JP4513393B2 - 燃料電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、単位セルを一つまたは複数備えた燃料電池およびその製造方法に関する。
燃料電池は、外部から燃料(水素)と空気(酸素)とを連続的に別々の電極に供給し、これらを電極に含まれた触媒を利用して、電気化学的に反応させて電気エネルギーを取り出すものである。他の発電方式に比べて高効率で二酸化炭素の排出量が少ないため、環境問題が顕著になっている近年注目されている。燃料電池の中でも、高分子固体電解質膜を利用した燃料電池は作動温度が室温に近く、薄型化、小型化が可能で携帯機器等への応用が期待されている。
燃料電池の単位セル当たりの起電力は、電気化学反応の種類によって決まるが、0.7ボルト程度と低いため、実際に電池として使用するためには出力の向上が必要である。燃料電池の出力を向上させるためには、燃料電池全体として起電力を上げることと、容量を上げることとが考えられる。起電力を上げるためには、単位セルを積層して(スタック構造)電気的に直列に接続する方法がよく知られている。容量を上げるためには、電極面積や反応界面の幾何学的面積を広げる、あるいは単位面積あたりの出力密度を増加させる方法が知られている。
しかし、これら燃料電池の出力を向上させるための方法では、単位セルの積層や電極面積の広面積化という小型化とは相反することを行うため、小型化が必要な携帯機器等への応用分野においては、小型化に工夫が求められている。しかも、一般には、燃料と空気の混合防止用のセパレータがあるため、小型化がより困難になっている。
ところで、高分子固体電解質膜を利用した単位セルを積層して燃料電池の出力を向上させる場合、電極の構成部材間の接触抵抗も燃料電池の発電効率に影響する。発電効率を向上させるためには、電池に均一に荷重を加えて電極の構成部材間の接触抵抗を減らす必要がある。
接触抵抗を減らす例として、アノード側の燃料の供給とカソード側の空気の供給を分離するためのセパレータを用いた構造の燃料電池では、セパレータを介して荷重を構成部材に均一に加える方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−315507号公報(第2〜第3頁、図1)
しかし、異なるガスの混合を防ぐためのセパレータを用いた場合では、このセパレータを使用することによって単位セルの構造自体も厚くなり、薄型でフレキシブルな単位セルを得ることが難しい。従って、大きな起電力を得るためにこのような単位セルの積層数を増やすと、厚みが一層増してしまい、結果として小型化が難しくなる。このため、燃料電池を小型化するには、単位セルをいかにコンパクトに小さな体積中に収めるかが課題である。
本発明の第一の目的は、薄型でフレキシブルな単位セルをコンパクトに収納した出力の大きな燃料電池を提供することにある。
本発明の第二の目的は、第一の目的に加えて、発電効率を向上させることができる燃料電池の製造方法を提供することにある。
本発明の燃料電池は、高分子固体電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んだ一対の膜電極接合体、前記各アノード電極の対向する側にそれぞれ配置され、前記アノード電極で発生した電力を外部に取り出す取出電極、及び前記一対の膜電極接合体の間をシールするシール層と前記各取出電極との間に形成される袋状の領域を有する単位セルと、前記単位セルに空気を供給する空気透過部材とを備え、前記袋状の領域には、水素が供給及び排出され、前記単位セルと前記空気透過部材とは、渦巻状に巻かれていることを特徴とする。
この発明では、単位セルが、薄型の膜電極接合体とアノード電極にのみ燃料を供給する袋状の領域とを含んで構成されるので、水素とカソード電極に供給する空気とを分けるセパレータが必要でなくなる。従って、薄型でフレキシブルな単位セルが得られる。その単位セルが渦巻状に巻かれているので、電極面積が大きな単位セルであっても、小さい体積にコンパクトに収納することが可能である。
単位セル当りの電極面積を大きくして容量を増やし、コンパクトに収容できた単位セルを複数集めて燃料電池を構成すれば起電力も高くなり、出力の大きな燃料電池が得られる。
また、本発明では、前記一対の膜電極接合体は、長方形部分と二等辺三角形部分とで五角形状に形成され、前記袋状の領域は、前記シール層により前記五角形状に形成され、前記袋状の領域において、前記二等辺三角形の領域には、複数の仕切層が前記水素の供給方向に沿って配設されていることが好ましい。
さらに、本発明では、前記一対の膜電極接合体は、矩形状に形成され、前記一対の膜電極接合体の間において、前記シール層は、前記膜電極接合体の長辺側が開口するように配置され、前記膜電極接合体の前記空気透過部材と対向する側の面には、前記膜電極接合体において、前記開口する長辺側とは反対側の長辺側が開口するようにシール層が配置されることが好ましい。
本発明では、前記高分子固体電解質膜の前記電極が形成されていない部分に気体非透過層が設けられている構成が好ましい。
高分子固体電解質膜は、プロトン透過性であり水素燃料も透過しやすい。そこで、この発明では、これらの気体非透過層を必要な場所に設けることにより、より確実に袋状の領域からの気体の漏出が防げる。
本発明では、前記単位セルが渦巻状に巻かれることによって生じる間隙が同方向で開口するように、複数の前記単位セルが配置されているのが好ましい。
この発明では、単位セルが渦巻状に巻かれる際に生じる渦巻に沿った間隙がカソード電極に空気を供給する領域となる。その間隙を同方向とすると、空気の流れが一定方向となり、制御する構造が簡便にできる。従って、複数の単位セルを集めて燃料電池を構成しても小型化する。また、単位セルへの空気の流れも淀みがなくなり、各単位セルの発電効率が高まる。
本発明では、渦巻状に巻かれた前記単位セルの外周から渦巻中心方向に加わった締付力を保持する保持部材が設けられているのが好ましい。
この発明では、単位セルが巻かれた際に生じる渦巻きの外周から中心に加わった締付力を保持する保持部材を設けることで、巻かれた単位セルの形状と単位セルの電極の構成部材間に加わった力が保持され、電極の構成部材間の接触抵抗が低く抑えられて発電効率が向上する。
高分子固体電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んだ一対の膜電極接合体と、前記各アノード電極の対向する側にそれぞれ配置され、前記アノード電極で発生した電力を外部に取り出す取出電極と、及び前記一対の膜電極接合体の間をシールするシール層と前記各取出電極との間に形成されるとともに、水素が供給及び排出される袋状の領域とを有する単位セルを渦巻状に巻く工程と、前記単位セル全体に外周から渦巻き中心方向に力を加えた状態で、前記単位セルを固定する工程とを備える燃料電池の製造方法であって、前記単位セルを渦巻状に巻く工程において、前記単位セルに空気を供給する空気透過部材を前記単位セルと合わせて巻くことを特徴とする。
この発明では、渦巻状に巻かれた単位セルの外周から渦巻き中心方向に力を加えて固定するので、電極の構成部材間に均一に力がかかった状態が維持され、電極の構成部材間の接触抵抗が低く抑えられて発電効率が向上する。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る燃料電池1の全体図、図2は、燃料電池1を構成するユニット20の斜視図、図3は、ユニット20を形成している単位セル7の平面図、図4は、ユニット20を展開した状態の単位セル7を示す断面図である。
図1、図2で、全体構成を説明する。
図1において、燃料電池1は、7個の発電用のユニット20を備えている。ユニット20は円柱形で、底面と上面とを揃えて側面が接するように稠密に並べられている。ユニット20間に生じた隙間および外周は、パテ30によって埋められ接着されている。ユニット20は、水素入口12を備えていて、それらはまとめられている。燃料電池1に供給される空気は、矢印方向に流れ、水素入口12からは燃料である水素が供給される。
図2において、ユニット20は、主な部材として電気を発生する単位セル7と、単位セル7に空気を供給するための空気透過部材15と、巻芯18と、止め材17とを備えている。単位セル7と空気透過部材15とは、巻芯18を中心として渦巻状に巻かれ、巻き終わりには止め材17が設けられている。止め材17は、巻かれたときに外周から渦巻中心方向に加わった締付力を保持する保持部材の役目をする。空気透過部材15は、単位セル7が巻かれた際に間隙を確保して、かつユニット20内で空気の供給経路の役目を果たす。空気の供給は、この空気透過部材15を通して行われる。図1に示すように、単位セル7が巻かれた際の間隙(円柱形のユニット20の底面および上面に位置する)の開口部が同方向となるように、複数のユニット20が配置されているので、燃料電池1への空気の流れを一定方向にできる。単位セル7は、水素入口12と水素出口16と取出電極10,14とを備えている。水素入口12と水素出口16は、水素がユニット20に滞りなく供給されるように互いに反対側に配置されている。
なお、図1において、水素出口16と取出電極10,14は省略してある。また、空気は矢印方向に流れて供給されているが、もちろん逆方向でもよい。また、燃料電池1は、一つのユニット20から構成されてもよいし、7個以上の複数のユニット20から構成されてもよい。
次に、図3、図4で単位セル7の構成をより具体的に説明する。
図3において、単位セル7には、水素入口12が設けられ、反対側に水素出口16が設けられている。ここで、水素入口12と水素出口16と取出電極10とは、シール層8に挟まれて気密性を保った状態で内側から延長され、外部に引き出されている。取出電極14は、アノード側の取出電極10とは反対側に引き出されている。なお、水素入口12と水素出口16および取出電極の数は複数であってもかまわない。
図4において、単位セル7は、高分子固体電解質膜3をアノード電極4とカソード電極5とで両側から挟んだ一対のシート状の膜電極接合体2を備えている。電極4,5の設けられていない膜電極接合体2の外周部分には、高分子固体電解質膜3から気体の漏出を防ぐための気体非透過層6が形成されている。単位セル7は、これら一対の膜電極接合体2のアノード電極4を対向させ、図3にも示したように外周をシール層8によってシールされることによって形成されている。従って、単位セル7のアノード電極4を囲むように気密性のある袋状の領域が形成される。
高分子固体電解質膜3は、多孔質膜である延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(Poly Tetra Fluoro Ethylene,PTFE)フィルムに、高分子固体電解質樹脂であるナフィオン(デュポン社商標)等のパーフルオロスルホン酸系ポリマー、フッ素系ポリマー、炭化水素系ポリマーなどが含浸されることにより構成される。
アノード電極4には燃料である水素が供給され、カソード電極5には空気(酸素)か供給される。それぞれの電極は、水素酸化や酸素還元の反応を促進させるための白金または白金合金等の触媒が担持されたカーボンから構成される。
気体非透過層6としては、フィルム状樹脂、金属薄膜層やそれらを組み合わせたものが使用できる。気体透過性の低い樹脂としては、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)、アセチル化した高分子グルコマンナン等を使用できる。
シール層8は、熱で変形させた後固化できる熱可塑性の樹脂からなる熱溶着フィルム(ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アクリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、およびそれらの混合物)であってもよいし、光により固化する光硬化性型樹脂(可視光硬化型、UV硬化型)でもよい。
単位セル7において、対向するそれぞれのアノード電極4には、導電性を有するメッシュ状の中間部材9が接するように配置されている。この中間部材9により、水素拡散層およびアノード電極4に発生した電子を集める集電体が形成される。そして、中間部材9には、発生した電力を外部に取り出すための取出電極10が設けられている。また、対向する取出電極10の間には、水素を透過する支持体11が狭持されている。
両側のカソード電極5には、カソード電極5に均一に酸素を供給するための拡散層と集電体を兼ねた中間部材13がそれぞれ接するように設けられ、その外側に電池に接続された負荷から来た電子を集めるための取出電極14がそれぞれ設けられている。なお、取出電極14は、アノード側の取出電極10とは反対側(図3中の下側)に引き出されている。
中間部材9,13は、電極に水素および酸素を均一に供給するためのものであり、かつ電極4,5と取出電極10,14とを電気的に接続する。従って、多孔質でフレキシブルな導電性材料が使用される。中間部材9,13を形成する材料としては、例えば、メッシュの金属フォーム(例えばスチールウール等)、アルミニウム、ステンレス鋼等であってもよく、またスポンジチタン等の多孔性金属材料、カーボンペーパ紙にカーボンを担持したものやカーボンクロス等であってもよい。
取出電極10,14は、水素や酸素を透過する電気抵抗の低いメッシュ状部材で、例えば金属のメッシュ等が使用できるし、任意の形状の金属箔であってもよいし、リード線等の導電性を有するものであればよい。
支持体11は、多孔性材料が使用できる。例えば、導電性の多孔性材料としては、発泡金属、金属フィルタ等であってもよく、絶縁性の多孔性材料としては、発泡樹脂、発泡石英または発泡性ガラス等発泡性セラミック、撥水性繊維のフィルタ等であってもよい。また、グラスファイバー、ビーズ等を層間に散布してもよい。さらに、多孔質材料により大きな貫通孔を開けて、空気透過性能を向上させてもよい。
以下には、図5を参照し、ユニット20の製造方法について説明する。
先ず、単位セル7と空気透過部材15を渦巻状に巻いてユニットを形成する工程を説明する。
矩形の単位セル7の、水素入口12、水素出口16、取出電極10,14が引き出されていない辺の片側に、剛性のある巻芯18を合わせる。次に、単位セル7を構成する部材と空気透過部材15を合わせて、実線矢印方向に巻芯18を回転させて、締め付けるように力を加えながら巻いていく。このとき、外側と内側では巻かれる長さに違いがあるので、予め外側になる膜電極接合体2等の部材を巻く方向に長めに調整しておく。また、単位セル7を構成する部材も巻く際に多少ずれるので、シール層8にはまだ加熱や紫外線の照射は行わずに各部材が固定されない状態で巻く。
次に、前記単位セル7の構成部材および前記ユニット20を固定する工程と、ユニット20に加わった力を保持する部材を設ける工程の説明をする。
巻きが終了後、図1に示したように単位セル7の末端を止め材17で固定する。ここで、単位セル7は力を加えながら巻かれているので、このように固定された状態で加熱するか紫外線を照射して単位セル7のシール層8の固定を行うと、単位セル7の電極の構成部材に力が加わった状態が維持される。
さらに外周から確実に締付力を加えて止めることも可能である。例えば、針金や形状記憶合金で外周を巻いて締め付ける。あるいは、シュリンクチューブを用いて加熱して締め付けることも可能である。
このような本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)単位セル7が薄型の膜電極接合体2とアノード電極4にのみ燃料を供給する袋状の領域から構成されるので、燃料と空気の供給の際にそれらを分けるセパレータを不要にでき、薄型でフレキシブルにできる。従って、その単位セル7が渦巻状に巻かれているので、電極面積が大きく容量の大きい単位セルであっても、少ない体積でコンパクトに収納できて、ユニット20を形成できる。
(2)高分子固体電解質膜3のアノード電極4とカソード電極5が設けられていない部分には、気体非透過層6が形成されているので、気体非透過層6を必要な場所に設けることにより、袋状の領域からの水素の漏出をより確実に防ぐことができる。
(3)複数のユニット20に供給する空気の流れが同方向となるため、空気の流れを制御する構造が簡便で、複数のユニット20を含む燃料電池1を小型化できる。また、薄型の単位セル7を含んで構成されるユニット20への空気の供給が略同方向から行えるので、空気の流れに無駄がなく各ユニット20の発電効率を高めることができる。
(4)ユニット20全体に外周から渦巻き中心方向に力を加えて固定するので、単位セル7の高分子固体電解質膜3面の鉛直方向に均一に力がかかった状態が維持されて、電極の構成部材間の接触抵抗が低く抑えられ、発電効率を向上させることができる。さらに、単位セル7を巻いた後の構成部材の相互位置が決まった状態で構成部材を固定するので、単位セル7の構成部材間に無駄な応力をかけずにユニット20を形成できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。なお、以下の変形例においては、実施形態と同じ構成部材には同一符号を付し、ここでのそれらの説明を省略または簡略化する。
(変形例1)
例えば、一つのユニット20からなる燃料電池1に空気を供給する構成の変形例1を図6に示した。
図6において、燃料電池1は、片側を覆うようにフード19を備えている。フード19内の空気は、矢印方向に吸引されている。このように空気を吸引することによって、巻かれた単位セル7間の狭い間隙にも空気を効率よく供給することができる。もちろん、このような構成の燃料電池1を複数集めて燃料電池を構成することも可能である。
(変形例2)
例えば、前記実施形態では、一対の膜電極接合体2を含む単位セル7を巻いてユニット20を構成していたが、本発明では、一つの膜電極接合体2を含む単位セル7を使用してもよい。
以下、変形例2を図面に基づいて説明する。図7に変形例2の単位セル7の断面図を示した。この単位セル7を前記実施形態と同様に空気透過部材15とともに巻くことにより、ユニット20を得ることができる。
図7において、高分子固体電解質膜3には、実施形態と同様にアノード電極4、カソード電極5が形成され、それぞれの両極側に、中間部材9,13、取出電極10,14が配置される。気体非透過層6も同様に設けられる。ここで変形例2では、取出電極10と隔離用フィルム22の間に支持体11を挟んで固定する。固定の方法は、前記実施形態と同様にシール層8を用いて行い、膜電極接合体2と気体の隔離用フィルム22の間に水素入口12を設ける。気体の隔離用フィルム22の材質、構成は、実施形態で例示した気体非透過層6と同様の材質、構成を用いることができる。
(変形例3)
例えば、前記実施形態では、矩形の膜電極接合体2としていたが、本発明では、矩形以外の膜電極接合体2を利用して袋状の領域を形成してもよい。
以下、変形例3を図面に基づいて説明する。図8に変形例3の単位セルの平面図を示した。
図8において、一対の膜電極接合体2は矩形ではなく異形の六角形をしており、袋状の領域も図示されていないシール層によって家形に形成されている。家形をした袋状の領域の屋根部分には水素入口12が設けられ、反対側に水素出口16が設けられている。袋状の領域の屋根部分全体には、適当な間隔で仕切層23が設けられている。仕切層23は、シール層と同様の材料で形成することができ、水素を袋状の領域全体にいきわたらせる役目と、屋根部分の膜電極接合体2の接着も兼ねる。
(変形例4)
例えば、前記実施形態では、単位セル7を一方向から巻いていたが、本発明では、両側から巻いてもよい。
以下、変形例4を図面に基づいて説明する。図9に変形例の水素入口12から見た断面図を模式的に示した。
図9において、実施形態と同様に一対の膜電極接合体を含む単位セルと空気透過性部材(図示せず)は、両側から同じ量だけ巻かれている。このように巻くことにより、巻きの外周と内周で部材(例えば膜電極接合体)の長さを調整する必要がなくなる。
(変形例5)
例えば、前記実施形態では、水素の導入を水素入口12から行い反対側の水素出口16から排出して、空気の供給、排出を一方向に向かって行っていたが、本発明では、水素入口12や水素出口16を特別設けることなく、水素や空気の供給、排出を同方向から行なってもよい。
図10には、変形例5の単位セル7の斜概略図、図11には、渦巻状に巻かれた単位セル7を複数備えた燃料電池1の全体図を示した。
図10において、一対の膜電極接合体2の間に、袋状の領域を形成するシール層8を、一辺(巻かれた後に形成される円柱形の上面か底面となる方向の辺)が開口するように配置する。一方、空気透過部材15を合わせて巻かれる面の外周には、シール層8で開口させた方向とは逆方向が開口するようにシール層24を配置する。この状態で巻いて、ユニット20を構成する。単位セル7を巻く前の状態で図10を使って説明すると、水素は矢印40で示したように下方向から導入され排出される。一方、空気は矢印50で示されるように巻かれた際に生じる間隙の上方向から入って上方向に排出される。
図11において、複数のユニット20は、水素と空気の導入方向を合わせて配置され、隙間と外周をパテ30で固められる。矢印40,50で示すように水素と空気は一方向から入り同方向へ戻って排出される。この変形例5の構成、配置であれば、例えば、水素雰囲気と空気雰囲気との隔壁を燃料電池自体で構成できる。従って、水素供給装置等の付帯装置を合わせて構成する場合に、水素供給装置の空気との隔壁として使用すると水素供給装置に燃料電池を組み込むことができ、装置全体としてコンパクトにできる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の一実施形態にかかる燃料電池を示す全体図。 ユニットの全体図。 単位セルの平面図。 単位セルの断面図。 単位セルを巻く工程を示す図。 燃料電池の全体図。 単位セルの断面図。 単位セルの平面図。 ユニットの断面図。 単位セルの斜概略図。 複数のユニットからなる燃料電池の全体図。
符号の説明
1…燃料電池、2…膜電極接合体、3…高分子固体電解質膜、4…アノード電極、5…カソード電極、6…気体非透過層、7…単位セル、8…シール層、10…取出電極、12…水素入口、14…取出電極、15…空気透過部材、16…接着層、17…止め材、18…巻芯、20…ユニット。

Claims (7)

  1. 高分子固体電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んだ一対の膜電極接合体、前記各アノード電極の対向する側にそれぞれ配置され、前記アノード電極で発生した電力を外部に取り出す取出電極、及び前記一対の膜電極接合体の間をシールするシール層と前記各取出電極との間に形成される袋状の領域を有する単位セルと、
    前記単位セルに空気を供給する空気透過部材とを備え、
    前記袋状の領域には、水素が供給及び排出され、
    前記単位セルと前記空気透過部材とは、渦巻状に巻かれている
    ことを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記一対の膜電極接合体は、長方形部分と二等辺三角形部分とで五角形状に形成され、
    前記袋状の領域は、前記シール層により前記五角形状に形成され、
    前記袋状の領域において、前記二等辺三角形の領域には、複数の仕切層が前記水素の供給方向に沿って配設されている
    ことを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記一対の膜電極接合体は、矩形状に形成され、
    前記一対の膜電極接合体の間において、前記シール層は、前記膜電極接合体の長辺側が開口するように配置され、
    前記膜電極接合体の前記空気透過部材と対向する側の面には、前記膜電極接合体において、前記開口する長辺側とは反対側の長辺側が開口するようにシール層が配置される
    ことを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料電池において、
    前記高分子固体電解質膜の前記電極が形成されていない部分には、気体非透過層が設けられていることを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池において、
    前記単位セルが渦巻状に巻かれることによって生じる間隙が同方向で開口するように、複数の前記単位セルが配置されていることを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1から請求項のいずれかに記載の燃料電池において、
    渦巻状に巻かれた前記単位セルの外周から渦巻中心方向に加わった締付力を保持する保持部材が設けられていることを特徴とする燃料電池。
  7. 高分子固体電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んだ一対の膜電極接合体と、前記各アノード電極の対向する側にそれぞれ配置され、前記アノード電極で発生した電力を外部に取り出す取出電極と、及び前記一対の膜電極接合体の間をシールするシール層と前記各取出電極との間に形成されるとともに、水素が供給及び排出される袋状の領域とを有する単位セルを渦巻状に巻く工程と、前記単位セル全体に外周から渦巻き中心方向に力を加えた状態で、前記単位セルを固定する工程とを備える燃料電池の製造方法であって、
    前記単位セルを渦巻状に巻く工程において、前記単位セルに空気を供給する空気透過部材を前記単位セルと合わせて巻く
    ことを特徴とする燃料電池の製造方法。
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