JP4505678B2 - 送信ダイバーシチ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信において移動局の受信品質を改善するダイバーシチ受信方式において、送信側に複数のアンテナを有しそれらを制御することで移動局の受信品質を改善する送信ダイバーシチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の移動通信の電波伝搬環境はマルチパス環境となるため、移動局の走行に伴い受信電力は大きく変動する。受信電力変動による通信品質の低下を克服し、移動局の通信品質を改善する方法の一つに受信ダイバーシチがある。受信ダイバーシチは、複数のアンテナで受信した信号を合成することで通信品質の改善を図る方法である。合成の方法により、選択合成、最大比合成等がある。しかしながら、複数のアンテナや受信機を必要とすることから移動局の装置構成の負荷は大きい。これらについては、例えば、奥村善久、進士昌明監修、「移動通信の基礎」、第7章、電子情報通信学会(1986)に詳しく説明されている。
【0003】
一方、移動局のダイバーシチ受信の負荷を軽減する方法として基地局送信ダイバーシチがある。基地局送信ダイバーシチは、図4に示すように基地局4−1に複数のアンテナ4−2a、4―2bを設置する。基地局4−1は、基地局のアンテナ4−2a、4―2bが出す信号のうち、移動局4−6のアンテナ4−7が高感度で受信する基地局のアンテナ4−2a、4―2bから信号を送信する方法である。この方法は基地局アンテナ切替送信ダイバーシチと呼ばれている方法である。但し、この方法では移動局4−6が受信する電力が高い基地局のアンテナを基地局4−1で推定するか、その情報を移動局4−6から得る必要がある。
【0004】
また、送信ダイバーシチの効率を一層高める方法としてIMT2000方式で標準化されているW−CDMA方式のフィードバック方式送信ダイバーシチがある。係る装置の構成を図5に示す。ここでは基地局5−1のアンテナを5−9a、5−9bの2本としている。基地局5−1は、個別の通信(個別チャネル)と共通制御信号の送受に用いる送受信機5−4、移動局5−11側で基地局のアンテナの識別を行うための信号(以下、パイロット信号と呼び、ここではパイロット信号P1とパイロット信号P2と区別して用いることにする)の送信に用いる送信機5−2と送信機5−3から構成される。また、送受信機5−4には各アンテナ出力の位相と振幅(ウェイト情報W)を制御するウェイト制御部5―5、5−6と、移動局5−11から送られてくる前記ウェイト情報Wを前記ウェイト制御部5―5、5−6に設定するためのウェイト制御装置5―10が接続されている。
【0005】
移動局5−11は、基地局の異なるアンテナ5−9a、5―9bからそれぞれ送信されるパイロット信号P1、P2を各々受信する受信機5−13、受信機5−14と、個別の通信と計算したウェイト情報を基地局に送信するのに用いる送受信機5−15、パイロット信号から基地局のアンテナの位相と振幅の最適値を計算するためのウェイト計算部5−16が具備されている。
【0006】
前記システムでは、異なるコードで変調されたパイロット信号P1、P2が加算器5―7、5−8を介して基地局5−1の各アンテナ5−9a、5―9bから移動局5−11へ送信されている。移動局5−11は、前記各パイロット信号P1、P2を受信機5−13、受信機5−14で受信して復調する。
【0007】
ウェイト計算部5−16は、各パイロット信号P1、P2の振幅と位相から各パイロット信号を最大比合成した場合に、受信電力が大きくなるようにウェイト情報W(振幅と位相)を計算する。パイロット信号P1、P2を基にして計算したウェイト情報Wは、送受信機5−15を介して基地局5−1に送信する。基地局5−1では移動局5−11から送られてきたウェイト情報を加算器5−7、5−8を介して送受信機5−4で受信する。そして送受信機5−4は、前記受信したウェイト情報をウェイト制御装置5―10により個別チャネルの送信機のウェイト情報Wをウェイト制御部5―5、5−6に設定する。従って、個別チャネルの信号は、前記受信電力が大きくなるように最大比合成したウェイト情報Wで送信される。
【0008】
図6は、各パイロット信号の受信電力に平均的な差が生じている場合に、通信チャネルに送信ダイバーシチを適用した場合の受信電力特性の一例を示す。基地局のアンテナの実効送信電力を各々Q1、Q2とし、縦軸に受信電力の累積確率、横軸に通信チャネル受信電力としてQ1をとる。符号6−1は、基地局のアンテナの実効送信電力Q1、Q2が等しい時、符号8−2は、基地局のアンテナの実効送信電力Q1、Q2の差がある時の特性である。図6から明らかなように、例えばQ1=QWの点で、基地局のアンテナの実効送信電力Q1とQ2が等しい時(符号6−1)の受信電力の累積確率K2と、基地局のアンテナの実効送信電力Q1、Q2の差がある時(符号6−2)の受信電力の累積確率K1を比べる。基地局のアンテナの実効送信電力の差が大きくなる程、累積確率は大きくなり、移動局の受信電力の改善効果が小さくなることがわかる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の方法では、例えば送信ダイバーシチに用いる基地局のアンテナの利得が異なる場合がある。このような場合には、各パイロット信号の受信電力に平均的な差が生じる。平均的に受信電力差があるパイロット信号から計算したウェイト情報は、基地局の各アンテナの利得が等しい場合、(すなわち受信電力が等しいパイロット信号から計算したウェイト情報)とは当然ながら異なる。そのため、受信電力が異なるパイロット信号から計算したウェイト情報を個別チャネルの送信機のウェイトに設定しても、図6のように基地局の各アンテナの利得が等しい場合に比べて、基地局のアンテナの利得差が大きくなる程、移動局の受信電力の改善効果が小さくなる欠点を有し、移動局の受信電力の改善が図れない問題点があった。
【0010】
本発明は係る問題を解決して、送信タイバーシチに用いる基地局のアンテナの利得が大きく異なる場合においても、各基地局のアンテナの利得が等しい場合と同様に移動局の受信電力の改善効果得られる送信ダイバーシチ装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために請求項1記載の送信ダイバーシチ装置では、送信側である基地局において異なる2つ以上のアンテナから同一信号を送信し、受信側である移動局では1つ以上のアンテナでそれらの信号を受信し、基地局は、一対一の通信を行う個別信号とは別に、基地局のアンテナを識別できる共通制御信号をアンテナ毎に個別に送信する手段と共に、移動局から送られたアンテナ毎のウェイト情報を復調する手段と、前記復調したウェイト情報から一対一の通信を行うアンテナに送出する個別信号の位相と振幅を調整する手段を有し、移動局は、基地局のアンテナ毎の共通制御信号を個別に復調し、復調したアンテナ毎の前記共通制御信号の位相と振幅を求めて基地局に送信するウェイト情報を計算するウェイト計算手段と、計算されたウェイト情報を基地局に送信する手段を有する送信ダイバーシチ装置において、
前記移動局は、前記基地局のアンテナ毎の平均受信電力及び、平均受信電力の差及び比を求める電力計算手段と、前記電力計算手段で得た平均受信電力比を用いて前記基地局におけるアンテナ毎の共通制御信号の平均受信電力が等しくなるように、振幅を補正する共通制御信号補正手段と、前記共通制御信号補正手段で得た位相と補正後の振幅を用いて前記共通制御信号の受信電力が大きくなるように、位相情報のみのウェイト情報を計算する前記ウェイト計算手段とを備え、
前記基地局は、前記移動局から送信される前記位相情報と、前記基地局での前記平均受信電力比の情報から、基地局の個別チャネルにおける補正すべき位相と振幅のウェイト制御量を設定するウェイト制御装置とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の送信ダイバーシチ装置では、前記基地局に設定するウェイト制御量の振幅は、正規化して設定することを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の送信ダイバーシチ装置は、移動局における共通制御信号と基地局におけるウェイト制御手段のウェイト情報の電力補正量は、平均受信電力比の1/2乗倍であることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の送信ダイバーシチ装置は、基地局の複数のアンテナは、少なくとも一つが垂直偏波を送信できるアンテナであり、少なくとも一つが水平偏波を送信できるアンテナである偏波ダイバーシチアンテナを用いることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例である。図1における発明は、移動局において基地局のアンテナ毎の共通制御信号を個別に復調し、基地局のアンテナ毎の平均受信電力及び平均受信電力比を求める。前記平均受信電力比を用いて共通制御信号の振幅を補正する。前記補正した共通制御信号から、前記各アンテナ出力のウェイト情報を求めてウェイトの位相情報のみを基地局に送信する。基地局では、個別信号を基地局のアンテナと共用している受信アンテナ毎に平均受信電力及び平均受信電力の比を求める。そして移動局から送信されるウェイトの位相情報と、前記求めた平均受信電力の比とから基地局のアンテナのウェイト情報を求めて基地局のウェイト制御手段に設定する。ウェイト制御手段はウェイト制御部により基地局から出力する電力を制御するものである。
【0016】
以下、図1を用いて本発明を説明する。図1においては、個別の通信に用いる移動局と基地局間の送受信は送受信機1−15により行い、基地局1−1における送信ダイバーシチの個別通信の動作は、IMT2000方式で標準化されているW−CDMA方式の送信ダイバーシチと同一である周知の方法で行う。また、基地局に送信する前記ウェイト情報の送信も周知のW−CDMA方式と同様に行うので説明を省略する。
【0017】
図1では、基地局1−1のアンテナを1−9a、1−9bの2本としている。基地局1−1は、個別の通信(個別チャネル)に用いる送信機1−19、共通制御信号の受信に用いる受信機1−4、受信機1−4の出力に接続され基地局のアンテナ毎の平均受信電力及び平均受信電力の比を求める電力計算手段1−20、移動局1−11側で基地局のアンテナの識別を行うための信号(以下、パイロット信号と呼び、ここではパイロット信号P1、P2と区別して用いることにする)の送信に用いるパイロット信号1送信機1−2、パイロット信号21−3、各アンテナ出力の位相と振幅(ウェイト情報W)を制御するウェイト制御部1―5、1−6、移動局1−11から受信機1−4を介して入力される前記ウェイト情報Wと、電力計算手段1−20で得た受信電力比とから前記移動局1−11から得たウェイト情報を調整し、前記ウェイト制御部1―5、1−6に設定するためのウェイト制御装置1―10を具備している。
【0018】
移動局1−11は、基地局の異なるアンテナ1−9a、1―9bからそれぞれ送信されるパイロット信号P1、P2を受信するパイロット信号1受信機1−13、パイロット信号2受信機1−14と、個別の通信の送受信及び計算したウェイト情報を基地局に送信する送受信機1−15、パイロット信号から基地局のアンテナの位相と振幅の最適値を計算するためのウェイト計算部1−16が設けられている。ウェイト計算部1−16の出力は前記送受信機1−15の入力に接続されている。また、前記ウェイト計算部1−16とパイロット信号受信機1−13、1−14との間にはパイロット信号補正部1−17が設けられている。
【0019】
係る構成における動作を説明する。パイロット信号1送信機1−2、パイロット信号2送信機1−3から異なるコードで変調されたパイロット信号P1、P2が加算器1―7、1−8を介して基地局1−1の各アンテナ1−9a、1―9bから移動局1−11へ送信される。移動局1−11は、前記各パイロット信号P1、P2をパイロット信号1受信機1−13、パイロット信号2受信機1−14で受信する。
【0020】
前記各パイロット信号P1、P2は、パイロット信号補正部1−17、ウェイト計算部1−16、で後述する所定の処理が行われて送受信機1−15を介して移動局1−11のウェイト情報として基地局1−1に送信される。
【0021】
図2は、前記したパイロット信号補正部1−17、ウェイト計算部1−16、の補正方法を説明する図である。パイロット信号受信機1−13、1−14からパイロット信号補正部1−17が受信した信号をP1(r1、θ1)、P2(r2、θ2)とする。但し前記各パイロット信号の振幅と位相をそれぞれr1、r2、θ1、θ2とする。
【0022】
パイロット信号1受信機1−13、パイロット信号2受信機1−14は、処理2−1で前記パイロット信号を受信する。パイロット信号補正部1−17には、図示していない平均受信電力と平均受信電力の比を求める手段が具備されていて、処理2−2で、パイロット信号P1、P2の受信電力を平均化して前記平均受信電力T1、T2と、平均受信電力の比を求める。ここで説明を簡単にするため以降ではT1>T2とし、平均受信電力比T1/T2をTとする。
【0023】
更にパイロット信号補正部1−17は、処理2−3において下記のように各パイロット信号の平均受信電力が等しくなるように補正する。即ち、平均受信電力の小さいT2を増加するようにP2の振幅をT1/2×r2に補正する。補正後の振幅と位相をそれぞれP1´(rl、θ1)、P2´(T1/2×r2、θ2)とする。
【0024】
次にウェイト計算部1−16は、前記処理2−3で求めた補正後の振幅r1、r2と位相θ1、θ2を用いて最適ウェイト情報W1、W2の位相情報Φ1、Φ2のみを処理2−4で計算する。最適ウェイト情報W1(Φ1)、W2(Φ2)の位相の計算方法は従来と同様に各パイロット信号を最大比合成した場合に、受信電力が大きくなるようにウェイト情報Wを計算するものとする。なお、パイロット信号P1、P2の受信電力の平均受信電力T1、T2がT1<T2の時にはT1が増加するようにP1の振幅をT1/2倍して、振幅と位相をそれぞれP1´(T1/2×rl、θ1)、P2´(r2、θ2)に補正する。
【0025】
ウェイト計算部1−16は、処理2−5において、前記処理2−4で求めたウェイトの位相情報W1(Φ1)、W2(Φ2)は送受信機1−15を介して基地局1−1に送信される。
【0026】
基地局1−1に送信された信号は、処理2−6で各アンテナ1−9a、1―9bから加算器1―7、1−8を介して基地局1−1の受信機1−4で受信する。又、電力計算手段1−20は、各アンテナ1−9a、1―9bから加算器1―7、1−8を介して基地局1−1の受信機1−4で受信した個別通信に用いる信号C3の基地局におけるアンテナ毎の平均受信電力T11、T12及び平均受信電力比T0=T1/T2を求める。該平均受信電力比T0と受信機1−4が受信したウェイトの位相情報、W1(Φ1)、W2(Φ2)とをウェイト制御装置1―10に伝える。
【0027】
ウェイト制御装置1―10は、処理2−8で図示していない手段で前記T0、W1(Φ1)、W2(Φ2)を用いてウェイト情報Wを下記のように求める。即ち、前記したようにT1>T2としたので、基地局で求めた平均受信電力もT11>T12となり、平均受信電力の小さいアンテナの利得を増加するようにW2の振幅を平均受信電力の大きいアンテナの振幅のT01/2倍に補正する。平均受信電力の大きいアンテナの振幅は正規化して1を設定する。補正後のウェイト情報(ウェイト制御量)Wは、それぞれW1(1、Φ1)、W2(T01/2、Φ2)となる。
【0028】
なお、平均受信電力T11、T12がT11<T12の時には平均受信電力の小さいアンテナの利得を増加するようにW1の振幅を平均受信電力の大きいアンテナの振幅のT01/2倍に補正する。平均受信電力の大きいアンテナの振幅は正規化して1を設定する。補正後のウェイト情報WはそれぞれW1(T01/2、Φ1)、W2(1、Φ2)となる。
【0029】
前記ウェイト制御装置1―10で求めたウェイト情報W1、W2をウェイト制御部1―5、1−6に設定して個別チャネルの信号を送信機1−19から送信する。この結果、基地局1−1のアンテナ1−9a、1―9bのアンテナ利得が異なって、移動局1―11側で受信するパイロット信号P1とP2に受信電力差が生じても、移動局1−11で受信する個別チャネルの平均受信電力が等しくなる。
【0030】
なお、基地局の振幅を正規化したことにより各アンテナ1−9a、1―9bから送出する信号が変化した場合には送信機1−19の個別信号の送信電力を増減して調整する。係る調整は、図示していない送信電力測定手段で計測し、送信機1−19の利得調整または送信電力を調整するようにしても良く、又は手動で調整しても良い。
【0031】
図3は本発明の他の実施例である。本発明では、基地局のアンテナに垂直偏波と水平偏波を同時に送信できる偏波ダイバーシチアンテナを用いている。図3において、図1との差異はアンテナの部分のみであるので、アンテナ以外の説明は省略する。偏波ダイバーシチアンテナ3−9をダイバーシチに用いた場合の効果については、例えば進士昌明編著、「無線通信の電波伝搬」、12章、電子情報通信学会(1992)に詳しく下記のように記述されている。
【0032】
即ち、移動局が垂直偏波アンテナで受信する場合において、基地局が偏波ダイバーシチアンテナで送信した場合と、基地局が垂直偏波アンテナと水平偏波アンテナで送信した場合の信号の平均受信電力差を比較すると、基地局が偏波ダイバーシチアンテナで送信した場合が優れ、市街地では5〜7dB、郊外地や開放地では10dB以上にも及ぶ。
【0033】
図3において、偏波ダイバーシチアンテナ3−9は、垂直偏波アンテナ3―9aと水平偏波アンテナ3−9bからなり、受信機1−4に各々、接続されると共に、垂直偏波アンテナ3―9aは共通制御信号を送信する送信機1−2に接続されている。また、水平偏波アンテナ3−9bは、共通制御信号を送信す送信機1−3に接続されている。
【0034】
更に、個別の通信(個別チャネル)に用いる送信機1−19は、ウェイト制御部1−5、加算器1−7を介して垂直偏波アンテナ3―9aに、ウェイト制御部1−6、加算器1−8を介して水平偏波アンテナ3―9bに各々、接続されている。
【0035】
基地局3−1は、前記偏波ダイバーシチアンテナ3−9の垂直偏波アンテナ3―9aと水平偏波アンテナ3−9bからパイロット信号P1、P2と個別チャネルの信号を各々、移動局3−11に送出する。
【0036】
なお、前記した垂直偏波アンテナ3―9aと水平偏波アンテナ3−9bの接続を交換しても良いことはいうまでもない。
【0037】
【発明の効果】
請求項1記載の送信ダイバーシチ装置によれば、各基地局のアンテナの利得が等しい場合に送信ダイバーシチを適用した場合と同等の受信電力の改善が図れるとともに、移動局は、基地局に送信するウェイト情報を削減し、移動局の構成を簡単にし、システムの速度向上と電波伝搬環境の有効活用ができる。
【0038】
また、請求項2ないし4の構成によれば、基地局に設定するウェイト制御量の振幅は、正規化して設定することで基地局の構成を簡単にでき、共通制御信号とウェイト情報の補正量を平均受信電力比の1/2乗倍することで、各基地局のアンテナ利得が等しい場合に送信ダイバーシチを適用した場合と同等の受信電力の改善が図れる。さらに、偏波ダイバーシチを用いることにより、受信電力の改善効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例である。
【図2】図1の実施例の各種補正方法を説明する図である。
【図3】本発明の第二の実施例である。
【図4】従来の基地局送信ダイバーシチの構成図である。
【図5】従来のW−CDMA方式送信ダイバーシチの構成図である。
【図6】基地局のアンテナの実効送信電力に平均的な差が生じている場合の、移動局の受信電力特性の一例である。
【符号の説明】
1−1 基地局
1−2 送信機
1−3 送信機
1−4 受信機
1−10 ウェイト制御装置
1−11 移動局
1−16 ウェイト計算部
1−17 パイロット信号補正部
1−19 送信機
1−20 電力計算手段
Claims (4)
- 送信側である基地局において異なる2つ以上のアンテナから同一信号を送信し、受信側である移動局では1つ以上のアンテナでそれらの信号を受信し、基地局は、一対一の通信を行う個別信号とは別に、基地局のアンテナを識別できる共通制御信号をアンテナ毎に個別に送信する手段と共に、移動局から送られたアンテナ毎のウェイト情報を復調する手段と、前記復調したウェイト情報から一対一の通信を行うアンテナに送出する個別信号の位相と振幅を調整する手段を有し、移動局は、基地局のアンテナ毎の共通制御信号を個別に復調し、復調したアンテナ毎の前記共通制御信号の位相と振幅を求めて基地局に送信するウェイト情報を計算するウェイト計算手段と、計算されたウェイト情報を基地局に送信する手段を有する送信ダイバーシチ装置において、
前記移動局は、
前記基地局のアンテナ毎の平均受信電力及び、平均受信電力の差及び比を求める電力計算手段と、
前記電力計算手段で得た平均受信電力比を用いて前記基地局におけるアンテナ毎の共通制御信号の平均受信電力が等しくなるように、振幅を補正する共通制御信号補正手段と、
前記共通制御信号補正手段で得た位相と補正後の振幅を用いて前記共通制御信号の受信電力が大きくなるように、位相情報のみのウェイト情報を計算する前記ウェイト計算手段とを備え、
前記基地局は、
前記移動局から送信される前記位相情報と、前記基地局での前記平均受信電力比の情報から、基地局の個別チャネルにおける補正すべき位相と振幅のウェイト制御量を設定するウェイト制御装置とを備えることを特徴とする送信ダイバーシチ装置。 - 前記基地局に設定するウェイト制御量の振幅は、正規化して設定することを特徴とする請求項1に記載の送信ダイバーシチ装置。
- 前記移動局における共通制御信号と前記基地局におけるウェイト制御装置のウェイト情報の電力補正量は、平均受信電力比の1/2乗倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載の送信ダイバーシチ装置。
- 前記基地局の複数のアンテナは、少なくとも一つが垂直偏波を送信できるアンテナであり、少なくとも一つが水平偏波を送信できるアンテナである偏波ダイバーシチアンテナを用いることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の送信ダイバーシチ装置。
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