JP4510626B2 - 脱塩基部位エンドヌクレアーゼアッセイ - Google Patents

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Description

関連出願の説明
本出願は2002年8月21日出願の米国仮出願第60/405642号からの優先権を主張し、その開示内容全体を引用により本出願に含める。
連邦政府援助の研究に関する出願の記載
:適用無し
CDで提出した「配列表」、表またはコンピュータプログラムリストについての説明
:適用無し
脱プリン/脱ピリミジン(AP)、即ち、脱塩基(abasic)部位はDNAにおいて1日ヒト細胞あたり10,000塩基の計算速度にて自然に生じる。AP部位は細胞毒性かつ変異原性であり、ゲノムの機能的および遺伝的統合性を維持するために迅速に修復される必要がある。AP部位の主な起源の1つはプリンにおいて多くみられるグリコシル結合の固有の不安定性である。脱塩基部位はまた、活性酸素種の作用、またはDNAグリコシラーゼによって触媒されるN-グリコシル結合の切断を介する損傷塩基の酵素的切除によっても起こりうる(DNA Damage and Repair,V.1: DNA Repair in Prokaryotes and Lower Eukaryotes,Edited by: J.A.Nickoloff and M.F.Hoekstra,Humana Press Inc. ,Totowa、NJ からのProkaryotic Base Excision Repair、Wilson III、D.M. ,Engelward、B.P. and Samson、L. (1998) pp.29-64を参照されたい)。
二本鎖DNAにおけるAP部位は、加水分解機構によってAP部位の5’側にてホスホジエステル骨格を切断するクラス II APエンドヌクレアーゼと称されるクラスの酵素によって認識されることにより、遊離の3’−OH基が生じ、これがDNAポリメラーゼの基質となって塩基除去修復(BER)が開始する。大腸菌由来のエンドヌクレアーゼ IVはクラス II APエンドヌクレアーゼの一例である。DNA Damage and Repair、V.1: DNA Repair in Prokaryotes and Lower Eukaryotes,Edited by: J.A.Nickoloff and M.F.Hoekstra,Humana Press Inc.,Totowa、NJ からのRegulation of Endonuclease IV as Part of an Oxidative Stress Response in Escherichia coli,Weiss B. (1998) pp.85-96を参照されたい。
クラス I APエンドヌクレアーゼと称される多数のDNAグリコシラーゼは、その作用機構の一部としてAP部位-切断活性を示す。しかし、これら酵素はAP部位の3’側のホスホジエステル骨格を切断するβ除去触媒として作用し、その結果非典型的(atypical)3’末端、例えば、3’−ホスホグリコレートおよび3’−ホスフェートが生じる。これら非典型的末端はポリメラーゼの基質として働く3’−OH基をブロックし、次いでかかるブロックを切断してBERを開始するクラス II APエンドヌクレアーゼによる修復に供される。DNA Damage and Repair,V.1: DNA Repair in Prokaryotes and Lower Eukaryotes,Edited by: J.A.Nickoloff and M.F.Hoekstra,Humana Press Inc. ,Totowa,NJからのProkaryotic Base Excision Repair,Wilson III BER D.M. BER Engelward BER B.P. and Samson,L. (1998) pp.29-64; およびDNA Damage and Repair、V.3: Advances from Phage to Human,Edited by: J.A.Nickoloff and M.F.Hoekstra,Humana Press Inc.,Totowa、NJからのAbasic Site Repair in Higher Eukaryotes、Strauss,P.R. and O'Regan,N.E. (2001) pp.43-86を参照されたい。
標的核酸にハイブリダイズしたプローブの選択的切断に基づくポリヌクレオチド同定アッセイは、他に開示されている。例えば、米国特許第4876187; 5011769; 5660988; 5731146; 5747255および6274316号は、核酸骨格の一部として組み込まれ、核酸プローブの中央にある裂けやすい結合を有する核酸プローブを開示する。米国特許第5403711号はまた、同様に設計されたDNA-RNA-DNAプローブを開示し、ここで組み込まれたRNA配列は二重鎖になった場合のRNaseの基質である。プローブの中央に組み込まれた切断可能な結合を有するハイブリダイズしたプローブは、酵素切断後の二本鎖安定性が減少している。これらの切断可能部位はまた非常に特異的であるわけではない。
米国特許第5516663および5792607号はエンドヌクレアーゼ IVを用いてオリゴヌクレオチドの3’末端のブロッキング剤として組み込まれた脱塩基部位を除去し、リガーゼ連鎖反応(LCR)またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅の特異性と感受性を向上させることを開示している。
米国特許第5656430; 5763178; 6340566号は、突然変異の点においてオリゴヌクレオチドの中央の核酸骨格を切断するエンドヌクレアーゼを用いることにより、点突然変異を検出する方法を開示している。核酸骨格の酵素的切断によりミスマッチを同定する方法においては、ミスマッチの非存在よりもむしろその存在がプローブホスホジエステル骨格の切断を促進する。
米国特許第6309838号はDNA配列傷害に結合した酵素を検出する標識化ヌクレオチド切除修復酵素の使用を開示する。
欧州特許EP 1 071 811 B1は、DNAグリコシラーゼによる切断によって生じた3’−OHからのDNA合成方法を開示するが、この方法は、修飾塩基を導入する工程、グリコシラーゼによって修飾塩基を切除する工程、次いで伸長を行う前にAPエンドヌクレアーゼによって処理する工程を必要とする。
当該技術分野において、標的核酸サイクリングの利点、維持されたプローブの結合安定性、非常に特異的な切断部位、実質的に速効性で高度に感受性のレポーター検出の可能性および増幅手順による直接的一体的検出能を組み合わせたアッセイが必要とされている。したがって、優れた特異性を有する標的核酸の効率的検出を可能とする組成物および方法が要求されている。本発明はこの、そしてその他の要求を満たすものである。
発明の概要
標的核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドNA、検出可能なレポーター基およびNAの3’末端ヌクレオチドにホスフェート基のホスホジエステル結合を介して結合するAPエンドヌクレアーゼ切断部位を含む機能性テイルRを含むAP部位プローブが提供され、ここでレポーター基は、機能的、化学的テイルRがNAに結合している際は検出されない。
AP部位プローブはサンプルにおける目的の標的核酸を検出するための方法およびアッセイに有用である。該方法は、少なくとも1つのAP部位プローブが標的核酸にハイブリダイズし、反応混合物を形成するのに十分な反応条件下でサンプルと少なくとも1つのAP部位プローブおよびAPエンドヌクレアーゼとを接触させる工程、NAの3’末端ヌクレオチドに機能性テイルRを結合させるホスホジエステル結合をAPエンドヌクレアーゼが切断するのを可能とする反応条件下で反応混合物をインキュベートする工程、および切断された機能性テイルR上のレポーター基を検出する工程を含む。該方法は、プローブNA成分と標的核酸との一塩基対ミスマッチを検出する優れた感受性を有する。というのはAPエンドヌクレアーゼは、ハイブリダイズしていないか非相補的な核酸にハイブリダイズしたNAに結合した機能性テイルの切断と比較して、完全に相補的な核酸配列にNAがハイブリダイズした場合、テイルRをNAに結合させるホスホジエステル結合を優先的に切断するからである。
本発明はさらに、内部APエンドヌクレアーゼ-切断可能部位(pL)を有するプライマーを提供し、該プライマーは配列構造(NA1 L)m-NA2を有し、ここでNA1およびNA2は標的核酸に相補的な核酸配列であり、LはAPエンドヌクレアーゼ-切断可能リンカーであり、mは0〜 100であり、フォワードプライマーとリバースプライマーの少なくとも1つはAPエンドヌクレアーゼ-切断可能リンカー、Lを含む。該プライマーはサンプルにおける目的の標的核酸配列の増幅方法に有用であり、該方法は、内部APエンドヌクレアーゼ-切断可能部位を有する少なくとも1つのフォワードおよび少なくとも1つのリバースプライマー、APエンドヌクレアーゼ、および核酸ポリメラーゼとサンプルを、標的核酸にフォワードおよびリバースプライマーがハイブリダイズして反応混合物を形成するのに十分な条件下で接触させる工程、リンカー部位LにおいてAPエンドヌクレアーゼが同時に切断するのを可能とし、ポリメラーゼが鋳型特異的にプライマーを伸長させる反応条件下で反応混合物をインキュベートし、それによって遊離の3’−OHが生じる工程を含む。
本発明はさらに、上記方法を実施するための少なくとも1つのAP部位プローブを含む試薬を含むキットも提供する。
発明の詳細な説明
I. 一般
本発明は、テイル切断後のプローブの結合安定性を保持しつつ核酸サイクリングを行う利点、優れた標的-特異的酵素的切断反応、実質的に瞬間的で高度に感受性のレポーター検出の可能性およびさらなるプライマー、ポリメラーゼ以外のさらなる酵素またはさらなる工程を必要とせずに増幅手順と検出を直接結びつける能力を組み合わせたアッセイ方法を提供する。
II. 定義
本明細書において用いる、AP部位プローブは、そのホスフェート基のホスホジエステル結合の3’末端にてAPエンドヌクレアーゼ切断部位および官能基を含む機能的化学的テイルRに結合しているオリゴヌクレオチド配列NAから構成される核酸プローブである。好適な態様において、ホスフェート基はヒドロキシプロリノールリンカーを介して機能的化学的テイルに結合している。官能基はレポーターであってもクエンチャー基であってもよい。
脱塩基部位は核酸配列または合成リンカーにおける天然の脱プリン/脱ピリミジン(AP)部位であって、二本鎖DNAにおいて現れた場合にクラス II APエンドヌクレアーゼによって認識および切断される部位である。
本明細書において用いる、APエンドヌクレアーゼは、二本鎖DNAにおける核酸鎖上の脱塩基 (AP)部位におけるホスホジエステル骨格に結合して切断する酵素をいう。好ましいAPエンドヌクレアーゼはAP部位の5’側でホスホジエステル骨格を加水分解機構によって切断し、DNAポリメラーゼの基質として働く遊離の3’−OH基をもたらすものである。
「二本鎖」とは二本のハイブリダイズした核酸鎖である。標的核酸と二本鎖を形成したプローブは、標的核酸にハイブリダイズしているともいえる。
III. 実施態様の説明
本発明は、標的核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドNAおよび、検出可能なレポーター基と、NAの3’末端ヌクレオチドに対してホスフェート基のホスホジエステル結合を介して結合しているAPエンドヌクレアーゼ切断部位を含む機能性テイルRから構成されるAP部位プローブを提供し、ここでレポーター基は機能的化学的テイルRがNAに結合している場合には検出されないものである。APエンドヌクレアーゼはNA成分が相補的な標的核酸にハイブリダイズした場合には機能性テイルRを優先的に切断し、APエンドヌクレアーゼによるその切断の結果遊離の3’−OH基が生じる。好適な態様において、機能性テイルRはNA 末端3’ホスフェート基にヒドロキシプロリノールリンカーを介して結合している。好適な態様において、レポーター基はフルオロフォアである。いくつかの態様において、AP部位プローブはさらにAPエンドヌクレアーゼ切断不能リンカーを介してその5’末端に結合したクエンチャーまたはクエンチング分子を有する。
いくつかの態様において、AP部位プローブのNA部分は1または複数の修飾塩基を含む。いくつかの態様において、AP部位のNA部分はユニバーサルライブラリーのメンバーであり、通常約5、6、7または8 ヌクレオチドの長さである。いくつかの態様において、AP部位プローブのNA部分は、少なくとも1つの修飾塩基を含むユニバーサルライブラリーのメンバーである。
別の態様において、AP部位プローブの3’末端に結合する機能性テイルRは、APエンドヌクレアーゼ-切断可能リンカーを介して結合したクエンチャー分子およびプローブの5’末端にAPエンドヌクレアーゼ切断不能リンカーを介して結合した検出可能なレポーター基を含む。
1または複数のAP部位プローブはサンプルにおける目的の標的核酸を検出するための方法およびアッセイに利用できる。該方法は、(i)サンプルと少なくとも1つのAP部位プローブおよびAPエンドヌクレアーゼ、好ましくはクラス II APエンドヌクレアーゼとを、少なくとも1つのAP部位プローブが標的核酸にハイブリダイズし、反応混合物を形成するのに十分な反応条件下で接触させる工程、(ii) NAの3’末端ヌクレオチドに機能性テイルRを結合させているホスホジエステル結合をAPエンドヌクレアーゼが切断することができる反応条件下で反応混合物をインキュベートする工程、および、(iii)切断された機能性テイルR上のレポーター基を検出する工程を含む。該方法は標的核酸のサイクリングを可能にしつつ、AP部位プローブのNA成分と標的核酸との間の、APエンドヌクレアーゼによる機能性テイルRの切断の前後での安定なハイブリダイゼーション複合体を保持する。
該方法はプローブNA成分と標的核酸との間の一塩基対ミスマッチを検出するほど感受性が高い。というのは、APエンドヌクレアーゼは、NAが相補的な核酸配列にハイブリダイズしているときにテイルRをNAに結合させるホスホジエステル結合を優先的に切断するのに対し、ハイブリダイズしていないか非相補的な核酸にハイブリダイズしたNAに結合した機能性テイルは優先的に切断しないからである。通常、1または複数の塩基対の間のミスマッチを識別する方法を行う場合、標的核酸サンプルは第一のAP部位プローブおよび第二のAP部位プローブと接触し、ここで第一のプローブのNA成分は第二のプローブのNA成分とは異なる少なくとも1つの塩基を有し、そして第一のプローブは、第二のプローブのレポーター基から識別的に検出可能なレポーター基を有する。好ましくは、第一および第二のプローブのレポーター基はフルオロフォアを含み、第一のプローブのフルオロフォアは第二のプローブのフルオロフォアと識別的に検出可能な放射波長を有する。ミスマッチの識別は、ミスマッチがAP部位プローブのNA成分の3’末端から1または2塩基の位置にある場合特に感受性が高い。3以上のAP部位プローブを同一の反応混合物に適用して標的多型を検出することも出来る。当業者であればかかるAP部位プローブは識別可能な検出マーカーを有していてもよいことを理解するであろう。
通常、サンプルにおける標的核酸はさらにエンハンサーオリゴヌクレオチドと接触され、ここでエンハンサーオリゴヌクレオチドの5’末端は、ハイブリダイズしたAP部位プローブの3’側で標的核酸にハイブリダイズし、エンハンサー-標的およびプローブ標的二本鎖の間の0-2非対塩基のギャップが生じる。もっとも好ましいギャップは1塩基である。いくつかの態様において、AP部位プローブとエンハンサーオリゴヌクレオチドはリンカー分子を介して互いに結合している。
いくつかの態様において、標的核酸、エンハンサーまたはAP部位プローブのいずれかが固体支持体に結合される。結合は共有結合であっても非共有結合相互作用によるものでもよい。
目的の標的核酸を検出する方法は、特に標的核酸にハイブリダイズしたプライマーのポリメラーゼ伸長の方法と組み合わせるのに適している。プライマー伸長手順は検出手順の前またはその最中に行えばよい。好適な態様において、プライマー伸長および検出はエンドヌクレアーゼ切断の直後に行えばよい。機能性テイルRのホスホジエステル結合の切断により遊離の3−OH基質を有するハイブリダイズしたNAが生じるため、プライマー伸長はさらにポリメラーゼおよびNTPsをサンプルに添加する工程およびサンプルをポリメラーゼがハイブリダイズしたNAを鋳型特異的に伸長させるのを可能にする反応条件下でインキュベートする工程を含む。目的の標的核酸のAP部位プローブの標的-特異的切断による検出方法は特に、標的増幅方法と組み合わせるのに好適である。標的検出は増幅手順の最中 (リアルタイム)またはその後に行えばよい。1つの態様において、AP部位プローブ切断検出は標的増幅の直後に行えばよい。別の態様において、検出は標的増幅の最中に行えばよい。別の態様において、標的増幅は定温増幅またはポリメラーゼ連鎖反応増幅である。
本発明はさらに内部APエンドヌクレアーゼ-切断可能部位(pL)を有するプライマーを提供し、該プライマーは配列構造 (NA1 L)m-NA2を有し、ここでNA1およびNA2は標的核酸に相補的な核酸配列、LはAPエンドヌクレアーゼ-切断可能リンカー、そしてmは0〜100である。該プライマーはサンプルにおける目的の標的核酸配列の増幅方法に有用であり、該方法は、サンプルを少なくとも1つのフォワードプライマーおよび少なくとも1つの内部APエンドヌクレアーゼ-切断可能部位を有するリバースプライマー、APエンドヌクレアーゼ、核酸ポリメラーゼおよびNTPsと、フォワードおよびリバースプライマーが標的核酸にハイブリダイズし、反応混合物を形成するのに十分な条件下で接触させる工程、および、同時にAPエンドヌクレアーゼがリンカー部位Lにて切断し、遊離の3’−OHを生じさせ、ポリメラーゼがプライマーを鋳型特異的に伸長させる反応条件下で反応混合物をインキュベートする工程を含む。標的核酸は定温増幅によってまたはポリメラーゼ連鎖反応によって増幅すればよい。
本発明はさらに、少なくとも1つのAP部位プローブを含む試薬を含む本発明の方法を行うためのキットを提供する。少なくとも1つの単一ヌクレオチド多型を検出するための試薬を含むキットにおいて、1〜4のAP部位プローブのセットが各多型位置に含まれる。セットにおける各AP部位プローブは、1または複数の多型を標的核酸の特定の位置にて識別するべくセットにおけるその他のAP部位プローブレポーター基と識別的に検出可能なレポーター基を有する。
A. 標的核酸
核酸、AP部位および機能性テイルを含むプローブは、一本鎖核酸(「ssNA」)および二本鎖核酸(「dsNA」)の検出に有用である。二本鎖核酸の検出に用いる場合、dsNAの集団がAP部位プローブを用いて検出すべきssNAを十分な量にて含まない場合、dsNAは十分な量のssNAを含むように調製する。通常、dsNAは検出の前に高温で融解または変性させる。また、dsNAはプローブおよびエンハンサーが相補的な標的核酸のフラグメントが一本鎖となり、残りの標的が二本鎖となるように調製してもよい。一本鎖標的核酸は二本鎖形態から利用可能な分子生物学的または物理化学的方法を用いて単離でき、例えば、鎖-特異的酵素的分解、二本鎖標的の制限消化の後の熱処理、または配列に組み込まれたアフィニティー標識によるアフィニティー捕捉の後の相補鎖からの熱誘導性分離などの方法を用いるとよい。
標的核酸は様々な天然源から単離でき、かかる天然源としては、血液、破砕組織、固定組織、腫瘍組織診、便、臨床拭き取り検体、食品、毛髪、植物組織、微生物培養物、公共上水、羊水、尿等が挙げられる。標的核酸の単離に有用な技術としては、例えば、増幅技術、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、Mullis、米国特許第4683202号; リガーゼに基づく技術、例えば、Barany、PCR Methods and Applications 1: 5-16 (1991)に概説されているもの; 鎖置換増幅、Walker et al.、米国特許第5422252号; 逆転写酵素に基づく技術、例えば、Davey et al.、米国特許第5409818号; Q.ベータレプリカーゼに基づく技術、例えば、Chu et al.、米国特許第4957858号;分岐DNA技術、Urdea et al.、米国特許第5124246号; RNA-DNAキメラプローブを用いる技術、Duck et al.、米国特許第5011769号; 等が挙げられる。
標的核酸を含むサンプルは天然源から単離してもよいし、当該技術分野において公知の方法を用いて提供してもよい。標的核酸はクローニングされたものでも、合成のものでも、天然のものでもよい。標的核酸はデオキシリボ核酸(DNA)、例えばゲノムDNAまたはcDNAでもよいし、リボ核酸(RNA)でもよい。通常、DNA標的核酸が好ましい。標的核酸は様々な起源のものであってよく、かかる起源としては例えば、哺乳類、細菌、真菌、ウイルス、または植物起源が挙げられる。抽出、精製または単離工程の必要性は様々な因子に依存し、かかる因子としては、サンプル中の標的核酸の量、標的核酸の性質、例えば、それがRNAであるかDNAであるか、細胞壁、ヒストンなどの外来または関連物質の存在、酵素阻害剤の存在などが挙げられる。
標的核酸の抽出、精製および/または単離の特定の用途のための適当なプロトコールの選択については、例えば以下を参照されたい。Chen and Janes、Editors、PCR Cloning Protcols (Humana Press、Totowa、N.J.、2002); Sambrook et al.、Molecular Cloning、Second Edition (Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001); White、Editor、PCR Cloning Protcols: from molecular cloning to genetic engineering (Humana Press、Totowa、N.J.、1997); Methods in Enzymology、Volumes 6 and 12、parts A and B (Academic Press、New York); McPherson et al.、Editors、PCR: A Practical Approach (IRL Press、Oxford、1991); Herrington et al.、Editors、Diagnostic Molecular Pathology: A Practical Approach、Vol. 1 & 2 (IRL Press、Oxford、1992); Innis、et al.、Editors、PCR Protcols (Academic Press、San Diego、1990);等。典型的には、調製プロトコールには、カオトロピック剤、例えば、疎水性物質の可溶化に適する低分子量イオン性化合物、ヌクレアーゼを阻害するキレート化剤(例えば、EDTA)、ヌクレアーゼを阻害するプロテアーゼ、界面活性剤、pH緩衝液等の、核酸の単離および/または保護に役立つものの適用を伴う。所望により、サンプルは標的核酸のサイズを減少させるため処理してもよく、例えば超音波処理、ヌクレアーゼ処理等を行えばよい。かかる最初の調製工程後、好ましくはサンプルを変性するよう処理、即ち一本鎖標的ポリヌクレオチドにした後、それを本発明の核酸プローブ、エンハンサーおよびAPエンドヌクレアーゼに曝す。好ましくは、変性は93-95℃で5分間サンプルを加熱することにより行う。
本発明のアッセイにおいて、標的核酸は典型的には約 2-10 nMの濃度、より典型的には約 4-8 nM、そして好ましくは約 5 nMの濃度にて含める。しかし、当業者であれば本発明はそのように限定されず示した値より高くても低くてもその他の標的濃度を利用できることを理解するであろう。
B. AP部位プローブ
一般的に、AP部位プローブの構造は以下の通りである:
Figure 0004510626
AP部位プローブはその3’末端酸素原子によって機能的化学的テイル(「R」)とホスホジエステル基を介して共有結合的に結合した核酸(「NA」)から構成される。
1. プローブの核酸成分
NA成分におけるヌクレオチド数は目的に応じて3〜200、3〜100 または3 〜200 ヌクレオチド長とすればよい。通常、NAの長さは5〜30ヌクレオチドである。より典型的には、NAの長さは6-25、7-20、または8-17核酸である。NA成分は約 6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16 核酸の長さであることが多い。通常、NA成分のハイブリダイゼーション融解温度は 約 10〜80℃、より典型的には約 20〜70℃、そして好ましくは約 30℃、40℃、50℃または60℃である。
複合体(conjugates)のNA成分の糖即ちグリコシド部分は、デオキシリボース、リボース、2-フルオロリボース、および/または 2-O-アルキルまたはアルケニルリボースを含むものであってよく、ここでアルキル基は1〜6の炭素原子を含み、アルケニル基は2〜6の炭素原子を含む。オリゴヌクレオチドを構成しうる天然のヌクレオチド、修飾ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログにおいて、糖部分はフラノース環を形成し、グリコシド結合はベータ立体配置であり、プリン塩基は糖部分にプリン9位を介して結合し、ピリミジン はピリミジン1-位を介して、ピラゾロピリミジンはピラゾロピリミジン1-位を介して結合する(プリン9-位と同等である)。好適な態様において、糖部分は2-デオキシリボースである;しかし標的配列にハイブリダイズする本発明の組成物のオリゴヌクレオチド部分の能力を有する当業者に公知のいずれの糖部分を利用してもよい。
一つの好適な態様において、NAはDNAである。DNAを含むAP部位プローブはDNA、およびRNA標的の検出に利用できる。別の態様において、NAはRNAである。RNAを含むAP部位プローブは一般的に標的DNAの検出に用いられる。別の態様において、AP部位プローブはプローブ内に分布したDNAとRNAの両方を含んでいてもよい。混合核酸プローブにおいて、DNA塩基は好ましくはプローブの3’末端に位置し、RNA塩基は5’末端に位置する。3’末端ヌクレオチドが2'-デオキシリボヌクレオチド(DNA)であり、少なくとも4つのNAの3’末端塩基がDNA塩基であるのもまた好ましい。
通常、NA成分は核酸に天然にみられる主要な複素環塩基(ウラシル、シトシン、チミン、アデニンおよびグアニン)を含む。いくつかの態様において、NAは、修飾、合成または非天然塩基が個々にまたは複数に単独でまたは組み合わせて組み込まれたヌクレオチドを含む。好ましくは、修飾塩基は天然塩基のみからなるプローブと比較してプローブ標的二本鎖の熱安定性を上昇させるものである(即ち、標的配列と二本鎖形成したプローブのハイブリダイゼーション融解温度を上昇させる)。修飾塩基には天然および合成の修飾ならびに主要な塩基のアナログが含まれる。例えば、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン、イノシン、5-N4-エタノシトシン、4-アミノピラゾロ[3,4-d]ピリミジンおよび6-アミノ-4-ヒドロキシ-[3,4-d]ピリミジン等が挙げられる。標的配列に対して標的核酸複合体とAP部位プローブとのハイブリダイゼーションに適したいずれの修飾ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログも本発明の実施に有用であり、修飾ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ自体は塩基対形成に寄与しなくてもよいし、天然のヌクレオチドと異なる塩基対形成特性を有していてもよい。修飾塩基の例は、米国特許第5824796号;6127121号;5912340号;およびPCT公開WO 01/38584; WO 01/64958に開示されており、それらは引用によりその全体を本出願に含める。好ましい修飾塩基としては、ウリジンに対して5-ヒドロキシブチニルウリジン ; アデニンに対して4-(4,6-ジアミノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-イル)-ブチ-3-イン-1-オール、4-アミノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンおよび4-アミノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン; チミンに対して5-(4-ヒドロキシ-ブチ-1-ニル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン;およびグアニンに対して6-アミノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4(5H)-オンが挙げられる。特に好ましい修飾塩基は、「Super A(商標)」、「Super G(商標): 4-ヒドロキシ-6-アミノピラゾロピリミジン」(www.Epochbio.com)および「Super T(商標)」である。修飾塩基は好ましくは天然の B-DNA 二本鎖の幾何学を支持する。修飾塩基はAP部位プローブにおいて1または複数のいずれの位置に置いて挿入されていてもよいが、好ましくは3’末端塩基として挿入される。
別の態様において、NAの一部または全部のヌクレオチドは置換され、即ち個々に異なる糖-ホスフェート骨格修飾を含み、例えば、2'-O-アルキルRNAヌクレオチド、ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、メチルホスホネート、スルファメート(例えば、米国特許第5470967号)およびポリアミド(即ち、ペプチド核酸、PNA)、LNA (ロックされた(locked)核酸)などが挙げられる。かかる改変および本発明に実施できるその他については、例えば、以下において記載されている:Boutorine、et al.、Biochimie 76:23 (1994); Agrawal、et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. 88:7595 (1991); Mag、et al.、Nucleic Acids Res. 19:1437 (1991); Kurreck、Eur. J. Biochem. 270:1628 (2003); Lesnik、et al.、Biochemistry 32:7832 (1993); Sproat、et al.、Nucleic Acids Symp. Ser. 24:59 (1991); Iribarren、et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. 87:7747 (1990); Demidov、Trends Biotechnol. 21:4 (2003); Nielsen、Methods Mol. Biol. 208:3 (2002); Nielsen and Egholm、Curr. Issues Mol. Biol. 1:89 (1999); Micklefield、Curr. Med. Chem. 8:1157 (2001); Braasch、et al.、Chem. Biol. 8:1 (2001); およびNielsen、Curr. Opin. Biotechnol. 12:16 (2001)。
本発明の範囲内において、プローブと複合体を形成する塩基および糖-ホスフェート骨格およびその他の機能性部分の修飾は標的-プローブ二本鎖形成の配列特異性の向上に役立ちうる。特に、プローブとマッチした標的核酸との結合は、ミスマッチの標的核酸に対する結合と比べて検出可能に向上している。「マッチした標的核酸」とは、プローブ配列と完全に相補的な配列を含む標的核酸を意味する。「ミスマッチの標的核酸」とはプローブ配列と部分的に相補的であって、プローブ配列と比較して少なくとも1つのミスマッチの、非相補的塩基、欠失または挿入などである配列を含むポリヌクレオチドを意味する。例えば、AP部位プローブにおける修飾塩基の使用により天然塩基を用いた場合より安定な塩基対が形成され、同一反応条件でより短いプローブの使用が可能となる。プローブの長さを短くすることにより単一ヌクレオチド多型(「SNP」)のように小さい標的多型を識別するプローブの能力が向上する。というのは、各二本鎖塩基対の全体の二本鎖安定性に対する寄与が比例的に増加するからである。一般に、プローブが短いほど、個々の塩基対の全体の二本鎖安定性に対する相対的寄与が大きくなり、標的ポリヌクレオチド多型のプローブによる識別力が向上する。
2.プローブの機能性テイル(「R」)成分
機能性テイルRにより、エンドヌクレアーゼテイル切断反応の検出が可能となる。Rの構造は鋳型-特異的に、エンドヌクレアーゼテイル切断反応を支持する限り、いかなるサイズおよび組成であってもよい。Rは分子量1,000,000 ダルトンほどの天然タンパク質のように大きくてもよいし、一原子(即ち、放射性同位体、例えば水素またはヨウ素)のように小さくてもよい。酵素的加水分解はNAの3’末端酸素原子とホスホジエステル結合のリン原子の間で起こるため、本発明の目的のためには、プローブのホスフェート部分は機能性テイルRの一部と考えられる。例えば、Rが水素(R = -H)の場合、プローブの機能性テイルは、ホスフェート部分-P(O)(OH)2または-PO3 2-である。テイルRは疎水性でも親水性でもよく、電気的に中性、正または負に荷電のいずれでもよい。それは独立に異なる官能基から構成されるか独立に異なる官能基を含んでいてもよく、例えば、質量タグ、蛍光または非蛍光色素、リンカー、放射性同位体、ビオチン等の機能性リガンド、オリゴペプチド、炭水化物等が挙げられる。例えば、本明細書に示すように、大腸菌由来のエンドヌクレアーゼ IVは標的核酸に結合したプローブの3’末端から、比較的親水性で負に荷電したフルオレセイン部分および電気的に中性の疎水性クエンチング色素を切断する。
テイルRは、標的-依存的、特異的反応に影響を与えることなく、標的分子の非存在下での非特異的切断反応をブロックすることにより特異性を向上させる成分を含んでいてもよい。本発明の範囲には、テイルRまたはその構造成分が、標的-プローブまたはエンハンサー-プローブ相補的結合の特異性を向上させることが出来、プローブ/エンハンサー結合におけるマッチした標的核酸とミスマッチの標的核酸の熱力学的相違が大きくなることも含まれる。かかる構造成分の例は、マイナー・グルーブ・バインダー(MGB)である。
機能性テイルRはモノ-、オリゴ-またはポリヌクレオチドを組み込んでいてもよい。テイル構造に導入されるヌクレオチド残基は標的核酸への結合を意図されたものではない。
ホスホジエステル基を介してAP部位プローブの3’末端に複合体化する機能的化学的テイルRに加えて、プローブは所望によりその他のテイル、プローブに共有結合的に結合した機能性部分または適当なリンカーを介してテイルを含んでいてもよい。好ましくは、さらなる部分はAPテイル切断部位のエンドヌクレアーゼ認識や鋳型-特異的テイル切断反応に影響しないものである。1つの態様において、さらなる部分はプローブのNA部分の5’末端に結合する。別の態様において、さらなる部分はプローブのヌクレオチド塩基と複合体形成し、プローブ標的二本鎖が形成された場合、二本鎖のメジャー・グルーブ内に位置するものである。
機能的化学的テイルに加えての部分の組込みはプローブハイブリダイゼーション特性を向上させうる。かかる部分の例としては、マイナー・グルーブ・バインダーおよび干渉物質が挙げられる。マイナー・グルーブ・バインダーは米国特許第6492346および第6486308号に記載されており、その両方を引用により本出願に含める。別の態様において、これら部分は機能性テイルRと連動して機能してエンドヌクレアーゼテイル切断反応の検出を補助する。かかる部分の例としては、放射性同位体、放射標識分子、蛍光分子または色素、クエンチャー(別の蛍光色素の蛍光をクエンチする色素)、蛍光抗体、酵素、または化学発光触媒が挙げられる。その他の好適な部分は酵素、蛍光分子またはその他の検出可能な分子 (例えば、アビジンまたはストレプトアビジンに結合するビオチン、あるいはカタラーゼのアポ酵素部分に結合するヘミン分子)でタグ付加された特異的タンパク質に結合することが出来るリガンドである。
好適な態様において、機能性テイルRとさらなる部分はともに色素である。テイルおよびさらなる部分の色素の一方または両方は蛍光色素であってもよい。好ましくは、色素の一方が蛍光のものである。一つの好適な態様において、機能性テイルは蛍光色素を含み、さらなる部分がクエンチャーを含む。蛍光色素とクエンチャー分子とは色素がAP部位プローブに結合すると色素の蛍光が抑制され、NAとテイルRとの間のホスホジエステル結合が加水分解されるか酵素によって切断されると色素の蛍光が検出可能となるようにともに働く。この蛍光検出ストラテジーは蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)として知られる。FRET技術によると、色素の一方はレポーター色素として働き、他方の色素は、両方の色素が互いに近接して同じ分子に結合した場合 レポーター色素の蛍光を実質的に減少または消失させるクエンチャーである。レポーター色素の蛍光は、クエンチャー色素の近くから解放されると検出される。AP部位プローブ機能性テイルの切断により、レポーター色素がそのクエンチャー対応物から離れ、レポーター蛍光が検出可能に上昇し、標的核酸が検出される。クエンチング色素は蛍光色素であっても非蛍光色素(ダーク・クエンチャー)であってもよい。フルオロフォアおよびクエンチャーの例については、米国特許出願公開2003/0113765、2003/0096254およびPCT出願公開WO 01/42505を参照されたい。これらは引用により本出願に含まれる。
本発明には、固体支持体とそれに固定化されたAP部位プローブを含む組成物も含まれる。かかる場合において、プローブと複合体形成した部分の一つは、プローブを固体支持体に結合させる部分であってもよい。この部分または固体支持体リンカーは本発明のプローブのNAおよび機能性テイルR構造のどの構造部分に結合していてもよいしその構造部分自体であってもよい。1つの態様において、AP部位プローブは、シッフ塩基型結合を介して固体支持体に共有結合している。例えば、引用により本出願に含める米国特許第6548652号に記載されている。
本発明のアッセイにおいて、プローブは典型的には、濃度約 50-200 nM、より典型的には濃度約 100-175 nM、そして好ましくは濃度約 150 nMにて含める。当業者であれば上記プローブ濃度を様々な因子に応じて変更させうることを理解するであろう。かかる因子としては、標的の量、および使用する色素またはクエンチャーの性質が挙げられる。
C. エンハンサー
エンハンサーは標的-AP部位プローブのすぐ5’側に位置した標的核酸と二本鎖を形成するよう設計されたオリゴ-またはポリヌクレオチドである。組み合わされた、プローブ-エンハンサー-標的複合体は、細胞のエキソ-およびエンドヌクレアーゼ修復酵素によって認識される天然核酸非典型的脱塩基部位を真似たものである。テイルR切断反応はエンハンサーがなくても達成されるが、エンハンサーの存在は一般的に反応動力学を改善する。
エンハンサーの構造的要求および制限は実質的に上記のAP部位プローブのNA成分と同じである。一般的に、エンハンサーオリゴヌクレオチドにおけるヌクレオチド数は3〜50、100または200 ヌクレオチド長の範囲であってよい。通常、エンハンサーの長さは5〜30 ヌクレオチドである。より典型的には、エンハンサーの長さは、6-25、7 20、または8-15 核酸である。もっとも典型的には、エンハンサー成分は、約 10、12、14、16、18または20 核酸長である。通常、エンハンサーオリゴヌクレオチド成分のハイブリダイゼーション 融解温度は約 10〜80℃、より典型的には約 20〜70℃、そして好ましくは約 30℃、40℃、50℃、60℃または70℃である。エンハンサーオリゴヌクレオチドは通常、AP部位プローブのNA成分の融解温度と比較して同等またはより高いハイブリダイゼーション融解温度を有する。通常、融解温度はAP部位プローブのNA成分の融解温度と比較して、約 5〜30℃、より典型的には約 10〜20℃、そして好ましくは約 8℃、10℃、15℃または20℃高い。
好ましくは、エンハンサーはDNAである。オリゴ-またはポリデオキシリボヌクレオチドエンハンサーはDNAおよびRNA標的核酸の検出に有用である。エンハンサーはRNAであってもよい。別の態様において、エンハンサーはDNAとRNAの両方を含んでいてもよい。好ましくは、DNA塩基はエンハンサーの5’末端に位置し、RNA塩基はその3’末端である。好ましくは、少なくとも4つのエンハンサーの5’−末端塩基はDNA塩基である。
別の態様において、エンハンサーは、塩基、糖または骨格に対するあらゆる修飾を含む、修飾、合成、非天然塩基を有するヌクレオチドを含む。好ましくは、修飾塩基は天然の塩基のみを含むエンハンサー配列と比較してエンハンサー-標的二本鎖の熱安定性を上昇させるものである。特異的修飾塩基はプローブについて記載したものと同じである。
別の態様において、エンハンサーの一部または全部のヌクレオチドは置換されているか個々に異なる糖-ホスフェート骨格修飾を含み、例えば、2’-O-アルキルRNAヌクレオチド、ホスホロチオエートインターヌクレオチド結合、PNA(ペプチド核酸)、LNA (ロックされた核酸)が挙げられる。これらおよびその他の有用な糖-ホスフェート骨格修飾についての参考文献は上記の通りである。
エンハンサーは所望によりエンハンサーの一方の端またはその中央に複合体化したいくらかの機能性テイルまたはマーカーを含んでいてもよい。これら部分はプローブRテイルの鋳型-特異的切断を妨害するものであってはならない。好適な態様において、これら部分はエンハンサーの3’末端に結合する。別の好適な態様において、これら部分はエンハンサーのヌクレオチド塩基と複合体化し、エンハンサー-標的二本鎖が形成された場合、該部分はこの二本鎖のメジャー・グルーブ内に位置する。エンハンサー部分はエンハンサーハイブリダイゼーション特性を向上させうる。かかる部分の例としては、マイナー・グルーブ・バインダーおよび干渉物質が挙げられる。
本発明はまた、固体支持体に固定化されたエンハンサーを含む組成物も包含する。エンハンサーと複合体化した部分は、エンハンサーの固体支持体への結合に役立ちうる。この部分または固体支持体リンカーはエンハンサーの構造部分のいずれに結合してもよいし、構造部分自体であってもよい。
塩基および糖-ホスフェート骨格ならびにエンハンサーと複合体化したその他の機能的部分の修飾は標的-エンハンサー二本鎖形成の配列特異性を向上させることが出来、その結果、エンハンサーとミスマッチの標的核酸との結合と比較した、エンハンサーとマッチした標的核酸との結合における熱力学的相違が増加する。
本発明のアッセイにおいて、エンハンサーを含める場合はそれは、典型的には濃度約 50-200 nM、より典型的には濃度約 100-175 nM、および好ましくは濃度約 150 nMにて添加する。
D. 酵素
本発明に用いる酵素は、脱プリン/脱ピリミジン(AP)部位または標的核酸複合体と二本鎖形成したAP部位プローブと似た非典型的AP部位部分を認識し、好ましくはプローブと機能性テイルRの間のホスホジエステル結合を加水分解または切断するエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼである。エンハンサーはテイル切断反応の動力学の向上に利用できる。本発明の方法に有用な酵素は好ましくはプローブのNA部分または標的核酸を切断しないものである。そうではなくて、標的-特異的テイル切断より実質的に低い効率にてプローブNAまたは標的核酸を切断する酵素も本発明の方法の実施に有用である。標的核酸の非特異的検出を最小にするために、酵素は好ましくは標的核酸の非存在下においてはプローブのテイルRを切断しないものである。
好適な態様において、酵素はAPエンドヌクレアーゼである。該酵素はクラス Iまたはクラス II APエンドヌクレアーゼであってよい。好ましくは、酵素はクラス II エンドヌクレアーゼである。このファミリーに属する酵素は様々な生物から単離され、AP 脱塩基部位を特異的に認識し、AP部位の5’側にてホスホジエステル骨格を特異的に加水分解するあらゆるクラス II エンドヌクレアーゼが本発明の方法に用いることが出来る。クラス II APエンドヌクレアーゼの例としては、大腸菌からのエンドヌクレアーゼ IVおよびエキソヌクレアーゼ III、ヒトAPE1/REF-1 エンドヌクレアーゼ、酵母APN1 エンドヌクレアーゼ、ショウジョウバエ(Rrp1)およびシロイヌナズナ(Arp)からのエキソヌクレアーゼ III相同的酵素およびThermotoga maritimaからの熱安定性エンドヌクレアーゼ IVが挙げられる。その他のAP部位プローブを要求する検出および/または増幅システムに有用なAPエンドヌクレアーゼはNational Center for Biotechnological Information Entrez/PubMed nucleotide and protein databases 、website www.ncbi.nlm.nih.gov/から同定することが出来る。APヌクレアーゼの大腸菌エキソヌクレアーゼ III ファミリーに対して構造および機能において相同的な酵素も本発明に利用できる(Mol、et al.、Mutat. Res. 460:211 (2000); Ramotar、Biochem. Cell Bio. 75:327 (1997))。脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼの構造および機能は、Barzilay and Hickson in Bioessays 17:713 (1995)に概説されている。
好適な態様において、酵素は大腸菌エンドヌクレアーゼ IVである。大腸菌エンドヌクレアーゼ IVは、室温(25℃)〜75℃、好ましくは40-70℃または40-60℃、より好ましくは60-70℃または65-75℃において触媒活性を示す。標的核酸検出アッセイの温度は好ましくはAP部位プローブのハイブリダイゼーション融解温度によって決定し、ここで反応温度条件は好ましくはプローブ融解温度、Tmの上下5、4、3、2、1または0℃の範囲内である。エンドヌクレアーゼ IVの至適触媒活性はpH範囲7.5-9.5、好ましくは pH 8.0-9.0、もっとも好ましくは約 pH 8.5-9.0にて観察される。エンドヌクレアーゼ IV 酵素を用いる脱塩基部位アッセイは好ましくは、様々な温度にてpH値を7.5-9.5に安定に維持する緩衝液を用いて行う。好ましい緩衝液としては、HEPPS (4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパン-スルホン酸)およびHEPES (4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸)が挙げられる。好適な態様において、用いる緩衝液は、HEPPS-KOHである。ある態様において、TRIS 緩衝液も好適である。実施可能なさらなる生物学的緩衝液は、Sigma-Aldrich (St. Louis、MO、www.sigma.com)から見いだされる。通常、反応条件はナノモル濃度の酵素を含むが、テイル切断活性は酵素をピコモル濃度用いても観察され、フェトモル濃度でも観察されることもある。
E.プローブおよびエンハンサー結合部位の位置決め
図2は最高収率のテイル切断反応を達成するための最適なプローブおよびエンハンサーの設計を示す。プローブおよびエンハンサーは互いに近接して標的核酸と二本鎖を形成し、二本鎖の間の標的の1つの非対塩基が残る。この設計は図1に示す天然の損傷2を真似たものである。これは好ましい設計ではあるが、標的-プローブ複合体におけるテイルRの切断はエンハンサーの非存在下でも達成され、2つの二本鎖の間の非対標的ポリヌクレオチド塩基数が0、2またはそれ以上の塩基であっても達成される。これら設計はすべて本発明の範囲に含まれる。
エンハンサーを含めるのは、特に大腸菌エンドヌクレアーゼ IV ファミリーの酵素を用いる場合に望ましい。というのは、検出可能なレポーターシグナルによって測定したところ、酵素テイル切断速度は、エンハンサーの非存在下でのテイル切断速度と比較して6、7、8、9、または10倍上昇するからである。
F. テイル切断反応のサイクリング
従来は、サイクリングプローブアッセイに用いるプローブは、典型的にはプローブ配列の中のどこかに位置する切断可能リンカーを有するものであった。この設計は標的ポリヌクレオチドが反応の際にリサイクルされるサイクリングプロセスを起こすのに強力な熱力学因子を提供すると考えられている。ヌクレオチド配列の中央のプローブの切断はインタクトなプローブと比べてより短く、ハイブリダイゼーション特性の弱い産物をもたらす。典型的にはプローブ Tmより低い至適反応条件において、産物-標的複合体は互いに離れ、別のインタクトなプローブ分子との標的核酸の結合のために迅速にリサイクリングされる。
本発明におけるプローブ設計は、熱力学的、サイクリング-駆動性因子を欠く。プローブのハイブリダイゼーション特性はテイル切断反応の前後で実質的に同一に維持される。図17を参照されたい。プローブの3’末端に切断可能な機能性テイルを有するAP部位プローブはまた、サイクリング機構も支持する。標的核酸はテイル切断後もインタクトなままであり、切断可能な機能性テイルを有する別のAP部位プローブへの結合に利用可能である。典型的には、標的1分子あたり切断されるプローブの数は2以上であり、より典型的には約 5、10、20、または30であり、40または50となることもある。特定の理論に拘束されないが、ここで観察されるサイクリングは、他者によって開示された「熱力学的に駆動された」サイクリングとは異なり「動力学的に駆動された」ものであるようであり、それは多くの因子の結果である。第一に、反応温度がプローブハイブリダイゼーション融解温度に近く、プローブ-標的複合体の寿命が比較的短い場合、プローブ-標的二本鎖におけるプローブ分子の迅速な交換が起こる。一般原則として、反応温度がプローブ Tmに近いほど、サイクリングは速くなる。第二に、テイル-ON プローブ 濃度がテイル-OFF 産物より過剰な場合、例えば反応の早期段階においては、テイル-ON プローブが反応複合体に優先的に供給され、サイクリングが促進される。AP部位プローブ切断アッセイの至適反応温度、即ち、最大の切断速度が観察される温度は、AP部位プローブの融解温度とは異なりうるということが本発明の範囲において理解されよう。それはAPプローブ Tmより低くても高くてもよい。これはAP部位プローブ切断反応に影響を与える因子による。かかる因子の例は、異なる温度におけるAPエンドヌクレアーゼ活性、反応の核酸成分における二次構造の要素、所望の活性の複合体の形成と競合する標的核酸、AP部位プローブおよびエンハンサー(図2参照)が挙げられる。最後に、エンドヌクレアーゼはテイル-OFF 複合体よりもテイル-ON プローブ-標的核酸二本鎖に優先的に結合して安定化し、サイクリングプロセスを促進する。
G. エンドヌクレアーゼテイル切断反応の検出
NA含有部分またはテイルR含有部分の、エンドヌクレアーゼテイル切断反応のいずれの部分も、あるいはその両方も独立に検出することが出来る。機能性テイルRに結合させるのに好適なレポーター基には、ビーズ、ナノ粒子 (Taton、et al.、Science 289:1757 (2000)、化学発光物質、同位体、酵素およびフルオロフォアが挙げられる。様々な物理的または化学的方法を切断産物の検出に用いることが出来る。用いるマーカーの性質に応じて、かかる方法としては、例えば、クロマトグラフィーおよび電子-、UV-、IR-、質量-、放射能-、蛍光分光法が挙げられ、蛍光偏光等が含まれる。
好適な態様において、フルオロフォアレポーター基を含む機能性テイルRの切断は蛍光分光法により検出される。好適なフルオロフォアとしては、レソルフィン(resorufin)色素、クマリン色素、キサンテン色素、シアニン色素、BODIPY 色素およびピレンが挙げられる。好ましくは、機能性テイルRは、キサンテンコア構造を有する蛍光色素を含む。キサンテンコア構造を有する色素の例は図7に示される。機能性テイルRへの組込みに適当なさらなるフルオロフォアがPCT出願WO 01/142505およびMolecular Probes、Eugene、OR (accessible at www.Probes.com/handbook/)のHaugland、Handbook of Fuluprophores and Research Produnts、Ninth Ed.、(2002)に記載されている。
いくつかの態様において、機能性テイルRに組み込まれたフルオロフォアのバックグラウンド蛍光はAP部位プローブにクエンチャーを結合させることにより最小化される。典型的には、クエンチング分子は酵素によって切断されないリンカーを介してプローブの5’末端に共有結合する。いくつかの態様において、クエンチャーはプローブの中央または3’末端に結合する。クエンチャーがプローブの3’末端に結合する場合、それは通常、機能性テイルR に「切断可能なクエンチャー」として組み込まれ、フルオロフォアはプローブの中央または5’末端に結合する。好適な態様において、クエンチャーは図8に示す色素コア構造を含む。しかし、切断されない機能性テイルRに組み込まれたフルオロフォアの蛍光を中和またはマスクするあらゆる分子が本発明のクエンチャーとして有用である。AP部位プローブに結合させるのに好適なその他のクエンチャー分子および適当なクエンチャーおよびフルオロフォア対の選択についての教示は、Haugland、前掲に提供されている。さらなる教示は米国特許第3996345号および4351760号、米国特許公開2003/0096254および2003/0113765ならびに1999年12月8日出願の共有米国特許出願第09/457616号に提供されており、これらは引用により本出願に含まれる。
フルオロフォアおよび切断可能なクエンチャー分子は典型的には酵素によって特異的に切断されるリンカーを介してAP部位プローブに結合する。リンカーは堅固なものでも柔軟なものでもよい。好ましくはリンカーは構造的に天然の脱塩基部位を真似たものであり(図9参照)、エンドヌクレアーゼ IVによって切断されるものである。好ましくはホスフェートに結合するリンカーのC1 炭素は一級炭素である。好ましくはリンカーはホスフェートを含む。フルオロフォアまたは切断可能なクエンチャー分子をAP部位プローブに結合させるリンカーの例が図7および8に示される。好適な市販の化学的リンカーは、Pierce Biotechnology、Rockford、IL および Molecular Probes、Eugene、ORから購入できる。フルオロフォアやクエンチャーといったレポーター基をリンカーを介してオリゴヌクレオチドに結合させる好適な方法は、例えば、米国特許第5512677; 5419966; 5696251; 5585481; 5942610および5736626号に記載されており、これらはそれぞれ引用により本出願に含まれる。
好適な態様においてリンカーは強固なリンカーである。一つの好適な態様において、強固なリンカーは図9に示すようなヒドロキシプロリノールリンカーである。ヒドロキシプロリノール結合は米国特許第5419966; 5512677; 5519134;および5574142号に記載されており、これらはそれぞれ引用により本出願に含まれる。強固なリンカー、即ち、ヒドロキシプロリノールリンカーを介して結合した機能性テイルRの切断はより高濃度の酵素を要求し、触媒速度は遅いが、高度に特異的である。一般的に、エンドヌクレアーゼ IV 酵素は標的核酸の非存在下ではヒドロキシプロリノールリンカー等の強固なリンカーを介してAP部位プローブに結合した機能性テイルRを検出可能に切断しない。
いくつかの態様においては、機能性テイルRは柔軟なリンカーを介して結合しているのが望ましい。機能性テイルRの切断は柔軟なリンカーを介して結合した場合、より効率的であるが、標的核酸の非存在下でも検出可能なテイル切断が起こるため、特異性の減少が観察される。柔軟なリンカーを介して結合した機能性テイルRの非特異的切断は、二本鎖となっていないプローブよりは酵素に好まれるが、標的核酸と二本鎖を形成したプローブよりは酵素に好まれない競合的結合基質、即ち「おとり」を添加することによって最小化できる。1つの態様において非融解ゲノムDNAを標的核酸の非存在下におけるAP部位プローブ機能性テイルRの切断を最小化させるためのおとりとして反応に添加する。
特定のテイル構造がAPエンドヌクレアーゼの特異的基質として働く能力は、図10に示すように、プローブ/標的核酸/エンハンサー複合体を単一のヘアピン構造として提供するアッセイを用いて測定できる。好ましくは、ヘアピン構造は1つの非対核酸を有し、それによって二本鎖核酸に存在する天然の脱塩基部位をシュミレートするものである。別の態様において、試験アッセイヘアピン構造の非対核酸数は0または2でもよい。かかる試験アッセイにおいて、機能性テイルRの切断は、二本鎖形成していないAP部位プローブに結合したレポーター基の放出と比較しての、ヘアピン構造に結合したレポーター基の放出を測定することによって検出する。APエンドヌクレアーゼの特異的基質として作用するテイル構造は、二本鎖形成していないAP部位プローブからの切断速度と比較してより速い触媒速度にてヘアピン構造から切断される。特異的基質として作用するテイル構造は好ましくは、二本鎖形成していないAP部位プローブの存在下での非特異的切断と比べて、ヘアピン構造の存在下において、レポーター基シグナル(即ち、フルオロフォアレポーター基の蛍光単位/分)によって測定して、少なくとも50-、75-、または100-倍、より好ましくは300-、400-、500-、600-、700-、800-、900-または1000-倍の特異的切断速度を示し、1000-倍を超える速度を示しうる。図10Aに例示するヘアピン基質設計はクエンチャー部分を混み込んでいない。にもかかわらず、蛍光テイルのAPエンドヌクレアーゼ切断は色素蛍光をおよそ2倍上昇させる(図10B)。アッセイの蛍光シグナル結果はエンハンサーを表すヘアピン配列内にクエンチング部分を組込むことにより改善されうる。当業者であれば、図10に例示するヘアピン基質が異なる媒体におけるAPエンドヌクレアーゼ活性の検出および定量にも利用できることを理解するであろう。
別の態様において、AP部位プローブのNA部分が検出される。例えば、プローブテイル切断反応の産物は切断反応の後に起こる別の反応の結果として、あるいは切断反応と同時に起こる別の反応の結果として検出されうる。プローブからのテイルRの切断により「遊離の」3’−ヒドロキシル基が生じ、これは例えば、NTPsの存在下で鋳型-依存的ポリヌクレオチド合成においてポリメラーゼによって伸長され得、テイル-OFF プローブが鋳型と複合体形成したプライマーとして作用する。いくつかの態様において、プローブ伸長ヌクレオチド合成の鎖は検出可能な反応産物である。プローブ伸長において組み込まれたいくつかのNTPsは所望により検出可能なマーカーを有していてもよい。1または複数の検出可能なマーカーのプローブ伸長産物への組込みにより、合成されたヌクレオチド鎖の検出が簡便になる。
検出可能なマーカーを有する過剰の組み込まれなかったNTPsはプローブ伸長の合成された鎖を検出するために、反応混合物から除く必要がある。これは図2に示す反応複合体を固体支持体に固定化することにより達成される。複合体は複合テイル切断/プローブ伸長反応が完了する前または後に固定化すればよい。かかるアッセイの模式図を図3に示す。固定化は過剰の標識NTPsの除去の効果的な方法であるが、標識NTPsは溶液相においても除去することが出来る。かかるアプローチの例を図4に示す。もちろん、所望によりAP部位プローブ伸長または増幅アッセイにエンハンサーを含めてもよい。
H. 固体支持体テイル切断アッセイ
標的核酸プローブ-エンハンサー複合体は、プローブ-標的-エンハンサー複合体の1つの成分または別々に2つの成分に結合した1または複数のリンカーを介して固体支持体に共有結合させればよい。複合体の固定化は、非共有結合、例えば、アフィニティー、電荷または疎水性相互作用によっても達成できる。固定化はテイル切断反応の前または後に行えばよい。固体支持体材料は、例えば、ラテックス、プラスティック、誘導体化プラスティック、ポリスチレン、磁性または非磁性金属、ガラスまたはシリコン表面あるいは試験管、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、マイクロ粒子、チップの表面とすればよく、その他の配置も当業者に知られている。かかる材料は好適な形状で用いればよく、例えば、フィルム、シートおよびプレートとすればよく、あるいは適当な不活性担体、例えば、ペーパー、ガラス、プラスティックフィルム、または繊維に被覆、結合または積層させてもよい。
I. リンカーを介して互いに結合するプローブおよびエンハンサー
1つの態様において、プローブはエンハンサーと結合し、反応複合体のかかる2つの成分がテイル切断反応の際に互いに結合する。リンカーは共有結合または非共有結合リンカーのいずれであってもよく、即ち、プローブとエンハンサーとの相互作用は水素結合またはファンデルワールス力によって提供される。プローブ-エンハンサーリンカーはプローブおよびエンハンサーのいずれの位置に結合させてもよい。好ましくは、リンカーはテイル切断反応を阻害しないものであり、テイル切断反応を支持するのに適当な長さのものである。さらに、テイル切断アッセイに有用なリンカーは、AP部位プローブまたはエンハンサーが標的核酸と二本鎖を形成する能力を妨げないものである。最後に、好ましいリンカーはAPエンドヌクレアーゼによって切断されない。図5はプローブとエンハンサーとの間のリンカーの2つの可能な配置を模式的に示す。リンカーを介して結合した場合、プローブおよびエンハンサーは1つの分子または複合体の成分である。結合したプローブ-エンハンサー分子または複合体を固体支持体に固定化してもよい。
好適な態様において、プローブ-エンハンサーリンカーは置換されたアルキル骨格部分の別々のまたは組み合わされた反復から構成され、かかる骨格としては、(−OCHCH−)、(−OCHCH−OPO−)または−O(CHO−が挙げられる。典型的には、nは1-100、より典型的にはnは10、20、40、50、60または80である。別の態様において、リンカーは柔軟なポリペプチド鎖、例えば、ジヒドロピロロインドールペプチドまたは一連の1または複数のGly-(Ser)4 ポリペプチド配列の反復である。別の態様において、リンカーはオリゴヌクレオチド、例えば、ポリ Aまたはポリ Tなどである。さらに別の態様において、リンカーは典型的には約 100、200または300 原子、より典型的には約 40、60または80 原子の骨格を有するアルキル鎖である。その他の有用なアルキルリンカーは米国特許出願公開2003/0113765に記載されており、これを引用により本出願に含める。さらなる有用なリンカーはDempey、et al.、Nucleic Acids Res. 27:2931 (1999); Lukhtanov、et al.、Nucleic Acids Res. 25:5077 (1997); Lukhtanov、et al.、Bioconjug. Chem. 7:564 (1996); およびLukhtanov、et al.、Bioconjug. Chem. 6:418 (1995)に記載されている。適当なリンカーは市販されており、例えば、Pierce Biotechnology、Rockford IL (www.piercenet.com/)から得られる。オリゴヌクレオチドを結合させる適当なリンカーの選択の教示については、Haugland、Handbook of Fuluorophores and Research Products、前掲に提供されている。これらリンカーは、AP部位プローブまたはエンハンサーを固体支持体に結合させることにおいても有用である。
IV. APエンドヌクレアーゼテイル切断システムの適用
A. プライマー切断技術を用いる核酸増幅
AP部位プローブはプライマーとしても機能し得、核酸配列の検出におけるその使用を様々な方法で増幅技術と組み合わせることが出来る。増幅はAP部位プローブからの機能性テイルRの切断の前または切断と同時に行えばよい。
1つのアプローチにおいて、標的核酸をまず増幅し、増幅混合物サンプルから単離または精製をしてもしなくてもよいが、次いでAP部位プローブ、エンハンサーおよびAPエンドヌクレアーゼと接触させる。
別のアプローチにおいて、標的増幅と標的検出とは同一の反応混合物中で同時に行う。このアプローチにより増幅反応の際のテイル切断産物を検出することにより、リアルタイムで標的核酸を検出することが可能となる。いくつかの態様において、蛍光色素を有するテイルの切断によって生じる蛍光シグナルは可視的に検出される。増幅と検出を同時に行うことによって、被験サンプルにおける標的核酸の定量も可能となる。標的増幅と検出を同時に行う場合、反応条件(即ち、塩組成および反応成分濃度、反応のpH、および温度)は増幅と検出の両方を支持するように設計する。また、検出および増幅プロセスは組み合わせアッセイが無効となるように互いに干渉するべきではない。例えば、PCRを用いて標的DNAを増幅する場合、使用するAPエンドヌクレアーゼは増幅サイクルにおいて二本鎖DNAを融解するPCRにて使用される高温(典型的には 80-100℃)にて触媒的に活性であってはならない。これは熱安定性APエンドヌクレアーゼの使用(PCT出願WO 93/20191を参照、引用により本出願に含まれる)、さらに反応緩衝液へのいくらかの特定の酵素の熱安定性を高める成分、例えば、トレハロースの追加(Carninci、P.、et al.、Thermostabilization and thermoactivation of thermolabile enzymes by trehalose and its application for the synthesis of full length cDNA (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA、95、520-524を参照)、またはこれらのアプローチの組み合わせによって達成される。
一方、定温増幅技術は、一般的に標的増幅の際に温度変化を必要とせず、広範な温度、即ち20℃〜70℃にて行うことが出来る。選択される温度は使用する酵素の熱安定性および至適アッセイ条件に依存する。定温増幅アッセイを公知のAPエンドヌクレアーゼと組み合わせればよい。かかるAPエンドヌクレアーゼの例としては限定的ではないが、70℃まで安定な大腸菌エンドヌクレアーゼ IV、ヒトAPEエンドヌクレアーゼ、および酵母APエンドヌクレアーゼが挙げられる。
図6に示すように、本発明はさらに配列構造 (NA1 L)m-NA2を有する内部APエンドヌクレアーゼ切断部位を備えたプライマーを用いる標的配列の増幅も提供し、ここでNA1およびNA2は標的核酸に相補的な核酸配列、Lはエンドヌクレアーゼ-切断可能リンカーおよびm は0〜100である。標的核酸にハイブリダイズした内部 APエンドヌクレアーゼ切断部位を有するプライマーは、脱塩基部位を真似た3’ 機能性テイルまたは内部リンカー切断部位 (pL) が切断され、利用可能な3’−OH基が遊離すると、ポリメラーゼ伸長のためのプライマーとしても機能しうる。いくつかのpL 部位を含むプライマーにおいて、APエンドヌクレアーゼはpL部位を切断し、それによってポリメラーゼのための3’−OHプライミング部位が生じる。ポリメラーゼはpL 切断部位の下流から先に合成された相補的な核酸鎖を置換する、新たに形成されたプライマーから伸長する相補的な核酸配列を合成する。それぞれの合成された鎖はフォワードプライマーのための鋳型として作用する。この増幅スキームによると、1つのプライマーから生じる標的核酸のコピー数はpLリンカー切断部位の数と同じである。所望の単位複製配列の指数関数的な増幅を促すために、少なくとも1つのプライマーは2以上のpLリンカーを有するべきであり、他方のプライマーは少なくとも1つのpLリンカーを有すればよい。プライマー配列におけるpLリンカー数が多ければ、所望の標的配列がより効率的に増幅される。
目的の核酸配列のAP部位プライマーからの増幅のために、反応混合物のポリメラーゼ活性がエンドヌクレアーゼ活性より優勢であるのが好ましい。これは例えば、相対酵素濃度(ポリメラーゼ対エンドヌクレアーゼ)のバランスにより達成される。好ましくは、その伸長のプライマーまたは産物が標的核酸鎖と二本鎖形成したときだけエンドヌクレアーゼ はpLリンカーを切断する。さらに、AP部位プライマーを用いる増幅に使用するポリメラーゼは好ましくは、5’−3’エキソまたはエンドヌクレアーゼ 活性および3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くものである(校正)。最後に、AP部位プライマー増幅スキームに用いるポリメラーゼは好ましくは、pLリンカー部位が組み込まれた鋳型を「通読」即ち、その上を渡って伸長する。鎖伸長の際にポリメラーゼがpLリンカーに対して天然塩基を組み込むのが好ましい。適当な反応条件下において、ポリメラーゼおよびエンドヌクレアーゼの活性はフォワードおよびリバースプライマーの配列の間に位置し、それを含む核酸標的配列内の所望の単位複製配列の両方の鎖の定温増幅を可能にするべきである。AP部位プライマーを用いる核酸増幅は核酸検出と組み合わせることが出来、その結果、機能的な切断が起こる。というのはいずれの場合もAP部位切断は同じエンドヌクレアーゼに触媒されるからである。
B. AP部位テイル切断技術を用いる核酸多型の検出
AP部位プローブは、実質的に同じ配列を共有し、目的の配列内の塩基数において異なっている2つの関連する標的核酸のDNA 遺伝子型同定または検出に特に適している。一般に、目的の標的DNA配列の差異は1塩基(SNP)程度に小さい。APエンドヌクレアーゼは一般的に脱塩基部位からのいずれかの側のDNAに結合し、その好ましい酵素結合部位に近接するミスマッチ塩基対による影響を受ける。APエンドヌクレアーゼ結合部位の領域内に位置するミスマッチ塩基対は酵素-DNA-基質結合に負の効果を有し、したがって、検出可能なレポーター基シグナルによって測定した場合、テイル切断の触媒速度を遅らせる。APエンドヌクレアーゼは、酵素結合領域においてミスマッチ塩基対を有する標的核酸と二本鎖形成したプローブのテイルRの切断と比較して、酵素結合領域の外側に位置したマッチした塩基対を有する標的核酸配列と二本鎖形成したAP部位プローブの機能性テイルRを優先的に切断することによりその結合部位の領域に位置するミスマッチ塩基対を同定する。
AP部位プローブは、標的核酸の既知の位置または予測される位置に存在する可能性がある塩基対ミスマッチの検出に特に有用である。通常、かかるアッセイにおいて、2以上の異なるAP部位プローブがサンプルにおける1または複数の標的核酸と接触され、ここで各プローブは1または複数の塩基において異なる核酸配列および明白に検出可能なレポーター基を有する。例えば、2以上のAP部位プローブはそれぞれ検出可能に異なる放射波長のフルオロフォアを含む機能性テイルを有していればよく、かかるフルオロフォアとしては、例えば6-フルオレセインまたは緑色色素(図7、構造 6)およびヤキマ黄(Yakima Yellow)(図7、構造5)が挙げられる。大腸菌からのエンドヌクレアーゼ IVをアッセイに用いる場合、機能性テイルRの識別力のある切断は、塩基対ミスマッチがプローブ-標的核酸二本鎖においてAP部位プローブの3’末端に位置する場合にもっとも顕著である。好ましくは、ミスマッチはプローブの3’末端から8ヌクレオチド以内に位置し、より好ましくはプローブの3’末端から7、6、5、4または3位、もっとも 好ましくはプローブの3’末端から1または2位にあり、ここで、1位は3’末端ヌクレオチドである。もっとも好適な態様において、ミスマッチはプローブの3’末端から2位に位置する。AP部位プローブを用いる塩基対ミスマッチ同定アッセイは増幅システム、特に定温増幅システムと組み合わせて便宜に行うことが出来る。
塩基対ミスマッチ同定に用いられるAP部位プローブは一般的に約 6-18 ヌクレオチドの長さであり、より好ましくは約 6-16 ヌクレオチドの長さである。プローブが完全に天然の塩基対から構成される場合、それは好ましくは約10-16 ヌクレオチドである。ユニバーサルプローブライブラリーからのAP部位プローブもテイル切断塩基対ミスマッチ同定アッセイに有用である。5、6、7または8ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドユニバーサルライブラリーを使用することができ、特に少なくとも部分的に修飾塩基からなるものを使用することができる。
C. ユニバーサルライブラリーから構築したAP部位プローブ
本発明は、ユニバーサルライブラリーから構築したAP部位プローブを含む。「ユニバーサルライブラリー」とは特定のヌクレオチド長についての天然のヌクレオチド塩基のすべての可能な順列を意味する。一般的に、n ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドについてのユニバーサルライブラリーは、4nのメンバーからなる。例えば、6 ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドについてのユニバーサルライブラリーは46、即ち4096 メンバーからなる。ある態様において、APエンドヌクレアーゼテイル切断アッセイは6、7または8ヌクレオチド長のユニバーサルオリゴヌクレオチドライブラリーを用いる。ユニバーサルライブラリーのメンバーの一部または全部のハイブリダイゼーション融解温度を上昇させるために、オリゴヌクレオチドは上記のような組み込まれた修飾塩基を含んでいてもよい。
D. ミクロ流体工学
1または複数のAP部位プローブを用いる標的核酸検出および/または増幅方法は、ラージスケール、ハイスループット、そして特に例えばキャピラリー設計ミクロ流体装置におけるように小スケール量で行う場合の平行プロセシングにも適している。利用可能なミクロ流体工学装置およびシステムは例えばCaliper Technologies (Mountain View、CA、www.calipertech.com)およびAclara Biosciences (Mountain View、CA、www.aclara.com)から市販されている。ミクロ流体装置は小スケール量の検出と増幅手順の組み合わせを実施するのに適用される。本発明の方法の実施に利用可能なミクロ流体システムおよび装置は、例えば、米国特許第6558960; 6551836; 6547941; 6541274; 6534013; 6558945; 6399952、6306273; および6007690号、ならびに米国特許公開2003/0027352、2003/ 0017467、2003/17461、2002/0092767に記載されている。
以下の実施例は本発明を例示するものであり、限定するものではない。
IV.実施例
この実施例は、エンドヌクレアーゼ(クラス II APエンドヌクレアーゼ)テイル切断アッセイの有効性を示す。
アッセイ設計およびオリゴヌクレオチド成分構造:
Figure 0004510626
2つのプローブをこの例示的実験において用いた。これらプローブは標的オリゴヌクレオチドに相補的であり、同じオリゴヌクレオチド構造および5’-複合体化クエンチャー(Q)部分を有するよう設計した。クエンチャーの構造を図8(構造 #15)に示す。第一のプローブは3’末端において堅固な、ヒドロキシプロリノールリンカーを介してフルオレセイン色素と複合体形成させた。用いた3’−テイルの構造(構造 #8)を図7に示す。第二のプローブは第一のプローブの3’−OH基とヒドロキシプロリノールリンカーの間のさらなるプロパンジオールリンカー(−O−PO −O−CHCHCH−O−)の組込みにより生じた柔軟なエンドヌクレアーゼ-切断可能リンカーを含むものであった。アッセイにおいてエンハンサーオリゴヌクレオチドを用いてテイル切断反応を支持した。標的はプローブおよびエンハンサーの二本鎖の間に1つの非対塩基を有していた。
実験はLightCyclerTM (Idaho Technology Inc.)を用いて行った。サンプルは濃成分ストック溶液を混合することにより氷上で調製し、迅速に装置チャンバに移し、そこで40℃に加熱して維持した。反応成分の終濃度は以下の通り:プローブ = エンハンサー = 150 nM、標的 = 5 nM、大腸菌エンドヌクレアーゼ IV = 0.04 単位/μL、ウシ血清アルブミン (BSA) = 20 mM Tris-HCl (pH8.5)、5 mM MgCl2中0.025%。反応容量は10μLとした。蛍光記録サイクル時間は40秒とした。
結果を図11に示す。強固なリンカーを有するプローブが標的とエンハンサーオリゴヌクレオチドを含む混合物中にある場合、強い蛍光シグナルが実験期間にわたって検出された。エンドヌクレアーゼ IVが標的-プローブ-エンハンサー複合体を認識し、プローブのフルオレセイン-リンカー部分を切断した結果、5’−Q-テイルによるクエンチング効果から色素が解放された。エンハンサーの非存在下ではシグナルが減少し、系から標的を除くと蛍光シグナルは全くなくなり(バックグラウンドシグナル)、非常に高レベルの反応特異性が示された。
柔軟な3’−テイルを有するプローブであるプロパンジオールリンカーの組込みにより3’−エンドヌクレアーゼ-切断可能なテイルを伸長させた場合、同様の効果が観察された。第一のプローブと異なり、エンハンサーの存在は柔軟な3’−テイルを用いた場合それほど重要ではないが、標的の非存在下での蛍光の上昇が検出された。標的-特異的テイル切断反応の高く、ほぼ定量的な収率は反応のサイクリングモードを示す。というのは標的に対して30倍過剰にプローブを用いたからである。
この実施例はAPエンドヌクレアーゼテイル切断反応の効率がプローブのハイブリダイゼーション特性と反応温度の間のバランスに依存することを示す。11、9、7および6核酸長の標的に相補的なプローブを調製した。
アッセイ設計、成分構造および融解温度(Tm):
Figure 0004510626
Qは、図8に示す5’−複合体化したクエンチャー(構造 #15)である。FAMは図7 (構造 8)に示すフルオレセイン色素とリンカーから構成されるエンドヌクレアーゼ切断可能なテイルである。示された6-マーのプローブに加えて、塩基修飾した6-マーのプローブを調製した。このプローブにおける3つのT塩基をすべて二本鎖安定化効果をもたらす5-ヒドロキシブチニルウリジンと置換した。
この実験はABI PRISMTM 7700 配列検出器にて行った。反応容量は10μLとした。サンプルを氷上で調製し、迅速に装置チャンバに移し、そこで30℃に加熱して維持した。蛍光記録サイクル時間は30秒とした。サンプル中の成分終濃度は以下の通り:プローブ = エンハンサー = 150 nM、標的 = 5 nM、大腸菌エンドヌクレアーゼ IV = 20 mM Tris-HCl (pH8.5) 、5 mM MgCl2中0.04 単位/μL。結果を図12に示す。最も長い11-マーのプローブ(Tm= 45 ℃)のテイルをエンハンサーと標的の存在下で30℃で切断し、蛍光は40℃で検出した。最も長いプローブと形成した二本鎖の安定性の上昇は標的リサイクリング効率を阻害した。より短い9-マーのプローブ (Tm= 35℃)のテイルは効率的に切断された。標的-特異的テイル切断の効率はプローブのハイブリダイゼーション特性と反応温度とのバランスに依存する。一般的に、プローブ Tm と反応温度の差が大きいほど、長い反応時間にわたる蛍光シグナルは低くなった。6-マーのプローブ(Tm= 2℃)のテイルの標的-特異的切断は観察されなかった。しかし、このプローブに二本鎖-安定化塩基を組み込むと(Tm=13℃)、蛍光シグナルが検出された。
この実施例は大腸菌エンドヌクレアーゼ IVの基質特異性を示す。このセットの実験においてエンハンサーを標的配列にそって位置させ、0、1または2ヌクレオチドのプローブおよびエンハンサー二本鎖間のギャップを提供した。
Figure 0004510626
Qは図8に示す5’−複合体化したクエンチャー(構造 #15)である。FAMは図7 (構造 8)に示すフルオレセイン色素とリンカーから構成されるエンドヌクレアーゼ切断可能なテイルである。
実験はRotor-Gene 3000 (Corbett Research、Sydney、Australia)を用いて行った。反応容量は10μLとした。サンプルを氷上で調製し、Rotor-Gene チャンバに迅速に移し、そこで40℃に加熱し維持した。蛍光記録サイクル時間は40秒とした。サンプル中の成分終濃度は以下の通り: プローブ = エンハンサー = 150 nM、標的 = 5 nM、大腸菌エンドヌクレアーゼ IV = 20 mM Tris-HCl (pH8.5)、5 mM MgCl2中 0.04 単位/μL。
結果を図13に示す。最高の蛍光シグナルは、標的にハイブリダイズしたプローブとエンハンサーの間に1 ヌクレオチドのギャップが存在する場合に観察された。プローブとエンハンサーの間に非対塩基の無いプローブ-標的核酸-エンハンサー複合体はわずかな検出可能な蛍光シグナルが示さず、これはおそらく蛍光テイルの切断が非常に少なくなったためである。2塩基ギャップを有する複合体は、塩基ギャップのない複合体より良好な性能を示した。1塩基ギャップを有する複合体がエンドヌクレアーゼ IVに好ましい基質であった。それはおそらくこの複合体が酵素の天然の基質にもっとも似ているからである。
この実施例は、一塩基対ミスマッチの識別のためのテイル切断アッセイの適用を示す。エンドヌクレアーゼ IVは特に標的核酸とハイブリダイズしたAP部位プローブの3’末端に位置する一塩基対ミスマッチを識別する。
アッセイ設計およびオリゴヌクレオチド成分構造:
Figure 0004510626
Qは図18に示す5’−複合体化したクエンチャー (構造 #15)である。FAMは図7 (構造 8)に示すフルオレセイン色素およびリンカーを含むエンドヌクレアーゼ切断可能なテイルである。この実施例に用いたプローブは14-マー(Tm = 60 ℃)および10-マー(Tm = 48 ℃)のオリゴヌクレオチドであった。エンハンサーは反応においてサイクリングする必要はなく、高いTm、70℃であった。先に示した標的配列に加えて、18の41-マーの標的核酸配列をミスマッチのプローブ/標的複合体の存在下でのエンドヌクレアーゼ IV テイル切断活性の研究のために合成した。これらDNA標的は完全にマッチした配列と1塩基異なり、3’末端に最も近い6塩基内に位置する各プローブヌクレオチドと3つの単一塩基ミスマッチを形成した。プローブとハイブリダイズした1つの標的はプローブの3’末端から8位に位置するG/Tミスマッチを提供した。標的配列内の可変塩基に下線を示す。反応は実施例2-4に記載の標準条件で行った。テイル切断の初期速度を各標的核酸/プローブ組み合わせについて反応温度の関数として測定した。14-マーおよび10-マーのプローブについてのデータをそれぞれ図14および図15に示す。
良好なミスマッチ識別がミスマッチが3’末端から1または2塩基に位置する場合に観察された。14-マーより短いプローブはより効果的にミスマッチを識別した。別の実験(図15)において、10-マーのプローブは14-マーのプローブと比較して蛍光単位/分として測定して至適反応温度においてテイル切断速度は4倍遅かった。しかし、マッチした二本鎖とミスマッチの二本鎖との間の検出可能なシグナルの全体の範囲の上昇が10-マーのプローブを用いた際に観察された。二本鎖の全エネルギーに対してより短いプローブにおける各ヌクレオチド塩基対の熱力学的寄与がより大きいため、より短いプローブはより効果的に相補的なプローブ標的二本鎖とミスマッチのプローブ標的二本鎖とを識別するようである。
APエンドヌクレアーゼテイル切断アッセイにおけるSNP識別には熱力学的効率と酵素効率の両方が寄与している。熱力学については、所与の温度において、プローブは、マッチした部位およびミスマッチの部位に異なる効率で結合する。酵素効率については、エンドヌクレアーゼ切断効率はプローブ3’末端の近くに塩基対ミスマッチが位置すると減少する。プローブの3’末端からミスマッチが遠いほど、酵素テイル切断効率に対するその効果は小さくなる。至適なミスマッチ識別はミスマッチがプローブの3’末端自体に位置するか (1位)、次の塩基対に位置する(2位)場合に達成された。ミスマッチが2位にあるとき、蛍光シグナルは実質的に検出不可能である。
T/Gなどの安定なミスマッチは効果的には識別されなかった。一方、A/C、T/C、C/Cミスマッチは非常に良好に識別された。予期せぬことに、4位および5位の比較的不安定なT/T-ミスマッチでは、最大のプローブテイル切断がより低い温度で起こるが、検出可能なプローブテイル切断が可能であった。
この実施例は8 ヌクレオチド長のユニバーサルライブラリーからの2つのAP部位プローブを用いるヒトゲノムDNAにおける単一ヌクレオチド多型のPCR後の検出のためのテイル切断アッセイの適用を示す。
アッセイ設計およびオリゴヌクレオチド成分構造:
Figure 0004510626
多型の周囲の標的配列のフラグメントを上に示す。T/C ミスマッチに下線を施した。第一および第二のプローブを図7、構造 #8 (FAM) および#7 (YD)にそれぞれ示す蛍光テイルで標識した。Qは図8に示す5’−複合体化したクエンチャー(構造 #15)である。AおよびT 塩基を修飾塩基「a」および「t」で置換した。
目的の多型においてT-ホモ接合性、T/C-ヘテロ接合性およびC-ホモ接合性として遺伝子型を前もって同定されたヒトゲノムDNAの3つの個々のサンプルを非対称PCRによって増幅した。PCRはABI PRISMTM 7700 配列検出器にて行い、フォワード CAAACTTTGTCCTTGGTCTA およびリバースTTCTTTTACCACTCCCCCTT プライマーおよびPCR サイクリングプロフィール: 2分50℃-2分95℃-(5秒95℃-20秒56℃-30秒76℃)x50回を用いて行った。
PCR反応組成および濃度:
フォワードプライマー 2 μM; リバースプライマー 100 nM; 標的 DNA 1mg/μl; JumpStart Taq DNAポリメラーゼ 0.08 U/μl; ウラシル-N-グリコシラーゼ 0.01 U/μl; 40 mM NaCl、20 mM Tris-HCl (pH8.7)、2.5 mM MgCl2中 dATP、dCTPおよびdGTP 125 μM; dUTP - 250 μM 、PCR 反応容量を50 μlとした。
50サイクル後、5 μlの各PCR反応を、40 mM Tris-HCl (pH8.5)、10 mM MgCl2中AP部位プローブおよびエンハンサー(濃度 300 nM )および大腸菌エンドヌクレアーゼ IV( 0.08 U/μl)を含む5 μlの溶液と混合した。反応混合物をABI PRISMTM 7700 配列検出器チャンバに移し、30℃に加熱し、維持した。蛍光は装置のFAMおよびVICチャンネルで検出した。結果は図16に示す。AP部位プローブの切断は、DNA対立遺伝子組成に一致する。C-ホモ接合性 DNAの場合にのみ第一のプローブは切断され、FAMチャンネルにおいて蛍光シグナルの上昇が検出された。T-ホモ接合性 DNAを用いた場合逆となり、増幅されたヘテロ接合性 DNAを含む反応混合物においては両方のプローブが切断された。
この実施例はAP部位プローブからの機能性テイルRの切断がプローブハイブリダイゼーション特性に効果を与えないことを示す。相補的な 5 mM MgCl2、20 mM Tris-HCl (pH8.5)中の標的オリゴデオキシリボヌクレオチド 5'-CAAGGACCGAGTC-3'とODNプローブ、5'-Q-ACTCGGTCCTT-FAM-3'および5'-Q-ACTCGGTCCTT-3'をそれぞれ混合することによって2つのサンプルを調製した。Q は図8(構造 #15)に示す5'-複合体化したクエンチャーである。FAMは図7 (構造8)に示すフルオレセイン色素とリンカーを含むエンドヌクレアーゼ切断可能なテイルである。 二本鎖の変性プロフィールを図17に示す。これらプロフィールは温度 (0.4℃/分)に対するサンプル吸収(A260)をモニターすることによって得た。標的ODNは1 μM 濃度のプローブより1.2倍過剰とした。
本明細書に記載の実施例および態様は例示的なものであり、本発明の精神および枠内において様々な改変及び変更が当業者に示唆されることが理解される。本明細書で言及したすべての刊行物、特許および特許出願はあらゆる目的のためその全体が引用により本出願に含まれる。
図1は、APエンドヌクレアーゼによって切断される2つのタイプのDNA損傷の構造を示す。「ax」は、脱塩基部位、2’−デオキシリボースを示す。「s」は2’−デオキシリボース(脱塩基部位)の産物を示す。自発的または酵素的分解は、リボース (脱塩基部位)の3’−ヒドロキシル基と最も近いDNA鎖のヌクレオチドとの間のホスホジエステル結合の切断を導く。損傷1は典型的なAP、即ち、核(nuclear)塩基の欠損により生じた脱塩基部位である。損傷2は損傷1におけるデオキシリボースの固有の不安定性またはクラス I APエンドヌクレアーゼによるその切断の結果として表れる非典型的な脱塩基部位である。 図2は、矢印で示される結合にてAPエンドヌクレアーゼによって認識および切断されるプローブ-エンハンサー-標的核酸複合体の模式図を示す。エンハンサー-標的二本鎖の存在はテイル-切断に必要ではない。しかし、プローブの下流に結合しているエンハンサー-標的二本鎖は通常テイル-切断反応の動力学を向上させる。 図3は、標的核酸検出のためにテイル切断およびプローブ伸長反応の両方を組み込んだ固体支持体ベースアッセイの模式図である。切断可能なテイルを有するプローブが固体支持体に固定化される。標的核酸、エンハンサーおよびプローブは-p-R テイルのエンドヌクレアーゼ切断を容易にする基質複合体を含み、その結果生じるプローブの3’−OH基はヌクレオチドポリメラーゼによって伸長される。ヌクレオチド5’−トリホスフェート(NTP)は特異的標識またはマーカーで標識される。図示する実施例において、重合は標識ヌクレオチドの取り込み後に終結する。過剰の標識NTPを洗浄により除去した後、標識プローブを固体支持体に結合させ、プローブと二本鎖を形成した標的核酸の存在が検出される。標的ヌクレオチド検出に加えて、このアプローチは二本鎖領域の3’側の標的ヌクレオチドの配列決定を可能にする。かかる場合において、各NTPは特異的マーカーで標識される必要がある。「R」は機能的化学的テイルを表す。 図4は、標的核酸検出のためのテイル切断およびプローブ伸長反応の両方を組み込むアッセイの模式図を示す。「D1」は蛍光色素であり「DX」はD1以外の蛍光色素である。両方の色素は蛍光共鳴エネルギー転移 (「FRET」)効果を支持するよう選択され、D1の放射がDXの吸収とオーバーラップする。FRETは異なる分子に結合した2以上の色素から同じ分子内または複合体内の2以上の色素を識別するために用いられる。反応混合物はD1の吸収範囲内であるがDXの吸収範囲内ではない波長にて照射される; 反応混合物の蛍光をDX色素の放射範囲内で測定する。DX色素は混合物においてこの部分がプローブ配列に組み込まれた場合にのみ検出される。DXは1または複数の色素であってよい。例えば、各NTPを特定の色素で標識すればよい。至適なFRET効果のために、D1は好ましくはプローブの3’末端近くに結合させる。結合はテイル切断部位やプローブ伸長反応を阻害するものであってはならない。 図5は共有結合的(A)または非-共有結合的な(B)プローブの5’末端とエンハンサーの3’末端との結合のための例示的な結合ストラテジーの模式図である。 図6は、本発明の方法による標的核酸増幅の初期段階を示す模式図である。段階Aにおいて、その配列にわたってランダムに組み込まれた複数の、エンドヌクレアーゼ切断可能リンカー部位(「pL」)を有するプライマーが標的核酸鎖に結合する。段階Bにおいて、ポリメラーゼ伸長がプライマーの3’末端から始まって二本鎖を提供する。段階Cにおいて、エンドヌクレアーゼがpLリンカー部位を切断し、ポリメラーゼ伸長に利用可能な3’−ヒドロキシ基が提供される。段階Dにおいて、切断可能リンカー部位から開始するつづく伸長反応が先に合成された鎖を置換する。この方法により1つの標的核酸鎖から複数のコピーの相補的な標的核酸鎖が合成される。 図7は、機能性テイルRに組み込まれうる例示的なフルオレセインフルオロフォアおよびリンカーを示す。 図8は、機能性テイルRに組み込まれうる例示的な切断可能なクエンチャーおよびリンカーを示す。切断可能リンカーを有さないクエンチャー分子はAP部位プローブの中央または5’末端において組み込まれうる。構造15は好ましいクエンチャーのAP部位プローブの5’末端への組込みの例である。 図9は、好ましいヒドロキシプロリノールリンカーを示し、天然の脱塩基部位とその構造を比較する。 図10は、APエンドヌクレアーゼのモデル基質としてのプローブ標的核酸-エンハンサー複合体を刺激するヘアピン構造を示す。大腸菌エンドヌクレアーゼ IVによる反応におけるこの基質の切断も図10に示す。反応は時間に対する蛍光として、5 mM MgCl2、20 mM Tris-HCl (pH8.5)中でモニターした。実験はABI PRISMTM 7700 配列検出器 で60℃で行い、ヘアピン基質濃度150 nMおよび酵素濃度0.0004 U/μLで行った。この実施例に用いたテイルの構造を図7、構造 #2に示す。 図11は、APエンドヌクレアーゼテイル切断アッセイにおいてエンハンサー分子を含めることの効果を示す。アッセイは実施例1に記載する。 図12は、プローブハイブリダイゼーション特性、即ち融解温度(Tm)の関数としてのテイル切断反応の効率を示す。アッセイは実施例2に記載する。 図13は、AP部位プローブとエンハンサー分子との間の様々なギャップサイズの存在下でのエンドヌクレアーゼ IV 酵素の基質特異性を示す。アッセイは実施例3に記載する。 図14は、テイル切断効率に対する、ハイブリダイズしたAP部位プローブの3’末端 からのミスマッチの距離の効果を示す。ミスマッチは14-マーのプローブの3’末端から1、2、3、4、5、6および8塩基にて配置した。単一ヌクレオチドミスマッチ (SNPs)のタイプおよびそのプローブの3’末端からの位置を各グラフの左側に示す。アッセイは実施例4に記載する。 図15は、標的核酸における単一ヌクレオチド多型を識別する比較的短い、10-マーのAP部位プローブの優れた能力を示す。より長い、その性能を図14に示す14-マーのプローブと比較して、10-マーのプローブは広い温度範囲にてすべての試験したSNPsを効果的に識別した。ミスマッチのプローブの3’末端に対する位置は、プローブ切断効率に効果があったが、より長い14-マーのプローブについてはそれほど顕著ではなかった。アッセイは実施例4に記載する。 図16は、識別可能な蛍光色素により標識され、修飾「a」および「t」塩基(「a」は、Super ATM であり「t」は Super T TM 、www.Epochbio.comを参照)を含む2つの7-マーのAP部位プローブによるヒト DNA サンプルにおける単一ヌクレオチド多型のPCR後検出を示す。アッセイは実施例5に記載する。 図17は、AP部位プローブからの蛍光機能性テイルRの切断がプローブハイブリダイゼーション特性に影響を及ぼさないことを示す。インタクトな、および切断されたプローブの融解曲線をそれぞれ白と黒のドットで示す。アッセイは実施例6に記載する。

Claims (28)

  1. 以下の工程を含む、サンプルにおける標的核酸を検出する方法:
    a)サンプルを、少なくとも1つのAP部位プローブおよびエンドヌクレアーゼIVと、AP部位プローブが標的核酸にハイブリダイズして反応混合物を形成するのに十分な条件下で接触させる工程、ここで該AP部位プローブは標的核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドNAおよび検出可能なレポーター基を含む機能性テイルRを含み、該機能性テイルRはNAの3’末端ヌクレオチドにホスフェート基のホスホジエステル結合を介して結合しており、かつ、該機能性テイルRはホスフェート基にヒドロキシプロリノールリンカーを介して結合しており、ここでレポーター基は機能性テイルRがNAに結合している場合には検出されない;および、
    b) 該エンドヌクレアーゼIVがNAの3’末端 ヌクレオチドに機能性テイルRを結合させているホスホジエステル結合を切断するのに十分な反応条件下で反応混合物をインキュベートする工程、ここでエンドヌクレアーゼIVは、NAがハイブリダイズしていないか非相補的な核酸にハイブリダイズしている場合と比較して、NAが相補的な標的核酸配列にハイブリダイズしている場合に、NAにテイルRを結合させているホスホジエステル結合を優先的に切断する;そして、
    c)切断された機能性テイルR上のレポーター基を検出し、それによって標的核酸を検出する工程。
  2. さらにサンプルとエンハンサーオリゴヌクレオチドとを接触させる工程を含み、ここで該エンハンサーオリゴヌクレオチドの5’末端が、ハイブリダイズしたAP部位プローブの3’側で標的核酸とハイブリダイズし、エンハンサーオリゴヌクレオチドとAP部位プローブの標的核酸とのハイブリダイゼーション位置の間に1−2の非対塩基のギャップが存在する、請求項1の方法。
  3. 該AP部位プローブの5’末端が該エンハンサーの3’末端に共有結合している請求項2の方法。
  4. 非切断可能リンカーを介して該AP部位プローブのNAの5’末端に結合したクエンチャー分子をさらに含む、請求項1の方法。
  5. ホスホジエステル結合の切断の結果、遊離の3’−OHを有するハイブリダイズしたNAが生じる、請求項1の方法。
  6. さらにサンプルと核酸ポリメラーゼとを接触させる工程を含み、そしてさらに標的核酸を増幅させる工程を含み、ハイブリダイズしたNAをポリメラーゼが鋳型特異的に伸長させるのに十分な反応条件でのサンプルのインキュベートが該増幅に含まれる、請求項5の方法。
  7. 該増幅が定温増幅である請求項6の方法。
  8. エンドヌクレアーゼIVがAP部位プローブのホスホジエステル結合を切断するのと同時にポリメラーゼが切断されたAP部位プローブを鋳型特異的に伸長させることを可能にする反応条件下でサンプルをインキュベートする、請求項5の方法。
  9. 該AP部位プローブのNAが6-200 ヌクレオチドの長さである請求項1の方法。
  10. レポーター基がフルオロフォアである請求項1の方法。
  11. 標的核酸が固体支持体に結合している請求項1の方法。
  12. AP部位プローブが固体支持体に結合している請求項1の方法。
  13. エンハンサーが固体支持体に結合している請求項2の方法。
  14. 該少なくとも1つのAP部位プローブが第一のAP部位プローブと第二のAP部位プローブを含み、ここで該第一のプローブが第二のプローブのNA部分とは異なる少なくとも1つの塩基を含むNA部分を含み、該第一のプローブが該第二のプローブのレポーター基から識別的に検出可能なレポーター基を含む請求項1の方法。
  15. 該第一のプローブおよび該第二のプローブのレポーター基がフルオロフォアを含み、ここで該第一のプローブのフルオロフォアが、該第二のプローブのフルオロフォアと識別的に検出可能な放射波長を含む、請求項14の方法。
  16. 該第一のプローブのNAと該第二のプローブのNAの間の該少なくとも1つの塩基の種類の差が該プローブの3’末端から1、2、3または4位における塩基の差を含む、請求項14の方法。
  17. 該第一のプローブのNAと該第二のプローブのNAの間の該少なくとも1つの塩基の種類の差が該プローブの3’末端から1または2位における塩基の差を含む、請求項14の方法。
  18. 該少なくとも1つのAP部位プローブが複数のAP部位プローブを含み、該プローブのNA部分がユニバーサルライブラリーのメンバーである、請求項1の方法。
  19. 該AP部位プローブメンバーのNA部分が6-8 ヌクレオチドの長さである請求項18の方法。
  20. 該AP部位プローブメンバーがさらに少なくとも1つの修飾塩基を含む請求項9の方法。
  21. 請求項1の方法を実施するためのAP部位プローブを含むキット。
  22. 以下の工程を含むサンプルにおける標的核酸の検出方法:
    a)AP部位プローブが標的核酸にハイブリダイズして反応混合物を形成するのに十分な条件下で、サンプルと少なくとも1つのAP部位プローブおよびエンドヌクレアーゼIVを接触させる工程、ここで該AP部位プローブは、標的核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドNA、クエンチャー分子を含む機能性テイルRおよびNAの5’末端ヌクレオチドに非切断可能リンカーを介して結合したレポーター基を含み、該機能性テイルRはNAの3’末端ヌクレオチドにホスフェート基のホスホジエステル結合を介して結合しており、かつ、該機能性テイルRはホスフェート基にヒドロキシプロリノールリンカーを介して結合しており、ここで、レポーター基は機能性テイルRがNAに結合している際には検出されない;および、
    b)該エンドヌクレアーゼIVが、機能性テイルRをNAの3’末端ヌクレオチドに結合させているホスホジエステル結合を切断するのに十分な反応条件下で反応混合物をインキュベートする工程、ここでエンドヌクレアーゼIVは、NAがハイブリダイズしていないか非相補的な核酸にハイブリダイズしている場合と比較して、NAが相補的な標的核酸配列にハイブリダイズしている場合にテイルRとNAを結合させているホスホジエステル結合を優先的に切断する;および、
    c) 機能性テイルRの切断に際してレポーター基を検出することによって、標的核酸を検出する工程。
  23. 以下を含むサンプルにおける標的核酸配列の増幅方法:
    a)フォワードプライマーとリバースプライマーが標的核酸にハイブリダイズして反応混合物を形成するのに十分な条件下で、サンプルを少なくとも1つのフォワードプライマーおよび少なくとも1つのリバースプライマー、エンドヌクレアーゼIV、および核酸ポリメラーゼと接触させる工程、ここでフォワードプライマーとリバースプライマーは独立に配列構造(NA1-L)m-NA2を有し、ここでNA1およびNA2は標的核酸に相補的な核酸配列であり、LはエンドヌクレアーゼIV切断可能リンカーであり、かつ、Lはヒドロキシプロリノールリンカーであり、mは1〜100であり、ここで該フォワードプライマーとリバースプライマーの少なくとも1つはエンドヌクレアーゼIV切断可能リンカー、Lを含む;
    b) エンドヌクレアーゼIVがリンカー部位Lにおいて切断して遊離の3’−OHを生じさせると同時にポリメラーゼが鋳型特異的にプライマーを伸長させるのを可能とする反応条件下で反応混合物をインキュベートし、それによって標的核酸配列を増幅する工程。
  24. 該増幅が定温増幅である請求項23の方法。
  25. 該標的核酸が増幅反応産物である請求項1の方法。
  26. 該増幅反応がポリメラーゼ連鎖反応である請求項25の方法。
  27. 該増幅反応がポリメラーゼ連鎖反応であり該方法が熱安定性エンドヌクレアーゼを用いる請求項25の方法。
  28. 該増幅反応が定温増幅反応である請求項25の方法。
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