JP4503936B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光沢性に優れた水性塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物、工場、倉庫等の内外装壁面及び床面、あるいは一般歩道、歩道橋、プラットホーム等の屋外床面に対し、塗料による塗装を施し、美観性等を付与することが行われている。
このような壁面及び床面、とりわけ床面の塗装には、一般に、塗膜強度を考慮し、ウレタン塗料やエポキシ塗料の反応硬化型の塗料が用いられている。
【0003】
また、近年では、塗料において、健康被害の低減や安全性の向上、大気環境汚染を低減する目的で、溶剤系から水性系への転換が図られつつあり、したがって、水性の反応硬化型塗料の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、エポキシ樹脂エマルションと硬化剤を含有する水性塗料が開示されており、塗膜強度等の向上を図っている。
しかしながら、一般に親水性の反応硬化型樹脂は、反応硬化時に大気中に存在する水分等を吸着し、その吸着した水分の影響によって形成塗膜が白化したり、十分な光沢性を有する形成塗膜が得られない場合があった。特に高湿度条件下の塗膜形成においては、そのような現象が顕著に表れる傾向があった。
【0005】
【特許文献1】
特公昭53−45809号公報
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、高湿度条件下であっても、形成塗膜の白化を防止し優れた光沢性を示す水性塗料組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するため、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の反応硬化型樹脂と、特定の脂肪族及び/または脂環式炭化水素系塗膜形成助剤を含有する水性塗料組成物が有効であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は下記の特徴を有するものである。
1.(A)(a−1)主剤及び(a−2)硬化剤からなり、(a−1)成分がエポキシ樹脂、(a−2)成分がアミン化合物であり、少なくとも一方が自己乳化型化合物である反応硬化型樹脂100重量部、
(B)比重0.95以下、乾点100〜300℃であり、脂肪族及び/または脂環式炭化水素を50重量%以上含有する塗膜形成助剤5〜30重量部、
(C)水10〜60重量部、を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
2.(a−1)成分が自己乳化型エポキシ樹脂、(a−2)成分が自己乳化型ポリアミン化合物であることを特徴とする1.に記載の水性塗料組成物。
3.(A)成分において、形成塗膜の水に対する接触角が70度以下であることを特徴とする1.または2.に記載の水性塗料組成物。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0010】
本発明は、(A)(a−1)主剤(以下「(a−1)成分」という)及び(a−2)硬化剤(以下「(a−2)成分」という)からなり、少なくとも一方が水溶性化合物及び/または水分散型化合物である反応硬化型樹脂(以下「(A)成分」という)100重量部、(B)比重0.95以下、乾点100〜300℃であり、脂肪族及び/または脂環式炭化水素を50重量%以上含有する塗膜形成助剤(以下「(B)成分」という)5〜30重量部、(C)水(以下「(C)成分」という)10〜60重量部、を含有することを特徴とする水性塗料組成物である。
【0011】
本発明の(A)成分は、結合材としてはたらくとともに透湿性能を持たせる成分であり、(a−1)成分、及び(a−2)成分からなる反応硬化型樹脂である。反応硬化型樹脂としては、1液タイプ、2液タイプのいずれも使用することができ、これらの少なくとも一方が水溶性化合物または水分散型化合物であることを特徴とする。このような態様では、(a−1)成分と(a−2)成分とを混合することで、これらの一方が疎水性であっても、親水性を高くすることが可能となり、優れた透湿性能を発揮し、さらに、含水下地への適性も高めることができる。
水分散型化合物としては、エマルション型化合物、強制乳化型化合物、自己乳化型化合物等が挙げられる。これらの中で、含水下地への適性、形成塗膜の耐水性等を考慮すると、自己乳化型化合物が好適に用いられる。
【0012】
(a−1)成分、(a−2)成分の組合せとしては、例えば、エポキシ−アミン、ポリオール−イソシアネート、カルボキシル−エポキシ、カルボキシル−金属イオン、カルボキシル−カルボジイミド、カルボキシル−オキサゾリン、カルボニル−ヒドラジド等があげられる。このうち、エポキシ−アミン、ポリオール−イソシアネート等の組み合わせが好適に用いられる。
【0013】
本発明では、特に、(a−1)成分が自己乳化型エポキシ樹脂、(a−2)成分が自己乳化型ポリアミン化合物の組み合せが好ましく、このような組み合せである場合、優れた透湿性、膨れ防止性、強度、付着性、耐摩耗性等を得ることができる。
【0014】
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂等、あるいはこれらをポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等で変性したもの等をあげることができる。
【0015】
アミン化合物としては、例えば、例えば脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、ポリアミドアミン、複素環状アミンなど、またはこれらの変性物などが使用できる。
【0016】
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、フェノールレジンポリオール、エポキシポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、ウレア分散ポリオール、カーボネートポリオール等が挙げられる。
【0017】
イソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(pure−MDI)、ポリメリックMDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添XDI、水添MDI等のイソシアネートモノマーをアロハネート、ビウレット、2量化(ウレチジオン)、3量化(イソシアヌレート)、アダクト化、カルボジイミド反応等により、誘導体化したもの、及びそれらの混合物等を使用することができる。
【0018】
(a−1)成分と(a−2)成分の混合比率は、それぞれの反応性官能基の当量比が100:10〜400となるように配合されることが望ましい。
【0019】
(A)成分によって形成される塗膜は、形成塗膜の水に対する接触角が70度以下、さらには65度以下であることが好ましい。接触角が70度以下であることにより、塗膜表面が親水性となり、優れた透湿性能を発揮し、経時的に膨れ、浮き、剥離等を生じない塗膜を得ることができる。接触角が70度より大きい場合は、十分な透湿機能を発揮されにくく、膨れ、浮き、剥離等が発生するおそれがある。
【0020】
なお、形成塗膜の水に対する接触角は、樹脂をアルミニウム板に0.125mmの厚みで塗付し、温度20℃、相対湿度65%雰囲気下にて72時間乾燥させた後に、接触角計(「CA−DT」(協和界面科学株式会社製))で測定される値である。
【0021】
本発明の(B)成分は、比重0.95以下(好ましくは0.90以下)、乾点100〜300℃(好ましくは150〜250℃以下)であり、脂肪族及び/または脂環式炭化水素を50重量%以上(好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、最も好ましくは80重量%以上)含有する塗膜形成助剤である。
一般に、親水性を示す反応硬化型樹脂の塗膜白化の原因の一つとして考えられるのが、その反応硬化時における、外部からの水分の浸入が挙げられる。すなわち、水分を吸着しやすい親水性を示す樹脂は、外部から水分を吸着し、水分を吸着した状態で反応硬化が進行すると、形成塗膜にムラが発生し、白化が起こると考えられる。特に、高湿度条件下では、外部から水分が浸入しやすく、塗膜白化が起こりやすいと考えられる。
本発明の水性塗料における(B)成分は、比重が0.95以下であるため塗膜形成表面に移行しやすく、乾点が100〜300℃であるため、塗膜が十分形成するまでの間、塗膜形成表面に存在し続けることができ、外部からの水分の浸入を防ぐ効果がある。
また、塗料内部に存在する(B)成分により硬化反応をある程度抑制し、塗膜形成速度を適度なものとすることができ、均一で強固な塗膜を形成することができる。
【0022】
さらに、親水性を示す樹脂中に窒素含有化合物が存在する場合には、外気の二酸化炭素や窒素等の物質を吸着し塗膜を白化させるアミンブラッシング現象が起こる場合も考えられる。本発明では、上述の効果により、このようなアミンブラッシング現象も防ぐことが可能である。
したがって、本発明の形成塗膜は、塗膜白化を抑え、優れた光沢性を有する塗膜を形成することができる。特に、高湿度条件下においても、外部からの水分の浸入を防ぎ、優れた効果を発揮する。
【0023】
なお、乾点とは、JIS K 2254に規定される分留試験に基づき測定されるもので、100ccエングラーフラスコに(B)成分100ccを入れ蒸留を行なった時の、フラスコの最低部が乾燥したときの温度のことをいう。
【0024】
脂肪族及び/または脂環式炭化水素としては、例えば、炭素数が4〜30の分岐状や直鎖状の脂肪族炭化水素及び/または脂環式炭化水素からなるものが好ましく、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、3,4−ジエチルヘキサン、2,6−ジメチルオクタン、3,3−ジメチルオクタン、3,5−ジメチルオクタン、4,4−ジメチルオクタン、3−エチル−3−メチルヘプタン、2−メチルノナン、3−メチルノナン、4−メチルノナン、5−メチルノナン、n−ウンデカン、n−ドデカン、2−メチルウンデカン、3−メチルウンデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン等の脂肪族炭化水素等、シクロペンタン、シクロヘキサン、4−メチル−1−イソプロピルシクロヘキサン(p−メンタン)、シクロオクタン、デカリン等の脂環式炭化水素等が挙げられ、1種または2種以上を混合して用いることができる。
(B)成分は、上述した脂肪族及び/または脂環式炭化水素を50重量%以上含有するものであり、具体的には、IPソルベント(出光石油化学株式会社製)(比重0.76、乾点202℃、脂環式炭化水素100重量%)、LAWS(シェルケミカルズジャパン株式会社製)(比重0.79、乾点197℃、脂環式炭化水素70重量%)、アイソパー(エクソン化学株式会社社製)(比重0.7〜0.79、乾点104〜253℃、脂環式炭化水素100重量%)等が挙げられる。
【0025】
(B)成分の混合比率としては、(A)成分の固形分100重量部に対し、(B)成分の固形分5〜30重量部、好ましくは10〜20重量部程度である。(B)成分がこのような範囲であることにより、塗膜形成時に、外部からの水分、二酸化炭素、窒素等の浸入を防ぎ、塗膜形成速度を適度なものとすることができ均一な塗膜を形成することができる。(B)成分が5重量部より少ない場合は、外部からの水分の浸入を防ぎきれず、塗膜白化が起こり、光沢性に劣る。(B)成分が30重量部より多い場合は、臭気が発生し、塗料の粘度が高くなり、塗装作業性及び仕上がり性に劣る。
【0026】
また(C)成分の混合比率としては、(A)成分の固形分100重量部に対し、10〜60重量部、好ましくは30〜50重量部である。(C)成分がこのような範囲であることにより、塗料を適度な粘度にすることができ、塗装作業性及び仕上がり性に優れた水性塗料を得ることができる。(C)成分が10重量部より少ない場合は、水性塗料の粘度が高くなり、塗装作業性及び仕上がり性に劣る。60重量部より多い場合は、塗料中の水分が多くなり、硬化性に劣る。
【0027】
本発明では、さらに(D)粉粒体(以下「(D)成分」という)を含有することもできる。(D)成分を含有することにより、塗膜の意匠性、透湿性を付与することができる。(D)成分は、その平均粒子径が300μm以下であることが好ましい。平均粒子径が300μmより大きい場合は平滑性が失われ、有光沢の塗膜面を形成することができない。さらに光沢の高い塗膜面を形成させる場合、(D)成分の平均粒子径は50μm以下、さらには20μm以下とすることが望ましい。
【0028】
(D)成分としては、平均粒子径が上記範囲内であれば、特に限定されず、天然品、人工品のいずれも使用することができる。具体的には、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、寒水石、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、タルク、バライト粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、カーボンブラック、珪砂、砂利、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粒、あるいは岩石、ガラス、陶磁器、焼結体、コンクリート、モルタル、プラスチック、ゴム等の破砕品等が挙げられる。このような粉粒体に着色を施したものも使用することができる。様々な色の粉粒体を適宜混合することにより、意匠性を高めることもできる。
【0029】
本発明では、形成される塗膜において単位体積当たりの粉粒体比率が3〜55体積%、好ましくは3〜40体積%、さらに好ましくは5〜20体積%となるように、(A)成分と(D)成分を混合する。この比率が3体積%より少ないと、透湿性が低下する傾向となり、膨れ、浮き、剥れ等が発生しやすくなる。55体積%より多いと、塗膜の付着力等が低下する傾向となり、また光沢性に優れた塗膜を得られにくくなる。
【0030】
本発明では、上述の成分の他、通常塗料に使用可能な添加剤、例えば、溶剤、繊維、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、増粘剤等を使用することもできる。
【0031】
本発明では、上記成分によって得られる水性塗料組成物の形成塗膜のJIS K 5400−1990「塗料一般試験方法」8.17で規定する水蒸気透過度が、乾燥膜厚0.5mmにおいて、20g/m2・24h以上、さらには40〜200g/m2・24hであることが好ましい。このような水蒸気透過度を有する形成塗膜は、塗膜の膨れ、浮き、剥れ等を防止することができる。
【0032】
さらに、上記成分によって得られる水性塗料組成物の形成塗膜のJIS K 5400−1990 7.6「塗料一般試験方法」で規定する光沢度が、塗付量500g/m2、入射角60度、温度23%、湿度90%において、70以上(好ましくは80以上、さらに好ましくは85以上)であることが好ましい。このような条件を満たすことにより、特に、高湿度条件下における塗装においても、塗膜の光沢度が低下することなく、高光沢度を有する塗膜を形成することができる。70未満であれば、特に、高湿度条件下の塗装において、光沢度が低下する場合がある。
【0033】
本発明は、建築物、工場、倉庫等の内外装壁面及び床面、あるいは一般歩道、歩道橋、プラットホーム等の屋外床面等の、含水率の高い含水下地に対し、好適に適用することができる。さらに、高湿度条件下においても塗装を行なうことができ、光沢性と透湿性を兼備えた塗膜を形成することができる。
また、本発明は、含水率の高い含水下地に対し、好適に使用できるものであるが、一般建築物、公共構造物等に対しても適用できる。
【0034】
塗装方法としては、特に限定されず、スプレー、ガン、ローラー、こて、刷毛等の公知の方法で塗装することができる。塗装の際、予め含水下地に対し、下地処理、下地補修等を行うこともできる。また本発明の水性塗料組成物を水等で希釈し、塗装することもできる。
本発明では、特に、内外装壁面や床面に対し塗装を行なう場合、金ごて等のこてを用いて、均一に塗装すればよい。
また、形成塗膜の乾燥膜厚は、通常0.3mm以上、好ましくは0.5mm以上である。本発明では0.5mm以上の厚膜で塗装を行っても、膨れ、浮き、剥れ等の発生を防止することができる。また、厚膜で塗装を行った場合は、下地が微細な凹凸を有していても、平坦で均一な内外装壁面や床面を形成することができる。
塗膜の乾燥は常温にて行えばよいが、加熱することもできる。
【0035】
水性塗料の塗装に先立って下地処理を行う場合は、その形成塗膜の水蒸気透過度が40g/m2・24h以上となる下塗塗料を塗付することが望ましい。このような下塗塗料を塗付しておくことにより、塗膜の膨れ、浮き、剥れ等をより防止することができる。下塗塗料としては、含水下地及び水性塗料との密着性に優れるものが使用でき、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。本発明では、特に、前述の水性塗料における(a−1)成分、(a−2)成分を含有する下塗塗料が好ましく用いられる。下塗塗料は、スプレー、ガン、ローラー、刷毛等によって塗付することができ、その乾燥膜厚は、概ね0.001〜0.03mm程度である。
【0036】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0037】
(実施例1)
表1に示す原料を用いて、表2に示す原料配合比で原料を混合し、塗料1を作製した。この塗料1を用い各種試験を行なった。結果はそれぞれ、表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
○光沢度試験
温度23℃相対湿度50%雰囲気下(以下、標準状態という)及び温度23℃相対湿度90%雰囲気下にて、スレート板(900×900mm)に下塗塗料1(エポキシ樹脂系下塗塗料、固形分30%)を塗付量100g/m2で塗付し、16時間乾燥させた。その後、作製した塗料1を塗付量500g/m2でこて塗りし、標準状態で6時間乾燥させたものを試験体とした。
この試験体に対し、塗膜表面に水をスポットし、この部分の乾燥後の光沢度を、光沢度計(日本電色工業(株)社製)を用いて、形成塗膜のJIS K5400−1990 7.6「塗料一般試験方法」で規定する方法(入射角60度、温度23%、湿度90%)で測定した。
評価は、80以上のものを◎、70以上のものを○、70未満のものを×とした。
【0041】
○表面状態観察
温度23℃相対湿度50%雰囲気下及び温度23℃相対湿度90%雰囲気下にて、光沢度試験と同様の方法で作製した試験体に対し、塗膜表面に水をスポットし、この部分の乾燥後の塗膜の表面状態を観察した。評価は、異常がみられないものを○、僅かに白化が見られるものを△、白化が見られるものを×とした。
【0042】
○接触角試験
樹脂▲1▼と樹脂▲4▼を塗料1の製造と同様の配合で製造した樹脂1をアルミニウム板(70×150mm)に、アプリケーターを用いて0.5mmの厚みで塗付し、標準状態にて72時間乾燥させた後、形成塗膜の水に対する接触角を接触角計「CA−DT」(協和界面科学社製)で測定した。
【0043】
○水蒸気透過度試験
離型紙を貼ったガラス板(200×200mm)の上にろ紙を置き、この和紙上に、アプリケーターを用いて乾燥膜厚が0.125mmとなるように塗料1を塗付し、標準状態で1週間養生を行った。養生後、塗膜が塗付された和紙を剥がし、その水蒸気透過度をJIS K 5400−1990 8.17の規定に基づいて測定した。評価は、水蒸気透過度が40g/m2・24hr以上のものを◎、20〜40g/m2・24hrのものを○、20g/m2・24hr未満のものを×とした。
【0044】
○作業性試験
標準状態で大きさ900×900mmスレート板に、下塗塗料1を塗付量100g/m2で塗付後、16時間後に塗料1を塗付量500g/m2にてこて塗りし、こて塗り作業性を確認した。
こて塗り作業性が良好なものを○、不良なものを×とした。
【0045】
○仕上がり性試験
標準状態で大きさ900×900mmスレート板に、下塗塗料1を塗付量100g/m2で塗付後、16時間後に塗料1を塗付量500g/m2にてこて塗りし、硬化後の仕上り性を確認した。結果は、硬化後の仕上り性が良好なものを○、若干の凹凸があるものを△、かなりの凹凸があり、仕上り性が不良なものを×とした。
【0046】
(実施例2、比較例1〜4)
表2の原料配合以外は、実施例1と同様の方法で塗料を作製し、各種試験を行った。結果は表2に示す。
【0047】
【発明の効果】
本発明の水性塗料組成物によれば、高湿度条件下であっても、形成塗膜の白化を防止し優れた光沢性を示すことができ、さらに透湿性にも優れ、形成塗膜の膨れ、浮き、剥れ等を防止することができる。
Claims (3)
- (A)(a−1)主剤及び(a−2)硬化剤からなり、(a−1)成分がエポキシ樹脂、(a−2)成分がアミン化合物であり、少なくとも一方が自己乳化型化合物である反応硬化型樹脂100重量部、
(B)比重0.95以下、乾点100〜300℃であり、脂肪族及び/または脂環式炭化水素を50重量%以上含有する塗膜形成助剤5〜30重量部、
(C)水10〜60重量部、を含有することを特徴とする水性塗料組成物。 - (a−1)成分が自己乳化型エポキシ樹脂、(a−2)成分が自己乳化型ポリアミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
- (A)成分において、形成塗膜の水に対する接触角が70度以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水性塗料組成物。
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