JP4502241B2 - ばら物運搬船 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は荷積み設備と荷揚げ設備とを具えており、殊に荷揚げ設備の一部が荷積みに使用されるばら物運搬船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉱石、石炭、石灰石、木材チップ、穀物、セメントなどの小塊、粒体、粉体からなる不定形固体貨物、即ちばら物を海上輸送するばら物運搬船の内で、主に沿海区域を航行するものは港湾荷役設備が不完全な埠頭に接岸して荷役作業を行なわなければならないことが多い。
【0003】
そのために、荷役設備をばら物運搬船に具えさせることが行なわれており、荷揚げ設備については、例えば実開平2−33196号公報に記載されているものがある。このものは、船倉内に設けた船体前後方向へ長いホッパ形状の貨物倉の底に沿って船体前後方向へ往復走行し貨物倉内のばら物を少しずつ下方へ排出する払出機と、船体前後方向へ延び排出されたばら物を船底に沿い船首側または船尾側の船倉端部に送る第一コンベヤと、それより上方へ向かって延びばら物を上甲板の上方に送る第二コンベヤと、更にこれより埠頭の所定個所にばら物を陸揚げする第三コンベヤとを具えており、第三コンベヤは上甲板の上に旋回可能に設置したブームに装備されている。
【0004】
一方、荷積み設備については、例えば特開平11−227682号公報に記載されているものがある。このものは、船体長手方向へ長い貨物倉の上方に配置されて中心線上で長手方向へ往復走行するシャトル・コンベヤと、このシャトル・コンベヤにばら物を供給するホッパとを具えており、埠頭からホッパに供給したばら物をシャトル・コンベヤによって貨物倉に配分投入するものである。尚、この特開平11−227682号公報に記載されているばら物運搬船は、前記実開平2−33196号公報記載のものと同様の荷揚げ設備を具えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような荷積み設備を具えていないばら物運搬船については、埠頭からコンベヤ、バケットなどの搬送機を用いてハッチより貨物倉にばら物を投入することによって荷積みが行なわれ、その際に搬送機を埠頭上で船体長手方向へ移動させて均等に積載し船体が不安定とならないようにしている。また、前記の荷積み設備を具えたばら物運搬船においては、埠頭から搬送機を用いて船体に装備したホッパにばら物を供給し、これをシャトル・コンベヤによって貨物倉に均等に投入積載する。
【0006】
従って、後者のものは搬送機を船体長手方向へ移動させる必要がないため、前者のものと比較して埠頭側の荷役設備を簡単なものとすることができる。
【0007】
しかしながら、いずれにしても埠頭側の荷役設備は陸側から海側に張り出し且つ陸側に待避する部分を具えており、このような部分を具えた荷役設備を埠頭に設置することは、安全面で問題があるばかりか、保守管理が面倒である、運転者や管理者が必要である、設置や保守に要する経費負担が大きい、などの問題がある。このため、ばら物積込み埠頭に陸側から海側に張り出す部分を具えた荷役設備を設置することを嫌う傾向がある。
【0008】
本発明はこのような状況に対処するためになされたものであって、陸側から海側に張り出す部分を具えた荷役設備を埠頭に設置することを不要とするばら物運搬船を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は船倉内に設けられた船体前後方向へ長いホッパ形状の貨物倉の底からばら物を順次下方へ取り出す取出手段と、船体前後方向へ延び排出されたばら物を船底に沿い船首側または船尾側の船倉端部に送る第一搬送手段と、それより上方へ向かって延びばら物を上甲板の上方に送る第二搬送手段と、更にこれより埠頭にばら物を陸揚げする第三搬送手段とを具えており、第三搬送手段が上甲板の上に旋回可能に設置したブームに設備されている荷役設備を具えたばら物運搬船を次のようにすることによって前記課題を解決させることとした。
【0010】
即ち、上甲板の上に旋回可能に設置した積込ブームと、この積込ブームに装備されてばら物を先端部から旋回中心側である基端部へ向かって搬送する積込搬送手段と、搬送されたばら物を第二搬送手段の入口上方に誘導する中継搬送手段とを前記の荷役設備に付加した。そして、ブームを旋回中心側の固定長部分とその前方領域に突出する可変長部分とからなるものとして、第三搬送手段のばら物搬送区間長を可変長部分の移動に追従して可変とした。更に、第三搬送手段が搬送するばら物を固定長部分の途中で排出させるための排出手段を具えさせてこの排出手段を第三搬送手段に沿って移動可能とし、且つばら物を側方へ排出する位置からばら物との非接触位置に待避可能なスクレーパを有するものとした。
【0011】
積込ブームを旋回して埠頭の上に突出させ且つブームの可変長部分を最大に前進させて貨物倉の上方に位置させる。積込搬送手段はばら物を埠頭で受取って中継搬送手段に送り、ばら物はこれより第二搬送手段、第三搬送手段を経て可変長部分の先端から貨物倉に投入される。ばら物が所定高さの積山を作ったとき可変長部分を後退させて隣接個所に所定高さの積山を作ることを順次繰り返すか、または可変長部分を繰り返し往復動させることによって、貨物倉のほぼ半分の領域にばら物を積み込む。可変長部分が最大後退した後は排出手段によって第三搬送手段のばら物搬送区間の途中、即ちブームの固定長部分でばら物を排出して貨物倉に投入し残りの領域に積み込むことを、排出手段を旋回中心へ向かって順次移動させるか、或いは繰り返し往復させることによって行なう。
【0012】
貨物倉のばら物は取出手段によって下方へ取り出されて第一搬送手段、第二搬送手段、第三搬送手段により埠頭に陸揚げされる。
【0013】
このように、陸揚げのためのブームおよび第三搬送手段のばら物搬送区間を長さ可変とし、積込ブームおよび積込搬送手段と中継搬送手段とを具えさせたことにより、海側に張り出す部分を具えた荷役設備をもたない埠頭において、荷積みおよび荷揚げを船側の設備によって行なうことができる。また、搬送手段の一部を荷積みと荷揚げに両用させていることにより、荷役設備全体が簡略化される。
【0014】
尚、ブームについては貨物倉の前方または後方であって船体中心線上に旋回中心を置くとともに、第三搬送手段の搬送区間終端で放出されたばら物を誘導するシュートを可変長部分の先端部に設け、更に可変長部分を最大前進時に先端部が貨物倉の反対端近くに達するようにすることが、ばら物を貨物倉に均等に積み込むことと従来同様の陸揚げを行なうこととを両立させるうえで好ましい形態である。
【0015】
また、積込ブームについては旋回中心をブームの旋回中心の側方に置き、上甲板の上に置かれた待機位置と舷側から突出した受取位置との間で旋回可能とするとともに、ばら物受け取りのためのホッパを先端部に具えたものとするのが、陸側で受け取ったばら物を最短距離で第二搬送手段の入口に搬送させる点で好ましい形態である。更に、積込ブームを旋回可能としたことに加えて俯仰可能とすることは、上甲板と埠頭との高低差が変動してもばら物を支障なく受け取ることを可能とする点で好ましい形態である。
【0016】
尚また、ブームについては固定長部分を形成する主フレームと主フレームに沿って前後方向へ移動可能とされ可変長部分を形成する副フレームとからなり、主フレームが排出手段を具えているものとするのが好適である。
【0017】
そして、第三手段搬送手段については二つのフレームにまたがって装備したベルトコンベヤであって主フレームに支持されて基端から先端へ向かって走行する部分が第二搬送手段からのばら物を基端部で受け取る主搬送部を形成するとともに、副フレームに支持されて基端から先端へ向かって走行する部分が主搬送部の下方に位置して副搬送部を形成し、副搬送部は副フレームの前進時に主搬送部からばら物を受け取って先端から貨物倉に投入するものとすること、または主フレームに装備されて第二搬送手段からのばら物を基端部で受け取る主搬送手段とその下方に位置して副フレームに装備された副搬送手段とからなり、副搬送手段は副フレームの前進時に主搬送手段からばら物を受け取って先端から貨物倉に投入するものとし、更に主搬送手段と副搬送手段とは個別に駆動されることとするのが好適な形態である。
【0018】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、図1,図2および図3に示したように船体1の船尾近くに機関室3と船橋4とが設置されているとともに、機関室3より船首近くに亘って延びる船倉5の内部に貨物倉6が設けられている。貨物倉6は船体長手方向へ長く形成され、底壁が左右の傾斜部と中央の平坦部とからなるホッパ形状とされているとともに、頂面が上甲板2の上に開放して開閉可能なハッチ7を形成しており、また、底壁の平坦部を覆って山形のカバー体8を前後方向へ貫通させて内装している。
【0019】
カバー体8の内部には走行用レールが敷設されており、機体9aと回転羽根9bとを具えた払出機9の機体9aを走行用レールに乗せてカバー体8の内部を往復走行させながら回転羽根9bを底壁の平坦部の上面に沿って回転させることにより、平坦部に形成したスリット状の排出口10から貨物倉6のばら物が順次下方へ排出される。底壁と船底との間には排出口10の下方に位置して船体前後方向へ延びるベルトコンベヤ11が設置され、その船首側の端部に船倉5の船底近くから上甲板2の上方に延びる垂直ベルトコンベヤ12が設置されている。
【0020】
排出口10から落下して貨物倉6から取り出されたばら物はベルトコンベヤ11に乗って船首側の先端に送られ、次に垂直ベルトコンベヤ12によって上甲板の上方に送られ、更に先端を埠頭の上に突出させた陸揚げ用のベルトコンベヤ13によって所定場所に陸揚げされる。このような払出機9とベルトコンベヤ11,12,13の配列とからなる荷揚げのための荷役設備は、前記実開平2−33196号公報、特開平11−227682号公報などに記載されていてそれ自体は目新しいものではなく、払出機9とスリット状の排出口10とは貨物倉6からばら物を取り出す取出手段A,ベルトコンベヤ11はばら物を船底に沿って船倉5の端部に送る第一搬送手段B,垂直ベルトコンベヤ12はばら物を上甲板2の上方に送る第二搬送手段C,ベルトコンベヤ13はばら物を陸揚げする第三搬送手段Dの実施の形態である。
【0021】
尚、取出手段Aは貨物倉6の底部に船体長手方向へ多数のシュートを設け、その下端を順次開閉することによってばら物を取り出すものであってもよい。また、第一搬送手段Bおよび第三搬送手段Dのベルトコンベヤ11,13を例えばエプロンコンベヤに置換し、第二搬送手段Cの垂直ベルトコンベヤ12を例えばバケットエレベータに置換することが可能である。
【0022】
ベルトコンベヤ11および垂直ベルトコンベヤ12は船体1の中心線上に配置されており、垂直ベルトコンベヤ12の入口付近の一側方に位置する上甲板2の上に基端部を旋回可能に保持させて積込ブーム15が配備されており、この片持ち式の積込ブーム15は舷側に沿って上甲板2の上に置かれた図2に符号Wで示す待機位置と、これより180度以内の範囲、一般には90度旋回して舷側から最大限に突出する図2に符号Rで示す受取位置との間で旋回させられる。また、この積込ブーム15は図示しない液圧シリンダによって俯仰可能とされており、潮の干満や積荷の重量によって上甲板2と埠頭との高低差が変化しても、常に先端と埠頭との高低差を一定に調節してばら物の積み込み作業に支障を与えないようにすることができる。
【0023】
積込ブーム15は先端部にホッパ16を具えているとともに、そのほぼ全長に亘ってベルトコンベヤ17が装備されており、その上面が積込ブーム15の先端から基端へ向かって走行するように図示しない原動機によって駆動される。また、積込ブーム15の基端下方領域には上甲板2に設置したシュート18が配備されており、このシュート18の下方と垂直ベルトコンベヤ12の入口上方との間に中継用のベルトコンベヤ19が設置されている。このベルトコンベヤ19は船倉5の上甲板2に近い高所に船体中心線と直角の方向に配置されていて、その上面が舷側に近いシュート18の下方から船体中心線上の垂直ベルトコンベヤ12の入口上方へ向かって走行するように図示しない原動機によって駆動される。また、これより放出されたばら物を飛散させることなく垂直ベルトコンベヤ12の入口に誘導するシュート20が必要に応じて設置される。
【0024】
前記の積込ブーム15に装備したベルトコンベヤ17は埠頭で受け取ったばら物を搬送する積込搬送手段E,船倉5に配置したベルトコンベヤ19はばら物を垂直ベルトコンベヤ12の入口上方に誘導する中継搬送手段Fの実施の形態であり、これらのベルトコンベヤ17,19を例えばエプロンコンベヤに置換することが可能である。
【0025】
次に、第三搬送手段Dであるベルトコンベヤ13は、船体中心線上であって積込ブーム15の旋回中心の側方において上甲板2の上に基端部を旋回可能に保持させて配備したブーム21に装備されている。このブーム21は図示しない液圧シリンダによって俯仰可能とされており、ハッチ7の上方であって船体中心線上に延在する図2に符号Lで示す待機または荷積み位置と、これより180度以内の範囲、一般には90度旋回して舷側から最大限に突出する図2に符号Uで示す陸揚げ位置との間で旋回させられる。
【0026】
図1,図2に示した実施の形態に係るブーム21および第三搬送手段Dであるベルトコンベヤ13の詳細を主に図4,図5(A),(B),(C)を参照して説明すると、ブーム21は旋回中心上に俯仰中心を有して旋回可能且つ俯仰可能に基端部を上甲板2の上に支持させた主フレーム21Aと、主フレーム21Aに嵌め込まれて前後方向へ移動可能な副フレーム21Bとからなり、固定長部分を形成する主フレーム21Aは両側に前後方向へ延びるシュート23を有しているとともに、排出手段Gを前後方向へ移動可能に搭載している。可変長部分を形成する副フレーム21Bは最大後退位置で先端部を主フレーム21Aからその前方領域に少し突出させており、最大前進時にこの先端部が貨物倉6の船尾側端部付近に達するようになっていて、この先端部にシュート24を有している。
【0027】
第三搬送手段Dであるベルトコンベヤ13は、主フレーム21Aの基端部および先端部に設置したプーリイ27a,27bと、副フレーム21Bの基端部および先端部に設置したプーリィ28a,28bとにベルト26を巻掛けて反転させており、このベルト26の主フレーム21Aのプーリィ27a,27b間に延在して基端から先端へ向かって走行する部分が固定長の主搬送部DAを形成するとともに、副フレーム21Bのプーリィ28a,28b間に延在して基端から先端へ向かって走行する部分が主搬送部DAの下方に位置して可変長の副搬送部DBを形成している。副フレーム21Bの前進、後退に追従して主搬送部DAの前方へ突出する副搬送部DBの突出長が変わることにより、ばら物搬送区間長が変えられる。
【0028】
排出手段Gはベルト26が搬送するばら物を主フレーム21Aの領域内、即ち主搬送部DAの途中で排出して貨物倉6の船首側領域に積み込むものである。即ち、この排出手段Gはベルト26をまたいでその上方に設置されたフレーム31に支軸32をベルト横断方向に支持させ、この支軸32に固着した二本の第一腕部材33の先端にスクレーパ34を固結するとともに、これと反対方向へ突出させて支軸32に固着した第二腕部材35の先端に液圧シリンダ36のピストン杆を連結したものとされている。
【0029】
スクレーパ34は平面二等辺三角形であって、液圧シリンダ36のピストン杆を収縮させると第二腕部材35,支軸32,第一腕部材33と一体に回動してベルト26の上面に頂点を基端側へ向け且つベルト中心線上に置いて重ねられ、その両側の斜辺がばら物を両側方へ誘導してシュート23から貨物倉6に落下投入させる。ピストン杆を伸長させるとスクレーパ34は支軸32を中心に回動しながら持ち上げられ、ベルト26に乗ったばら物と接触しない位置に待避する。
【0030】
ブーム21の副フレーム21Bおよび排出手段Gのフレーム31は、ブーム21の主フレーム21Aに前後方向移動可能に装備されており、これらの移動手段は走行用レールと車輪および走行原動機からなるもの、ラックとピニオンおよび走行用原動機からなるもの、ワイヤケーブルとウインチからなるものなど、所定区間を往復し且つ任意位置で停止可能な周知のものを適用することができるので、その図示説明は省略した。
【0031】
以上の構成とした本実施の形態に係る設備によって荷積みを行なうときは、積込ブーム15を受取位置Rまで旋回して先端部のホッパ16を埠頭の上に位置させる。また、ブーム21を荷積み位置Lに置いて副フレーム21Bを最大限に前進させ、その先端部のシュート24を貨物倉6の船尾に近い端部の上方に位置させるとともに、スクレーパ34を非接触位置に待避させる。
【0032】
ばら物はベルトコンベヤ、小形車両などを用いて埠頭の上でホッパ16に投入され、ベルトコンベヤ17で基端方向へ送られてシュート18に放出され、これがベルトコンベヤ19によって船体中心線へ向かって送られシュート20に放出される。放出されたばら物は垂直ベルトコンベヤ12によって上甲板の上方へ送られ、ブーム21の主フレーム21Aに支持させた主搬送部DAの基端部に落下する。ばら物は主搬送部DAの先端で副搬送部DBに落下して乗り換え、その先端からシュート24を通って貨物倉6に落下投入される。
【0033】
貨物倉6の端部に所定高さの積山が作られたとき、副フレーム21Bを後退させて隣接個所に所定高さの積山を作ることを、副フレーム21Bが最大後退位置に到達するまで順次繰り返す。最大後退位置で積山を作ったとき、排出手段Gを主フレーム21Aの先端近くに置いてスクレーパ34を主搬送部DAのベルト26の上面に重ねる。これにより、ばら物がスクレーパ34の側方からシュート23を通って貨物倉6に落下投入されることとなり、所定高さの積山が作られたとき排出手段Gを基端方向へ移動して隣接個所に積山を作ることを、貨物倉6の船首側端部に達するまで順次繰り返す。
【0034】
以上により、貨物倉6へのばら物の荷積みが完了するが、副フレーム21Bを最大前進位置と最大後退位置との間で繰り返し往復動させながらばら物貨物倉6に投入し、またスクレーバ34をその最大前進位置と最大後退位置との間で繰り返し往復動させながらばら物を貨物倉に投入することによって荷積みを行なうこともできる。
【0035】
貨物倉6のばら物を埠頭に陸揚げする荷揚げ作業は、取出手段A,第一、第二、第三搬送手段B,C,Dを用いて従来のものと同様に行なわれる。このとき、本実施の形態ではブーム21の副フレーム21Bが前後方向へ移動可能としているので、接岸した船体と埠頭のばら物受け取り場所との距離にばらつきがあっても、副フレーム21Bを前後移動させることにより、その先端のシュート24を受け取り場所に確実に届かせることができる、という利点を有している。
【0036】
尚、第三搬送手段Dにおける固定長の主搬送部DAとその前方へ突出する可変長の副搬送部DBとを一基のベルトコンベヤで形成した本実施の形態によると、駆動用原動機が一台で足りるという利点がある。また、副フレーム21Bの最大後退位置での副搬送部DBの先端が主搬送部DAの先端よりも前方であっても、副搬送部DBが走行していることによって主搬送部DAが放出したばら物を貨物倉6に円滑に落下投入させることができるので、ブーム21および第三搬送手段Dの設計の自由度が大きいという利点もある。
【0037】
図6は第三搬送手段Dの異なる実施の形態を示すものであって、この実施の形態におけるブーム21の主フレーム21A,副フレーム21B,排出手段Gは前記実施の形態のものと同じである。
【0038】
第三搬送手段Dは主フレーム21Aに装備されその基端部から先端部に亘って延びるベルトコンベヤからなる主搬送手段DCと、その下方に位置して副フレーム21Bに装備されその基端部から先端部に亘って延びるベルトコンベヤからなる副搬送手段DDとからなり、これらの搬送手段DC,DDは個別に駆動される。
【0039】
この実施の形態によるばら物の積込み作業は前記実施の形態のものと同様に副フレーム21B,排出手段Gを動作させることによって行なわれ、副フレーム21Bの前進時に副搬送手段DDが主搬送手段DCからばら物を受け取って先端部のシュート24を経て貨物倉6に落下投入させ、副フレーム21Bが最大後退した後は排出手段Gが主搬送手段DCの途中からばら物を貨物倉6に落下投入させる。
【0040】
尚、本実施の形態によると二つの搬送手段DC,DDが個別に駆動されるので、副搬送手段DDの最大後退位置でその先端が主搬送手段DCの先端前方へ突出しないようにすることにより、副搬送手段DDを停止して主搬送手段DCの先端から貨物倉6へのばら物投入および埠頭へのばら物陸揚げを行なうことができ、また荷揚げ作業の際に副フレーム21Bを前進させて先端のシュート24を埠頭の受け取り場所に確実に届かせることができる。更に、副搬送手段DDは荷役作業中にかかわらず最大後退時に停止させておくことができるので、無駄な動力消費がないという利点をもたらす。
【0041】
尚また、前記二つの実施の形態における排出手段Gのスクレーパ34は、主搬送部DA,主搬送手段DCの上面に重ねられてばら物を側方へ誘導落下させる位置とばら物に接触しない待避位置との間を、回動することなく重ねられたときの姿勢のまま上下移動するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、上甲板の上に設置されてばら物を陸揚げするブームと搬送手段に伸縮性をもたせるとともに、埠頭の上でばら物を受け取りこれを船底から上甲板の上にばら物を搬送する手段の入口に導入する手段を付加する、という本発明によると、海側に張り出す部分を具えた積込み用の荷役設備が不要となり、港湾荷役設備が著しく不備な、或いはこれをもたない埠頭においてばら物の積み込みと陸揚げとを行なうことができる。
【0043】
また、荷役設備の一部を荷積みと荷揚げの両方に利用するものであるため、船体に装備させる荷役設備全体が簡略化されるとともに効率よく使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す縦断面概略図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図1のA−A線に沿う拡大断面図。
【図4】図1に示す形態におれるブームの拡大縦断面図。
【図5】図4の拡大断面図であって、(A)は図4のA−A線、(B)は図4のB−B線、(C)は図4のC−C線に沿うもの。
【図6】異なる実施の形態におけるブームの縦断面図。
【符号の説明】
1 船体, 2 上甲板, 5 船倉, 6 貨物倉, 13 ベルトコンベヤ, 15 積込ブーム, 16 ホッパ, 21 ブーム, 21A 主フレーム, 21B 副フレーム, 23,24 シュート, 34 スクレーパ,A 取出手段, B 第一搬送手段, C 第二搬送手段, D 第三搬送手段, DA 主搬送部, DB 副搬送部, DC 主搬送手段, DD 副搬送手段, E 積込搬送手段, E 中継搬送手段, G 排出手段,
Claims (6)
- 船倉内に設けられた船体前後方向へ長いホッパ形状の貨物倉の底からばら物を順次下方へ取り出す取出手段と、船体前後方向へ延び排出されたばら物を船底に沿い船首側または船尾側の船倉端部に送る第一搬送手段と、それより上方へ向かって延びばら物を上甲板の上方に送る第二搬送手段と、更にこりより埠頭にばら物を陸揚げする第三搬送手段とを具えており、前記第三搬送手段が上甲板の上に旋回可能に設置したブームに装備されている荷役設備を具えたばら物運搬船において、
上甲板の上に旋回可能に設置された積込ブームと、前記積込ブームに装備されてばら物を先端部から旋回中心側である基端部へ向かって搬送する積込搬送手段と、搬送されたばら物を前記第二搬送手段の入口上方に誘導する中継搬送手段とが前記荷役設備に付加されており、
そして、前記ブームが旋回中心側の固定長部分とその前方領域に突出する可変長部分とからなり、前記第三搬送手段のばら物搬送区間長が前記可変長部分の移動に追従して可変とされており、
更に、前記第三搬送手段が搬送するばら物を前記固定長部分の途中で排出させるため前記第三搬送手段に沿って移動可能とされ、且つばら物を側方へ排出する位置からばら物との非接触位置に待避可能なスクレーパを有する排出手段を具えている、
ことを特徴とするばら物運搬船。 - 前記ブームが前記貨物倉の前方または後方であって船体中心線上に旋回中心を置いているとともに、前記第三搬送手段の搬送区間終端で放出されたばら物を誘導するシュートが前記可変長部分の先端部に設けられており、前記可変長部分は最大前進時に先端部が前記貨物倉の反対端近くに達するようにされている請求項1に記載したばら物運搬船。
- 前記積込ブームが旋回中心を前記ブームの旋回中心の側方に置いており、上甲板の上に置かれた待機位置と舷側から突出した受取位置との間で旋回可能とされているとともに、ばら物受け取りのためのホッパを先端部に具えている請求項1に記載したばら物運搬船。
- 前記積込ブームが旋回可能であることに加えて俯仰可能とされている請求項1または3に記載したばら物運搬船。
- 前記ブームが固定長部分を形成する主フレームと前記主フレームに沿って前後方向へ移動可能とされ可変長部分を形成する副フレームとからなるとともに、前記主フレームが前記排出手段を具えており、前記第三搬送手段が前記二つのフレームにまたがって装備されたベルトコンベヤであって前記主フレームに支持されて基端から先端へ向かって走行する部分が前記第二搬送手段からのばら物を基端部で受け取る主搬送部を形成するとともに、前記副フレームに支持されて基端から先端へ向かって走行する部分が前記主搬送部の下方に位置して副搬送部を形成し、前記副搬送部は前記副フレームの前進時に前記主搬送部からばら物を受け取って先端から前記貨物倉に投入するようにされている請求項1または2に記載したばら物運搬船。
- 前記ブームが固定長部分を形成する主フレームと前記主フレームに沿って前後方向へ移動可能とされ可変長部分を形成する副フレームとからなるとともに、前記主フレームが前記排出手段を具えており、前記第三搬送手段が前記主フレームに装備されて前記第二搬送手段からのばら物を基端部で受け取る主搬送手段と前記主搬送手段の下方に位置して前記副フレームに装備された副搬送手段とからなり、前記副搬送手段は前記副フレームの前進時に前記主搬送手段からばら物を受け取って先端から前記貨物倉に投入するようにされており、更に前記主搬送手段と副搬送手段とは個別に駆動される請求項1または2に記載したばら物運搬船。
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