JP4504833B2 - 秘密鍵配送システム - Google Patents

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Description

本発明は秘密鍵配送システムおよび秘密鍵配送方法に関する。
電子政府や電子商取引など次世代情報化社会の実現に向けて、安全・確実な暗号通信は必要不可欠である。暗号通信では、公開暗号鍵方式や秘密暗号鍵方式が用いられている。 現在広く用いられているRSA公開暗号鍵方式は、非常に大きな数の素因数分解を多項式で解くことは膨大な時間を必要とするので解読が困難であるという計算量的側面によってのみ、安全性を保証されている。したがって、非常に高速な並列計算を得意とする量子計算機が登場すれば、このような暗号を解読するのにかかる時間は飛躍的に短縮される。そのため、公開暗号鍵方式では公開鍵が解読されると、第三者によるデータの盗聴や改ざんのおそれがあり、その安全性は完全ではない。また、秘密暗号鍵方式では、情報の送信者と受信者が同一の秘密鍵を所有し、送信者が秘密鍵で暗号化したデータを受信者がその秘密鍵でデータを解読する。秘密暗号鍵方式では、秘密鍵自体をこれらの二者に配信する際に盗聴されるおそれがあり、その安全性は完全ではない。
こうした安全性の問題を解決する手段として期待されているのが量子暗号である。量子暗号として、BB84(1984年にC. H. BennettとG. Brassardに提案された。)、E91(1991年にA. K. Ekertによって提案された。)等様々な方式が提案されている。例えばBB84では、従来の光通信のような光子の集合体ではなく、光子一つ一つに情報を載せて伝送する。情報の1ビットを1つの光子に、例えば光子の偏光状態に付与すれば、各々の光子は、ハイゼンベルクの不確定性原理(共役する物理量は同時に正確に測定できないとする原理。)およびno−cloning定理(量子状態を観測することなく複製することはできないといる定理。)に従うため、光子の状態を破壊することなしにビット情報を取出したり、複製することはできない。したがって、量子暗号では通信経路上の第三者による盗聴を防止することはできないが、情報の複製や改ざんを検出することができる。こうして二者間で共有された暗号鍵の安全性は、情報の担い手が単一光子である限り、計算量的困難性ではなく物理的原理に基づいて保証される。
近年、量子暗号システムが実用化されている。量子暗号システムは、送信者側が、1つの光子(単一光子)を生成する単一光子源と、光子に秘密鍵の情報を付与する偏光状態制御部とからなり、受信者側は、光子の情報を検出する単一光子検出器を有する。単一光子源には、通常、レーザ光源と減衰器が用いられている。かかる単一光子源では、レーザ光源からレーザパルス列を射出し、減衰器によりレーザパルス列の光の強度を減衰させ、1パルス当たり平均1個あるいはそれ以下の光子数になるようする。単一光子源はこのように疑似的に単一光子を生成している。
特開2003−249928号公報 特開2000−216775号公報
しかしながら、上述した疑似的単一光子源では、1パルスに2つ以上の光子が含まれることがある。この場合、1パルスの2つ以上の光子に同じ情報が載せられるので、盗聴者がそのうちの1つの光子を抜き取っても受信者はその盗聴行為を検出できず、安全性が完全ではないという問題が生ずる。
そのため、1パルス当たりの平均光子数をさらに低減して、1パルス当たり複数の光子が存在する確率を極めて低く設定する必要がある。このような場合、安全性は向上するが、光子のないパルスが多くなり、転送レートが極めて低下するという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、安全性が高く、高転送レートの秘密鍵配送システムおよび秘密鍵配送方法を提供するものである。
さらに、本発明の他の目的は、一つの送信機から複数の受信機に、秘密鍵情報あるいは秘密鍵情報生成するための媒体を同時に配送可能な秘密鍵配送システムおよび秘密鍵配送方法を提供するものである。
本発明の一観点によれば、単一光子を生成する単一光子源と、該単一光子に秘密鍵情報を付与する符号化部と、を有する送信機と、前記単一光子から秘密鍵情報を取出す検出部とを有する受信機と、前記送信機と受信機とを接続する光伝送路と、を備える秘密鍵配送システムであって、前記送信機は、前記単一光子源が波長の異なる複数の単一光子を同時に生成する量子ドット構造体を有し、前記単一光子源と前記符号化部との間に、単一光子を波長毎に分岐させる光分波器を有し、前記符号化部が単一光子の波長毎に設けられてなることを特徴とする秘密鍵配送システムが提供される。
本発明によれば、秘密鍵配送システムは、送信機が波長の異なる複数の単一光子を同時に生成する量子ドット構造体を有し、それらの単一光子に秘密鍵情報を付与して受信機に送信するので、秘密鍵情報を高転送レートで送信できる。また、量子ドット構造体は単一光子を生成するので、高いあるいは完全な安全性を有する秘密鍵配送システムが実現できる。なお、本明細書および特許請求の範囲において、単一光子は、1つの光子しか含まない光のパルスを意味する。
本発明によれば、送信機は、単一光子対源の量子ドット構造体から波長が異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を同時に生成し、各々の波長の単一光子対を単一光子に分離して、分離された単一光子の一方を一方の受信機に送信し、分離された単一光子の他方を他方の受信機に送信する。分離された単一光子は、波長の異なる複数の単一光子であるので、同時に複数の単一光子が受信機の各々に送信される。受信機は、受けた単一光子を媒体として秘密情報を生成する。したがって、エンタングル状態の単一光子が同時に波長多重化されているので、秘密鍵情報となる媒体を高転送レートで送信できる。また、量子ドット構造体はエンタングル状態にある単一光子と単一光子の対を生成するので、高いあるいは完全な安全性を有する秘密鍵配送システムが実現できる。なお、エンタングル状態は、2つ以上の粒子の量子状態(量子力学により記述される状態をいう。)が特定の組み合わせで相関を有する状態である。
本発明によれば、安全性が高く、高転送レートの秘密鍵配送システムおよび秘密鍵配送方法を提供できる。また、本発明によれば、一つの送信機から複数の受信機に、秘密鍵情報あるいは秘密鍵情報生成するための媒体を同時に配送可能な秘密鍵配送システムおよび秘密鍵配送方法を提供できる。
以下図面を参照しつつ実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る秘密鍵配送システムは、送信機から受信機に量子暗号を用いて秘密鍵情報を送信するシステムである。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの構成を示すブロック図である。
図1を参照するに、秘密鍵配送システム10は、波長多重化された単一光子に秘密鍵情報を付与して光伝送路11に送出する送信機20と、光伝送路11から受けた波長多重化された単一光子から秘密鍵情報を取出す受信機40と、送信機20と受信機40とを接続する光伝送路11から構成される。
秘密鍵配送システム10は、二者間で秘密鍵情報を共有するために、秘密鍵情報を量子暗号により配送するシステムである。ここでは、秘密鍵情報を送信機20により受信機40に送信する場合について説明する。
以下、秘密鍵配送システム10を構成する送信機20について詳細に説明する。
送信機20は、複数の異なる波長λ1〜λnの単一光子を生成する波長多重単一光子源21と、単一光子を波長毎に分離する光分波器22と、波長λ1〜λn以外の余分な光子を遮断するバンドパスフィルタ23と、単一光子に秘密鍵情報を付与する位相変調器24と、各波長λ1〜λnの単一光子を再び合波して光伝送路11に送出する光混合器25から構成される。
波長多重単一光子源21は、波長多重化された単一光子、すなわち、互いに異なる波長を有する単一光子を生成する。単一光子は、1つの光子しか含まない光のパルスである。
図2は、第1の実施の形態の波長多重単一光子源の構成を示す図である。図2を参照するに、波長多重単一光子源21は、レーザ光源28と、光カプラ29と、出力モニタ30と、集光光学系31と、量子ドット構造体50と、冷凍機35と、ローパスフィルタ37と、これらを接続する光ファイバ36等から構成される。
レーザ光源28は、パルス列からなる励起光を出射するパルスレーザ、例えば、波長が780nmのTi:サファイアレーザからなる。レーザ光源28のパルス時間幅は、後述する量子ドットの発光寿命よりも短い時間幅に設定される。代表的な単一ドットの発光寿命は1n秒である(Phys. Rev. B Vol. 64 (2001) pp. 201302−1 〜 pp. 201302−4)。パルス幅をこのように設定することで、所望の波長の単一光子を生成できる。パルス時間幅は、100p秒以下の範囲に設定することが好ましく、一例として80f秒(80×10-15秒)に設定される。
また、レーザ光源28のパルス列の繰返し周波数は適宜選択されるが、例えば80MHzに設定される。なお、繰返し周波数は、量子ドットの発光寿命の点から、最大1GHzに設定可能である。なお、レーザ光源28は上記のパルス列からなる励起光を出射可能であれば特に制限されない。
なお、図示を省略するが、レーザ光源28と光カプラ29との間に、励起光の繰返し周波数を図1に示す受信機40の検出器421〜42nの速度に合わせるためのパルスピッカーを設けてもよい。
レーザ光源28のパルスの出力値は、後述する量子ドット構造体への1パルスの照射により、所定の波長毎に一つ光子が生成されるように設定される。すなわち、パルスの出力値が過度に高いと、同一の波長で2個以上の光子が生成され、単一光子でなくなる。また、パルスの出力値が過度に低いと、光子が生成されなくなる。なお、パルスの出力値は出力モニタ30により監視される。
集光光学系31は、光カプラ29側から、集光レンズ32、Siフィルタ33、対物レンズ34からなる。集光光学31系は、光カプラ29を介して送られてきた励起光としてのパルス列を量子ドット構造体50に集光する。また、集光光学系31は、量子ドット構造体50から入射する波長λ1〜λnを有する単一光子を光ファイバ36に集光して送出する。なお、その際、散乱した励起光をシリコンフィルタ33により除去する。
量子ドット構造体50は、冷凍機35、例えばクライオスタット内に載置され、液体ヘリウムにより10K程度の温度に冷却される。励起光は、クライオスタットに設けられた光学窓を介して、量子ドット構造体50に照射される。
図3は、量子ドット構造体の模式的斜視図、図4は量子ドット構造体の要部断面図である。
図3及び図4を参照するに、量子ドット構造体50は、図3に示すように山型の断面形状を有し、その頂上面が平らなメサ構造を有する。図4は、量子ドット構造体50の頂上付近を拡大した断面図である。なお、図3に示す頂上面が、図4に示すInPキャップ層56の表面に対応する。なお、量子ドット構造体50は、山型のかわりに、高さが低く頂上面の面積が広い台地状の形状を有してもよい。
量子ドット構造体50は、InAs/InP量子ドットである。具体的には、量子ドット構造体50は、InP基板51上に形成されたInPバッファ層52(膜厚200nm)と、InPバッファ層52の表面に形成された複数のInAs量子ドット53と、InPバッファ層52の表面とInAs量子ドット53を覆う第1InPダブルキャップ層54(厚さ2nm)、および第2InPダブルキャップ層55(厚さ18nm)と、その上に形成されたInPキャップ層56(厚さ100nm)からなる。
InPバッファ層52の表面には、複数の異なる底面直径を有するInAs量子ドット53が形成されている。InAs量子ドット53は、InPキャップ層56側からの適当な励起光の照射により単一光子を発光する。この単一光子は励起光の入射側に進行するする。単一光子の波長は、InAs量子ドット53の底面直径および高さに対応して決定される。例えば、底面直径が大きいほど単一光子の波長は長くなる。また、InAs量子ドット53はレンズ状の形状を有し、その上面53−1はほぼ平らに形成されている。InAs量子ドット53は高さ方向に数分子が積み上がって構成される。したがって、InAs量子ドット53の高さHQDは離散的な値に設定されている。このように設定することで、InAs量子ドット53から発光される単一光子の波長が離散的になり、送信機で波長毎に単一光子に分離するのが容易になる。
本願発明者等の検討によれば、このような構造の量子ドット構造体50のInAs量子ドット53から、通信波長帯(波長1.3μm〜1.55μm)において離散的でかつ波長幅の狭い輝線が得られることが知得されている(Jpn. J. Appl. Phys., Vol.43 No. 3A, (2004) pp. L349−L351)。さらに、量子ドット構造体からそのような輝線の波長の単一光子が得られることが知得されている(Jpn. J. Appl. Phys., Vol.43 No. 7B, (2004) pp. L993−L995)。
図5は、量子ドット構造体の10Kでの光ルミネセンススペクトルの例を示す図である。図5は、4種類の量子ドット構造体の各々について(A)から(D)に光ルミネセンススペクトルを示している。これらの量子ドット構造体は、上述した本実施の形態の量子ドット構造体と略同様の構成を有するが、量子ドット構造体当たり1つの量子ドットのみを有するものである。
図5を参照するに、(A)から(D)のスペクトルにおいて、各々、離散的で、鋭いつまり波長幅の狭い輝線LA〜LDが認められる。これらの輝線LA〜LDの波長幅は1nmよりも小さい。これらの輝線LA〜LDは、その各々にスペクトルに示される他の輝線(サテライト)と波長が離れているので容易に分離できる。また、このような輝線LA〜LDは高強度のため、励起光の波長および強度を調整することで、単一光子を容易に取出すことができる。さらにその際に他の強度の弱い発光線の発光を回避した状態で、単一光子を取出すことができる。
本実施の形態の量子ドット構造体は、このような輝線LA〜LDを示すInAs量子ドットを図3に示す一つのメサ構造のInPバッファ層52上に2個以上、例えば10個〜20個有するものである。このように複数の量子ドット設定することで、1パルスの励起光の照射で、所望の互いに異なる複数の波長の単一光子が得られる。
さらに、輝線LA〜LDの各々は、(A)から(D)に向かって順に、通信波長帯域のC帯、S帯、E帯、O帯に存在する。これらの通信帯域はシングルモードの光ファイバが用いられる帯域であり、ギガビット伝送が可能なものである。したがって、単一光子を高転送レートで送信機から受信機に送信可能である。量子ドット構造体は、上記の各々の通信帯域内の輝線を複数有してもよい。量子ドット構造体は、図5に示すような輝線をn個有する発光を行うものとして以下の説明を行う。ここでnは2以上の整数である。
図2に戻り、量子ドット構造体からの波長多重化された単一光子は、集光光学系31を介して光ファイバ36に集光され、光カプラ29を介してローパスフィルタ37に達する。
ローパスフィルタ37は、励起光の波長に合わせて選択され、励起光を遮断するフィルタであれば特に限定されない。ローパスフィルタ37を通過した多重化された単一光子は光ファイバ36を介して光分波器に送出される。
図1に戻り、光分波器22は、多重化された単一光子を各々の波長λ1〜λnに分岐させるものである。光分波器22は、例えば、波長分割多重化(WDM)結合器やAWG(Arrayed Waveguide Grating)波長合分波器を用いることができる。
バンドパスフィルタ23は、所望の波長に近接した波長を有する光子を遮断し、所望の波長の単一光子のみを通過させる。バンドパスフィルタ23は、光分波器22で遮断しきれなかった光子を遮断するものである。バンドパスフィルタ23の透過波長幅は、1nm程度に設定してもよい。バンドパスフィルタ23は、例えば、誘電体多層膜フィルタや回折格子を用いることができる。
なお、バンドパスフィルタ23はその透過波長および透過波長幅を調整可能なフィルタを用いてもよい。また、光分波器22により所望の波長以外の波長を有する光子が除去される場合はバンドパスフィルタ23を設けなくともよい。
位相変調器24は、単一光子の各波長λ1〜λn毎に一つずつ設けられている。位相変調器24は、各々の単一光子の位相状態に秘密鍵情報の要素を付与する符号化の機能を有する。例えば、位相変調器24は、データ“1”に対してπだけ位相変調し、データ“0”に対して位相変調しない取決めの符号化を行う。なお、光子の位相は量子化されており、取りうる位相は0、π/2、π、3π/2の4状態のみである。
また、秘密鍵情報が例えばm行n列の行列Aで表されるとすると、その行列の成分A11〜A1nの各々を位相変調器241〜位相変調器24nに割当てる。次いで、次に位相変調器が受ける単一光子に行列の成分A21〜A2nの各々を位相変調器241〜位相変調器24nに割り当てる。このような動作を繰り返してAm1〜Amnまで割り当てる。上記の取決めと秘密鍵情報の割り当てにしたがって単一光子に秘密鍵情報を付与する。このようにして秘密鍵情報を波長多重化した単一光子に付与して送信することで、秘密鍵情報の要素を並列に送信できるので、転送レートが高速になる。
光混合器25は、各波長の単一光子を合波して光伝送路11に送出する。光混合器25は、光分波器22と同様に、例えば、WDM結合器やAWG波長合分波器を用いることができる。
次に、秘密鍵配送システム10を構成する受信機40について説明する。
受信機40は、光伝送路11から受けた波長多重化された単一光子を各波長λ1〜λnに分離する光分波器41と、単一光子毎に秘密鍵情報を取り出す検出器421〜42nから構成される。
光分波器41は、多重化された単一光子を各々の波長λ1〜λnに分岐させるものであり、送信機20の分波器22と同様にWDM結合器やAWG波長合分波器を用いることができる。
検出器421〜42nは、単一光子の波長λ1〜λn毎に設けられ、光分波器41より受けた単一光子の位相状態を検出する。検出器421〜42nは、例えばマッハ−ツェンダ干渉計に単一光子検出器を接続したものを用いることができる。
検出器421〜42nでは、各波長λ1〜λn毎に単一光子の位相情報が検出され、各波長λ1〜λn毎にデータ“1”あるいはデータ“0”に復号化され、符号化された秘密鍵情報が例えばm行n列の行列Aで秘密鍵情報が得られる。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る秘密鍵配送システム10は、送信機20が波長多重単一光子源21を用いて波長が異なる複数の単一光子を同時に生成し、単一光子の各々に秘密鍵情報の要素を載せ、再び合波して光伝送路11により送出する。受信機40は、各波長毎に秘密鍵情報の要素を検出し、秘密鍵情報を再構成する。したがって、単一光子が波長多重化されているので、秘密鍵情報を高転送レートで送信できる。
さらに、波長多重単一光子源21は励起光の1ショット毎に多重化された単一光子が生成される。したがって、従来の疑似的単一光子源よりも、効率良く単一光子が生成されるので、この点においても秘密鍵配送システム10は秘密鍵情報を高転送レートで送信できる。
さらに、励起光の繰り返し照射周波数を1GHz程度まで高めることができるので、秘密鍵情報をいっそう高転送レートで送信できる。
また、波長多重単一光子源21は量子ドット構造体50を有し、従来の疑似的単一光子源よりも、単一光子を正確にかつ効率良く生成でき、安全性が高まる。量子ドット構造体50は1チップで形成されているので、単一波長の単一光子を発生する量子ドット構造体を複数配置するよりも、量子ドット構造体を冷却する冷凍機35を小型化できる。さらに、冷凍機35の低コスト化も図れる。
なお、図1に示す第1の実施の形態では、秘密鍵情報を付与する符号化手法として位相符号方式を用いた例を示したが、その代わりに偏光符号方式を用いてもよい。具体的には、図1に示す送信機10の位相変調器241〜24nの代わりに偏光制御器を用いる。偏光制御器は、例えば、データ“1”に対して縦偏光(90度偏光)、データ“0”に対して横偏光(0度偏光)を割当てる符号化を行う。この場合、受信機40の検出器421〜42nは、偏光光子測定器および単一光子検出器を用いる。偏光光子測定器は例えば0度−90度偏光測定器を用いることで、0度偏光の単一光子を検出し、復号化してデータ“0”を得る。なお、符号化および復号化においては上述した手法に限定されず、公知の手法を用いてもよい。
また、図1では、1本の光伝送路11を用いる場合を例に挙げて説明したが、送信機20の光混合器25および受信機40の光分波器41を省略し、送信機20の位相変調器241〜24nと、受信機40の検出器401〜40nをn本の光伝送路で並列に接続してもよい。
次に、本実施の形態に係る量子ドット構造体の製造方法を図6および図7を参照しつつ説明する。実施の形態に係る量子ドット構造体は、有機金属化学気相成長(MOCVD)法およびいわゆるダブルキャップ法を用いて以下のようにして形成される。
最初に、図6(A)の工程では、Feをドープした(100)面を主面とするInP基板51上に減圧MOCVD法を用いてInPバッファ層52を形成する。具体的には、トリエチルインジウムおよび水素化リンを前駆体、水素ガスをキャリアガスとして供給し、圧力50Torrに設定し、600℃に加熱してInPバッファ層52を成長させる。
図6(A)の工程ではさらに、InPバッファ層52上に、減圧MOCVD法を用いてInAs量子ドット前駆体53aを自己組織的に形成する。具体的には、トリエチルインジウムおよび水素化ヒ素を前駆体、水素ガスをキャリアガスとして供給し、圧力50Torrに設定し、500℃に加熱して、例えば2.8分子のInAs量子ドット前駆体53aを成長させる。次いで、水素化ヒ素雰囲気で15秒の加熱処理を行う。このようにして、InAs量子ドット前駆体53aは、InPバッファ層52上にS−K(Stranski−Krastanow)型の成長モードにより形成される。このようにして得られたInAs量子ドット前駆体53aは、底面直径および高さが分布を有する。上記条件では、InAs量子ドット前駆体53aの底面直径は35nm〜70nm、高さは3nm〜12nmであった。また、InAs量子ドット前駆体53aの密度は1.8×1010cm-2であった。なお、S−K型の成長モードは、格子不整合系のヘテロエピタキシャル成長の初期に下地層上に成長島が自己組織的に形成される成長モードのことである。
次いで、図6(B)の工程では、図6(A)の構造体の表面に第1InPダブルキャップ層54を形成する。具体的には、500℃に加熱して、上述したInPバッファ層52の形成条件と略同様にして、膜厚2nmの第1InPダブルキャップ層54をInAs量子ドット前駆体53aおよびInPバッファ層52の表面を覆うように形成する。InAs量子ドット前駆体53aは、第1InPダブルキャップ層54の膜厚よりも高いので、その上部は露出する。
図6(B)の工程ではさらに、第1InPダブルキャップ層54およびInAs量子ドット前駆体53aの表面を水素化リンに120s曝露する。この処理により、InAs量子ドット前駆体53aは、第1InPダブルキャップ層54から露出した部分でその上面付近が水素化リンとの反応が生じ、InPに置換される。これにより上面がInP53bに覆われたInAs量子ドット53が形成される。すなわち、その結果、InAs量子ドットのInAsからなる部分、すなわちInAs量子ドットの高さが低下する。その高さHQDはInAs分子の整数倍の高さとなる。したがって、InAs量子ドットは離散的な高さを有するようになる。
次いで、図7(A)の工程では、第1InPダブルキャップ層54およびInPに置換されたInAs量子ドット53の表面に、第1InPダブルキャップ層54の形成条件と同様にして膜厚18nmの第2InPダブルキャップ層55を形成する。
図7(A)の工程ではさらに、600℃に加熱して、第2InPダブルキャップ層55上にInPバッファ層52の形成条件と同様にして膜厚100nmのInPキャップ層56を形成する。
次いで、図7(B)の工程では、このようにして形成された図7(A)の構造体をエッチングする。エッチングは、図3に示すような山型、あるいは台地形状なるようにエッチングする。具体的には、フォトリソグラフィ法によりパターニングして、ウエットエッチング法によりエッチングする。このようにして頂上の直径が100nm〜500nm程度のメサ構造を有する量子ドット構造体が形成される。
次いで、図示を省略するが、作製した量子ドット構造体のμ−光ルミネセンススペクトルを測定し、所望の波長λ1〜λnの輝線を示す量子ドット構造体を選別する。このようにして、本実施の形態を構成する量子ドット構造体が得られる。なお、上述した膜厚および加熱温度等は例として挙げたものであり、それらに限定されるものではない。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る秘密鍵配送システムは、送信機からn個の受信機に量子暗号を用いて秘密鍵情報を送信するシステムである。第2の実施の形態に係る秘密鍵配送システムは、第1の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの変形例である。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの構成を示すブロック図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図8を参照するに、第2の実施の形態に係る秘密鍵配送システム60は、一つの送信機61から秘密鍵情報をn個の受信機401〜40nの各々に量子暗号により同時に配送するシステムである。秘密鍵配送システム60は、n個の波長が多重化された単一光子列を用いて、受信機401〜40nの各々に送る秘密鍵情報を一の波長を有する単位光子列に載せ、これを同時にn個の受信機に対して行って送信する。
秘密鍵配送システム60は、波長多重化された単一光子に秘密鍵情報を付与してn個の光伝送路111〜11nに送出する送信機61と、n個の光伝送路111〜11nと、各々の光伝送路111〜11nから受けた単一光子列から秘密鍵情報を取り出すn個の受信機401〜40nから構成される。
送信機61は、光伝送路111〜11nに送出する前に光混合器を設けない以外は図1に示す第1の実施の形態の送信機と同様の構成を有する。送信機61は、第1の実施の形態と同様の波長単一光子源21を有するので、n個の波長が多重化された単一光子列を正確に効率良く生成できる。
受信機401〜40nは各波長λ1〜λn毎に設けられている。受信機401〜40nは各々検出器421〜42nを有する。検出器421〜42nは図1に示す第1の実施の形態の検出器421〜42nと同様の構成を有する。
次に本実施の形態に係る秘密鍵配送システム60の動作について説明する。秘密鍵配送システム60は、送信機において、波長λ1〜λnに分けられた単一光子に秘密鍵情報の要素を付与して、秘密鍵情報を有する複数の単一光子からなる単一光子列として送信する。一波長を有する単一光子列は、対応する1個の受信機に送信される。このようにして、n個の波長の単一光子列が各々受信機401〜40nに同時に送信される。
そして、受信機401〜40nの各々において単一光子列から秘密鍵情報が取り出される。このようにして、1個の送信機とn個の受信機の各々との間で秘密鍵情報が共有される。
第2の実施の形態に係る秘密鍵配送システム60は、波長多重化単一光子源21を用いることにより、従来では不可能であった1個の送信機61から同時にn個の受信機401〜40nに秘密鍵情報を送信することが可能となる。秘密鍵配送システム60は、第1の実施の形態に係る秘密鍵配送システムと同様に、従来の疑似的単一光子源を用いた秘密鍵配送システムよりも秘密鍵情報を高転送レートで送信でき、また、安全性も高い。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る秘密鍵配送システムは、送信機が波長多重化されたエンタングル状態の単一光子対を分離して2つの受信機に送信し、2つの受信機が波長多重化された単一光子の量子状態に基づいて秘密鍵情報を生成して共有するものである。なお、エンタングル状態の単一光子対は、2つの単一光子の量子状態(量子力学により記述される状態をいう。)が特定の組み合わせを有する状態であることをいう。
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの構成を示すブロック図である。
図9を参照するに、秘密鍵配送システム70は、波長多重化されたエンタングル状態の単一光子対を生成し、各波長毎にその単一光子対を2つの単一光子に分離し、2つに分離された各々の波長の単一光子を合波して光伝送路11に送信する送信機80と、2つの光伝送路11と、光伝送路11から波長多重化された単一光子対の一方の単一光子を受信する2つの受信機91、92から構成される。
送信機80は、波長多重化されたエンタングル状態の単一光子対を生成する単一光子対源81と、波長多重化された単一光子対を波長毎に分離する光分波器22と、波長毎に分離した単一光子対を所望の波長成分だけを通過させるバンドパスフィルタ23と、単一光子対を各々の単一光子に分ける光カプラ23と、分けられた各波長の単一光子を合波して光伝送路11に送出する光混合器25から構成される。
単一光子対源81は、図2に示す波長多重単一光源21と同様の構成を有する。すなわち、単一光子対源81は、図2に示すように、レーザ光源28と、光カプラ29と、出力モニタ30と、集光光学系31と、量子ドット構造体50と、冷凍機35と、ローパスフィルタ37と、これらを接続する光ファイバ36等から構成される。本実施の形態では、第1の実施の形態の量子ドット構造体を用いて励起光の照射により波長が異なる複数のエンタングル状態の単一光子対(波長多重化されたエンタングル状態の単一光子対)を生成する。量子ドット構造体からのエンタングル状態の単一光子対の生成は、以下に述べるように理論的に予想されているものである。この理論と第1の実施の形態の量子ドット構造体とにより、波長が異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を生成できるはずである。
図10は、エンタングル状態の単一光子対の発生を説明するためのエネルギー状態図である。
図10を参照するに、量子ドット構造体に励起光を照射するとInAs量子ドットでは二励起子状態E2が生じる。二励起子状態E2は、スピンの向きが異なる2つの電子正孔対が遷移したものである。二励起子状態E2にある電子正孔対は一励起子状態E1を介して基底状態E0に遷移する際、2つの経路で遷移することが理論的に知られている(Phys. Rev. Lett. Vol. 84 (2000) pp. 2513 〜 pp. 2516)。一方の経路では、二励起子状態E2から一励起子状態E1に遷移する際に右回り円偏光の単一光子σ+を放出し、次いで、基底状態E0に遷移する際に左回り円偏光の単一光子σ-を放出する。他方の経路では、二励起子状態E2から一励起子状態E1に遷移する際に左回り円偏光の単一光子σ-を放出し、次いで、基底状態E0に遷移する際に右回り円偏光の単一光子σ+を放出する。このように、単一光子σ+および単一光子σ-がこの順でカスケードに放射される単一光子対と、単一光子σ-および単一光子σ+がこの順でカスケードに放射される単一光子対がある。これらの単一光子対は、いずれも、一方の単一光子が右回り円偏光の場合、他方の単一光子は必ず左回り円偏光となる。したがって、単一光子対の各々の単一光子は相関を有し、エンタングル状態にある。
図9に戻り、このようにして、単一光子対源81は、エンタングル状態にある単一光子対を放射する。さらに、単一光子対源81は、量子ドット構造体に大きさの異なる量子ドットが形成されているので、波長が異なる複数のエンタングル状態にある単一光子対を同時に放射する。
光分波器22およびバンドパスフィルタ23は、第1の実施の形態と同様の構成を有し、波長多重化された単一光子対を波長λ1〜λn毎に分岐させ、所望の波長λ1〜λnの単一光子対のみを通過させる。
光カプラ82は、単一光子対を単純分波することにより、右回り円偏光の単一光子と左回り円偏光の単一光子とに分離する。そして、各々の単一光子を各々の光混合器25に送出する。光混合器25は光カプラから送られてきた単一光子を合波して波長多重化し光伝送路11に送出する。すなわち、エンタングル状態の単一光子対は、単一光子に分離されて2つの受信機91、92に別々に送信される。
受信機91、92は、光伝送路から受けた波長多重化された単一光子を波長毎に分離する光分波器22と、単一光子毎に右回りあるいは左回り円偏光を検出する検出器421〜42nから構成される。
光分波器22は、送信機80の光分波器22と同様の構成を有し、多重化された単一光子を波長λ1〜λn毎に分岐させる。
検出器421〜42nは、例えば、アバランシェフォトダイオードを用いることができる。2つの受信機91、92では同じタイプの検出器を用いることが好ましい。
次に本実施の形態に係る秘密鍵配送システム70の動作について説明する。秘密鍵配送システム70では、以下のようにして秘密鍵が生成される。
送信機80からエンタングル状態にある単一光子が受信機91と受信機92に送信される。説明の簡単のため、波長λ1を例に挙げる。例えば、一方の受信機91の波長λ1の検出器421で右回り円偏光の単一光子が検出された場合、他方の受信機92の波長λ1の検出器421では必ず左回り円偏光の単一光子が検出されることが確定する。
したがって、一方の受信機91の検出器42が単一光子の円偏光の向きを検出すると、他方の受信機92の同じ波長の検出器42では、受信機91とは逆の向きの円偏光が検出されることが自ずと確定する。このようにして検出した波長λ1〜λnまでの情報を復号化して秘密鍵情報とする。例えば、一方の受信機91では右回り円偏光を“1”、左回り円偏光を“0”とする。他方の受信機92では、右回り円偏光を“0”、左回り円偏光を“1”とする。このようにして、2つの受信機は秘密鍵を共有することができる。なお、λ1〜λnまでの情報の総てを秘密鍵情報としてもよく、λ1〜λnまでの情報の一部を秘密鍵情報としてもよい。また、これを時系列的に繰り返して、さらにビット数の多い秘密鍵情報としてもよい。
第三者が盗聴しているかどうか検知する場合は、秘密鍵情報の一部の情報を一方の受信機91から他方の受信機92に公開通信路(不図示)を介して送信する。他方の受信機92は受け取った情報と自分が所有する情報とを照合する。もし、情報が一致しない割合が高い場合は盗聴された可能性が高い。このようにして、第三者の盗聴を検知できる。なお、この場合は秘密鍵情報全体を破棄し再度秘密鍵を入手する。
第3の実施の形態に係る秘密鍵配送システム70は、送信機80が単一光子対源81から波長が異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を同時に生成し、各々の波長の単一光子対を単一光子に分離して、2つの受信機に各々の単一光子を波長多重化して送信する。受信機91、92は、各波長の単一光子の円偏光の向きを検出し符号化して秘密鍵情報を生成する。したがって、エンタングル状態の単一光子が波長多重化されているので、秘密鍵情報となる媒体を高転送レートで送信できる。
さらに、単一光子対源81は励起光の1ショット毎に波長多重化された単一光子対が生成される。この点においても秘密鍵配送システム70は秘密鍵情報となる媒体を高転送レートで送信できる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る秘密鍵配送システムは、送信機が波長多重化されたエンタングル状態の単一光子対を単一光子に分離して、1つの第1受信機とn個の第2受信機に送信し、第1受信機とn個の第2受信機の各々とが単一光子(あるいは単一光子列)の量子状態に基づいて秘密鍵情報を生成して共有するものである。第4の実施の形態に係る秘密鍵配送システムは、第3の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの変形例である。
図11は、本発明の第4の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの構成を示すブロック図である。
図11を参照するに、秘密鍵配送システム100は、送信機101と、波長多重化された単一光子が供給される第1受信機91と、波長毎に単一光子が供給されるn個の第2受信機921〜92nと、送信機101と第1受信機91または第2受信機921〜92nとを接続する光伝送路11、121〜12nから構成される。
送信機101は、n個の第2受信機921〜92nが接続される側に、図9に示す光混合器25が設けられていない点を除いては図9に示す送信機80と略同様の構成からなる。すなわち、光カプラ82で分離された単一光子の一方は、合波されない状態で、波長毎にn個の第2受信機921〜92nに送信される。
第1受信機91は、波長毎に検出器421〜42nを備え、図9に示す受信機91と同様の構成からなる。第2受信機921〜92nは、各々、図9に示す検出器42と同様の検出器421〜42nを備える。
送信機101は、第1受信機91に、エンタングル状態の単一光子対が分離された単一光子の一方を波長多重化して送信する。これは第3の実施の形態と同様である。送信機101は、第2受信機921〜92nの各々には、エンタングル状態の単一光子対が分離された単一光子の他方を波長毎に送信する。
第1受信機91および第2受信機921〜92nは、第3の実施の形態と同様にして秘密鍵情報を生成する。例えば、第1受信機91および第2受信機921〜92nは、割当てられた波長において、時間経過にしたがって受信する複数の単一光子からなる単一光子列から秘密鍵情報を生成する。この際、第1受信機91および第2受信機921〜92nは、必要ならば単一光子を検出した時刻データを合わせて用いてもよい。この結果、第1受信機91と第2受信機921〜92nの各々とが、それぞれ異なる秘密鍵情報を共有する。
第4の実施の形態に係る秘密鍵配送システム100は、送信機101の単一光子対源81が波長の異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を同時に生成し、各々の波長の単一光子対を単一光子に分離してその一方の単一光子を波長多重化して第1受信機91に送信する。また、送信機101は、その他方の単一光子を波長毎にn個の第2受信機921〜92nの各々に送信する。そして、第1受信機91および第2受信機921〜92nは、時間経過に従って受信する複数の単一光子(単位光子列)の各々から円偏光の向きを検出し、符号化して秘密鍵情報を生成する。したがって、秘密鍵配送システム100は、1つの第1受信機91とn個の第2受信機921〜92nの各々との間で、秘密鍵情報を生成するための媒体、つまりエンタングル状態の単一光子の各々を同時に配送可能である。従来は第1受信機とn個の第2受信機の各々との間で秘密鍵情報を生成するための媒体の送信をn回繰り返して行っていたが、秘密鍵配送システム100は並列的に送信するため高速で行える。
さらに、単一光子対源81は励起光の1ショット毎に波長多重化された単一光子対が生成される。この点においても秘密鍵配送システム100は秘密鍵情報となる媒体を効率良く、高転送レートで送信できる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係る秘密鍵配送システムは、送信機が波長多重化されたエンタングル状態の単一光子対を単一光子に分離して、n個の第1受信機とn個の第2受信機に送信し、n組の第1受信機と第2受信機とが単一光子(あるいは単一光子列)の量子状態に基づいて秘密鍵情報を生成して共有するものである。第5の実施の形態に係る秘密鍵配送システムは、第4の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの変形例である。
図12は、本発明の第5の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの構成を示すブロック図である。
図12を参照するに、秘密鍵配送システム110は、送信機111と、波長毎に単一光子が供給されるn個の第1受信機911〜91nと、波長毎に単一光子が供給されるn個の第2受信機921〜92nと、送信機111と第1受信機911〜91nまたは第2受信機921〜92nとを接続する光伝送路111〜11n、121〜12nから構成される。
送信機101は、n個の第1受信機911〜91nが接続される側に、図11に示す光混合器25が設けられていない点を除いては図11に示す送信機101と略同様の構成からなる。すなわち、光カプラ82で分離された単一光子の一方は、合波されない状態で、波長毎にn個の第1受信機911〜91nに送信される。
第1受信機911〜91nは、波長毎に検出器421〜42nを備え、図11に示す受信機92と同様の構成からなる。第1受信機921〜92nは、各々、図11に示す検出器421〜42nと同様の構成からなる。
送信機101は、第1受信機911〜91nの各々に、エンタングル状態の単一光子対が分離された単一光子の一方を波長毎に送信する。また、送信機101は、第2受信機921〜92nの各々に、エンタングル状態の単一光子対が分離された単一光子の他方を波長毎に送信する。
第1受信機911〜91nおよび第2受信機921〜92nは、第3の実施の形態と同様にして秘密鍵情報を生成する。例えば、第1受信機911〜91nおよび第2受信機921〜92nは、割当てられた波長において、時間経過にしたがって受信する複数の単一光子からなる単一光子列から秘密鍵情報を生成する。この際、第1受信機911〜91nおよび第2受信機921〜92nは、必要ならば単一光子を検出した時刻データを合わせて用いてもよい。この結果、同じ波長の単一光子を検出する1つの第1受信機と1つの第2受信機とが秘密鍵情報を共有する。すなわち、波長λ1の単一光子を受信する第1受信機911と第2受信機921とが秘密鍵情報を共有する。したがって、n組の第1受信機と第2受信機とが秘密鍵情報を共有する。なお、各々の組が有する秘密鍵情報はそれぞれ異なるものになるであろう。
第5の実施の形態に係る秘密鍵配送システム110は、送信機111の単一光子対源81から波長が異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を同時に生成し、各々の波長の単一光子対を単一光子に分離してその一方を波長多重化して第1受信機91に送信し、その他方を波長毎にn個の第2受信機921〜92nの各々に送信する。第1受信機91および第2受信機921〜92nは、時間経過に従って受信する複数の単一光子(単位光子列)の各々から円偏光の向きを検出し、符号化して秘密鍵情報を生成する。
第5の実施の形態に係る秘密鍵配送システム110は、送信機111の単一光子対源81が波長の異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を同時に生成し、各々の波長の単一光子対を単一光子に分離してその一方を波長毎にn個の第1受信機911〜91nに送信し、その他方を波長毎にn個の第2受信機921〜92nの各々に送信する。第1受信機911〜91nおよび第2受信機921〜92nは、時間経過に従って受信する複数の単一光子(単位光子列)の各々から円偏光の向きを検出し、符号化して秘密鍵情報を生成する。したがって、秘密鍵配送システム110は、n組の第1受信機と第2受信機に、秘密鍵情報を生成するための媒体、つまりエンタングル状態の単一光子の各々を同時に配送可能である。従来は第1受信機と第2受信機の各々との間で秘密鍵情報を生成するための媒体の送信をn回繰り返して行っていたが、秘密鍵配送システム110は並列的に送信するため高速で行える。
さらに、単一光子対源81は励起光の1ショット毎に波長多重化された単一光子対が生成される。この点においても秘密鍵配送システム110は秘密鍵情報となる媒体を効率良く、高転送レートで送信できる。
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 単一光子を生成する単一光子源と、該単一光子に秘密鍵情報を付与する符号化部と、を有する送信機と、
前記単一光子から秘密鍵情報を取出す検出部とを有する受信機と、
前記送信機と受信機とを接続する光伝送路と、を備える秘密鍵配送システムであって、
前記送信機は、
前記単一光子源が波長の異なる複数の単一光子を同時に生成する量子ドット構造体を有し、
前記単一光子源と前記符号化部との間に、単一光子を波長毎に分岐させる光分波器を有し、
前記符号化部が単一光子の波長毎に設けられてなることを特徴とする秘密鍵配送システム。
(付記2) 前記送信機は、符号化部と光伝送路との間に、波長の異なる複数の単一光子を合波し同時に光伝送路に送出する光混合器をさらに有し、
前記受信機は、光伝送路と検出部との間に該単一光子の各々を波長毎に分岐させる他の光分波器を有し、該検出部が単一光子の波長毎に設けられてなることを特徴とする付記1記載の秘密鍵配送システム。
(付記3) 前記送信機は、波長の異なる複数の単一光子を波長毎に光伝送路に送出して、複数の受信機に秘密鍵情報を送信することを特徴とする付記1記載の秘密鍵配送システム。
(付記4) 波長の異なる複数の単一光子を同時に生成する量子ドット構造体を有する単一光子源と、該単一光子の各々を波長毎に分岐させる光分波器と、該単一光子の各々に秘密鍵情報の要素を付与する符号化部と、該符号化部からの波長の異なる複数の単一光子を合波し、波長の異なる複数の単一光子を同時に光伝送路に送出するする光混合器と、を有する送信機と、
前記単一光子を波長毎に分岐させる他の分波器と、該単一光子の波長毎に設けられ、単一光子の各々から秘密鍵情報の要素を取出す検出部と、を有する受信機と、
前記通信機と受信機とを接続する光伝送路と、
を備える秘密鍵配送システム。
(付記5) 波長の異なる複数の単一光子を同時に生成する量子ドット構造体を有する単一光子源と、該単一光子の各々を波長毎に分岐させる光分波器と、該単一光子の各々に秘密鍵情報の要素の各々を付与する符号化部と、を有する送信機と、
前記単一光子の各々から秘密鍵情報の要素を取出す検出部を有し、前記波長の数に対応する数の受信機と、
前記通信機と受信機の各々とを接続する光伝送路と、
を備える秘密鍵配送システム。
(付記6) 前記単一光子源はレーザ光源を有し、
前記量子ドット構造体はレーザ光源からの励起光の照射により単一光子を発光することを特徴とする付記1〜5のうち、いずれか一項記載の秘密鍵配送システム。
(付記7) 前記量子ドット構造体は、一つの半導体層の表面に、複数の互いに大きさの異なる量子ドットが設けられてなることを特徴とする付記1〜6のうち、いずれか一項記載の秘密鍵配送システム。
(付記8) 前記量子ドット構造体は、InP半導体層と、該InP半導体層上に形成されたInAsからなる量子ドットからなることを特徴とする付記7記載の秘密鍵配送システム。
(付記9) 前記量子ドットは離散的な高さを有することを特徴とする付記7または8記載の秘密鍵配送システム。
(付記10) 前記量子ドット構造体は、頂上が平坦な山型あるいは台地状の形状に形成されてなる付記7〜9のうち、いずれか一項記載の秘密鍵配送システム。
(付記11) 前記光分波器と符号化部との間に、所定の波長以外の光子を遮断するバンドパスフィルタを設けることを特徴とする付記1〜10のうち、いずれか一項記載の秘密鍵配送システム。
(付記12) 2つの受信機が秘密鍵情報を共有するための秘密鍵配送システムであって、
エンタングル状態の単一光子対を生成する単一光子対源と、該単一光子対を各々の単一光子に分離する光分離器とを有する送信機と、
前記分離された単一光子のいずれか一方を受信して、秘密鍵情報を生成する2つの受信機と、
前記送信機と受信機の各々とを接続する光伝送路とを備え、
前記送信機は、
前記単一光子対源が波長の異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を同時に生成する量子ドット構造体を有することを特徴とする秘密鍵配送システム。
(付記13) 前記送信機は、
前記単一光子対源と光分離器との間に単一光子対を波長毎に分岐させる光分波器と、
単一光子の波長毎に設けられた前記光分離器と、
分離された波長の異なる複数の単一光子を合波する光混合器とを有し、
前記受信機は、
前記光伝送路と検出部との間に該単一光子の各々を波長毎に分岐させる他の光分波器と、
単一光子の波長毎に設けられた前記検出部とを有することを特徴とする付記12記載の秘密鍵配送システム。
(付記14) 1つの第1の受信機と複数の第2の受信機の各々とが秘密鍵情報を共有するための秘密鍵配送システムであって、
波長の異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を生成する量子ドット構造体を有する単一光子対源と、該単一光子対を各々の単一光子に分離する光分離器と、分離された単一光子の一方でかつ波長の異なる単一光子を合波して同時に送出する光混合器とを有する送信機と、
前記合波された単一光子を受信する第1の受信機と、前記分離された単一光子の他方を波長毎に受信する複数の第2の受信機からなることを特徴とする秘密鍵配送システム。
(付記15) 組をなす1つの第1の受信機と1つの第2の受信機とが秘密鍵情報を共有し、複数の組の第1の受信機および第2受信機に秘密鍵情報を送信する秘密鍵配送システムであって、
波長の異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を生成する量子ドット構造体を有する単一光子対源と、該単一光子対を各々の単一光子に分離する光分離器と、を有する送信機と、
前記分離された単一光子の一方を波長毎に受信する複数の第1の受信機と、前記分離された単一光子の他方を波長毎に受信する複数の第2の受信機とからなり、
前記組をなす第1の受信機および第2の受信機は、同一波長の単一光子を各々受信することを特徴とする秘密鍵配送システム。
(付記16) 前記単一光子対源はレーザ光源を有し、
前記量子ドット構造体はレーザ光源からの励起光の照射によりエンタングル状態の単一光子対を発光することを特徴とする付記12〜15のうち、いずれか一項記載の秘密鍵配送システム。
(付記17) 前記量子ドット構造体は、1.3μm〜1.55μmの範囲から選択された波長の単一光子あるいは単一光子対を生成することを特徴とする付記1〜16のうち、いずれか一項記載の秘密鍵配送システム。
(付記18) 送信機と受信機とが秘密鍵情報を共有するための秘密鍵配送方法であって、
前記送信機において、量子ドット構造体に励起光を照射して波長の異なる複数の単一光子を同時に生成し、該単一光子の各々に秘密鍵情報の要素を付与して受信機に送信し、
前記受信機において、各々の単一光子から秘密鍵情報を取り出すことを特徴とする秘密鍵配送方法。
(付記19) 前記送信機において、秘密鍵情報の要素が付与された波長の異なる複数の単一光子を合波して受信機に送信することを特徴とする付記18記載の秘密鍵配送方法。
(付記20) 前記受信機が複数からなり、
前記送信機は、前記単一光子の波長毎に秘密鍵情報を付与して波長毎に単一光子列を形成し、複数の受信機の各々に互いに異なる波長の単一光子列を送信することを特徴とする付記18記載の秘密鍵配送方法。
(付記21) 2つの受信機が秘密鍵情報を共有するための秘密鍵配送方法であって、
量子ドット構造体に励起光を照射して波長の異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を同時に生成し、該単一光子対を各々の単一光子に分離して、分離された単一光子を受信機の各々に送信し、
各々の受信機において、単一光子の量子状態を検出して秘密鍵情報を生成することを特徴とする秘密鍵配送方法。
(付記22) 1つの第1の受信機と複数の第2の受信機の各々とが秘密鍵情報を共有するための秘密鍵配送方法であって、
量子ドット構造体に励起光を照射して波長の異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を同時に生成し、該単一光子対を各々の単一光子に分離して、分離された一方の単一光子でかつ波長の異なる単一光子を合波して第1の受信機に送信し、分離された他方の単一光子を波長毎に第2の受信機の各々に送信し、
第1および第2の受信機の各々において、単一光子の量子状態を検出して秘密鍵情報を生成することを特徴とする秘密鍵配送方法。
本発明の第1の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態の波長多重単一光子源の構成を示す図である。 量子ドット構造体の模式的斜視図である。 量子ドット構造体の要部断面図である。 量子ドット構造体の10Kでの光ルミネセンススペクトルの例を示す図である。 (A)〜(C)は量子ドット構造体の製造工程図(その1)である。 (A)および(B)は量子ドット構造体の製造工程図(その2)である。 本発明の第2の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの構成を示すブロック図である。 エンタングル状態の単一光子対の発生を説明するためのエネルギー状態図である。 本発明の第4の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施の形態に係る秘密鍵配送システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
10、60、70、100、110 秘密鍵配送システム
11、111〜11n、12、121〜12n 光伝送路
20、61、80、101、111 送信機
21 波長多重単一光子源
22 光分波器
23 バンドパスフィルタ
24、241〜24n 位相変調器
25 光混合器
28 レーザ光源
29 光カプラ
30 出力モニタ
31 集光光学系
35 冷凍器
36 光ファイバ
37 ローパスフィルタ
40、401〜40n、911〜91n、92、921〜92n 受信機
41 光分波器
42、421〜42n 検出器
50 量子ドット構造体
51 InP基板
52 InPバッファ層
53 InAs量子ドット
53a InAs量子ドット前駆体
54 第1InPダブルキャップ層
55 第2InPダブルキャップ層
56 InPキャップ層
81 単一光子対源
82 光カプラ

Claims (6)

  1. 単一光子を生成する単一光子源と、該単一光子に秘密鍵情報を付与する符号化部と、を有する送信機と、
    前記単一光子から秘密鍵情報を取出す検出部とを有する受信機と、
    前記送信機と受信機とを接続する光伝送路と、を備える秘密鍵配送システムであって、
    前記送信機は、
    前記単一光子源が波長の異なる複数の単一光子を同時に生成する量子ドット構造体を有し、
    前記単一光子源と前記符号化部との間に、単一光子を波長毎に分岐させる光分波器を有し、
    前記符号化部が単一光子の波長毎に設けられてなることを特徴とする秘密鍵配送システム。
  2. 前記送信機は、符号化部と光伝送路との間に、波長の異なる複数の単一光子を合波し同時に光伝送路に送出する光混合器をさらに有し、
    前記受信機は、光伝送路と検出部との間に該単一光子の各々を波長毎に分岐させる他の光分波器を有し、該検出部が単一光子の波長毎に設けられてなることを特徴とする請求項1記載の秘密鍵配送システム。
  3. 前記送信機は、波長の異なる複数の単一光子を波長毎に光伝送路に送出して、複数の受信機に秘密鍵情報を送信することを特徴とする請求項1記載の秘密鍵配送システム。
  4. 前記量子ドット構造体は、一つの半導体層の表面に、複数の互いに大きさの異なる量子ドットが設けられてなることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の秘密鍵配送システム。
  5. 1つの第1の受信機と複数の第2の受信機の各々とが秘密鍵情報を共有するための秘密鍵配送システムであって、
    波長の異なる複数のエンタングル状態の単一光子対を生成する量子ドット構造体を有する単一光子対源と、該単一光子対を各々の単一光子に分離する光分離器と、分離された単一光子の一方でかつ波長の異なる単一光子を合波して同時に送出する光混合器とを有する送信機と、
    前記合波された単一光子を受信する第1の受信機と、前記分離された単一光子の他方を波長毎に受信する複数の第2の受信機からなることを特徴とする秘密鍵配送システム。
  6. 前記量子ドット構造体は、1.3μm〜1.55μmの範囲から選択された波長の単一光子あるいは単一光子対を生成することを特徴とする請求項1〜のうち、いずれか一項記載の秘密鍵配送システム。
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