JP4505529B2 - トルク表示機能付きネジ - Google Patents
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例えば、特許文献1の図1では、ワッシャにゴム製で着色されたものを使用し、ネジを締付けると、ネジのヘッドに押圧されたワッシャ1が、変形し、ヘッドよりも半径方向へはみ出すことで、目視され、締付けトルクが一定値を超えたことが表示される。
また、特許文献1の図2では、ワッシャに逆V字形状のバネ部2uを設け、このバネ部2uを着色し、ネジを締付けると、ネジのヘッドに押圧されたバネ部2uが、変形し、ヘッドよりも半径方向へはみ出すことで、目視され、締付けトルクが一定値を超えたことが表示される。
この発明は、以上の問題点を解決するために、締付けによるトルクの大きさまで明確に表示でき、しかもゲージ等による測定が必要でないトルク表示機能付きネジを提供することを目的とする。
やがて、締付けトルクがネジ本体に与えられ、台座が母材に接し、摩擦抵抗が増大すると、上方のネジ本体、筒状の金具、および第1バネは回転を続けるものの、第1縦ガイドおよび第2縦ガイドにより一体化していた下方の台座、回転板、および回転ストッパーは、回転を止め、静止する。
さらに締付けトルクが大きくなり、静止する台座に対し回転板が回転しはじめ、回転板に形成された窓を通して台座の表示部が、変化して表示されるので、締付けトルクを表示できることとなる。
第二発明によれば、ネジ本体が母材のネジ穴にネジ込まれる初期には、トルク表示機能付きネジを構成する各部材が回転する。
やがて、締付けトルクがネジ本体に与えられ、台座が母材に接し、摩擦抵抗が増大すると、上方のネジ本体、および金具は回転を続けるものの、第1縦ガイドおよび第2縦ガイドにより一体化していた下方の台座、回転板、および回転ストッパーは、回転を止め、静止する。
さらに締付けトルクが大きくなり、静止する台座に対し回転板が回転しはじめ、回転板に形成された窓を通して台座の表示部が、変化して表示されるので、締付けトルクを表示できることとなる。
このため、台座の周方向へ変化する表示部を、例えば周方向に複数設けられた着色部や模様とすれば、窓を通して表示部が色や模様の変化として表示され、よって、締付けによるトルクの大きさまで明確に表示でき、しかもゲージ等による測定が必要でない。
また、第二発明に比較して、二つのバネを一つのバネで兼用でき、部品点数を減少できる。
「全体概略」
図1に示すように、ネジ本体1は、母材3のネジ穴5にネジ込まれ、通常のネジと同じように、雄ネジ部7とヘッド9を有する。ネジ穴5には内周に雌ネジ11が形成される。
このネジ本体1のヘッド9の下側には、筒状の金具13が、雄ネジ部7に同軸に遊嵌されて配置され、ネジ本体1のネジ込み締付けに従って、ヘッド9を下側で受ける。図2(A1)(A2)に示すように、筒状の金具13は、上底15を有し、上底15の中央には、雄ネジ部7が貫通する孔15Aが形成される。
この凹部27に、後述する回転ストッパー29(図2(D1)(D2))が配置される。回転ストッパー29は、縦方向にフィン状部分31を有し、台座25に形成された第1縦ガイド33である半径方向の縦溝にガイドされる。
また、このフィン状部分31は、回転板23に形成された第2縦ガイド35である半径方向の縦溝に、上下方向へガイドされる。このようにガイドされることで、回転ストッパー29は台座25および回転板23と、回転方向に一体化する。
そして、第2縦ガイド35の上下方向の長さは、短い寸法に設定される。この寸法およびフィン状部分31の上下方向の寸法は、筒状の金具13の下端縁部21が、ネジの締付けに伴い、凹部27へ進入し、この縁部で回転ストッパー29が、第2バネ37のバネ力に抗し、押し下げられたときに、回転ストッパー29のフィン状部分31は第2縦ガイド35から外れる寸法に設定される。
回転板23は、ドーナツ円盤状をしており、ネジ本体1の雄ネジ部7に同軸に遊嵌されて配置され、ネジ本体1のネジ込み締付けに従って、滑りワッシャ19を下側で受ける。この回転板23は、滑りワッシャ19よりも大きい。この回転板23の半径は、台座25の外半径とほぼ同じである。
図2(E1)(E2)に示すように、回転板23のドーナツ円盤状の内周の4カ所には、90度間隔で、第2縦ガイド35である縦溝が形成される。縦溝は、回転板23の中心軸を通る平面内に位置する四角形を有し、半径方向と縦方向へ伸びている。この縦溝によって、回転ストッパー29のフィン状部分31は上下方向へガイドされる。
台座25は、回転板23の下側に、雄ネジ部7に同軸に遊嵌されて配置される。そして、ネジ本体1のネジ込み締付けに従って、回転板23を下側で受ける。
図2(G1)(G2)に示すように、この凹部27のリング状の内周の4カ所には、90度間隔で、第1縦ガイド33である縦溝が形成される。この縦溝は、凹部27の中心軸を通る平面内に位置する四角形を有し、半径方向と縦方向へ伸びている。この縦溝によって、回転ストッパー29のフィン状部分31は上下方向へガイドされる。縦溝の縦方向、すなわち上下方向の長さは、凹部27の深さいっぱいに設定される。
回転ストッパー29は、台座25の凹部27に配置される。回転ストッパー29は、短円筒部分30の外側で、略下端部にフィン状部分31を有する。
そして、図2(D1)(D2)に示すように、短円筒部分30は、台座25の凹部27の内側に形成される短円柱部分43に嵌合する。フィン状部分31は、短円筒部分の外周の4カ所に、90度間隔で形成され、短円筒部分の中心軸を通る平面内に位置する四角形を有し、半径方向と縦方向へ伸びている。フィン状部分31は、短円筒部分の外周の4カ所に、90度間隔で、L字状の切り込みを入れ、この切り込み部分を外側へ押し出したものである。
短円筒部分30の上端は、金具13の下の縁部31に接触し、回転ストッパー29が押し下げられる。
第2バネ37は、台座25の凹部27の底部に保持され、回転ストッパー29を下側で支え、回転ストッパー29を浮いた状態にし、よって回転ストッパーフィン状部分を、回転板23に形成された第2縦ガイド35である半径方向の縦溝に、ガイドさせるものである。
この実施形態によれば、以下の作用効果を得る。
すなわち、まず図1に示すように、ネジ本体1が母材3のネジ穴5にネジ込まれる初期には、トルク表示機能付きネジを構成する各部材がすべて回転し、下降する。
やがて、図3に示すように、締付けトルクがネジ本体1に与えられ、台座25が母材3に接し、摩擦抵抗が増大すると、上方のネジ本体1、筒状の金具13、および第1バネ17は回転を続けるものの、フィン状部分31と第1縦ガイド33および第2縦ガイド35により一体化していた下方の台座25、回転板23、および回転ストッパー29は、回転を止め、静止する。ネジ本体1は下降を続ける。
(1)このため、締付けによるトルクの大きさを4段階まで明確に表示でき、しかも従来のようにゲージ等による測定が必要でない。
(2)また、特許文献1の図1の技術は、ゴムの劣化により、経年後の再締付け時には、正しく機能しないことが予想される。これに対し、この実施形態では、金具13の縁部が、第1バネ17や第2バネ37のバネ力に抗して回転ストッパー29を押し下げ、第2縦ガイド35から外すまで押し下げた状態で年を経ても、第2バネ37は、金属製にでき、台座25の凹部27の中で余裕を持った状態で配置できるので、ゴムのような劣化を生じない。
(1)以上の実施形態では、第1バネ17と第2バネ37の二つのバネが用いられたが、他の実施形態では、一つのバネを用いることも可能である。すなわち、第1のバネを省略し、第2バネ37に大きなバネにし、第1バネ17を兼ねるものとすることができる。
やがて、締付けトルクがネジ本体1に与えられ、台座25が母材3に接し、摩擦抵抗が増大すると、上方のネジ本体1、および金具13は回転を続けるものの、第1縦ガイド33および第2縦ガイド35により一体化していた下方の台座25、回転板23、および回転ストッパー29は、回転を止め、静止する。
さらに締付けトルクが大きくなり、静止する台座25に対し回転板23が回転しはじめ、回転板23に形成された窓39を通して台座25の表示部41が、変化して表示されるので、締付けトルクを表示できることとなる。
以上の実施形態に比較して、二つのバネを一つのバネ37で兼用でき、部品点数を減少できる。
Claims (3)
- 締付けトルクを表示する機能を備えたネジにおいて、母材のネジ穴にネジ込まれるネジ本体と、このネジ本体のヘッドを下側で受ける筒状の金具と、この金具に抱持され押し下げられる第1バネと、この第1バネを下側で受ける回転板と、この回転板を下側で受ける台座と、この台座に形成された第1縦ガイドにガイドされ、前記回転板に形成された第2縦ガイドにガイドされることで前記台座および回転板と回転方向に一体化し、前記金具の縁部で押し下げられたときに前記第2縦ガイドから外れることで前記台座に対し前記回転板を回転可能にする回転ストッパーと、この回転ストッパーを下側で支え前記台座に保持される第2バネと、回転板に形成された窓と、この窓を通して表示される台座の周方向へ変化する表示部と、を有することを特徴とするトルク表示機能付きネジ。
- 締付けトルクを表示する機能を備えたネジにおいて、母材のネジ穴にネジ込まれるネジ本体と、このネジ本体のヘッドを下側で受ける金具と、この金具を下側で受ける回転板と、この回転板を下側で受ける台座と、この台座に形成された第1縦溝にガイドされ、前記回転板に形成された第2縦溝に嵌合することで前記台座および回転板と回転方向に一体化し、前記金具で押し下げられたときに前記第2縦溝から外れることで前記台座に対し前記回転板を回転可能にする回転ストッパーと、この回転ストッパーを下側で支え前記台座に保持されるバネと、回転板に形成された窓と、この窓を通して表示される台座の周方向へ変化する表示部と、を有することを特徴とするトルク表示機能付きネジ。
- 前記第1縦ガイドは、前記台座に形成された半径方向の縦溝、または縦孔であり、前記第2縦ガイドは、前記回転板に形成された半径方向の縦溝、または縦孔であり、前記回転ストッパーは、前記縦溝にガイドされるフィン状部分を有することを特徴とする請求項1、または2に記載のトルク表示機能付きネジ。
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