JP4511002B2 - 半導体素子収納用パッケージの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザーダイオードやフォトダイオード等の半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばレーザーダイオードやフォトダイオード等の半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージは、図5に断面図で、図6に一部の部材を除く上面図で示すように、主として酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成り、上面に半導体素子14を収容するための凹部11aを有する略四角箱状のパッケージ本体11と、このパッケージ本体11の下面の一端側に取着された複数の外部リード端子12bを有するリードフレーム12と、パッケージ本体11の上面に接合される蓋体13とから構成されている。
【0003】
パッケージ本体11の凹部11a底面の中央部には半導体素子14を搭載するための搭載部11bが設けられており、この搭載部11bには半導体素子14を接合するための下地金属としてのダイアタッチメタライズ層15が被着形成されている。そして、このダイアタッチメタライズ層15上には半導体素子14が金−シリコンろう等のろう材を介して固着される。さらに、パッケージ本体11の凹部11a外周部から下面の一端側にかけては、搭載部11bに搭載される半導体素子14の電極をパッケージ本体11の外側に電気的に導出するための複数のメタライズ配線導体16が配設されており、このメタライズ配線導体16の凹部11a内の端部には半導体素子14の電極がボンディングワイヤー17を介して電気的に接続される。また、メタライズ配線導体16でパッケージ本体11の下面の一端側に導出した部位は、外部リード端子12bを接合するためのメタライズパッド16aを形成しており、このメタライズパッド16aにリードフレーム12の外部リード端子12bがろう付けされている。
【0004】
リードフレーム12は、鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成り、外部リード端子12bの一端部がメタライズパッド16aに銀−銅ろう等のろう材を介してろう付けされることによりパッケージ本体11に取着されており、他端部が外部リード端子12bと一体に形成されたタイバー12aによって連結されることにより各外部リード端子12bが一定の間隔に保持されている。外部リード端子12bは、パッケージ本体11の搭載部11bに搭載される半導体素子14の各電極を外部の電気回路に電気的に接続するための外部接続用端子として機能し、パッケージ本体11の搭載部11bのダイアタッチメタライズ層15に半導体素子14を固着するとともにこの半導体素子14の各電極とメタライズ配線導体16とをボンディングワイヤー17を介して電気的に接続した後、タイバー12aを切除して各外部リード端子12bを電気的に独立させ、その後、これを外部電気回路基板の配線導体に半田等の導電性接続手段を介して接続することによりパッケージ本体11の搭載部11bに搭載された半導体素子14が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0005】
また、パッケージ本体11の上面には鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る金属枠体18が取着されており、この金属枠体18上に蓋体13がシームウエルド法等の溶接により接合される。蓋体13は、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属から成る窓枠13aにガラスやサファイア等の透光性材料から成るレンズ13bが嵌着されて成り、金属枠体18上に接合されることによりパッケージ本体11との間に半導体素子14を気密に封止するとともにレンズ13bを透して外部と半導体素子14との間での光信号の授受を可能とする。
【0006】
ところで、この従来の半導体素子収納用パッケージにおいて、パッケージ本体11の搭載部11bに半導体素子14を搭載するには、リードフレーム12が取着されたパッケージ本体11をヒーターブロック上に載置するとともにパッケージ本体11の外周縁の少なくとも2つの角部を上方から画像認識装置で認識し、その画像認識データを基に半導体素子14をパッケージ本体11の外周縁角部に対して所定の位置関係となるようにダイアタッチメタライズ層15上に金−シリコンろう等のろう材を挟んで搭載し、これをヒーターブロックで加熱することにより半導体素子14とダイアタッチメタライズ層15とを金−シリコンろう等のろう材を介して接合する方法が採用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の半導体素子収納用パッケージによると、外部リード端子12bがパッケージ本体11の下面の一端側のみに取着されていることから、このパッケージをヒーターブロック上に載置した場合、パッケージがヒーターブロック上でがたつきやすく、そのため、パッケージ本体11の外周縁を画像認識装置により上方から正確に認識することが困難であるとともにヒーターブロックの熱がパッケージ本体11に良好に伝達されず、その結果、半導体素子14をパッケージ本体11の搭載部11bに正確かつ強固に搭載することが困難であるという問題点を有していた。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、半導体素子をパッケージ本体の搭載部に正確かつ強固に搭載することが可能な半導体素子収納用パッケージを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージの製造方法は、上面に半導体素子が搭載される搭載部を有し、下面の一端側に複数のメタライズパッドが形成されたパッケージ本体を準備する工程と、枠部およびこの枠部の内縁の一辺に一列に並んで対向する辺に向けて延出する複数の外部リード端子を有する略平板状のリードフレームを準備する工程と、パッケージ本体の下面の一端側に形成されたメタライズパッドをリードフレームの外部リード端子の先端部にろう材を介して重なるように配置するとともに、パッケージ本体の下面の他端側をリードフレームの対向する辺側の枠部上にろう材を介さずに配置する工程と、ろう材を加熱して溶融させた後、冷却してろう材を固化させることにより、メタライズパッドと外部リード端子の先端部とをろう付けする工程とを具備することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の半導体素子収納用パッケージの製造方法によれば、上述のような構成にしたことから、半導体素子収納用パッケージをヒーターブロック上に載置した際に、パッケージ本体の一端側が外部リード端子で支持されるとともに他端側が枠部で支持されるのでパッケージ本体ががたつくことがない。したがって、パッケージ本体の外周縁を画像認識装置により正確に認識することができるとともに、ヒーターブロックからの熱を枠部を介してパッケージ本体に良好に伝達させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明を添付の図面を基に詳細に説明する。図1は、本発明における半導体素子収納用パッケージの実施形態の一例を示す断面図、図2は図1に示す半導体素子収納用パッケージの一部の部材を除く上面図であり、これらの図において1はパッケージ本体、2はリードフレーム、3は蓋体である。
【0012】
パッケージ本体1は、主として酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料から成り、上面中央部に半導体素子4を収容するための凹部1aを有している。凹部1aは、その底面中央部に半導体素子4を搭載するための搭載部1bを有しており、搭載部1b上にはタングステンやモリブデン等の金属粉末メタライズから成るダイアタッチメタライズ層5が被着されている。このダイアタッチメタライズ層5は、半導体素子4を搭載部1b上に固着するための下地金属として機能し、通常であれば、1〜10μm程度の厚みのニッケルめっき層および0.1〜3μm程度の厚みの金めっき層が順次被着されている。そして、このダイアタッチメタライズ層5上に半導体素子4を金−シリコンろう等のろう材を介して接合することにより半導体素子4が搭載部1b上に固着される。
【0013】
また、パッケージ本体1は、その凹部1a外周部から下面の一端側にかけて導出する複数のメタライズ配線導体6を有している。メタライズ配線導体6は、タングステンやモリブデン等の金属粉末メタライズから成り、通常であれば、1〜10μm程度の厚みのニッケルめっき層および0.1〜3μm程度の厚みの金めっき層が順次被着されている。このメタライズ配線導体6は、凹部1a内に収容される半導体素子4の各電極をパッケージ本体1の外側に電気的に導出させるための導電路として機能し、その凹部1a内に位置する部位には半導体素子4の各電極がボンディングワイヤー7を介して電気的に接続される。そして、メタライズ配線導体6でパッケージ本体1下面の一端側に導出した部位は後述するリードフレーム2の外部リード端子2bがろう付けされるメタライズパッド6aを形成している。
【0014】
このようなパッケージ本体1は、セラミック原料粉末に適当な有機バインダー・溶剤・可塑剤・分散剤等を添加混合したセラミックスラリーをドクターブレード法を採用してシート状に形成することによって複数枚のセラミックグリーンシートを得、これらのセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともにダイアタッチメタライズ層5用やメタライズ配線導体6用のメタライズペーストを所定のパターンに印刷塗布し、しかる後、これらのセラミックグリーンシートを積層および切断してパッケージ本体1用の生セラミック成形体を得、最後にこの生セラミック成形体を高温で焼成することによって製作される。
【0015】
また、パッケージ本体1の下にはリードフレーム2が配設されている。リードフレーム2は、図3に上面図で示すように、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金から成る略平板であり、略四角形状の枠部2aと、この枠部2aの内縁の一方から他方に向けて一列に並んで延びる複数の外部リード端子2bとから構成されている。
【0016】
そして、このリードフレーム2は、外部リード端子2bの先端部がパッケージ本体1の一端側下面に形成されたメタライズパッド6aに銀−銅ろう等のろう材を介して接合されているとともに、この外部リード端子2bの先端と対向する側の枠部2a上にパッケージ本体1の他端側が重なるようにろう材を介さずに配置されている。
【0017】
このように、本発明における半導体素子収納用パッケージによれば、外部リード端子2bの先端部がパッケージ本体1の一端側下面に形成されたメタライズパッド6aに接合されているとともに、この外部リード端子2bの先端と対向する側の枠部2a上にパッケージ本体1の他端側がろう材を介さずに配置されていることから、これをヒーターブロック上に載置した場合、パッケージ本体1の両端部が外部リード端子2bと枠部2aとで支持されることとなり、そのためがたつきが発生することは一切ない。したがって、画像認識装置によりパッケージ本体1の外周縁を正確に認識してその画像データを基に半導体素子4を搭載部1b上に正確に搭載することができるとともに、外部リード端子2bの先端部および枠部2aの両方を介してパッケージ本体1にヒーターブロックの熱を良好に伝達させて半導体素子4を搭載部1bに強固に接合することができる。
【0018】
この場合、パッケージ本体1の上面外周縁でリードフレーム2に重なった少なくとも2つの角部とリードフレーム2上面とのコントラスト比を20%以上となるようにしておくと、画像認識装置によりパッケージ本体1の外周縁を上方から認識させる際にパッケージ本体1の上面外周縁でリードフレーム2に重なった少なくとも2つの角部とリードフレーム2上面とのコントラスト比によりパッケージ本体1の外周縁の少なくとも2つの角部を極めて良好に認識することができる。したがって、パッケージ本体1の上面外周縁でリードフレーム2に重なった少なくとも2つの角部とリードフレーム2上面とのコントラスト比は20%以上となるようにしておくことが好ましい。なお、パッケージ本体1の外周縁でリードフレーム2に重なった少なくとも2つの角部とリードフレーム2上面とのコントラスト比を20%以上となるようにするには、パッケージ本体1用のセラミックス材料に例えば、タングステンやモリブデン・酸化クロム等の着色剤を添加して着色してこれをパッケージ本体1の外周縁に露出させたり、リードフレーム2表面に金めっき等のめっきを施すこと等により両者のコントラスト比を20%以上とする方法が採用され得る。
【0019】
また、リードフレーム2の枠部2aとパッケージ本体1の他端側との重なりの幅Wが1mm未満では、本発明における半導体素子収納用パッケージをヒーターブロック上に載置した場合に、ヒーターブロックからの熱を枠部2aを介してパッケージ本体1に良好に伝達することが困難となる傾向にある。したがって、リードフレーム2の枠部2aとパッケージ本体1の他端側との重なりの幅Wは1mm以上であることが好ましい。
【0020】
このようなリードフレーム2は、例えば厚みが0.1〜0.3mm程度の鉄−ニッケル−コバルト合金等の板材に打ち抜き加工やエッチング加工を施すことによって製作される。また、リードフレーム2の各外部リード端子2bの先端部とパッケージ本体1下面のメタライズパッド6aとを接合するには、メタライズパッド6aに1〜10μm程度の厚みのニッケルめっき層を予め被着させておくとともに、メタライズパッド6aと外部リード端子2b先端部とを両者の間に厚みが0.02〜0.1mm程度の箔状のろう材を挟んで位置決めするとともに、これをろう材の溶融温度以上の温度に加熱してろう材を一旦溶融させた後、冷却してろう材を固化させることによりろう付けする方法が採用される。
【0021】
さらに、パッケージ本体1の上面には蓋体3を接合するための金属枠体8が取着されており、この金属枠体8上には蓋体3がシームウエルド法等の溶接により接合される。金属枠体8は、鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成り、パッケージ本体1の上面にタングステンやモリブデン等の金属粉末メタライズから成る枠状のメタライズ金属層9を予め被着させておくとともに、このメタライズ金属層9に銀−銅ろう等のろう材を介して接合することによりパッケージ本体1上面に取着されている。なお、メタライズ金属層9は、パッケージ本体1用のセラミックグリーンシートにメタライズ金属層9用のメタライズペーストを所定のパターンに印刷塗布し、これをパッケージ本体1用の生セラミック成形体とともに焼成することによってパッケージ本体1の上面に被着形成される。
【0022】
また、メタライズ金属層9に金属枠体8をろう付けするには、メタライズ金属層9に予め1〜10μm程度の厚みのニッケルめっき層を被着させておくとともに、メタライズ金属層9と金属枠体8とを間に厚みが0.02〜0.1mm程度のろう材箔を挟んで位置決めし、これらをろう材の溶融温度以上の温度に加熱して一旦ろう材を溶融させた後、冷却してろう材を固化させることによりろう付けする方法が採用され得る。なお、通常であれば、ろう付け後のメタライズ金属層9・金属枠体8およびろう材の露出表面にはこれらが酸化腐食するのを防止するために厚みが1〜10μm程度のニッケルめっきおよび厚みが0.1〜3μm程度の金めっき層が順次被着されている。
【0023】
また、この金属枠体8に接合される蓋体3は、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属から成る窓枠3aにガラスやサファイア等の透光性材料から成るレンズ3bが嵌着されて成り、金属枠体8の上面にシームウエルド法等の溶接により接合されることによりパッケージ本体1との間に半導体素子4を気密に封止するとともにレンズ3bを透して外部と半導体素子4との間で光の信号の授受を可能とする。
【0024】
かくして、本発明における半導体素子収納用パッケージによれば、これをヒーターブロック上に搭載するとともにパッケージ本体1の外周縁を画像認識装置により認識し、その画像データを基に半導体素子4を搭載部1bに位置決めして搭載固定し、しかる後、半導体素子4の各電極とメタライズ配線導体6とをボンディングワイヤー7を介して電気的に接続し、最後にパッケージ本体1の上面に取着させた金属枠体8上に蓋体3をシームウエルド法により接合することにより、内部に半導体素子4が気密に封止される。そして、リードフレーム2の枠部2aを切除して各外部リード端子2bを電気的に独立させ、この外部リード端子2bを外部電気回路基板の配線導体に半田を介して接続することにより内部に収容する半導体素子4が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0025】
なお、本発明は上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能であり、例えば上述の実施の形態例では、1個のパッケージ本体1およびリードフレーム2について説明したが、例えば図4に上面図で示すように、複数個のリードフレームを連結した連結リードフレーム2Sに複数個のパッケージ本体1を接合した多数個取りの半導体素子収納用パッケージの製造方法に本発明を適用してもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明の半導体素子収納用パッケージの製造方法によれば、パッケージ本体の一端側下面に形成されたメタライズパッドに外部リード端子が接合されているとともに、パッケージ本体の他端側がリードフレームの枠部上にろう材を介さずに配置されていることから、これをヒーターブロック上に載置した際に、パッケージ本体の一端側が外部リード端子で支持されるとともに他端側が枠部で支持されるのでパッケージががたつくことがない。したがって、パッケージ本体の外周縁を画像認識装置により正確に認識することができるとともに、ヒーターブロックからの熱をパッケージ本体に良好に伝達させることができ、その結果、半導体素子をパッケージ本体の搭載部に正確かつ強固に搭載固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における半導体素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す半導体素子収納用パッケージの蓋体3を除く上面図である。
【図3】図1・2に示す半導体素子収納用パッケージに使用されるリードフレーム2の上面図である。
【図4】本発明における半導体素子収納用パッケージの実施の形態の他の例を示す上面図である。
【図5】従来の半導体素子収納用パッケージの断面図である。
【図6】図5に示す半導体素子収納用パッケージの蓋体13を除く上面図である。
【符号の説明】
1・・・・・パッケージ本体
1b・・・・搭載部
2・・・・・リードフレーム
2a・・・・枠部
2b・・・・外部リード端子
4・・・・・半導体素子
6a・・・・メタライズパッド
Claims (1)
- 上面に半導体素子が搭載される搭載部を有し、下面の一端側に複数のメタライズパッドが形成されたパッケージ本体を準備する工程と、
枠部および該枠部の内縁の一辺に一列に並んで対向する辺に向けて延出する複数の外部リード端子を有する略平板状のリードフレームを準備する工程と、
前記パッケージ本体の下面の前記一端側に形成された前記メタライズパッドを前記リードフレームの前記外部リード端子の先端部にろう材を介して重なるように配置するとともに、前記パッケージ本体の下面の他端側を前記リードフレームの前記対向する辺側の前記枠部上にろう材を介さずに配置する工程と、
前記ろう材を加熱して溶融させた後、冷却して前記ろう材を固化させることにより、前記メタライズパッドと前記外部リード端子の先端部とをろう付けする工程と
を具備することを特徴とする半導体素子収納用パッケージの製造方法。
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