JP4514586B2 - 粘着テープの製造方法及びその装置 - Google Patents

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この発明は、基材に粘着剤を供給塗工する粘着テープの製造方法及びその装置に関する。
粘着テープを製造する手段としては、紙やプラスチック製フィルム等の長尺状の基材に塗工液として粘着剤を塗工する塗工ロールを用いたダイレクト方式やリバース方式等が用いられている。これらの手段は、図7に示すように、大気開放した液溜め部80に臨設されるとともに基材90,100を巻回して対向配備された一対のラミネートロール40,50とから構成されている。
上述の手段において、特に塗工速度が早い場合や、粘着剤の粘度が高い場合に上側のラミネートロール40の回転に伴って液溜め部80の気泡Bを巻き込む現象が顕著に発生する。そこで、気泡の巻き込みを解消するよう、例えば、第1の手段として、基材の幅方向に沿って、かつ、先端が下側のラミネートロールに巻回される基材の表面または所定間隔をおいて配備された気泡掻き落し板を用いて液溜め部を前後に分離する手段が提案・実施されている(特許文献1参照)。また、第2の手段として、液溜め部の底とロールの隙間に吸引空間を設けて、その隙間から進入する気泡を低減させる手段が提案・実施されている(特許文献2参照)。
特開2002−177859号公報 特開2003−53228号公報
しかしながら、上述の従来の手段では、次のような問題ある。
すなわち、第1および第2の手段は、液溜め部の底部にある気泡を除去またはロールに巻き込むのを防止するのに有効であるが、上側のロールの回転に伴って大気開放された液溜め部の液面側から空気を巻き込んで粘着剤中に気泡が発生するのを防止することができないといった問題がある。
特に、従来の手段では、粘度が0.1〜100Pa・sの範囲の粘着剤を用いた場合、液面側から空気を巻き込んで粘着剤中に発生した気泡を液溜め部の底側から除去することは困難である。
したがって、ロールの回転に起因して粘着剤中に発生した気泡が、例えば、直径が数百μm〜数mmの範囲の大きい気泡である場合、成形された粘着テープの粘着層に貫通孔が発生し、外観不良や品質不良を招くといった問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、ロールの回転に伴って粘着剤中に発生する気泡を抑制するとともに、品質の向上を図った粘着テープを製造できる粘着テープの製造方法及びその装置を提供することを主たる目的とする。
この発明は、上記目的を達成するために次のような構成をとる。
第1の発明は、液溜め部に貯留した粘着剤を、上下に対向配備したロール間に形成された間隙から送り出して各ロールの少なくともいずれか一方に巻回されて走行する基材に塗工してゆくロールコート方式の粘着テープの製造方法において、
前記上側のロールと接触した状態で前記液溜め部が略密閉状態となるように閉塞部材で覆うとともに、液溜め部に貯留する粘着剤の液面が前記閉塞部材の裏面と接触するように液溜め部への粘着剤の補給制御をすることを特徴とする。
(作用・効果) 上記方法によると、上下一対のロールの上側のロールに接触した状態で液溜め部を閉塞部材で覆って略密閉にするとともに、その液溜め部内に粘着剤の液面が閉塞部材の裏面に接触するように充填した状態を維持するように粘着剤の補給制御を行うことで、粘着剤が空気と接触するのを回避し、ロールの回転に伴って液面側から空気を巻き込んで粘着剤中に発生する気泡を抑制することができる。
したがって、基材に塗工される粘着剤中に空気界面より混入する気泡が略存在しない状態とすることができ、粘着層には貫通孔がなく外観が良好で、かつ、品質の高い粘着テープを製造することができる。
第2の発明は、第1の発明の粘着テープの製造方法において、前記閉塞部材は弾性を有するブレードであることを特徴とする。
(作用・効果) 上記方法において、閉塞部材に弾性を有するブレードを適用するのが好適である。このブレードを適用することにより、ロールに接触するブレードの先端がロールの回転方向に適度に撓んで追従し、ロールとの接触部位に空気を巻き込む間隔をなくすのに有効である。
第3の発明は、第1または第2の発明の粘着テープの製造方法において、前記粘着剤は、微細気泡を混合した放射線硬化型の粘着剤であることを特徴とする。
(作用・効果) 上記方法によると、微細気泡を混合した放射線硬化型の粘着剤を適用するのが好適である。この方法によると、ロールの回転に伴って巻き込む大きい気泡を回避することができるので、微細気泡を混合した粘着剤を適用して基材無しの弾力性のある粘着テープを製造するのに有効である。なお、放射線硬化型の粘着剤としては、例えば、電子線や紫外線などの照射によって光重合する粘着剤がある。
第4の発明は、液溜め部に貯留された粘着剤を基材に塗工する粘着テープの製造装置において、
前記液溜め部に臨設されるとともに基材を巻回して対向配備された上下一対のロールと、
前記上側のロールと接触するとともに、前記液溜め部を略密閉状態に閉塞する閉塞部材と、
前記液溜め部の液面下に出口を位置させて配備された粘着剤補給管と、
前記粘着剤補給管に粘着剤を圧送する粘着剤補給手段と、
前記液溜め部に貯留する粘着剤の液面が前記閉塞部材の裏面に接触するように前記粘着剤補給手段を作動制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
(作用・効果) 上記構成によると、液溜め部に臨設して対向配備された上下一対のロールは、基材を巻回して案内するとともに、その上下ロールの間隙に粘着剤を送り込みながら基材に粘着剤を塗工する。閉塞部材は、上側のロールと接触するとともに、液溜め部を略密閉となるように閉塞する。粘着剤補給管は、液溜め部の液面下に出口を位置させて配備され、液溜め部に貯留された粘着剤中に粘着剤を送る。粘着剤補給手段は、粘着剤補給管に粘着剤を圧送する。作動制御手段は、液溜め部に貯留された粘着剤の液面が閉塞部材の裏面に接触するように粘着剤補給手段を作動制御する。したがって、本発明の装置は、第1の発明の方法を好適に実現することができる。
第5の発明は、粘着剤を基材に塗工する粘着テープの製造装置において、
前記基材を巻回して対向配備された上下一対のロールと、
前記ロールの幅方向に伸びるように形成された両ロールの間隙に対向配備された幅広の供給開口を有する粘着剤供給手段と、
前記粘着剤供給手段の周りを囲んだ状態で前記ロール側に向けて延伸し、前記上下一対のロールに臨設されるとともに、その内部に前記粘着剤が貯留される閉塞部材と、
前記粘着剤供給手段に連通接続された粘着剤補給管と、
前記粘着剤補給管に粘着剤を圧送する粘着剤補給手段と、
前記粘着剤供給手段への粘着剤の充填量を調整するように前記粘着剤補給手段を作動制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
(作用・効果) 上記構成によると、上下一対のロールは、基材を巻回して案内するとともに、その上下ロールの間隙に粘着剤を送り込みながら基材に粘着剤を塗工する。粘着剤供給手段の周りを囲む閉塞部材は、その先端が上下一対のロールと臨接し、その内部に貯留される粘着剤を略密閉となるように閉塞する。粘着剤補給管は、粘着剤供給手段に粘着剤を送る。粘着剤補給手段は、粘着剤補給管に粘着剤を圧送する。作動制御手段は、粘着剤供給手段への粘着剤の充填量を調整するように粘着剤補給手段を作動制御する。したがって、本発明に装置は、第1の発明の方法を好適に実現することができる。
この発明に係る粘着テープの製造方法とその装置によれば、対向配備された上下一対のロールの上側のロールに閉塞部材を接触させた状態で液溜め部を略密閉にするとともに、この液溜め部に貯留する粘着剤が閉塞部材の裏面に接触するように充填することで、粘着剤が空気に接触する事がなく、かつ、ロールの回転に伴って液面側から空気が巻き込まれて粘着剤中に発生する気泡を抑制することができる。したがって、粘着剤中に気泡が略存在しない状態で粘着剤を基材に塗工することができるので、成形される粘着層には貫通孔がなく、外観が良好で、かつ、品質の高い粘着テープを製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1に、この発明に係る粘着テープ製造装置の概略構成が示されている。この粘着テープ製造装置は、2枚の基材間に紫外線硬化型の粘着剤を供給塗工して送り出すロールコーター1と、送り出されてきた粘着テープTに紫外線照射を施して塗工された粘着剤を硬化させる紫外線照射装置2と、完成した粘着テープTを巻取り回収するテープ回収部3とが備えられている。
ロールコーター1は、所定の間隔をもって配備された上下一対のラミネートロール4,5と、液溜め用の底板6、上板7、および、図示されない側板とで囲まれた液溜め部8に粘着剤sを貯留し、両ラミネートロール4,5を同調して駆動回転させることで、両ラミネートロール4,5に巻回した基材9,10の間に粘着剤sを供給塗工しながら送り出すことで粘着テープTを形成するよう構成されている。なお、ロールコーター1を構成するラミネートロール4,5は、本発明のロールに相当する。
また、液溜め部8を構成する上板7は、貯留された粘着剤sの液面の一部分を覆うとともに、その上板7の先端部分からラミネートロール4に臨設するように片持ち支持されたブレート11を備えている。なお、ブレード11は、本発明の閉塞部材に相当する。
ブレート11は、可撓性を有するものであって、その先端がテーパー状に略先鋭に加工が施されており、ラミネートロール4と接触することで、液溜め部を略密閉するようになっている。ブレード11は、可撓性を有するものが好ましく、樹脂性のものが使用される。
また、ブレード11は、上板7に取り付け固定されているネジ12を緩めることでラミネートロール4に対して前後方向にスライド移動調整が可能となっている。
さらに、本実施例装置は、粘着剤タンク13から補給ポンプ14によって送られてきた粘着剤sが補給管15を介して液溜め部8に補給されるようになっている。なお、補給ポンプ14は、本発明の粘着剤補給手段に、補給管15は粘着剤補給管にそれぞれ相当する。
補給ポンプ14には、制御装置16に接続されたモータ駆動型あるいは電磁駆動型のものが利用され、その吐出量を任意に調節制御可能となっている。また、制御装置16には操作部17が接続されており、基材送り速度、基材幅、粘着剤厚さなどの稼働条件を入力することで塗工量が演算され、その消費量と同量の粘着剤補給が行われるようになっている。これら設定によって液溜め部8における液面の高さは、閉塞部材11の裏面に粘着剤sが接触するように安定維持させることができる。
ここで、粘着剤の補給管15は液溜め部8に上方から挿入されて、その下端の補給口15aが粘着剤sの液面よりも所定寸法だけ深く位置するよう設定されており、これによって、補給された粘着剤sによる気泡の持込が防止されている。ここで、所定寸法は、液面高さから40mm以上にしておくことが好ましい。
以下、本発明方法によって粘着テープの製造テストを行った結果を例示する。
(テスト1) このテスト1で使用した粘着剤は、2EHA90重量部、AA10重量部とし、0.1重量部の光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを攪拌式タンク内に投入し、この攪拌式タンク内に光ファイバー式の紫外線装置を利用して紫外線を照射し、粘度を略30Pa・sに増粘する。その後、該液100重量部に対して、光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを0.3重量部、架橋剤であるヘキサンジオールジアクリレートを0.2重量部を混入して攪拌して得たものである。
また、上述の実施例装置のラミネートロール4,5に巻回する基材(支持体)には、非粘着性処理を粘着剤の塗工面に施した50μm厚である透明のPETセパレータを使用している。
上記粘着剤および基材を利用し、粘着剤を基材に塗工してラミネートした後の粘着剤の厚みが200μmとなるようにラミネートロール4、5のギャップ間を調整した。また、基材の繰り出し速度を約5m/minとし、紫外線照射装置では、高圧水銀ランプを用いて最大照度が約300mW/cm2、積算光量が4000mJ/cm2で紫外線を粘着テープに照射して粘着剤の硬化処理をした。
以上の条件で製造した粘着テープの粘着層には、数百〜数千μm径レベルの大きい気泡の混入による貫通孔はなく、良好な仕上がりの基材レス両面粘着テープが確認できた。
(テスト2) このテスト2で使用した粘着剤には、2EHA90重量部、AA10重量部とし、0.1重量部の光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを攪拌式タンク内に投入し、この攪拌式タンク内に光ファイバー式の紫外線装置を利用して紫外線を照射し、粘度を略30Pa・sに増粘する。その後、該液100重量部に対して、光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを0.3重量部、架橋剤ヘキサンジオールジアクリレートを0.2重量部を混入して攪拌する。その後、ガラスバルーン(東海工業株式会社製)を10重量部を攪拌混合する。更に、窒素約15%体積比を粘着剤中に混合機で、例えば、回転式攪拌混合機で混合分散させる。
また、上述の実施例装置のラミネートロール4,5に巻回する基材(支持体)には、非粘着性処理を粘着剤の塗工面に施した50μm厚である透明のPETセパレータを使用している。
上記粘着剤および基材を利用し、粘着剤を基材に塗工してラミネートした後の粘着剤の厚みが1mmとなるようにラミネートロール4,5のギャップ間を調整した。また、基材の繰り出し速度を約5m/minとし、紫外線照射装置では、高圧水銀ランプを用いて最大照度約300mW/cm2、積算光量4000mJ/cm2で紫外線を粘着テープに照射して粘着剤の硬化処理をした。
以上の条件で製造した粘着テープの粘着層には、当初から含まれていた微細な気泡は混入されているが、数百〜数千μm径レベルの大きい気泡の混入による貫通孔はなく、弾力性を有する良好な仕上がりの両面粘着テープが確認できた。
本実施例では、液溜め部8の構成が実施例1と異なるので、同じ構成部分には同一符号を付すに留め、異なる部分について具体的に説明する。
液溜め部8は、図3から図5に示すように、側部の断面が片仮名の略「コ」の字状をし、ロールコーター1の幅方向に長い角筒状の粘着剤供給ヘッド20と、当該粘着剤供給ヘッド20の上面、底面および側面に密接し、その先端部が粘着剤供給ヘッド20から突き出た状態で前後移動可能に取り付けられた板材である上板21と底板22、および両側面に取り付けられた側面板23とから囲まれた状態で構成されている。これら板材21〜23の先端は、ロールコーター1に臨接するように位置調整されている。なお、これら板材21〜23は、摺動性に優れたフッ素加工が施されたものが好ましい。
また、粘着剤供給ヘッド20の基端部には、その内部に粘着剤sを供給補給する補給管15が連通接続されている。つまり、粘着剤供給ヘッド20は、ロールコーター1の間隙幅と略同一幅の開口を有し、ロール幅方向の間隙に向けて粘着剤sを放射状に供給するようになっている。なお、粘着剤供給ヘッド20は、本発明の粘着剤供給手段に、上板21、底板22、および両側面板23は閉塞部材に相当する。
このように構成することで、略密閉された液溜め部8の内部に供給された粘着剤が充填された状態にあるので、大気接触することがない。つまり、液面側からの空気の巻き込みの発生を抑制することができる。
以下、本発明装置を利用して粘着テープの製造テストを行った結果を例示する。
(テスト3) このテスト3で使用した粘着剤は、2EHA90重量部、AA10重量部とし、0.1重量部の光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを攪拌式タンク内に投入し、この攪拌式タンク内に光ファイバー式の紫外線装置を利用して紫外線を照射し、粘度を略30Pa・sに増粘する。その後、該液100重量部に対して、光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを0.3重量部、架橋剤であるヘキサンジオールジアクリレートを0.2重量部を混入して攪拌して得たものである。
また、上述の実施例2の装置のラミネートロール4,5に巻回する基材(支持体)には、非粘着性処理を粘着剤の塗工面に施した50μm厚である透明のPETセパレータを使用している。
上記粘着剤および基材を利用し、粘着剤を基材に塗工してラミネートした後の粘着剤の厚みが200μmとなるようにラミネートロール4、5のギャップ間を調整した。また、基材の繰り出し速度を約5m/minとし、紫外線照射装置では、高圧水銀ランプを用いて最大照度が約300mW/cm2、積算光量が4000mJ/cm2で紫外線を粘着テープに照射して粘着剤の硬化処理をした。
以上の条件で製造した粘着テープの粘着層には、当初から含まれていた微細な気泡は混入されているが、数百〜数千μm径レベルの大きい気泡の混入による貫通孔はなく、良好な仕上がりの基材レス両面粘着テープが確認できた。
(テスト4) このテスト4で使用した粘着剤には、2EHA90重量部、AA10重量部とし、0.1重量部の光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを攪拌式タンク内に投入し、この攪拌式タンク内に光ファイバー式の紫外線装置を利用して紫外線を照射し、粘度を略30Pa・sに増粘する。その後、該液100重量部に対して、光重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを0.3重量部、架橋剤ヘキサンジオールジアクリレートを0.2重量部を混入して攪拌する。その後、ガラスバルーン(東海工業株式会社製)を10重量部を攪拌混合する。更に、窒素約15%体積比を粘着剤中に混合機で、例えば、回転式攪拌混合機で混合分散させる。
また、上述の実施例装置のラミネートロール4,5に巻回する基材(支持体)には、非粘着性処理を粘着剤の塗工面に施した50μm厚である透明のPETセパレータを使用している。
上記粘着剤および基材を利用し、粘着剤を基材に塗工してラミネートした後の粘着剤の厚みが1mmとなるようにラミネートロール4,5のギャップ間を調整した。また、基材の繰り出し速度を約5m/minとし、紫外線照射装置では、高圧水銀ランプを用いて最大照度約300mW/cm2、積算光量4000mJ/cm2で紫外線を粘着テープに照射して粘着剤の硬化処理をした。
以上の条件で製造した粘着テープの粘着層には、当初から含まれていた微細な気泡は混入されているが、数百〜数千μm径レベルの大きい気泡の混入による貫通孔はなく、弾力性を有する良好な仕上がりの両面粘着テープが確認できた。
なお、上記実施例1および実施例2における基材としては、例えば紙類(和紙、クラフト紙等)、布類(綿、スフ、化繊、不織布等)が主であるが、プラスチック類(セロハン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アセテート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル等)、金属箔、あるいはこれらのプラスチックラミネート体などを用いることができる。
また、粘着剤としては、モノマーまたはその一部重合物と光重合開始剤とを含有してなり、光照射により重合して粘着剤となるものであり、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系などの光重合性組成物が用いられる。これらの中でも、アクリル系の光重合性組成物が特に好ましく用いられる。以下に本実施例で用いられる光重合性組成物の各成分について例示する。
本実施例では、光重合性組成物として、アルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体とが用いられる。本実施例で用いられるアルキルアクリレート単量体とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーであり、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、プチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基の如きアルキル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、あるいはそのアルキル基の一部をヒドロキシル基で置換したものなどアルキル基の炭素数が1〜14の範囲にあるものを、1種または2種以上を主成分に用いられる。
また、極性基含有の共重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸などの不飽和酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどが用いられる。また、単量体に限らず、(メタ)アクリル酸ダイマーなどの2量体を用いても良い。
本実施例で用いられる光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル類、アニソールメチルエーテルなどの置換ベンゾインエーテル類、2・2−ジエトキシアセトフェノン、2・2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの置換アセトフェノン類、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換−α−ケトール類、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド類、1−フェニル−1・1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどの光活性オキシム類などが用いられる。このような光重合開始剤の使用量は、前述したアルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体との合計100重量部当たり、通常0.1〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部が良い。この範囲より光重合開始剤の使用量が少ないと、重合速度が遅くなりモノマーが多く残存しやすくなり工業的に好ましくなく、逆に多いとポリマーの分子量が低下し粘着剤の凝集力の低下をきたしやすく粘着特性上好まし特性が得られない。
本実施例で用いられる架橋剤としては、多官能アクリレート単量体などが用いられ、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1・2−エチレングリコールジアクリレート、1・6−ヘキサンジオールジアクリレート、1・12−ドデカンジオールジアクリレートなどの2官能以上のアルキルアクリレート単量体が用いられる。この多官能アクリレート単量体の使用量は、その官能基数などにより異なるが、一般には、前述したアルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体との合計100重量部当たり、0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部とするのが良い。このような範囲で多官能アクリレート単量体を用いると、良好な凝集力が保持される。
また、上記多官能アクリレート以外にも、粘着剤の用途に応じて架橋剤を併用することもできる。併用する架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤など、通常用いる架橋剤を使用することができる。なお、本発明では、必要に応じて粘着付着剤などの添加剤を用いることができる。
以上のように、ブレード11の先端をラミネートロール4に接触させて液溜め部8を略密閉となるようにするとともに、液溜め部8に貯留した粘着剤sの液面がブレード11の裏面に接触するように充填維持することで、ラミネートロール4の回転に伴って液面側からの空気の巻き込みよって発生する大きい数百〜数千μm径レベルの気泡の発生を抑制することができる。その結果、基材9,10間にラミネート塗工された粘着剤に紫外線照射して光重合により硬化処理を施して粘着テープを製造しても、その粘着層に気泡の混入による貫通孔の発生を抑制でき、外観不良がなく、かつ、高品質の粘着テープを製造することができる。
本発明は上述した実施例のものに限らず、次のように変形実施することもできる。
(1)上記実施例1では、ブレード11を上板7に取り付けるネジ12を緩めることでブレード11をスライド移動させてラミネートロール4への接触位置を調節していたが、次のように調節してもよい。
例えば、ブレード11の幅方向に所定間隔で圧力センサを配備し、この圧力センサにより検出された結果に基づいて、ブレード11をシリンダなどの駆動装置でスライド移動させ、ラミネートロール4の幅方向に対してブレード11の先端が常に均一な圧力で接触するように調節する構成としてもよい。また、実施例2についても、当該構成と同様にし、上板21と底板22の少なくともいずれかの先端の位置を調整するように構成してもよい。
(2)上記実施例1の場合、粘着剤の補給管15を液溜め部の底板6に連結して、その補給口15aを液面下に設置することもできる。
(3)上記各実施例では、ラミネートロール4,5のそれぞれに基材9,10を巻回し、その間に粘着剤sを供給塗工していたが、ラミネートロール5側だけに基材9を巻回し、粘着剤sを塗工する形態であってもよい。
(4)上記実施例1では、粘着剤sを供給する箇所を除く部分の液面をブレード11で覆っていたが、次のように構成してもよい。例えば、ラミネートロール4の回転に伴って空気を巻き込みがちなラミネートロール4の近傍の所定領域の液面をラミネートロール4と接触するようにブレード11で覆い、それ以外の液面は大気開放した構成であってもよい。このような構成であっても、上述の実施例と同様の効果を奏する。
(5)上記各実施例では、粘着剤に紫外線硬化型のものを利用していたが、電子線などを含む放射線の照射によって重合する粘着剤にも適用することができる。
(6)上記実施例2では、粘着剤供給ヘッド20の側部の断面が片仮名の略「コ」の字状をし、その流路が矩形状をていたが、図6の平面図の破線に示すように、その流路が補給管15と連結した細い基端部からロールコーター1に向けて末広がり状に形成されたものであってもよい。
本発明の実施例1に係る粘着テープ製造装置の概略構成を示す側面図である。 本発明の実施例1に係る粘着テープ製造装置のロールコーターの概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施例2に係る粘着テープ製造装置の概略構成を示す側面図である。 本発明の実施例2に係る粘着テープ製造装置のロールコーターの概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施例2に係る供給流路の平面の断面図である。 変形例装置の供給流路を示す平面の断面図である。 従来装置の液溜め部において気泡の巻き込みが発生する状態を示した図である。
符号の説明
4 … ラミネートロール
5 … ラミネートロール
6 … 底板
7 … 上板
8 … 液溜め部
9 … 基材
10 … 基材
11 … ブレード
15 … 補給管
16 … 制御装置
c … 間隙
s … 粘着剤

Claims (5)

  1. 液溜め部に貯留した粘着剤を、上下に対向配備したロール間に形成された間隙から送り出して各ロールの少なくともいずれか一方に巻回されて走行する基材に塗工してゆくロールコート方式の粘着テープの製造方法において、
    前記上側のロールと接触した状態で前記液溜め部が略密閉状態となるように閉塞部材で覆うとともに、液溜め部に貯留する粘着剤の液面が前記閉塞部材の裏面と接触するように粘着剤の補給制御をすることを特徴とする粘着テープの製造方法。
  2. 請求項1に記載の粘着テープの製造方法において、
    前記閉塞部材は弾性を有するブレードであることを特徴とする粘着テープの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の粘着テープの製造方法において、
    前記粘着剤は、微細気泡を混合した放射線硬化型の粘着剤であることを特徴とする粘着テープの製造方法。
  4. 液溜め部に貯留された粘着剤を基材に塗工する粘着テープの製造装置において、
    前記液溜め部に臨設されるとともに基材を巻回して対向配備された上下一対のロールと、
    前記上側のロールと接触するとともに、前記液溜め部を略密閉状態に閉塞する閉塞部材と、
    前記液溜め部の液面下に出口を位置させて配備された粘着剤補給管と、
    前記粘着剤補給管に粘着剤を圧送する粘着剤補給手段と、
    前記液溜め部に貯留する粘着剤の液面が前記閉塞部材の裏面に接触するように前記粘着剤補給手段を作動制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする粘着テープの製造装置。
  5. 粘着剤を基材に塗工する粘着テープの製造装置において、
    前記基材を巻回して対向配備された上下一対のロールと、
    前記ロールの幅方向に伸びるように形成された両ロールの間隙に対向配備された幅広の供給開口を有する粘着剤供給手段と、
    前記粘着剤供給手段の周りを囲んだ状態で前記ロール側に向けて延伸し、前記上下一対のロールに臨設されるとともに、その内部に前記粘着剤が貯留される閉塞部材と、
    前記粘着剤供給手段に連通接続された粘着剤補給管と、
    前記粘着剤補給管に粘着剤を圧送する粘着剤補給手段と、
    前記粘着剤供給手段への粘着剤の充填量を調整するように前記粘着剤補給手段を作動制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする粘着テープの製造装置。
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