以下、図面を参照しつつ本発明に係る発光素子駆動回路及び光送信器の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の好適な一実施形態である発光素子駆動回路1aの構成を示すブロック図である。同図に示す発光素子駆動回路1aは、光モジュール2を駆動するための回路であり、光モジュール2とともに本実施形態に係る光送信器を構成する。なお、光モジュール2は、例えばTOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly)といった小型のパッケージ構成を有する。光モジュール2は、信号光Pを生成するレーザダイオード21といった発光素子と、レーザダイオード21からの信号光P(正確には、レーザダイオード21の光反射端面からの光)を検出(モニタ)するフォトダイオード22といったモニタ用の受光素子とを有する。レーザダイオード21は、外部からの送信信号Sp,Snに応じた変調電流Imod及びバイアス電流Ibiasを含む駆動電流Idを発光素子駆動回路1aから受け、駆動電流Idに応じたレーザ光である信号光Pを生成する。
ここで、図2(a)は、レーザダイオード21の出力特性の一例を示す図である。図2(a)において、横軸はレーザダイオード21を流れる順方向電流(LD駆動電流)を示し、縦軸はレーザダイオード21の光出力強度を示している。また、図中のグラフG1はレーザダイオード21の温度が或る値T1[℃]のときの出力特性を示しており、グラフG2はレーザダイオード21の温度がT2(>T1)[℃]のときの出力特性を示している。グラフG1におけるIth1、及びグラフG2におけるIth2は、温度T1,T2のそれぞれにおけるレーザダイオード21の閾値電流値を示している。
また、図2(b)は、レーザダイオード21から出力される信号光Pの時間波形の一例を示すグラフであり、ローレベル時の信号光強度PLとハイレベル時の信号光強度PHとを交互に繰り返す波形を示している。また、図2(c)は、図2(b)に示す信号光Pを出力するために必要な駆動電流Idの時間波形の一例を示すグラフである。図2(c)において、グラフG3は温度T1[℃]のときに必要な駆動電流Idの時間波形の一例であり、グラフG4は温度T2[℃]のときに必要な駆動電流Idの時間波形の一例である。なお、図2(c)中のIbias1は、レーザダイオードにレーザ駆動回路がAC結合される場合のバイアス電流値を示している。また、図2(c)中のIbias2は、レーザダイオードにレーザ駆動回路がDC結合される場合のバイアス電流値を示している。駆動電流Idは、変調電流Imodがバイアス電流Ibias1(またはIbias2)に畳重されて成る。
図2(a)に示すように、レーザダイオード21の出力特性は、温度変化により大きく変動する。すなわち、レーザダイオード21の素子温度が高くなると、レーザ発振の閾値電流値が大きくなるとともに、所定の光出力強度を得るためにより大きな駆動電流が必要となる。従って、レーザダイオード21の素子温度に依らず信号光強度PH及び消光比(PH/PL)を一定に保つためには、図2(c)のグラフG3,G4に示すように、バイアス電流Ibias1(Ibias2)及び変調電流Imodの大きさを光出力強度に応じて制御する必要がある。そこで、発光素子駆動回路1aは、フォトダイオード22からの光電流Imonに基づいて、信号光Pの信号光強度PH及び消光比(PH/PL)を制御する。
再び図1を参照する。本実施形態の発光素子駆動回路1aは、いわゆるAC結合型のレーザ駆動回路である。発光素子駆動回路1aは、変調電流生成部3、バイアス電流源4、電流電圧変換部5a及び5b、レベルホールド部6a及び6b、誤差増幅器17a及び7b、参照電流生成部8、可変容量部9、スイッチ素子10a〜10f、並びに制御部16を有する。
変調電流生成部3は、後述するバイアス電流源4と共に本実施形態における駆動電流生成部19を構成する。駆動電流生成部19は、送信信号Sn,Spに応じて変調された駆動電流Idをレーザダイオード21へ供給するための回路部分である。変調電流生成部3は、駆動電流Idのうち、送信信号Sn,Spに応じた変調電流Imod1,Imod2を生成する。具体的には、変調電流生成部3は、送信データを含む差動信号である送信信号Sp(正相),Sn(逆相)を外部から入力するための2つの入力端と、送信信号Snに応じた変調電流Imod1及び送信信号Spに応じた変調電流Imod2をレーザダイオード21へ出力するための2つの出力端とを有する。変調電流Imod1を出力するための出力端は、低周波成分をカットするためのコンデンサ(容量素子)11aを介して、レーザダイオード21のアノードと電気的に接続される。また、変調電流Imod2を出力するための出力端は、低周波成分をカットするためのコンデンサ(容量素子)11bを介して、レーザダイオード21のカソードと電気的に接続される。
また、変調電流生成部3は、後述する誤差増幅器17bからの差信号Sd_btを入力するための入力端を更に有する。変調電流生成部3は、差信号Sd_btの大きさが小さくなるように、変調電流Imod1及びImod2の大きさを調節する。
バイアス電流源4は、駆動電流Idのうち、順方向のバイアス電流Ibiasを生成する。具体的には、バイアス電流源4の一端は、高周波成分をカットするためのインダクタ12bを介してレーザダイオード21のカソードと電気的に接続されている。また、バイアス電流源4の他端は、GNDラインといった基準電位線15と電気的に接続されている。レーザダイオード21のアノードは、高周波成分をカットするためのインダクタ12aを介して、電源電位線14と電気的に接続されている。電源電位線14には、電源電圧Vccが供給される。また、バイアス電流源4は、後述する誤差増幅器17aからの差信号Sd_pkを入力するための入力端を更に有する。バイアス電流源4は、差信号Sd_pkの大きさが小さくなるように、バイアス電流Ibiasの大きさを調節する。
なお、本実施形態においてはレーザダイオード21のカソードと基準電位線15との間にバイアス電流源4が接続されているが、バイアス電流源は、レーザダイオードのアノードと電源電位線14との間に接続されてもよい。
電流電圧変換部5aは、本実施形態における第1の電流電圧変換部であり、フォトダイオード22からの光電流Imonを電圧信号である光量信号Smonに変換するための回路である。電流電圧変換部5aは、後述するように、第1のコモンベース型TIA回路を含んで構成されており、更に、このコモンベース型TIA回路のトランスインピーダンスが可変となっている。コモンベース型TIA回路のトランスインピーダンスは、後述する制御部16からの利得制御信号ZTSEL1,ZTSEL2に応じて変更される。
ここで、図3は、本実施形態における(a)フォトダイオード22からの光電流Imonの時間波形の一例、及び(b)光電流Imonに対応する光量信号Smonの時間波形の一例を示すグラフである。図3(a)及び(b)に示すように、本実施形態の電流電圧変換部5aは、光電流Imonのローレベルに対応する光量信号Smonとしてピークレベルを出力し、光電流Imonのハイレベルに対応する光量信号Smonとしてボトムレベルを出力する。従って、光電流Imonと光量信号Smonとは、互いに逆転しており相補的な時間波形となる。
レベルホールド部6aは、ピーク検出部61a及びボトム検出部62aを有する。ピーク検出部61aは、光量信号Smonのピークレベルを検出するための回路である。ピーク検出部61aは、光量信号Smonのピークレベルを示すピークレベル信号Spkを生成し、スイッチ素子10aを介して誤差増幅器17aへ提供する。また、ボトム検出部62aは、光量信号Smonのボトムレベルを検出するための回路である。ボトム検出部62aは、光量信号Smonのボトムレベルを示すボトムレベル信号Sbtを生成し、スイッチ素子10bを介して誤差増幅器17bへ提供する。なお、光量信号Smonのピークレベルは、送信信号Sp,Snのローレベル(すなわち、信号光Pのローレベル)に対応しており、光量信号Smonのボトムレベルは、送信信号Sp,Snのハイレベル(すなわち、信号光Pのハイレベル)に対応している。
誤差増幅器17aは、ピーク検出部61aからのピークレベル信号Spkと、後述するピーク検出部61bからのピークレベル参照電圧Vpkとの差を増幅し、バイアス電流源4へ提供するための回路である。具体的には、誤差増幅器17aはオペアンプを含んで構成され、誤差増幅器17aの非反転入力端はピーク検出部61aと電気的に接続されており、誤差増幅器17aの反転入力端はピーク検出部61bと電気的に接続されている。また、誤差増幅器17aの出力端は、スイッチ素子10eを介してバイアス電流源4と電気的に接続されている。誤差増幅器17aは、ピークレベル信号Spkとピークレベル参照電圧Vpkとの差を示す差信号Sd_pkを生成し、差信号Sd_pkをバイアス電流源4へ提供する。
また、誤差増幅器17bは、ボトム検出部62aからのボトムレベル信号Sbtと、後述するボトム検出部62bからのボトムレベル参照電圧Vbtとの差を増幅し、変調電流生成部3へ提供するための回路である。具体的には、誤差増幅器17bはオペアンプを含んで構成され、誤差増幅器17bの非反転入力端はボトム検出部62aと電気的に接続されており、誤差増幅器17bの反転入力端はボトム検出部62bと電気的に接続されている。また、誤差増幅器17bの出力端は、スイッチ素子10fを介して変調電流生成部3と電気的に接続されている。誤差増幅器17bは、ボトムレベル信号Sbtとボトムレベル参照電圧Vbtとの差を示す差信号Sd_btを生成し、差信号Sd_btを変調電流生成部3へ提供する。
参照電流生成部8は、後述する可変容量部9及び電流電圧変換部5bと共に、本実施形態における参照信号生成部13を構成する。参照信号生成部13は、外部からの送信信号Sp,Snに対応する電圧信号である参照信号Vrefを生成するための回路である。参照電流生成部8は、送信信号Sp,Snに対応する参照電流Irefを生成する。この参照電流Irefは、送信信号Sp,Snに対応するパルス電流である。すなわち、参照電流Irefは、送信信号Sp,Snと同じデータ成分を含んでおり、送信信号Sp,Snの振動に応じた立ち上がりおよび立ち下がりを有する。参照電流生成部8は、例えば、送信信号Sp,Snを電圧−電流変換することにより変調成分を生成し、所定のバイアス成分に該変調成分を畳重することにより参照電流Irefを生成できる。
また、電流電圧変換部5bは、本実施形態における第2の電流電圧変換部であり、参照電流生成部8からの参照電流Irefを電圧信号である参照信号Vrefに変換するための回路である。電流電圧変換部5bの機能及び内部構成は、上述した電流電圧変換部5aと同様である。すなわち、本実施形態の電流電圧変換部5bは、第2のコモンベース型TIA回路を含んで構成されており、更に、このコモンベース型TIA回路のトランスインピーダンスが可変となっている。コモンベース型TIA回路のトランスインピーダンスは、後述する制御部16からの利得制御信号ZTSEL1,ZTSEL2に応じて変更される。また、電流電圧変換部5bは、参照電流Irefのローレベルに対応する参照信号Vrefとしてピークレベルを出力し、参照電流Irefのハイレベルに対応する参照信号Vrefとしてボトムレベルを出力する。従って、参照電流Irefと参照信号Vrefとは、互いに逆転しており相補的な時間波形となる。
可変容量部9は、参照電流生成部8及び電流電圧変換部5bを結ぶ信号線と基準電位線15といった定電位線との間に接続されている。可変容量部9は、制御部16からの容量制御信号BW_AD1〜BW_AD3に応じて容量値を変更可能なように構成されている。
可変容量部9は、フォトダイオード22の内部容量や、クロストークノイズ除去用の並列コンデンサ容量による光量信号Smonへの影響を、参照信号Vrefにも同様に与えるための回路である。すなわち、発光素子駆動回路1aにおいては、フォトダイオード22の並列容量と電流電圧変換部5aの入力インピーダンスとによって、ローパスフィルタが構成される。従って、光量信号Smonはこのローパスフィルタによって帯域制限を受けることとなる。なお、このローパスフィルタは、光電流Imonに畳重したノイズを除去する効果がある。これに対し、参照信号生成部13においても、参照電流生成部8及び電流電圧変換部5bを結ぶ信号線と基準電位線15との間に可変容量部9を接続し、可変容量部9の容量と電流電圧変換部5bの入力インピーダンスとによってローパスフィルタを構成する。これにより、参照信号Vrefにも光量信号Smonと同様の帯域制限を与えることができる。
レベルホールド部6bは、ピーク検出部61b及びボトム検出部62bを有する。ピーク検出部61bは、参照信号Vrefのピークレベルを検出し、該ピークレベルを示すピークレベル参照電圧Vpkを、スイッチ素子10cを介して誤差増幅器17aへ提供する。また、ボトム検出部62bは、参照信号Vrefのボトムレベルを検出し、該ボトムレベルを示すボトムレベル参照電圧Vbtを、スイッチ素子10dを介して誤差増幅器17bへ提供する。なお、参照信号Vrefのピークレベルは、送信信号Sp,Snのローレベル(すなわち、信号光Pのローレベル)に対応しており、参照信号Vrefのボトムレベルは、送信信号Sp,Snのハイレベル(すなわち、信号光Pのハイレベル)に対応している。
制御部16は、本実施形態における利得制御部としての機能と、容量制御部としての機能とを併せ持っている。すなわち、制御部16は、コモンベース型TIA回路のトランスインピーダンスを変更するための利得制御信号ZTSEL1,ZTSEL2を電流電圧変換部5a及び5bへ提供する。また、制御部16は、可変容量部9の容量を変更するための容量制御信号BW_AD1〜BW_AD3を可変容量部9へ提供する。なお、利得制御信号ZTSEL1,ZTSEL2は、レーザダイオード21の発光特性の個体ばらつきに応じて設定される。また、容量制御信号BW_AD1〜BW_AD3は、フォトダイオード22の内部容量の個体ばらつきやノイズ除去用コンデンサの容量に応じて設定される。
また、制御部16は、各スイッチ素子10a〜10fの導通状態を制御する。制御部16は、スイッチ素子10a及び10cの制御端子に電気的に接続された出力端を有しており、スイッチ素子10a及び10cの制御端子へスイッチ制御信号RST_Pを送る。また、制御部16は、スイッチ素子10b及び10dの制御端子に電気的に接続された出力端を有しており、スイッチ素子10b及び10dの制御端子へスイッチ制御信号RST_Bを送る。また、制御部16は、スイッチ素子10e及び10fの制御端子に電気的に接続された出力端を有しており、スイッチ素子10e及び10fの制御端子へスイッチ制御信号LDOFFを送る。なお、各スイッチ素子10a〜10fにおいては、制御端子への入力論理が0のときに入力端及び出力端が導通状態となる。また、制御端子への入力論理が1のときに入力端及び出力端が非導通状態となり、出力端は基準電位線15と短絡する。
図4は、本実施形態の変調電流生成部3の構成の一例を詳細に示す回路図である。図4を参照すると、変調電流生成部3は、一対のトランジスタ31a及び31bと、一対の抵抗素子32a及び32bと、変調電流源33とを有する。
トランジスタ31aのベースは、変調電流生成部3の外部から送信信号Sp(正相)を入力するための入力端子と電気的に接続されている。トランジスタ31bのベースは、変調電流生成部3の外部から送信信号Sn(逆相)を入力するための入力端子と電気的に接続されている。トランジスタ31a及び31b双方のエミッタは、変調電流源33を介して基準電位線15と電気的に接続されている。トランジスタ31aのコレクタは、抵抗素子32aを介して電源電位線14と電気的に接続されるとともに、レーザダイオード21(図1参照)のカソードと電気的に接続される。トランジスタ31bのコレクタは、抵抗素子32bを介して電源電位線14と電気的に接続されるとともに、レーザダイオード21(図1参照)のアノードと電気的に接続される。変調電流源33は、誤差増幅器17b(図1参照)からの差信号Sd_btを入力するための入力端を有しており、差信号Sd_btが小さくなるように電流量を調節する。
図4に示す変調電流生成部3に差動信号である送信信号Sp(正相),Sn(逆相)が入力されると、送信信号Spがトランジスタ31aのベースに入力されるとともに、送信信号Snがトランジスタ31bのベースに入力される。送信信号Spがトランジスタ31aのベースに入力されることにより、レーザダイオード21には変調電流Imod2が流れる。変調電流Imod2は、変調電流源33によって電流値が規定され、トランジスタ31aを介して流れる。また、送信信号Snがトランジスタ31bのベースに入力されることにより、変調電流Imod2とは逆相の変調電流Imod1が流れる。変調電流Imod1は、変調電流源33によって変調電流Imod2と同じ電流量に規定され、トランジスタ31bを介して流れる。
図5は、本実施形態の電流電圧変換部5aの構成の一例を詳細に示す回路図である。図5を参照すると、電流電圧変換部5aは、トランジスタ51及び52と、定電流源53及び54と、可変抵抗部57とを有する。
トランジスタ51、定電流源53、及び可変抵抗部57は、コモンベース型TIA回路を構成する。すなわち、トランジスタ51のコレクタは、可変抵抗部57を介して電源電位線14に電気的に接続されている。また、トランジスタ51のエミッタは、フォトダイオード22のカソードに電気的に接続されるとともに、定電流源53を介して基準電位線15に電気的に接続されている。また、トランジスタ51のベースには所定のコモン電圧VCBが印加される。この構成により、トランジスタ51のコレクタには、フォトダイオード22を流れる光電流Imonの電流量に比例する電位が現れる。この比例係数(変換利得)は可変抵抗部57の抵抗値によって定まる。
可変抵抗部57は、互いに並列に接続されたn列(n≧2,本実施形態ではn=3)の抵抗素子55a〜55cと、(n−1)個のトランジスタ56b及び56cとを有する。トランジスタ56b及び56cは、それぞれ抵抗素子55b及び55cに直列に接続されている。トランジスタ56b及び56cは、スイッチ素子として用いられ、例えばMOS−FETが好適に用いられる。具体的には、抵抗素子55b,55cの一端が電源電位線14と電気的に接続され、他端がトランジスタ56b,56cのソース及びドレインのうち一方の端子と電気的に接続される。トランジスタ56b,56cのソース及びドレインのうち他方の端子は、トランジスタ51のコレクタと電気的に接続される。トランジスタ56b,56cのゲートは制御部16と電気的に接続されており、制御部16から利得制御信号ZTSEL1,ZTSEL2を受ける。そして、利得制御信号ZTSEL1,ZTSEL2に応じてトランジスタ56b,56cのソース−ドレイン間の導通状態/非導通状態が様々に変更されることにより、可変抵抗部57としての抵抗値が変更される。
トランジスタ52及び定電流源54は、エミッタフォロワ回路を構成する。すなわち、上記したコモンベース型TIA回路は出力インピーダンスが大きいので、このエミッタフォロワ回路によって電流電圧変換部5aの出力インピーダンスを低下させる。具体的には、トランジスタ52のベースはトランジスタ51のコレクタと電気的に接続されており、トランジスタ52のコレクタは電源電位線14と電気的に接続されており、トランジスタ52のエミッタは定電流源54を介して基準電位線15と電気的に接続されている。そして、トランジスタ52のエミッタにおける電位が、光量信号Smonとして出力される。
なお、図5に示すように、本実施形態の光モジュール2は、フォトダイオード22に対して並列に接続されたクロストークノイズ除去用のコンデンサ23を更に有してもよい。
図6は、本実施形態の参照電流生成部8の構成の一例を示すブロック図である。図6を参照すると、参照電流生成部8は、ローレベル基準電圧生成部81、バイアス成分生成部82、ハイレベル基準電圧生成部83、スイッチ素子84、及び変調成分生成部85を有する。
ローレベル基準電圧生成部81は、参照電流Irefのローレベルの大きさを示す基準電圧Vreflを生成するための回路である。この基準電圧Vreflの大きさは、予め適切な値に設定される。バイアス成分生成部82は、ローレベル基準電圧生成部81からの基準電圧Vreflを電流に変換し、参照電流Irefのローレベル(バイアス成分)を示す電流Ireflとして出力する。
ハイレベル基準電圧生成部83は、参照電流Irefのハイレベル(変調成分のピーク値)の大きさを示す基準電圧Vrefhを生成するための回路である。この基準電圧Vrefhの大きさは、基準電圧Vreflと同様に予め適切な値に設定される。変調成分生成部85は、ハイレベル基準電圧生成部83からの基準電圧Vrefhを電流に変換するとともに、この電流を送信信号Sp,Snによって変調する。変調成分生成部85は、こうして生成した電流Irefhを参照電流Irefの変調成分として出力する。電流Irefh及び電流Ireflは互いに畳重され、参照電流Irefとして参照電流生成部8から電流電圧変換部5b(図1参照)へ提供される。
ハイレベル基準電圧生成部83はスイッチ素子84の入力端と接続されており、変調成分生成部85はスイッチ素子84の出力端と接続されている。スイッチ素子84の制御端子は制御部16と接続されており、制御部16からスイッチ制御信号RST_Bを受ける。スイッチ素子84においては、制御端子への入力論理が0のときに入力端及び出力端が導通状態となる。また、制御端子への入力論理が1のときに入力端及び出力端が非導通状態となり、出力端は基準電位線15と短絡する。この構成により、スイッチ制御信号RST_Bの論理が1のときには、参照電流Irefの変調成分(電流Irefh)が生成されず、バイアス成分(電流Irefl)のみが参照電流Irefとして参照電流生成部8から出力される。また、スイッチ制御信号RST_Bの論理が0のときには、参照電流Irefの変調成分(電流Irefh)が生成され、バイアス成分(電流Irefl)と共に参照電流Irefとして参照電流生成部8から出力される。
図7は、本実施形態の可変容量部9の構成の一例を詳細に示す回路図である。なお、図7には、上述した変調成分生成部85の構成の一例、及び電流電圧変換部5bの構成の一例もまた詳細に示されている。このうち、電流電圧変換部5bの構成については、既述した電流電圧変換部5aの構成と同様なので説明を省略する。
図7を参照すると、可変容量部9は、互いに並列に接続されたm列(m≧2,本実施形態ではm=3)のコンデンサ(容量素子)91a〜91cと、コンデンサ91a〜91cにそれぞれ直列に接続されたn個のトランジスタ92a〜92cとを有する。トランジスタ92a〜92cは、スイッチ素子として用いられ、例えばMOS−FETが好適に用いられる。具体的には、コンデンサ91a〜91cの一端は、バイアス成分生成部82及び変調成分生成部85と電流電圧変換部5bとを結ぶ信号線18に電気的に接続される。また、コンデンサ91a〜91cの他端は、それぞれトランジスタ92a〜92cのソース及びドレインのうち一方の端子に電気的に接続される。トランジスタ92a〜92cのソース及びドレインのうち他方の端子は、基準電位線15といった定電位線に電気的に接続される。トランジスタ92a〜92cのゲートは制御部16に接続されており、制御部16からそれぞれ容量制御信号BW_AD1〜BW_AD3を受ける。そして、容量制御信号BW_AD1〜BW_AD3に応じてトランジスタ92a〜92cのソース−ドレイン間の導通状態/非導通状態が様々に変更されることにより、可変容量部9としての容量値が変更される。
変調成分生成部85は、例えば図7に示すように、トランジスタ86と、一対のトランジスタ87a及び87bと、定電流源88とを含んで構成される。トランジスタ87aのベースには送信信号Spが入力され、トランジスタ87bのベースには送信信号Snが入力される。トランジスタ87a及び87b双方のエミッタは、定電流源88を介して基準電位線15と電気的に接続されている。トランジスタ87aのコレクタは、トランジスタ86のエミッタと電気的にカスコード接続されている。トランジスタ87bのコレクタは、信号線18を介して電流電圧変換部5bと電気的に接続されている。この信号線18には、バイアス成分生成部82も接続されている。定電流源88は、ハイレベル基準電圧生成部83からの基準電圧Vrefhを入力するための入力端を有しており、基準電圧Vrefhに応じて電流量を規定する。また、トランジスタ86のコレクタは電源電位線14と電気的に接続されており、トランジスタ86のベースには所定のコモン電圧VCBが印加されている。トランジスタ86は、電流電圧変換部5bのトランジスタ51に対応して(一対として)設けられる。
以上の構成を有する発光素子駆動回路1aの動作について、図8〜図10を参照しながら説明する。図8(a)〜(e)のそれぞれは、ローレベル基準電圧生成部81(図6参照)における基準電圧Vrefl(図8(a))、ハイレベル基準電圧生成部83(図6参照)における基準電圧Vrefh(図8(b))、参照信号Vref(図8(c))、ピークレベル参照電圧Vpk(図8(d))、及びボトムレベル参照電圧Vbt(図8(e))の時間波形の一例を示すグラフである。また、図9(a)〜(c)のそれぞれは、制御部16から出力されるスイッチ制御信号LDOFF(図9(a))、スイッチ制御信号RST_B(図9(b))、及びスイッチ制御信号RST_P(図9(c))の時間波形の一例を示すグラフである。また、図10(a)〜(d)のそれぞれは、光量信号Smon(図10(a))、ピークレベル信号Spk(図10(b))、ボトムレベル信号Sbt(図10(c))、及び駆動電流Id(図10(d))の時間波形の一例を示すグラフである。
まず、ローレベル基準電圧生成部81からの基準電圧Vreflが時刻t1において立ち上がる(図8(a))。このとき、制御部16からのスイッチ制御信号RST_Bは論理1となっており(図9(b))、スイッチ素子84(図6)は非接続状態なので、参照電流Irefとしてバイアス成分(Irefl)のみが参照電流生成部8から出力される。従って、参照信号生成部13からは、参照信号Vrefとして図8(c)に示すようにバイアス成分Vrefbのみが出力される。なお、本実施形態では、電流電圧変換部5bにおいて参照電流Irefと参照信号Vrefとが互いに逆転して相補的な時間波形となるので、実際の参照信号Vrefは電源電圧Vccからバイアス分(Vrefb)だけ低下した電圧値となる。
また、この段階では、参照信号Vrefに変調成分が含まれていないため、ピークレベル参照電圧Vpk及びボトムレベル参照電圧Vbtは、参照信号Vrefのバイアス成分Vrefbと同じレベルに収束する(図8(d),図8(e))。
続いて、時刻t2において制御部16からのスイッチ制御信号LDOFF及びRST_Pが論理0に切り替えられる(図9(a),図9(b))。すなわち、スイッチ素子10a,10c,10e,及び10f(図1参照)が接続状態となる。これにより、ピークレベル参照電圧Vpkが誤差増幅器17aへ入力され、誤差増幅器17aからの差信号Sd_pkがバイアス電流源4へ入力されることとなり、バイアス電流Ibiasに関する閉ループ回路が形成される。そして、バイアス電流源4により、バイアス電流Ibiasの供給が開始され、差信号Sd_pkが小さくなるように(すなわち、ピークレベル信号Spkの大きさがピークレベル参照電圧Vpkに近づくように)バイアス電流Ibiasの電流値が調節されるので、バイアス電流Ibiasの電流値が参照電流Irefの大きさ(Irefl)に近づく(図10(b),図10(d))。
続いて、時刻t2から所定時間経過後の時刻t3において、制御部16からのスイッチ制御信号RST_Bが論理0に切り替えられる(図9(c))。すなわち、スイッチ素子10b及び10d(図1)並びに84(図6)が接続状態となる。
このとき、参照電流生成部8において、参照電流Irefとしてはバイアス成分(Irefl)だけでなく変調成分(Irefh)も畳重されて出力される。従って、参照信号生成部13からは、参照信号Vrefとして図8(c)に示すようにバイアス成分Vrefbに加えて変調成分Vrefmが出力される。すなわち、参照信号Vrefのボトムレベルを示すボトムレベル参照電圧Vbtは、図8(e)に示すように変調成分Vrefmのピーク値とバイアス成分Vrefbとの和となる。
また、ボトムレベル参照電圧Vbtが誤差増幅器17bへ入力され、誤差増幅器17bからの差信号Sd_btが変調電流生成部3へ入力されることとなり、変調電流Imodに関する閉ループ回路が形成される。そして、変調電流生成部3により、変調電流Imodの供給が開始され、差信号Sd_btが小さくなるように(すなわち、ボトムレベル信号Sbtの大きさがボトムレベル参照電圧Vbtに近づくように)変調電流Imodの電流値が調節される。これにより、バイアス電流Ibiasと変調電流Imodとを合わせた駆動電流Idの大きさは、参照電流Irefの大きさに応じて制御されることとなる(図10(d))。
本実施形態の発光素子駆動回路1aが有する効果について説明する。図11(a)及び(b)は、発光素子駆動回路1aの効果を説明するための図である。図11(a)は、発光素子駆動回路1aの電流電圧変換部5aを示す回路図である。また、図11(b)は、比較例として、負帰還型のTIA回路を有する電流電圧変換回路の構成の一例を示す回路図である。なお、図11(a)及び(b)の回路図中に示す容量成分Cinは、フォトダイオード22と並列に設けられるノイズ除去用コンデンサ23(図5参照)の容量と、フォトダイオード22が有する寄生容量といった内部容量との合成容量を示している。
ここで、図11(b)に示した負帰還型のTIA回路を有する電流電圧変換回路7について説明する。電流電圧変換回路7は、トランジスタ71及び72、抵抗素子73a〜73c、及び可変抵抗部74を有する。トランジスタ71のコレクタは抵抗素子73aを介して電源電位線14に接続されており、エミッタは基準電位線15に接続されている。トランジスタ71のベースは、フォトダイオード22のカソードに接続されるとともに、可変抵抗部74を介してトランジスタ72のエミッタに接続されている。また、トランジスタ72のコレクタは抵抗素子73bを介して電源電位線14に接続されており、ベースはトランジスタ71のコレクタに接続されており、エミッタは抵抗素子73cを介して基準電位線15に接続されている。
電流電圧変換回路7においては、フォトダイオード22を流れる光電流Imonが可変抵抗部74を通過することによって、光電流Imonの電流量に比例するベース電流がトランジスタ71のベースから流れ出すことによって、ベースにはベース電流に対して逆位相の電位Vbが現れる。そして、この電位Vbとは逆位相の電位がトランジスタ71のコレクタに現れ、更にトランジスタ72のコレクタ側に電位Vbと同位相の電位が現れ、エミッタ側には電位Vbと逆位相の電位が現れる。このトランジスタ72の電位Vbと逆位相のエミッタ電位が可変抵抗部74を介して、負帰還されることで、負帰還型のトランスイピーダンスアンプとして動作する。トランジスタ72のコレクタ電位は、光量信号Smonとして取り出される。なお、この電流電圧変換回路7の比例係数(変換利得)は、可変抵抗部74の抵抗値によって定まる。
図11(a)に示す本実施形態の電流電圧変換部5aは、既述したようにコモンベース型であり、入力インピーダンスZin及びトランスインピーダンスZTは、それぞれ以下の数式(1),(2)で表される。また、入力インピーダンスZin及び容量成分Cinによるカットオフ周波数fcは、以下の数式(3)で表される。なお、数式(1)〜(3)において、g
mはトランジスタ51の相互コンダクタンスであり、RTIAは可変抵抗部57の抵抗値である。
上式(1)に示されるように、本実施形態の電流電圧変換部5aにおいて、入力インピーダンスZinはトランジスタ51の相互コンダクタンスgmにのみ依存しており、トランジスタ51に流れるエミッタ電流に応じて定まる。従って、カットオフ周波数fcは、上式(3)に示されるように容量成分Cin及び相互コンダクタンスgmにのみ依存することとなる。また、上式(2)に示されるように、電流電圧変換部5aのトランスインピーダンスZTは、可変抵抗部57の抵抗値RTIAのみによって定まる。従って、トランスインピーダンスZTを変更するために可変抵抗部57の抵抗値RTIAを変更したとしても、カットオフ周波数fcは殆ど変化しない。逆に、カットオフ周波数fcを変更するために容量成分Cinを変更したとしても、トランスインピーダンスZTは殆ど変化しない。
これに対し、図11(b)に示した負帰還型のTIA回路を有する電流電圧変換回路7において、入力インピーダンスZin及びトランスインピーダンスZTは、それぞれ以下の数式(4),(5)で表される。また、入力インピーダンスZin及び容量成分Cinによるカットオフ周波数fcは、以下の数式(6)で表される。なお、数式(4)〜(6)において、Aoは開ループゲインであり、RTIAは可変抵抗部74の抵抗値である。
上式(4)に示されるように、負帰還型のTIA回路を有する電流電圧変換回路7において、入力インピーダンスZinは開ループゲインAoに依存している。また、上式(5)に示されるように、電流電圧変換回路7のトランスインピーダンスZTは、可変抵抗部74の抵抗値RTIAと開ループゲインAoに依存する。従って、カットオフ周波数fcは、上式(6)に示されるように容量成分Cin及びトランスインピーダンスZTに依存することとなる。このため、トランスインピーダンスZTを変更するために可変抵抗部74の抵抗値RTIAを変更すると、カットオフ周波数fcも変化してしまう。
本来、コモンベース型TIA回路(図11(a))は負帰還型のTIA回路(図11(b))と比較してノイズを拾い易いため、発光素子駆動回路には不向きとされていた。しかし、以上に説明したように、本発明者らは、コモンベース型TIA回路のトランスインピーダンス用抵抗素子(可変抵抗部57)と容量成分Cin(フォトダイオード22の内部容量及び並列コンデンサ23の容量)とによってローパスフィルタは構成されず、トランスインピーダンスZTを変化させても高域カットオフ周波数fcが殆ど変化しない事から、レベルホールド部6におけるレベル検出精度はトランスインピーダンスZTに依存しなくなり、精度よく信号光強度と消光比を制御できることを見出した。
すなわち、本実施形態に係る発光素子駆動回路1a及び光送信器によれば、電流電圧変換部5aがコモンベース型TIA回路を含み、且つトランスインピーダンスZT(可変抵抗部57)が可変であることによって、フォトダイオード22からの光電流Imonを光量信号Smonに変換する際の変換利得を調整できるとともに、変換利得の調整による周波数特性(カットオフ周波数fc)への影響を低減できる。また、これによって、個々のレーザダイオード21の特性に応じて変換利得を調整する際の帯域補正が容易になり、帯域幅を一定に保つことができる。
また、本実施形態のように、発光素子駆動回路1aは、コモンベース型TIA回路のトランスインピーダンスZTを変更するための利得制御信号ZTSEL1,ZTSEL2を電流電圧変換部5a及び5bへ提供するための利得制御部(制御部16)を備えることが好ましい。これにより、レーザダイオード21の特性のばらつきに応じて電流電圧変換部5aの変換利得を容易に変更できる。
また、本実施形態のように、参照信号生成部13が参照電流生成部8及び電流電圧変換部5bを有し、電流電圧変換部5bが電流電圧変換部5aと同様にトランスインピーダンス可変のコモンベース型TIA回路を有することにより、電流電圧変換部5aの利得等の変換特性が温度変化等により変動した場合に、電流電圧変換部5bの変換特性も同様に変動するので、特性の変動を相殺できる。また、参照電流生成部8及び電流電圧変換部5bを結ぶ信号線18と基準電位線15との間に可変容量部9を有することにより、フォトダイオード22の内部容量に起因する光量信号Smonの周波数特性と同様の周波数特性を参照信号Vrefに与えることができ、且つ個々のフォトダイオード22の内部容量のばらつきにも容易に対応できる。従って、本実施形態の発光素子駆動回路1aによれば、更に精度良く駆動電流Idの電流量を制御できる。
また、本実施形態のように、発光素子駆動回路1aは、可変容量部9の容量を変更するための容量制御信号BW_AD1〜BW_AD3を可変容量部9へ提供するための容量制御部(制御部16)を備えることが好ましい。これにより、フォトダイオード22の内部容量のばらつきに応じて可変容量部9の容量値を容易に変更できる。
(第2の実施の形態)
図12は、本発明の他の好適な一実施形態である発光素子駆動回路1bの構成を示すブロック図である。同図に示す発光素子駆動回路1bは、光モジュール2を駆動するための回路であり、光モジュール2とともに本実施形態に係る光送信器を構成する。なお、本実施形態の光モジュール2の構成は、上記第1実施形態と同様なので詳細な説明を省略する。
発光素子駆動回路1bは、変調電流生成部103及びバイアス電流生成部104を含んでいる。変調電流生成部103及びバイアス電流生成部104は、本実施形態における駆動電流生成部119を構成する。変調電流生成部103は、コンデンサ102を介してレーザダイオード21のカソードと電気的に接続される。バイアス電流生成部104は、インダクタ101を介してレーザダイオード21のカソードと電気的に接続される。なお、本実施形態においては、レーザダイオード21のアノードは、電源電位線14と電気的に接続される。
バイアス電流生成部104は、レーザダイオード21に供給される駆動電流Idのバイアス成分である順方向のバイアス電流Ibiasを供給する。バイアス電流生成部104は、制御端104aを有する。後述するように、バイアス電流Ibiasの大きさは、制御端104aに提供される差信号Sd_aveに応じて調節される。また、変調電流生成部103の入力端103aは、発光素子駆動回路1bの信号入力端115と電気的に接続されている。信号入力端115には、外部の信号発生装置(図示せず)から送信信号Sinが供給される。変調電流生成部103は、入力端103aを通じて送信信号Sinを受け取り、送信信号Sinに応じた変調電流Imodを出力端103bに生成し、それをバイアス電流Ibiasに重畳する。変調電流Imodは、レーザダイオード21に供給される駆動電流Idの変調成分であり、送信信号Sinのデータ伝送速度に等しい周波数を有する。変調電流生成部103は、更に制御端103cを有する。後述するように、変調電流Imodの振幅は制御端103cに提供される差信号Sd_ampに応じて調節される。インダクタ101は、交流の変調電流Imodがバイアス電流生成部104に流入することを防止し、コンデンサ102は、直流のバイアス電流Ibiasが変調電流生成部103に流入することを防止する。
フォトダイオード22のカソードは、フォトダイオード22に逆方向のバイアス電圧を印加するための電源電位線14と電気的に接続されている。フォトダイオード22のアノードは、電流電圧変換部105の入力端105aと電気的に接続されている。電流電圧変換部105は、本実施形態における第1の電流電圧変換部であり、第1実施形態の電流電圧変換部5aと同様の回路構成を有する。すなわち、電流電圧変換部105は、コモンベース型TIA回路(図5参照)を含んでおり、該コモンベース型TIA回路のトランスインピーダンスを変更可能に構成されている。電流電圧変換部105は、フォトダイオード22からの光電流Imonを受け取り、電圧信号である光量信号Smonに変換する。この光量信号Smonは電流電圧変換部105の出力端105bに生成される。
また、電流電圧変換部105は、制御端105cを有する。制御端105cは、制御部130と電気的に接続されている。電流電圧変換部105のトランスインピーダンスは、制御部130から制御端105cに提供される利得制御信号ZTSELに応じて変更される。
出力端105bは、平均値検出部106の入力端106aと電気的に接続されている。平均値検出部106は、電流電圧変換部105から光量信号Smonを受け取り、その光量信号Smonの平均値を検出する。この平均値は、フォトダイオード22からの光電流Imonの平均値と等価であり、したがって、レーザダイオード21の信号光強度の平均値と等価である。平均値検出部106は、検出された平均値に応じた出力電圧をその出力端106bに生成する。
出力端106bは、誤差増幅器108の非反転入力端108aと電気的に接続されている。したがって、平均値検出部106からの出力電圧は非反転入力端108aに提供される。誤差増幅器108の反転入力端108bは、参照電圧生成部107と電気的に接続されている。参照電圧生成部107は、所定の参照電圧を生成し、反転入力端108bに提供する。誤差増幅器108は、平均値検出部106からの出力電圧と参照電圧生成部107からの参照電圧との差に応じた電圧信号(差信号Sd_ave)を出力端108cに生成する。出力端108cはバイアス電流生成部104の制御端104aに接続されており、差信号Sd_aveはバイアス電流生成部104の制御端104aへ提供される。
バイアス電流生成部104は、誤差増幅器108からの差信号Sd_aveに応じてバイアス電流Ibiasの大きさを調節する。具体的には、バイアス電流生成部104は、差信号Sd_aveが安定するようにバイアス電流Ibiasの大きさを負帰還制御する。このように、発光素子駆動回路1bは、レーザダイオード21の信号光強度の平均値に応じてバイアス電流Ibiasを調節し、信号光Pの平均強度を安定化する。
電流電圧変換部105の出力端105bは、更に、ローパスフィルタ109を介して振幅検出部110と電気的に接続されている。ローパスフィルタ109は、電流電圧変換部105によって生成された光量信号Smonをフィルタリングし、光量信号Smonの周波数帯域を制限する。ローパスフィルタ109は、所定のカットオフ周波数を有しており、光量信号Smonにおいてカットオフ周波数より高い周波数を有する成分を主に減衰させる。本実施形態では、ローパスフィルタ109は、送信信号Sinのデータ伝送速度よりも低いカットオフ周波数を有する。
ローパスフィルタ109によってフィルタリングされた光量信号Smonは、振幅検出部110の入力端110aに供給される。振幅検出部110は、この光量信号Smonの振幅を検出する。振幅検出部110の出力端110bには、検出された振幅に応じた出力電圧が生成される。出力端110bは、誤差増幅器111の非反転入力端111aと電気的に接続されている。したがって、振幅検出部110からの出力電圧は非反転入力端111aへ提供される。
誤差増幅器111の反転入力端111bは、振幅検出部114の出力端114bと電気的に接続されている。振幅検出部114の入力端114aは、ローパスフィルタ113を介して参照振幅生成部112の出力端112bと電気的に接続されている。参照振幅生成部112の入力端112aは、発光素子駆動回路1bの信号入力端115と電気的に接続されている。
参照振幅生成部112は、信号入力端115を通じて送信信号Sinを受け取り、参照信号Vrefを出力端112bに生成する。この参照信号Vrefは、送信信号Sinに対応するパルス信号である。すなわち、参照信号Vrefは、送信信号Sinの振幅に応じた振幅を有する。また、参照信号Vrefは、送信信号Sinの振動に応じた立ち上がりおよび立ち下がりを有する。参照信号Vrefは、送信信号Sinと同じデータを示す。参照振幅生成部112は、例えば、送信信号Sinを増幅することにより参照信号Vrefを生成してもよい。
ローパスフィルタ113は、ローパスフィルタ109と実質的に同一の周波数特性およびカットオフ周波数を有する。ローパスフィルタ113は、参照信号Vrefをフィルタリングし、参照信号Vrefの周波数帯域を制限する。ローパスフィルタ113は、参照信号Vrefにおいてカットオフ周波数より高い周波数を有する成分を主に減衰させる。ローパスフィルタ113によってフィルタリングされた参照信号Vrefは、振幅検出部114の入力端114aに提供される。振幅検出部114は、この参照信号Vrefの振幅を検出する。振幅検出部114の出力端114bには、検出された振幅に応じた出力電圧が生成される。この結果、振幅検出部114の出力電圧が誤差増幅器111の反転入力端111bに提供される。
誤差増幅器111は、振幅検出部110及び114の出力電圧の差に応じた電圧信号(差信号Sd_amp)を出力端111cに生成する。出力端111cは変調電流生成部103の制御端103cと電気的に接続されており、差信号Sd_ampは変調電流生成部103の制御端103cに提供される。
変調電流生成部103は、差信号Sd_ampに応じて変調電流Imodの振幅を調節する。具体的には、変調電流生成部103は、差信号Sd_ampが安定するように変調電流Imodの振幅を負帰還制御する。このように、発光素子駆動回路1bは、レーザダイオード21の信号光強度の振幅に応じて変調電流Imodの振幅を調節し、信号光Pの消光比を安定化する。これにより、レーザダイオード21の個体ばらつきや温度変動に起因するレーザダイオード21の不安定な動作を防止できる。
本実施形態に係る発光素子駆動回路1b及び光送信器によれば、電流電圧変換部105がコモンベース型TIA回路を含み、且つトランスインピーダンスが可変であることによって、第1実施形態の発光素子駆動回路1aと同様に、フォトダイオード22からの光電流Imonを光量信号Smonに変換する際の変換利得を調整できるとともに、変換利得の調整による周波数特性(カットオフ周波数)への影響を低減できる。また、これによって、個々のレーザダイオード21の特性に応じて変換利得を調整する際の帯域補正が容易になり、帯域幅を一定に保つことができる。
また、本実施形態に係る発光素子駆動回路1bにおいては、電流電圧変換部105と振幅検出部110との間にローパスフィルタ109が設置されている。このローパスフィルタ109が電流電圧変換部105の出力電圧信号(光量信号Smon)の帯域を制限するので、駆動電流Idに起因する光量信号Smon中のクロストークノイズを低減する。したがって、振幅検出部110は、光量信号Smonの振幅を正確に検出することができる。この結果、レーザダイオード21の信号光強度の振幅を正確に監視し、その振幅に応じて変調電流Imodの振幅を調節して、信号光Pの消光比を適切に安定化できる。
(第1の変形例)
図13は、上記第2実施形態の変形例に係る発光素子駆動回路の構成を示すブロック図である。この発光素子駆動回路1cは、図12に示した発光素子駆動回路1bの構成要素に加え、フィルタ制御部116を含んでいる。以下では、本変形例の発光素子駆動回路1cと上記第2実施形態の発光素子駆動回路1bとの相違点について説明する。
本変形例では、ローパスフィルタ109及び113のカットオフ周波数が可変となっている。フィルタ制御部116は、ローパスフィルタ109及び113のカットオフ周波数を制御する。ローパスフィルタ109及び113はそれぞれ制御端109c及び113cを有しており、制御端109c及び113cは、フィルタ制御部116の出力端116bと電気的に接続されている。フィルタ制御部116は、出力端116bからローパスフィルタ109及び113へ制御信号を送出し、それらのカットオフ周波数を設定する。フィルタ制御部116の入力端116aには、外部の回路から送信信号Sinのデータ伝送速度情報Dtrが送られる。
フィルタ制御部116は、データ伝送速度情報Dtrに応じて、ローパスフィルタ109及び113のカットオフ周波数をデータ伝送速度よりも低くなるように制御する。また、フィルタ制御部116は、ローパスフィルタ109及び113のカットオフ周波数を同じ値に設定する。この結果、送信信号Sinのデータ伝送速度が変化しても、ローパスフィルタ109及び113のカットオフ周波数がデータ伝送速度を超えることはない。従って、データ伝送速度にかかわらずクロストークノイズを低減し、信号光Pの消光比を良好に安定化することができる。また、データ伝送速度に応じてカットオフ周波数を最適化することが可能となる。これにより、発光素子駆動回路1cは、広範囲のデータ伝送速度のもとで動作することができる。
(第2の変形例)
図14は、上記第2実施形態の他の変形例に係る発光素子駆動回路の構成を示すブロック図である。本変形例の発光素子駆動回路1dは、発光素子駆動回路1bにおける参照振幅生成部112に代えて、参照電流生成部121、電流電圧変換部122、及び可変容量部123を備える。参照電流生成部121、電流電圧変換部122、及び可変容量部123は、本実施形態における参照信号生成部を構成しており、相互に電気的に接続されている。
参照電流生成部121は、発光素子駆動回路1dの信号入力端115と電気的に接続された入力端121aを有する。参照電流生成部121は、信号入力端115を通じて送信信号Sinを受け取り、送信信号Sinに応じた参照電流を出力端121bに生成する。この参照電流は、送信信号Sinに対応するパルス信号である。すなわち、参照電流は、送信信号Sinの振幅に応じた振幅を有する。また、参照電流は、送信信号Sinの振動に応じた立ち上がりおよび立ち下がりを有する。参照電流は、送信信号Sinと同じデータを示す。
参照電流生成部121の出力端121bは、電流電圧変換部122の入力端122aと電気的に接続されている。電流電圧変換部122は、本実施形態における第2の電流電圧変換部であり、電流電圧変換部105と同様の回路構成を有する。すなわち、電流電圧変換部122は、コモンベース型TIA回路(図5参照)を含んでおり、該コモンベース型TIA回路のトランスインピーダンスを変更可能に構成されている。電流電圧変換部122は、参照電流生成部121によって生成された参照電流を受け取り、電圧信号である参照信号Vrefに変換する。参照信号Vrefは、電流電圧変換部122の出力端122bに生成される。
また、電流電圧変換部122は、制御端122cを有する。制御端122cは、制御部130の出力端130aと電気的に接続されている。電流電圧変換部122のトランスインピーダンスは、制御部130の出力端130aから制御端122cに提供される利得制御信号ZTSELに応じて変更される。
電流電圧変換部122の出力端122bは、ローパスフィルタ113と電気的に接続されている。ローパスフィルタ113は、電流電圧変換部122から参照信号Vrefを受け取り、それをフィルタリングする。その後、振幅検出部114が参照信号Vrefの振幅を検出し、その振幅に応じた出力電圧を生成する。この出力電圧は誤差増幅器111の反転入力端111bに提供される。誤差増幅器111は、振幅検出部110及び114の出力電圧の差に応じた差信号Sd_ampを出力端111cに生成する。変調電流生成部103における変調電流Imodの振幅は誤差増幅器111からの差信号Sd_ampに応じて負帰還制御され、それにより信号光Pの消光比が安定化される。
参照電流生成部121及び電流電圧変換部122を結ぶ信号線と基準電位線15との間には、可変容量部123が接続されている。すなわち、可変容量部123の一端は、参照電流生成部121の出力端121bと電流電圧変換部122の入力端122aとを結ぶ信号線と電気的に接続されている。可変容量部123の他端は、基準電位線15と電気的に接続されている。可変容量部123は、フォトダイオード22の静電容量が電流電圧変換部105の動作に及ぼす影響を補正するために設けられている。
また、可変容量部123は、制御部130の出力端130bと電気的に接続されており、制御部130の出力端130bから出力される容量制御信号BW_ADに応じて容量値を変更可能なように構成されている。例えば、可変容量部123は、図7に示した第1実施形態の可変容量部9と同様の構成を有するとよい。
発光素子駆動回路1dは、平均値検出部117を更に備える。平均値検出部117は、平均値検出部106と同じ構成を有することが好ましい。平均値検出部117の入力端117aはローパスフィルタ113と電気的に接続されており、出力端117bは誤差増幅器108の反転入力端108bと電気的に接続されている。誤差増幅器108は、平均値検出部106及び117からの出力電圧の差に応じた差信号Sd_aveを出力端108cに生成する。バイアス電流生成部104は、この差信号Sd_aveに応じてバイアス電流Ibiasの大きさを負帰還制御する。これにより、信号光Pの平均光強度が安定化される。
本変形例の発光素子駆動回路1dによれば、第2実施形態の発光素子駆動回路1bの効果に加え、更に以下の効果を得ることができる。すなわち、本変形例の発光素子駆動回路1dのように、参照信号生成部が参照電流生成部121及び電流電圧変換部122を有し、電流電圧変換部122が電流電圧変換部105と同様にトランスインピーダンス可変のコモンベース型TIA回路を有することにより、電流電圧変換部105の利得等の変換特性が温度変化等により変動した場合に、電流電圧変換部122の変換特性も同様に変動するので、特性の変動を相殺できる。また、参照電流生成部121及び電流電圧変換部122を結ぶ信号線と基準電位線15との間に可変容量部123を有することにより、フォトダイオード22の内部容量に起因する光量信号Smonの周波数特性と同様の周波数特性を参照信号Vrefに与えることができ、且つ個々のフォトダイオード22の内部容量のばらつきにも容易に対応できる。従って、本変形例の発光素子駆動回路1dによれば、更に精度良く駆動電流Idの電流量を制御できる。
また、本変形例のように、発光素子駆動回路1dは、可変容量部123の容量を変更するための容量制御信号BW_ADを可変容量部123へ提供するための容量制御部(制御部130)を備えることが好ましい。これにより、フォトダイオード22の内部容量のばらつきに応じて可変容量部123の容量値を容易に変更できる。
(第3の変形例)
図15は、上記第2実施形態の他の変形例に係る発光素子駆動回路の構成を示すブロック図である。本変形例の発光素子駆動回路1eは、第2変形例における電流電圧変換部及びローパスフィルタを単一の回路部分で置き換えた構造を有する。すなわち、発光素子駆動回路1eは、図14における電流電圧変換部105及びローパスフィルタ109をフィルタ機能付き電流電圧変換部124に、電流電圧変換部122及びローパスフィルタ113をフィルタ機能付き電流電圧変換部125にそれぞれ置き換えた構造を有する。
これらのフィルタ機能付き電流電圧変換部124及び125は同一の回路構造を有しており、したがって実質的に同一の動作特性を有する。また、フィルタ機能付き電流電圧変換部124及び125は、コモンベース型TIA回路を含んでおり、該コモンベース型TIA回路のトランスインピーダンスを変更可能に構成されている。フィルタ機能付き電流電圧変換部124の入力端124aは、フォトダイオード22のアノードと電気的に接続されており、出力端124bは、平均値検出部106の入力端106a及び振幅検出部110の入力端110aと電気的に接続されている。また、フィルタ機能付き電流電圧変換部125の入力端125aは、参照電流生成部121の出力端121bと電気的に接続されており、出力端125bは、平均値検出部117の入力端117a及び振幅検出部114の入力端114aと電気的に接続されている。
また、フィルタ機能付き電流電圧変換部124及び125は、それぞれ制御端124c及び125cを有する。制御端124c及び125cは、制御部130の出力端130aと電気的に接続されている。フィルタ機能付き電流電圧変換部124及び125のトランスインピーダンスは、制御部130の出力端130aから制御端124c及び125cに提供される利得制御信号ZTSELに応じて変更される。
フィルタ機能付き電流電圧変換部124及び125の動作は、第2変形例における電流電圧変換部及びローパスフィルタの動作と同様である。したがって、本変形例の発光素子駆動回路1eは、第2変形例の発光素子駆動回路1dと同様の効果を有する。
(第4の変形例)
図16は、上記第2実施形態の他の変形例に係る発光素子駆動回路の構成を示すブロック図である。本変形例の発光素子駆動回路1fは、差動型のAC結合型発光素子駆動回路である。すなわち、発光素子駆動回路1fは、第2実施形態の変調電流生成部103(図12)に代えて、差動型の変調電流生成部126を備える。変調電流生成部126は、二つの出力端126bおよび126dを有する。出力端126bおよび126dの一方からは、送信信号Sinと同相の変調電流Imod1が出力され、他方からは送信信号Sinと逆相の変調電流Imod2が出力される。
また、本変形例においては、レーザダイオード21のアノードは、インダクタ101aを介して電源電位線14と電気的に接続されるとともに、コンデンサ102aを介して変調電流生成部126の出力端126bと電気的に接続される。レーザダイオード21のカソードは、インダクタ101bを介してバイアス電流生成部104と電気的に接続されるとともに、コンデンサ102bを介して変調電流生成部126の出力端126cと電気的に接続される。そして、二つの出力端126b及び126cのそれぞれから出力される変調電流Imod1及びImod2の差がバイアス電流Ibiasに重畳され、駆動電流Idとしてレーザダイオード21に供給される。この結果、レーザダイオード21は送信信号Sinに応じた信号光Pを生成する。また、変調電流生成部126は、更に制御端126cを有する。変調電流Imod1及びImod2の振幅は、制御端126cに提供される差信号Sd_ampに応じて調節される。
発光素子駆動回路1fは、第2実施形態の発光素子駆動回路1bと同様の回路構造を用いてフォトダイオード22からの光電流Imonを処理し、信号光Pの光強度を制御する。従って、発光素子駆動回路1fは、発光素子駆動回路1bと同様の効果を有する。このように、本発明は差動型の発光素子駆動回路にも適用することができ、その場合にも非差動型の発光素子駆動回路と同様の効果が得られる。
本発明による発光素子駆動回路及び光送信器は、上記した各実施形態及び各変形例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、図1の実施例では差動型のAC結合回路の発光素子駆動回路について説明しているが、本発明による発光素子駆動回路を、片相のAC結合回路としても良いし、DC結合型としてもよい。また図16の実施例は図12の実施例を差動型のAC結合回路に変形したものであるが、図13〜図15の実施例に示される発光素子駆動回路を差動型に変形してもよい。
1a〜1f…発光素子駆動回路、2…光モジュール、3…変調電流生成部、4…バイアス電流源、5a,5b…電流電圧変換部、6a,6b…レベルホールド部、8…参照電流生成部、9…可変容量部、13…参照信号生成部、16…制御部、19…駆動電流生成部、21…レーザダイオード、22…フォトダイオード、BW_AD1〜BW_AD3…容量制御信号、Ibias…バイアス電流、Imod1,Imod2…変調電流、Imon…光電流、P…信号光、RST_B,RST_P…スイッチ制御信号、Smon…光量信号、Sp,Sn…送信信号、Vref…参照信号、ZTSEL1,ZTSEL2…利得制御信号。