JP4511090B2 - Dnaプラスミドワクチン用アジュバンド及びその調製方法 - Google Patents

Dnaプラスミドワクチン用アジュバンド及びその調製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4511090B2
JP4511090B2 JP2001321828A JP2001321828A JP4511090B2 JP 4511090 B2 JP4511090 B2 JP 4511090B2 JP 2001321828 A JP2001321828 A JP 2001321828A JP 2001321828 A JP2001321828 A JP 2001321828A JP 4511090 B2 JP4511090 B2 JP 4511090B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pseudovirus
cells
plasmid
mice
virus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001321828A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003024058A (ja
Inventor
リアン,クィアオ
ウェイ,シー
Original Assignee
リアン,クィアオ
ウェイ,シー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by リアン,クィアオ, ウェイ,シー filed Critical リアン,クィアオ
Publication of JP2003024058A publication Critical patent/JP2003024058A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4511090B2 publication Critical patent/JP4511090B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N7/00Viruses; Bacteriophages; Compositions thereof; Preparation or purification thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/14Antivirals for RNA viruses
    • A61P31/18Antivirals for RNA viruses for HIV
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/51Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising whole cells, viruses or DNA/RNA
    • A61K2039/525Virus
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2710/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA dsDNA viruses
    • C12N2710/00011Details
    • C12N2710/20011Papillomaviridae
    • C12N2710/20023Virus like particles [VLP]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2710/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA dsDNA viruses
    • C12N2710/00011Details
    • C12N2710/20011Papillomaviridae
    • C12N2710/20061Methods of inactivation or attenuation

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • AIDS & HIV (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNAプラスミドワクチン用アジュバンド及びその調製方法に係り、その目的は、DNAワクチン単体の投与による免疫化に比べて、より強力なCTL反応を引き起こすことができ、経口投与によって、パイエル板、粘膜固定層、脾臓に到達することができるパピロマウイルス偽ウイルス及びその調製方法を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
様々な感染性の病原体、例えば病原性ウイルスやバクテリアは、粘膜組織の表面に容易に感染することができる。特に、腸粘膜は病原体が感染しやすい場所である。多くの病原体は、粘膜組織の上皮細胞層における相互作用により感染を引き起こし、その後全身に広がる。このような病原体による感染の進行を防ぐために、病原体に特異的な抗体や細胞傷害性T細胞(以下、CTLsという。)が粘膜の表面において誘導される。病原体は粘膜組織において自己複製を繰り返し行うから、感染の初期や病気の初期段階において病原体を一掃するために粘膜特異的なCTLsを誘導することは重要なことである。
【0003】
腸粘膜のリンパ球細胞は、パイエル板のような器質化したリンパ組織、或いは粘膜固有層のような散在性のリンパ組織に存在する。パイエル板は、病原体が粘膜に感染した後に、免疫反応が誘導される場所と考えられている。通常、ワクチンの皮下接種のような全身性の免疫形成の場合、粘膜における免疫反応の誘導には十分な効果を示さない。それよりも、粘膜の免疫形成は、腸粘膜で免疫反応が生じることが必要とされる。
【0004】
一方、DNA(プラスミド)による免疫形成は、宿主の体液性或いは細胞性の免疫反応を誘導する。プラスミドDNAワクチンにより暗号化された抗原が宿主で生産されるために、変性や修飾された弱毒ワクチンとは異なり、抗原はそれらの本来の形態を保持している。免疫形成された宿主において抗原が発現するので、宿主の免疫系や持続した免疫反応に対して遷延被爆される。
しかしながら、経口投与ではDNAワクチンは腸関連のリンパ球組織に到達することはできない。この理由は、DNAワクチンは腸や胃で分解されてしまうからである。さらに、DNAワクチンを筋肉内に投与した場合、殆どの細胞ではCTLsを生成することができず、CTLsを生成した細胞でも、その量は極めて少量である。
【0005】
一方、パピロマウイルス(以下、単にPVという。)は、エンベロープを有さない小型(50〜60nm)の正20面体二本鎖DNAウイルスである。PVの感染は、ヒト、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、サル、ヘビ、ウシを含む様々な動物で発生している。PVは上皮細胞に感染し、一般的に感染部位に良性上皮腫瘍又は良性線維上皮腫瘍を誘発する。PVは宿主特異性が高いウイルスであり、ヒトパピロマウイルス(以下、単にHPVという。)はヒト以外の動物に感染することはない。また、組織特異性も極めて高く、一部を除いて、粘膜や皮膚などの上皮組織にのみ感染することができる。
【0006】
HPVは、DNA配列の相同性に基づき95を超えるタイプに分類されている(Van Ranst.1996.Human papillomaviruses:A never-ending story? in:Papillomavirus reviews: current research on papillomaviruses.Ed:C.Lacey,Leeds University Press,Leeds,1-19)。それぞれのタイプのHPVは、異なる種類の病気の原因となることが知られている。例えば、HPV1,2,3,4,7,10,26〜29型は、正常のヒト及び免疫が低下したヒトの両方に良性イボを発症する。HPV5,8,9,12,14,15,17,19〜25,36,46〜50型は、免疫が低下したヒトに偏平性病変を発症する。HPV6,11,34,39,41〜44,51〜55型は、性器粘膜又は呼吸器粘膜の非悪性コンジローマを発症する。HPV16,18,31,33,35,45,58型は、生殖器粘膜の上皮形成異常を引き起こし、その場所での侵入性の子宮癌、膣癌、外陰部癌、肛門癌の大部分に関係している。HPV6,11は、コンジローマ(性器いぼ)と喉頭乳頭腫を引き起こす。
【0007】
PVは、最大8個の初期遺伝子と2個の後期遺伝子とをコードする。ウイルスゲノムの読み取り枠(ORF)はE1〜E7及びL1,L2(ここで、「E」は初期を、「L」は後期を表す)と称されている。
L1タンパク質は主要カプシドタンパク質であり、分子量55−60kDaを有する。L2タンパク質は少量のカプシドタンパク質であり、推測分子量55−60kDaを有し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定すると見掛けの分子量75−100kDaを有する。
L1タンパク質は自己集合組立能を有するために、昆虫、酵母、バクテリア内で発現した場合、ウイルス様粒子(以下、VLPsという。)を形成することが知られている。
またパピロマウイルスウイルス様粒子(以下、PVVLPsという。)は全身性の免疫化のために使用された時、強い体液性と細胞性の免疫反応を引き起こすことが知られている。さらに、VLPsはPV偽ウイルスを形成する関連性のないプラスミドをパッケージにするために使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、PVVLPsに関する鋭意研究を行ったところ、PV偽ウイルスは、上記の従来のワクチンの欠点であった、DNAワクチンを筋肉内に投与した場合、殆どの細胞ではCTLsを生成することができず、CTLsを生成した細胞でも、その量は極めて少量であること、また、経口投与では分解されてリンパ組織に到達することができないといった問題を解決することができることを、すなわち、PV偽ウイルスは粘膜免疫系に到達することができ、粘膜の免疫反応を誘導することができることを見出した。また、VLPsに対するヘルパーT細胞反応は偽ウイルス中のプラスミドによって暗号化された抗体に対するCTL反応を同時に高めることができることを見出した。
さらに、経口投与により、PV偽ウイルスはパイエル板、粘膜固定層、脾臓に到達でき、全身性の免疫化によって、PV偽ウイルスはプラスミドDNAワクチンによるものと比べて強力なCTL反応を誘導できることを見出した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に係る発明は、少なくとも、パピロマウイルスウイルス様粒子と該パピロマウイルスウイルス様粒子に包膜されたプラスミドとからなるパピロマウイルス偽ウイルスからなるDNAプラスミドワクチン用アジュバンドであって、該パピロマウイルスウイルス様粒子がヒトパピロマウイルスウイルス16L1生成物又はウシパピロマウイルス1L1生成物であることを特徴とするDNAプラスミドワクチン用アジュバンドに関する。
請求項2に係る発明は、パピロマウイルスウイルス様粒子に包膜されたプラスミドパピロマウイルス由来のものではない請求項1記載のDNAプラスミドワクチン用アジュバンドに関する。
請求項3に係る発明は、パピロマウイルスウイルス様粒子が分解された後に再構築される際に、パピロマウイルスウイルス様粒子内にプラスミドが包膜されてなるパピロマウイルス偽ウイルスからなる請求項1記載のDNAプラスミドワクチン用アジュバンドに関する。
請求項4に係る発明は、前記プラスミドに病原体の遺伝子が導入されており、病気の治療と予防に用いられる請求項1乃至のいずれかに記載のパピロマウイルス偽ウイルスからなるDNAプラスミドワクチン用アジュバンドに関する。
請求項5に係る発明は、前記プラスミドにIL−2が導入されている請求項1乃至のいずれかに記載のパピロマウイルス偽ウイルスからなるDNAプラスミドワクチン用アジュバンドに関する。
請求項6に係る発明は、少なくとも、以下の工程(a)〜(c)よりなるパピロマウイルス偽ウイルスからなるDNAプラスミドワクチン用アジュバンドの調製方法に関する。
(a)パピロマウイルスウイルス様粒子を発現する細胞系において、ヒトパピロマウイルスウイルス16L1生成物又はウシパピロマウイルス1L1生成物を発現する工程。
(b)発現したパピロマウイルスウイルス様粒子がプラスミドを包膜することができる条件を提供して、プラスミドをパピロマウイルスウイルス様粒子中に包膜してパピロマウイルス偽ウイルスを生成する工程。
(c)(b)工程の生成物の中からパピロマウイルス偽ウイルスを分離する工程。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るDNAプラスミドワクチン用アジュバンド及びその調製方法について説明する。本発明で使用するPV偽ウイルスは、PVVLPsとこのPVVLPsに包膜されたプラスミドとから構成される。尚、本発明に係るDNAプラスミドワクチン用アジュバンドはPVのDNAは含まれていない。
PVVLPsは、PVウイルスのカプシドを構成するL1タンパク質から構成され、L1タンパク質とL2タンパク質の双方から構成されても構わない。
このようなPVVLPsの調製方法は特に限定されず、例えば、PVVLPsを発現することができる大腸菌、酵母、植物細胞、ほ乳動物細胞を用いたタンパク質細胞発現系を利用して調製する方法を例示することができる。特に、バキュロウイルスをベクターとして夜蛾の幼虫由来株化細胞を使用した発現系を用いることが好ましい。この理由は、生物活性を保持した形で目的とするタンパク質を大量に発現することができるからである。
【0011】
PVVLPsとしては特に限定されないが、具体的には、ヒトパピロマウイルス又はウシパピロマウイルスを由来とするPVVLPsを例示することができる。具体的には、ヒトパピロマウイルス16やウシパピロマウイルス1を由来とするPVVLPsを使用することが好ましい。より好ましくは、ヒトパピロマウイルス16L1生成物又はウシパピロマウイルス1L1生成物から構成されることが好ましい。
PVVLPsにはプラスミドが包膜されている。プラスミドをPVVLPsにより包膜する方法は特に限定されず、例えば、PVVLPsを破壊した後に、プラスミドの存在下、PVVLPsの自己集合作用によりPVVLPsを再構築する方法を例示することができる。
さらに具体的な調製方法について説明すると、まず、HPV−VLP又はBPV−VLPを、溶解緩衝液(20mM EGTA、40mM DTT、300mM NaCl、100mM Tris−HCl(pH8.0))に、体積比1:1となるように混合する。次に、1/10体積比のプラスミド(0.5〜1.0μg/μL)を加える。停止緩衝液(25mM CaCl2、20%(体積)DMSO)を加える。最後に、一晩、4℃でインキュベートする。BPV1−VLPを使用して調製された偽ウイルスは、2001年3月23日に中華人民共和国のCGMCCに寄託されている(CGMCC 0546)。
【0012】
以上説明した本発明で使用するPV偽ウイルスの特徴の一つは、粘膜及び全身性のリンパ組織に到達することができることである。経口投与の場合、プラスミドそれ自身では、粘膜及び全身性のリンパ組織に到達することはできない。これは、プラスミドは胃や腸のような環境下では生き抜くことができないからである。PVVLPsは、胃のような低いpHの環境下においても、または小腸のようなタンパク質分解が行われるような環境下においても生育することができる。
【0013】
どの細胞が偽ウイルスを集めるのかは定かではないが、小腸に付随する上皮組織のM細胞が、偽ウイルスを集めるとともに、これをパイエル板に運ぶ重要な役割を有しているのではないかと考えられる。さらに、上皮細胞が偽ウイルスを集めると考えられる。なぜならば、後述する試験例において明らかにされるように、グリーンランタンタンパク質(GLP)がエンコードされたPV偽ウイルスを与えたマウスの小腸及び直腸の粘膜固定層におけるGLP発現を見いだしたからである。PVVLPsは他の組織や種からの細胞と結合することが知られている。PV偽ウイルスは、粘膜固有層やパイエル板のマクロファージや樹状細胞と偽感染することができる。このことは、偽ウイルスは上皮層と交差することを示している。どのように、偽ウイルスが上皮細胞を通りぬけて、粘膜固有層やマクロファージに取り付くのかは現在のところ明らかではない。
また、後述する試験例に示されるように、偽ウイルスが主要組織抗体複合体(MLN)や脾臓に到達することを見いだした。粘膜固有層の樹状細胞やマクロファージが偽ウイルスに取り付き、MLNや脾臓に直接移動することが可能である。しかしながら、偽ウイルスが脾臓やMLNに直接到達する可能性を排除することはできなかった。
GLPがエンコードされたPV偽ウイルスをマウスの鼻腔又は膣粘膜に投与したところ、ウサギの粘膜や女性生殖器の管においてGLPが発現することが確認された。粘膜組織における偽ウイルスによる免疫化は、膣粘膜や気道においてCTL反応を生じさせることができる。事実、PVVLPsによる鼻腔内の免疫化は粘膜の抗体反応を引き起こす。このことは、結果として、この場所における粘膜の細胞性の免疫反応が誘導されることを示している。
【0014】
PV偽ウイルスの他の重要な特徴は、全身性の投与により、DNAワクチンよりも強力なCTL反応を誘導することができることである。これにより、PVVLPsとプラスミドDNAをともに皮下注射することで、DNAワクチン単体の投与による免疫化に比べて、より強力なCTL反応を引き起こすことができる。PVVLPsはCTL反応を誘導するためのDNAプラスミドのアジュバンドとして実際に作用することが確かめられた。DNAプラスミドをパッケージするために使用されたVLPsは、VLP特異的T−ヘルパー細胞反応を誘導することができる。これは、このT−ヘルパー細胞はプラスミドによってエンコードされた抗体のための特異的なCTLsの発現を高めることができる。事実、VLPsは強力なTh1反応を誘導することができる。Th1細胞がCTLsの増殖を増幅することによって、インターロイキン(IL)−2の産生に見込みがある。偽ウイルスの取り込みの後、偽ウイルスのVLPsによって抗原提示細胞が活性化される。それによって、CD80やCD86のような、より多くの共刺激の分子を発現する。
実際に、PVVLPsは、ヒトとマウスの樹状細胞に感染し活性化することが知られている。PVVLPsにより活性化されたマウスの樹状細胞は、CD80のような共刺激の分子のレベルを高める発現をすることができる。そして、IL−6やTNFαのような炎症誘発性のサイトカインが産生される。これらの抗原提示細胞の活性化は、プラスミド(DNAワクチン)単体によって形質導入された樹状細胞と比較して、プラスミドによってエンコードされた抗体のための未処置の特異的CTLsを活性化するための能力を高めることができる。
【0015】
PV偽ウイルスの経口投与は、粘膜性及び全身性のCTL反応を誘導することができる。腸粘膜CTLsは、パイエル板から単離された新鮮なリンパ球の中に見出すことができる。これは、パイエル板において多くの特異的なCTLsが発生していることを示している。さらに、偽ウイルスの経口投与は、粘膜性の偽ウイルスの感染からマウスを保護する。偽ウイルスの経口投与は、プロテクティブであることを指し示している。この保護は、BPVの偽ウイルスと交差反応し、それらの取り込みを防ぎ、それらの消去を促進した抗HPV L1 VLPs IgAのありそうもない結果である。なぜならば、これらは、HPV L1 VLPs単独により免疫化されたマウスは、全く保護されていなかったからである。さらに、この保護は、E7特異的抗体反応からはできない。なぜならば、E7は細胞質のタンパク質であり、われわれが使用したこのE7ミュータントは、不安定なタンパク質であり、細胞内で分解されてしまう。このように、プロテクションは、明らかにE7タンパク質特異的CTLsによって媒介されている。パイエル板におけるGLP発現のロスは、マウスにおける粘膜攻撃から1日後にのみ確認されている。これは、粘膜組織における直接の抗原特異的CTLイフェクター活性を示している。このデータは、粘膜のCTL反応が持続して誘発されることを示している。
【0016】
PV偽ウイルスは全身性及び粘膜のリンパ組織に偽感染するから、PV偽ウイルスは遺伝子放出ベクターとして利用することができる。GLPがエンコードされたPV偽ウイルスをマウスに与えてから、3週間までの期間、GLPの発現を確認することができる。このデータは、全身及び粘膜のリンパ組織に運ばれた遺伝子の発現が一過性であることを示している。このように、PV偽ウイルスは、短期間の粘膜系で必要とされる遺伝子を運ぶために使用することができる。例えば、Th1型の粘膜の免疫反応を抑制する、クローン病の腸粘膜のためのIL−10遺伝子、または喘息のための上気道においてTh2免疫反応を抑制するためのIL−12遺伝子、などの免疫調節性のサイトトキシン遺伝子を運ぶために使用することができる。
【0017】
PV偽ウイルスは複製しないベクターである。他の生きたベクターと比較した有利な点は、これらはPVVLPsやプラスミドから構成され、病原性が復帰する危険性がない点である。たとえ、これらは、ホストゲノムへのDNAの組み込みについて関係するといえども、今までにDNAプラスミドに関係する新たな新生物については見いだされていない。L1タンパク質からなるPVVLPsはホストにおいて有害な効果は発見されていない。偽ウイルスに感染した細胞は、偽ウイルスに対するCTL反応を誘導することで、通常、特異的なCTLによって除去される。たとえ、偽ウイルスはホストにおいて複製されないとしても、T細胞に対する抗原の暴露により誘発されたホストの抗原提示細胞において免疫原が発現する。
【0018】
結果として、PV偽ウイルスは、DNAワクチンに比べてより強力なCTL反応を誘発することができる。プロテクティブな粘膜や全身性のCTL反応を誘発する。そして、PV偽ウイルスは、粘膜上皮細胞における病原体による感染を治療または防ぐための通常のワクチンとして使用することができる。
【0019】
上記したプラスミドには様々な遺伝子を導入することができる。プラスミド中に導入される遺伝子の例としては、発現生成物、例えば遺伝子療法又は遺伝子免疫感作に有用なタンパク質、ポリペプチド、およびペプチド(グリコシル化、リン酸化又はアミド化等により修飾される)をコードする遺伝子が挙げられる。それらの発現を制御する配列は、プロモーター(例えば、RSV又はCMV)、エンハンサー、リーダーペプチド、終止およびポリアデニル化シグナル、スプライシングシグナル、ウイルスレプリコンおよび選択可能マーカーをコードする遺伝子を含む。
【0020】
本発明で使用するPV偽ウイルスは、各種の病気の治療に使用することができる。具体的には、遺伝性疾患の治療に、心臓血管性疾患から癌からエイズに及ぶ後天性疾患の治療に適用可能である。癌の例としては、黒色腫、腎細胞癌、卵巣癌、頸部癌、神経芽細胞腫、脳、頭部および頸部の癌、肺癌、肝臓癌、乳癌、結腸癌、前立腺癌、中皮腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫および皮膚癌が挙げられる。遺伝子療法を受けることが可能なその他の疾患の例としては、異常ヘモグロビン症、重度複合型免疫欠損、血友病、家族性高コレステロール血症、遺伝性気腫、嚢胞性線維腫、筋ジストロフィー、リソソーム蓄積症、ゴシェ病、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症、α−1抗トリプシン欠損症、ファンコーニ貧血、ハンター症候群、慢性肉芽腫、慢性関節リウマチ、末梢血管性疾患、パーキンソン病、糖尿病、骨粗鬆症、慢性創傷、乾癬およびアトピー性皮膚炎が挙げられる。
【0021】
本発明で使用する偽ウイルス粒子により保有される遺伝子の例は、ヘモグロビンの構成成分、アデノシンデアミナーゼ、血液凝固因子、受容体(例えば、LDL受容体、ACh受容体、ホルモン受容体)、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、α−1抗トリプシン、イオンチャンネル(例えば、CFTR)、ジストロフィン、リソソーム酵素、インスリン、カルシトニン、ホルモン、成長因子、サイトカイン;成長ホルモン、エリスロポイエチン、上皮小体ホルモン、TNF、CSF、IGF、MDR、IL−1、IL−2、IL−4、インターフェロン、p53;抗体およびその断片、MHC複合体の成分(例えば、HLA−B7)およびマイナー組織適合性抗原;アンチセンスおよび三重らせん物質;腫瘍抑制遺伝子;ウイルス性抗原、細菌性抗原、寄生虫性抗原;結合組織タンパク質(例えば、コラーゲン、エラスチンおよびフィブロネクチン)および外来タンパク質(例えば、リゾチームおよびBSA)をコードするものなどを例示することができるが、特に限定はされない。
【0022】
さらに本発明で使用するPV偽ウイルスは、非経口、経腸、経口又は局所的適用に適した医薬上許容可能な有機又は無機担体物質と混合して用いることができる。適切な医薬上許容可能な担体としては、水、塩溶液、アルコール、植物性油、合成脂肪ビヒクル等が挙げられる。非経口適用に関しては、特に適した処方物は、注射可能な滅菌溶液、好ましくは油性又は水性溶液、並びに懸濁液、乳濁液、あるいはインプラントである。
【0023】
経腸的適用に関しては、特に適しているのは、錠剤、糖衣丸剤、液体、ドロップ、座薬又はカプセルである。甘味ビヒクルを用いる場合には、シロップ、エリキシル等が用いられる。局所適用に関しては、これらは、局所適用に適合性の担体を含み、好ましくは水より大きい動的粘度を有する非噴霧可能形態、粘性〜半固体又は固体形態として用いられる。適切な処方物としては、溶液、懸濁液、乳濁液、クリーム、軟膏、粉末、リニメント剤、膏薬、エーロゾル剤等が挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0025】
(1)細胞
RMA細胞(マウスのT−リンパ腫細胞),RMA−neo細胞,RMA−E7細胞は、熱で不活性化した10%−ウシ胎児血清(FCS)、2mMのL−グルタミン、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシンが追加されたRPMI培地(GIBCO−BRL社製)で維持された。
【0026】
(2)プラスミド
プラスミドpCI−neoはPromega社から購入した。グリーンランタンタンパク質(GLP)のための発現カセットは、プラスミドpCI−neoのNotIサイトにGLPのcDNAの全長を導入することで調製した。融合タンパク質である、GLPが融合したリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)gp 33主要組織抗原複合体(MHC)クラスIH−2Db制限的エピトープ(アミノ酸33〜41、KAVYNFATC)のための発現カセットは、テンプレートとしてpCI−GLPを、オリゴヌクレオチド5’プライマーとして「GCCACCATGAGCAAGGGCGAGGAACTGT」(配列番号1)を、オリゴヌクレオチド3’プライマーとして、(GLPとLCMV gp 33エピトープとの間に、下線部のリンカー配列(Gly4Ser3)を有する)「TCAACAGGTGGCAAAATTGTAGACAGCCTTAGATCCGCCGCCACCGCCACCCTTGTACAGCTCGTCCAT」(配列番号2)を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用して調製された。増量混合物(50μL)には、dGTP,dATP,dTTP,dCTP(それぞれ200μM)オリゴヌクレオチドプライマー(1μM)、テンプレートDNA(25ng)、TaqDNAポリメラーゼ(5μM,Promega社製)が含まれている。反応混合液は94℃で1分間、60℃で1分間、72℃で1分間を30サイクル、最後の10分間は72℃で維持された。増幅されたDNAはゲル濾過されてT−イージーベクター(Promega社製)に結合された。それから、DNAはEcoRIで分解されて、対応する酵素で分解されたpCI−neoに結合された。HPV16E7オープンリーディングフレーム(ORF)は、同じリンカー(Gly4Ser3)を用いたPCRによりGLPに融合された。そのフラグメントは、pCI−GLP−E7を形成するためにpCI−neoに挿入された。E7ORFはpCMVに挿入された。
【0027】
(3)バキュロウイルス組換え体の産生
Spodoptera fugiperda(Sf9)細胞は、10%FCSと2mMのグルタミンを補足したTNMFH培地(シグマ社)において27℃で単層培養された。Sf9細胞に形質移入するための10μgのトランスファープラスミド(PVL1933 BPV-1 L1Δ or PVL1932 HPV-16 L1Δ)が、0.2μgの直線化されたBaculo−Gold DNA(Pharmingen社)とともに使用された。組換えウイルス体は、(Muller,M.,J.Zhou,T.D.Reed,C.Rittmuller,A.Burger,J.Gabelsberger,J.Braspenning,and L.Gissmann.1997. Chimeric papillomavirus-like particles. Virology 234:93-111)や(Paintsil,J.,M.Muller,M.Picken,L.Gissmann,and J.Zhou.1996.Carboxyl terminus of bovine papillomavirus type-1 L1 protein is not required for capsid formation. Virology 223:238-244)に述べられているような方法により生成された。
【0028】
(4)PVVLPsの生成
Sf9細胞は、1〜2×106個の細胞/mLの濃度でスピナフラスコ中で10%FCSと2mMのグルタミンを補足したTNMFH培地で培養された。約2×108個の細胞は、10mLの培地に再懸濁されて、5分間1500gでペレット化された。それから、室温で1時間10mL、2〜5の感染効率でバキュロウイルス組換え体を加えた。125mLの培地を加えた後に、細胞は5個の円形シャーレ(直径150mm)に蒔かれ、27℃で3〜4日間培養された。細胞は回収されて、10mLの抽出緩衝液(5mM MgCl2,5mM CaCl2,150mM NaCl,20mM HEPES,0.01% Triton X−100)で懸濁されてペレット状にされた。この細胞はスピード3で1分間超音波処理され、抽出物は4℃で30分間10,000rpmでペレット状にされた。このペレットは8mLの抽出緩衝液で懸濁されて、スピード4.5で30秒間再び超音波処理されて再び遠心分離された。上澄の合計は、8mLのCsCl溶液(4.6gのCsCl/8mLの抽出緩衝液)の上に14mLの40%ショ糖溶液が接した二段階の勾配の上に層を形成され、Sorvall AH629スイングバケットロータを使用して10℃で二時間、27000rpmで遠心分離された。CsClとショ糖と完全なCsCl層の中間層を回収して、抽出緩衝液が満たされた13.4mLのQuickseal tubeに注いだ。試料は20℃、50000rpmで一晩遠心分離された。21ゲージの針でチューブの上部と下部に孔を開けることによって、勾配が画分された。そして、それぞれの画分5μLを10%SDS−PAGEとウェスタン法によって分析した。
【0029】
(5)ウェスタン法
感染させたインサート細胞からの抽出物は、10%SDS−PAGEで分離されて、セミドライブロティングシステム(Semi−Dry Blotting Unit,Fisher Biotech)を使用してニトロセルロースに転写された。その膜は、5%乾燥無脂肪乳で一晩遮断された。そして、マウス抗HPV 16 L1モノクローナル抗体(PharMingen)又はウサギ抗BPV 1 L1抗体と培養された。それから、その膜は抗マウスIgG−HRPまたは抗ウサギIgG−HRPと培養された。最後に、その膜は、ECL装置(Amersham)で処理された。陽性反応の画分は、電子顕微鏡によるVLPsの存在を確認する試験が行なわれた。
【0030】
(6)PV偽ウイルスの調製
ヒトPV(HPV)16 VLPs又はウシPV(BPV) 1 VLPs組換え体の分解または再構築は、TouzeやCoursaget(Touze,A.,P.Coursaget.1998. In vitro gene transfer using human papillomavirus-like particles.Nucleic Acids Res.26:1317-1323)の改良方法で行った。精製した5μgのHPV16 VLPs又はBPV 1 VLPs(理論上、1.5×1011粒子)は、150mM NaCl、10mM EGTA、20mM DTTを含み、最終の体積が100μLの50mMのTris−HCl緩衝液(pH7.5)で、室温で30分間培養した。このステップで、50mM Tris−HCl緩衝液と150mM NaClに加えられた1μgの発現プラスミドを、分裂したVLPsに加えた。この試料は、室温で一時間、等量のCaCl2(25mm)と20%ジメチルスルホキシド(DMSO)により希釈された。この試料は、室温で1時間10U ベンゾナーセ+プロテナーゼK(1mg/mL)で処理された。そして、プラスミドDNAの存在は、DNAプラスミドがVLPsの中にパッケージされているかどうか証明するために、アガロースゲル電気泳動法で決定された。その結果、0.5μgのDNAプラスミド(約7×1010のプラスミドのコピー)が200μLの偽ウイルスに組み込まれていた。尚、2001年3月23日に中華人民共和国のCGMCCに寄託されている(CGMCC 0546)。
【0031】
(7)電子顕微鏡
CsCl勾配から得られたそれぞれの画分20μLは、フローティングフィルターパット(孔の径0.02μm、Millipore)の上で45分間10mMのHEPESによって透析された。炭素コートされた銅グリッド(200メッシュの大きさ,EM Sciences)は2分間、20μLのポリL−リジン(1mg/mL、Sigma)で処理された。この試料は、2分間そのグリッドの上に置かれた。斑点のあるグリッドは、2分間、30μLのウラニルアセテートで染色された。過剰の染色剤は除去されて、そしてグリッドは、空気乾燥された。検体はZeiss EM 900電子顕微鏡で観察された。
【0032】
(8)マウス
6週齢〜8週齢の雌のC57BL/6系マウス(Jackson Laboratoryから購入した。)を使用した。全てのマウスは病原体フリーの状態に維持された。
【0033】
(9)免疫化
全身の免疫化のために、マウスは100μLのHPV偽ウイルス(約3.5×1010偽ウイルス又は0.25μgのプラスミド)、100μLのHPVVLPs、100μLのPBSに混合した20μgのプラスミド、100μLのIFAに混合した100μgのペプチド(LCMVgp aa 33−41)で免疫された。免疫化の14日後、五匹のマウスのグループは、100μLのBPV偽ウイルス(約3.5×1010偽ウイルス又は0.25μgのプラスミド)、100μLのBPVVLPs、20μgのプラスミド、100μLのペプチド(LCMVgp aa 33−41)で追加免疫された。粘膜の免疫化のために、マウスは100μLのPV偽ウイルス、100μLのVLPs、陰性対照として100μLのPBSに混合した20μgのプラスミドを強制栄養による経口投与によって免疫化された。そして、同じ方法で14日目にも追加免疫された。
【0034】
(10)全身性のCTLsの検出
追加免疫してから二週間の後、マウス(5グループ)は屠殺された。そして、それぞれのマウスから脾臓細胞が単離された。5%CO2、37℃で1時間、ナイロンウールカラムでインキュベーションした後に、濃縮されたT−細胞は、カラムに完全な細胞培養培地(RPMI 1640培地、10%の熱不活性化されたFCS、2mMのL−グルタミン、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシンが含まれている。)を通すことで洗浄された。細胞は、10%の熱不活性化されたFCS、2mMのL−グルタミン、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、10U/mLのIL−2、5μg/mLのE7ペプチド(aa 49−57,RAHYNIVTF,H−2Db−制限エピトープ)又はLCMV gp ペプチドが混合されたRPMI 1640培地で37℃、5%CO2で7日間培養された。特異的な細胞溶解活性は、以下の51Cr−遊離試験法によって決定された。
【0035】
(11)パイエル板と、腸間膜のリンパ節細胞の単離
マウスを屠殺した後に、腸間膜のリンパ節細胞(MLN)は腸間膜のリンパ節から分離された。そして、パイエル板を確認して小腸から取り外した。単細胞浮遊液を完全な細胞培養培地で作成した。新たに単離された腸のT−細胞は試験管内でアポトーシスを受けるための、それらの特異的な細胞溶解活性は、直ちに51Cr−遊離試験法によって決定された。
【0036】
(12)試験管内の細胞溶解測定
ターゲット細胞(RMA細胞,RMA−neo細胞,RMA−E7細胞)は37℃で1時間、51Cr(100μCi)で標識され、三回洗浄された。RMA細胞は、細胞に5μg/mLのペプチドを直接に導入することによって、ペプチドによって標識された。それからターゲット細胞(2000個の細胞/ウェル)は、異なる比(イフェクター:ターゲット)でイフェクター細胞とともに、37℃、6時間、V底の96ウェルの微量定量プレートでインキュベートされた。上澄が回収されて、γカウンター(ICN Biomedical Inc.)によって51Cr放出量を定量された。特異的な溶解が以下の計算式(数1)に従って計算された。自然発生した放出は、効果細胞が加えられていない培養培地の51Crで標識されたターゲット細胞を含む微量培養から決定された。また最大の放出は、0.5%(v/v)NP−40を有する51Crで標識されたターゲット細胞の溶解によって決定された。
【0037】
【数1】
Figure 0004511090
【0038】
(13)IFN−γ−分泌細胞のELISPOTアッセイ
田口ら(Taguchi,T.,1990.J.Immunol.Methods 128:65-73)によって述べられているELISPOTアッセイは、CD8Tリンパ球を検出するために改良された。まず、96−ウェルフィルトレーションプレート(Millpore)を抗マウスIFN−γ抗体(Pharmingen)でコートした。10%FCS、L−グルタミン、2−メルカプトエタノール、抗生物質を加えたRPMI1640培地で三倍希釈した脾臓細胞は、1×106γ−線照射(50Gy)された脾臓細胞供給装置で、10Unites/ウェルの組換えヒトIL−2(PharMingen)とともににウェルに加えられた。細胞はペプチド刺激とともに48時間培養された。培養の後、プレートは、ビオチン化された抗マウスIFN−γ抗体(Pharmingen)のインキュベーションで洗浄された。スポットは、新たに調製された基質緩衝液(0.33mg/mLの3−アミノ−9−エチル−カルバゾールと0.1M酢酸ナトリウムに添加された0.015%過酸化水素に、pH5)によって発現された。
【0039】
(14)コンフォーカル顕微鏡
組織のスライド(5〜7μm)は、10分間、2%ホルムアルデヒドが添加されて冷却されたリン酸緩衝食塩水で固定された。そして、Zeiss EM 900コンフォーカル顕微鏡で観察された。画像はZeissにより開発されたソフトウェアを使用して撮影して記録された。
【0040】
(15)統計処理
異なる二つのグループの比較は、分散分析により行った。グループ間の比較は、Duncan試験により行った。α値が0.05を有意義なデータとした。
【0041】
試験例1:PV偽ウイルスの調製
ヒトパピロマウイルス(HPV)16L1VLPs又はウシパピロマウイルス(BPV)1L1VLPsは、バキュロウイルス組換え体を使用したSpodoptera frugiperda(Sf9)昆虫細胞内で調製された。その細胞は、C端欠失のHPV16L1又はBPV1L1の一方をエンコードされた組換えバキュロウイルスによって感染された。C端欠失はPVVLPsの製造の増強作用を有する。感染から三日後、細胞は溶解され、そしてVLPsはCsClとショ糖の勾配により精製された。勾配は(一フラクション当り1mL)分割されて、それぞれのフラクション5μLは、10%ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)とウェスタン法により分析された。L1タンパク質の陽性画分は、電子顕微鏡によりVLPsの存在を確認する試験が行なわれた。VLPsを含む画分は、一時間、10mM HEPEs(pH7.5)で透析された。BPV1又はHPV16VLPs(図1a、b参照)は、EGTAとジチオスレイトール(DTT)を含む等体積の緩衝液に加えられ、室温で30分間インキュベーションされた。図1に示されるように、このようなコンディションではVLPsは完全に分裂された(図1のb、e参照)。プラスミドDNA(pCI−GLP)が加えられた。そして、その調製液はVLPs(図1c、f参照)を再生する目的でCaCl2とDMSOを加えてインキュベートした。多くのL1タンパク質はこのコンディションで再構築されるものと思われる。DNAプラスミドがVLPsの内部にパッケージされているか、またはその表面に存在するのかを決定するために、VLPsの表面のDNAを分解するために、再生の後にベンゾナーゼ(Bz)を使用した。それから、この偽ウイルスは、VLPsを破壊するために、プロテナーゼK(pK)で処理された。そして、VLPs内部のプラスミドDNAの存在は、アガロースゲル電気泳動により決定された。BzとpKで処理された偽ウイルス内にDNAプラスミドが存在していた。これにより、DNAプラスミドは、VLPsの内部に取り込まれていることが確かめられた(図2)。
【0042】
試験例2:PV偽ウイルスによるCTL反応の誘導
プラスミドDNAワクチンに比べて、PV偽ウイルスがより強いCTL反応を誘導するかどうか試験した。グリーンランタンタンパク質(GLP)が融合したリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)gp(アミノ酸33〜41)のH−2Db制限的エピトープがエンコードされたプラスミドを含むHPV−16偽ウイルス(HPV−pCI−GLP−LCMV)又はプラスミド単体(pCI−GLP−LCMV)をマウスに皮下注射することで免疫化した。pCI−GLP、HPV−16VLPs、GLP(HPV−pCI−GLP)がエンコードされた偽ウイルスは陰性対照として使用された。不完全フロインドアジュバント中のLCMV gp ペプチド(aa 33−41)は陽性対照として使用された。
免疫接種から14日後、マウスは、GLP−LCMV又はGLPがエンコードされたBPV−1偽ウイルス、pCI−GLP−LCMVプラスミド又はpCI−GLPプラスミド、VLPsBPV−1、或いはgp 33ペプチド、を皮下に追加免疫された。追加免疫から14日後、脾臓細胞が単離されて、LCMV gp 33ペプチド(aa 33−41)とともに、T−Stim培地(ConAを除く)で、1週間、37℃、5%CO2で培養した。標準的な51Cr遊離試験は、LCMVペプチド又はターゲット細胞である対照ペプチド(HPV16E7 aa 49−57)でラベルしたマウスのRMA細胞を使用したLCMV特異的CTLsを検出するために採用された。LCMVエピトープがエンコードされたPV偽ウイルスは、LCMVエピトープがエンコードされたプラスミドに比べて、より強いCTL反応を示すことが分かる(図3参照)。さらに、ELISPOT試験法により、PV偽ウイルスは、プラスミド単体に比べて、LCMVペプチドに特異的なインターフェロン(IFN)−γ−産生CD8+細胞を、3倍以上発現させることが確かめられた(表1参照)。
【0043】
【表1】
Figure 0004511090
マウスが、LCMVgp33エピトープ(aa33−41)が融合したGLPがエンコードされたプラスミドを含むHPV偽ウイルス又はGLP、VLPs単体又はプラスミドpCI−GLP−LCMV、pCI−GLP単体又はLCMVペプチド+IFA(aa33−41)によって免疫化された。それから、BPV偽ウイルス(PV)、VLPs単体又はプラスミド単体で追加免疫された。追加免疫から二週間後、脾臓のリンパ球(五匹)が抗−γ−IFN抗体でコートされたプレートでインキュベートされた。二日後、ビオチン抗−γ−IFN抗体が添加されて一晩インキュベートされた。それから、ストレプタビジン−HRPが添加された。AEC基質による発色の後、スポットがカウントされた。表の数値は、スポットの三倍±標準偏差を意味している。
【0044】
試験例3:CTL反応を誘発するためのPVVLPsのDNAワクチンのアジュバンドとしての作用
VLPsがDNAワクチンによるCTL誘導のアジュバンドとしての効果を有するかどうか試験するために、プラスミド単体(20μg)、BPVVLPs(2.5μg)とプラスミド(2.5μg)、コントロールとしてVLPs(2.5μg)単体、をマウス(一群五匹)に免疫接種した。そして、γ−IFN ELISPOTによってLCMV gp 33特異的CTLsの発現を決定した。プラスミド単体で免疫接種したグループは、LCMV gp 33エピトープが10.7±7.25(SD)/2×104脾臓細胞数観察された。一方、プラスミドに加えてVLPsを免疫接種した場合、23.35±1.26(SD)/2×104脾臓細胞数観察された。VLPs単体では特異的なT細胞は誘発されなかった。このように、プラスミドとVLPsの共同した免疫化はプラスミド単独(p<0.05)による免疫化に比べてより多くのCTLsを誘導するから、VLPsはDNAワクチンによるCTLsの発生のためのアジュバンドとなりえることが示された。
【0045】
試験例4:PV偽ウイルスの粘膜と全身のリンパ球組織に対する偽感染
粘膜及び全身のリンパ組織にPV偽ウイルスが偽感染するかどうか確認するために、GLP(PV−pCI−GLP)がエンコードされたプラスミドを含む偽ウイルスの経口投与により粘膜または全身のリンパ組織にGLPを発現するかどうかを決定した。もし、偽ウイルスが粘膜又は全身のリンパ組織に偽感染すれば、コンフォーカル顕微鏡でGLPの発現を確認することができる。C57/BL6系マウス(一群五匹)にHPV又はBPV偽ウイルス(HPV−pCI−GLP又はBPV−pCI−GLP)、VLPs単体(HPVVLPs又はBPVVLPs)、又はプラスミド単体(pCI−GLP)を与えた。与えてから1日後又は7日後に、マウスを屠殺した。小腸、直腸、脾臓、腸間膜リンパ節(MLN)、筋肉を直ぐに取り出して凍結した。切り取った組織を作成して、そしてGLP反応をコンフォーカル顕微鏡で決定した。一日後(図4A参照)及び七日後にパイエル板、粘膜固有層、直腸、脾臓、MLNにGLPが発現していることが確認された。PV偽ウイルスが皮下注射により与えられた場合、GLPの発現は、リンパ節の排泄管、脾臓で確認されたが、筋肉では確認できなかった(図4B参照)。偽ウイルスによる誘発された細胞であるかどうかを決定するために、CD11b、CD11c、CD3、CD19に対するPEで標識された抗体により組織を染色した。そして、GLPと共存しているかどうかで決定した。CD11b+、CD11c+細胞はGLPと共存していた(図5参照)。これにより、マクロファージ及び樹状突起細胞が、PV偽ウイルスによって偽感染することが確かめられた。一方、CD3+、CD19+細胞はGLPと共存していなかった。
【0046】
試験例5:PV偽ウイルスの経口投与による粘膜又は全身性のリンパ組織の特異的なCTLsの誘発
PV偽ウイルスの経口投与が粘膜又は全身性のCTL反応を誘発するかどうかを確認するために、全身にCTL反応を効果的に誘発することで知られているHPV16E7変異体がエンコードされたプラスミドを使用した。マウス(C57/BL6系、一群五匹)はE7変異体(HPV−pCMV−E7)がエンコードされたHPV−16偽ウイルス、E7変異体(pCMV−E7)がエンコードされたプラスミド、HPV−16VLPs単体が入った餌が与えられた。餌が与えられてから14日後、E7変異体(BPV−pCMV−E7)がエンコードされたBPV−1偽ウイルス、プラスミドpCMV−E7、BPV−1VLPs単体によりマウスは追加免疫された。追加免疫されてから14日後、MLN、パイエル板、脾臓が単離された。MLNとパイエル板からのリンパ球は直ちにE7−特異的CTLsが検出された。脾臓由来のリンパ球は、1週間、E7ペプチド(aa49−57,RAHYNIVTF)で刺激された。標準的な51Cr遊離試験法を行った。PV−pCMV−E7が経口投与されたマウスのT細胞は、E7発現ターゲット細胞に対する粘膜および全身性のCTL反応を有することが分かった(図6参照)。プラスミド単体またはPVVLPsによる経口投与による免疫化は、E7−特異的CTL反応を誘発しなかった。偽ウイルスは、皮下注射による免疫化では、粘膜の免疫反応を誘発しなかった。
【0047】
試験例6:PV偽ウイルスの経口投与による免疫化
可溶性タンパク質の経口投与では、全身の耐性を誘発することが知られている。経口投与によって、PV偽ウイルスが全身の耐性を誘発するかどうか試験を行った。マウス(C57/BL6系、一群五匹)に、HPV−pCMV−E7、pCMV−E7、HPVVLPs単体を与えた。経口投与から14日後、BPV−pCMV−E7を皮下注射した。脾臓のT細胞が単離され、そして、T−stim培地(ConAなし)で、5%CO2、37℃の条件下で一週間、E7タンパク質とともにインキュベートされた。標準的な51Cr遊離試験を行ったところ、RMA−E7、RMA−neoをターゲット細胞として使用した場合、特異的なCTLsが検出された。三グループの全てのマウスは、RMA−E7に対するCTLsを有していた。しかし、RMA−neoに対しては有していなかった。(図7参照)
【0048】
試験例7:PV偽ウイルスの経口投与による粘膜感染に対する免疫性
PV偽ウイルスの経口投与によって、粘膜防御を誘発するかどうかを試験した。E7がエンコードされたHPV−16偽ウイルスを用いてマウスを免疫化した。そして、GLP−E7でエンコードされたBPV−1偽ウイルスを感染させた。もしHPV−16偽ウイルスが防御免疫反応を誘発するのであれば、粘膜の免疫系はBPV−1偽ウイルス感染細胞を駆除することができるのではないかと考えた。そのような反応はコントロールの免疫化された場合よりもHPV−16偽ウイルスで免疫化された場合のウサギの組織におけるGLPの発現が少ないこと又はないことによって検出することができる。HPV−pCMV−E7、pCMV−E7、HPV−16VLPsをマウス(一群五匹)に与えた。経口投与の後、十四日後、HPV−pCMV−E7、pCMV−E7単体、HPV−16VLPsで追加免疫された。追加免疫の後14日後、全ての三グループが、GLP−E7溶解タンパク質をエンコードするBPV−1偽ウイルスにより感染させた。一日後、マウスが屠殺された。そしてパイエル板におけるGLP発現が決定された。GLP発現は、PV偽ウイルス(それぞれの顕微鏡の範囲に平均4緑スポット±1)で免疫化されたマウスのパイエル板では、VLP(それぞれの顕微鏡の範囲に平均20緑スポット±3)又はプラスミド(それぞれの顕微鏡の範囲に平均21緑スポット±4)で免疫化された場合に比べて著しく少なかった(p<0.05)(図8参照)。
【0049】
試験例8
LCMV gp aa33−41がエンコードされたプラスミドがパッケージされたウシパピロマウイルスウイルス様粒子(BPVVLPs)からなる偽ウイルス40μgをB6マウス(12ヶ月齢、3ヶ月齢)に経口投与して免疫化した。いくつかのグループのマウスは、PV偽ウイルス−LCMV(PV偽ウイルスはIL−2がエンコードされている)で免疫化された。マウスは二週間後に追加免疫された。ターゲット細胞としてRMA細胞を使用した51Cr遊離試験により、LCMV gp aa33−41に対する全身性及び粘膜における細胞傷害性T−細胞反応を試験するために、追加免疫から二週間後に、脾臓と粘膜リンパを単離した。さらに、ELISAによって、血清イムノグロブリンg(IgG)及びVLPsに特異的な腸の分泌型IgAを測定した。さらに、ELISPOTによるマウスの免疫化に従って、IL−2、IL−4、IFN−γ、TGF−βのような全身および粘膜性のT細胞インターロイキン産生を測定した。また、3H−細胞の取り込みによって、ヘルパーT細胞の増殖を測定した。以下、この試験例について詳細に説明する。尚、図9〜14中のpsvはPV偽ウイルスのことである。
【0050】
試験例8−1
高齢(12ヶ月齢)B6マウスと若い(3ヶ月齢)B6マウスは、(IL−2エンコードされたPV偽ウイルス又はPBSが加えられた又は加えられていない)100μLのPBSに溶解された40μgのBPV偽ウイルスにより免疫化された(一群5匹)。二週間後、マウスは屠殺されて、小腸は洗浄されて、トリプシン阻害剤で処理された。200ng/100μL/ウェルのBPVVLPs、コントロールとしてのPBSが、室温で96ウェルプレートで培養された。ブロッキング緩衝液が室温で一時間インキュベーションされた。そして、糞抽出物が100μL/ウェルのプレートごとに異なる濃度でインキュベーションされた。糞抽出物は洗浄され、そして、抗−IgA抗体がウェルに添加されて室温で1〜2時間インキュベーションされ、洗浄された。第二の抗体であるHRPは5000倍に希釈されて100μL/ウェルで30分間インキュベートされた。洗浄され、発色緩衝液が添加され、2N H2SO4の添加により反応が停止された。糞抽出物の異なる濃度におけるELISAによるODの平均値の結果に示した。
【0051】
結果を図9に示す。図9に示される結果の通り、高年齢のマウスにおいて、PV偽ウイルスの経口投与では最小限の分泌型IgA反応を誘発した。一方、高年齢のマウスにおいて、IL2がエンコードされたPV偽ウイルスの存在下で、強力な分泌型IgAを発現した。
【0052】
試験例8−2
高齢(12ヶ月齢)B6マウスと若い(3ヶ月齢)B6マウスは、(IL−2エンコードされたPV偽ウイルスが加えられた又は加えられていない)100μLのPBSに溶解された40μgのBPV偽ウイルスが与えられた(一群5匹)。二週間後、マウスは屠殺されて、血液が回収された。100μL/ウェル当たり200ngのBPVVLPs又はコントロールとしてのPBSが、室温で一晩、96ウェルプレートで培養された。ブロッキング緩衝液が室温で一時間インキュベーションされた。血清のサンプルが、100μL/ウェルに異なる濃度で加えられてインキュベーションされた。血清は洗浄され、ウェルに抗マウスIgGが加えられて、室温で1〜2時間インキュベーションされた。そして洗浄された。第二の抗体であるHRPが、5000倍希釈されて100μL/ウェルで30分間インキュベーションされた。そして、洗浄され、発色緩衝液が添加され、反応が2N H2SO4を加えることで停止された。異なる濃度で添加された血清のOD(ELISA)の平均を測定した。
【0053】
結果を図10に示す。図10に示される結果の通り、PV偽ウイルスの経口投与は最小のIgG反応を誘導した。しかし、高齢のマウスにおいてIL2がエンコードされたPV偽ウイルスの存在下で強力な全身性のIgGを誘導した。
【0054】
試験例8−3
高齢(12ヶ月齢)B6マウスと若い(3ヶ月齢)B6マウス(一群5匹)は、PV偽ウイルス−IL−2とともに或いはPV偽ウイルス−IL−2なしで、40μgのLCMV gp aa33−41がエンコードされたPV偽ウイルスが経口投与された。二週間後、追加免疫された。追加免疫から二週間後、マウスは屠殺されて、粘膜固有層とパイエル板のリンパ球が回収された。ターゲット細胞である、RMA細胞が37℃で1時間、51Crでラベリングされ、三回洗浄された。一部のRMA細胞には、さらに、LCMV gp aa33−41ペプチドを5μg/mL直接与えることでラベリングした。ターゲット細胞(2000細胞/ウェル)はイフェクター細胞(イフェクター:ターゲット細胞の比が異なるように添加して)とともに、96ウェルのV字底マイクロタイタープレートで37℃、6時間、インキュベーションされた。上清が回収されて51Cr放出をγ−カウンターで測定した。結果を図11に示す。尚、図11中の横軸はイフェクターとターゲット細胞の比である。
【0055】
図11に示されるとおり、PV偽ウイルスの経口投与は高齢のマウスで最小の粘膜性のCTL反応を誘導する。しかし、IL−2エンコードされたPV偽ウイルスの存在で強力なCTL反応を誘発することができる。
【0056】
試験例8−4
高齢(12ヶ月齢)B6マウスと若い(3ヶ月齢)B6マウス(一群5匹)は、PV偽ウイルス−IL−2とともに或いはPV偽ウイルス−IL−2なしで、40μgのLCMV gp aa33−41がエンコードされたPV偽ウイルスが経口投与された。二週間後、追加免疫された。追加免疫から二週間後、マウスは屠殺されて、脾臓のリンパ球が回収された。ターゲット細胞である、RMA細胞が37℃で1時間、51Crでラベリングされ、三回洗浄された。一部のRMA細胞には、さらに、LCMV gp aa33−41ペプチドを5μg/mL直接与えることでラベリングした。ターゲット細胞(2000細胞/ウェル)はイフェクター細胞(エフェクター:ターゲット細胞の比が異なるように添加して)とともに、96ウェルのV字底マイクロタイタープレートで37℃、6時間、インキュベーションされた。上清が回収されて51Cr放出をγ−カウンターで測定した。結果を図12に示す。尚、図12中の横軸はイフェクターとターゲット細胞の比である。
【0057】
図12に示されるとおり、PV偽ウイルスの経口投与は高齢のマウスで最小の粘膜性のCTL反応を誘導する。しかし、IL−2エンコードされたPV偽ウイルスの存在で強力なCTL反応を誘発することができる。
【0058】
試験例8−5
高齢(12ヶ月齢)B6マウスと若い(3ヶ月齢)B6マウスは、PV偽ウイルス−IL−2とともに或いはPV偽ウイルス−IL−2なしで、PV偽ウイルス−LCMVが経口投与された。二週間後、追加免疫された。追加免疫から二週間後、マウスは屠殺されて、粘膜固有層とパイエル体のリンパ球が回収された。通常のB6マウスからの脾臓のフィーダー細胞が単離されて照射された。粘膜細胞は異なるVLPsの投薬量で培養された。そして脾臓フィーダー細胞により照射された。インキュベーションから三日後、細胞は16時間H3−チミジンで適用された。そしてH3−チミジンの取り込みを測定した。PV偽ウイルス−LCMVで免疫化された高齢マウスからのTヘルパー細胞の増殖は、若いマウスのそれと比較すると、減少した。対照的に、PV偽ウイルス−LCMV+PV偽ウイルス−IL−2で免疫化された高齢マウスのTヘルパー細胞の増殖は、PV偽ウイルス−LCMV単体で免疫化された高齢マウスのそれと比較すると有意な回復を見せた。結果を表2に記載する。表2の結果は、それぞれ一群当り、五匹の平均値(CPM)である。
【0059】
【表2】
Figure 0004511090
【0060】
表2の結果の通り、高齢のマウスにおける粘膜のTヘルパー細胞の増殖は減少するが、IL−2エンコードされたPV偽ウイルスの経口投与により、増殖反応が回復することが分かる。
【0061】
試験例8−6
高齢(12ヶ月齢)B6マウスと若い(3ヶ月齢)B6マウスは、PV偽ウイルス−IL−2とともに或いはPV偽ウイルス−IL−2なしで、PV偽ウイルス−LCMVが経口投与された。二週間後、追加免疫された。追加免疫から二週間後、マウスは屠殺されて、脾臓のリンパ球が回収された。通常のB6マウスからの脾臓のフィーダー細胞が単離されて照射された。T細胞は異なるVLPsの投薬量で培養された。そして脾臓フィーダー細胞で照射された。インキュベーションから三日後、細胞は16時間H3−チミジンで適用された。そしてH3−チミジンの取り込みを測定した。PV偽ウイルス−LCMVで免疫化された高齢マウスからのTヘルパー細胞の増殖は、若いマウスのそれと比較すると、減少した。対照的に、PV偽ウイルス−LCMV+PV偽ウイルス−IL−2で免疫化された高齢マウスのTヘルパー細胞の増殖は、PV偽ウイルス−LCMV単体で免疫化された高齢マウスのそれと比較すると有意な回復を見せた。結果を表3に記載する。表3の結果は、それぞれの群当り、3匹の平均値(CPM)である。
【0062】
【表3】
Figure 0004511090
【0063】
表3の結果の通り、高齢のマウスにおける全身性のTヘルパー細胞の増殖は減少するが、IL−2エンコードされたPV偽ウイルスの経口投与により、増殖反応が回復することが分かる。
【0064】
試験例8−7
高齢(12ヶ月齢)B6マウスと若い(3ヶ月齢)B6マウスは、PV偽ウイルス−IL−2とともに、或いはなしで、PV偽ウイルス−LCMVが経口投与された。二週間後、追加免疫された。追加免疫から二週間後、マウスは屠殺されて、粘膜固有層とパイエル体のリンパ球が回収された。そして、IL−2、IL−4、IFN−γ、TGF−βに対する抗体がコートされた96ウェルプレートで、120μg/mLのVLPで刺激された。脾臓細胞が単離され、照射されて、37℃で48時間、粘膜細胞とともにインキュベートされた。このプレートは洗浄され、抗−マウスIL−2,IL−4,IFN−γ,TGF−βでラベルされたビオチンが加えられて、4℃で一晩培養された。このプレートは洗浄されて、ストレプタビジンとペルオキシダーゼ結合体が加えられ、AECペロオキシダーゼの基質が加えられ、そしてプレートは二回洗浄された。結果を図13に記載する。図13の結果は、一サンプル三回、一群三匹からの100×103粘膜細胞当りのT−細胞のサイトトキシン産生の平均値を示している。
【0065】
図13に示されるとおり、高齢および若いマウスにおける粘膜のサイトトキシンの生産は、偽ウイルスのワクチン投与に従うことが分かる。
【0066】
試験例8−8
高齢(12ヶ月齢)B6マウスと若い(3ヶ月齢)B6マウスは、PV偽ウイルス−IL−2とともに、或いはなしで、PV偽ウイルス−LCMVが経口投与された。二週間後、追加免疫された。追加免疫から二週間後、マウスは屠殺されて、脾臓のリンパ球が回収された。そして、IL−2,IL−4,IFN−γ,TGF−βに対する抗体がコートされた96ウェルプレートで、120μg/mLのVLPで刺激された。脾臓細胞が単離され、照射されて、37℃で48時間、脾臓のリンパ球とともにインキュベートされた。このプレートは洗浄され、抗−マウスIL−2,IL−4,IFN−γ,TGF−βでラベルされたビオチンが加えられて、4℃で一晩培養された。このプレートは洗浄されて、ストレプタビジンとペルオキシダーゼ結合体が加えられ、AECペロオキシダーゼの基質が加えられ、そしてプレートは二回洗浄された。結果を図14に記載する。図14の結果は、一サンプル三回、一群三匹からの100×103粘膜細胞当りのT−細胞のサイトトキシン生産の平均値を示している。
【0067】
図14に示されるとおり、高齢および若いマウスにおける全身性のサイトトキシンの生産は、偽ウイルスのワクチン投与に従うことが分かる。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明のDNAプラスミドワクチン用アジュバンドは、DNAワクチン単体の投与による免疫化に比べて、より強力なCTL反応を引き起こすことができる。また、パピロマウイルス偽ウイルスは、経口的な投与で免疫反応を誘発することができる。従って、この偽ウイルスは、ウイルスの感染や粘膜の腫瘍などの様々な疾病の治療及び予防に効果を発揮する。またパピロマウイルス偽ウイルスは、経口投与によって、パイエル板、粘膜固定層、脾臓に到達することができ、全身性の免疫化によって、プラスミドDNAワクチンよりも強力なCTL反応を誘導することができる。
【0069】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> Liang Qiao; Wei Shi
<120> PAPILLOMA PSEUDO-VIRUS AND PREPARATION
<160> 2
<150> CN 01118003.X
<210> 1
<211> 28
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 1
gccaccatga gcaagggcga ggaactgt 28
<210> 2
<211> 69
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 2
tcaacaggtg gcaaaattgt agacagcctt agatccgccg ccaccgccac ccttgtacag 60
ctcgtccat 69
【図面の簡単な説明】
【図1】 BPV−1L1又はHPV−16L1由来のVLPs、EGTA−及びGTT−粉砕されたVLPs、偽ウイルスの電子顕微鏡写真である。VLPsはEGTAとDTTにより粉砕されて、pCI−GLPプラスミドが加えられた。VLPsはPV偽ウイルスを形成するためにCaCl2の濃度を高めると再構築された。
(a)は、BPVVLPs、(b)は、粉砕されたBPVVLPs、(c)はBPV偽ウイルス、(d)はHPVVLPs、(e)は粉砕されたHPVVLPs、(f)はHPV偽ウイルスである。倍率は84,000倍である。
【図2】 PVVLPsによりカプシドに包まれたプラスミドpCI−GLPDNAである。ベンゾナーゼ(Bz)とプロテナーゼK(pK)により消化された後にPV偽ウイルス中のパッケージされたプラスミドDNAの電気泳動である。この偽ウイルスは、DNAプラスミドがVLPs中に取り込まれているかを証明するために、VLPsの表面のDNAを消化するためにBzとpKにより処理された。1μgのプラスミドDNAが偽ウイルスを作成するために使用された。そして、ベンゾナーゼとプロテナーゼKによる200μgの偽ウイルスの消化の後、0.5μgのプラスミドが残った。
【図3】 PV偽ウイルスは、DNAワクチンに比べて、強力なlcmv−特異的CTL反応を誘発する。マウスは、融合タンパク質GLP−LCMV gp33エピトープ(aa33−41)又はGLPがエンコードされたプラスミドが入った偽ウイルス、VLPs単体又はプラスミド単体(pCI−GLP−LCMV又はpCI−GLP)、パネルごとに示されたIFA中でLCMV gpペプチド(aa33−41)、が皮下注射された。51Cr−遊離試験法は、脾臓のリンパ組織におけるLCMV gp33エピトープ特異的CTLsを決定するために採用された。ターゲット細胞(RMA)は、LCMVペプチド(aa33−41)又はコントロールペプチド(HPV16E7aa49−57)がパルスされた。このデータは、平均±標準偏差(特異的な溶解の%)を示している(一群5匹のマウス)。
【図4】 経口投与により、PV偽ウイルスは、腸粘膜または全身性のリンパ組織に偽感染する。
A:GLPがエンコードされたHPV偽ウイルス又はBPV偽ウイルスは、マウスに経口投与された。GLP発現はコンフォーカル顕微鏡によって示された組織によって決定された。GLPは小腸及び大腸の粘膜固有層、パイエル板、腸間膜リンパ節、直腸、脾臓において発見された。しかしながら筋肉では発見されなかった。これはHPV偽ウイルスの投与されたマウスのデータを示している。
B:GLPがエンコードされたBPV偽ウイルス又はHPV偽ウイルスがマウスに皮下注射された。GLP発現は、排出リンパ節、脾臓で発見されたが、粘膜では発見されなかった。BPV偽ウイルスの投与されたマウスからのデータを示している。直線は5〜10μmを示している。
【図5】 GLPがエンコードされたPV偽ウイルスの経口投与されたマウスの粘膜組織のGLP発現により、腸のCD11b−、CD11c−陽性細胞が突き止められた。GLPがエンコードされた偽ウイルスの経口投薬から一日後、マウスの粘膜組織は取り除かれ、抗マウスCD11b−又はCD11c−抗体で染色された。PEラベルされた第二抗体は洗浄の後に使用された。粘膜組織におけるGLP、CD11b、CD11cの発現は、共焦点顕微鏡によって決定された。粘膜固有層(矢印で示す。)におけるGLP(緑色)、CD11c(パネルA中の赤色)、CD11b(パネルB中の赤)の発現が示されている。
【図6】 E7がエンコードされたPV偽ウイルスの経口投与は、粘膜と全身性のE7特異的CTLsを誘導した。E7ミュータント、VLPs単体、プラスミド単体、がエンコードされたプラスミドを有するHPV16偽ウイルスの経口投与によりマウスが免疫化された。そして、これらは、BPV偽ウイルス、VLPs単体、プラスミド単体、で追加免疫された。
(a)パイエル板と腸間膜リンパ節は単離されて、直ぐに試験管内における再刺激なしのE7−特異的CTLsを試験するために使用された。51Cr遊離反応が、E7特異的CTLsを決定するために使用された。ターゲット細胞はE7抗体を発現したRMA−E7又はRMA−neo(陰性対照細胞)であった。RMAE7とRMAneoは、比較できるMHCクラスIレベルを発現した。プラスミド又はVLPsが与えられたマウスからのリンパ細胞は、RMA−E7細胞を溶解しなかった。
(b)脾臓のリンパ球は単離されて、試験管内でE7ペプチド(aa49−57)とともに再刺激された。51Cr遊離試験は、E7特異的CTLsを決定するために使用された。ターゲット細胞(RMA)は、E7ペプチド(aa49−57)又はコントロールペプチドでパルスされた。このデータは平均±標準偏差(一群五匹の特異的溶解の%)を示す。
【図7】 PV偽ウイルスの経口投与は全身性の耐性を誘発しない。マウスはHPV16E7がエンコードされたプラスミドを有するHPV16偽ウイルス、VLPs単体、プラスミド単体を経口投与された。それから、マウスはE7タンパク質がエンコードされたBPV偽ウイルス(PV)で全身性の免疫化をされた。脾臓のリンパ球は単離されて、試験管内でE7ペプチド(aa49−57)で再刺激された。51Cr遊離試験法は、E7特異的CTLsの存在を決定するために採用された。ターゲット細胞(RMA)は、E7ペプチド(aa49−57)、コントロールペプチドでパルスされた。このデータは平均±標準偏差(一群5匹のマウス特異的溶解%)を示している。
【図8】 偽ウイルスの経口投与は粘膜の攻撃に対してマウスを保護することができた。マウスはE7がエンコードされたプラスミドを持つHPV16偽ウイルス、VLP単体、プラスミド単体を経口投与された。そして、同様の方法で14日後に追加免疫された。28日目にマウスの全ての3群が、GLP−E7融合タンパク質がエンコードされたBPV偽ウイルスで経口的な攻撃をされた。一日後、マウスはパイエル板におけるGLP発現を決定するために屠殺された。GLP発現は、VLP又はプラスミドで免疫化されたマウスに比べて、偽ウイルスで免疫化されたマウスからのパイエル板では、著しく少なかった。
【図9】 試験例8−1の結果を示すグラフである。
【図10】 試験例8−2の結果を示すグラフである。
【図11】 試験例8−3の結果を示すグラフである。
【図12】 試験例8−4の結果を示すグラフである。
【図13】 試験例8−5の結果を示すグラフである。
【図14】 試験例8−6の結果を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 少なくとも、以下の工程からなるパピロマウイルス偽ウイルスからなる、粘膜免疫反応の誘導を増強するための、経口投与用DNAプラスミドワクチン用アジュバンの調製方法。
    (a)パピロマウイルスウイルス様粒子を発現する細胞系において、ヒトパピロマウイルス16L1生成物又はウシパピロマウイルス1L1生成物を発現する工程。
    (b)発現したパピロマウイルスウイルス様粒子がプラスミドを包膜することができる条件を提供して、プラスミドをパピロマウイルスウイルス様粒子中に包膜してパピロマウイルス偽ウイルスを生成する工程であって、当該プラスミドがインターロイキン−2遺伝子を担持しており、以下の工程を含む工程。
    (i)ヒトパピロマウイルス16L1生成物又はウシパピロマウイルス1L1生成物を溶解緩衝液に混合する工程であって、前記溶解緩衝液がEGTA、DTT、NaCl、Tris−HClを含む工程。
    (iiプラスミドを加える工程。
    (iii)停止緩衝液を加える工程であって、前記停止緩衝液がCaClびDMSOを含む工程。
    (c)(b)工程の生成物の中からパピロマウイルス偽ウイルスを分離する工程。
JP2001321828A 2001-05-15 2001-10-19 Dnaプラスミドワクチン用アジュバンド及びその調製方法 Expired - Fee Related JP4511090B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN01118003A CN1114690C (zh) 2001-05-15 2001-05-15 乳头瘤假病毒及其制备方法
CN01118003.X 2001-05-15

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007124042A Division JP4472724B2 (ja) 2001-05-15 2007-05-09 パピロマウイルス偽ウイルス及びその調製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003024058A JP2003024058A (ja) 2003-01-28
JP4511090B2 true JP4511090B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=4662911

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001321828A Expired - Fee Related JP4511090B2 (ja) 2001-05-15 2001-10-19 Dnaプラスミドワクチン用アジュバンド及びその調製方法
JP2007124042A Expired - Fee Related JP4472724B2 (ja) 2001-05-15 2007-05-09 パピロマウイルス偽ウイルス及びその調製方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007124042A Expired - Fee Related JP4472724B2 (ja) 2001-05-15 2007-05-09 パピロマウイルス偽ウイルス及びその調製方法

Country Status (4)

Country Link
US (3) US6878541B2 (ja)
JP (2) JP4511090B2 (ja)
CN (1) CN1114690C (ja)
WO (1) WO2002092796A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1114690C (zh) 2001-05-15 2003-07-16 乔良 乳头瘤假病毒及其制备方法
US20120164173A1 (en) * 2001-05-15 2012-06-28 Liang Qiao Papilloma Pseudovirus and Preparation
CA2604909A1 (en) 2005-04-15 2006-10-26 The Government Of The United States Of America, As Represented By The Se Cretary, Department Of Health And Human Services Methods and compositions for producing an enhanced immune response to a human papillomavirus immunogen
HUE030437T2 (en) 2007-05-08 2017-05-29 Us Health Papillomavirus pseudoviruses for detection and therapy of tumors
CN107252489A (zh) 2009-04-13 2017-10-17 法国健康和医学研究院 Hpv颗粒及其用途
WO2011039646A2 (en) 2009-09-30 2011-04-07 Inserm (Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale) Papilloma virus -like particles for targeted gene delivery
WO2011053675A2 (en) 2009-10-30 2011-05-05 Cns Therapeutics, Inc. Improved neurturin molecules
WO2013119877A1 (en) 2012-02-07 2013-08-15 Aura Biosciences, Inc. Virion-derived nanospheres for selective delivery of therapeutic and diagnostic agents to cancer cells
EP2814514B1 (en) 2012-02-16 2017-09-13 Atyr Pharma, Inc. Histidyl-trna synthetases for treating autoimmune and inflammatory diseases
ES2729841T3 (es) 2013-09-18 2019-11-06 Aura Biosciences Inc Conjugados de partículas similares a virus para tratar tumores
EP3368077A4 (en) 2015-10-30 2019-10-16 Aleta Biotherapeutics Inc. COMPOSITIONS AND METHODS OF TUMOR TRANSDUCTION
CA3003728A1 (en) 2015-10-30 2017-05-04 The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Targeted cancer therapy
AU2016343809B2 (en) 2015-10-30 2022-08-04 Aleta Biotherapeutics Inc. Compositions and methods for treatment of cancer
US10751398B2 (en) * 2016-10-07 2020-08-25 Loyola University Chicago Inflammasome activators and methods of use to treat tumors
MY202196A (en) 2017-06-23 2024-04-16 Verimmune Inc Chimeric virus-like particles and uses thereof as antigen-specific redirectors of immune responses
EP3706783A1 (en) 2017-11-06 2020-09-16 The United States of America, as represented by the Secretary, Department of Health and Human Services Cancer treatment utilizing pre-existing microbial immunity
US11946048B2 (en) 2017-11-14 2024-04-02 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Non-human papillomaviruses for gene delivery in vitro and in vivo
CN113396155A (zh) 2018-12-27 2021-09-14 维伊木恩股份有限公司 偶联病毒样颗粒及其作为抗肿瘤免疫重定向剂的用途

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19526752C2 (de) * 1995-07-21 1997-08-07 Lutz Prof Dr Gissmann Hocheffiziente Bildung von Papillomavirusähnlichen Partikeln
FR2749323B1 (fr) * 1996-06-04 1998-07-10 Pasteur Merieux Serums Vacc Pseudo-particules virales utiles en tant que vecteur de delivrance d'acide nucleique
CA2257822A1 (en) * 1996-07-17 1998-01-22 The Government Of The United States Of America, Represented By The Secre Tary, Department Of Health And Human Services Infectious papillomavirus pseudoviral particles
DK1015561T3 (da) * 1997-09-05 2006-11-13 Medimmune Inc In vitro-fremgangsmåde til adskillelse/gensamling af papillomavirus-lignende partikler (VLP'er)
GB9806666D0 (en) * 1998-03-27 1998-05-27 Stanley Margaret Antigen preparation and use
CN1241636A (zh) * 1999-07-05 2000-01-19 第一军医大学珠江医院 抗hpv16e6核酶质粒及其在人乳头瘤病毒与肿瘤治疗中的应用
GB0007231D0 (en) * 2000-03-24 2000-05-17 Chiron Spa Modified rna for gene delivery
CN1114690C (zh) * 2001-05-15 2003-07-16 乔良 乳头瘤假病毒及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2002092796A1 (fr) 2002-11-21
US20100255027A1 (en) 2010-10-07
CN1114690C (zh) 2003-07-16
JP2007211026A (ja) 2007-08-23
US20050142115A1 (en) 2005-06-30
US20030129728A1 (en) 2003-07-10
CN1333338A (zh) 2002-01-30
JP2003024058A (ja) 2003-01-28
US8129144B2 (en) 2012-03-06
US7205126B2 (en) 2007-04-17
JP4472724B2 (ja) 2010-06-02
US6878541B2 (en) 2005-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4472724B2 (ja) パピロマウイルス偽ウイルス及びその調製方法
US7097843B2 (en) Immunogenic peptides from the HPV E7 protein
Kirnbauer et al. Virus-like particles of bovine papillomavirus type 4 in prophylactic and therapeutic immunization
Shi et al. Papillomavirus pseudovirus: a novel vaccine to induce mucosal and systemic cytotoxic T-lymphocyte responses
Jochmus et al. Chimeric virus-like particles of the human papillomavirus type 16 (HPV 16) as a prophylactic and therapeutic vaccine
Schiller Papillomavirus-like particle vaccines for cervical cancer
US7754430B2 (en) Papilloma virus capsomere vaccine formulations and methods of use
CA2305683C (en) Immunogenic peptides from the hpv e7 protein
US6458368B1 (en) Attenuated microorganism strains expressing HPV proteins
Da Silva et al. Effect of preexisting neutralizing antibodies on the anti-tumor immune response induced by chimeric human papillomavirus virus-like particle vaccines
Fernando et al. Th2-type CD4+ cells neither enhance nor suppress antitumor CTL activity in a mouse tumor model
AU9015498A (en) In vitro method for disassembly/reassembly of papillomavirus virus-like particles (VLPs)
EP1018555A2 (en) Chimeric papilomavirus-like particles
US6020309A (en) Pharmaceuticals based on papillomaviruses
HUT76354A (en) Papillomavirus vaccines
Dupuy et al. Cell mediated immunity induced in mice by HPV 16 L1 virus-like particles
JPH08308575A (ja) 組換アデノウイルス
Oh et al. Enhanced mucosal and systemic immunogenicity of human papillomavirus-like particles encapsidating interleukin-2 gene adjuvant
JP2002516291A (ja) パピローマウイルス・ウイルス様粒子による経口免疫感作
US20020197668A1 (en) Papilloma virus capsomere vaccine formulations and methods of use
US6458362B1 (en) Recombinant VP2 parvoviral pseudo-particles encoding CTL or T-helper cell epitopes
KR100904844B1 (ko) 인유두종 바이러스(hpv)유전자를 포함하는자궁경부암의 치료 또는 예방용 dna 백신
US20040081661A1 (en) Papillomavirus truncated L1 protein and fusion protein constructs
KR20020047195A (ko) 백신
Hu et al. Protective cell-mediated immunity by DNA vaccination against papillomavirus L1 capsid protein in the cottontail rabbit papillomavirus model

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040623

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060116

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20060414

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20060419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060713

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070620

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070706

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070711

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20071109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100329

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100506

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees