝送周波数150MHz時なので、1.13μsとなる。
【0507】
ここで、画素の液晶に電圧が印加される時間は、一水平期間から、このGCKがローになる期間を減算したものとなる。したがって、このような従来モジュールにおいては、8.87μsで動作する液晶素子を用いる必要がある。
【0508】
一方、本参考形態の液晶表示装置1−7の仕様においては、ゲートバスライン14に遅延があるため、あるラインをオンした後に次のラインをオンするまでの間に、1μs程度の間隔が必要となる。この間隔は、ゲートクロックGCKのローの間隔に応じて制御される。また、画素の液晶に電圧が印加される時間は、一水平期間からこのゲートクロックGCKのローの間隔を引いたものになる。この場合は9.1μsとなる。すなわち、本参考形態の液晶表示装置1−7は、9.1μsで動作すればよい。
【0509】
ここで、一般に、液晶表示装置の画素の液晶への印加時間を長くすることが可能ならば、トランジスタ15のサイズを小さくすることができる。また、トランジスタ15は光を透過させないので、トランジスタ15のサイズの縮小は、開口率と透過率との拡大につながる。
【0510】
したがって、本参考形態の液晶表示装置1−7のように、液晶への印加時間(充電時間)を長くすることができるならば、例えばバックライト9の光量を減らすことが可能となる。
【0511】
以上のように、従来の液晶表示装置21における、スケーラ26とタイミングコントローラ28との両方の機能を持つことができれば、これまでに使用していた表示データのうち、帰線期間を非表示期間とする必要は無い。
【0512】
すなわち、本参考形態の演算器6−7を用いれば、帰線期間を非表示期間とする必要は無く、したがって表示データの伝送周波数を下げることができる。
【0513】
また、伝送周波数を下げることができれば、不要輻射を低減することができる。これは、不要輻射のパワーは周波数の自乗に比例するので、周波数が下がれば不要輻射の出力も下がるからである。また、周波数が下がった場合には、受け側のソースドライバ10の性能を向上させることなく、伝送波形をなまらせることができる。したがって、伝送周波数の定数倍で発生する不要輻射のピークを低減できる。
【0514】
また、液晶パネル12を従来のものと変えずに、1フレームの時間の方を減少させることもできる。この場合は、液晶に電荷を印加する時間を減らすことなく、一画面の書きこみ時間を減らすことができる。これによって、フレーム周波数を高くできる。
【0515】
このようにフレーム周波数が高くなると、画像の描き変え速度に人間の目が付いていけず、輝度変化による瞬きが見えにくくなり、表示品位が向上する。例えば液晶の極性反転に伴う輝度差によるフリッカ、ディザ、FRC等の表示において、上記の構成を適用すれば、特に表示品位が改善される。
【0516】
一方、従来モジュールにおいては、通常は、ゲートのオフ期間をクロック数で規定するため、周波数を下げると、周波数を下げた分に応じてゲートのオフ時間が長くなる。このため、結果としてゲートオン時間が短くなってしまう。ここで、液晶素子の充電時間はゲートオン時間に依存するため、ゲートオン時間が短くなると、液晶素子の充電不足を惹起する。このような充電不足は、表示品位の低下を招く。
【0517】
そこで、本参考形態の液晶表示装置1−7においては、従来モジュールにおけるスケーラとタイミングコントローラとの機能を一体型にした演算器6−7として、さらに、クロックの発振源素子である水晶発振子5から直接クロックが演算器6−7に供給されるようになっている。このため、ゲートオフ時間を規定するクロック数と、実際の時間とを整合させることができる。
【0518】
言い換えると、従来においては、入力クロックに頼っていたため、この充電時間にマージンを持つ必要があった。一方、本願においては、クロックを自身で有しているので、マージンが不要となる。これによって、液晶素子の充電時間をぎりぎりまで下げる設計が可能となる。
【0519】
また、上述の充電時間は、液晶パネル21のトランジスタ15の大きさと関係している。充電を早くするためには、それに応じてより大きなトランジスタ15を設ける必要があった。
【0520】
参考形態では、従来よりも充電時間を長く取れるため、例えばトランジスタ15を小さくすることができる。これによって、上述のように、液晶パネル12の透過率を上げて、例えばバックライト9の光量を減らすことができる。また、上述のように伝送周波数を低く抑えられる。
【0521】
以上のように、本参考形態に係る液晶表示装置1−7は、水晶発振子5と、水晶発振子5において生成されたクロックに基づいて、入力データから制御信号を生成して出力する演算器6−7とを備え、演算器6−7には水晶発振子5からクロックが直接供給され、演算器6−7からの制御信号によって画像の表示が行われる構成である。
【0522】
このように、演算器6−7に水晶発振子5からクロックが直接供給されるようにすれば、例えば液晶素子の充電のためのマージンが不要となり、液晶素子の充電時間を低下させて、周波数を低くさせて、消費電力を低減できる。
【0523】
また、例えば、上記液晶表示装置1−7は、入力画像データを解像度変換して液晶パネル12に表示させる構成であってもよい。このように画面の拡大縮小を行っても、上記構成によって、消費電力を増加させない。
【0524】
また、本発明はこの構成に限るものではなく、上記構成において、クロックに応じて、フレーム周波数を高くして上記制御信号を出力する構成であってもよい。このようにフレーム周波数を高くするためのクロック(タイミング)を供給すれば、液晶の極性反転に起因する輝度の瞬きを軽減できる。
【0525】
なお、本発明はこの参考の形態の構成に限定されるものではなく、他の実施の形態における特徴点をさらに組み合わせた構成も、本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記構成を、参考の形態における特徴点と組み合わせて、クロックに応じて、フレーム周波数を高くして、データ切り替え手段からの出力階調としての上記制御信号を出力する構成としてもよい。この構成によれば、例えば階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定のような設定変更に応じて、出力する階調データを複数フレーム間において変化させる場合であっても、フレーム周波数を高くするので、輝度の瞬きを軽減できる。
【0526】
参考の形態
本発明のさらに他の参考の形態について図64ないし図68に基づいて説明すると以下の通りである。
【0527】
参考形態の液晶表示装置1−8は、画像データの輝度に応じてバックライトの光量を変化させて、消費電力を低減させた液晶表示装置である。
【0528】
液晶表示装置1−8は、図64に示すように、A/Dコンバータ2、差動信号復号器3、制御スイッチ4、水晶発振子5、演算器(解像度変換手段)6−8、メモリ7、階調電源生成部8、バックライト9、ソースドライバ10、ゲートドライバ11、及び液晶パネル(表示パネル)12を備えている。
【0529】
また、図65に示すように、液晶パネル12は、ソースバスライン13、ゲートバスライン14、トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))15及びRGB(Red,Green,Blue)の絵素16を備えている。この絵素16は、RGBの組が、一つの画素に相当する。
【0530】
尚、上記液晶表示装置1−8の構成は、参考の形態1において図1で示した液晶表示装置1−1の構成とほぼ同様であるが、演算器6−8の機能のみ実施の形態1の場合と異なるものである。
【0531】
以下に、本参考形態における動作例を説明する。
【0532】
入力された画像データ(入力画像データ)は、アナログ信号の場合はA/Dコンバータ2を経由してディジタル信号に変換される。差動ディジタル信号の場合は差動信号復号器3を経由してディジタル信号に変換される。
【0533】
変換された信号は、図66(a)(b)に示すような、水平の画素の取り込みに使用するクロックCK、水平の同期位置を示すHsync、垂直の同期位置を示すVsyncなどの同期信号、および各色8ビット合計24ビットのデータとなる。
【0534】
なお、このディジタル信号のデータは、入力画像データと同じVGAの解像度のデータである。そのため、クロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数は、入力画像データと同じである。なお、入力画像データが、SVGA、XGAの解像度であっても、変換された後のデータは入力画像データと同じクロック周波数、水平同期周波数、フレーム周波数となる。
【0535】
以上のように、A/Dコンバータ2または差動信号復号器3において変換されたディジタル信号の画像データが、演算器6−8に入力される。
【0536】
演算器6−8は、例えばアナログ信号から得られた同期信号の間隔に応じて周波数を割り出し、割り出した周波数の情報をA/Dコンバータ2に伝送する。また、制御スイッチ4に入力された入力信号のコントラスト情報に基づき、制御信号をA/Dコンバータ2に伝送し、アナログ信号の入力のレベルレンジを変更させる。
【0537】
また、演算器6−8は、入力画像データの同期信号(Hsync,Vsync)の間隔に応じて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断する。その結果に応じて、画像データの解像度の変更(伸張)を行う。
【0538】
ここで、本参考形態の演算器6−8は、動作の基準を確定させるために所定の周波数のクロック信号を生成する水晶発振子5と、データを一時保管するためのメモリ7とを用いて、その画像データの解像度、水平同期周波数、フレーム周波数を判断して、VGAからUXGAへの解像度変換を行う。この解像度変換については、後述する。
【0539】
そして、演算器6−8は、以上のように得られたデータを基にして、解像度がUXGAである液晶パネル12に応じた制御信号(画像信号)を生成して、ソースドライバ10およびゲートドライバ11に出力する。
【0540】
演算器6−8は、生成した制御信号をソースドライバ10に伝送する。この制御信号は、図67に示すような、ソースドライバ10のデータ取り込みを行うためのソースクロックSCK、データのスタートを示すソーススタートパルスSSP、ソースドライバ10の出力の切り替えを制御するラッチパルスLS、各絵素の階調を示す赤緑青の各色8ビットのデータ(R7〜R0、G7〜G0、B7〜B0)などから構成される。
【0541】
また、演算器6−8は、生成した制御信号をゲートドライバ11に伝送する。この制御信号は、図68に示すような、ゲートドライバ11のレジスタシフトタイミングとゲートドライバの出力のパルス幅を規定するGCK、及び垂直方向のデータのスタートを示すゲートスタートパルスGSPから構成される。
【0542】
また、演算器6−8は、制御スイッチ4に入力された階調輝度特性の情報を基にして、制御信号を生成して階調電源生成部8に伝送する。
【0543】
参考形態においては、階調電源生成部8は、入力データの階調に対して、液晶パネル12の絵素の透過率がγ=2.2になるような基準電圧を生成する。階調電源生成部8は、生成した基準電圧をソースドライバ10に伝送する。
【0544】
また、演算器6−8は、制御スイッチ4に入力された輝度情報を基にして、制御信号を生成してバックライト9のユニットに伝送する。本実施形態の演算器6−8は、後述するように、入力画像データの1フレーム内の輝度が最大となる画素を検出し、この輝度データを基にしてバックライト9への制御信号を調節するようになっている。具体的には、矩形波を生成し、そのデューティ比を変更し、そのデューティ比に応じてバックライト9の輝度を変化させる。バックライト9は、演算器6−8から送られる制御信号に基づいて、光量の調節を行う。
【0545】
ソースドライバ10は、演算器6−8からの制御信号と、階調電源生成部8からの電圧とを受けて、次のように動作する。
【0546】
まず、ソーススタートパルスSSPのハイパルスを,クロックSCKで取り込む。そして、SSPのハイパルスの次のクロックから、順次データR7〜R0、G7〜G0、B7〜B0の取り込みを行う。
【0547】
また、取り込んだデータを順次、各ソースラインに配置する。ラッチLSのハイパルスを取り込んだ時点で、各ソースバスライン13の出力を、現在出力されているものから、配置されたデータと階調基準電源の電圧値によって決められる電圧値に変更する。また、出力された電圧値を次のLSのハイパルスが入力されるまで維持する。
【0548】
ゲートドライバ11は、図68に示すように、演算器6−8からのゲートスタートパルスGSPのローパルスが入力された後、ゲートクロックGCKにしたがって、1ライン目から順番にゲートバスライン14に出力を行う。
【0549】
このとき、ソースドライバのLSとゲートドライバのGCKとは同期している。そして、液晶パネル12では、ゲートバスライン14がハイになっているラインのトランジスタ15のみがオンし、オンしたTFTトランジスタ15のみがソースバスラインの電圧を絵素16の電極に印加する。
【0550】
このときソースバスライン13の電圧とコモン電源の電圧との電位差に応じて、絵素16の透過率は変化する。なお、ゲートバスライン14によってハイの電圧が印加されていない場合は、絵素16は、以前にかかっていた印加電圧を保持して、透過率を維持する。すなわち、絵素16の液晶素子は、等価回路でコンデンサとして描かれるように、書きこみと書きこみとの間はその状態を保持する。
【0551】
以上の動作によって、画面の1ライン分の書きこみが行われる。この1ライン分の書きこみを、各ラインにて順次行い、液晶パネル12上に画像を表示することができる。
【0552】
参考形態の液晶表示装置1−8は、上述の実施の形態や参考の形態と同様の仕様となっている。演算器(最大抽出手段、照射変化手段)6−8は、解像度変換したデータを1フレーム分ごとにメモリ7に保持する。そして、この1フレーム分のデータに含まれる画素ごとにその画素の輝度を計算する。ここで、(l,m,n)の画素の輝度は次式で表すことができる。
YUXGA(l,m,n)=YUXGA-R(l)+YUXGA-G(m)+YUXGA-B(n) …(20)
なお、YUXGA-R,YUXGA-G,YUXGA-Bは、上述の式(4)に含まれている。
【0553】
そして、1フレーム分のデータに含まれる画素全てについて輝度を計算し、最大の輝度、すなわちYUXGAの最大値YUXGA-maxを抽出する。
【0554】
そして、通常の白輝度の最大値は300cd/m2なので、演算器6−8は、バックライト9の光量を変化させて、(YUXGA-max/300)倍に小さくする。
【0555】
また、演算器6−8は、メモリ7に保持している1フレーム分のデータを以下の式を用いて(l,m,n)から(l’,m’,n’)に変換する。
l'=255×[{(300.0/YUXGA-max)×((l/255)2.2
×0.998+0.002)-0.002}×1/0.998](1/2.2)
m'=255×[{(300.0/YUXGA-max)×((m/255)2.2
×0.998+0.002)-0.002}×1/0.998](1/2.2)
n'=255×[{(300.0/YUXGA-max)×((n/255)2.2
×0.998+0.002)-0.002}×1/0.998](1/2.2)
…(21)
そして、変換したデータを、制御信号としてソースドライバ10へと出力し、このデータが液晶パネル12に表示される。
【0556】
以上の動作で、逐次バックライトの光量を絞ることができる。これによって、消費電流を減らし、またバックライトランプの寿命を延ばすことができる。
【0557】
また、バックライト9の照射の強度を調整するとともに、演算器6−8がその1フレームにおける輝度の調整をするので、画像の再現性を損なわない。すなわち、照射変化手段としての演算器6−8によるバックライトの照射強度の変化に応じて、演算器6−8はこの照射強度の変化を打ち消すようにこの1フレーム分のデータの色度を変換して出力するので、画像の再現性が損なわれることがない。
【0558】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0559】
上述の具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0560】
【発明の効果】
本発明に係る表示装置は、以上のように、入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、上記所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲において、上記サブ画素による階調輝度特性と上記入力画像データの画素による階調輝度特性との誤差に関して、XYZ色度空間で表したX輝度、Y輝度、Z輝度のそれぞれの誤差をE 、E 、E 、としたとき、次式で定義される誤差の総和Eが最も小さくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をする構成である。
E 2 =E 2 X +α×E 2 Y +E 2 Z 但し、α≧1
【0561】
それゆえ、各絵素の値を、所定の視角の範囲において良好なものに設定し、絵素の階調が表示パネルの視角特性の良い階調を多く含むように構成して、視角特性を改善できるという効果を奏する。
【0562】
本発明に係る表示装置は、以上のように、上記構成において、上記解像度変換手段は、上記の決定により得られるサブ画素のデータの組を、複数有しており、このサブ画素のデータの組をフレーム毎に切り替えて、画像を上記表示パネルに表示する構成である。
【0563】
それゆえ、フレーム毎に、サブ画素のデータを切り替えて表示するので、表示パネルの画面に特定のパターンが現れて見えるのを防ぐことができ、表示品位を改善できるという効果を奏する。
【0564】
本発明に係る表示装置は、以上のように、上記構成において、基準電圧を生成して出力する階調電源生成部と、上記解像度変換手段の解像度変換に応じて、上記階調電源生成部に制御信号を出力して、上記基準電圧を変化させる基準電圧調整手段とを備え、上記階調電源生成部から出力される上記基準電圧を用いて画像を表示パネルに表示する構成である。
【0565】
それゆえ、設定の変更において、表示フレーム間で階調データを変化させる事により、その中間の階調の表示を可能とし、その中間階調の表示を使用し、量子化ノイズを低減する機能を実現できるという効果を奏する。
【0566】
本発明に係る表示装置は、以上のように、画像信号供給手段は、入力画像データを、より大きな所定の解像度の画像信号へと解像度変換するときには、複数のゲートバスラインを同時にオープンして、上記画像信号をゲートドライバに供給する構成である。
【0567】
それゆえ、画素に電圧が印加される時間を減らすことなく、一画面の書き込み時間を減らして、フレーム周波数を高くして、輝度変化による瞬きが感知させないようにして、表示品位を向上できるという効果を奏する。
【0568】
本発明の参考に係る表示装置は、以上のように、入力画像データを、表示パネルの解像度に対応した、サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素ごとに、この画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素のデータへと、この画素のデータを反映させることによって上記解像度変換をする構成である。
【0569】
それゆえ、入力画像データの画素が、この画素の占めるべき領域に含まれる全てのサブ画素によって表現されるので、表示パネルのサブ画素の配置に応じた忠実な画像表示(画像再現)が可能となり、表示エッジのボケを低減できるという効果を奏する。
【0570】
また、上述の解像度変換手段は、従来の表示装置におけるスケーラおよびタイミングコントローラの機能を統合したものとして具備することができ、スケーラおよびタイミングコントローラが別個に備えられる従来構成に比べ、より高度なスケーリング機能を安価な手段により達成できるという効果を併せて奏する。
【0571】
発明の参考に係る表示装置は、以上のように、入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、上記所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲において、上記サブ画素による階調輝度特性と上記入力画像データの画素による階調輝度特性との歪みが大きくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をする構成である。
【0572】
それゆえ、各絵素の値を、視角特性を劣化させるような組となるように変換をするので、視角特性を改悪して周辺の人から見えなくする機能を実現できるという効果を奏する。
【0573】
本発明の参考に係る表示装置は、以上のように、入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段と、上記解像度変換手段の解像度変換において、視角特性を調整する視角特性調整手段とを備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、上記所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲における、上記サブ画素による階調輝度特性と上記入力画像データの画素による階調輝度特性との歪みを、上記視角特性調整手段の上記調整に応じて、小さくなるように、または大きくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をする構成である。
【0574】
それゆえ、各絵素の値が、視角特性を向上させるような、または劣化させるような組となるように変換をして、視角の範囲ごとに、視角特性を調整することができるという効果を奏する。
【0575】
本発明の参考に係る表示装置は、以上のように、入力画像データを、表示パネルの解像度に対応した、サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲において、上記サブ画素による色度と上記入力画像データの画素による色度との色差が小さくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をする構成である。
【0576】
それゆえ、各絵素の値を、所定の視角の範囲において良好なものに設定し、絵素の階調が表示パネルの視角特性の良い階調を多く含むように構成して、視角特性を改善できるという効果を奏する。
【0577】
本発明の参考に係る表示装置は、以上のように、入力画像データを、表示パネルの解像度に対応した、サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲において、上記サブ画素による色度と上記入力画像データの画素による色度との色差が大きくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をする構成である。
【0578】
それゆえ、各絵素の値を、視角特性を劣化させるような組となるように変換をするので、視角特性を改悪して周辺の人から見えなくする機能を実現できるという効果を奏する。
【0579】
本発明の参考に係る表示装置は、以上のように、入力画像データを、表示パネルの解像度に対応した、サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段と、上記解像度変換手段の解像度変換において、視角特性を調整する視角特性調整手段とを備え、上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲における、上記サブ画素による色度と上記入力画像データの画素による色度との色差を、上記視角特性調整手段の上記調整に応じて、小さくなるように、または大きくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をする構成である。
【0580】
それゆえ、各絵素の値が、視角特性を向上させるような、または劣化させるような組となるように変換をして、視角の範囲ごとに、視角特性を調整することができるという効果を奏する。
【0581】
発明の参考に係る表示装置は、以上のように、階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定変更をするための設定変更手段と、上記設定変更手段からの指示に応じて、階調電源生成部に制御信号を出力して、基準電圧を変化させる基準電圧調整手段とを備えている構成である。
【0582】
それゆえ、設定変更しても、基準電圧が、変更した設定に応じたものに変化するので、この基準電圧を用いた画像の表示品位を高めることができ、変更した設定を量子化ノイズなしに実現できるという効果を奏する。
【0583】
発明の参考に係る表示装置は、以上のように、階調輝度カーブの設定変更、色温度の設定変更、またはカラーバランスの設定変更をするための設定変更手段と、上記設定変更手段からの指示に応じて、出力する階調データを複数フレーム間において変化させるデータ切り替え手段とを備え、上記データ切り替え手段からの出力階調によって、所望の中間階調の画像を上記表示パネルに表示する構成である。
【0584】
それゆえ、変更後の設定に応じた所望の中間階調を表示できるので、変更後の設定を量子化ノイズなしに実現できるという効果を奏する。
【0585】
本発明の参考に係る表示装置は、以上のように、上記構成において、上記解像度変換手段の解像度変換に応じて、出力する階調データを複数フレーム間において変化させるデータ切り替え手段を備え、上記データ切り替え手段からの出力階調によって、所望の中間階調の画像を上記表示パネルに表示する構成である。
【0586】
それゆえ、最適な階調を得て、通常のデータ処理でその変更を行う際に発生する量子化ノイズを低減できるという効果を奏する。
【0587】
発明の参考に係る表示装置は、以上のように、上記構成において、表示パネルに所定の解像度にて配置された画素を駆動するために、入力画像データを解像度変換して生成した画像信号を、ゲートバスラインを介してゲートドライバに供給する画像信号供給手段と、上記画像信号に基づいて、上記画素を駆動して上記表示パネルに画像を表示するゲートドライバとを備え、上記画像信号供給手段は、上記入力画像データを、より大きな上記所定の解像度の上記画像信号へと解像度変換するときには、複数の上記ゲートバスラインを同時にオープンして、上記データ切り替え手段からの出力階調としての上記画像信号を、上記ゲートドライバに供給する構成である。
【0588】
それゆえ、画素に電圧が印加される時間を減らすことなく、フレームごとの一画面の書き込み時間を減らして、フレーム周波数を高くして、輝度変化による瞬きが感知させないようにして、表示品位を向上できるという効果を奏する。
【0589】
本発明の参考に係る表示装置は、以上のように、画像信号供給手段には、クロック発生器からクロックが直接供給される構成である。
【0590】
それゆえ、自身のクロックを用いることができるので、画素に電圧を印加する充電時間を長く、周波数を低くして、消費電力を低減できるという効果を奏する。
【0591】
本発明の参考に係る表示装置は、以上のように、画像信号供給手段は、クロック発生器から供給されるクロックに応じて、フレーム周波数を高くして画像信号を出力する構成である。
【0592】
それゆえ、画像信号供給手段に、フレーム周波数を高くするためのクロック(タイミング)を供給するので、液晶の極性反転に起因する輝度の瞬きを軽減できるという効果を奏する。
【0593】
本発明の参考に係る表示装置は、以上のように、上記構成において、クロックを生成するクロック発生器と、このクロック発生器において生成された上記クロックに基づいて、入力画像データから画像信号を生成して出力する画像信号供給手段とを備え、上記画像信号供給手段は、上記クロックに応じて、フレーム周波数を高くして、上記データ切り替え手段からの出力階調としての上記画像信号を出力することによって、所望の中間階調の画像を上記表示パネルに表示する構成である。
【0594】
それゆえ、フレーム間の処理によって発生する輝度の瞬きを軽減できるという効果を奏する。
【0595】
本発明の参考に係る表示装置は、以上のように、画像データから1フレーム分のデータを抽出し、この1フレーム分のデータに含まれる画素ごとにその画素の輝度を計算して、この1フレーム分のデータに含まれる最大の輝度を抽出する最大抽出手段と、バックライトによる照射の強度を、上記最大抽出手段によって抽出された上記最大の輝度に応じて変化させる照射変化手段とを備えている構成である。
【0596】
それゆえ、バックライトによる照射強度を小さい方に変化させて、消費電力を低減するとともに、消費電流を低減してバックライトの寿命を延ばすことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考に係る表示装置の一実施の形態を示すものであり、参考の形態1に係る表示装置のブロック図である。
【図2】 上記表示装置の表示パネルの一部を示す概略の平面図である。
【図3】 (a)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の水平タイミングを示すタイミングチャートであり、(b)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の垂直タイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】 上記表示装置に備えられる、ソースドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図5】 上記表示装置に備えられる、ゲートドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図6】 入力される画像データ(入力データ)から、上記表示装置の表示パネルに表示するためのデータ(表示データ)への変換を説明するための模式的な平面図である。
【図7】 上記表示装置の表示パネルの画素配列を示す平面図であり、入力データにおける画素配列を参照のために点線にて示している。
【図8】 上記表示装置の表示パネルの絵素配列を示す平面図であり、入力データにおける画素配列を参照のために点線にて示している。
【図9】 上記表示装置における表示状態を説明するための説明図である。
【図10】 従来の液晶表示装置における表示状態を説明するための説明図である。
【図11】 本発明の参考に係る上記表示装置における、図7とは異なる解像度の入力データの場合の、表示パネルの画素配列を示す平面図であり、入力データにおける画素配列を参照のために点線にて示している。
【図12】 上記表示装置における、図7および図11とは異なる解像度の入力データの場合の、表示パネルの画素配列を示す平面図であり、入力データにおける画素配列を参照のために点線にて示している。
【図13】 上記表示装置の表示パネルの絵素配列を、図12の入力データの場合に示す平面図であり、入力データにおける画素配列を参照のために点線にて示している。
【図14】 本発明の実施の形態に係る表示装置のブロック図である。
【図15】 上記表示装置の表示パネルの一部を示す概略の平面図である。
【図16】 上記表示装置の他の一例における、補正前の視角と階調との関係を示すグラフである。
【図17】 上記表示装置における、補正前の階調と輝度比との関係を視角ごとに示すグラフである。
【図18】 上記表示装置における、補正前の視角と輝度比との関係を階調ごとに示すグラフである。
【図19】 (a)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の水平タイミングを示すタイミングチャートであり、(b)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の垂直タイミングを示すタイミングチャートである。
【図20】 上記表示装置に備えられる、ソースドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図21】 上記表示装置に備えられる、ゲートドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図22】 入力される画像データ(入力データ)から、上記表示装置の表示パネルに表示するためのデータ(表示データ)への変換を説明するための模式的な平面図である。
【図23】 上記表示装置の表示パネルの画素配列を示す平面図であり、入力データにおける画素配列を参照のために点線にて示している。
【図24】 上記表示装置の表示パネルの絵素配列を示す平面図であり、入力データにおける画素配列を参照のために点線にて示している。
【図25】 本発明に係る上記表示装置における、図23とは異なる解像度の入力データの場合の、表示パネルの画素配列を示す平面図であり、入力データにおける画素配列を参照のために点線にて示している。
【図26】 上記表示装置における、図23および図25とは異なる解像度の入力データの場合の、表示パネルの画素配列を示す平面図であり、入力データにおける画素配列を参照のために点線にて示している。
【図27】 上記表示装置の表示パネルの絵素配列を、図26の入力データの場合に示す平面図であり、入力データにおける画素配列を参照のために点線にて示している。
【図28】 上記表示装置における、補正後の階調と輝度比との関係を視角ごとに示すグラフである。
【図29】 上記表示装置における、図28とは異なる解像度の入力データの場合の、補正後の階調と輝度比との関係を視角ごとに示すグラフである。
【図30】 上記表示装置における、図28および図29とは異なる解像度の入力データの場合の、補正後の階調と輝度比との関係を視角ごとに示すグラフである。
【図31】 参考の形態に係る表示装置のブロック図である。
【図32】 上記表示装置の表示パネルの一部を示す概略の平面図である。
【図33】 (a)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の水平タイミングを示すタイミングチャートであり、(b)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の垂直タイミングを示すタイミングチャートである。
【図34】 上記表示装置に備えられる、ソースドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図35】 上記表示装置に備えられる、ゲートドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図36】 上記表示装置のさらに他の一例における、印加電圧と透過率との関係を示すグラフである。
【図37】 上記表示装置の一部を示すブロック図である。
【図38】 上記表示装置における、階調輝度特性をγに応じて変更した場合の階調と輝度との関係を示すグラフである。
【図39】 上記表示装置における、階調輝度特性を色温度に応じて変更した場合の階調と輝度との関係を示すグラフである。
【図40】 従来の液晶表示装置における、階調輝度特性をγに応じて変更した場合の階調と輝度との関係を示すグラフである。
【図41】 従来の液晶表示装置における、階調輝度特性を色温度に応じて変更した場合の階調と輝度との関係を示すグラフである。
【図42】 参考の形態に係る表示装置のブロック図である。
【図43】 上記表示装置の表示パネルの一部を示す概略の平面図である。
【図44】 (a)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の水平タイミングを示すタイミングチャートであり、(b)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の垂直タイミングを示すタイミングチャートである。
【図45】 上記表示装置に備えられる、ソースドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図46】 上記表示装置に備えられる、ゲートドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図47】 上記表示装置における、階調輝度特性をγに応じて変更した場合の階調と輝度との関係を示すグラフである。
【図48】 従来の液晶表示装置における、階調輝度特性をγに応じて変更した場合の階調と輝度との関係を示すグラフである。
【図49】 上記表示装置における、階調輝度特性を色温度に応じて変更した場合の階調と輝度との関係を示すグラフである。
【図50】 従来の液晶表示装置における、階調輝度特性を色温度に応じて変更した場合の階調と輝度との関係を示すグラフである。
【図51】 参考の形態に係る表示装置のブロック図である。
【図52】 上記表示装置の表示パネルの一部を示す概略の平面図である。
【図53】 (a)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の水平タイミングを示すタイミングチャートであり、(b)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の垂直タイミングを示すタイミングチャートである。
【図54】 上記表示装置に備えられる、ソースドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図55】 上記表示装置に備えられる、ゲートドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図56】 (a)は本発明の参考に係る表示装置のさらに他の一例におけるゲートドライバへの偶数フレームの制御信号の一例を示すタイミングチャートであり、(b)は上記表示装置におけるゲートドライバへの奇数フレームの制御信号の一例を示すタイミングチャートである。
【図57】 上記表示装置における、図56とは異なる解像度の入力データの場合の、ゲートドライバへの制御信号の一例を示すタイミングチャートである。
【図58】 (a)は上記表示装置における図56および図57とは異なる解像度の入力データの場合の、ゲートドライバへの偶数フレームの制御信号の一例を示すタイミングチャートであり、(b)は上記表示装置における図56および図57とは異なる解像度の入力データの場合の、ゲートドライバへの奇数フレームの制御信号の一例を示すタイミングチャートである。
【図59】 参考の形態に係る表示装置のブロック図である。
【図60】 上記表示装置の表示パネルの一部を示す概略の平面図である。
【図61】 (a)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の水平タイミングを示すタイミングチャートであり、(b)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の垂直タイミングを示すタイミングチャートである。
【図62】 上記表示装置に備えられる、ソースドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図63】 上記表示装置に備えられる、ゲートドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図64】 参考の形態に係る表示装置のブロック図である。
【図65】 上記表示装置の表示パネルの一部を示す概略の平面図である。
【図66】 (a)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の水平タイミングを示すタイミングチャートであり、(b)は上記表示装置に入力されてディジタル信号に変換された、入力信号の垂直タイミングを示すタイミングチャートである。
【図67】 上記表示装置に備えられる、ソースドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図68】 上記表示装置に備えられる、ゲートドライバへの入力信号を示すタイミングチャートである。
【図69】 従来の液晶表示装置の一例を示すブロック図である。
【図70】 上記液晶表示装置の液晶パネルの一部を示す概略の平面図である。
【符号の説明】
1−1、1−2、1−4、1−5、1−6、1−7、1−8
液晶表示装置(表示装置)
4 制御スイッチ(視角特性調整手段、設定変更手段)
5 水晶発振子(クロック発生器)
6−1、6−2、6−4、6−5、6−6、6−7、6−8
演算器(解像度変換手段、基準電圧調整手段、設定変更手段、
データ切り替え手段、画像信号供給手段、
最大抽出手段、照射変化手段)
8、8−4 階調電源生成部
9 バックライト
10 ソースドライバ
11 ゲートドライバ
12 液晶パネル(表示パネル)
13 ソースバスライン
14 ゲートバスライン
16 絵素(サブ画素)
17 スケーラチップ
B 絵素(サブ画素)
G 絵素(サブ画素)
P 画素
Pixel 画素
R 絵素(サブ画素)

Claims (5)

  1. 所定数のサブ画素からなる画素を所定の解像度にて配置した表示パネルを有し、このサブ画素を駆動して画像を上記表示パネルに表示する表示装置において、
    入力画像データを、上記表示パネルの上記解像度に対応した、上記サブ画素ごとのデータへと解像度変換をする解像度変換手段を備え、
    上記解像度変換手段は、上記入力画像データの画素が上記表示パネルにおいて占めるべき領域に含まれるサブ画素の数が、上記所定数よりも大きいときは、所定の視角の範囲において、上記サブ画素による階調輝度特性と上記入力画像データの画素による階調輝度特性との誤差に関して、XYZ色度空間で表したX輝度、Y輝度、Z輝度のそれぞれの誤差をE 、E 、E 、としたとき、次式(1)で定義される誤差の総和が最も小さくなるように、上記サブ画素のデータを決定することによって上記解像度変換をすることを特徴とする表示装置。
    E 2 =E 2 X +α×E 2 Y +E 2 Z 但し、α≧1・・・・(1)
  2. 上記サブ画素による階調輝度特性と上記入力画像データの画素による階調輝度特性との誤差の総和については、X輝度の誤差E およびZ輝度の誤差E を無視してY輝度の誤差E のみを基に決定することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 上記解像度変換手段は、上記の決定により得られるサブ画素のデータの組を、複数有しており、
    このサブ画素のデータの組をフレーム毎に切り替えて、画像を上記表示パネルに表示することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 基準電圧を生成して出力する階調電源生成部と、
    上記解像度変換手段の解像度変換に応じて、上記階調電源生成部に制御信号を出力して、上記基準電圧を変化させる基準電圧調整手段とを備え、
    上記階調電源生成部から出力される上記基準電圧を用いて画像を表示パネルに表示することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
  5. 上記解像度変換手段の解像度変換に応じて、出力する階調データを複数フレーム間において変化させるデータ切り替え手段を備え、
    上記データ切り替え手段からの出力階調によって、所望の中間階調の画像を上記表示パネルに表示することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
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