JP4511108B2 - ヒトプロラクチン拮抗剤−血管新生阻害剤融合蛋白質 - Google Patents

ヒトプロラクチン拮抗剤−血管新生阻害剤融合蛋白質 Download PDF

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    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリーンビル病院(Greenville Hospital)寄付金システムおよび助成金(DAMD 17-99-1-9129、DAMD 17-01-1-0207、NIH/NCI 1R21CA87093)によって一部支援を受けた。
【0002】
本発明は一般的に、癌の治療に用いるために、ヒトプロラクチン拮抗剤と血管新生阻害剤とを含む融合蛋白質を調製および使用する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
ヒト乳癌は、ミラーら(Miller)編の非特許文献1によって報告されるように、悪性度が高く、西欧社会の女性における癌による死因の第一位である。全米癌学会による最近の推定によれば、1998年にはアメリカ人女性8人に1人が乳癌を有し、その疾患のために女性43,500人が死亡するであろうと言われている。
【0004】
プロラクチン(PRL)が乳癌の発生に強く関連するいくつかの系列の証拠がある。プロラクチン受容体(PRLR)の発現レベルは、正常な乳房上皮細胞のみならず(非特許文献2)、手術によって摘出した乳癌組織と比較してヒト乳癌細胞では高いと報告されている(非特許文献3)。悪性乳房組織におけるPRLRレベルは、その周辺の正常組織に対して5倍高くなることがあり(上記非特許文献3を参照のこと)、そのためにこれらの悪性細胞は、hPRLによる刺激に対して非常に感受性が高い。さらに、乳房におけるエストロゲンについての分裂作用の一つのメカニズムは、PRLR、エストロゲン受容体(ER)、またはプロゲステロン受容体レベルの間に正の相関が存在することから、ヒトプロラクチン(hPRL)の産生および分泌に影響を及ぼす可能性があることが示唆されている(非特許文献4〜6参照)。これらのことを考慮すると、これらの知見は、hPRLが、乳癌形成において重要な役割を有するオートクライン/パラクリン増殖因子としての役割を有するという仮説に至る(非特許文献7および8)。
【0005】
PRL発現と前立腺疾患との関連も同様に、ウェンボ(Wennbo)ら(非特許文献9)において提唱されている。PRL受容体は、アラゴナ(Aragona)ら、(非特許文献10)およびリーキ(Leake)ら(非特許文献11)に報告されているように、前立腺組織に認められる。さらに、PRLレベルは、前立腺過形成の発生と一致して年齢と共に増加しうることが認められた(非特許文献12および13)。PRL遺伝子を過剰発現するトランスジェニックマウスは、前立腺の劇的な肥大を起こした(上記の非特許文献9を参照のこと)。
【0006】
乳癌と前立腺癌の双方に対するこの関連性を考慮すると、PRLシグナル伝達は治療的介入にとって興味深い標的となる。しかし、これまでのところ、この目的のために利用可能な適した薬剤はない。
【0007】
腫瘍の血管新生の阻害はまた、癌の治療において非常に有望であることが示されている。血管新生は、内皮細胞の増殖、遊走、および分化、細胞外マトリクスの分解、管形成、ならびに新しい毛細管の発芽を含む複雑な多段階の工程である(非特許文献14)。腫瘍はしばしば、繊維芽細胞増殖因子(FGF)および血管内皮増殖因子ファミリー(VEGF、非特許文献15〜17参照)のメンバーを含むいくつかの前血管新生分子を過剰発現する。血管密度と血管新生はいずれも転移の形成および予後に直接相関する(非特許文献18および19)。過剰な血管新生は、癌の病理の一部であり、腫瘍における血管新生を防止すれば、腫瘍細胞において休眠状態を有効に誘導しうると思われる(非特許文献20および21)。血管新生の遮断は、その血液供給を切断することによって、癌を治療、さらには根絶さえする治療方法として非常に有望であることが証明されている。癌に対する抗血管新生治療は、以下の理由により有効である:(1)腫瘍の増殖は血管新生に依存的である;(2)血管新生の程度は腫瘍の浸潤性に比例する;(3)腫瘍内皮細胞は、成体非新生物組織における内皮細胞とは定性的に異なる;(4)血管新生の内因性阻害剤および刺激剤が存在し、単離されている(非特許文献22)。血管新生阻害剤は、以下の理由により興味をそそる抗癌剤となる:(1)薬物耐性を獲得する可能性は細胞障害剤の場合より低い;腫瘍の休眠は持続的な薬物投与によって得られる可能性がある;(2)化学療法においてしばしば認められる血液毒性が起こる可能性は低い;および(3)細胞障害剤との相乗作用の可能性がある、というような多くの独自の生物作用がある。
【0008】
血管新生の阻害に対して最も有望な効果を有する2つの重要な分子は、可溶性の内因性因子であるアンジオスタチンとエンドスタチンである。コラーゲンXVIIIの20 kDa C末端断片であるエンドスタチンは、オライリー(O'Reilly)らによって初めて特徴が調べられ、血管新生および腫瘍退縮活性を示すことが報告されている(非特許文献23および24)。プラスミノーゲンの蛋白質分解断片であるアンジオスタチンも同様に、多様な腫瘍モデルにおいて強力な抗血管新生活性および抗腫瘍活性を示すと記述されている(非特許文献25および26)。エンドスタチンおよびアンジオスタチンが血管新生を阻害するメカニズムはわかっていない。エンドスタチンとアンジオスタチンはいずれも現在臨床試験の初期段階である(非特許文献27のハーブスト(Herbst)らによる総説を参照のこと)。
【0009】
最も強力で特異的な血管新生因子の一つは、VEGF(非特許文献28のフェラーラ(Ferrara)らによる総説)である。VEGFおよびその高親和性チロシンキナーゼ受容体Flk-1/KDRは、生理的血管新生および異常血管新生のいずれにとっても中心的な調節物質である。腫瘍内皮におけるVEGFおよびFlk-1の発現レベルが高いことは、このシグナル伝達系がパラクリンメカニズムによって腫瘍血管の増殖および生存を刺激することを示している(非特許文献15、16、および28)。この仮説の直接的な証拠は、VEGF中和抗体を適用することによって(非特許文献15および16)、またはドミナントネガティブFlk-1受容体変異の遺伝子導入によって(非特許文献29および30)、動物モデルにおいて腫瘍の増殖が阻害されることから得られた。Flk-1発現は、成体内皮では抑制されているが、多様なヒト腫瘍において新たに形成された血管では高度に誘導されている。送達系としてアデノウイルスを用いて、エンドスタチン、アンジオスタチンの有効性と共に、VEGF受容体Flk-1(Flk-1-BP)のリガンド結合外部ドメインを直接比較する最も最近の研究から、Flk-1-BPが、エンドスタチンまたはアンジオスタチンのいずれかより良好な血管新生阻害剤であることが示されている(非特許文献31)。
【0010】
【非特許文献1】
ミラーら(Miller)編、「女性の癌の生物学(Biology of Female Cancers)」、CRC出版、1997年、p.31−42
【非特許文献2】
レイノルズ(Reynolds)ら、1997年
【非特許文献3】
ツーレイン、マルティニ(Touraine, Martini P.)ら、ヒト乳房腫瘍と隣接する正常乳房組織におけるプロラクチン受容体遺伝子の発現増加(Increased Expression of Prolactin Receptor Gene in Human Breast Tumors Versus Contiguous Normal Breast Tissues)、「抄録、第79回全米内分泌学会総会」、1997年、p113
【非特許文献4】
サーバスク(Sirbasku)、1978年
【非特許文献5】
ディクソン(Dixon)およびリップマン(Lippman)、1986年
【非特許文献6】
リップマン(Lippman )およびディクソン(Dickson)、1989年
【非特許文献7】
クレベンガー(Clevenger)ら、「Am. J. Pathology」、1995年、 第146巻、p.695〜705
【非特許文献8】
ギンスブルグ(Ginsburg, E.)ら、「Cancer Res.」、1995年、第55巻、p.2591〜2595
【非特許文献9】
ウェンボ(Wennbo)ら、「Endocrinol.」、1997年、第138巻、p.4410〜4415
【非特許文献10】
アラゴナ(Aragona)ら、「Endocrinol.」、1975年、第97巻、p.677〜684
【非特許文献11】
リーキ(Leake)ら、「J. Endocrinol.」、1983年、第99巻、p.321〜328
【非特許文献12】
ハモンド(Hammond)ら、「Clin. Endocrinol.」、1977年、第7巻、p.129〜135
【非特許文献13】
ベケマンス(Vekemans)ら、「Br. Med. J.」、1975年、第4巻、p.738〜739
【非特許文献14】
タルイ(Tarui)ら、2001年
【非特許文献15】
キム(Kim)ら、1993年
【非特許文献16】
チェン(Cheng)ら、1996年
【非特許文献17】
ベンジャミン(Benjamin)およびケシェト(Keshet)、1997年
【非特許文献18】
ビジャヤゴパル(Vijayagopal)ら、1998年
【非特許文献19】
グイディ(Guidi)ら、2000年
【非特許文献20】
フォークマン(Folkman)、1995年
【非特許文献21】
ハナハン(Hanahan)およびフォークマン(Folkman)、1996年
【非特許文献22】
リャン(Ryan)およびウィルディング(Wilding)、2000年
【非特許文献23】
オライリー(O'Reilly)ら、1997年
【非特許文献24】
ボーム(Boehm)ら、1997年
【非特許文献25】
オライリーら(O'Reilly)、1994年
【非特許文献26】
オライリーら(O'Reilly)、1996年
【非特許文献27】
ハーブスト(Herbst)ら、2001年
【非特許文献28】
フェラーラ(Ferrara)、2001年
【非特許文献29】
ミラウアー(Millauer)ら、1994年
【非特許文献30】
ミラウアー(Millauer)ら、1996年
【非特許文献31】
クオ(Kuo)ら、2001年
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、癌細胞におけるプロラクチンシグナル伝達メカニズムを妨害することができる薬剤を提供することである。
【0012】
本発明のなおもう一つの目的は、腫瘍細胞株において血管新生を阻害する薬剤を提供することである。
【0013】
本発明のさらにもう一つの目的は、標的となる癌細胞に存在する受容体に拮抗すると同時に、腫瘍の血管新生を阻害することによって、癌に罹患した患者を治療する方法を提供することである。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、本明細書に記載の薬剤を用いることによって癌を治療する方法を提供することである。
【0015】
以下の開示を読むことによって容易に明らかとなるこれらの目的および他の目的は、本発明によって達成されると考えられる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
物質の組成の局面において、本発明は実質的に、受容体拮抗ドメインと血管新生阻害ドメインとを含む蛋白質に関する。本発明はさらに、受容体拮抗ドメインがアポトーシス促進ドメインとなり得、血管新生阻害ドメインがエンドスタチンとなり得ることを提供する。受容体拮抗ドメインはまた、配列番号:1に記載のアミノ酸配列またはその保存的変種であってもよい。
【0017】
方法論の局面において、本発明は、受容体拮抗ドメインと血管新生阻害ドメインとを有する蛋白質の有効量を患者に投与することを含む、癌を治療する方法に関する。本方法はさらに、本明細書に記載の任意の蛋白質を患者に投与する方法を提供する。
【0018】
本発明に係る方法においては、(1)受容体拮抗ドメインと血管新生阻害ドメインとを有する蛋白質の有効量を患者に投与することを含む、癌を治療する方法であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る方法においては、(2)受容体拮抗ドメインがプロラクチン拮抗剤ドメインである、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る方法においては、(3)血管新生阻害ドメインがエンドスタチンである、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る方法においては、(4)蛋白質がプロラクチン拮抗剤-エンドスタチン融合蛋白質である、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る方法においては、(5)血管新生阻害ドメインがアンジオスタチンである、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る方法においては、(6)蛋白質がプロラクチン拮抗剤-アンジオスタチン融合蛋白質である、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る方法においては、(7)血管新生阻害ドメインがFlk-1-bpである、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係る方法においては、(8)蛋白質がプロラクチン拮抗剤-Flk-1-bp融合蛋白質である、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る方法においては、(9)プロラクチン拮抗剤ドメインが、プロラクチン蛋白質の129位に対応する位置でグリシンからアルギニンへの一アミノ酸置換を特徴とする、上記(2)記載の方法であることを特徴とする。
【0027】
また、本発明に係る方法においては、(10)プロラクチン拮抗剤ドメインが、配列番号:1(hPRLA)に記載のアミノ酸配列またはその保存的変種を有する蛋白質を含む、上記(2)記載の方法であることを特徴とする。
【0028】
また、本発明に係る方法においては、(11)プロラクチン拮抗剤ドメインが、天然型プロラクチン配列またはその保存的変種の切断型を含む、上記(2)記載の方法であることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係る方法においては、(12)癌がプロラクチン受容体を発現することを特徴とする、上記(3)記載の方法であることを特徴とする。
【0030】
また、本発明に係る方法においては、(13)受容体拮抗ドメインがアポトーシス促進ドメインである、上記(1)記載の方法であることを特徴とする。
【0031】
また、本発明に係る方法においては、(14)アポトーシス促進ドメインが標的細胞におけるSTAT-5リン酸化を阻害することによって機能する、上記(13)記載の方法であることを特徴とする。
【0032】
また、本発明に係る蛋白質においては、(15)受容体拮抗ドメインと血管新生阻害ドメインとを含む蛋白質であることを特徴とする。
【0033】
また、本発明に係る蛋白質においては、(16)受容体拮抗ドメインがアポトーシス促進ドメインである、上記(15)記載の蛋白質であることを特徴とする。
【0034】
また、本発明に係る蛋白質においては、(17)アポトーシス促進ドメインがプロラクチン拮抗剤ドメインである、上記(15)記載の蛋白質であることを特徴とする。
【0035】
また、本発明に係る蛋白質においては、(18)血管新生阻害ドメインがエンドスタチンである、上記(16)記載の蛋白質であることを特徴とする。
【0036】
また、本発明に係る蛋白質においては、(19)血管新生阻害ドメインがアンジオスタチンである、上記(16)記載の蛋白質であることを特徴とする。
【0037】
また、本発明に係る蛋白質においては、(20)血管新生阻害ドメインがFLK-1-bpである、上記(16)記載の蛋白質であることを特徴とする。
【0038】
また、本発明に係る蛋白質においては、(21)プロラクチン拮抗剤ドメインが、プロラクチンドメインの129位に対応する位置でグリシンからアルギニンへの一アミノ酸置換を特徴とする、上記(16)記載の蛋白質であることを特徴とする。
【0039】
また、本発明に係る蛋白質においては、(22)プロラクチン拮抗剤ドメインが、配列番号:1(hPRLA)に記載のアミノ酸配列またはその保存的変種を有する蛋白質を含む、上記(21)記載の蛋白質であることを特徴とする。
【0040】
また、本発明に係る蛋白質においては、(23)プロラクチン拮抗剤ドメインが、天然型プロラクチン配列またはその保存的変種の切断型を含む、上記(22)記載の蛋白質であることを特徴とする。
【0041】
また、本発明に係る蛋白質においては、(24)アポトーシス促進ドメインが、標的細胞におけるSTAT-5リン酸化の阻害によって機能する、上記(22)記載の蛋白質であることを特徴とする。
【0042】
また、本発明に係る蛋白質においては、(25)配列番号:1に記載のアミノ酸配列またはその保存的変種配列を含む第一のドメインと、正の免疫調節ドメインとを含む蛋白質であることを特徴とする。
【0043】
また、本発明に係る薬学的組成物においては、(26)上記(15)記載の蛋白質の治療的有効量と担体溶媒の適量とを含む、薬学的組成物であることを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、内分泌に基づく治療と標的化抗血管新生治療の併用作用が癌の治療を大きく増強させることを発見した。例えば、本明細書に開示の治療の産物および方法は、PRLRを遮断することによって内因性PRLのオートクライン/パラクリン作用を阻害して、その結果、典型的にはアポトーシスを引き起こすように作用する。さらに、このアプローチは腫瘍の血管新生を阻害して、さらに腫瘍の増殖を阻害する。
【0045】
本明細書において用いるように、「アポトーシス」とは、それによって発達または環境刺激が遺伝子プログラムを活性化して、最終的に死および細胞の効率的な処分に至る一連の特定の事象を実行する工程を意味する。細胞における形態学的変化には、小胞体の拡張および細胞質膜の回旋を伴う細胞容積の劇的な縮小が含まれる。次に、これによって細胞は、構造的に正常であるが、なおも圧縮されたオルガネラを含む一連の膜結合体へと切断される。核は不連続な染色質の濃縮を受け、ヌクレアーゼを介するDNA断片化が起こり、染色体DNAは小さいオリゴヌクレオソーム断片に分解される。核および細胞質は濃縮して、死につつある細胞は最終的に膜結合アポトーシス体に断片化され、これはマクロファージまたは隣接する細胞によって急速に貪食され、消化される。
【0046】
本発明は、PRLRの遮断に関連した恩典と血管新生の阻害に関連した恩典とを、各ドメインがこれらの機能の一つの実施能を有する多ドメイン分子を利用することによって組み合わせる。典型的な分子は、「血管新生阻害ドメイン」と組み合わせた「受容体拮抗ドメイン」または「アポトーシス促進ドメイン」を有する。
【0047】
本明細書において用いられるように、「受容体拮抗ドメイン」は、受容体に結合すると、受容体拮抗ドメインが一つまたはそれ以上の細胞工程を阻害するように作用して、それによって疾患の病因または維持を妨害する、癌のような障害に関連する受容体に特異的に結合するリガンドである。アポトーシスを誘導するそのようなドメインは、本明細書において、「アポトーシス促進ドメイン」と呼び、「血管新生阻害ドメイン」は、腫瘍の新生血管の形成を阻害するドメインである。
【0048】
これらの特徴を有する融合蛋白質の恩典は非常に大きい。例えば、発癌組織はしばしば、一つまたはそれ以上の蛋白質受容体レベルの増加を特徴とする。これらの受容体の一つに特異的であるドメインを含む融合蛋白質は、癌組織を特異的に標的化することができると考えられる。受容体拮抗ドメインが、アポトーシス促進ドメインの場合のように、癌の病因を破壊する、または癌の維持を破壊する場合、分子の受容体拮抗部分は直接的な治療効果を有する。さらに、血管新生阻害ドメインの存在により、分子は、腫瘍の新生血管の形成を阻害し、それによって腫瘍の増殖にとって必要な血液供給および関連する栄養を腫瘍から枯渇させることによって二次的な治療効果を有する。
【0049】
したがって、本発明に従って治療を受ける候補者には、腫瘍の維持または増殖に関連した少なくとも一つの受容体の存在を特徴とする悪性腫瘍を有する個体が含まれる。好ましい態様において、融合蛋白質の受容体拮抗ドメインは、標的化膜結合受容体に結合するアポトーシス促進ドメインである。そのような結合はアポトーシスを誘導し、同時に、血管新生阻害ドメインは腫瘍の新生血管の形成を阻害する。
【0050】
本発明の二機能性蛋白質:
本発明に従って、悪性組織に対して独自の二重の治療効果、すなわち(a)受容体拮抗および/またはアポトーシス促進(全く同一であってもよい)および(b)血管新生阻害の効果を有する二機能性蛋白質が考慮される。本発明はまた、本発明の二機能性蛋白質をコードする核酸(例えば、DNAまたはRNA)を考慮する。
【0051】
受容体拮抗ドメイン
本発明は、一つの局面において、受容体拮抗ドメインの効果を疾患組織に限定する第一のドメインを考慮する。例えば、発癌組織はしばしば、一つまたは複数の蛋白質受容体レベルの増加を特徴とする。これらの受容体の一つに対して特異的なドメインを含む融合蛋白質は、癌組織を特異的に標的化することができ、それによって局所腫瘍細胞障害反応を標的組織に誘導することができる。
【0052】
一つの態様において、特定の受容体部位を標的化するドメインは、受容体拮抗ドメインであり、これはその名称が示唆するように、その同族受容体に結合して拮抗する。受容体拮抗ドメインが、癌細胞において高度に発現されている受容体を認識する限り、それは本発明の使用に適している。好ましい態様において、受容体拮抗ドメインは、アポトーシス促進ドメインである。
【0053】
この二機能性分子のさらなる治療的恩典は、受容体拮抗ドメインが典型的に内分泌遮断活性を有する点である。このように、受容体拮抗ドメインが、例えばプロラクチン拮抗剤である場合、プロラクチンの正常な内分泌機能は破壊されると考えられる。この内分泌遮断の結果、プロラクチンおよび類似の分子の場合では、例えば、標的細胞のアポトーシスが起こりうる。その場合、受容体拮抗ドメインはまた、アポトーシス促進ドメインでもある。
【0054】
アポトーシス促進ドメインの場合、そのようなドメインは一般的に、アポトーシスの予防に関係する細胞成分の正常な機能の拮抗剤を作製することによって設計される。乳癌と前立腺癌組織の双方において、例えば、発癌性と悪性細胞増殖は、少なくとも部分的にPRLRレベルの増加によって刺激される。PRLRによるシグナル伝達は、プロラクチン受容体の二量体形成を介することが知られているが、二量体形成自身は受容体結合プロラクチン分子の二量体形成を介する。2つのPRLRに内因性PRLが結合すると、PRLRの二量体が形成され、それによって癌細胞へのシグナル伝達が引き起こされる。したがって、本発明の一つの態様は、プロラクチン拮抗剤(PRLA)(すなわち、プロラクチン拮抗剤ドメイン)を用いてプロラクチンの正常なアポトーシス阻害機能に拮抗することを含む。
【0055】
PRLRシグナル伝達経路におけシグナル伝達は、STAT(転写シグナル伝達物質および活性化物質(signal transducer and activator of transcription))のリン酸化を伴い、これはPRLR拮抗の正常な作用であるアポトーシスの予防または阻害に関係する。このように、G129R拮抗剤は、ヒト乳癌細胞においてSTAT 5リン酸化を阻害することによってアポトーシスを促進する。したがって、PRLRを遮断することは、STAT 5を含む内因性PRLのオートクライン/パラクリン作用を阻害し、その結果アポトーシスが生じる。このように、本発明によって考慮される一つのクラスのアポトーシス促進化合物は、STAT 5リン酸化を阻害することができる化合物である。
【0056】
本発明によって考慮される適したPRLAは、一般的に、PRLRに対する特異的結合の特徴を保持しているが、なお正常なPRLアポトーシス遮断メカニズムを破壊する何らかの構造的欠損を有すると思われる。そのような構造的欠損には、PRL(従って、PRLR)の二量体形成を破壊する欠損が含まれる。
【0057】
配列番号:1に示すように、一つの好ましい態様において、この構造的欠損は、hPRLにおける129位に対応する位置でのグリシンからアルギニンへの置換である(hPRL-G129Rと称する)。図5に示すように、G129R変異を含む融合蛋白質は、抗hPRL抗体によって認識される。図6〜8に示すデータは、この変異hPRLが真のhPRLR拮抗剤として作用することを証明する。したがって、hPRL-G129Rのような受容体拮抗ドメインは、特定のタイプの癌を治療するための治療的薬剤として作用しうる。
【0058】
本発明の態様は、表1に示すPRLの第三のαヘリックス領域内のアミノ酸配列の種間比較を開示する、チェン(Chen)ら、(Clin. Can. Res. 5:3583〜93(1999))によって支持される。(記載された順序で、それぞれ配列番号:9から40を示す)
【0059】
【表1】
Figure 0004511108
*表1:本表は、クック(Cooke)ら、(Journal of Biological Chemistry, 256:4007〜4016(1981))から転載した。本発明者らは、本表において、ヒトプロラクチン配列の128位のアミノ酸がアルギニンであることに注目した。しかし、本発明者らのデータ(図1から3を参照)およびGenebankアクセッション番号BC015850、NM_00948、X54393、V00566、M29386、D00411、およびU75583は、hPRLにおける128位のアミノ酸がグルタミン酸であることを示している。
【0060】
表1より、hPRLの129位のグリシンはPRLの間で不変であることが明白であり、このことから、その機能に重要な役割を果たすことが示唆される。このように、129位のグリシンの代わりに、何らかのアミノ酸を置換すれば、これらの種のそれぞれにおいてPRLAが得られるはずである(チェン(Chen)ら、Molec. Endocrinol.(1995))。一つの態様において、拮抗剤は、129位のグリシンの代わりにアルギニンのような比較的かさ高い側鎖アミノ酸を用いることによって作製される。したがって、本発明の一つの局面は、かさ高い側鎖アミノ酸の代わりに小さい側鎖アミノ酸を用いると蛋白質の拮抗剤型が得られるように、特定の位置で比較的小さい側鎖アミノ酸(すなわち、グリシン)が存在することを特徴とするPRLの保存的変種を考慮する。好ましい態様において、受容体拮抗ドメインはhPRL-G120R拮抗剤である。
【0061】
本発明の受容体拮抗ドメインにはまた、本明細書において考察した受容体拮抗ドメインの保存的変種が含まれる。本発明のドメインの全体的な構造および組成は、それらが適当な機能的特徴、すなわち受容体の拮抗、アポトーシス誘導、正の免疫調節の特徴を付与する限りおいて、重要である。
【0062】
本発明に係る保存的変種は、一般的に、蛋白質ドメインの全体的な分子構造を保存する。開示の蛋白質産物を含む個々のアミノ酸の特性を考慮すると、いくつかの合理的な置換が明白であると考えられる。アミノ酸置換、すなわち、「保存的置換」は、例えば、関与する残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性、および/または両親媒性特性における類似性に基づいて実施してもよい。
【0063】
例えば、(a)非極性(疎水性)アミノ酸には、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびメチオニンが含まれ;(b)極性中性アミノ酸には、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンが含まれ;(c)陽性荷電(塩基性)アミノ酸には、アルギニン、リジン、およびヒスチジンが含まれ;ならびに(d)陰性荷電(酸性)アミノ酸には、アスパラギン酸およびグルタミン酸が含まれる。置換は、典型的には(a)〜(d)群内で行うことができる。さらに、グリシンおよびプロリンは、αヘリックス破壊能に基づいて互いに置換してもよい。同様に、アラニン、システイン、ロイシン、メチオニン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、およびリジンのような特定のアミノ酸は、αヘリックスでより一般的に認められるが、バリン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、およびトレオニンは、βプリーツシートで一般的に認められる。グリシン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギンおよびプロリンは、折り返し構造において一般的に認められる。以下の群の間でいくつかの好ましい置換を行うことができる:(i)SおよびT;(ii)PおよびG;ならびに(iii)A、V、L、およびI。既知の遺伝子コード、ならびに組換え技術および合成DNA技術があれば、当業者は保存的アミノ酸変種をコードするDNAを容易に構築することができると思われる。
【0064】
保存的変種では特に、本明細書に記載の受容体拮抗ドメインの切断型が考慮される。切断は、N末端またはC末端から作製してもよいが、一般的に天然型分子の約30%より多くの欠失を含まない。天然型分子の欠失は、より好ましくは約20%未満、最も好ましくは約10%未満である。
【0065】
一般的に、本発明のDNAおよび蛋白質分子はいずれも、「配列同一性」を参照して定義することができる。いくつかの分子は、少なくとも約50%、55%、または60%の同一性を有する。好ましい分子は少なくとも約65%の配列同一性、より好ましくは少なくとも70%の配列同一性を有する分子である。他の好ましい分子は、少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも85%の配列同一性を有する。最も好ましい分子は、少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する。本明細書において用いられるように、二つの核酸分子または蛋白質は、二つが85%より多くの配列(アミノ酸または核酸)の同一性を有する領域を含む場合、「有意な配列同一性を有する」と言われる。
【0066】
「配列同一性」とは、本明細書において、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST)で入手可能なBlast 2アルゴリズムを参照して、デフォルトパラメータを用いて定義される。このアルゴリズムに関する参考文献には、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/blast_references.htmlにおいて認められる文献;アルトシュル(Altschul, S.F.)、ギッシュ(Gish, W.)、ミラー(Miller, W.)、マイヤース(Myers, E.W.)およびリップマン(Lipman, D.J.)、(1990)「基本局所アラインメント検索ツール(Basic local alignment search tool)」、J. Mol. Biol. 215:403〜410);ギッシュ(Gish, W.)およびステイツ(States, D.J.)、(1993)、「データベース類似性検索による蛋白質コード領域の同定(Identification of protein coding regions by database similarity search)」、Nature Genet. 3:266〜272);マッデン(Madden, T.L.)、タツソフ(Tatusov, R.L.)およびザング(Zhang, J.)、(1996)、「ネットワークBLASTサーバーの応用(Applications of network BLAST server)」、Meth. Enzymol. 266:131〜141);アルトシュル(Altschul, S.F.)、マッデン(Madden, T.L.)、シェーファー(Schaffer, A.A.)、ザング(Zhang, J.)、ザング(Zhang, Z.)、ミラー(Miller, W.)およびリップマン(Lipman, D.J.)、(1997)、「ギャップBLASTとPSI-BLAST:新世代の蛋白質データベース検索プログラム(Gapped BLAST and PSI-BLAST:a new generation of protein database search programs)」、Nucleic Acids Res. 25:3389〜3402);およびザング(Zhang, J.)およびマッデン(Madden, T.L.)、(1997)、「パワーBLAST:相互または自動配列分析と注釈のための新しいネットワークBLAST応用(Power BLAST:A new network BLAST application for interactive or automated sequence analysis and annotation)」、Genome Res. 7:649〜656)。したがって、表1に記載の配列を含む異なる種からのプロラクチンペプチド配列を、その本質的な機能を保存するプロラクチン由来受容体拮抗ドメインにおけるさらなる変異に関する情報を与えるために、BLASTのような標準的なコンピュータープログラムを用いて配列化することができる。
【0067】
本明細書に開示の蛋白質の保存的変種である蛋白質の他に、本発明はまた、アミノ酸置換によって蛋白質の増殖の誘導能が阻害される、腫瘍の増殖を誘導する際に役割を果たす蛋白質を用いることを考慮する。例えば、ウシ成長ホルモン(bGH)およびhGHの119位のグリシンと120位のグリシンはそれぞれ、成長増強を刺激するGHの作用において重要な役割を有する。成長ホルモン受容体(GHR)の二量体形成は、HGシグナル伝達にとって重要な段階であると考えられる。したがって、それぞれの位置での何らかのアミノ酸置換(アラニン以外)、特にアルギニンのようなかさ高い側鎖へのアミノ酸置換は、受容体の二量体形成を妨害し、その結果、成長ホルモン拮抗剤(GHA)となる。このように、GHAのような拮抗剤が本発明によって考慮される。好ましい態様において、受容体拮抗ドメインは、hGH-G120R拮抗剤である。
【0068】
血管新生阻害ドメイン
本発明はまた、血管新生阻害剤として作用する、さらなる、しかし異なるドメインを考慮する。好ましい血管新生阻害ドメインにはエンドスタチンが含まれる。エンドスタチンの他に、本発明は、腫瘍の新生血管の形成を阻害することができる蛋白質を含む他の分子を考慮する。例えば、エンドスタチン、アンジオスタチン、およびFlk-1 bpが本発明において考慮される。
【0069】
Flk-1は、VEGFに結合する完全長の受容体である。Flk-1 bpは、VEGFの結合に関与するFlk-1受容体の細胞外部分である。本発明では、細胞膜への付着を避けるためにFlk-1の代わりにFlk-1 bpを用いる。
【0070】
本発明はまた、上記の血管新生阻害ドメインの保存的変種(上記のような)を含む。
【0071】
例示的な二機能性分子の調製:
本発明によって考慮される二機能性蛋白質は、先に述べたドメイン、すなわち受容体拮抗ドメイン(アポトーシス促進ドメインであってもよい)、および血管新生阻害ドメインのそれぞれを含む蛋白質であり、そのような融合の際に、双方のドメインが、互いに独立して実質的に関連する特徴を保持している。図1から3は、これらの特徴に従う本発明の一つの態様を開示する。融合蛋白質として典型的に産生されるが、ドメインはまた、例えば多官能性架橋剤を用いて、従来の化学的手段によって融合してもよい。融合蛋白質を作製する場合、いずれかのドメインをもう一方のC末端またはN末端に配置してもよい。
【0072】
一つの態様において、融合蛋白質は、図1から3に示すようにhPRLA-エンドスタチン蛋白質である。この融合蛋白質は、実施例1および図4に示すように発現ベクターに組み入れることができる。次に、作製した発現ベクターを安定な細胞株にトランスフェクトして、その後、精製蛋白質を作製することができる。実施例2および実施例3は、ベクター形質転換および精製工程を実施するための非制限的な技法である。この融合蛋白質は、エンドスタチンのN末端と融合したPRLAのC末端を有し、これを図1から3に示す。しかし、本発明はまた、本明細書に記載のドメインを有する任意の融合蛋白質も考慮する。
【0073】
融合蛋白質を作製する適した方法は、これらのドメインのいずれかの生物活性を実質的に変化させない方法でなければならない。例えば、IL-2のN末端と抗体のC末端との融合体は、IL-2の生物活性を変化させないことが証明されている。ライスフェルド(Reisfeld)ら(1996)、上記。したがって、類似の方法を用いて、本発明に係る融合蛋白質を産生することができる。この工程には、正の免疫調節物質ドメインのN末端を受容体拮抗ドメインのC末端に結合させる融合蛋白質をコードするcDNAを設計することが含まれる。
【0074】
その上、hGHのC末端(本発明者らは、アミノ酸10個までを欠失させた)は、トランスジェニックマウスの成長促進活性にとって重要ではないという証拠があり(チェン(Chen)ら、1993)、構造的類似性に基づいて、正の調節物質とhPRLAのような他の受容体拮抗ドメインのC末端との融合体は、これらのドメインの結合親和性を変化させないと考えられる。
【0075】
本発明は、本明細書において考慮した所望の融合蛋白質を作製する如何なる特定の方法にも限定されることはない。しかし、考慮される組換え体の作製方法に従って、本発明は本発明に記載のドメインのヌクレオチド配列の一つまたは複数を含む組換えDNA構築物を提供する。本発明の組換え構築物は、中に典型的にはオープンリーディングフレームを含むDNAまたはDNA断片がいずれかの方向に挿入される、プラスミドまたはウイルスベクターのようなベクターを含む。本発明はさらに、これらのベクターを含む細胞を考慮する。
【0076】
組換え蛋白質の産生は当技術分野で周知であり、下記に概要を簡単に記載する。
【0077】
細菌の発現
細菌に用いるために有用な細菌の発現ベクターは、所望の蛋白質をコードする構造DNA配列を適した翻訳開始シグナルおよび終結シグナルと共に、機能的プロモーターと操作可能な読みとり枠で挿入することによって構築される。ベクターは、ベクターの維持を確実にし、望ましい場合には、宿主内での増幅を提供するために、一つまたは複数の表現型選択マーカーおよび複製開始点を含むと思われる。形質転換のための適した原核生物宿主には、大腸菌(E. Coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、ならびにシュードモナス(Pseudomonas)、放線菌(Streptomyces)、およびブドウ球菌(Staphylococcus)属内の様々な種が含まれるが、他の種も選択可能な材料として用いてもよい。好ましい態様において、原核生物宿主は大腸菌である。
【0078】
細菌ベクターは、例えば、バクテリオファージ、プラスミド、またはコスミドに基づくベクターであってもよい。これらのベクターは、選択マーカーと、周知のクローニングベクターpBR322(ATCC 37017)の要素を典型的に含む市販のプラスミドに由来する細菌の複製開始点とを含みうる。そのような市販のベクターには、例えば、GEM 1(プロメガバイオテック社、マディソン、ウィスコンシン州、アメリカ)、pBs、フェージスクリプト、PsiX174、pBleuscript SK、pBs KS、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH46a(ストラタジーン社);pTrc99A、pKK223-3、pKK233-3、pKK232-8、pDR540、およびpRIT5(ファルマシア社)が含まれる。本発明に係る好ましいベクターは、Pt71発現ベクター(パリス(Paris)ら、Biotechnol. Appl. Biochem. 12:436〜449(1990))である。
【0079】
これらの「骨格」部分を、適当なプロモーターおよび発現すべき構造配列と組み合わせる。細菌プロモーターには、lac、T3、T7、ラムダPRまたはPL、trpおよびaraが含まれる。T7が好ましい細菌プロモーターである。
【0080】
適した宿主株を形質転換して、宿主株を適当な細胞密度に増殖させた後、選択したプロモーターを適当な手段(例えば、温度シフトまたは化学的誘導)によって抑制/誘導して、細胞をさらなる期間培養する。細胞は典型的に、遠心分離によって回収して、物理的または化学的手段によって破砕し、得られた粗抽出物をさらなる精製のために保持する。
【0081】
真核細胞発現
様々な哺乳類細胞培養系もまた、組換え蛋白質を発現させるために用いることができる。哺乳類の発現系の例には、チミジンキナーゼ陰性(TK)およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ陰性(APRT)細胞のような、選択されたマウスL細胞が含まれる。他の例には、グルツマン(Gluzman、Cell 23:175(1981))によって記述されたサル腎繊維芽細胞のCOS-7株、および適合性のベクターを発現することができる他の細胞株、例えば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株が含まれる。哺乳類の発現ベクターは、複製開始点、適したプロモーター、およびエンハンサーを含み、同様に、必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー部位、スプライスアクセプター部位、転写終結配列、および5'に隣接する非転写配列を含むと考えられる。SV40ウイルスゲノムに由来するDNA配列、例えば、SV40開始点、初期プロモーター、エンハンサー、スプライス、およびポリアデニル化部位を用いて必要な非転写遺伝子要素を提供してもよい。
【0082】
哺乳類プロモーターには、CMV極初期、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルスからのLTRs、およびマウスメタロチオネイン-Iが含まれる。例としての哺乳類ベクターには、pWLneo、pSV2cat、pOG44、pXT1、pSG(ストラタジーン社)、pSVK3、pBPV、およびpMSG、およびpSVL(ファルマシア社)が含まれる。好ましい態様において、哺乳類の発現ベクターはpUCIG-METである。選択マーカーには、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)が含まれる。
【0083】
哺乳類の宿主細胞において、多数のウイルスに基づく発現系を利用してもよい。アデノウイルスを発現ベクターとして用いる場合、対象となるコード配列を、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば後期プロモーターおよび三連リーダー配列(tripartite leader sequence)にライゲーションしてもよい。次に、このキメラ遺伝子をインビトロまたはインビボの組換えによってアデノウイルスゲノムに挿入してもよい。ウイルスゲノムの非必須領域への挿入(例えば、領域E1またはE3)の結果、生存して、感染宿主において標的蛋白質を発現することができる組換えウイルスが得られると思われる(例えば、ローガン(Logan)ら、1984、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:3655〜3659を参照のこと)。
【0084】
治療的組成物:
本発明の蛋白質は、薬学的に有用な組成物を調製するために、既知の方法に従って製剤化することができ、それによって本発明の分子またはその機能的誘導体を薬学的に許容される担体溶媒との混合物として組み合わせる。他のヒト蛋白質、例えばヒト血清アルブミンを含む、適した溶媒およびその製剤化は、例えば「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、(第16版、オソル(Osol, A.)編、マック、イーストン、ペンシルバニア州(1980))に記載されている。有効な投与のために適した薬学的に許容される組成物を形成するために、そのような組成物は、本発明の一つまたは複数の蛋白質の有効量を担体溶媒の適量と共に含むと思われる。
【0085】
本発明に従って用いられる薬学的組成物は、一つまたは複数の生理的に許容される担体または賦形剤を用いて従来の方法により製剤化してもよい。従って、二機能性分子、ならびにその生理的に許容される塩および溶媒和化合物は、吸入法もしくは通気法(口または鼻のいずれかを通して)、または経口、口腔内、非経口、もしくは直腸投与によって投与するために製剤化してもよい。
【0086】
経口投与の場合、薬学的組成物は、例えば、結合剤(例えば、予めゼラチン処理したトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、乳糖、微結晶セルロース、もしくはリン酸水素カルシウム);潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、タルクもしくはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンもしくはグリコール酸デンプンナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)のような薬学的に許容される賦形剤を用いて従来の手段によって調製された錠剤、またはカプセル剤の形状であってもよい。錠剤は、当技術分野で周知の方法に従ってコーティングしてもよい。経口投与のための液体調製物は、例えば、溶液、シロップ剤、もしくは懸濁剤の形状であってもよく、またはそれらは使用前に水または他の適した溶媒によって溶解するための乾燥製品の形状であってもよい。そのような液体調製物は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または硬化食用油);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性溶媒(例えば、アーモンド油、油状エステル、エチルアルコール、または精留食用油);および保存剤(例えば、メチルもしくはプロピル-p-ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)のような薬学的に許容される添加剤を用いて従来の手段によって調製してもよい。調製物はまた、適当であれば、緩衝塩、着香料、着色料、および甘味料を含んでもよい。
【0087】
経口投与のための調製物を、徐放性の活性化合物として適切に製剤化してもよい。口腔内適用の場合、組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤またはロゼンジの形状であってもよい。
【0088】
吸入投与の場合、本発明に従って用いられる二機能性分子は、適した噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適した気体を用いて加圧パックまたはネブライザーからエアロゾルスプレーの形状で都合よく送達される。加圧式エアロゾルの場合、用量単位は、一定量を送達するための弁を提供することによって決定してもよい。化合物の粉末混合物と乳糖またはデンプンのような適した粉末基剤とを含む吸入器または注入器に用いるためのゼラチンのようなカプセルおよびカートリッジに製剤化してもよい。
【0089】
二機能性蛋白質は、注射、例えば、ボーラス注射または持続的注入による非経口投与のために製剤化してもよい。注射用製剤は、単位投与剤形、例えば保存剤を添加したアンプルまたは多用量容器であってもよい。組成物は、油性または水性溶媒中の懸濁剤、溶液、または乳剤の形状であってもよく、懸濁剤、安定化剤、および/または分散剤のような製剤化物質を含んでもよい。または、活性成分は、使用前に適した溶媒、例えば滅菌発熱物質不含水に溶解する粉末の剤形であってもよい。
【0090】
化合物はまた、例えばカカオバターまたは他のグリセリドのような従来の坐剤基剤を含む坐剤または浣腸のような直腸組成物に製剤化してもよい。
【0091】
先に記述した製剤化の他に、二機能性分子は、デポー調製物として製剤化してもよい。そのような長時間持続型製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)、または筋肉内注射によって投与してもよい。このように、例えば、化合物は適したポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中乳剤として)、またはイオン交換樹脂と共に、または例えばほとんど溶解しない塩などのほとんど溶解しない誘導体に製剤化してもよい。
【0092】
組成物を、望ましければ活性成分を含む一つまたはそれ以上の単位用量剤形を含みうるパックまたはディスペンサー装置に提供してもよい。パックは例えば、ブリスタパックのような金属またはプラスチックホイルを含んでもよい。パックまたはディスペンサー装置は、投与のための説明書を添付してもよい。
【0093】
組成物は、癌の治療において有用であるため、従来の化学療法剤と共に製剤化してもよい。従来の化学療法剤には、アルキル化剤、抗代謝剤、様々な天然産物(例えば、ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、抗生物質、およびアミノ酸枯渇酵素)、ホルモン、およびホルモン拮抗剤が含まれる。特定のクラスの物質には、ナイトロジェンマスタード、アルキルスルホネート、ニトロソウレア、トリアゼン、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体、プラチナ複合体、副腎皮質抑制剤、副腎皮質ステロイド、プロゲスチン、エストロゲン、抗エストロゲン、およびアンドロゲンが含まれる。いくつかの例示的な化合物には、シクロホスファミド、クロラムブシル、メソトレキセート、フルオロウラシル、シタラビン、チオグアニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、マイトマイシン、シスプラチン、ヒドロキシウレア、プレドニゾン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール、タモキシフェン、プロピオン酸テストステロン、およびフルオキシメステロンが含まれる。乳癌を治療する場合、例えば、タモキシフェンが特に好ましい。
【0094】
発明の方法:
治療方法
本発明に従う本発明の治療方法は一般的に、先に同定した二機能性蛋白質を利用する。融合蛋白質のドメインは、特定の組織に特異的に標的化する能力および/または標的組織に対する免疫応答を増強する能力を共有する。したがって、典型的な方法は、融合蛋白質の受容体拮抗ドメインに対する標的細胞の受容体の結合および/または血管新生阻害ドメインによる腫瘍新生血管の形成の阻害を含む。
【0095】
治療方法は、治療を必要とする被験者に融合蛋白質の治療的有効量を投与することを含む。「治療的に有効」とは、本明細書において、癌の増殖を阻害または逆転する(例えば、アポトーシスを誘導する)ために十分な量である融合蛋白質の量を意味するために用いられる。いくつかの方法は、既知の癌用薬剤または治療、例えば化学療法(好ましくは上記の種類の化合物を用いる)または放射線療法との併用療法を考慮する。患者はヒトまたはヒト以外の動物であってもよい。患者は典型的に、癌の維持または増殖を促進する受容体レベルの増加を特徴とする癌を有する場合に、治療を必要とすると思われる。
【0096】
インビボ治療の際の投与は、非経口および経口を含む如何なる数の経路であってもよいが、好ましくは非経口投与である。嚢内、静脈内、髄腔内、および腹腔内投与経路を用いてもよいが、一般的に静脈内投与が好ましい。当業者は、治療すべき障害に応じて投与経路が変化することを認識すると思われる。
【0097】
本発明に係る二機能性蛋白質の治療的有効量を決定することは、特定の患者の特徴、投与経路、および治療される障害の特性に大きく依存すると考えられる。一般的な手引きは、例えば国際ハーモナイゼーション会議の出版物および「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第27章および第28章、484〜528頁(マックパブリッシングカンパニー、1990)に見ることができる。
【0098】
治療的有効量を明確に決定することは、薬剤の毒性および有効性のような要因に依存すると考えられる。毒性は、当技術分野で周知の方法を用いて決定してもよく、前述の参考文献に認められる。有効性は、以下の実施例において記載される方法と共に同じ手引きを利用して決定してもよい。したがって、薬学的有効量は、医師によって毒性学の見地から認容することができ、なおも有効であると思われる量である。例えば、有効性は、標的組織の塊の減少によって測定することができる。適した用量は、約1mg/kg〜10 mg/kgの範囲となりうる。
【0099】
融合蛋白質の生物活性を決定するためのスクリーニングアッセイ法
本発明はまた、受容体拮抗ドメインおよび血管新生阻害ドメインのそれぞれの生物活性、および/またはこれらのドメインのそれぞれを含む融合蛋白質の生物活性を比較するために用いることができる細胞に基づくアッセイ系を提供する。この目的のため、融合蛋白質の融合ドメインが確実に発現されるように抗体結合アッセイ法を用いる。融合蛋白質の各ドメインがその正常な受容体に確実に結合するように、競合的結合アッセイ法を用いてもよい。
【0100】
細胞株に様々な濃度の特定のドメインをその拮抗型、非拮抗型、および融合型で導入することによって、当業者は、その非融合型の同じドメインと比較して融合蛋白質のアポトーシス促進ドメインの生物活性を決定することができると考えられる。アポトーシスを測定する方法は多数存在する。これらの方法には、以下の技術が含まれるがこれらに限定されることはない:(1)細胞生存率の喪失(生体色素の排除、またはMTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド)もしくはMTS-PMSの取り込みのいずれかをできないことにより特定する);(2)DNA断片化(アガロースゲル電気泳動、PFG電気泳動、インサイチューターミナルトランスフェラーゼ標識(TUNEL)によりアッセイする);細胞および核の形態学(顕微鏡を用いて、染色質濃縮、DNA構築、および細胞質の完全性を可視化する);ならびにシステインプロテアーゼ活性化アッセイ法(比色もしくは蛍光読み出しと組み合わせたカスパーゼ活性化アッセイ法、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)、またはウェスタンブロットもしくは免疫組織化学によるラミニン切断を利用する)。
【0101】
同様に、血管新生阻害ドメインの活性を測定することができる細胞株も同様に用いて、融合蛋白質のドメインの活性をモニターしなければならない。ヒト臍帯静脈内皮細胞の増殖および構築アッセイ法を用いる実施例7および実施例8は、融合蛋白質における血管新生阻害ドメインの生物活性を決定するために可能な方法であるが、これらに限定されることはない。
【0102】
以下の実施例は説明するためのものであり、制限的に解釈してはならない。
【0103】
【実施例】
実施例 1. hPRL- 血管新生阻害発現のための発現ベクターのクローニングおよび構
公表されたプロトコール(カタド(Catado)ら、2000)に基づく2段階クローニング技法を用いて、エンドスタチン、アンジオスタチン、またはFlk-1-bpと融合したhPRL-G129Rをコードする組換えDNA、すなわちG129R-エンドスタチン(G129R-endo)、G129R-アンジオスタチン、およびG129R-Flk-1-bp融合蛋白質をそれぞれ作製した。ヒトエンドスタチン、アンジオスタチン、またはFlk-1-bpは、ユニバーサルクイッククローンcDNA(クロンテック社、カリフォルニア州)からPCR増幅した。増幅したcDNA断片のそれぞれを、まず、pCR2.1 TAクローニングベクター(インビトロジェン社、カールスバッド、カリフォルニア州)に個々にクローニングして、それぞれの配列を決定した。
【0104】
次に、クローニングしたcDNA断片を制限酵素切断によって再度単離し、精製して、pET2b+発現ベクターにライゲーションした(ノバゲン社、マディソン、ウィスコンシン州;図4)。3つのcDNAは全て、最初pET22b発現ベクターを用いて大腸菌発現に関して蛋白質の成熟型をコードする完全長のcDNAとしてクローニングした。次にcDNAを、翻訳開始コドンを欠損し、5'末端に(+1部位の前、G129R DNAとのインフレームライゲーションに関して)BamHI制限酵素切断部位を有し、停止コドンの後にXhoI部位を有する産物を生じるように設計された第二のプライマー対を用いてPCRによって増幅した。次に、断片を制限酵素(BamHIおよびXhoI)によって処理して、G129R cDNAとライゲーションして、G129R-エンドスタチン、G129R-アンジオスタチン、およびG129R-Flk-1-BPのためのpET22b G129R-融合プラスミドを作製した。
【0105】
実施例 2. 安定な細胞株への発現プラスミドのトランスフェクト
BL21(DE3)細胞(ノバゲン社、マディソン、ウィスコンシン州)のような大腸菌を、塩化カルシウム法を用いてG129R融合蛋白質をコードするプラスミドによって形質転換した。形質転換混合物をアンピシリンプレート上で広げて37℃で一晩増殖させた。LBシード培養物にコロニー6〜10個を接種して一晩増殖させた。翌日、シード培養物5%を接種することによってLB増殖培養物を作製し、37℃で攪拌しながら〜2.5時間増殖させた。
【0106】
実施例 3. 融合蛋白質の精製
細胞を形質転換して、実施例2に記載のように増殖させた。IPTG(フィッシャーサイエンティフィック)を培養物に加えて(最終濃度1mM)、G129R融合蛋白質の発現を誘導して、さらに4時間インキュベートした。細菌を沈降させて、0.2 M NaPO4 pH 8、10 mM EDTA、および0.5%トライトンX-100を含む溶液中に再懸濁させた。再懸濁させた細菌を550ソニックディスメンブレータ(フィッシャーサイエンティフィック)で溶解した。封入体の形態で存在する産物を12,000 gで15分間沈降させて、再生させるために0.2 M NaPO4、pH 7、1%v/vβメルカプトエタノール、および8 M尿素中に再懸濁させた。再生工程は、50 mM NH4HCO3、pH 8.0の存在下で尿素とβメルカプトエタノールの減少量に対して蛋白質を3日間連続して透析することを含む。試料をまず、0.22 ミクロンのフィルター(VWR)に通過させて、脱気した後、セファロースイオン交換カラムによって精製し、FPLC系(ファルマシア、ピスキャタウェイ、ニュージャージー州)を用いてセファクリルゲル濾過カラム(ファルマシア社、ピスキャタウェイ、ニュージャージー州)によって精製した。
【0107】
精製蛋白質の試料を12%SDS-PAGEゲル上で泳動させ、クーマシーブルーによって染色した。図5に示すように、融合蛋白質は、双方のドメインの発現と一致する見かけの分子量を有する。さらに、図6に示すように、融合蛋白質の双方のドメインの発現は、特異的抗体(カルビオケム社、サンジエゴ、カリフォルニア州92121;ヒトエンドスタチン、カタログ番号324746;ウサギ抗ヒトエンドスタチン、カタログ番号PC266;ヒトアンジオスタチン、カタログ番号176700;抗アンジオスタチン、カタログ番号PC371;R&Dシステムズ、ミネアポリス、ミネソタ州55413;ヒトFlk-1-BP、カタログ番号357-KD-050;抗ヒトFlk-1BPポリクローナル抗体、カタログ番号AF357)を用いるウェスタン分析を用いて確認した。融合蛋白質の純度は、IRMAの結果と標準的な蛋白質アッセイ法(バイオラド社、ハーキュルズ、カルフォルニア州)の結果とを比較することによって決定した。この方法によって産生されたG129R融合蛋白質は、野生型PRLと比較してN末端で余分のメチオニンを有する。
【0108】
本方法において用いた全ての蛋白質は、二カラム技法、すなわちイオン交換カラムの後にFPLCシステムを用いるサイズ排除カラムを用いることによって精製した。精製蛋白質は、ケープコップインクによってエンドトキシンレベルを調べた。エンドトキシンレベルは約5EU/mg蛋白質であり、これはマウス試験で許容されると見なされる。
【0109】
実施例 4. 競合的放射レセプター結合アッセイ法による精製 hPRL および hPRL-G129R の生物活性の試験
ラジオレセプター結合アッセイ法は、既に記述された通りに行った(チェン(Chen)ら、1991;別紙B)。簡単に説明すると、T-47D細胞を6ウェル組織培養プレートにおいて90%コンフルエント(〜105個/ウェル)になるまで増殖させる。細胞の単層を無血清RPMI 1640培地中で2時間飢餓状態に置いた。次に細胞を様々な濃度のhPRL、hPRL-G129R、エンドスタチン、またはGEFPの存在下または非存在下で、125I hPRL(比活性=30 μCi/μg;NENデュポン社、ボストン、マサチューセッツ州)8×104 cpmを含む無血清RPMI 1640中で室温で2時間インキュベートした。次に、細胞を無血清RPMI 1640中で3回洗浄して、0.1 N NaOH/1%SDS 0.5 ml中で可溶化して、結合した放射活性をガンマカウンター(ICNバイオメディカル、モデル4/600プラス;コスタメサ、カリフォルニア州)によって測定した。得られたデータを図7に示す。
【0110】
実施例 5. STAT 5 リン酸化/免疫沈降アッセイ法による精製 GEFP の生物活性試験
T-47D細胞を、10%活性炭除去ウシ胎児血清(CSFBS;増殖培地)を含むRPMI 1640培地中で増殖させた。各実験に関して、細胞を増殖培地中で6ウェル培養プレートに移して、90%コンフルエンシーになるまで培養した。実験当日、細胞を無血清培地中で1時間飢餓状態にして、hPRL、G129R、または両者の組み合わせと共に30分間インキュベートした。処置後、T47-D細胞を氷冷PBSによって1回洗浄して、氷冷溶解緩衝液[20 mMトリス塩酸(pH 7.4)、100 mM NaCl、2mM EDTA、1%NP-40、1mMフッ化フェニルメチルスルホニル、10 μg/mlアプロチニン、10 μg/mlロイペプチン]1ml中で軽く剥がして回収した。次に、溶解混合物を、22ゲージ針の中を気泡ができないように数回上下させて、12,000×gで20分間遠心した。上清を新しい微量遠心管に移した。STAT5モノクローナル抗体5μgを、それぞれの反応についてddH2O 400 μlおよび2×IP緩衝液[1%トライトンX-100、150 mM NaCl、10 mMトリスpH 7.4、1mM EDTA、1mM EGTA、0.2 mMバナジン酸ナトリウム、0.2 mM PMSF、0.5%NP-40]500 μlと共に細胞溶解物100 μl(総蛋白質200〜500 μg)に加える。4℃でゆっくり回転させながら一晩インキュベートした後、予め洗浄した(1×IP緩衝液)プロテインAアガロースビーズ50 μlを各IP反応に加えて、インキュベーションを4℃でさらに2時間行った。アガロースビーズを1×IP緩衝液によって3回洗浄して、1×SDS PAGEローディング緩衝液50 μl中にプロテインAアガロースビーズを再度懸濁させることによって、蛋白質を溶出する。次に、試料に4〜12.5%SDS-PAGE、および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗ホスホチロシン抗体PY20およびECL試薬キット(アマシャム社、イリノイ州)を用いてイムノブロット分析を行った。図8に示すように、ブロットをX線フィルムに感光させて、標準的な方法を用いて現像した(コダック社、ロチェスター、ニューヨーク州)。
【0111】
実施例 6. ヒト臍帯静脈内皮細胞( HUVEC )増殖アッセイ法を用いる GEFP の血管新生阻害作用の試験
HUVEC細胞の細胞増殖アッセイ法は、バエ(Bae)らが記述した方法に従った。簡単に説明すると、HUVEC細胞をゼラチンコーティングした48ウェルプレートに細胞1×105個/ウェルの密度で増殖培地300 μlに播種して、37℃で2日間インキュベートした。プレートを暖かい無血清増殖培地中で3回洗浄してから、無血清増殖培地200 μlを陰性対照に加え、正常な増殖培地は、実験試料と共に陽性対照のために用いた。実験試料において、500 ng/mlの蛋白質を調べた。これらのプレートを37℃で1日インキュベートした。次に、メチル-[3H]チミジン0.5 μCi溶液20 μlを各ウェルに加えて、37℃で1日インキュベートした。次にプレートを、0.1%BSAを含むPBSによって4回洗浄して、細胞を0.4 N NaOH 150 μlによって室温で20分可溶化した。この反応を中和するために、2N HCl 30 μlを各ウェルに加えて、内容物をシンチレーションバイアルに移し、シンチレーションカウンターで各試料の放射活性を測定した。HUVEC細胞の細胞増殖アッセイ法は典型的に、バエ(Bae)らが記述した方法に従う。簡単に説明すると、HUVEC細胞をゼラチンコーティングした48ウェルプレートに細胞1×105個/ウェルの密度で増殖培地300 μlに播種して、37℃で2日間インキュベートする。プレートを暖かい無血清増殖培地中で3回洗浄してから、無血清増殖培地200 μlを陰性対照に加えて、正常な増殖培地は、実験試料と共に陽性対照のために用いる。実験試料において、500 ng/mlの蛋白質を調べる。これらのプレートを37℃で1日インキュベートする。次に、メチル-[3H]チミジン0.5 μCi溶液20 μlを各ウェルに加えて、37℃で1日インキュベートする。次にプレートを、0.1%BSAを含むPBSによって4回洗浄して、細胞を0.4 N NaOH 150 μlによって室温で20分可溶化する。この反応を中和するために、2N HCl 30 μlを各ウェルに加えて、内容物をシンチレーションバイアルに移し、シンチレーションカウンターで各試料の放射活性を測定する。実験は全て、1試料あたり3個ずつ、少なくとも3回行う。本実験では1試料あたり3回ずつ行った。得られたデータを図9に示す。
【0112】
実施例 7. GEFP HUVEC 構築阻害能の測定
本アッセイ法は一般的に既知の技法に従った(モラレス(Morales)ら、1995)。HUVECは、10%FBSを含むライボビッツ(Leibovitz)培地中で維持した。培養前に、マトリゲルによってウェルをコーティングすることによって(37℃で30分間の重合化)24ウェル培養プレートを準備した。ライボビッツ培地1mlに懸濁させたHUVEC(1×105個)をGEFPを含む条件または含まない条件下で対照と共に各ウェルに加えた。細胞を37℃で一晩インキュベートした。培養培地を除去した後、培養物をディフクイック(Diff Quick)(ダーデベーリングインク、ネワーク、デラウェア州)によって固定した。各培養物における内皮血管ネットワーク領域は、オプトマックス-オリンパス(Optomax-Olympus)顕微鏡によって顕微鏡下で調べた(図10)。
【0113】
実施例 8. マウスにおけるヒト乳癌の阻害
無胸腺ヌードマウス8匹に、マトリゲルと混合したT-47D細胞1×106個を皮下接種した。腫瘍を21日間増殖させた。マウスを無作為化して、等しい2群に分けた。一群にはGEFP(10 mg/kg/マウス)を注射して;もう一方の群には滅菌生理食塩水(斑入り)100 μlを25日間連続して注射した。処置後12日および25日目に以下の等式:[(短径2)×(長径)]/2を用いて計算した計算した腫瘍の容積を、図11に示す。
【0114】
実施例 9. hPRL-G129R- エンド融合蛋白質のインビボ試験
2つの乳癌細胞株、T-47Dおよび4T1を用いて、hPRL-G129R-エンド融合蛋白質の抗腫瘍形成効果を調べた。ヌードマウスにT47D腫瘍細胞(n=4)または4T1腫瘍細胞(n=4)を接種した後、対照動物8匹にG129R-エンドスタチン融合蛋白質を処置した。結果をそれぞれ、図12および図13に示す。
【0115】
図12は、ヌードマウスにおけるGEFPのT-47D誘導腫瘍増殖阻害能を示す。腫瘍を3週間確立させてから治療を行い、腫瘍容積を6日ごとに計算した。対照動物(n=4)にはPBS 100 μlを注射して、GEFP処置マウス(n=4)には総蛋白質200 μgの100 μl容量を処置した(腹腔内注射による)。腫瘍の増殖速度はGEFP処置動物では遅くなった。実験の終了時に、腫瘍を切除して重量を測定した。図12の挿入図は対照マウスおよびGEFP処置マウスからの腫瘍重量を表す。
【0116】
図13は、GEFPが、進行性マウス乳癌(4T1)の動物モデルにおける腫瘍の増殖の阻害において有効であることを示す。この細胞は、GEFP処置の1週間前に確立した。GEFP処置は毎日開始して37日間行った(200 μg/毎日、腹腔内注射)。対照マウスと処置マウスの間に、腫瘍増殖速度の有意な差を認識できる。図13の挿入図は、対照マウスおよびGEFP処置マウスからの腫瘍重量を表す。
【0117】
これらの実施例は、説明する目的のために提供され、本発明の範囲を如何なるようにも制限すると解釈されることはない。当業者は、本発明の範囲内の融合蛋白質は様々な手段によって作製してもよく、それらも本発明の精神または範囲内に含まれることを認識すると思われる。
【0118】
【発明の効果】
本発明により、癌の治療に用いるためのヒトプロラクチン拮抗剤と血管新生阻害剤とを含む融合蛋白質を調製および使用する方法が提供された。
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 G129Rの配列を示す図である。パネルAは、G129RのDNAの配列を示し(配列番号:2)、パネルBは、蛋白質の配列を示す(配列番号:1)。開始コドンATGおよびメチオニンは、129位のアミノ酸での変異と共に配列において太字で示す。TAGは停止コドンである。
【図2】 エンドスタチンの配列を示す図である。パネルAは、エンドスタチンのDNAの配列を示し(配列番号:3)、パネルBは、蛋白質の配列を示す(配列番号:4)。開始コドンATGおよびメチオニンは、129位のアミノ酸での変異と共に配列において太字で示す。TAGは停止コドンである。
【図3】 G129R-エンドスタチン融合蛋白質(GEFP)の配列を示す図である。パネルAは、GEFPのDNAの配列を示し(配列番号:5)、パネルBは、蛋白質の配列を示す(配列番号:6)。開始コドンATGおよびメチオニンは、129位のアミノ酸での変異と共に配列において太字で示す。G129Rとエンドスタチンの間にBamHI制限酵素切断部位を加えることにより、2つの余分なアミノ酸残基(グリシンおよびセリン)が得られ、これを太字で示す。TAGは停止コドンである。
【図4】 GEFP産生のための発現プラスミドのクローニングおよび構築を示す図である。エンドスタチンは、PCRを用いてヒト肝cDNAライブラリーから増幅した。これを、大腸菌発現ベクターpET22b(+)に、NdeIおよびXhoI部位で、G129Rから増幅したPCR断片とライゲーションした。クローニングのために、BamHI制限酵素切断部位をG129Rとエンドスタチンの間に組み入れた。
【図5】 融合蛋白質の大きさの決定を示す図である。精製G129R(レーン1)、エンドスタチン(レーン2)、およびGEFP(レーン3)1μgを12%SDS-PAGEゲル上で泳動させて、クーマシーブルーによって染色した。レーンMは蛋白質マーカーを表し、それぞれのサイズを示す。
【図6】 GEFPのイムノブロット分析を示す図である。全てのレーンに、12%SDS-PAGEゲル上でG129R(レーン1〜4)、エンドスタチン(レーン2および5)、およびGEFP(レーン3および6)10 ngを泳動させた。レーン1〜3は、ポリクローナルウサギ抗hPRL抗体と共にインキュベートし、レーン4〜6は、ポリクローナルウサギ抗エンドスタチン抗体と共にインキュベートした。ヤギ抗ウサギIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体を二次抗体として用いて、ECLによって検出した。
【図7】 競合的放射レセプター結合アッセイ法を示す図である。それぞれの処置の濃度は対数尺度で表す。値は、ヒト乳癌細胞株T-47Dに対する各蛋白質の総結合の置換百分率として表す。データは1試料あたり3個ずつの実験から得て、平均値±SDとして表記する。
【図8】 hPRLおよびGEFPによるSTAT-5リン酸化の刺激/阻害を示す図である。ヒト乳癌細胞株T-47Dを、表示の量のhPRL、G129R、およびGEFP(A)、または用量依存的な併用処置(B)によって処置した。総蛋白質を抽出して、勾配4〜15%のSDS-PAGE上で分析した後、適当なパネルに示したように、STAT-5-リン酸化またはSTAT-5のいずれかに対する抗血清によるウェスタンブロッティングを行った。A.hPRL(100 ng/ml)、G129R(500 ng/ml)、エンドスタチン(500 ng/ml)、およびGEFP(500 ng/ml)の単回処置を表す。対照細胞は0.1%血清培地と共にインキュベートした。B.hPRL+G129RまたはhPRL+GEFPのいずれかの併用治療によるSTAT-5リン酸化の用量依存的な競合的阻害を表す。
【図9】 内皮細胞増殖アッセイ法を示す図である。精製ヒトエンドスタチンおよびGEFPは、HUVEC(A)、T-47D細胞(B)、およびマウスL-細胞(C)を用いてその抗増殖能の有無を試験した。実線はエンドスタチンを表し、破線はGEFP処置を表す。細胞の生存率は、MTTアッセイ法によって決定した。値は、無処置の増殖細胞と比較して、エンドスタチンまたはGEFPのいずれかによる処置後の生存細胞の割合によって示す。A.エンドスタチンおよびGEFPのbFGF誘導内皮細胞増殖阻害能である。B.エンドスタチンおよびGEFPのヒト乳癌細胞株T-47Dの増殖阻害能を表す。C.この実験における陰性対照としての非内皮細胞増殖アッセイ法を表す。各実験は、1試料あたり3個ずつ行い、値は平均値±SDとして表記する。
【図10】 内皮の管形成の分析を示す図である。抗生物質を加えないEGM-2培地中のHUVEC(細胞25,000個/ウェル)を、マトリゲル基底膜コーティングウェルに播種して、血管の管構造と類似の管構造を形成するか否かを評価した。パネルAは、エンドスタチンが内皮細胞に作用を及ぼして管を形成することを表す。各実験について、低濃度(100 ng/ml)および高濃度(1000 ng/ml)を行った。パネルBは、GEFP処置を表し、パネルCはG129RがHUVEC管形成に及ぼす作用を表す。各ウェルは、1試料あたり3個ずつ用量依存的に行った。対照ウェルは、如何なる処置も含まない培地によって行った。ウェルを顕微鏡で調べ、40倍で写真を撮影して、ディフクイック固定液によって染色した。
【図11】 インビボでのヒト乳癌阻害の予備的な分析を示す図である。無胸腺ヌードマウス8匹に、マトリゲルと混合したT-47D細胞を皮下接種して、得られた腫瘍を21日間増殖させた。腫瘍の容積を、処置後12日および25日に、式:[(短径)2×(長径)]/2を用いて計算した。値は、各群について平均値±SDとして表す(n=3)。*、処置後25日で対照マウスに対してP<0.05。
【図12】 G129R-エンドスタチン融合蛋白質によるインビボでの腫瘍増殖阻害に関する予備試験を示す図である。ヌードマウス4匹にマトリゲルと混合したT-47Dヒト乳癌細胞を皮下接種して、得られた腫瘍を21日間増殖させた。腫瘍の容積は、以下の等式を用いてG129R-エンド融合蛋白質による処置後様々な時間に計算した:[(短径2)×(長径)]/2。
【図13】 G129R-エンドスタチン融合蛋白質によるインビボでの腫瘍増殖阻害に関する予備試験を示す図である。ヌードマウス4匹にマトリゲルと混合した4T1マウス乳癌細胞を皮下接種して、得られた腫瘍を7日間増殖させた。腫瘍の容積は、以下の等式を用いてG129R-エンド融合蛋白質による処置後様々な時間に計算した:[(短径2)×(長径)]/2。
【図14】 プロラクチン拮抗剤-血管新生阻害剤融合蛋白質の配列を示す図である。(A)G129R-アンジオスタチンのアミノ酸配列(配列番号:7)、および(B)G129R-Flk1-bpのアミノ酸配列(配列番号:8)を示す。

Claims (8)

  1. 受容体拮抗ドメインと血管新生阻害ドメインとを有する蛋白質の有効量を含む、癌の治療のための医薬組成物であって、受容体拮抗ドメインが、プロラクチン蛋白質の129位に対応する位置でのグリシンからアルギニンへの一アミノ酸置換により特徴付けられ、血管新生阻害ドメインがエンドスタチンである、医薬組成物。
  2. 受容体拮抗ドメインと血管新生阻害ドメインとを有する蛋白質の有効量を含む、癌の治療のための医薬組成物であって、受容体拮抗ドメインが、配列番号:1(hPRLA)に記載のアミノ酸配列またはその保存的変種を有する蛋白質を含み、血管新生阻害ドメインがエンドスタチンである、医薬組成物。
  3. 受容体拮抗ドメインと血管新生阻害ドメインとを有する蛋白質の有効量を含む癌の治療のための医薬組成物であって、蛋白質が配列番号:6に記載のアミノ酸配列またはその保存的変種を含む、医薬組成物。
  4. 癌がプロラクチン受容体を発現することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬組成物。
  5. 受容体拮抗ドメインと血管新生阻害ドメインとを含む蛋白質であって、受容体拮抗ドメインが、プロラクチンドメインの129位に対応する位置でのグリシンからアルギニンへの一アミノ酸置換により特徴付けられ、血管新生阻害ドメインがエンドスタチンである、蛋白質。
  6. 受容体拮抗ドメインと血管新生阻害ドメインとを含む蛋白質であって、受容体拮抗ドメインが、配列番号:1(hPRLA)に記載のアミノ酸配列またはその保存的変種を有する蛋白質を含み、血管新生阻害ドメインがエンドスタチンである、蛋白質。
  7. 受容体拮抗ドメインと血管新生阻害ドメインとを含む蛋白質であって、配列番号:6に記載のアミノ酸配列またはその保存的変種を含む、蛋白質。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項記載の蛋白質の治療的有効量と担体溶媒の適量とを含む、薬学的組成物。
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